美琴「まったく、遅いわよ」 (555)
初めまして。
長くなりそうなので要点だけ。
1.上琴SS
2.スレ立ては初めて
3.ルール等は読んできました。
以上です。
それでは
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376578478
超能力者
常盤台中学のエース
お嬢様
御坂美琴に対する周囲の評価などそんなものだ。
彼女はそれが嫌だった。
可愛らしいものを好むし、清楚なんてほど遠い性格だ。
友達とクレープを食べたりゲームセンターで一緒に遊んでみたい。
だけども学園都市の広告塔として表舞台に立つことの多く、そのせいでイメージだけが先行していった。
そのせいで周囲は勝手に期待し、そして理想を押し付けた。
いつしかそれに耐えられなくなった美琴は寮へ帰らず外で目的もなくふらつくようになった。
6月下旬
夜の学園都市に御坂美琴はいた。
寮の門限はとっくに過ぎている。
彼女の周りには何人もの不良。
その周囲を歩くものは皆、見て見ぬ振りである。
(ま、しょうがないわよね。皆自分が可愛いんだから。それにこんな状況で助けに来る奴がいるとしたら、ただの馬鹿よ)
だが助けてほしいなどとは微塵も思っていない。
彼女は学園都市に7人しかいない超能力者。
その気になればこんな群れて強がってる雑魚共など一蹴できる。
だからどれだけ囲まれようが、最初からどうでもよかったのだ。
そろそろ鬱陶しくなってきたので、能力で追い払おうとした時、現れたのだ。
「まったくどこ行ってたんだよ」
不良の集団の中、たった1人で割り込んできた『馬鹿』が。
(うそ・・・いるんだ。こんなやつ)
「いやー、すいませんね連れが。ほら、行くぞ」
そう言って『この馬鹿』は手を伸ばしてきた。
どうやら知り合いのフリをしてここから抜け出す作戦なのだろう。
本来なら誰ともわからない人間など信用できないはずだった。
「まったく、遅いわよ」
だけども『この馬鹿』に興味が出てきた。
『この馬鹿』の目を見れば下心で動いてなどいないことはわかった。
だから信用して、その手を掴んで走り出した。
本日(今夜?)はここまでで。
放置だけはしないようにしていきます。
乙 面白くなりそう
まぁ頑張ってください
乙です
期待
改行を頼む
おちゅ
意味もなくぶらつくとか
椰子みたいだな
狸の金玉みたいだな
乙
新鮮なアプローチだな
>>12
つよきす?
どうも>>1です。
今日も投下させていただきます。
その後、当然不良どもは見逃してくれるはずもなく、あとからぞろぞろと出てきた何人もの不良に数十分間二人で逃げるはめとなった。
「はぁ、はぁ、そろそろ撒いたか?」
「た、たぶん。私は御坂美琴。あんた、名前は?」
「俺は上条当麻」
「そう、さっきはありがとう」
だが一つだけ、どうしても気になることがあった。
「でもどうして私を助けたの?あ、もしかして高位の能力者とか」
「どうしてって、困ってる人がいたら助けるのは当然だろ?それに上条さんは無能力者ですことよ」
「レベル・・・・・・0・・・?・・・じゃあ喧嘩がとても強いとか・・・」
「たしかに喧嘩には慣れてるけどそこまで強くはねぇよ。相手が3人もいれば逃げるしかないしな」
『馬鹿』改め、上条が無能力者だという事実に美琴は驚きを隠せなかった。
能力で相手を倒すこともできない。
特段喧嘩が強いわけでもない。
困ってるから。それだけの理由で助けに行けるものなのか。
「あんた、馬鹿でしょ」
珍しく感情的になってしまっていた。
「今日は逃げ切れたからいいけど、もし捕まったら?私は常盤台の生徒よ。この制服を見れば能力者だってわかるでしょ!?自分の身ぐらい自分で守れる。でもあんたはどうなの!?怪我だけじゃすまない時だってあるのよ!!怖いって思わないの!?」
「捕まったとき・・・か。そういうのって、考えたことないんだよな。ありがとうな、心配してくれて。たしかに怖いけどさ、誰かが困ってると、自然と体が動くんだよ」
「・・・・・・」
もうそれ以上何も言えなかった。
「もう遅いし、お前も早く帰れよ」
そう言って、上条は立ち去ろうとした。
「待って!」
何を言おうかなんて考えていなかった。
だけども上条と別れるのが惜しくて美琴は呼び止めた。
「あ・・・また、会えるかな?」
「多分な。じゃあな、御坂」
今度こそ、上条は去っていった。
「お姉さま!毎日一体どこへ行ってましたの!?寮監の目をごまかすもの楽ではありませんのよ!」
「ごめんごめん」
白井黒子。
美琴と同室であり、彼女を慕う後輩だ。
変態な部分もあるが、美琴が学園都市でわがままを言え、友人とも言える唯一の人物だ。
(・・・上条当麻、か)
だけども現在美琴の心を占めるのは先程会った上条という少年のことだ。
今何をしているのか、彼のことだからもしかして別の誰かを助けている最中なのか、ベッドに入ってそんなことばかりを考えていた。
今日はここまで。
ネタはあるけどもうストックがないぜ
>>1です。
そういえば改行していませんでした。
申し訳ございません
おつ
乙まってるぜ
乙
期待してる
マダー?
>>1です。
今日はあまり進まず1レスしか書けてません。
上条は美琴と別れたあと、別の女性を助けたため疲れてベッドに倒れ込んでいた。
「・・・御坂美琴、か」
第一印象は『可愛い』だった。
手を繋ぎながら逃げて『ドキドキ』した。
そんなことを感じたのは初めてだ。
『また、会えるかな?』
その言葉が今でも頭から離れない。
次の投稿までかかる・・・かもしれません。
良質のラブコメになることを期待。
乙です
おつ
>>1です。
そろそろ1日1レスがきつくなってきました。
それでは
「チェイサー!」
自動販売機が蹴られる音が放課後の公園に響いた。
(お、ラッキー)
美琴は本日の戦利品、ヤシの実サイダーを持ってベンチに座った。
(・・・・・・)
ただぼーっとしているだけで上条のことを思い出す。
(なんなのよもう・・・)
何故かはわからない。
ただもう一度だけでも上条に会いたいと思うようになっていた。
「おっす御坂、久しぶりだな」
「ふぇ!?」
突然、上条の声が聞こえて思わず額から電撃が出てしまった。
「おわっ!」
だけども上条の右手に当たると、音を立てて消え去った。
「・・・え?」
「危ねぇ・・・って、どうした?」
「だって、能力・・・消えて・・・」
「あぁ、俺の右手、少し不思議でな」
そう言って上条は右手を前へ突き出した。
「異能の力なら何でも打ち消せるんだよ。でも能力検査だと無能力者扱いなんだよな」
能力を打ち消せるのに無能力者ということに美琴は納得がいかなかった。
何でも、というならそれこそ超能力者でもおかしくないはずだ。
「でも、そんな便利なのが無能力者扱いって」
「便利と言っても、スプーンを曲げることもカードを透視することも出来ないし、右手以外は本当に無能力者なんだよ。それにそのせいかはわからないけど昔から不幸体質なんだよな」
不幸などと非科学的なことは基本信じてはいないが、便利そうな能力(?)でも弊害があるらしい。
美琴も自身が体から発する微弱な電磁波のせいで動物が近寄れない体質であるので、それ以上は何も言わなかった。
「そういうことだし、じゃあな、御坂」
(あ・・・)
ここで別れたら、今度はいつ会えるかわからない。
「ね、ねぇ!」
待っていてもダメだと、会いたいのなら自分で機会を作らなくてはいけないと思い、上条を呼び止めた。
「ん?」
「この前のお礼、まだしてないから・・・だから」
今度遊びに行こうと、そう言おうとしたところで、
「かーみやーん!その娘は一体誰なのかにゃー!?」
「その制服、常盤台中学やないかい!上やんいつの間に!?」
「やべっ、逃げるぞ御坂!」
「え、え・・・え!?」
訳が分からぬままの美琴の手を掴んで上条は走り出した。
今日は以上です。
乙
乙です。
お願いですから改行をして下さいませんか?後、1レスにまとめずに数レスに分けてみてはどうでしょうか?少し読みずらいです。
よくわからないのなら一度適当なSSを読んで、それを参考にしてみることをお勧めします。
読みずらい()
>>35
読みづらいと思ってんのはおまえだけじゃねえの?
ガラケー()だけど改行の良し悪しとか気にならんがな。
PCだとすごく詰まって見えるからでしょ
ウィンドウ幅狭めたらいいのに
>>1です
読みにくいのはごもっともかと。
その点も踏まえて投稿します。
悪友である土御門元春と青髪ピアスに見つかり必死で逃げていた。
どれだけ逃げたかはわからないが、そろそろ撒いただろうか。
「い、いつまで手を握ってるつもりよ!」
「え・・・?あ、わ、悪い!」
逃げることだけに夢中になっていて美琴と手を握っていることに気づいていなかった。
それに気いてしまうと、胸がドキドキとしてきた。
このままじゃまずいと思い、上条は話を切り替えることにした。
「そ、そういえばさっき、何を言おうとしたんだ?」
「だから、この前のお礼していないから」
「お礼って・・・別にそういうために助けたわけでもないし・・・」
「あんたが良くても私の気が済まないの!いい?次の日曜日の9時にさっきの公園に集合!わかった!?」
「え、あ・・・はい・・・」
何故か押しの強い美琴に戸惑い、半ば強制的に約束をさせられた上条であった。
(・・・・・・寝れん)
明日(といってもすでに午前1時)は美琴と遊びに行くのでいつもより早めにベッドに入った・・・・・・
のだがどうしても寝つけない。
クラスメイトの吹寄制理、名前もわからない先輩、今まで助けてきた人々。
女性と接する機会などいくらでもあるのだが、
接する機会がある。それだけだ。
女性と遊びに行くなど今までなかった
(それとも御坂だから・・・?って、何考えてんだよ俺はぁぁ!!)
その後悶々として、結局朝を迎えることとなった。
以上ですけど、改行ってこれであってます?
次回!ドキドキ(?)エセデート編??
おつ
前より読みやすくなりましたね
自分は専ブラ入れてるし気にならないけど
PCから見ること考えてか一行ごとに改行空けてるSSも多い希ガス
まあ>>1の好きなようにやりなよー
次の展開が楽しみだ乙
乙でした
>>1です
デート(?)編投下します
(どうしようどうしようどうしようこれじゃあまるでデートじゃない!!)
中学に入って以降、男性といえば能力目当ての研究者ばかりであり、当然遊びに行くということなどなかったのだ。
計画なんてものを立てている訳もなく男性、それも上条当麻と会うということもあり、美琴はただただ狼狽えていた。
だけども楽しみであるのも事実であるが、それだけは決して表に出そうとはしなかった。
「おっす」
「お、遅い!一体どれだけ待ったと思ってるの!」
「これでも30分早く来たんだけどな。お前どんだけ早いんだよ」
「え・・・い、いいじゃない別に!ほら行くわよ!」
言えない。約束の時間より2時間早く来ていたなど、決して言えない。
それを無理やり誤魔化して上条を引っ張っていく。
「お、おいどこ行くんだよ!?」
「いいからついてくる!!」
「ゲームセンター?」
そこは美琴が放課後に通う場所だった。
「俺そんなに金ないけど・・・」
「だからお礼って言ってるでしょ!今日一日は私のおごりよ」
「でもさすがに・・・
「いいの!私が勝手に奢るだけだから」
最初に入ったのはプリクラだった。
(・・・近い)
「えっと御坂さん、少しくっつき過ぎでは?」
「しょうがないでしょ!このプリクラだけ狭いんだから!」
不幸にも他の個体は故障中であり、使えるのはサイズの小さいこれだけだった。
何故プリクラなのに2人入るのがやっとなのか、不思議でならなかった。
「もしかして緊張してるの?」
「べ、別にそういうわけじゃ・・・」
「じゃ、じゃあいいじゃない」
無事にプリクラを取れたけれども、やはり近すぎではないかと上条は思った。
「じゃあこれ、半分こでね」
「お、おう」
しかし、美琴と初めてとった写真ということもあり、受け取った半分は大事に財布の中にしまった。
それからもシューティングゲーム、ダンスゲームと2人は遊びつくした。
先ほどから美琴はクレーンゲーム機の前にいた。
(・・・・・・取れない)
もう何回目だろうか。
目標はゲコ太の人形であるが、どうしてもクレーンの爪からずり落ちてしまうのだ。
こうなったら能力で、などと考えていると、
「取れないのか?」
声をかけたのは先程まで疲れて休憩していた上条だった。
「このカエルか?」
「カエルじゃないゲコ太よ!」
好きなものを馬鹿にされた気がして怒る美琴。
それに対し上条は面倒くさそうな声を出しながら人形を見ていた。
「あー、そのゲコ太?取ってやるよ」
「え、いいの!?」
「奢ってもらったお礼だよ」
そう言って上条は美琴と代わって100円玉を入れてボタンを押した。
クレーンが降りると、人形の紐に引っかかって穴へと落ちた。
「ほら、これだろ?」
「・・・ありがとう、一生大事にするね」
「そこまで人形が欲しかったのか」
ゲコ太の人形が欲しかったのもそうだが、それ以上に嬉しい理由があった。
(こいつからのプレゼント・・・一番の宝物よ)
「あー楽しかった」
時刻は12時を過ぎた頃。
2人はゲームセンターを出た。
美琴の手に持っている袋の中身は先ほどのゲコ太人形だ。
「今日はありがとな」
「何言ってるのよ。まだお礼は終わってないわよ」
「え?」
「まぁお腹も空いたし、どっか食べに行こ」
美琴の勧めで近くにあるというレストランに向かうことにした。
その道中―ー――――
「あれ・・・」
長い髪の少女が不良の集団に絡まれているのを見つけた。
「御坂、ちょっと待っててくれ」
迷うことなく、上条は集団の中へと入っていった。
以上です。
また別のアイデア浮かんだけど、スレを並行で進める人っているのかな?
・・・あれ、あいさつ投下されてない?
まあいいや。
以上です。
そういえば、SSスレを並行でやっている人っているんでしょうか、やはり1つやっているのを終わらせてから?
・・・・・・投下されてましたね
乙です
何本か並行してる人はいるけど
例えば新作を書いて片方が極端に遅くなりそうなら
読者的には1本ずつ書いてもらうほうがありがたいですね
乙です
今さらですが、御坂のあんたはアンタ
土御門や青髪のかみやんはカミやんです
乙でした
>>57さん、ありがとうございます。
とりあえず新スレはこっちが落ち着くまでは我慢します。
>>58さん、原作を見直しましたがその通りでした。
ご指摘ありがとうございます。
さて今回は日本語がアレかもしれませんがご容赦してください。
「お嬢ちゃーん、ちょっと俺たちとあっちに行かない?」
「大丈夫大丈夫悪いようにはしないからさ、ねー?」
「え、あの・・・その」
「おい何やってんだよ!」
柄の悪い集団の中に上条が割り込んできた。
「ああ?なんだテメエ」
「寄ってたかって女の子を追い詰めて。恥ずかしくないのか!!」
「何だとォ!?」
数人の不良が上条へと殴りかかってきた。
いくら喧嘩慣れしている上条であっても、二人ならば厳しく、三人以上が相手なら絶対に勝てない。
「グェッ!!」
(・・・?)
ビリッ!と音がして突然、その中の1人が地面に倒れ込んだ。
「何だ!?」
「御坂・・・」
「やっぱりアンタ、馬鹿よね」
美琴が電撃で気絶させたのだ。
「おい、まさかその制服、常盤台か!?」
「(今のうちだ、君は早く逃げろ)」
「(は、はい)」
不良どもが美琴に注目している間に、少女は無事に逃げることができた。
「待て、聞いたことあんぞ。常盤台の電気系能力者、もしかして超電磁砲か!?」
超電磁砲、というのはどこかで聞いた記憶があった。
学園都市に7人しかいない超能力者の通称だったではなかろうか。
「畜生!なんでそんな奴が俺たちなんかに!?」
「能力を振りかざして偉そうにしやがって!!」
標的は上条から美琴へ変えるも、いとも簡単に美琴は撃退してしまう。
1人、また1人と不良は地面に倒れ込んで行く。
「・・・なんだよ・・・どれだけ頑張ったって無能力者の俺たちを馬鹿にして!結局は『才能』なのかよ!!」
その瞬間ドッ!!と大きな音を立てて、地面が焼けた。
「・・・うるさいのよ」
美琴の体からバチバチと電気が出ている。
おそらく無意識の内に出してしまっているのかもしれない。
「必死で勉強して、練習して、友達と遊ぶのも我慢して!そうやって、やっと超能力者になったの!!勝手に諦めて人の足引っ張ってるだけの奴に何がわかる!!!」
電撃が不良のすぐ横に当たり、地面が黒く焼け焦げる。
「今すぐ、私の視界から消えなさい」
悲鳴を上げながら不良の集団は逃げ出した。
その後美琴が地面にへたり込むまで、上条は何も出来なかった。
以上です。
投稿からスレに反映されるのに少しばかりラグがあるみたいでいつかやらかしそう
乙
おつおつ
実はIDが気になる>>1です。
デート編の続きを一気に投稿しようと思います
あれからどうしたかよく覚えていなかったが、いつの間にかどこかのベンチに座っていた。
「大丈夫か?」
「アンタ・・・」
上条は持っていた2本のジュースの片方を美琴に渡すと、彼女の横に座った。
「あのさ、超能力者って話、本当か?」
「・・・うん、ごめんね。隠してたみたいで・・・嫌いになった?」
「嫌いになんかなるわけないだろ。お礼って言ってゲームセンターに連れてきたのも、さっき俺を助けてくれたもの、御坂に変わりはないだろ?」
「・・・え?あれ・・・なんでだろ」
その言葉を聞いて自然と涙が溢れた。
嬉しかった。
超能力者でも、常盤台のエースでもなく、『御坂美琴』として見てくれる彼の存在が。
「ご、ごめん!俺なんか泣かすようなこと言ったか!?」
どうやら酷いことを言ってしまったのではないかと上条は慌てている。
「違う、なんかうれしくて・・・でも、どうしよう。」
「御坂・・・」
ぎゅっ、と上条は美琴を胸に抱き寄せた。
「泣き止むまで、このままでいろ」
その言葉はとても温かく、胸が高まるものだった。
そして今まで、心に潜んでいたものが何かを理解できた気がした。
それから2、3分ほどが経ったころ、美琴が言った。
「アンタといると、とっても嬉しい。ドキドキする。もっとこうしていたいって、そう思うんだ。これが、『好き』ってことなのかな?」
自身の胸にうずくまって、こちらを見上げる美琴は可愛らしくも官能的だった。
顔が熱くなっているのがわかる。
「ねえ、アンタは私のこと、好き?」
美琴が顔をこちらへ向けてくる。
上条も美琴へと顔を下げる。
互いの唇が触れ合いそうになり、
「お姉さま!」
その声に驚いてお互いに距離を取り、声のした方向を見る。
「え、く、黒子!?」
どうやら美琴の知り合いのようだ。
「まあお姉さま。まあまあお姉さま!周囲に誰もいないとはいえこんな街中で接吻とは!」
「な、何言ってんのよアンタは!!」
「初めまして殿方さん。私、お姉さまの梅雨払いをしております、白井黒子と申しますの」
「は、はあ」
白井黒子は上条の手を掴みながらまじまじと上条を見ていた。
「あ、あの…」
「どうしても私にはあなたがお姉さまにふさわしいとは思えませんが」
「なっ!」
「な、何言っているのよ黒子!わ、私がコイツと・・・!」
「ですが現にキスをしようとなされたではありませんの」
「ぐっ」
反論のしようのない事実を突きつけられ、美琴は狼狽え、上条は未だに現状を理解できていなかった。
そんな2人を尻目に白井は美琴の手に触れた。
「それではご機嫌よう、殿方さん」
「ちょっ、くろ―――」
シュンッと突然、美琴は白井黒子という少女と共に消えてしまった。
「・・・・・・何だったんだ?」
不思議に感じたのと同時に助かった、とも上条は思った。
あのまま、その場の雰囲気に流されてキスをしていたら、上条としては納得の行かない結果になっていたかもしれないからだ。
(それに・・・・・・)
一つ、不安なことがあってあと一歩、踏み出せないでいる。
白井は美琴を能力の空間移動で寮まで連れ帰っていた。
「どうして邪魔をしたの?」
本当に恨めしそうに美琴は聞いた。
実は上条が美琴の隣に座ったあたりから見ていたのだ。
しかしすぐに声をかけなかったのは、ここ数日の美琴の様子がおかしかったのはあの男が原因ではないかと思ったからだ。
美琴自身は隠していたつもりでも、誰にでも分かるほどの変わりようだった。
だけどもそれを素直に言うつもりなど毛頭ない。
「お姉さまが誰とも分からぬ類人猿に騙されるの阻止しただけですの」
「アイツはそんな奴じゃ!―――」
本気で怒っている美琴の言葉を白井はだったら!と遮った。
美琴の気持ちは本物だとわかる。それほどにまであの男を信頼しているということも。
だからこそ、許せないものがあるのだ。
「あんな勢いだけでキスなどしようとせず、しっかりとお互いの気持ちを確かめなければ。それが『恋』というものではございませんか?」
「・・・・・・そう、よね」
どうやら美琴は納得してくれたようだ。
(・・・にしてもわかりませんわね。どうしてお姉さまはあんな冴えない殿方を?)
デート編終了です。
雑と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが限界なのとそろそろいちゃいちゃさせたいのが本音。
乙でした。
改行されてるから読みやすくなったな。
感想ありがとうございます。
どうでもいいけど一言だけ言い忘れてました。
黒子は最高の女!
