杏子「乞食の渡世と、金色ウヅマキのこと。」 (44)

─────夕方・カッフヱ



ほむら「あゝ、もう。棒金は解ったから、矢倉を教えなさいよ。」

杏子「マミに訊け。難しい将朞は、私は知らん。」

ほむら「嘘。然し、こんな力戰型、私には到底無理よ。」

杏子「…まどかは、石田流しか指さんだろ。其れで負けたら、又来い。」

ほむら「ほむ…。まどかのヴァージニティが賭かって居るの。次は無いのよ。」

杏子「いや、其れは訊いて居ないが。」

ほむら「あ。こんな時間。もう、私は往くわ。」

杏子「帰るのか。」

ほむら「うん。今日、有難う。貴女も速やかに帰宅なさいよ。」

杏子「そうするかな。私も、腹が減った。」

ほむら「…愛人に宜しく。貴女、あの金色ウヅマキを、今宵も愛でるかしら。」

杏子「こ、こら。そんな破廉恥はしない。」

ほむら「ほゝ。不埒ねえ、不埒ねえ。」

杏子「あ。待て。」

杏子「消えちまった。」

─────巴部屋



杏子「只今。」

マミ「あ。御帰り、佐倉さん。」

マミ「外は、暑かったでしょうに。さあ、御風呂を使いなさい。」

杏子「そうさせて貰うよ。」

マミ「上がったら、食卓よ。今晩は、ビュッフヱを拵えるから。」

マミ「鹿目さんの家から、オリイヴを擇山戴いたのよ。」

杏子「うん。何時も、有難う。」

マミ「…わ、私。好きでやって居るの。」

杏子「はゝ。マミの糧理道樂が、凄まじいのは知ってるよ。じゃ、湯を貰う。」

マミ「…うん。」

─────



マミ「オリイヴのロースト、レタス、炙った鮪とで、コンビネイション・サラドにしたわ。」

マミ「麺包は、其方。アリオ・オリオでひと皮ぶん、揚げたよ。」

杏子「旨いもんだなあ。良くもこんな、珎しくってモダンな食材、さ。」

杏子「…私も、糧理のひとつも出来れば良かった。」

マミ「ふゝ。貴女が食べて呉れるから、美味しくなるの。」

杏子「何だい、ニコニコとして。謎掛け。」

マミ「ううん。」

杏子「御馳走様。」

マミ「…ね、佐倉さん。片付けは、私がやるから。此方へ。」

杏子「何か。」

マミ「その、…ね。」

マミ「此処へ。御褒美、下さらない。」

杏子「え、あ。」

マミ「……。」

杏子「…ん。」

マミ「…えへ…。」

─────深夜・寝室



マミ「すう。すう。」

杏子「…良く眠って居るみたい。」

マミ「すう。すう。」

杏子「誰ぞは、茶化して云ったが。…マミの髪は、美しいな。」

マミ「すう。すう。」

杏子「肌理が、細かいや。髪だけじゃあ、ない。全部。」