乙
上琴のlfスレ多くなったな…まあ、俺も書いてんだけど…
>>1です。
2レスほど
月曜日の放課後の教室にいるのは上条と土御門の2人だけだった。
「どうしたにゃー?カミやん」
「青髪は?」
「先に帰らせたぜい。どうして俺だけなんだにゃー?」
「・・・・・・誰かに相談できるとしたら、お前だけだと思ったからな」
「それは光栄だにゃー」
「で、話ってのは?」
いつものふざけているのとは違う、明らかに真剣な雰囲気だった。
普段、義妹やメイドが大好きと豪語する男だとは思えなかったが、もしかしたらこちらが本性なのかもしれない。
だからこそ、上条も悩みを打ち明けることができる。
「なあ土御門、人を好きになるって、どういうことなんだろうな」
「何があっても、たとえ自分の手を汚しても守りたいと思うこと。それが人を好きになるってことだと思うぜい」
「あいつさ、俺のこと好きだって言ったんだよ」
「この前の娘か?」
「ああ」
「カミやんはその娘のことをどう思ってるんだ?好きなのか?」
「・・・好きだよ」
「だったら付き合えばいいだけだぜい」
まったくもってその通りだが、上条は事情が違う。
そんなことで解決できているのなら最初から相談などしていない。
「俺が不幸なのは知ってるだろ?」
「カミやんの不幸は筋金入りだからにゃー」
「・・・お前だけに言うけどさ、幼稚園の頃、ただ俺が不幸だって理由だけで借金を持った男に追い掛け回されて包丁で刺された。その後はテレビで見世物だよ。そんな目に、あいつを合わせたくないんだよ」
嘘も誇張も何もない。真実だ。
「だから諦めるのか?」
「・・・・・・」
何も言えない上条を土御門は思いっきり殴り倒した。
殴られた上条にぶつかり、整理されていた椅子や机が散らばる。
「ってぇな、何すんだよ!」
「だったら不幸から守り切れるほどに強くなれ!それ以上の幸せを与えてみせろ!それができなんだったら、最初から捨てちまえそんなもの!!」
「!?」
土御門から発せられるその言葉は上条の心に響いた。
迷いなど消え去った。
「もう一度聞くぞ上条当麻。そんな理由で諦めるか?」
「諦めてたまるか!不幸だなんて関係ねぇ!俺は俺の幸せを掴み取ってやる!!」
即答だった。
土御門のおかげで勇気が出た。
「ありがとな、行ってくる」
そう言って上条は走り出した。
この思いを美琴に伝えると決めて。
以上です。
ちなみにその後土御門は1人で椅子と机を片付けました。
おつ
さすがつっちーイケメンですわ
乙でした
>>1です。
ではではクライマックスの投稿をします
昨日のようなことのままでは終わらせない。
もう一度告白しようと決めて待っていたのだが、上条が来ない。
諦めて帰ろうとしたその時、
「御坂!!」
待ち焦がれていた、上条の声がした。
走ってきたのか、息も絶え絶えだ。
「なん、とか追い、ついたな」
「なんでアンタ、まさか学校から走ってきたの!?」
「あ、あぁ、はし、れば、間に合うかと」
上条は呼吸を整えてから話を続けた。
「御坂、好きだ!」
「え!?」
突然の告白に美琴は戸惑ってしまっていた。
「い、いきなり・・・」
「でも俺は不幸だ。死にかけたこともあるほどだ、もしかしたらお前を巻き込むかもしれない。そんな俺でも、好きでいてくれるか?」
「・・・・・・」
美琴はそんなものくだらないと、そう思った。
巻き込まれる巻き込まれるなの問題ではない。
そんな『不幸如き』で諦めるほど、美琴の想いはちっぽけなものではないのだ。
「たとえアンタがどれだけ不幸でも、私はアンタのことを嫌いになったりしないから。アンタがあの日助けてに来てくれてとても嬉しかった。昨日アンタとたくさん遊んでとても楽しかった。出会ってたった数日だけど、私はアンタといられて幸せなの!!」
「御坂」
上条は優しく、美琴を抱きしめた。
「これは、その場の雰囲気なんかじゃねぇ。自分の意志だ」
「私もよ」
お互いの気持ちを知って、受け止めて、今度こそ、口づけをした。
第七学区の公園に一組の男女がいた。
「まったく、遅いわよ」
「これでも1時間前に来たんだけどな」
「私はその1時間は早く来てるのよ」
「悪かったよ。今度はもっと早く来るから。行こうぜ」
「・・・しょうがないわね」
緊張しているのか、少しばかり距離をとってはいたが、次第とそれも縮まっていく。
そしていつの間にか、二人は手を繋ぎあっていた。
はい。ちょっとくらい長いプロローグ終了しました。
これから何書こうか。
なんか良いシュチュエーションかとあります?
おつおつ
シチュは特に思いつかないけど二人が幸せに過ごしてる所見れれば俺も幸せ
時系列は?別にどうでもいいけどインなんとかさんは出てくるの?
シュチュエーションは佐天さんたちと知り合って、付き合って突き合ってることをイジられるとか?
ここでまさかのシリアス妹達編
うん、まずはあっくんのそげぶしとこうか
これはいい雰囲気だな・・・
再構成もいいけどオリジナル路線でもいい気がする
まあ幸せなら何でもオッケー
>>88
>>4に6月下旬って書いてある。→次の日?に再開。→その次の日にデート。→その次の日に告白。→数日後。今ここ
>>1乙です
シュチュエーションなら、特売に付き合わされる御坂とか、上条に料理をごちそうする御坂とか、ゲコ太関係のことに付き合わされる上条とか、猫関係の話とか、上条の寮で二人でぐーたらする話とか、どうでしょうか?
>>1です。
>>92さんの言うように、6月下旬に会い、その数日後に再会、その後の日曜日にデート、月曜日に告白なので、7月の初旬あたりです。
インデックス、妹達関連は書く予定はあるのでもう少し待ってください。
(幸せから突き落としてこその絶望だと思ってるので)
実は佐天さんってキス以上のことを知らないんじゃないかと思う。
(逆に初春はわかってると思います)
あとわがままかもしれませんが、レスは嬉しいのですが『インなんとかさん』の言い方は好きじゃないのでこのスレでは抑えてもらえると嬉しいです。
それでは日常編の投下していきます
美琴と付き合い初めて1週間以上が過ぎた。
上条には悩みがあった。
美琴の趣味が子供っぽいとか、意外と天然な部分というのもあるが、そんなものは問題にならない。
喧嘩をしたわけでもない。
では一体なんなのか
それは、
「どうしたのアンタ?」
一度も彼女は上条を『アンタ』としか呼ばないのだ。
上条の様子がおかしいことに気づく美琴だが、今日も今日とてアンタ呼ばわりだ。
「もしかして、私アンタに何かした?」
「それだよそれ!」
「それって、何よ」
いきなり「それ」と言われても訳がわからないのは当然である。
が、今の上条は何も考えていなかった。
「いつもアンタアンタって!!」
「つまり、アンタは名前で呼んで欲しいと」
「ぐっ」
何も間違っていないし、むしろ気づくようにしたのは上条自身だ。。
けれどもそんなくだらないことで悩んでいたのがバレて恥ずかしかった。
「当麻」
「!!?」
突然の襲撃に思わず鼻を押さえてしまう上条。
(やべ、可愛い!)
「も、もう一度」
「当麻」
その可愛さに負けた。
「当麻当麻当麻」
「うぉおおぉ」
からかっているとわかった。
けれども美琴が可愛すぎて何も言えない上条であった。
その日から美琴は上条の呼び方を『アンタ』から『当麻』へ変えた。
美琴は上条と共に買い物袋を持って歩いていた。
「ありがとうな御坂、わざわざ荷物まで持ってもらって」
「いいわよこれぐらい」
『8個入り卵50円お一人様2パックまで』を4パック入手するためので手伝ってくれ、と上条に頼まれたのだ。
美琴にとっては初めての特売だ。
彼女はファストフード店やクレープ屋買でい食いはするものの、常盤台中学は基本、朝、昼、夜と食事が出るため、スーパーで買い物をするいうこと自体ないのだ。
そのため、(上条と一緒にということもあり)初めてのスーパーはとても楽しかった。
話しながら上条の寮までついてしまった。
冷蔵庫に食材を入れながら美琴は考えた。
このままでは何もすることもないと。
そろそろ夕飯を食べても早くはない時間である。ちょうど目の前には特売で買ってきた食材がある
「ねえ」
「ん?」
「ご飯、作ってあげようか?」
今更ですけど小ネタにはタイトルを入れていきます。
「授業以外で作るのって初めてだけど、どうかな?」
美琴が持ってきた皿に盛られているのはオムライスだ。
先ほどの特売の卵を使ったのだろう。
「うまい!」
これはすぐにでも高級レストランに出してもいいのもだと、上条はそう美琴に感想を伝えた。
「そんなに喜んでくれると・・・これから毎日夕飯を作りに来ても・・・」
「よろしくお願いします!!」
上条に褒められ、毎日上条の部屋へ行ける都合も出来て、とても幸せな美琴であった。
食事が終わって片付けもして、やることもなく、いつの間にやら美琴は上条の肩に身を寄せて眠っていた。
「すー、すー」
「寝ちゃったか、俺も・・・眠くなって・・」
美琴の料理に満足して、肩に身を寄せる美琴を可愛く思いつつ、上条も眠りにつく。
「んにゅ・・・」
目が覚めると、窓の外が暗くなっていた。
「今何時・・・?」
眠い目をこすって時計に目を移す。
時計の針が指している時間を見て一気に目が覚めた。
「あーーーー!!」
「うわ!?ど、どうした!?」
美琴の悲鳴に驚いて上条も目が覚めた。
けれども起こしてしまったことを気にしている暇は今の美琴にはなかった。
「門限・・・・・・過ぎちゃってる」
「お願い!今日だけでいいから泊まらせて!!」
必死に懇願する美琴を無下にはできないが、
一つ屋根の下で男女は夜を過ごすということには抵抗があった。
「そ、それはまずいだろ。俺も一緒に謝りに行くから」
「そういう問題じゃないのよ!」
「そんなに怖い人なのか?」
「怖いなんてものじゃないわ。もし男といて門限に遅れたなんて知られたら・・・・・・殺される!あの人は強能力者くらいなら軽くなぎ払うと言われてるし、私だって敵うかわからないわ」
「どれだけ強いんだよ・・・」
「10年前にはイギリス王女を襲撃したテロリストを全滅させたとまで噂されるほどよ・・・!」
とりあえず寮監は常盤台生にとって恐怖の象徴なのだろうと上条は思った。
美琴の携帯電話に電話が来た。
それは白井からのものだった。
美琴は携帯を開いてボタンを押した。
「く、くろ―」
『お姉さま!一体どこにいますの!!これ以上寮監を誤魔化すことは・・・こ、これは寮監様『御坂はどこだ?』あ、あの・・・『罰則は連帯責任だ』お、お姉さ』
白井が悲鳴をあげる直前に美琴は聞きたくないと、携帯を閉じた。
だが、このままでは白井が可哀想だと、美琴が言った。
「安心しろ。俺がいる」
「当麻・・・」
「だから、行こう」
「・・・うん」
美琴に映る上条は、普段の10倍以上格好よく見えた。
「「申し訳ございませんでした」」
常盤台中学の寮の前、寮監に土下座をしている二人。
寮監はゴキ、ゴキ、と拳を鳴らしている。
「御坂、門限に遅れるほどの理由があるのだろう?」
「そ、それは・・・」
「寮監さん!俺が悪いんです!御坂は何も悪くありません!!」
「そうか、正直な男だな」
寮監は上条の首を掴むと、ゴギッ!と想像もしたくないような音をたてた。
『制裁』を受けた上条は悲鳴をあげることもできずに地面に倒れ込んだ。
「当麻!!」
「この少年に免じて、門限に遅れたことは勘弁してやろう」
「あ、ありがとうございます寮監様」
上条には悪いが、助かったと、美琴は思った。
「だが、」
「・・・え?」
けれどもそんなものは幻想だと、すぐに思い知らされた。
「不純異性交遊は見逃せんな」
「ひっ!」
ゴギッ!!と本日3度の『制裁』が行われた。
寮監こええ・・・が、上条さんのかっこええとこ見れたからみこっちゃん的には+材料もありって感じかねww
寮監の制裁に私怨が混じっているような・・・
乙です
>>93に激しく同意します
上条△
>>1です。
日常編第二弾投下いたします。
「風紀委員の同僚?」
「ええ、是非お姉さまに会いたいと」
「まあ、いいけど」
あの白井が会わせてもいいと言う人物だ。
それほど信頼できるのだろう。
「ここね」
待ち合わせの場所はクレープの移動販売車がある場所。
なのだが、白井がいないのだ。
「しょうがないわね、たしか初春飾利さん・・・だったかしら」
柵川中学の制服に頭に大きな花飾りを着けているらしい。
(大きな花飾りって・・・・・・え・・・)
いたのだ。頭に大きな花飾りを着けた少女が。
「あなたが、初春飾利さん?」
「そ、そうです!あなたが御坂美琴さん!?ど、どうして私のことを・・・」
「そりゃあ、そんな特徴的な花飾りを着けてれば・・・」
「あーーー!!」
「あ!」
美琴は声を上げた少女に見覚えがあった。
あの日、不良に絡まれていた少女だ。
「佐天さん!御坂さんとお知り合いなんですか!?」
「ほらこの前に私を助けてくれた男女がいるって話してくれたじゃん!この人だよ!!」
佐天と呼ばれた少女は美琴の手を取って
「この前は本当にありがとうございました!私、佐天涙子って言います!!」
「え、ええ・・・よろしくね」
「そうだ、何かお礼をしないと・・・あ、今はこんなものしかないけど!」
お礼なんて、と言おうとしたが、佐天がポケットから取り出したものに美琴は目を惹かれた。
「か、可愛い!え、いいの?くれるの!?」
「き、気に入ってくれるのなら」
「ありがとー!!」
美琴はギューッ!と嬉しさのあまりに佐天を抱きしめた。
「お姉さま!!」
遅れてもうしわけござ・・・」
白井の目に映るのは見知らぬ少女と抱き合っている憧れのお姉さまの姿だった。
「お、おおおおお姉さま!?あの殿方だけでなく―――」
「え、黒―」
突然の登場に美琴は驚いてしまっている。
そんな状況で初春が話しかけてきた。
「もー、遅いですよ白井さん」
「お黙りなさい!そもそも初春が私に仕事を押し付けなければこのようなことは!!」
「えー、なんのことですか白井さん。そんなこと言うと白井さんが隠し持ってる『憧れのお姉さまの秘蔵写真集』のこと、ばらしますよー?」
「う、ういはる・・・?」
「黒子ー?」
「お、お姉さま!」
美琴の額からはバチバチと電撃が出ている。
「帰ったら、ちょっとお話しようねー?」
「ひっ!!」
それはとても恐ろしく、閻魔のように感じた。
緊張していたが、美琴も初春や佐天と仲良く出来ていた安心した。
「お、御坂!」
「当麻!」
美琴は上条の姿を見つけると、腕に抱きついた。
(な!!―――)
ここ数日のお姉さまの上機嫌ぶりや先日の門限の遅れなどからおそらく告白は成功したのだろうと白井黒子は察していた。
だけどもまさか、ここまでのデレっぷりだとは想像もしていなかった。
「・・・あれ、この人どうしたの?」
「だめですね、石化してます」
「紹介するわね、コイツは私の彼氏、上条当麻」
「よ、よろしく」
「あ、あの私のこと覚えていますか?」
「君は・・・あの時の」
「佐天涙子って言います。あの、一つだけ聞いてもいいですか?」
「ん?あぁ」
「どうしてあの時私を助けたんですか?やっぱりレベル5の彼氏って言うほどだから高位の人なんですか?」
「別に俺はただの無能力者だよ」
「じゃあ、どうして?」
そう佐天は不思議そうに聞いてきた。
「確かに怖いし、絶対に助かるわけでもないけどさ、自然と体が動いてんだよ」
そう上条はそれが当然だと言うように答えた。
「前に私も同じ質問したんだけど、まったく同じことを答えたんだよね」
上条の腕を抱きしめる美琴の腕にさらに力が入る。
「でも、だから私、当麻のことが好きになったんだと思う」
「御坂・・・そ、そろそろ帰らないと食材も腐りそうだし、じゃあな!」
「あ!」
そう言って上条は美琴を振り払って走り出した。
振り払われる瞬間に映った上条の顔は赤くなっているように見えた。
「もう・・・!」
「御坂さん!彼氏さんのことを詳しく!!」
「馴れ初めから告白までも全て!!」
「え・・・え?」
上条に置いて行かれた美琴は上条に関することで質問責めされた。
「黒子、今日はありがとうね」
夕日に染まりかけた帰り道、美琴がそう言ったが、白井にはどういうことかわからなかった。
「お姉さま、それはどういうことですの?」
「中学入ってからさ、気の許せる友達っていうのがいなくてね。友達と話せて、とても楽しかった」
「お喜びになられて、私も嬉しいですの」
「そっか、よーし、寮まで競争よ!」
「あ、待ってくださいましお姉さまー!」
以上!次回の投下は遅くなるかも
超乙です
乙乙
さらっと読み終わるからいい塩梅だね
乙でした
>>1です。
小ネタを3つ分
「御坂、そのヘアピンどうしたんだ?なんかいつもと違うけど」
「気づいてくれたんだ。これ、この前佐天さんにもらったんだ。似合うかな?」
「ああ!とっても可愛いぞ」
「あ、ありがとう、えへへ」
ある日美琴は携帯を見て気がついた。
付き合い始めて1週間以上が過ぎたが、未だに携帯電話の番号の交換をしていないことに。
(い、いまさら番号の交換なんて・・・でもないと困るし・・・)
一言、番号を交換しようと言えばいいだけの話だ。
きっと上条からすれば何でもないことだ。
普段白井でさえ引くほどのデレっぷりを見せる美琴だが、実はこういう場面では恥ずかしがってしまう。
毎日の夕飯作りも、上条といるための口実作りに美琴が勇気を出した成果なのだ。
「どうしたの?」
携帯を眺める美琴に上条が上条が話しかけてきた。
「あれ、そういや携帯の交換、したっけ?」
美琴の携帯を見て気がついたようだ。
「まだ、だけど」
「そうか、じゃあ今交換しとくか」
「あ、うん」
とりあえず番号の交換には成功するのであった
50mもある巨大兵器、オブジェクトの主砲、レールガンが戦場を揺らす。
オブジェクトに勝てるのはオブジェクト。戦車や戦闘機など敵ではない。
化物にに不良軍人2人はチャチなライフルと単価がプラチナより高いプラスチック爆弾で立ち向かっていた。
『畜生!!生身であんな化物に勝てるわけねえだろうが!!!!』
『落ち着けヘイヴィア!お姫様が来れば俺たちの勝ちだ。とにかく足止めに徹するぞ!!』
『ふざけんな行くなら一人で逝ってろ俺は知らねえぞ!!』
そんな口論をしている2人を、レールガンの衝撃波が吹き飛ばす。
「いやー、面白かったー!」
戦争がテーマのはずなのにやたらとギャグシーンが目立ったり、やたらとスラングが気になったが、迫力の戦闘シーンや、決める所ではしっかり決める主人公に上条も美琴も大満足だ。
「あのレールガン、私でもできるかな?」
「そういや、前に超電磁砲とか呼ばれてたけど、なんでだ?」
「そういや当麻は超電磁砲を見たことなかったっけ。見せてあげるわよ」
美琴に連れてこられたのは、誰もいない川原だった。
「ここがいいわね。ちょっと離れてて」
そう言って美琴はポケットからコインを取り出した。
そして指で弾いて、川へと打ち出した。
ドゴーーーン!!!と大きな音を立てて大きな水しぶきを上げた。
「ふう、やっぱあの映画みたいにはいかないわね。まあ、手加減もしてたし」
「・・・あれで手加減・・・?」
「どうよ、私の超電磁砲」
「あ、ああ・・・すげえ」
なるべく美琴は怒らせないようにしようと、水しぶきを浴びながら決めた上条であった。
以上です。
次回!某空から降ってくる系のヒロイン登場です。
おちゅん
超乙です
今回からはシリアス鬱なんでもあり!
投下開始いたします
中間テストの結果を知った美琴から「赤点とったら夏休みに遊べなくなるでしょ!」という理由で,
毎日夕食後に勉強会が開かれた。
美琴の教え方が優秀なのもあり、期末テストの結果はかなりのものだった。
その上昇ぶりはクラスメイトや担任の月詠小萌だけでなく、上条のクラスを担当する全ての教師まで驚かせたほどである。
もちろん、赤点もなしだ。
そして夏休み、上条当麻は朝から機嫌がいい。これから美琴とデートだからだ。
「今日は天気もいいし、布団でも干すか」
布団を持ってベランダへ向かうその数歩で賞味期限の過ぎた焼きそばパンを踏んでも気にしない。
ウキウキ気分でベランダの窓を開けて、上条の足は止まった。
「あれ、もう布団が干してある?」
それはとても白く綺麗だった。
けれども上条は前日にも布団を干した記憶がない。
不思議に思っているとピクリと、布団のようなものが動いた。
「おなか、すいた」
「布団が喋った!?」
「さすがにそれはひどいんだよ!」
今日はここまでで。
乙?
シリアスはともかく鬱は勘弁と思いつつ読もうとしたら急に中断
シリアスや鬱の注意をする前に焦らし注意の説明が抜けてますよ?
おっつんですの
乙です
シリアスでも鬱でも、上琴なら何でもいい
上条と御坂なら、どんなシリアスも鬱も乗り越えられる
乙でした
乙ー
テンポいいね
サクサク読める感じ
今日の分投下いたします
「おいしいんだよとうま!」
「久しぶりに言おう。不幸だ」
ベランダから取り込んだ少女は美琴が朝にも食べれるからと作ってくれたカレーの残りを平らげていた。
「・・・で、インデックスさんはなにゆえ我が家のベランダに干されていたんでせうか」
インデックス、修道服を着た彼女はそう名乗った。
だけどもそれには目次や目録という意味なので偽名なのだろうと考えたが、ベランダに引っかかっているほどの理由があるのだろう。
「・・・追われていたんだよ」
「誰に?」
「魔術結社」
カレーを食べ終わったインデックスはそう答えた。
「は?魔術結社?え、なに、魔術師とかがいると?」
「うん」
科学の街、学園都市で魔術師とはどういうことだろうか。
もしかしたら外から来た人間で、能力者を魔法使いか何かと間違えたのだろうか。
そう考えれば、魔術結社も風紀委員ということで納得がいく。
「あのな、魔術師じゃなくて学園都市のは能力者って言って・・・」
「違うよ。本物の魔術師。それに、そのがくえんとしの人じゃないんだよ」
頑なにまで魔術師だと言うインデックス。
「じゃあ何か、お前も魔術師だとでも言うのか?」
「ううん、私は魔術は使えないんだよ。でも私は10万3000冊の魔道書を保管しているんだよ」
「10万3000冊もどこにあるんだ?」
「ここ」
「は?」
「私の頭の中」
魔術はあるけど私は使えない。
見ることの出来ない10万3000冊の魔道書。
それではただの苦しい言い訳だ。
インデックスを見る上条の目は明らかに信用をしていない。
「信じてないんだねわかったんだよ!!」
突然インデックスは台所へ行くと、すぐに戻ってきた。
その手に持っているのは包丁だ。
そしてその包丁を上条へと突きつけた。
「この服は歩く教会と言って法王級の防御力があるからこんな包丁の1本や2本どうってことないんだよ!」
インデックスの言うことが嘘だと言うつもりは上条にはない。
だけども魔術に関してはどうしても信用が出来ない。
だから包丁を刺して流血騒ぎにでもなったら面倒だ。
「・・・あ」
1つ、証明できるかもしれないものの存在を思い出した。
「そんなことしなくたって、もし魔術ってのがあったら、俺の右手で消せるんじゃねえのか?俺の右手は能力ならなんでもう打ち消せるからな。もしかしたらその魔術ってのも」
「えー」
「別に信じなくたっていいよ。試せばいいだけだからな」
もし魔術があるのなら、右手で打ち消せるかもしれない。
それならば右手も魔術も証明できる。
そう考えて、上条はインデックスの服に触れた。
「・・・・・・あれ?」
だけども、何も起きなかった。
「ふふん、やっぱりなんともないんだよ」
自信満々に言うインデックス。
じゃあ魔術なんてないんじゃないのかと言う上条の話も言葉も介さない。
その数秒後、修道服が弾けた。
「・・・・・・御坂ならよかったのに」
ガブッ!!
以上、次の投稿は今週中には・・・きっと・・・たぶん
乙……そいやこれってインデックスは初めての初登場だっけ?
乙でした
超乙です
>>1どうも1です
とりあえず今日の分を投下。
「痛い・・・不幸だ」
インデックスに頭を噛み付かれた。
服が弾けたインデックスは上条の掛け布団で身を隠して修復作業を行っている。
「それはこっちのセリフなんだよ!!だいたい私の裸を見ていてその言い草はないんだよ!!」
「・・・だって御坂がよかったんだもん。というかガキに興味はない」
確かに服をバラバラにしてしまったのも、裸を見てしまったのも悪いと思っているはいる。
けれども全くもって興味がないのだ。それに事故で怒られるのは理不尽だと上条は思った。
あと美琴の方が良かったことのも本心だ。
「さっきからみさかみさかって、一体誰なんだよ!?」
「御坂は俺の彼女だよつうかさっきお前が食ってたカレーも御坂が俺のために作ってくれたもんなんだよ!!」
「ホント!?あのカレーとってもおいしかったんだよ!」
「あ、ああ」
とりあえず、美琴のカレーが褒められたので上条も悪い気はしなかった。
「そろそろ行かないと、あなたまで巻き込んじゃうんだよ」
修道服の修復(といっても何十本もの安全ピンで留めてあるだけ)が終わり、部屋へ出ていこうとした。
「待てよ!俺は魔術なんてものをまだわかってない。でもお前が何かを抱えてるんだったら、俺も力になってやる」
上条はぎりぎりでインデックスを呼び止めて、彼女は振り返ってこう言った。
「じゃあ、地獄の底までついて来てくれる?」
「え・・・・・・」
上条は何も言えなかった。
インデックスが出て行って立ち尽くしていると携帯のアラームが鳴った。美琴との約束に遅れないためにセットしておいたものだ。
「・・・あ、俺も行かなきゃ」
だけども最後にインデックスが残した言葉がどうしても頭から離れない。
以上です。
どうやってまとめようかなー
乙ですー
すいません最後に。
>>142さん
はい。インデックスはこれが初登場です。
インデペンデンス・デイさんが現れた瞬間上条さんが不幸になるんだよな……
インデペンデンス・デイさんには注意しないとな。
乙 インさん美琴とも親しくなったらいいな
乙でした
>>153
ほっとけよ、面倒くさいから
上条さんと美琴のカップリングは大好きだけど、インデックスと仲がいいともっと楽しくなるんだよな。
おちゅ
1です。
インディペンデンス・デイ、アメリカ独立記念日・・・・・・大統領にからかわれる上琴、よしそうだ気が向いたら今度それ書こう。
では続きを
「ごめんね、今日は黒子と約束ができちゃって夕飯作れなくなっちゃった」
「あ、いやいいよ」
美琴とのデートができること自体は嬉しかった。
けれども朝の件が気になり、どうしても素直に楽しめなかった。
「どうしたの?朝から様子がおかしいけど」
「何でもねえよ」
「もし何かを抱えてるんだったら私に言って。私はいつだって、当麻の力になるから」
「ありがとうな、御坂。本当に大丈夫だから」
美琴と別れてから、上条は走って部屋へと向かう。
何かはわからないけれど、嫌な予感がしたのだ。
美琴は白井との買い物も終え寮に帰ってきた。
白井は信号機のトラブルのせいで交通整理に駆り出されてしまったので一人で帰ってきた。
学園都市には似合わない白い修道服の少女を帰りに見かけたが、気にすることもなかった。
(・・・うーん)
デートのことを思い出す。
集合した時も、昼食を食べている時も、別れる時も、つまらないと思っているようではなかったが、
無理やり笑顔を作っていたように感じた。
(当麻、今なにしてんだろ)
ポケットからゲコ太の形をした携帯電話を取り出して上条へとかけた。
(そういえば電話するの初めてよね)
思えば上条の部屋で夕飯を食べながら次の日の予定を話し合っていたので電話やメールをする必要さえなかったのだ。
初めての電話に上条はどんな反応をするのだろうかと期待をする美琴であったが、
「はいなのですー」
「・・・・・・は?」
その声はまるで、幼い少女のようだった。
今日はここまで。
上条が帰ってからが省かれてますが一応補完させますのでご安心を
なぜ作品投下中だけ全角だったのか
乙
>>1はインなんとかさんはダメなのに
インディペンデンス・デイはいいのかよ
>>162さん
投稿するたびにメール欄が消えるのです。そのため投稿中だけ全角になりました。
>>163さん
えー、インディペンデンス・デイに注意ってアメリカ独立記念日に上条さんに不幸が訪れる・・・じゃないの?
さすがにインデックスのこと言ってるんだったら怒りますよー。
インなんとかさんはほとんど公式
インデペンデンスとかインモラルとか
そういうのはただのインデックスをおちょくって馬鹿にした言い方なのでインデックス大好きな人のスレで
空気も読めずに使うと不機嫌待ったなし
上琴厨は死ね。
上琴とか禁書においてもっとも糞なカップリング。
美琴がくっつく相手は一方通行しかいねえだろ?
これだから上条厨も気持ち悪いんだよな。
うわぁ...
>>166
後で文句言われるだろうけど>>1です。
俺に文句でもあんの?少なくとも上琴以外のスレでレスはしないんだけどなー、俺。
たしかに他カプスレで上琴以外に文句言う人は確かに俺も嫌いだよ。
でもさ、この俺が立てた『上琴スレ』で言うこと?
あと俺は上琴厨じゃない、ただの重度の上琴病患者だ。
あー、絶対これ叩かれるし後でやばいことかいちゃったーとか自分で思うんだろうけどもさ、
まあ、うん、あれ、貴方が他スレで上琴厨に迷惑したのはわかりましたが、貴方がそれと同じことを関係ないこのスレでやるのは、叩かれる原因ですし、解決にもなりません。
よし、この話は終わり!本編はもう少し待ってください。
あー、絶対後で荒れるわ。
>>1続き待ってる
>>166はあれだろ?人気投票でストレスが溜まってるんだろ
ん?これ>>1のふりした荒らしじゃないの?
荒らしはスルー
そのレス、他の上琴スレにも貼られてるの見たわ >>1は気にしなくていいよ
はっはっは、いやーすいません。
>>168は私です。
めちゃくちゃイライラしていて気晴らしにスレを見てのあれだったものでつい・・・・・・
皆様の気分を害してしまい申し訳ございません。
反省というわけではないですが少しばかり投下いたします。
自室の前でインデックスを襲った魔術師、ステイル=マグヌスと戦って、小萌先生の家まで逃げ込んだ。
そして銭湯の帰りに神裂火織と名乗り魔術師と遭遇した。
彼女はインデックスと同じイギリス清教、必要悪の協会のメンバーだと言った。
そして1年ごとにインデックスの記憶を消さないと死んでしまうとも。
「み・・・さか?」
「ビックリしたわよ。初めて携帯にかけたら出たのは当麻の担任だし、その人の部屋で寝たきりの当麻はいたし」
ということは、誰かが小萌先生の部屋まで運んできてくれたのだろうか。
「・・・全部、インデックスから聞いたわ」
「・・・・・・」
「魔術とか言うのも、あの子が追われてるのも、当麻の部屋のベランダに引っかかって、当麻が拾ったこと」
ごめん、と上条は言おうとしたけど、。
美琴の言葉は終わっていなかった。
「あと私の裸が見たかったことも」
「なっ!い、いやあれはですね!」
「あれって?」
美琴は笑顔だが上条にははっきりわかった。
あれは怒っている。
「上条さんだって健全な高校生なわけでして好きな子の裸を見たいと思う時だってあるんですことよ!」
なんで逆ギレしているのか上条にすらわかなかった。
けれど美琴は落ち着いて、上条に聞いた。
「まあいいわ。ところで当麻、どれだけ寝ていたかわかる?」
「え、もう日も出てるし、一晩くらいか?」
「・・・3日よ」
「3日・・・おい、嘘だろ!?」
魔術師、神裂火織は言っていた。
インデックスの記憶を消すのはちょうど1年。
あと3日だと。
「上条当麻」
玄関のドアを開けて入ってきたのは、2mもの身長がある赤い髪の男と、黒く長い髪にその身長を越す刀を持った女魔術師、神裂火織だった。
それを見て、上条の額から汗が流れる。
同じインデックスの仲間だと知っても、記憶を消すために渡すことなどできない。
「おい待ってくれ!記憶を消さなくても、インデックスを救う方法があるかもしれねえだろ!頼む、少しだけでも時間をくれ」
ステイル=マグヌスは苦い顔をしつつも少し考えた。
「・・・タイムリミットは0時ちょうど。それまで待っておいてやる」
そう言って、仲間の女魔術師、神裂火織とともに出て行った。
「御坂、インデックスは?」
「・・・あっちでお昼寝してるわ。ねえあの子の記憶を消すって?そもそも魔術とかイギリス清教とか何がどうなってるの?」
美琴は少し混乱しているようだ。
無理もない。彼女の知っていることは全てインデックスから聞いたことだけだ。
インデックス本人さえ、彼らがイギリス清教に所属する仲間ということを知らない。
あの2人が涙を流しながら思い出を消して、心を殺して敵になったということを、彼女は知らないのだ。
「・・・・・・そんなことが」
上条が話したのはインデックスが1年ごとに記憶を消さなければいけないことと、魔術師2人のこと。
「でも、ずっと気になってたんだ。完全記憶能力者だからって、10万3000冊の魔道書が脳の80%を占めてたって、本当に記憶を消さなきゃならないのか?でも・・・・・・」
「そんなわけ、ないじゃない。完全記憶能力者なんて、日本だけで探しても何人もいるはずよ。全てを記憶したから死ぬなんてこと、ありえないのよ」
記憶のし過ぎで死ぬなんてことはありえないと、美琴は言った。
同じことを上条も神裂火織に言った。
けれども1年ごとにインデックスは苦しんでいると言っていた。
ならばそれは一体どういうことなのか。
もし、科学の分野で説明ができないのならば、もう一つの世界、魔術ではないのか。
ルーンのカードから炎を出したり、周囲に人が近寄らないように細工も出来る。
「もしかしたら、インデックスが1年ごとに苦しむようできる魔術もあるのかもしれない」
「でも、どうやってそれを」
「ステイルとか言う奴はルーンのカードで魔術を発動していた。だったら、インデックスに魔術をかけるにも何かしらの準備が必要なんだと思う。だったらその準備を、俺の右手で消せば、もうインデックスが苦しむこともないと思うんだ」
もはや誰が、なんてことはどうだっていい。
インデックスを救いたい。
それは上条と美琴、ステイル=マグヌスと神裂火織も同じだ。
以上です。
目指せ200!!
乙です。 目指せ1000
あの荒らし本当にむかつきますよね。
上琴は禁書SSにおいて一番と言っていいほど人気なカップリングですし、
妹を殺し上条すらも殺そうとした相手を御坂が好きになる訳がありませんよね。 御坂にとって最大の不幸の元凶ですし。
何が言いたいかっていうと、 >>166は全く的を射ていないことを言うただのアホ。 ってことです。
上琴病最高です。
>> 180荒らしを誘うような発言は控えたほうがいい
乙でした
目指せ20スレ
>> 180キモすぎワロタwww
お前みたいなのがいるから上琴が叩かれるんだろ
好きならアンチ増やすような発言控えろks
俺も上琴大好きだが>>180みたいな奴の発言は非常に迷惑
喧嘩はしゅーりょー。
投下します
「とうま、もう大丈夫なの?」
ステイル=マグヌスと神裂火織が出て行ってから数分後。
眠り眼を擦ってインデックスが起きてきた。
彼女もこの3日間、上条を心配していた1人だ。
「大丈夫だよ。何も心配ない」
「あ!そういえばこもえがおかゆを作っていたんだよ!!」
インデックスは急いで台所へ行くと、鍋を持ってきた。
鍋の中からお粥が盛られたスプーンを取り出すと、上条へと突き出した。
「はい!」
「あのー、インデックスさん?」
「食べさせてあげるって言ってるのよ、食べてあげれば?」
そうは言っているのもの、少しばかり不機嫌そうだ。
無理もない、彼氏が別の女にアーン、をしてもらおうというのだ。
とはいえ、インデックスの好意も無碍にはできないので、口を開く上条。
スプーンが口に入ろうとか言う時に。
「あ…!」
インデックスの手から鍋が離れ、中身が上条の頭に降り注いだ。
「ご、ごめんなんだよ」
「いや……いいよ」
「た、タオル、持ってくるから!」
「・・・・・・インデックス、魔術で人に呪いをかけることってできるのか?」
頭をタオルで拭きながら聞いてみた。
「あるんだよ、でもどうして?」
「それは後で話す。で、その呪いってのを見分ける印みたいなもんはないのか?」
「どんな魔術でもそれをはずどうさせるには準備が必要なんだよ。呪いだって、対象に直接紋章を刻むものもあるんだよ」
インデックスは10万3000冊の知識を存分に活かして答える。
「そうか、ありがとな」
上条はインデックスに聞こえないように、御坂美琴の耳元で囁いた。
「(後で銭湯に行く時にインデックスの体に何かないか見てくれないか?)」
「(……わかったわ)」
「む、2人ともこそこそ何を話してるのかな!?」
どうやらハブにされていると思ったのだろう、インデックスが怒ってしまった。
「ああ、いやなんでもないぞ」
今夜はここまで。
乙でした
今夜分を投下します。
解決への進展もなく、夜中となってしまった。
ちなみに小萌先生は同じ教師である黄泉川愛穂と飲んでいるので今日は帰らないらしい。
「着替えのときに見ても、特に変なものは見えなかったわよ」
「さっきインデックスに触ってみたけど、なんにも反応がなかったぞ」
制限時間は刻一刻と近づいている。
このまま何もできなければインデックスはまた記憶を消さなければならない。
どうしようと考えていると、バタッと、何かが倒れる音がした。
インデックスが苦しそうに息を吐きながら、倒れ込んでいた。
「・・・・・・お別れの時って、何て言えばいいのかな」
美琴の目から、涙が溢れてくる。
力を抜けば、上条だって泣きそうだ。
『おなか、すいた』
『おしいんだよとうま!』
『じゃあ、地獄の底までついて来てくれる?』
思い出すのは、インデックスと会った時のこと。
「・・・・・・ふざけんなよ」
拳に力が入る。
許せなかった。
理不尽にインデックスが苦しむのも。
もう無理だと諦めたあの魔術師が。
美琴が泣かなければならない現実が。
「何が魔術だ。何が10万3000冊の魔道書だ。そんなくだらない理由でインデックスが苦しんでいい理由になんかあるか!!また同じことを繰り返さなきゃならないって言うんなら、そんなふざけた幻想、この俺がぶち殺す!!」
「まだ、まだ絶対にあるはずなんだよ!インデックスが気づかない場所。自分じゃ絶対に見られないところが!!」
目に付いたのは彼女の口。
迷わず指で口を広げ、覗き込む。
「は、ははは」
喉の奥に見えるのは紋章のようなもの。
「ははははははははは!!」
笑いが止まらない。
右手で紋章を消した。
クソッタレな悪夢は終わりだ。
そう思っていたのに、バヂッと上条は弾き返された。
何が起きたかわからなかった。
ただインデックスが立っていた。
「――警告、第三章第二節。。Index-Librorum-Prohitorum――禁書目録の『首輪』、第一から第三まで全結界の貫通を確認。再生準備・・・・・・失敗。『首輪』の自己再生は不可能、現状、10万3000冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」
機械的な喋り方。無機物のような目。それはもう、インデックスとは呼べないものだった。
以上です。
っは!最後のインデックス(ペンデックスモード)の台詞、「第三節」の部分に『。』が2つある!?
乙です
『第三章第二節』の部分でしょ『。』が二つあるの
おちゅ
乙でした
>>1です
投下しますよと
「――『書庫』内の10万3000冊により、防壁に傷をつけた魔術の術式の逆算・・・・・・失敗。該当する魔術は発見できず。術式の構成を暴き、対侵入者用の特定魔術を組み上げます――対侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました」
インデックスの目の魔法陣は一気に拡大した。
それは首をかしげるインデックスの目線の後を追った。
「 。 」
人が理解できるものではない、けれども意味があるであろう『何か』を歌う。
そしてその魔法陣は大きくなり、そこから白い『何か』が上条へ向けて放たれた、
「ぐっ・・・・・・おおぉ・・・・・・」
右手を構え、打ち消そうとするも少し、また少しと押されている。
「当麻!!」
ビリビリ、と音がした。
おそらく美琴がインデックスを電撃で止めようとしたのだろう、けれどもインデックスの魔術だろうか、電撃が彼女に届く前に逸れた。
「何をやっている!まだ悪あがきをするつもりか!!」
騒ぎに気づいて入ってきたのは2人の魔術師だ。
神裂はインデックスを見て
「それは、『竜王の息吹』!?そんな、あの子は魔術を使えないはずじゃ・・・・・・」
「・・・・・・Fortis931」
たじろく神裂を尻目にステイルの懐から何万枚ものカードが飛び出し、部屋中に貼られる。
「そんなことはもうどうだっていい。もしかしたら助かるかもしれないなんて、そんな賭けにもう、やめたんだよ」
それに応えるのは上条だ。
「お前ら、ずっと待ってたんだろ。インデックスを救える日を、インデックスともう一度笑えるような日を!だったら諦めんじゃねえ!!今、こうしてチャンスが来てんだろ。諦めたって、挫けたって、もう一度立ち上がれるんだよ。いい加減始めようぜ、魔術師!!」
その言葉を聞いて、最初に動いたのは神裂だった。
待ってましたよっと
「salvere000!!」
自らの意思、覚悟である魔法名と共に7本のワイヤーが舞う。
それが斬るのインデックスではない。彼女の足元の畳だ。
足場が崩れたインデックスの目線に沿うように『竜王の息吹』も上へと向く。それは天井をごと、空を貫いた。
「行きなさい、上条当麻!!」
邪魔するものがなくなった上条は走り出す。
一歩、また一歩と確実にインデックスに近づいている。
しかし、上条の目の前に破壊された天井から現れた羽が舞い降りる。
「っ!!その羽に触れてはいけません!!」
「くそっ!」
右手で1つ打ち消した。
その隙にインデックスは体制を立て直し、再び『竜王の息吹』が襲いかかる。
「イノケンティウス!!」
『竜王の息吹』を炎の巨人、イノケンティウスが受け止めた。
「――警告、第二十二章、第一節。炎の魔術師の術式の逆算に成功しました。曲解した十字教の教義をルーンにより記述したものと判明。対十字教徒用の術式を組み込み中・・・・・・第一式、第二式、第三式。命名、『神よ、何故私を見捨てたのですか』完全発動まで十二秒」
白い『竜王の息吹』から血のような真紅へと変わっていき、イノケンティウスも押されている。ルーンのカードがある限り無尽蔵に回復するイノケンティウスでさえ、いつまでもつかわからない。
そしてようやく、辿り着いた。
頭上には何十枚もの羽。目の前には何の罪もない、くだらない運命に振り回された無垢な少女。
どちらを選ぶかなど、決まっている。
(いいぜ神様、この世界があんたの思い通りになるって言うんなら、そのふざけた幻想を、この俺がぶち殺す!!)
右手がインデックスの額に触れ、バジンッ!と音を立てた。
「――警、こく。最終・・・・・・章、第、零――・・・・・『 首輪、』致命的な、破壊・・・・・・再生。不可・・・・・・消」
プツン、とインデックスの口から声が消えた。
(・・・・・・終わった)
インデックスを抱えるも、頭上には何十枚もの羽。
「当麻!!」
(・・・・・・最後に御坂の声が聞けてよかった)
インデックスを抱えた上条は動けない。
「御坂、――――――」
(だ、め・・・いや・・・)
そんな言葉、聞きたくなかった。まるで今生の別れのような言葉など。
見たくなかった。頭に羽が触れ、上条がインデックスを庇うように倒れこむ光景など。
「ぁ、嫌・・・・・・いやあああぁああぁああぁああ!!!!!」
少女の叫びの後に残るのは、虚しい静寂だけだった。
以上です。
戦闘シーンは、疲れます
乙でした
乙です
よーし、投下しちゃうぞー!
美琴とインデックスは病院にいる。
今、美琴は1人で上条の担当医師と話をしている。
「記憶、喪失・・・・・・?」
「正確には、記憶消失って言うべきかね。脳細胞が完全に死んでいる状態だよ。頭蓋骨を開いてスタンガンでも打ち込んだのかい?」
その言葉を聞いて体が固まった。
脳細胞が死んでいる。それはもう思い出すことがないということだ。
ショックを受けた美琴を気遣うような調子で医者は言う。
「とりあえずLesson1からだね?実際に会って、気持ちの整理をつけるといいね?」
「・・・・・・はい」
出ていこうとしたら、医者に手紙を渡された。
「あの少年を運んだ2人組がさっき置いてったんだよ。その手紙はあの少年に渡すんだね?」
「みこと、お話終わった?」
「うん」
インデックスは美琴の持っている手紙に気づくと、それを奪い取った。
「あ、それ当麻のだから!」
美琴の静止も聞かずにビリビリと雑に封を開け、読み出した。
「えーっと、『親愛なる上条当麻へ 前置きは面倒なので省略させてもらうよ。よくもやってくれたなこの野郎、と言いたいところだが彼女を救ってくれてことだけは感謝せざるを得ないね。彼女に小細工をしたクソ野郎の予想は多方ついているよ。あの女狐のことだ。まだ何か企んでいるだろうから当分の間は甚だ遺憾だが彼女は君に預かってもらうことにするよ。PS;この手紙は読み終わると同時に燃えるようにしておいた。せいぜいその右手を吹き飛ぶだけに止めておいたことに感謝することだね』・・・・・・あわわ!?」
慌てて手紙を放り投げるとボンッ!と音を立てて消滅した。
「・・・・・・ま、魔術って、すごいのね」
美琴は1人、病室の前にいる。
インデックスには待ってもらっている。
でもドアに手をかけるのが怖かった。
もし本当に記憶喪失なら、もう2度と思い出せないのなら。
(ううん、それじゃだめ。)
もし上条が何も覚えていなくても受け入れようと覚悟を決め、ドアを開けた。
思い出せない。
家族も、友達も、自分がどこの誰なのかさえ。
「し、失礼するわよ!」
見知らぬ少女がぎこちない歩き方で入ってきた。
今夜はここまで。
新刊読んで思ったことを言わせて。
加群先生ーーー!!!