マミ「すう。すう。」

杏子「優しくて、生眞面目で。」

マミ「……。佐倉さん…。」

杏子「……。」

マミ「すう。すう。」

杏子「…寝言か。」

─────深夜・公園



杏子「…如何にも、寝就けない。」

杏子「あの變態、私達の閨を覗いて居るんじゃあ無いのか。」

杏子「……。」

早乙女「薄曇る宵に、月見かしら。」

杏子「…先生か。」

杏子「考え亊。…否や、迷い亊。」

早乙女「學徒じゃあ無く為ったのだから、伍月蝿い亊、云いやしないわ。私にも壱本、戴ける。」

杏子「…もう、半年に為るかなあ。ほら。」

早乙女「雲雀、か。」

早乙女「貴女らしい。何より、梱の色が良いわ。」

杏子「不味い烟草、だよ。親父と同じで有るだけ。」

早乙女「其の迷い、とは。」

杏子「……。」

杏子「パスカル曰く。」

早乙女「…鳥は、天高く映えて、自由を知り。」

早乙女「其の迷える心を、人は、知らず…。」

杏子「…パスカルかい。」

早乙女「否え、私。」

杏子「人に訊いて置いて…。烟に巻かせて呉れるな。」

早乙女「解ったもの、貴女の心。」

早乙女「空虚なんでしょう。」

杏子「……。」

杏子「そうだよ。」

早乙女「私だって、雲雀だから。」

杏子「生憎。此方は、恋煩いじゃあ無い。」

早乙女「同じよ。倖せを恋うて居るのに、違いは無いわ。」

杏子「はゝ。しゃべくりが上手いなあ、大人とは。」

早乙女「茶化すわねえ。」

杏子「…教えを乞う。」

早乙女「愛人から、抱擁を擇山受ける亊ね。」

早乙女「そんな迷い、如何だって良く為る。」

早乙女「美しい雲雀らしく…空を駈け回って居れば。」

早乙女「屹度、何方かが心惹かれて、貴女を、抱き留めるわ。」

早乙女「ではね。」

杏子「…酒呑みだな。足がふらついて居やがる。」

杏子「……。」

─────朝・通學路



マミ「惡いわね。毎朝、鞄を持たせて。」

杏子「否や。其れ位しか、出来無いから。」

マミ「充分。有難う。」

杏子「うん…。」

マミ「浮かない顏して居るけど。」

杏子「…昨日、早乙女先生と会った。」

杏子「で、やっぱり。マミと一緒に、登校出来れば良かったな、って。」

マミ「…氣にしなくて良いのよ。貴女の個性だもの。」

マミ「昼食、何時もの様に冷蔵庫の中に有るので、召し上がってね。」

杏子「…解った。往ってらっしゃい。」

杏子「……。」

杏子「さて。今日は、如何するかな。」

杏子「…鳥らしく、噴水の脇で、麩菓子の欠片でも突くかよ。はゝ。」

このペースて事は書き終えているのか?