乙でした
頑張れ ミコっちゃん
すいません、あまり進みませんでしたので1レスだけ
「あの、病室間違えてませんか?」
「・・・・・・当麻、憶えて、ないの?」
「・・・・・・ごめん」
そう聞いて、少女の体は固まった。
「ねえ、私は御坂美琴、当麻の彼女よ!なにか思い出さないの!?インデックスや小萌先生のことも!?」
それでもごめん、と首を横に振った。
「お願いだから・・・・・・思い出してよ・・・・・・」
涙をポロポロと流す少女。
それを見ても彼は首を横に振るしかなかった。
けれど少女の涙を見ていると、我慢できなかった。
「ぷっ、ははは!!なーに騙されてんだよ。大事な彼女を忘れるわけねえだろ?美琴」
だから嘘をついた。
許されることだとは思っていない。
この少女を騙すことは心が痛かったが、この少女には笑っていて欲しいと、心からそう思ったのだ。
「・・・・・・そうよね、そんなわけないわよね。あんたが記憶喪失なんて・・・・・・あー、ビックリした」
また来るから、と彼女は病室から出て行った。
誤魔化すことには成功したらしい。
本当はもっといて欲しかったと思う少年は、医者が来るまでドアの方を見ていた。
以上です。続きはまた今度
乙
超乙です
乙でした
さて、禁書目録編は終了しまして、続きを投下します
「みこと、とうまは?」
病室から出ると、インデックスが駆け寄ってきた。
彼女も心配しているのだ。
「いつも通りよ、行ってきなさい」
「うん!!」
きっと真実を知れば彼女は自分を責めるだろう。
だから決して言わない。
それは上条のためでもあると考えたから。
インデックスが病室に入るのを見ると、美琴は椅子に腰掛けた。
(何も出来なかった)
誰が悪い、なんてことは考えていない。
でももしあの時、動くことができれば。
あの時、上条を庇っていれば。
そんな後悔が美琴を襲った。
あれから数日経った。
「今日も来てくれたのか」
記憶を失った少年、上条当麻は現在入院中である。
自分が高校1年生で夏休み中であること。
インデックスを助けるために記憶を失ったこと。
それらはお見舞いに来てくれた美琴との会話から知ったことである。
「今日はあんたのためにお見舞いの品も持ってきたんだから」
「お、ありがとうな」
美琴と毎日会えて嬉しい・・・・・・のであるが、
(美琴が好きなのは、俺じゃない)
付き合っていたのは記憶を失う前の上条当麻だ。
だが決めたのだ。嘘をつき続けると。
「どうしたの?」
暗い様子の上条に美琴はお見舞いの品である林檎の皮を剥きながら聞いてきた。
「何でもない」
「そう」
美琴は林檎を一口サイズに切り分けると、それを爪楊枝で刺して上条へと差し出した。
「はい」
(え・・・・・・?、前の俺は美琴にあーん、をしてもらってたのか?)
前の自分が羨ましいと思う反面、ここで素直に口を開けてあーん、としてもらうのは恥ずかしい。
でもここで拒否をしたら怪しまれるのではないか。
「・・・・・・何してるのよ、病人は黙って食べさせてもらうものよ」
(あ、そういうこと)
納得したためとりあえず口を開けた。
恥ずかしいことに変わりはなかったが、口に入った林檎によりその考えは消え去った。
(う、美味すぎるだろこれ!!)
それは噛んだ瞬間、シャリッ、と小さな音を立てて水分が甘味と共に口いっぱいに広がった。
記憶のあるうちに林檎を食べたのは初めてだがすぐに上条はわかった。これは高級品であると。
「あ、あのつかぬ事をお聞きしますが、これ、おいくら?」
「ん?あんまり値札とか見てないけど、せいぜい1、2万程度じゃないかしら」
「なっ!」
平然と万単位の値段を『せいぜい』と言う美琴に上条は驚きを隠せない。
もしかしたらお金持ちのお嬢様ではないかと上条は考えた。
(そんなお嬢様と付き合ってた前の俺、一体何をしたんだ?)
前の自分がどんな人間だったのか、高級林檎を食べさせてもらいながら上条は考えていた。
以上!
・・・・・・これ、何編がいいかな?
乙
偽りの恋人編とか?(後に本物になることを見越して)
>> 225で
おはようございます。
>>225さんの『偽りの恋人編』を採用させていただきます。
それでは投下開始です
(今日は安く買えわね)
昼下がりのスーパーから出てきた美琴の手には買い物袋が握られていた。
中身は何の変哲もない、安売りされていた豚肉やネギである。
金銭感覚もお嬢様だった彼女も、上条当麻との恋人生活によって主婦的になってきたのだ。
(と言ってもそれは食材の買い出し時のみであり、2000円するホットドックを平然と買うあたり、彼女もまだまだお嬢様である)
そして彼女は現在、上条の部屋で料理中である。
だが振舞う相手は上条ではない。彼が預かることとなったインデックスである。
台所のまな板の上には刻まれた豚肉とネギ。
冷凍されたご飯を熱せらているフライパンに入れ、ボールの中の卵と同時にかき混ぜる。
ご飯がほどよく解されたところで卵と豚肉、ネギを投下してかき混ぜる。
「できたわよー」
「とっても美味しそうなんだよ!!」
出来上がった炒飯を大きな皿いっぱいに盛ってきた。
これだけでインデックス1人分だ。
美琴が初めてインデックスに振舞った日には、次の日の朝の分として作ったものまで食い尽くされて驚いたものだ。
「いただきます!!」
美琴が皿をテーブルに置くと、インデックスはグー掴みのスプーンでそれに襲いかかった。
「ちゃんと噛んで食べるのよ」
ガツガツモグモグムシャムシャと、おいしいんだよみこと!!というような顔をして頬張っているている。
そんなインデックスの姿を見ていると、上条のことを思い出す。
本来なら、この場には上条もいるべきなのに、と。
「どうしたのみこと?」
インデックスがスプーンを置いて美琴に聞いてきた。
「わたしはシスターだから、いつでも迷える子羊の話をきくんだよ」
誰かに話して解決する問題ではない。
けれど気を晴らす事くらいならと思い、美琴は話すことにした。
「今の私には、あいつに何ができるかなって」
「みことはみことらしく、とうまを待つべきなんだよ」
「私、らしく?」
「うん、とうまは何があっても絶対にみことのところまで帰ってくる。2人を見てればわかるんだよ。だから、待とう?」
美琴はうん、とだけ答えた。
今日で上条は退院である。
美琴は病院の前にいた。
「美琴」
上条が出てきた。
決めたのだ、待つと。
もしいつか、来るべき日が来たら本当のことを言おうと。
だから今は、笑顔でこう言った。
「おかえり」
以上です。
上条厨キメエ。
原作じゃ人間性全くなしの不人気キャラなのに異常に美化してんじゃねえよ。
不人気キャラの厨はそれ相応の振る舞いをしててくれよ。
乙です
>>233は禁書スレに手当たり次第に書き込まれているのでスルーしましょう
コピペ乙
>>233-235がセットでコピペっぽいな
乙でした
こんばんはです。
2レスほど投下します
退院後、美琴と共に食材を買いにスーパーまで行った。
買い物を終えて、荷物を持とうとしたら、退院したばかりで無理するんじゃないわよ。と拒否をされた。
自分の身を案じてのことだろうけど、少しばかりショックだった。
「ただいま」
「た、ただいまー」
初めての帰宅に少し緊張していた。
中はどうなっているのか。
インデックスもいるし、美琴も毎日来ているらしいからある程度は綺麗だろうか。
それとも男の部屋らしく、少しばかりは散らかっているのか。
(・・・・・・ここが俺の家、か)
意外と綺麗好きだったのか、美琴が綺麗に片付けてくれたのか、あるいはただ物がないだけなのか。
あるとすればインデックスのか美琴のかはわからないが、女の子向けの雑誌がいくつかテーブルに置いてあるくらいだ。
「おかえり、とうま」
「ただいま」
美琴は食材をしまいに台所へ。
上条は床に腰を付ける。
やはり体は覚えているものなのか、落ち着ける。
「もう、体は大丈夫なの?」
「ああ」
思えばインデックスにも心配をかけた。
「そういえばまだ言ってなかったんだよ。とうま、助けてくれてありがとう」
「・・・・・・ああ」
彼女を助ける瞬間、記憶を失う前の自分は何を思ったのだろうか。
最後に言った言葉はなんだったのだろうか。
今の彼にはわからないが、1つだけ言えることがある。
この少女を助けたことは間違いではないと。
退院してから数日。なのだが・・・・・・
「・・・・・・で、なんで退院から一週間もしないでまた入院するのかしらね。しかも私の知らないところで」
「い、いやですね美琴さん、宿題を進めるために参考書を買いに行ったら赤髪の魔術師に塾まで連れて行かれて錬金術師から女の子を助けようとしたら右腕が切り落とされたんですよはい!!」
省略に省略をしたが嘘はついていない。
が、こんな説明で信じてくれるのだろうか。
「・・・ふーん。わかった」
どうやらわかってくれたようだ。
「でも、なにかあったら私に相談して。力になるから。あんただけが背負っていいことなんてないから」
「・・・ああ」
肯いてはいるが、もしまたこのようなことがあった時、美琴を巻き込むことなどができるだろうか。
錬金術師、アウレオルス=イザードはたった一言、『死ね』というだけで人を死なせることができた。
あの時は右手のおかげで助かった。けれどあれ以上の強敵が現れたら。
決して美琴が弱いとは言わない。むしろ強力な戦力となってくれるだろう。
しかし、もし美琴に擦り傷1つでもできる事態など許せないだろう。
「今りんごの皮剥くから、ちょっと待ってて」
「・・・・・・ごめん」
「違うでしょ」
「・・・ありがとう」
「よろしい」
以上です。
3レスじゃん!!
乙です
このまま3スレ書いてもいいのよ?
超乙です
投下していきます。
3レスは・・・・・・また別の機会に
夏休みも終盤に差し掛かる時期。
大抵の学生はこの時期には宿題はある程度終わらせているか、最後の最後に纏めてやるかの二択だ。
ちなみに(今年の)上条当麻は前者である。
二度における入院中は基本暇であり、その間で宿題を行っていたのだ。
(・・・・・・)
夕飯を食べた現在、上条は宿題に取り掛かっている。
あと少しで古文が完了なのであるが、先程から筆が進まないのだ。
わからないとか、飽きたというわけではない。
最近、美琴の様子がおかしいのだ。
今もインデックスと遊んでいるが、目が笑っていない。
疲れているのか、悩み事があるのか明らかに作り笑いだ。
上条としては見過ごせるわけがない。
「・・・・・・美琴」
「ん、何?」
「最近、疲れてないか?」
「・・・・・・なーに言ってるのよ。そんなわけないじゃない」
「そう、か」
心配かけまいとしているのか、誤魔化そうとしているが、簡単に看破できてしまう。
「・・・・・・そろそろ帰んなきゃ。じゃあ、また明日」
「ん、あ、ああ」
美琴は立ち上がって玄関へと向かおうとした。
「あ、あれ・・・・・・?」
美琴の体勢が崩れ、倒れこむ。
「あっ!」
「っ!?美琴!!」
上条は急いで立ち上がり、美琴の所へ駆け寄った。
なんとか倒れる前に抱きかかえることができた。
「あ、ありがと」
「無理するな。何かあったら俺に相談しろ。今日は白井に迎えに来てもらって,
ゆっくり休め」
「・・・・・・ちょっと転んだだけじゃない。大丈夫よ私は」
そう言って美琴はそのまま部屋から出ていってしまった。
『次のニュースです。本日午後8時半。第七学区の研究所より火災が発生しました。警備員は現在、火災原因を調査中であり――』
今夜はここまで。
妹達編かな?
おつおつ
超乙です
妹達編も気になるけれど記憶破壊をいつ御坂が知るのかも気になる
>>250
もう知ってるんじゃないかなーって
こんばんは
>>252さん
美琴が気づいてるか。それはわかっていればそれで良し。分からなければ>>1の思惑通りってことで。
それではHatefulでheartfulな物語の続きと行きます。
3、4レスほど
妹達。
御坂美琴のDNAマップから作成されたクローンである。
当初は超能力者の量産型としていたが、実際には超能力者とは程遠く、計画は頓挫した。
だが、一方通行の絶対能力進化計画にて、オリジナルである御坂美琴の代用品として20000体製造され、殺されていった。
それを美琴が知ったのは9982回目の実験時だった。
彼女はDNAマップを提供した昔の自分を恨み、そんな現実を呪った。
数日掛けて誰にも悟られぬように普段通りに過ごしながらもネットを介して研究所に工作、直接乗り込んでの破壊も行った。
途中で刺客に襲われたりもしたが撃退し、なんとか施設の破壊も成功させた。
その次の日。
(おかしい)
公衆電話に繋いだPDAの画面を見ながら美琴は不思議に思っていた。
残った研究所の2つのうち、1つは美琴が潰した。
残りのもう一つも遠隔操作で破壊しようとしたが、なぜか閉鎖されているのだ。
美琴に襲撃されるのを恐れたのか、これ以上の実験遂行を無理と判断したのか。
それでも全ての研究所を封鎖に追い込んだのだ。
美琴はPDAをしまい、公衆電話から出て歩き出す。
(いまいち、実感がわかないな)
歩きながら、空を見上げる。
(でもこれで、あの子達は救われる)
これからやらなければならないことがたくさんある。
死んでしまった妹達は生き返らないが、それでも、これからを生きていく妹達はいる。
生き残った妹達はこれからどうなるか、美琴にはわからなかった。
けれども、彼女にできるのはここまでなのかもしれない。
公園の辺りか、聞きなれた声が聞こえてくる。
「え、おい、嘘だろ!?」
何やら上条が自動販売機の前で頭を抱えて叫んでいる。
「どうしたのよ」
「お、おう美琴か」
この様子を見て大体予想はついた。
「お金、飲み込まれたんでしょ」
「う、いや、そうなんだが」
「いくら?」
「2、2000円」
まさか2000円札が現代に存在するとは思っていなかったが、ここで笑ったら上条がかわいそうだ。
「どいて、取り返してあげる」
「と、取り返すって・・・・・・」
美琴は上条をどかすと、自動販売機の正面に立った。
「常盤台中学内伝!おばあちゃん式ななめ45度からによる故障機械再生法!!」
チェイサー!!という掛け声でスカート(短パン装備)がめくれるもの気にせずに、美琴は自動販売機に華麗な蹴りを入れる。
ガゴッ、ガゴッと、20本以上の缶ジュースが排出される。
「ま、取り込まれた分は取り返せたわね・・・・・・って、あれ?」
缶ジュースを取り出して、後ろを向くと、上条がいないのだ。
しかたなく缶ジュースを持って歩くと、上条はベンチに座っていた。
「(いやいや自分の彼女が犯罪に手を染めてんだから止めたくては・・・・・・)」
何やらブツブツと呟いている。
美琴は缶ジュースを一本、上条へと差し出す。
「・・・・・・なんか、これを受け取ったら傍観者から一気に共犯者になる気が」
重いのでとりあえず美琴は缶ジュースをベンチに置いた。
「いいのよ、あれは私の1万円札を飲みこ・・・・・・」
そこで美琴は暗い顔となる。
「・・・・・・ま、負けた」
ズーン、と落ち込んでいる美琴。
「ほ、ほら。お互い飲み込まれたことに変わりはないんだから、金額の差で落ち込むことはないって、な?」
「・・・・・・う、うん」
「それにいくら短パン穿いてるからって足の付け根まで見えることに変わりわないんだし、やめろよね?」
「う、うん」
上条に説得され、納得する美琴。
もう2度と自動販売機は蹴らないぞ、決心した。
「お姉さま?」
(え・・・・・・?)
美琴と同じ顔、同じ常盤台中学の制服の少女がそこにいる。
違いがあるとすれば,その額のゴーグルだ。
以上です。
あと皆さん、右と左って、どちらがいいですか?
(今後に影響するかも)
乙!
左方と右方なら……
アレ、どっちもいやだな
前方と後方はどっちも好きなんだが
右で
みぎ~!
幻想殺しの宿っている右だ!
左を上位に、右を下位に
>>1です
圧倒的に右が多いため、右にします。
それでは、2レスほど
妹達を引っ張って、上条から聞こえない所まで来た。
「どういうつもりよ。研修?実験は終わったんじゃないの!?」
「絶対能力者進化計画のことを指しているのなら、依然計画は実行中です、とミサカは正直に答えます」
言葉が出ない。
自分はやってきたことは全て無駄だったのか。
いつの間にか電灯に手をついていた。
「お姉さま?」
「っ、」
初めて会った妹達と同じ顔、同じ声。
でも一緒にアイスクリームを食べたり、ゲコ太の缶バッチの取り合いをしたあの子はもういない。
「お姉さ―」
「うるさい!!」
妹達の呼びかけを遮って美琴は叫んだ。
「その顔で、その声で、もう私の前に現れないで。もういいわよ。アンタもあの子みたいに死んじゃえばいいのよ!そのために作られた実験動物きたんでしょ!!?」
「――――はい」
「――――――あ、待っ――」
自分が言ってしまったことがどれだけ残酷なのか気づき、美琴が妹達を呼び止めようとしたけれど、すでに彼女の姿はなかった。
「っ!!」
ガンッ!!と、美琴は力いっぱいに電灯を殴りつた。
「・・・・・・最低だ、私」
電灯を殴った手が痛い。
そしてもう一つはスカートの中。
彼女のトレードマークとも言うべき短パンがなく、縞模様のパンツが丸見えなのだ。
「どうなされましたか、とミサカは尋ねます」
うわー、265はなしで。
投稿し直します
(重い)
1人残された上条は20本以上の缶ジュースを抱えて歩いている。
そこで久しぶりに不幸が発動した。
「おわっ!」
何故か転がっている野球ボールに転び持っている缶ジュースをばらまけてしまった。
仰向きに転んだが頭を打たなかっただけましなのか。
「・・・・・・美琴・・・・・・じゃ、ない?」
下から覗くような状態であり夕日で照らされよく見えなかったが、明らかに美琴の顔だ。
ただし美琴と違う部分が3つある。
1つは額のゴーグル。彼女は普段そんなのもは着けない。
もう1つはその目と表情。落ち着いている、と言うよりも無表情とでも言うべきか。
(・・・・・・)
そしてもう一つはスカートの中。
彼女のトレードマークとも言うべき短パンがなく、縞模様のパンツが丸見えなのだ。
「どうなされましたか、とミサカは尋ねます」
以上です。
ちゃんと投稿前に見直ししないとダメですね
乙です
乙でした
>>1です
それでは4レスを
上条は美琴の妹に缶ジュースを半分ほど持ってもらっている。
「ありがとうな、持ってもらって」
「いえ、大丈夫です。とミサカは平然と答えます」
しかし、先ほどの美琴の様子はおかしかった。
いつもは絶対にあんな表情はしないはずなのに。
「あー、美琴のことだけどさ、いつもはあんなんじゃないんだよ」
「なんのことですか?とミサカは聞きます」
「なんのって、さっき美琴と会った時のことだよ」
「ミサカは先ほどあちらから来ましたが、とミサカはミサカが来た方向を指さします」
美琴の妹が指差したのは上条がきた方向とは違うのだ。
美琴とのことは無かった事にしたいのか。
(俺がどうこうできる問題じゃないとは思うけど、仲直りしてもらいたいもんだよなー)
部屋へと帰るとインデックスはスフィンクス(インデックスが前に勝手に飼うと言い出した猫)と遊んでいた。
「ただいまー」
「お邪魔します、とミサカは挨拶します」
「おかえりとうま、みこと・・・・・・みことじゃない?」
やはりいつも美琴といるインデックスでさえ見間違えかけるほどだ。
「こいつは妹だよ・・・・・・あれ?」
まだ名前を聞いていなかったとうことを思い出したのだ。
「そういえば名前を聞いてなかったな」
「ミサカの名前はミサカです。とミサカはこのミサカがミサカであるということをミサカ自身の口から説明します」
ミサカミサカと言われると『ミサカ』がゲシュタルト崩壊しそうだが、何一つ答えになっていないのだ。
「いや、苗字じゃなくて名前を」
「検体番号のことをもうされているのなら、ミサカの検体番号を10032です。とミサカは」
サバイバルゲームのコードネームなのだろうか。
というかそれもおかしいのだが。
聞いていても埒があかない。
自分で呼び名を考えようと決めた。
(美琴妹・・・・・・違うなー。みさか、御坂・・・・・・)
「よし、御坂妹と呼ぼう」
「この猫はミサカにも懐きます。とミサカは驚きを隠せません」
「スフィンクスは美琴で慣れてるんだよ。クールビューティー」
せっかく頑張って呼び名を決めたのにインデックスは既に違う名前で呼んでいた。
「それではミサカはこれで。お邪魔しました。とミサカは惜しみつつもお別れの挨拶をします」
「じゃあな」
「ばいばい。クールビューティー」
美琴の妹改め、御坂妹はスフィンクス(インデックスが前に勝手に飼うと決めた三毛猫)を惜しみながら出て行った。
「じゃあそろそろ夕飯を・・・・・・あ」
そこで彼は思い出した。
彼があんな暑い中で出かけた理由を。
「とうま、どうしたの?」
「・・・・・・悪い、インデックス」
きっとインデックスインデックスは怒り狂うだろう。
「夕飯、買い忘れてた」
「とーうーまー!」
ガブリッ!!と頭を噛み砕かれかけた。
今日は久しぶりにお姉さまが門限までに帰ってきた。
「ねえ黒子、もし私が捕まるようなことをしたら、どうする?」
ベッドで寝っ転がっているお姉さまは突然そんなことを聞いてきた。
「はあ、自販機を蹴ることであれば、おやめになったほうがいいかと」
「あれは新入生の時に私の一万円札を飲み込んだからいいの!」
それにもうやんないし、とお姉さまが小声で言ったような気がした。
「違うの。もっとこう、学園都市の根底に関わるような」
お姉さまが何を考えてこんな質問をしたのかは白井にはわからなかった。
けれど彼女はお姉さまが望むであろう。白井黒子自身の答えを言うだけだ。
「もしそのようなことがあれば黒子は風紀委員として、お姉さまを捕まえるだけですの」
「・・・・・・なーに本気になってるのよ」
そう言って、美琴は白井の額を指でつついた。
「お姉ーさまー」
久しぶりにお姉さまの心からの笑顔を見れた。
以上です。
超乙です
さっさと美琴を救いたいので3レス行きます
研究所を潰した程度で実験は終わらない。
ならば実験の前提そのものが間違っていると思わせればいい。
次の日、美琴が侵入した場所は学園都市でも重要な施設。
明日の天気から研究結果の予測までの全てを行う『樹形図の設計者』と唯一交信ができる施設だ。
たとえ『樹形図の設計者』が宇宙にあろうが、ここから美琴の能力で細工ができるのだ。
警備員も、警備ロボットすらいない。
それよりも気になるのは機材が埃をかぶっていることだ。
(誰もいないというより、施設そのものが放棄されてるの?)
美琴は能力で目の前の機械を起動させた。
(違う。申請自体はあるし、受理もされてる。でも1ヶ月近く前から1つも処理してない?)
施設の情報をPDAに映す。
それは英語でこう書かれていた。
『樹形図の設計者を搭載した人工衛星おりひめ1号は地上からの謎の攻撃により大破。現在調査中である』と。
研究所から出て、美琴は考えていた。
(もう計画を止める方法はないの?・・・・・・あれ、そういう問題じゃないのかな・・・・・・)
計画の前提そのものを変更させることは不可能だ。
(あれ・・・・・・?)
空を見上げて、気づいてしまった。
(・・・・・・そうよ。この街は徹ところに監視カメラがある。あんな実験が、バレないわけがないじゃない)
七年住んでいるこの学園都市が。
自分の居場所そのものが『敵』なのだと。
「・・・・・・私が、何したっていうのよ」
自身のDNAマップさえあれば筋ジストロフィーの子供達を助けることが出来ると。
それを信じて、彼女は渡した。
その結果がこれなのだ。
(壊してやる)
悲しみは絶望へと。
(あんな実験も、それを許す学園都市も)
絶望は怒りへと。
(全部、1つ残らず。私を苦しめるもの全て!!)
怒りは憎悪へと変わっていく。
以上です。
「ごめんなさいインデックスさんすぐ買いに行きますから!!」
「ホントだよ!私はお腹がすいて死にそうなんだよ!!だいたい今日はみことも来ないし!」
なんとかインデックスから開放されたところで携帯が鳴った。
「あれ、美琴から?」
上条は携帯を開いてメールを見た。
『今日は行けそうにない。ごめん』
(美琴・・・・・・)
昼間のことも関係しているのか。
何か抱えているのなら相談して欲しい。
「とうま?」
「あー、美琴はこれないらしい。今日は久々に上条さんが腕に振るいをかけますよっと」
美琴だって朝昼晩と3食用意してくれるわけではない。
夕飯は必ず作ってくれるものの、朝や昼は上条が作る日もある。
手の込んだものを作るわけではないが。
「えー」
インデックスは明らかに不服そうだ。
居候の分際で図々しいこと甚だしいのだが、美琴が来れないのは上条も残念だし、料理の腕が適わないのも事実だ。
「えー、じゃない。すぐに買ってくるから機嫌直せ」
いや、すいませんね。はい
乙です
べんとらべんとらーっ!!
乙です‼
今日は頑張った!!
数レス行きます
上条は夕飯の買い出し中だ。
「美琴、じゃない。妹か」
御坂妹は何やら地面に置いてあるダンボールを見つめている。
「何見てるんだ?」
上条は声をかけてみた。
「にゃー」
「にゃー?」
「と鳴く、四足動物です」
「つまり?」
「猫です。とミサカはこの猫から目を離せないながらも答えます」
そう答えた美琴の妹の手には先ほど買ってきたのか、牛乳を注いだペット用の器がある。
だけどもそれをダンボールの中に置こうとしない。
「やっぱり怖がっちゃうのか」
「はい、とミサカは答えます」
電気系能力者は電磁波のせいで動物に避けられがちである。
しかし、美琴はスフィンクスに餌付けをすることでなついてもらった。
「今は怖がっちまうだろうけどさ、その皿、置いてみろよ」
「しかし」
「いいからいいから」
「・・・・・・はい、とミサカは渋々従います」
御坂妹がダンボールの中に皿を置いた。
最初は子猫は怖がっていたが、安全だとわかったのか、皿の中の牛乳をペロペロと舐め始めた。
「な?それじゃあ上条さんはお買いものに」
「待ちなさい、とミサカは呼び止めます」
「どうした?」
「あなたはここに捨てられている可哀想な子猫を見捨てるのですか?とミサカは問いかけます」
確かに可哀想ではある。が、だ。
「だから俺に飼えと?ただでさえ猫一匹と大食らいの居候がいるってのに」
そんなことをすればいつか美琴に金銭面の世話になってしまう。
それだけは絶対に嫌なのだ。
「ではあなたはこの純粋無垢で可愛い子猫がこんな道端でのたれ死ぬというのに見捨てるというのですか!?とミサカは再び問いかけます」
「そんなに言うならお前が飼えばいいだろ」
「ミ、ミサカはこの子猫を怖がらせてしまいますし、とミサカは・・・・・・」
「はー、じゃあお前の家までは俺が持って行ってやる。だからこの猫はお前が飼え」
「そ、それなら、とミサカは承諾します」
仕方なく子猫は上条が抱えている状態だ。
(お、そうだ)
「ちょっと本を買ってくるよ」
いい事を思いつき、上条は本屋へと入っていこうとするが、
「あー、本屋入るのに猫抱えてるのはまずいなー」
「?」
「喰らえ!必殺猫爆弾!!」
ポイーッっと猫を放り投げる。
慌てて子猫をキャッチする御坂妹。
猫の身体能力ならあのくらい余裕で着地できるのだが、どうしてもキャッチしてしまうのが人間というものだ。
子猫は電磁波のせいか御坂妹の胸で少しばかり暴れていたが、安全だとわかったのか落ち着いた。
「ほら、大丈夫だろ?」
「は、はい」
子猫を撫でる御坂妹は本当に嬉しそうだ。
今度こそ、上条は本屋へと入っていく。
「ぐ・・・・・・ああ・・・・・・」
「ちく、しょぅ」
「あァあ、つまンねェ」
「ひっ!た、助けてくれ!――ガッ!!」
白い髪に色の無い肌。
学園都市第一位の少年、一方通行だ。
「ったくよォ、ピーピー泣き喚いて。静かに仕事を全うする人形どもだっていンのによォ」
コンビニで缶コーヒーを買おうとして路地裏を通った。
そうしたら不良どもに絡まれたから蹴散らした。
彼にとってはそれだけだ。
それが彼の日常なのだ。
(・・・・・・)
いつからだろうか。
超能力者である彼の周りはその力を利用しようとする研究員か、自身の力を過信しか馬鹿だけだ。
だから彼は力を欲した。
誰も近づけさせない。誰も傷つけたくない。
だから彼を絶対的な力を欲した。
そうすれば、あの頃に戻れると。
「あァ、もう時間か」
路地裏の先、本屋の前で立っている彼の実験相手。
2万体製造され、命令通りに動く人形。
それを見て実験開始の時間だと思い出した。
「おい、今日の実験相手はお前でいいのか?」
「いえ、本日の相手はこのミサカです。とミサカは挨拶します」
そう横から話かけてきたのはもう一人の実験相手は大きな楽器ケースを背負っている。
中身はどうせチャチな玩具だ。
「ややこしいンだよお前らは。さっさと行くぞ」
再び路地裏へと入っていく。
実験を始めるために。
とある研究所。扉は破壊され、機材は電撃によって破壊されていく。
襲撃者はたった1人の少女。
「あはははは!」
その表情は憎悪に満ちて、笑いながらも、泣いていた。
壁を焦がし、機材を爆発させて煤が美琴の制服を黒くしていく。
「そうよ!こうしてればいつか、いつか!!」
『(いつか?じゃあその日までに、一体どれだけの妹達が死ぬの?)』
それは幻聴か、自身の心の表れか。
そんな声が美琴には聞こえた。
「っ、うるさい!!」
感情に任せて辺りに電撃を撒き散らす。
「じゃあどうすればいいのよ!どうすればこれいじょうあの子達が死なずに済むっていうのよ!!どうすればあの子達が助かるって言うのよ!!!」
美琴はあるモニターが目に入った。
その画面には美琴と同じ姿が、血まみれで映っていた。
「また、実験が」
もう一人、白い少年が画面に入ってきた。
その少年は画面の少女へと近づいていく。
「おねがい、やめて・・・・・・」
美琴の嘆きも届かない。
白い少年が少女に触れた瞬間、画面が紅色に染まった。
(また・・・・・・死んだ)
結局、無意味だったのか。
また1人、妹達が死んでいく。
(・・・・・・もう、いいや)
そして憎悪は、諦めとなってしまった。
猫の飼育に関する本を買って上条は本屋を出るが、そこに御坂妹はいなかった。
(あれ?)
足元では子猫が御坂妹が用意してであろうアンパンを食べている。
(どこいったんだ?)
ふと、路地裏が目に入った。
上条は子猫を抱えてそちらへ入っていく。
「御坂妹ー、御坂妹やーい」
なんとなく、この路地裏にいるのではないかと思った。
が、やはり気のせいだったのか。
(ん?)
パキ、と何かガラスのようなものを踏んだ。
足元に落ちていた物には見覚えがあった。
(これ、御坂妹のゴーグル?)
しかし、何故割れているのか。
もしかしたら事件に巻き込まれたのか。
上条の足が早くなる。
少し走って、人の気配がない奥まで来た。
唯一そこにある『それ』を、見てしまった。
「み、さか、妹・・・・・・?」
信じたくなかった。
先ほどまで話していた少女が。
子猫を可愛がっていた少女が。
赤い池の上で、目を開いたまま、苦しそうな表情で倒れている光景など。
「う・・・・・・ぁ・・・・・・」
見てしまった。
彼女の股の間から出ている『それ』を。
本来、人間から出てくるものでない。
ピンク色の、ブヨブヨした『それ』を。
「うああああああ!!!」
とうとう逃げ出してしまった。
気づけば表通りまで出ていた。
上条にはやはり、信じられなかった。
(そう、だよ。死んでるわけねえよ。もう一度。もう一度だけ、確かめよう)
あの光景を否定したい。
きっと御坂妹は用事が出来て帰ったに決まってる。
そう決めつけようとして、再び入っていく。
もう一度あの場所に戻ってきた。
そこにはゴーグルの破片も、血の後もない。
「何をしているのですか、とミサカは尋ねます」
彼女と同じ声がする。
「ああ、ごめんごめん。急にいなくなるから探し・・・・・・に、」
しかし、そこにいるのは彼女だけでない。
十何人も同じ顔、常盤台の制服にゴーグルという同じ格好。
「ま、さか、クローンだとでも言うんじゃねえだろうな?」
「ミサカはお姉さまのDNAマップから生成されたクローンです。とミサカはあなたの疑問に答えます」
答えたのはまた別の『彼女』だ。
その腕で抱えている黒い、人が入れるような袋。
もし、あの光景が現実で、それを綺麗に片付けたのが彼女達ならば。
「おい、その袋、もしかして」
「ミサカです。とミサカは答えます」
何故そんなに平然と答えることができるのか、わからない。
同じクローンが、いや、1つの命が消えているのに。
「なんで、なんで平気なんだよ」
「実験ですから。とミサカは答えます」
「じ、っけん?そのために、死んでもいいってのかよ」
「被験者一方通行との2万通り、2万回の戦闘を行い」
「ミサカ達、妹達を2万体を殺害することにより」
言葉をリレーするように言葉を繋げる彼女達。
「一方通行を絶対能力者にするという目的という実験であり」
「ミサカ達はそのために作られた」
「実験動物ですから。とミサカは答えます」
「それでは。とミサカはあなたに別れの挨拶をします」
妹達が去っても、上条は立ち尽くすことしかできなかった。
どれくらい経ったかはわからないが、上条はあることを考えた。
(美琴は、このことを知ってるのか?)
それを知っていて、上条達の前で笑っていたのか。
いや違う。彼女はそんな人間ではない。
昨日様子からすると、それを知っていて、止めようとしたのかもしれない。
だけども上手くいかなかったのか。
(話をしないとな)
子猫を連れて、歩き出した。
夕日も落ちて、月が出てきた。
上条は常盤台中学の寮の玄関にいる。
電話やメールを使う気にはならない。直接、美琴の口から聞こうと思ったのだ。
どんな回答が帰ってこようと構わない。美琴なら大丈夫だと信じてるから。
勇気を出して、インターフォンを押した。
「あの、上条だけど、美琴か?」
(お姉さまと約束でも?)
だが、お姉さまは帰ってきていない。
だがもしかしたら、少しでもお姉さまのことを知っているのかもしれない。
『あれ、いないのか?あ、おい』
服の中で何かが暴れている。猫でも入れているのだろうか。
到底何かを知っているとは思えないのだが、
(・・・・・・お姉さま)
待っていると決めたのに。
お姉さまの口から聞くまでは、と。
だけどもこの男ならばと、そう思って、ボタンを押した。
「鍵は空いてますので、自分で入ってきてくださいな」
以上です。
300行ったー!
超乙です
300おめでとうございます
―とあるコンビニ―
結標「(はぁ…、??の素シリーズを使うのは上手く料理出来たとは言えないわ…、てか失敗する人は流石にいないでしょ)」
結標「(うーん、誰か料理できそうな人いないかしら…)」モンモン
数分考えるが思い浮かばない…orz
結標「(あれ?私ってもしかして友達少ない……?)」ガーン
結標「(あ、そういえばあのシスターさんって居候してたわね……。○○が作る料理は上手いんだよって)」
結標「(えーとたしか……、とうま?だったかしら。小萌の教え子だったはずだし明日聞いてみよう)」
ゼンブデ980エンニナリマス
カードバライデ
アリガトウガザイマシタ
飲み物以外にもサラダと永○園の??の素シリーズを購入した結標……。
誤爆?
ごめんなさい間違えました……
ドンマイ
>>305さんが本来投稿する場所が気になってたり。
それでは投下します
美琴の部屋に入るのは初めてだ。
「お久しぶりですわね、上条さん」
「ああ、久しぶり」
白井黒子のことは美琴からよく聞くし、前に会る。
その時には美琴の
「えっと、美琴は、いないのか」
「お姉さまは居られませんわよ。しかし入れ違いになるのもなんなので、ここでお待ちになったら如何でしょうか」
「ん、ああそうだな」
「それではそちらに座っていてくださいな」
白井はベッドに腰掛けると、もう片方のベッドを指差した。
「いや、いくら彼女のでも勝手にベッドを使うのはなぁ」
「心配いりませんわ。そちらが私のベッドですの。あとなにげに惚気ないでくださいですの」
いつどのように惚気けたのかはわからないが、そもそも何事もないように美琴のベッドに座る白井はなんなんのだろうか。
そう言えば、美琴が前に白井黒子がセクハラしてくると言っていたことを思い出した。
考えていると、白井が話しかけてきた。
「ところで、今日はデートでも?」
「いや、美琴と話したいことがあってな」
「ならば携帯を使えばよろしいのでは?」
「直接、美琴の口から聞きたい事があったからな」
「それは、最近のお姉さまの様子がおかしかったこととご関係が?」
「ああ」
「やはり。ですが私にはただ待つことしかできませんの」
「・・・・・・、」
美琴は白井にさえ心配かけまいとしていたのか。
ずっと彼女は一人で戦っていたのだろうか。
そして何もできないと嘆く白井に、上条は何も言えなかった。
「お願いしますの!あなたならば、お姉さまを――っは!!」
白井の必死な願いを遮ったのは、廊下から聞こえる靴の音だ。
美琴が帰ってきたのか。
「ま、まずいですわ!寮監の見回りですの!!」
「おい、なんでそんなことわかるんだよ。美琴が帰ってきたのかもしれねえだろ」
「足音だけでもわかるほど恐ろしい存在だということですの!大体前に貴方も会ったことがあるでしょうに!!」
記憶を失う前のことか。
「とにかく早くベッドの下に!」
「ちょ、いた、痛い!」
ガンガンガシガシゲシゲシと、美琴のベッドに下に無理やり押し込められたところで寮監がドアを開けた。
「さっきから物音がするがこの部屋か?・・・・・・おい白井、御坂は?」
「お姉さまはお先に眠られましたの。物音は隣では?」
(バレて、ないのか、っ!?)
ベッドの下で上条の目の前にあったのは巨大な隻眼の熊のぬいぐるみだ。こういうもの美琴の趣味なのだろうが、いきなり視界に映るとびっくりする。
が、なんとか口を抑えたので声がでることはなかった。
(・・・・・・なんだ、これ?)
ぬいぐるみの首からはまとめられた紙があった。
人の私物を取るのはしのびないが、気になるのだ。
「そうか」
「私も行きますわ。お姉さまの睡眠が阻害されてしまうので注意したいと思っていたところですし」
ドアが閉まり、静かになったところでベッドの下から出てきた。
ぬいぐるみから取り出した紙には書いてあったのは絶対能力者進化計画に関する資料と、いくつもの赤いバツ印のついた地図だった。
(やっぱり、あいつは)
今すぐに美琴に会わなくてはいけない。
そう思って上条は動き出した。
(はあ、寮監を誤魔化すのは大変ですの・・・・・・なっ!)
部屋に戻って来た白井は愕然とした。
上条がどこにもいず、窓が空いているのだ。
「まさかここから!?」
窓から出て行ったのならばもうどうしようもない。
しかたなく白井は窓を閉めた。
(・・・・・・)
だけどもしかしたらと、淡い希望を抱いてしまった。
(お願いしますわ。上条さん)
以上です。
隻眼のキルグマー
乙です
きぐるまー
ミスった
きるぐまー
きるぐまーは元々(南京錠以外は)あんなのだったのか、美琴が熊のぬいぐるみを修繕ついでに改造したのか気になる今日この頃。投下します
勢いに任せて飛び出してきたが、美琴がどこにいるかなど見当もつかない。
(ちくしょう、なにかヒントでもあれば!)
当たりを見回すと風がない中で一箇所だけ回る風車がある。
(そうだ、確か風車って特殊な電磁波で回せるって)
ということは美琴はそこにいるのか。
足を早め、美琴がいるかもしれないそこへ向かう。
静かな鉄橋。
少女がただ1人、そこにいた。
(いいんだよね。これで)
何でも解決してくれるママも、都合の良いヒーローも、ここにはいない。
ならば、自分で何とかするしかないのだ。
(そうよ。アイツのいない世界なんて、もう・・・・・・だから)
下の川を見ながら思い出すのはあの日、上条当麻が最後に残した言葉。
(・・・・・・無理よ。だって、アンタがいなきゃ、わたしは・・・・・・)
ニャー、と鳴き声が聞こえた。
見ると美琴の足元に子猫がいた。
「美琴」
振り返ると、上条がいたのだ。
そしてその手にある紙に気づいた。
「それ持ってるってことは、私の部屋に入ったの?言えばいつでも入れてあげるのに」
「もう全部知ってるぞ、実験のことも、妹達のことも。だから無駄なことは省こう」
知られてしまったのか。
「で、あんたは許せないって思ったの?もしかして、心配でもしてくれた?」
どう思おうが構わない。どうせ結果だけ見れば同じなのだから。
しかし、彼の答えは美琴が考えているものと正反対だった。
「心配したに決まってんだろ」
(そんなこと、言わないでよ)
真剣で、それいて優しいその目を見ると。
(甘えたく、なっちゃうじゃない。でも、駄目よ)
上条は地図を取り出して、さらに続ける。
「それにこのバツ印。これじゃあまるで」
「撃墜マークだと思ってるんでしょ?その通りよ」
「そこまでやっても実験は中止にならない。御坂美琴128人分の代わりに妹達が作られたんだったら」
「私が最初の一手で死ねば、全てが終わる。だから、行かせて」
「・・・・・・行かせない」
バジッ、と美琴は電撃で上条の手の紙を焼き払った。
美琴の目は今にも泣きそうだ。
「次は本気よ。どきなさい」
「どかない」
上条は両手を少しばかり挙げてそう言った。
「っ、ふざけんな!」
美琴の前髪から出た電撃が橋の支柱に当たり、上条の頬に傷を付ける。
「止めたいんだったら戦え!そんなこともできないんだったら立ち塞がるな!半端な覚悟で人の願いを踏みにじんじゃないわよ!!」
「俺は戦わない」
バジィ!!と電撃の槍が上条を貫いた。
「え、ぁ・・・・・・」
感情的になって出した槍は確かに効いた。
死んでしまったかもしれないと不安になった美琴は、かすかに動く上条を見た。
(良かった。生きてる)
上条が立ち上がった。
生きていて嬉しいけれど、それを表には出せない。
「これでわかったでしょ。どきなさい」
「だめ、だ。お前に、死んで欲しくない」
「おねがい。もうこれしかないの!たとえ実験が中止にならなくても、私が死ねば、あの子達も気が休まるでしょ!!だから、そこをどいて」
それでも上条は、首を横に振る。
「たとえ誰もが笑って暮らせる世界があったって、そこに私の居場所なんかない。だから、お願い」
「美琴のいない世界で笑ってる事なんてできない奴がいる。白井も、インデックスも、俺も。だから、どかない」
「――っ!!」
美琴の体から放たれた電撃は球状となり、橋を溶かし、下の川を蒸発させ、爆発させた。
(あれ、俺・・・・・・美琴?)