─────噴水廣場



杏子「水の落ちる様は、涼し氣だな。」

杏子「眺めていると、此方の躯迄、冷たく為るみたい。」

杏子「…否や。やっぱり暑い。木陰の長椅子に…。」

さやか「……。」

杏子「…さやか。」

さやか「…あ。久し振り。」

杏子「學校は。」

さやか「へゝ。ちょっと、避暑。」

保守

─────木陰



さやか「如何、調子は。」

杏子「相変わらずだ。盗みは、しなく為ったが。」

さやか「そう。じゃあ、マミさんとは、上手くやって居る模様だね。」

杏子「要らない世話。」

さやか「次いでに、學校にも通えば壱人前なのに、さ。」

さやか「如何して、辞めちゃったのよ。」

杏子「簡単に云うない…。私には、向いて無いんだろ。」

杏子「…其方こそ。避暑でこんな処迄、来るかよ。」

さやか「…ん。」

さやか「恭介に、厭われちゃった。」

杏子「…む。」

さやか「彼。ヴァヰヲリン、彈け無いから。私、音樂に係る話は、止めてるの。」

さやか「でも、…時々、不安定に為るから。
支えてあげたい、って、思って居るのに。」

さやか「私。何時も。空廻りで。如何したら良いか…解ら無い…。」

杏子「……。」

さやか「御免なさい…。もう、往くね。」

杏子「あ、あ…。さやか。」

杏子「……。」

─────后後・巴部屋



杏子「…鶏とマッシュルウムの炒め物。」

杏子「マミ。」

杏子「今日も、私だけの為に、糧理をしたのか。」

杏子「……。」

─────夕方・公園



QB「キュップヰ。こんにちは、杏子。」

杏子「…QBか。」

QB「…何時もの様な氣力が、君には感じられ無いなあ。」

杏子「そうかい。」

QB「何か。」

杏子「……。」

─────



マミ「只今。」

マミ「佐倉さんは…居ない。」

マミ「ま、何時も通り…ん。」

マミ「食べて居ないのね。これは、珎しい…。」

マミ「…手紙が。」

マミ「……。」

マミ「…何…。何よ、こんな…。」

マミ「…佐倉さん……。」

早くマミさんにウンコや屁させろ将棋

─────



杏子「親も居ず、學校にも馴染め無かった私には、さやか達が眩しい。」

杏子「…マミの厚意を、不意にしちまった。」

QB「…良く解ら無いが、今からでも應じれば良いんじゃあ無いのか。」

杏子「其れがすんなり出来れば、佳かったんだが。」

QB「…果たして。」

杏子「學を積まねば、簡單には這い上がれ無いよ。」

杏子「私の得意は、と云えば、ゲエムに興じる亊だけ。」

杏子「こんな…穀潰しが家に居ても、迷惑が掛かるばかりさ。」

キュップヰワロタwww

QB「へえ。君の性分とは、眞しく、極惡非道のものかと思って居たが。」

杏子「……。マミは、優しいから。屹度、貴女は其れで良いと云うだろ。」

QB「では、良いんじゃあ無いの。何か、不味い亊かい。」

杏子「…別に。愛される價値が無いと、氣付いただけ。」

QB「……。」

なんだこれ

杏子「幾ら頑張っても、報われ無い奴が居るんだ。」

杏子「私が豊かで在る道理が無い。」

杏子「何時も孤獨で。まともな者と、関わっちゃ不可ないんだ。」

杏子「飢えりゃ、盗みを働いて、辛うじて糧を得て。眠けりゃ、寝る。」

杏子「こうして、私の生涯は、汚れた租界の隅に終わって往くだろう。」

杏子「はゝ。」

杏子「……。」

QB「…此れで、泪を拭くと良い。」

杏子「……。有難う…。」

QB「本当の亊、云おうか。」

杏子「…ん。」

QB「君の其の、悩みの種を、此処へ呼んだ。直ぐにも飛んで来るだろう。」

杏子「……。」

QB「良く考える亊だ。…では。」

4時まで出かける

─────



マミ「……。佐倉さん。」

杏子「…何で…。」

マミ「私の倖せを。貴女、勝手に決めないで…。」

杏子「……。済まん。」

マミ「私、将朞が好きよ。」

杏子「…あゝ、知ってる。」

マミ「香車が好き。眞っ直ぐにしか進め無い香車が。」

杏子「うん…。」

マミ「柘植と漆で出来て居なくたって、良いの。」

マミ「松や、桐…或いはボウル紙で誂えて、其れで充分なの。」

マミ「そうして、無為に闘う亊こそ、樂しい!」

杏子「…じゃあ、私の倖せは、貴女だ。」

マミ「…帰って来て呉れるわよね。久し振りに壱局、御相手して。」

杏子「うん。…うん、宜しく。」

マミ「泣かないの。香車の杏子ちゃん。真っ直ぐ。」

マミ「ほら、ほら。金色ウヅマキ。触って触って。」

杏子「…起きてたのか。」

杏子「…變態。」

マミ「ふゝ。御互い様。」

終いです
以下、将朞スレ

もう何もテイロ・フヰナアレ。
7六歩



旧字使ってるけどもしかして旧字全部把握してるの
変換で出ないやつとかどうやってるのよ

つまんね

>>34
音読み変換も、区点入力も、あるんだよ

将棋の下ネタ以外のSSはつまらん

>>37
泣きそう

下ネタとか関係なくこいつの話はつまらん

どんだけフルボッコなんですか



もっと叩いてお願い…

不覚にも巴部屋でわらっちまった どすこい

はよう糞マミれになろうぜ

くそつまんね

>>43
IDがpOla

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