柔らかな感触を感じながら目を開けると、美琴が顔があった。
その先には空がある。
「なんで?」
「・・・・・・美琴?」
「なんにも知らないフリをしていればいいのに、なんで・・・・・・」
ポツポツと水の粒が上条の頬にかかる。
上条は笑顔でこう言った。
「お前の味方でいてよかったって思えるからな」
そしてその手で優しく、美琴を撫でる。
「だから、泣くなよ」
これ以上美琴が泣かなくていい方法がわかった。
そのために、美琴の笑顔を見るために上条は立ち上がった。
「俺が行く」
振り返って、上条は美琴にそう言った。
「え?」
「無能力者の俺が超能力者の一方通行を倒せばいんだよ。元々一方通行が最強って前提の実験だ。一方通行は弱いんだって思わせれば、計画は中止になるんじゃないか?」
「無理よ!アイツは世界中のあらゆるベクトルを操作するのよ。その能力のせいでどんな攻撃も効かないの。触れなれただけでも死ぬのよ!」
一度だけ対峙したことがある。
その時には超能力者である彼女ですら手も足もでなかった。
そんな敵のところへ上条を行かせたくなかった。
「でも、俺の右手だったらその能力だって打ち消せるだろ?」
右手を見せながら上条は言う。
「でも、これは私の問題よ!あんたに押し付けるわけには!!」
なんとしても行かせたくない。
それに対し上条はじゃあさ、と、
「誰もが笑って暮らせる世界を作るのが俺の夢だから、そのために、協力してくれないか?」
そして振り返って美琴に言う。
「約束するよ。必ず御坂妹は連れて帰ってくる。だから、実験場所を教えてくれ」
もしかしたら彼ならやってくれるのかもしれないと、確信があるわけでもないのに、それでも信じたくなって、実験場所の位置を伝えた。、
「行ってくる。お前はここで待っててくれ。俺だけで一方通行に勝つ必要があるから」
次の実験場所。美琴が死のうとした場所を聞くと、上条はボロボロの体を引っ張って走り出した。
「ぁ・・・・・・とう、ま・・・・・・」
美琴は上条と初めて会った日の、彼の背中と重ねていた。
実験場所である操車場についた時には既に実験は始まっていた。
一方通行は倒れている御坂妹をつまらなそうに蹴り続けている。
「離れろよ」
「・・・・・・あァ?」
一方通行は上条に気づき、動きを止めた。
「今すぐ御坂妹から離れろつってんだよ。聞こえねえのかこの三下ァ!!」
「離れろ、ねェ」
一方通行は御坂妹を蹴り上げると、能力を使用したのか御坂妹は上条の頭上高く飛んでいった。
「ほら、しっかり受け取れよ」
「なっ!?くそ!!」
必死で走って、飛び込んで、御坂妹の頭が地面に直撃する寸前に抱きとめることができた。
「なに、を、して」
御坂妹は頭から血を出して息も絶え絶えだ。
「ミサカは、単価18万にして、在庫に9982体の・・・・・・」
「うるせえよ」
御坂妹を優しく地面に置いて、
「クローンだとか、実験だとか。そんなのはどうだっていいんだよ」
美琴と居られるだけで嬉しい。初めて会ったその日から、そう思っていた。
記憶喪失を隠して、騙して。傲慢だろうとは思っていたが、美琴に泣いて欲しくなかったから。彼女の『上条当麻』であろうとした。
けれども鉄橋で美琴と会ってから、『上条当麻』であろうなんてこと考えていなかった。
「惚れた女が、これ以上お前達に死んで欲しくないって泣いてたんだよ。それだけで十分だろ」
今は『彼自身』として、その言葉を言い、この場に立って、最強へと立ち向かう。
以上です。
乙
乙です
乙でした‼
やべぇ…少しうるっと来たぞ…
乙!
一番間が空いたかと。
一方通行戦前半投下します
「ギャハハッ!愛しのお姫様のためにヒーローは駆けつけるってかァ!?」
いいねェ、と一方通行は笑って、
「だったら倒して見せろよ。この悪党をよォ!!」
地面を蹴り上げると、石礫がまるで散弾のように上条に襲いかかった。
「ぐっ、あ、あああ」
一つ一つが体にめり込むかと思うほどの威力である。
たった一撃で力の差を見せつけられた。
「ほらほらァ、こンなンで終わるわけねェだろォ!」
一方通行が地面を踏みつけると、レールを繋ぐネジが外れ、鉄骨が何本も浮かび上がる。
それを軽く手で叩き、上条へと向かって飛ばす。
降り注ぐ鉄骨を避けようとするも、その中の一本が上条の脇腹を掠った。
「っ!」
なんとか掠り傷で済ませれた。
鉄骨が刺さったコンテナから白い粉が舞い散り口の中にまで入ってくる。
(なんだこれ、小麦粉)
「はァ、ったくよォ。格好良い登場だったから、どれだけ楽しませてくれるのかと思ったが、興冷めだ」
一方通行は空を見上げ、ニヤけて言う。
「ちょうど今日はいい感じに風もねェし」
ただ軽く地面。それだけでコンテナがいくつも宙に浮く。
「よォ三下ァ」
(ま、さか。嘘、だろ)
「粉塵爆発って知ってるかァ?」
2つのコンテナが空中でぶつかり、火花を散らし、それが漂う小麦粉によって大きな爆発となり上条に襲いかかる。
爆風で吹き飛ばされ、一気に周辺の空気がなくなる感覚になる。
燃え盛る火の中で一方通行を退屈そうに歩いている。
「酸素が奪われるとこっちも辛いンだっつゥの。こりゃァ核にも耐えられるってキャッチコピーはアウトかもなァ」
上条が生きているのを見て、不思議そうに言う。
「ポテンシャルの低さに救われたかァ?まァいいや。終わりにしようか」
両手を構えて、
「選択肢をやるよ。右か、左か」
地面を蹴り、能力で一気に上条へと飛び出す。
「両方か」
(このままじゃ、死ぬ!)
この危機を脱しようと、ただそれだけを考え、一方通行の手が上条に触れる寸前、闇雲に右手を前に突き出した。
「え、あ・・・・・・れ?」
気づけば、目の前にいたはずの一方通行は倒れていた。
(もしかしてこいつ)
本当に、無我夢中で殴っただけなのに。
(めちゃくちゃ弱い!?)
今まで能力頼みで、まともに喧嘩すらしていなかったのだろうか。
その後は一方通行の攻撃を躱しながら打撃を加えていく。
しかし、右手以外を触れられれば『死』だ。無暗に力を加えて隙を作ることも出来なく、決定的な一撃を加えられない。
「くそがっ!さっきからウネウネと!!」
先ほどの様に一方的に攻撃すればいいものの、一方通行は冷静でなくなり接近してくる。
(嘘、あの一方通行を押してる!?)
美琴が駆けつけてみると、上条が一方通行の攻撃を避けながら殴っていた。
もしかしたら勝てるかもしれない。
あの言葉通りに、救い出してくれるのかもしれない。
(あいつが、アイツが!)
一方通行の手を避けて、できたその一瞬の上条は見逃さなかった。
足を踏み込み、体を前へ出して、一方通行へ拳を叩き込む。
そして一方通行を見て、上条は言った。
「妹達だって、生きてんだよ。友達作って、子猫を可愛がって。どうして、あんなことができる」
(生きてる?友達?死ぬ?なに言ってンだよ)
そうだ。あの研究員は言っていた。
ただの合成蛋白の塊で、作られた体に仮初の心だと。
(力が欲しい)
もはや最強なんて関係ない。
ただ目の前の敵を倒すための。
(圧倒的な力が!!)
彼の白い髪が風に揺れる。
(・・・・・・風、そォだよ。まだ!!)
その手で掴むのは風であり、世界だ。
前半戦終了です。
おつ
後半戦投下します
ドッ!!!と美琴が金網を掴まないと飛ばされてしまうほどの突風が吹いた。
何が起きたのかと前を見ると、一方通行は手を広げながら空を見上げ、
(え・・・・・・)
上条は竜巻のようなものに巻き込まれ鉄柱に激突し、落ちた。
「いや・・・・・・いやぁぁぁ!!!」
上条は血を流し、意識がない。
美琴は金網から操車場へと入ってく。
「ギャハハ!すげェよ!全てを支配するこの感覚!!」
「一方通行!!」
コインを構える美琴に一方通行は顔を向けるがすぐに上を向いた。
あの目は美琴を見ていない。
もはや意識すらしていない。
一方通行が見ているものに美琴も目を向けて、驚愕する。
「なによ・・・・・・あれ」
それは一点に集められた学園都市中の風により生成された巨大な高電離気体だった。
(無理よ。あんなの)
たとえ美琴の能力で分解しても、学園都市中の風で作られているのならばすぐに再生してしまう。
元を絶たなくてはいけない、
(一方通行の計算を狂わせればいい。でも、どうやって!?)
学園都市中の風で作られているというのなら、風の方向を変えればいい。
(そうよ、風車があるじゃない)
だけども美琴1人で1つ2つ回る向きを変えても駄目だ。
(あ・・・・・・)
倒れている妹達を見つけた。
美琴は駆け寄って、死にかけている妹達に声をかける。
「お願い!今更都合のいい事だなんてわかってる。私がアンタ達に言ったことが許されるなんて思ってない。ボロボロのアンタに言っていいことじゃない。でも、アイツに死んで欲しくないの。アンタ達の力が必要なの。起きて。私を助けて。誰もが笑って暮らせる世界っていう、アイツの夢を、守ってあげて!!」
「・・・・・・なぜ、でしょうか」
妹達が起き上がり、声を出した。
「その言葉は、とても心に響きます。ミサカは何をすればよろしいでしょうか」
「あァ?」
高電離気体が崩壊していく。
(なンだ!?俺の計算に狂いはねェはずだぞ!!)
風力発電の風車は特殊な電磁波で回転する向きを変えることができると聞いたことがある。
だけども学園都市中の風車を操作するなど、超電磁砲でもできなはずだ。
美琴に抱えられた妹達を見て気づいた。
(・・・・・・アイツら!!)
妹達がこの場所の映像をミサカネットワークで共有しているのか。
殺そうとしたが、超電磁砲が立ちはだかる。
「やらせないわよ」
わからない。
「なンで人形ごときに命をかける」
「人形なんかじゃないわよ」
なンでそンなことを言うか、わからない。
「はァ?自分のクローンが死ぬのがそンなに気にいらねェのか?」
「違うわよ。妹だから。この子は、この子達は、私の妹だから!」
まずは超電磁砲から殺す。そうしようとした瞬間、ザッ、と砂利を踏む音がした。
もはや立っているだけで精一杯のはずなのに、上条は確かに一方通行を見ていた。
「おもしれェ。最ッ高におもしれェぞ!お前はァ!!」
一方通行は上条へ向かい飛び出した。
美琴は慌てて超電磁砲を撃とうとしたが、コインが手から離れてしまう。
上条は一方通行の右手をしゃがんで避けて、追撃の左手を弾いて、
「はぁ食いしばれよ最強。俺の最弱は、ちっとばかし響くぞ」
コインが落ちると同時に、砂利が擦れる音がした。
あれから上条のことをるのも
以上です。
何か「あれ?おかしくね??」と思う場面があるだろうが勘弁してください。
あと最後の1行はなかったことにしてください。
(文がおかしくて助かったー)
上条さんるのもになっちゃったか…
乙でした
乙です!
投下場所は
結標「料理をどうにかしたいわ……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380119562/)
です。
宣伝ですか
>>1からリクエストがあっての貼り付けやし噛み付く程のことではないかと
>>344これってpixivにもあったっけ?
>>1です
>>305さん、ありがとうございます。
まだ読んでる途中ですが、時間が空いてる時に少しずつ読んでいきます。
URLの件は私が頼んだことですし、貼ったことそのものに問題があるなら私の責任です。
それでは2レスほど
(まさか、本当に勝っちゃうなんて)
今、上条は病院のベッドで安らかに寝ている。
「お姉さま」
「っ!!?」
妹に声をかけられて驚いて大声を出しかけた。
今は深夜であり、大声を出しては迷惑だ。
「な、なんでアンタ・・・・・・」
「(その少年を起こしてしまうのはまずいです。とミサカは注意します)」
「(そ、そうね)」
上条が起きないよう、小声で会話する2人。
「(それにしても
目が覚めたら病院の天井だった。
それは既に3回目だ。
前の2回と違うこと。それは手の感触だ。
柔らかくて、温かい。
(美琴、あれ、手・・・・・・)
美琴が上条の手を握って寝ている。
まさか一晩中そうしていたのか。
「ん・・・・・・あ、起きた?」
「あ、ああ」
「夜中に妹が来たの。実験終わったって。これからはほとんどの妹達が『外』の施設に行くんだって」
「そっか」
自分のしたことが無意味でなかったとわかり、上条から笑みが溢れる。
「・・・・・・私は、なにかできたのかな?」
それに対し、美琴の顔は暗くなってしまう。
「私がDNAマップを提供したからあの子達は死ぬはめになって。結局何もできなくて」
そんな顔、もう2度と見たくない。
「そんな顔すんななよ。確かにあの実験は許せることじゃないけどさ、美琴がDNAマップを提供しなかったら、あいつらが生まれてくることもなかった。それだけは誇っていいんじゃないのか?あいつらは、お前の妹なんだろ?」
「・・・・・・うん。そうよね。ありがと」
そう言うと、美琴は上条の胸に体を寄せる。
「ちょっとだけ、こうさせて」
「ああ」
優しく、美琴をの首に腕を回し、抱きしめる。
以上です。
訂正
「(それにしても
は、
「(それにしても、まさか一晩中――)」
でした。
おちゅ
1レスだけですけど投下します
あれから上条の考えると胸がドキドキする。
心の奥から出てきた『それ』がなんなのか。
上条に会えば分かるのだろうか。とりあえず上条のお見舞いに行こうと、クッキーを作って(半分以上インデックスに食われたが)出かけた。
(うー、でもなんて言えばいいのよ)
切り出し方が分からない。
どうやってクッキーを渡せばいいのか分からない。
そもそも病室に入れるかどうかさえ今の彼女には問題なのだ。
「お、美琴じゃん」
「うにゃ!!?」
頭を抱えている美琴に話かけてきたのは上条だ。彼はまだ包帯も取れておらず、松葉杖をついている。
何故か見られたくなく、クッキーを背中に隠す。
幸い2人がいる鉄橋には、他に誰もいないため先ほどの奇声も2人以外聞いていないし、誰も見ていない。
「あ、アンタ、まだ入院中じゃ!」
胸がドキドキし、いつも通りでいられない。
「いや、入院費も馬鹿にならないしな。というか昨日の夜メールしたはずだぞ?」
「・・・・・・あ」
慌てて携帯を見ると、確かに上条から着信が来ていた。
そういえば昨日の夜はどんなクッキーを作ろうかと白井黒子のことも気にせずに考えていて、今日もいろんなことを考えていたから気づいていなかった。
「んじゃ、インデックスにも心配かけたし、早く家に帰るか」
歩きだそうとする上条を見て、胸が更に高まってしまう。
(あ、待って)
何かを考えたわけではない。『それ』とはまた違う。ただ、『来るべき時』は今なのだと思ったのだ。ここを逃したら、きっと機会は無いと。
待って!と美琴は上条を呼び止めた。
「・・・・・・本当は、あんたが記憶喪失だってこと、最初から知ってたの」
ピタ、と上条の体が固まる。
「ごめんな、ずっと隠してて」
お互いに後ろを向いていたが、きっと上条は申し訳なさそうな顔をしているのだろう。
理由なんて最初からわかっている。恨んでなどいないし、上条が謝るべきだとも思っていない。
「どうせ、誰にも心配かけたくなかったとかでしょ?」
美琴は振り返って、
「だから、さ。『あんた』の言葉で1つ聞きたい」
『彼』に問いかける。
「怖くなかったの?今回のことも、前に錬金術師と戦ったって言ってた時も」
それに対し、上条は振り返り、少しばかり笑って答えた。
「確かに怖かったけどさ、誰かが泣いているのを見ると、自然に足が動いちまうんだよ」
その言葉で、美琴は『それ』がなんのなのか、理解できた。
(やっと分かった)
ずっと心の奥底に溜め込んでいた『それ』がなんなのか。
「当麻!!」
上条に向かって走り出した。その手のクッキーも放り投げて。
「みこ、っ!?」
そして泣きながら、抱きついた。
「私が好きになった『上条当麻』は、ずっとここにいた。アンタは今でも私のこと、好き?」
「・・・・・・俺は、『上条当麻』は、御坂美琴のことが大好きだ」
あの時と同じ。
お互いの気持ちを知って、受け止めて。
幸せの口付けを交わす。
以上です。1レスと言ったな?あれは嘘だ。
はい。偽りの恋人編終了です。
とりあえずここで一区切りです。
乙です
上条当麻(0)
乙
乙です
>>359 お前別のとこでもageてた奴だろ
自重しろ
別に終わってすぐなんだから、そこまで目くじら立てなくても。
>>1は酉つけないの?
とりま乙
>>1です。
酉ってのは、本人だとわかるパスワードみたいなもの。と調べたのですが、あったますか?
まあ、考えるのも覚えるもの面倒そうですし、SS投下すればそれが証拠かなー、と
というわけで、小ネタを。鉄橋編の夜です。
上条はいつもに様にベッドの横に布団を敷く。ベッドはインデックスに占領されているのだ。
「じゃ、おやすみ」
「おやすみ、とうま」
いつもの様に眠りについた。
(・・・・・・水)
深夜、暑いのか目が覚めると喉が渇き、インデックスを起こさないように静かに台所へ行き、水を飲んだ。
喉も潤い寝ようと布団に戻ろうとしたが、あることに気づく。ベッドで寝ているインデックスは、ちょうどあと1人入れるスペースを作っているのだ。
(寂しい、のかな)
前に美琴が言っていた。インデックスは1年毎に記憶を消していて、上条と会うまでの1年は魔術師から逃げていたと。
だから温もりが欲しいのかもしれない。誰かに甘えたいのかもしれない。
「ぬにゅ・・・・・・」
インデックスも暑さで目が覚めてしまったのだろうか。
「喉、乾いたか?」
インデックスは寝ぼけ眼ながら首を横に振る。
「まだ夜中だ。もう一眠りしてろ」
頷いき、体を寝かせるインデックスはやっぱりもう一人分のスペースを空けている。
(しょうがねーな)
インデックスを寝かしつけたら布団に戻ろうと思い、上条はベッドに入る。
「あれ、とうま?」
「今日だけだぞ」
「ありがとう」
インデックスは上条のパジャマの袖を掴む。
やはりまだ不安なのか。上条はインデックスの頭を撫でる。
「お前が俺たちと会う前に何があったかは、詳しく知らない。でも今は俺もいるし、美琴もいる。ステイルや神裂だって。だから、何も怖くなんかない」
インデックスはうん、とだけ言い、再び眠りについた。
この日以降、インデックスはベッドでスペースを空けることをしなくなった。
以上です。
おつー
乙です
美琴「私とアンタがたくさんね」
上条「こんだけ美琴が多いと、妹達みたいだな」
美琴「そうね」
美琴(あれ、そういえば今コイツ、私のこと美琴って・・・・・・いや気のせいよね)
上条「グヘッ!」ガンッ
美琴「だ、大丈夫?」
上条「不幸だ・・・・・・にしても360度同じに見えてどこに進めばいいかわからなくなるな」スッ
美琴「え?」
上条「はぐれるといけないし、手、繋ごうぜ」
美琴「え、あ、うん」
美琴(何なんだろう、私1人で空回りしてるのかしら)ギュッ
上条(・・・・・・やべ、よく考えたら俺、美琴と手繋いでるじゃん!)
麦野「あー、中が気になるー。ねえ番外個体、監視カメラハックしてよ」
番外個体「無理言わないでよー。出来ないことはないけど、監視カメラに何かしらの装置を接続しないといけないし、バレたら捕まるのミサカだし」
打ち止め「ねーあなた、ミサカ喉渇いたって、ミサカはミサカはおねだりしてみる」
一方通行「しょうがねェ」スクッ
番外個体「あ、ミサカ、コーラね」
麦野「じゃあ私はカフェオレで」
一方通行「アツアツのイチゴおでんと青汁か。すぐに買ってきてやるから残さず飲めよ」
以上です。
浜滝?(滝壺が)カップ回しすぎて(浜面が)酔ってますよ
乙でした
地の文無いし、台本形式だし、なんか話がつながってないし
これは誤爆の可能性
どこが誤爆スレかは確定してる
他の上琴スレからの誤爆
確定余裕でした
やっぱ打ち止めには優しい一方通行であった
乙!
>>1です。
369から371は誤爆です。私が別スレで書いているものを誤爆しました。本当にすいません。
1レスだけでも投下します
上条当麻は不幸であった。
「むぎゅー」
この夏休みだけで3回も入院をし、夏休み以前の記憶も存在しない。
「えへへー」
だけども彼はそんな事を嘆いたりしない。
「とーうまー」
むしろ幸福であるとさえ答えるだろう。
何故ならば、
「あの、恥ずかしいです」
彼に後ろから抱きついている少女、御坂美琴がいるのだから。
記憶を失くして以来、彼女がここまでデレた覚えはない。
実は元はこんなだったのか、今まで溜め込んでいたものが一気に放出されたは、上条にはわからない。
「何よー文句あるの?」
そんなこと微塵も思っていない。むしろウェルカムなのだ。
しかし、彼らは現在いるのは、女将がいつ入ってくる解らない旅館であり、2人の隣で放置されていることに不満を感じているインデックスがいるのだ。
そもそも何故、こんな夏休み終了まで10日近くの日に『外』にいるのか。
それは数日前、上条が一方通行に勝利したあと、何故か妹達に関することは知られず、『無能力者の上条当麻が最強に勝利した』ということだけが広まり、『じゃあその無能力者を倒せば俺が最強じゃね?』と、怖いお兄さん達が探し回っているらしく、学校から『何か知らんけど騒ぎが沈静化するまで『外』行ってろ馬鹿野郎』と国外追放されたのだ。
最初は上条1人で行くつもりであった。インデックスを美琴に預けるつもりであったが、美琴が、じゃあ私も行く!許可証なんて外の両親に会いにいくとでも言い訳し[うそつい]とけばいいのよ!!と啖呵を切り、不法侵入のはずのインデックスにゲストIDがあったこともあり、
そして、父親であるという上条刀夜から、久々に会おうというメールがありこの旅館『わだつみ』となったのだ。
なんとか美琴を離して数分後、突然美琴がインデックスと共にいなくなった。
不思議に思って数分待ってみると、ひょっこり2人は洗面場から出てきた。しかし、先程までと服装が違う。
「ど、どうかな?」
「みことが買ってくれたんだよ」
インデックス、美琴ともに水着である。しかし、2つほど問題がある。
1つ目。
「今日はクラゲが大量発生しているから海にははいれないってよ」
「「え?」」
そして2つ目。インデックスの水着はワンピースの様なものであるのに対し、
「お前それ、ただのスク水じゃん」
「なっ!!」
わざわざ見せるのだから、普通のとは違うのだろう。しかし上条には違いがわからないのだ。
自身のファッションセンスを馬鹿にされたと思ったのだろう。上条に駆け寄ると水着のあちこちを指差しながら、こことか!ここも違うでしょ!!とアピールを始めたのだ。インデックスはインデックスで、とうまは何もわかってないんだよ、とでも言いたそうな目で見ている。
そして、事件は起きる。
美琴は勢い余って水着を掴むと、綺麗に胴体部分、正確には下乳から下腹部までが剥がれたのだ。
ごめんなさい、時間的に今はこれまで。深夜にもう一度投下できるかもしれません。
乙!!
深夜も来てくれることを期待してます。
それにしても上琴で再構成してる他の二人の方のレベルが高すぎて嫌になる。
超乙です
どの上琴再構成も読んでますが、俺はここの再構成が大好きです
頑張って下さい
深夜に行けずにすいません。4レスほど
「え?」
「え!?」
美琴の顔がみるみる赤くなっていく。
防御力を元の状態が100だとすれば80%OFFの20。羞恥心は35からカンストしての3510だ。
どこで買ったのかは知らないが、美琴はこんなものだとは知らなかったのだろう。インデックスのはこうではないことを祈る他ない。
「ひっ、ぐす」
とうとう泣き出してしまい、バチバチと前髪から火花が散り、次第に大きくなっていく。
「ストーーーーップ!!」
右手で美琴の頭を抑えることにより、なんとか暴発だけは免れた。
ひと騒動があってから数時間後、美琴とインデックスは湯船に浸かっている。
「ねぇ、みこと」
「何?」
インデックスは長く、美琴から見ても美しいと言える銀色の髪を浮かばせながら聞いてきた。
「とうまと、何かあったの?」
「え?」
「だって、最近のみことはとうまに甘えてるから」
思い返すと、今日だけでもやたらと抱きついたりしていかもしれない。
しかし、インデックスは記憶喪失の件を知らず、下手な事は言えない。
「そうねー」
少し考えて、
「前よりも、当麻のことが好きになったからかな」
一方こちらは男湯。いるのはたった1人の少年。
彼は湯船に口でブクブクと泡を立てている。
(そんなわけない。顔が熱いのも入りすぎたからだ。うん)
少年はすぐに立ち上がると、スタスタと出て行った。
夕飯を食べ終わると、特にやることもなく、トランプをして時間を潰し、本日は早めに寝ることにした。
布団を3枚並べ、右に美琴、左にインデックス、真ん中は上条、と川の字だ。
(寝れない)
あれから2、3時間くらいたっただろうか。インデックスの寝息が聞こえる。
両親がどんな人間なのか、気になって寝れなかったのだ。
「当麻、起きてるの?」
「美琴?」
美琴も寝れないのだろうか。
「寝れないの?」
「ちょっと気になることがあってな」
「どんな?」
「俺の両親、どんな人なんだろうなって」
それに対し美琴は、
「立派な人よ」
きっぱりと、そう言った。
「何で解るんだよ」
「だって、当麻を育てた人よ」
そうだ。自分の両親ではないか。誇れる人物に決まっている。
美琴の言葉で気付かされた。
「ね、そっち言っていいかな」
しかし上条はダメだ、と断った。
「その、今来ると、抱きしめたくなる」
その代わりに、右手で美琴の手を握って
「これで、いいか?」
「・・・・・・うん」
最後にお休み、とだけ言って眠りにつく。
以上です。
乙です
3510(美琴)ネタは上琴では定番ですね
乙でした
番外個体「結局あれ、どっちなのさ」
麦野「第三位が左にいて、置いたのはこっちから見て奥の方ね」
番外個体「それってつまり」
麦野「本当に面白いわね、あの2人は」
打ち止め「ハンバーガーおいしー」モグモグ
黒夜「おいし」ムグモグ
絹旗「超美味しいです」モグモグ
乙した!
うわあああ!!!またやらかしました!!
w
今度は大丈夫です、ちゃんと本編を投下します
「起きろー!!」
「ブフォ!!」
ズドンッ!!と何かが上条に襲いかかった。
「何すんじゃおんどりゃぁー!!!」
体を起こし怒鳴り散らしながら襲撃者の顔を見る。しかしそれは、違いはワンピースしかない、姿形が美琴そのものの少女だった。
「おはよう、お兄ちゃん」
「起きろー!!」
「ブフォ!!」
ズドンッ!!と何かが上条に襲いかかった。
「何すんじゃおんどりゃぁー!!!」
体を起こし怒鳴り散らしながら襲撃者の顔を見る。しかしそれは、違いはワンピースしかない、姿形が美琴そのものの少女だった。
「おはよう、お兄ちゃん」
お兄ちゃん、オニイチャン、おにいちゃん?
何が何なのか訳がわからなった。
朝起きたら目の前に美琴にお兄ちゃんと呼ばれた。
ここで上条は3つの仮定を立てる。
仮定1、朝早く起きた美琴の妹(義妹も可)プレイ。
仮定2、美琴の量産型妹がバグった。
仮定3、ただ美琴にそっくりなだけの上条自身の妹。
彼は1つずつ解消してくことにした。
まず、仮定1は『×』だ。美琴は上条の横で、えっ、なに!一方通行の逆襲!?などと言いながら起きたばかりなのだ。
仮定2も『×』だ。妹達ならば語尾に『と、ミサカは』とつくはずだからだ。
仮定3も『×』である。事前情報として、上条の家族は両親だけのはずなのだから。
(じゃあ一体誰!?)
上条の頭が混乱している最中に、美琴が少し眠そうだが声を出した。
「あの、どちらさま?」
謎の少女は美琴の方を見て、満遍の笑みで答える。
「初めまして!上条当麻の従姉妹の竜神乙姫です。もしかしてあなたはお兄ちゃんの彼女?」
以上です。
そういや、今日初めて竜神乙姫の設定が見ました
乙です
乙姫ちゃんって髪短いよね
SSとは関係ないけど、乙姫ちゃん見ると、ブロックの精神能力者の子を思い出す
生きてるかーww
ただでさえ誤字脱字や連投ばかりで読みづらいのに、誤爆しまくりなのはどうなのかと
調子に乗って複数あげるのはいいが、投稿前に再確認ぐらいはしてクオリティも人並み程度にはあげろよ
ageてまで言うことか?
クオリティどうこう言う前に、最低限のルールくらい守ろうな。
クオリティっていうか、再構成してる他の上琴ssがやたら描写丁寧に書いてるからな
だけど単純なイチャイチャ成分は圧倒的にこっちが高い
まあ一長一短ってことで
でも確かにageてまで言うことじゃない
このssは普通に読みやすい方ですよ
多少の誤字脱字くらいの脳内補完すらできないなら図書館で本でも読んでればいいでしょう
>>1です。すいません、間が空きました
続きを投下します
「あらあら。あらあらあら。当麻さん的には年下が好みなのかしら」
いかにも育ちが良さそうな話し方をするインデックス。いくら寝ぼけているからと言って、ここまではっきりと見間違いをするはずがない。本当にこのインデックスそっくりの人物は当麻の母親なのか。
しかし、当麻と美琴は当麻の家族の顔を知らない。つまり、先ほどの乙姫と同じくただインデックスに似ているだけであると考えるしかないのだ。
そしてこの2人が当麻の両親であると認識した美琴は『彼氏の両親にご挨拶』状態なのだ。
「は、初めまして。御坂美琴です!当麻さんとは結婚を前提にお付き合いさせていただいております!」
「結婚までは言ってないからね!?できたらいいとは思っているけど!」
「・・・・・・おはよう、とうま、みこと」
インデックスが目を覚ました。この騒ぎで起きたのだろう。。
「あ、おはようインデック・・・・・・す・・・・・・」
その瞬間、彼女は後悔した。
何故振り返ったのかと。インデックスではありえないテノールボイスなのに。
そして、インデックスのより大きいが、同じ柄の修道服を着た青髪ピアスなのだ。
ドンガラガッシャーン!!と、当麻は思いっきり青髪ピアスを蹴り、開いたドアから壁まで吹っ飛ばした。
「ひどいんだよとうま!!」
「と、当麻、朝の挨拶であろうとも女の子に蹴りを入れるのは男としてどうかと思うぞ」
「・・・・・・飯食べに行こうぜ」
インデックスの様な喋り方で文句を言う青髪ピアスと父親の事など気に求めず当麻は美琴を連れて廊下に出て、少し寂れた感じの階段を下りる。
当麻としてはお腹がすいてこれ以上相手にするつもりになれなかったのだ。
しかし一回に降りた2人は更に驚愕することとなる。
以上です。
乙です!
超乙です
どうも1です。続き投下します
「おうおはようお二人さん!今日は早いな。昨日も暑かったし、寝れなかったのか?」
声をかけてきたのは赤い髪にピアス。人殺しなど文字通り裏の世界の。上条や美琴とは住む世界が違う魔術師が。
海の家の親父なのだ。
((もう何があっても驚かんぞ))
「客に出すもんは何もねーし、おい麻黄!お二人に適当なもん焼いてやれ」
「おいオヤジ!客に出すもんを適当にとか言うんじゃねー!!」
麻黄と呼ばれた少女(?)の姿は御坂妹。しかし、その格好は下は短パン、上を防御するものと言えばエプロンのみ。今にも隠れた場所が見えそうだ。
「ふんっ!」
「痛っ!!」
麻黄の胸部に目が行っていたのが美琴にバレたのか、思いっきり足を踏みつけられた。
しかし、目が行ったのは姿が美琴と同じだったから。だどとは口が裂けても言えない。
そして今、上条と美琴は海に出ていた。水着に着替えた2人だが、海で遊ぶ気にはなれない。
現在海に入っているのは刀夜と詩菜、乙姫であるが、詩菜(見た目インデックス)が来ている水着がマイクロ水着な時点で近づき難いのだ。本当に高校生の息子を持っている年齢なのか、と疑いたくなってくる。
そんな格好のせいか、刀夜の詩菜を見る目がオカシイ。明らかに獲物を狙う狼なのだ。
あのロリコン糞親父を切断しようかと、上条が近くに落ちていたスコップを拾い上げたところでインデックス(見た目青髪ピアス)が出てきた。
「とうまー!みことー!」
その野太い声に2人を背筋を凍らせた。
2人は気がついたら手にスコップを持っていた。
何をしたかなど覚えていない。足元を見ると、インデックスが埋まっている。首の角度からすると、ほぼ垂直だろうか。しかし、決して掘り返そうとは思わない。夜まで放置すると2人は決意したところで、道路側から声が聞こえた。
「カーミやーん!彼女と海でイチャコラとはいい度胸だにゃー!!」
それはアロハシャツを着て、髪を金髪に染めた背の高い男。上条のクラスメイトである(・・・・・・らしい。というもの上条には記憶がないので確証がない為)土御門元春だ。
アロハシャツに、金髪に染めているもののグレている訳でもなく、ただ女の子にモテたいがためであり、実は義妹の舞夏に凄く甘いダメ兄貴なのだ。
「何でお前がここにいる!?どうやって『外』に出た!?もしかして舞夏もいたりするのか!?」
「義妹はここにはいないぜい。あと人の義妹を呼び捨てにすんな」
義妹大好きのシスコン軍曹が義妹を置いて一人で『外』に遊びに来るはずがない。では目的は何なのか。
「あの、こんな所に1人でどうしたのですか?」
美琴は上条よりも先にそう聞いた。
思えば初めて声を交わした時から、美琴はこの男が苦手だった。
飄々としているクセに何かを隠している。それを他人どころか義妹の舞夏にすら見せず、まるで住む世界を完全に分けているような。
そのせいで信用できないのだ。今なら真意を聞き出せるかもしれない。
「ん?カミやんはともかく、彼女さんまで俺が『土御門元春』に見えるのか?」
だけどもそれは美琴が想像していたものとは違った。拍子抜けだ。
「え?それ以外誰に・・・・・・」
「そうか、じゃあぶっちゃけ聞くけどさ」
だがその瞬間、いつものふざけた顔ではなく、不気味で、真剣な顔となった。
「『御使堕し』発動させたの、お前ら?」
以上です。今更ながらこの美琴の観察眼設定を思い出してみたり。
超乙です
乙です!
>>1です。続き投下します
「・・・・・・は?『エンジェフォール』?」
「エンジェルって、天使?」
いきなり『天使』などと言われてもわけがわからない。科学の街で育った2人でなくとも、天使と言われても理解ができるはずがない。
「なんだ、知らないのか」
2人の反応を見て、土御門はそう言った。
「知らないって・・・・・・だからその『御使堕し』ってのは何なんだよ」
「簡単に言えば『天使』をこの世に呼び出すものだぜい」
「いや、『天使』を呼び出すって・・・・・・そもそも『天使』の存在を認めることだってできないのよ」
美琴が土御門に問いかけ始める。それに対し、土御門はサングラスの奥を光らせながら、
「でもあるだろ?科学では証明できないことをやってのけるものが」
「まさか、魔術?」
「正解だぜい、彼女さん」
しかし何故、土御門が魔術の存在を知っているのだ。彼も学園都市で住人であり、住む世界が違うはずなのだ。
上条と美琴という、『科学の世界の住人』も、インデックスという『魔術の世界の住人』がいたからこそ知りえたのだ。
「何故魔術を知っているか、って顔をしているな。それは俺も魔術師だからだ」
「いや待てよ。能力者が魔術を使ったら、体が・・・・・・」
上条にはわかる。三沢塾で魔術を使った塾生徒は体が弾けた。美琴だってインデックスから聞いて知っているらしい。
「そうだ。俺も元々は優秀な魔術師だったんだが、学園都市に来て魔術と引き換えに得たものは付け焼刃にもならねーレベル0」
魔術師が魔術を捨てたというのに、軽い感じの土御門を不思議に思う。
「・・・・・・、元々あった力を捨ててまで学園都市に来た理由は何なんだよ」
「それがにゃー、イギリス清教に学園都市に潜入しろって命令されてにゃー。ま、3日もしないでバレたけど」
イギリス清教。インデックスやステイル。神裂が所属しているといっていた組織。もしかしたら彼も『必要悪の教会』なのかもしれない。
「で、舞夏と自分の命の代わりに科学と魔術の双方を行き来する2重スパイになったってわけだ」
先ほどまでとまったく同じノリで話を続ける。
「だから土御門さんは禁書目録争奪戦、三沢塾戦、絶対能力者進化計画。禁書に至っては情報やったの俺だし。お前らが知っている『闇』を俺は知っているし、お前らの知らない『闇』の更にそこも俺は見てきた」
そして土御門は上条から美琴へと視線を移し、彼女に言う。
「だから言っておくぞ超電磁砲。お前が見た『闇』なんてまだまだ『浅い』」
その言葉で美琴の表情は険しくなる。
「あの子達が死んでいったことを、『軽い』?」
「俺だってあんな糞みたいなのはさっさと潰したいと思ったさ。でもな、舞夏の命が関わってんだ。無暗なことはできない。わかるよな?」
「このこと、舞夏は知っているの?」
「舞夏は何も知らない。いいか。絶対にこのことは舞夏に言うな。もし舞夏を巻き込んでみろ。たとえ自分の命を犠牲にしても、後悔させてやる」
睨み合う2人をどうしようかと考える上条だが、美琴の方から口を開いた。
「いいわ。この話は終わりにしましょう。『御使堕し』とかいうもの気になるし。でもアンタを信用したわけじゃないから」
「信用してくれなくて結構。こっちは『御使堕し』を阻止できればいいからにゃー」
「そろそろ本題に入るか、ねーちんも来るし」
「「ねーちん?」」
「土御門!あれほど勝手に行くなと」
「いやー、悪いぜいねーちん」
2人はねーちんと呼ばれた女性に見覚えがあった。
ステイルやインデックスと同じ、イギリス清教に所属し、かつてはインデックスの記憶を消すために動いていた女性。
「「神裂火織・・・・・・?」」
「お久しぶりですね。上条当麻、御坂美琴」
すいません、以上です
乙です!
エンジェルだっけエンゼルだっけ
乙!!
>>1です。
投下はないのですが、エンゼルとエンジェルの違いは発音だけだろうと思っていたのですが、調べると、
昔はア行の拗音(ァィゥェォ)の使用が認められていなかった。らしいです。
土御門や神裂は神教や仏教の流れを組んでいるので、『エンゼル』と読んだのではないでしょうか。
ちなみに美琴は、多言語を扱えるのでなんとなく『エンジェル』読みです、
1ヵ月前か……
ぐぅ…
皆さんお久しぶりです。
今までかけなかった理由は忙しかったからということで。
時間稼ぎに1レスだけ
(天使とか言われても理由わかんねーよ)
神裂と土御門の説明だと、魂が入れ替わっているらしい。
魂が入れ替わっている間は姿が変わっているが、それに違和感がなく、それが最初からそうだったと思い込む。というよりも、そのような世界に作り変えられている。インデックスが母親で青髪ピアスが母親。上条よりも大きな青髪ピアスがインデックスの修道服を着ていたのはその為らしい。
現在彼がいるのは海の家『わだつみ』の一階の一室。日も暮れて皆部屋に戻っている。美琴も入れ替わりについて行けてないものの、女性陣の和に入って遊んでいる。さすがに上条は父親(と入れ替わっている誰か?)と話をする気にはなれず、1人で寝そべっているのだ。神裂と土御門は『御使堕し』の調査を続けているらしい。
(犯人どころか、術がどこで発動されてるかさえわからないからなぁ)
上条は右手を挙げて見つめる。彼の右手はあらゆる魔術、超能力を打ち消す。しかしそれは異能に直接触れたときだけだ。巻き込まれているとは言え、魔術の素人である上条はこうして知らせを待つしかない。
(・・・・・・ん、停電か?)
突然部屋が暗くなってしまう。月明かりで少しだけ視界は確保されているが、早急に光が戻って欲しいことに変わりはない。
と、ビキッ、と床下から気味の悪い音がした。その音は次第に大きくなり、バギッ、と床が割れ、指が5本、這い出してきた。
「エンゼルさまが、おっしゃるのなら」
そこから腕が出てきて、身を乗り出し、そして顔を挙げる。
その体は白く、手には何度も剥がしたのかと思うほど、カサブタの周りは変色し、肉が崩れてしまっている。
目の焦点が合っていないのではないのだろうか。左右の瞳孔の向きがおかしなことになっている。
上条はそれに、一方通行とは違う恐怖を感じた。
以上になります。すいません
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
乙
待ってました!!
超乙です!!
>>1ですよっと。
最近投下ペースが遅くなりまくってますが、ちゃんと生きてます。
それでは3レス
「え、ぁっ」
その男は手には三日月ナイフを持ち、不気味な目でギョロリと上条を睨む。一歩、その男は前へ踏み出す。
そこではっきりと照らされた男が上条の目に映る。爪は割れ、肉がグジュグジュとなった手がはっきりと見える。
汗で汚れた作業服に縫いつけられたプラスチックのプレートにはこう書いてあった。
『囚人番号七―〇六七八 火野神作』
思い出した。昨日テレビでやっていた23人を殺して死刑宣告を受けたが、最近脱走したという殺人鬼。
20人以上を殺したその殺人鬼が、今、自分に殺意を。三日月ナイフを向けている。
腰が抜けてしまった。
(落ち着け!別に床を破るくらい誰でも出来る!一方通行やアウレオルスに比べれば!!)
わかってはいる。相手はただの人間。決して勝てない敵ではない。
なのに、立ち上がれない。全身からかく汗が冷たい。
(そうだ。美琴に気づいてもらえば)
男としては情けないばかりだが、美琴ならばこのような暴漢は簡単に撃退出来る。
大声を出して二階の美琴に危機を伝える。そうすれば助かる。それだけなのに、喉が干上がって声が出ない。
もう駄目だと思った。自分も20人以上の被害者の1人に入るのだと諦めかけたその時、石弓の矢と同等か、それ以上の速さで、赤い人影のようなものが飛びこんできた。
その人影は少女だった。
赤い修道服を羽織って、その中は『隠すところだけ隠しました』としか言い様のない、ベルトのようなものと、改造を施したと思われる複数の工具が収められていた。
その少女は着地と同時に切り返し、懐からバールと取り出すと、先ほどと同じ速さで火野に詰め寄ると、そのバールを火野の手に振り下ろした。
「ぎっ!ぁ、ぎゃ!!」
火野の手首がおかしな方向に曲がってしまっていた。
さらに飛び込み、少女は二撃目を火野に加える。
『何故か消えている前歯』があった歯茎から血を流し、火野をうろたえながら2歩3歩を下がる。
「おいどういうことだよエンゼルさま!あんたを信じて23人も殺してきたんだよ!どうすんだよ。どうすりゃいいんだよ。教えやがれエンゼルさま!!」
その叫びに呼応するかのように火野の右腕は本人の意思ではなく、まるで右腕だけが別の意思を持っているかのように動き出す。
その手の刃は彼の腹を這い、文字が書かれた。
『GO ESCAPE【とりあえず逃げろ】』
「さすがエンゼルさまだ。俺が欲しい答えをちゃんとくれる!」
火野は黄色い布を取り出すと、それで自身の血のついたナイフを拭き、少女目掛けて投げつけ、先ほどの出てきた床の穴から逃走を図る。
少女はただ、首を少し横に傾けるだけで飛んできたナイフを避けてしまった。標的を失ったナイフは一直線に進み、
「うわっ!」
慌ててよけるも、ナイフは上条の頬を掠め、壁に突き刺さった。
立ち上がろうとする上条だが、視界がぼやけ、しっかりと立っていられなくる。火野はあの布に毒を仕込んであったのか。学園都市の能力開発である程度の薬物には耐性がついているおかげか、すぐに意識が途絶えることはなかったが、動けず、立っているだけでも精一杯だ。
ナイフを避けた少女は今度は金槌を取り出し、先ほどと同じ速度でその金槌を日野が逃げた場所の床に叩きつけたが、そこに日野の姿は無く、穴が広がるだけだった。
少女は追おうとするも、倒れかける上条に目を向けた。
「当麻!?」
(み・・・・・・こと?)
今の騒ぎで気づき、美琴が駆けつけたのだろう。
そこで上条の体が傾いた。
黒く染まりゆく視界の中で、最後に見えたのは美琴の腕だった。
以上です。
乙です
火野が出ると人気投票を思い出す
ミコっちゃんが一位になって本当に良かった
火野ってだれ……?
>>445
原作読んでこい
>>445
日野チャマ(日野聡=浜面の中の人)だったら知ってるんだけどw
明けましておめでとうございます。
とりあえず今年の目標を。
・今月中に完結させて次の次立てる。
では投下します。
あ、火野神作ってのは脱走した死刑囚です。(アニメではカットされてる)
「と・・・ま・・・・・・当麻!」
聞きなれた声が上条を呼びかける。
次第に目が開いていき、その声の主が映る。美琴だ。
天井との境にある美琴の顔。そして後頭部の柔らかい感触。それはつまり・・・・・・
「っ!?」
驚き立ち上がろうとする上条。
だが目の前に美琴がいるわけで。
「にょわ!?」
「っ!!、痛ぅ」
ぶつけた額は痛い。
「・・・・・・何夫婦漫才してんだお前ら」
冷めた目をしている土御門と、暖かい目で2人を見る神裂。
先ほどの少女もそこにいた。
「そうだ。そこの子は一体誰なんだよ!」
「彼女はミーシャ=クロイチェフ。私達同様『御使堕し』の解除に来たロシア正教の魔術師です」
「ミーシャか。さっきはありがとう。助かったよ」
お礼を言われたミーシャ=クロイチェフは、一切表情を変えず、鋸を取り出しと
「問一。『御使堕し』を発動させたのはお前か」
鋸の刃が、上条の首筋に当てられ冷たい感触がする。
声も出せず、頬から冷や汗が流れる。
「カミやんは犯人じゃないぜい。ミーシャ=クロイチェフ」
土御門がミーシャ=クロイチェフに声をかけてくれた。
「カミやんの右手はあらゆる魔術を打ち消しちまうから、『御使堕し』みたいな大規模魔術を、カミやんが発動させるのは不可能だぜい」
ミーシャ=クロイチェフは鋸をしまわずにブツブツと何かを唱え始めた。
すると、水の柱が現れ、それは上条の右手へと槍のように向けれら、放たれた。
当然魔術であるのだから右手で消える。けれども上条としては一歩間違えれば死の危険であることに変わりはない。文句を言うもミーシャ=クロイチェフは意に介さない。
「私見一。先ほどの話は真実。疑問一。では『御使堕し』の発動者は誰だ」
「・・・・・・火野神作」
ポツリと、上条は呟いた。
「さっき俺を襲った奴だ。あいつは昨日のニュースの写真とまったく変わってなかった!それにあいつが言ってた『エンゼルさま』ってのも」
「私見二。犯人は火野神作と判定」
ミーシャ=クロイチェフは火野神作が開け、逃げていった穴の中へ入る。
「じゃあ私も」
「待て」
付いていく様に美琴も穴に入ろうとしたが、上条はそれを止めた。
「離しなさい。イライラしてんのよ私は。当麻を傷つけたその火野とか言うを許せないの。四肢を引き裂いてでも当麻に土下座させてから『御使堕し』の事も吐かせるわよ」
「俺の事が大好きなのはわかったから!だいたい、当てもないのに見つけれるわけないだろ!今はミーシャを待とう」
「・・・・・・うん」
既に10時を回っている。
2人は青髪ピアス(インデックス)がいるであろう自室へ向かう。
部屋を出ようとする所で、土御門が突拍子も無く言う。
「あ、カミやんの毒を口で抜いたの、そいつだから。いやー、いいもんを見させてもらいましたぜい」
赤面する上条を見ることもせずに、それと、と土御門は付け足した。
「あの夫婦、ほっといて大丈夫かにゃー?」
その数秒後、ドタバタと階段を駆け上がる足音が2つ、海の家に響いた。
上条刀夜と上条詩菜。2人は上条当麻の親だ。
40を過ぎた今でも良好ではあるが、刀夜は仕事で海外に出張することが多く、なかなか家にはいられないのだ。
この夏休み。やっと出来た休み。息子は学園都市にいて1人、家を守ってきた妻を気遣い、愛を育むのが、夫婦仲を保つ秘訣だと刀夜は考えている。
敷かれた布団は2枚。今朝一緒に来た姪の乙姫は別室だ。
刀夜の使っている布団と並べられたもう一枚は妻が使ってすやすや寝ている。
その布団に刀夜は音を立てないように侵入しようとする。
当然、やることなどただ1つ。
ゆっくりと詩菜にかかっている掛け布団を剥しにかかり・・・・・・
「必殺!家族のキズナ大作戦!!」
「プラス嫁登場!娘とも寝てみたいですよねお義母様!!」
妻との間に入る息子と、その嫁(予定)によっては男の下卑た野望は阻止された!
以上です。
今年もいい加減にはしょってるけどよろしく
乙です
冬夜さんwwwwwwww
乙でした。
どうも>>1です。
偽りの恋人編終わってから劣化ぎみでしょうか?
投下します。
「・・・・・・」
昨夜は散々だった。
母親と入れ替わっているインデックスを守る為に両親の寝室に美琴と共に突撃し、刀夜が寝るまで見張っていたのだ。
その間美琴はインデックスに寄り添って可愛い寝顔を見せてくれたのが唯一の救いか。
土御門と神裂もこの『わだつみ』に泊まっていたようで、朝、下の階に降りると上条と美琴、サーシャ=クロイチェフ以外の全員が集まっていた。
「おはよう当麻」
「あー、おはよう」
「おはようだぜい、カミやん」
「おはようございます。おじ様、おば様」
美琴も眠い目を擦って降りてきた。
「そうだ当麻。昨日渡しそびれたが、この前の出張のお土産だ」
そう言って刀夜が差し出したのは、虫のようなものが入ったケースだった。
「何、これ?」
「インドへの出張の時のだ」
「わざわざインドへ行ってこれ!?」
「いえ、このような物は現地では魔除けとして扱われています」
割り込んで来たのは神裂。
彼女は魔術師らしく説明を開始した。
詳しいのですね。出来れば詳しく教えて欲しいです。と刀夜が言ったが為に、神裂は嬉しそうに刀夜と話している。
仕事をする時の彼女とは違うので少し戸惑う上条と美琴。
それらを見て土御門はニヤニヤ笑っている。
『御使堕し』や火野神作についての手がかりは何もない。
美琴と客室のテレビを見ていると、ニュース番組の途中で速報が入った。
『速報です!昨日、刑務所を脱走した火野神作死刑囚が発見されました!火野死刑囚は家屋に侵入し、立てこもっているようです。現在機動隊が火野死刑囚を――――』
画面に映るのはある家屋の空からの映像。
その家屋に、上条は見覚えがあった。
「ここ・・・俺の家だ」
前に刀夜が送ってきた、詩菜が趣味のパラグライダーで撮ったという新居の写真の場所そのものだった。
急いで携帯を取り出し、座標を割り出す。
立ち上がろうとしたところで土御門が入ってきた。
「カミやん!ニュース見たか!?」
「ああ。急ぐぞ土御門。あそこは俺んちだ!」
火野神作を捕縛する為に上条家の新居へ向かうためにタクシーを呼び止めたが、問題が1つ起きた。
上条と美琴。土御門、神裂。それにサーシャ=クロイチェフ。
タクシーに入りきらないのだ。
すると土御門がこんなことを言った。
「ねーちんは大丈夫だとして、サーシャ=クロイチェフ、お前はどうだ?」
「回答一。問題ない」
「だ、そうだ。さっさと乗っちまうぞ」
「いや、あの2人どうすんだよ」
「放っておいて大丈夫だぜい。あの2人ならタクシーに追いつくはずだにゃー」
そう言うと、土御門はさっさとタクシーの助手席に乗ってしまった。
上条家の新居の近くで降りると、神裂とサーシャ=クロイチェフがいた。本当に走って追いついたのか。
新居の方を見ると、大量の機動隊員が新居を囲っていた。
「これじゃあ近づけないな」
どうするかと上条が尋ねると、美琴が他の家の茂みに向かいながら上条に言った。
「さすがに全員の目を掻い潜る事はできないけど、人数が少ない場所なら把握できるわ」
美琴についていくと、巡回している機動隊員は確かに少なかった。
しかしそれだけで避難警報の出されている一帯を突破できない。
その時には土御門が、機動隊員の視界にうつらない瞬間を突いて先へと進んだ。
そして新居間近。どこもかしこも機動隊員で一杯であり、
「土御門、ここは任せてください」
神裂は立ち上がり、どこかへと行ってしまった。
それから少しして、上条宅を包囲していた機動隊員達は、どこかへと消えてしまった。
「な、何があったんだ?」
「ねーちんがやってくれたんだぜい」
土御門によると、神裂が周囲に結界のようなものを張って、機動隊員達に他人の家を、上条宅と誤認させたらしい。
本当に魔術って便利だなと思ったが、神裂は聖人といって、特別らしい。
「お待たせしました」
上条の家。この中に火野神作はいる。
玄関は鍵がしまっている。どこから侵入したのか。上を見ると2階の窓が空いている。出かける際に閉め忘れたのだろうか。
「私達が中へ入り、鍵を開けましょう」
そう言うと神裂はミーシャ=クロイチェフと共にジャンプした。
予備動作も、特別な術式を使う様でもなかった。ただの身体能力で自身の身長の倍以上の高さまで届いてしまった。
神裂が玄関を開け、家から出てくる。
「お待たせしました。ですが火野神作はまだ発見されていません」
中へ入り探索を開始する。
二階はミーシャ=クロイチェフ、神裂と土御門。
一階は上条と美琴だ。
最初に開けたのは洗面所。2人分の歯ブラシの横に、アフリカ辺りにありそうなお土産がある。刀夜が出張で買ってきたのだろう。
そのお土産みたいなものが浴室にも置いてある。一体誰だけ買ってきているのだろうか。
「・・・・・・ここには何も無さそうね」
次に来たのはリビング。大き目のテレビに茶箪笥。
窓とカーテンを締め切られ薄暗く、何か異臭を感じる。
それが何か、気づいてしまった。
「っ!ガスが漏れてる」
「え!?」
「とにかく火花を出さないようにして元栓を閉めない・・・・・・と」
振り返って見てしまった。
どこを見てるかも分からない目で、美琴目掛けてナイフを振りおろそうとする火野神作の姿を。
「みこっ!!」
しかし、ナイフが美琴に突き刺さることはなかった。
「ぐ、ぁっ!」
美琴は振り返ろうとしようともしなかった。
ただ腕を後ろへ力一杯伸ばす。それだけで火野神作を怯ませた。
「がぁ!!」
振り向きざまに美琴は火野神作のナイフを持つ手首を掴んで捻り落としたナイフを掴んで、その刃先を火野神作の首筋めと向ける。
「さっさと『御使堕し』のこと洗いざらい吐きなさい」
美琴の目はまるで、ゴミクズでも見るかのようだった。
以上です。
このままでは放棄しかねないのでもう一度誓わせて。
完結させます!
乙 期待してる
マジで劣化ぎみだよ
乙
頑張って!
このスレ楽しみにしてるんだから!
大丈夫、続きを書いてくれる>>1を応援してる。
野暮なこと言うけど、ミーシャ=クロイツェフね
かなり劣化してるな
ゴミクズのスレになりつつある
外野は気にせずに頑張って欲しい
どうも>>1です。
とりあえず言い訳させて。
「御使堕し編おわったら」
現在は火野神作を全員で囲んでいる。
火野神作は抵抗をしようとしない。
観念したからではなく、発狂して襲いかかったところを土御門に人間の急所を何か所も打たれ、激痛で動けないのだ。
「ではまず、あなたの言う『エンゼルさま』というものについて教えてもらいましょうか」
「エンゼルさまエンゼルさまエンゼルさま。いつでも俺を助けてくれただろ今回だって助けてみせろよ」
火野神作はブツブツとうわ言のように呟く。
「つーか、本当にいるのかねー『エンゼルさま』って」
ふと、土御門がそんなことを言った。
「ふざけるな!お前もあの医者と同じことを言うのか!!」
その言葉に、上条は引っかかった。
「……医者?」
「ねぇ、まさか」
美琴も、引っかかりに気付いた。
「……二重人格」
その場の全員が凍りついた。
「もし『人格A』と『人格B』が入れ替わってるだけだったら」
「あの、二重人格の場合って、魂とかはどうなるんですか?」
神裂も土御門も何も言えなかった。
「ふざけんな!本当にエンゼルさまはいるんだエンゼルさまは、エンゼルさ…まは……」
『エンゼルさま』否定されたショックか、先ほどの激痛のせいか、そのまま火野神作は意識を失ってしまった。
「……火野神作は犯人じゃない」
上条の言葉はそのまま、手掛かりがまたなくなってしまったことと同じだった。
どうしたものかと美琴が辺りを見回すと、ある物が目に映った。
刀夜が海外出張で買ってきたであろうお土産の数々の中にある一枚の写真。
上条はそれを見つめ、そして。
「……父さん」
「おじ様」
夕日に照らされた浜辺にいる男、上条刀夜。
世界全体を巻き込んだ魔術『御使堕し』の発動者。そのはずなのに。
「こんな時間までどこに行ってたんだ?母さんも心配していたぞ」
2人の目に映ったのは、長い時間どこかへ行っていた息子とその彼女を心配する『父親』だった。
いや、だからこそ。
「何で、あんなものに手を出したんだよ」
「……そうか、見てしまったか」
そして刀夜は、決心をしたように2人を見て、
「これは美琴ちゃんにも大事な話かな。当麻、お前は幼稚園を出てすぐ学園都市に行ったからあまり覚えてないかもしれないが、小さい頃、周りになんて言われてたか覚えているか?」
上条当麻には夏休み以前の記憶はない、何も言わずに首を横に振る。
それを見て刀夜は、
「疫病神だよ」
躊躇わずに、はっきりとそう言った。
以上です。
挨拶の続きは「御使堕し編終わったらもう少しマシになるはず」
乙です
劣化が止まらな~い
乙でした。
しょうもない
劣化ぎみなのは分かってるんですね
どこも劣化してないだろ
少なくとも俺はこのssが好きだし面白いと思ってる
読者様()は批判してる暇があるなら他のスレ行けよ
ゴミ坂が気持ち悪い
マジで死ね
劣化どころか悪化してるよ
>>美琴の目はまるで、ゴミクズでも見るかのようだった。
うん、いつもの御坂ですね。ラブコメとはほど遠いです
>>1です。
投下します。
刀夜は淡々と、話を続けた。
「ただ他の子より転んだり怪我をする。くじ引きはいつも外れて、じゃんけんでは必ず負ける。いつしか当麻の周りにいると自分まで不幸になると言われ始めた。子供だけじゃない。それを止めて叱るはずの大人でさえも、そんな噂話を信じて、遠ざけた。いつしかそんな噂は町中に広まって、とうとう借金に追われた男に逆恨みで追い回されて刺されたよ。そんな当麻をマスコミは格好のネタだとよくわからない霊能番組にまで引っ張り出して、そこの霊能力者でさえも、当麻の不幸をどうしようもないと言ったさ」
自分の過去がそんなに悲惨だったのかと、上条は驚愕した。
美琴は黙り込んでいる。一体何を思っているのだろうか。
「私は怖くなったんだよ。不幸がいつか当麻を殺してしまうんじゃないかと。だから超能力さえも科学で証明された、そんな不幸を否定する学園都市に送ったんだ。手紙だと、前のようないじめは受けてないようだったけど、それでは満足できなかった。当麻の不幸がなくらなければ。だから私はオカルトに手を染めた」
それは息子に幸せになって欲しいという父親の願いだった。
たとえ息子が赤の他人を家族だと言い、自分をもう二度と、父親だと思わなくなっても。
見ず知らずの人間が、自分の家族だと言っても。
「…………ふざけるなよ」
『御使堕し』。それは人間の魂。役割を入れ替える魔術。
結局それは、上条の不幸を誰かに押しつけることなのだ。
確かに上条は右手の幻想殺しのせいで不幸だ。
「俺はこの夏休みだけでも3回も入院したよ。いろんな事件に巻き込まれた」
それでも、インデックスを地獄の連鎖から救い出すことができたのは。
「でもそれで助けることの出来た人がいる」
姫神秋沙を三沢塾から解放したのは。
「出会えた人がいる」
妹達をあの実験から助け出したのは。
「俺はそれ胸を張ってる。不幸だなんて言わせねぇ」
いつだって上条だったではないか。
「たとえ『不幸』で何度死にかけても、俺には自慢の友達がいる。インデックスがいる。そして何より、美琴がいるんだ。だから俺は世界で一番『幸福』だ!!」
「おじ様、私は当麻さんが不幸体質で何度も事件に巻き込まれていることを知っています。たとえ命に関ることでも、一緒に乗り越えていこうと決めているんです。何があっても私が守っていきます。それは恩返しとかそういうのじゃありません。好きだから、心から愛しているから」
刀夜はしだいに、フッと笑いだした。
「ははっ、何だ、当麻、不幸じゃないどころか幸せを共有できる彼女までできて。結局私は何もできなかったか」
憑き物が取れたようにすっきりした顔で、刀夜は言った。
「あんな観光地で買えるお土産程度じゃ意味無いってわかってたのにな。今度から出張のお土産は菓子にでもするよ。そっちの方がまだ母さんも喜ぶ」
「…え?」
お土産程度じゃ意味が無いと、刀夜はそう言った。
「父さん、母さんどこ行ったかわかるか?」
「ん?今頃海の家で皆と休んでいるはずだが?」
今頃、本物の上条詩菜はどこかの誰かと入れ替わっているはずなのに。まるで、インデックスが上条詩菜であると思っているかのように。
「あの『御使堕し』を発動させたのは……」
「エンゼルフォール?ご何だいそれは。あいにく流行には疎くてね」
刀夜の答えに嘘偽りは感じられない。
それでも上条や美琴、土御門らと違い、一般人であるはずの上条刀夜だけが入れ替わっていない。
(だけど『御使堕し』の影響を受けている。それじゃあもしかして)
そこでザッと、砂を踏む音がした。
振り返るとそこには、
「ミーシャ=クロイツェフ……やめろ、待ってくれ!父さんは何も知らないんだよ!!」
『御使堕し』の犯人が刀夜であると知ったミーシャ=クロイツェフは刀夜を抹殺することで事件を解決させようとしている。
昨晩火野神作を腕を圧し折ったようなことをされては、刀夜には耐えられないし、上条と美琴で阻止する自信もなかった。
「解答一。その懇願を受け入れなれない」
「待ちなさい!」
ノコギリを構え、踏み込もうとするミーシャ=クロイツェフを止めたのは、神裂火織だった。
「神裂……?」
「遅くなってすみません。どうしても気になることがあったので」
神裂は堤防から飛び降り、上条とミーシャ=クロイツェフの間に降り立つ。
「本来ミーシャとは、ロシアの男性に付けられる愛称です。それを女性につけることはありません。先ほどロシア凄教に問い合わせてきました。本当にミーシャ=クロイツェフなる人物がいるのかと」
神裂は片足を一歩前へ前へ出して、
「ロシア凄教の答えは、そんな人物はいない。代わりにサーシャ=クロイツェフならいると」
さらに腰の鞘に手をあてる。
「受け取った写真はたしかに私たちが見ているミーシャ=クロイツェフでした。私や土御門ですら、写真の中ではいれかわっているのに、です」
「でも、『御使堕し』を発動させたのは父さんだろ!?」
「はい。それは間違いありません。ですが2人とも、この魔術が何を呼び出すものか、覚えていますか?」
『御使堕し』は天使を地上へ呼び出す魔術。
誰かの体に宿り、元からいた魂は追い出されて別の体に行き、元の魂はまた追い出される。
そうして世界中の人間の魂と肉体が入れ替わる。
「でも、どう見ても女の子にしか見えないじゃないですか」
「いるのですよ。性別が存在しない天使の中で、唯一男でもあり女でもある天使が」
そして神裂は、腰を落とし、構える。
「引きなさい『神の力』。私にこの刀を抜かせないでください」
『神の力』は、手のノコギリを捨てた。
そのまま海面まで行くと、そこを中心に巨大や魔法陣がドーム状に現れ、夕日に照らされていた世界が一気に暗くなった。
『神の力』はその魔法陣へと浮かびながら移動した。
「強制的に夜にすることで自らの力を強化させましたか」
上条当麻、御坂美琴!と神裂は叫んだ。
「あなたは刀夜氏を連れて非難を」
「神裂さん、私も!」
一緒に戦うと言う美琴を、神裂は止めた。
「たとえレベル5であろうとも、『神の力』に対抗する術はないでしょう。大丈夫です。私は神裂。神を切り裂く者です。あなたはあの2人を守ってください」
美琴は頷くと、上条と刀夜と共に防波堤の向こうへと行った。
海の家『わだつみ』まで来れば、とりあえずは安心だろうと思い、上条は一息つけた。
「当麻!あれは一体何なんだ!?」
混乱する刀夜にの質問に上条も美琴も答えられない。
2人も突然のことでよくわかっていないのだ。
「2人ともお疲れさん。後は俺がやっとくぜい」
軽い調子で土御門が入ってきた。
そして突然、プシュッと、スプレーのようなものを吹きかけた。
意識を失った美琴を、土御門が抱き止めると優しく床に寝かせた。
「土、みかど?」
「この場で超電磁砲を最大の脅威だからな。ちょっくら眠ってもらったんだにゃー」
上条は何も言わずに土御門に突っ込む。
が、パンチは軽く避けられ、腹に一撃を食らわされ数歩後ろに下がった。
「感心しないぜい。戦いで一番やっちゃぁいけないのは、何も考えず闇雲に突っ込むことだ」
「な、んで、神、ざきは」
「ねーちんは甘いからにゃー。人を殺す選択肢なんて絶対に選ばない」
が、俺は違うぞと、いつものように二やけながら言い、
「10秒だ。10秒耐えたから褒めてやる」
上条が体制を立て直す前に仕掛けた。
心臓、あばら、肺。
土御門は確実に人間の弱点に打撃を与えていく。
上条のような路地裏のケンカ程度では決して身につかない、人の殺し方を、彼は知ってそれを活かす技術と経験を持っている。
必死に耐えようとしたが、反撃の隙すら与えられず、床に倒れこんだ。
「……8秒か、まあまあだったが、残念だったな」
「もう止めてくれ!」
上条を守るように、刀夜は土御門に立ちはだかった。
「とぉ、さん。やめ、てくれ」
「事情はわからないが、私が原因なんだろう?これ以上息子を巻き込むわけにはいかないさ」
「上条刀夜。俺に勝てるとでも」
「確かに私は酒とタバコで肺はボロボロ、おまけに運動不足だ。でも、私は上条当麻の父親だ!」
嬉しかった。命をかけてそう言ってくれることが。
だから上条は立ち上がれた。
「当麻!」
「あれだけやられたまだ立ち上がれるのか。だけど立っているだけで精一杯だろ?」
「そう、だよ。でもな、俺は上条刀夜の息子だからな!!」
叫べるだけ叫んだ。もう一歩も動かない。
立ち向かおうとするも、体は限界だった。再び床に倒れこむ。
「……さて、準備はこれぐらいでいいか。それではみなさん。タネもシカケもあるマジックをごたんのうあれ。ほんじつのステージはこちら。まずはメンドクセエしたごしらえから」
土御門が懐から取り出したのは拳銃やナイフでなく、何かが入ったフィルムケース。
玄武、白虎と、それらを部屋に四隅に投げた。それらは淡く光を放つ。
「ピストルはかんせいした。つづいてダンガンをそうてんする」
それは明らかに魔術。
だが学園都市の能力開発を受けた人間は魔術を使えないはずだ。
「ダンガンにはとびっきりきょうぼうな、ふざけたぐらいのものを」
土御門は口や目から血を垂れ流している。
「お、まえ、まさか!」
「ピストルにはけっかいを。ダンガンにはシキガミを。トリガーにはテメエのてを……悪かったな、お前らだったら絶対止めると思ったからな。実はあれ、小物1つで別の大規模魔術発動されるようになってたし」
最初から土御門は刀夜を殺す気などなかった。
『御使堕し』の術式を消滅させる為の魔術を阻止させないために上条と美琴の動きを封じた。
「悪いにゃーカミやん。俺って実は、天邪鬼なんだぜい」
視界全体が光に包まれると、次第に暗くなっていった。
「…………」
目が覚めたら病室の天井はこれで4回目。
学園都市で能力開発を受けた以上『外』の病院にはいれられない。
「当麻」
その視界の隅に美琴がいるのはこれで2回目。
しかし、ここまで気分が悪いのは初めてだ。
「美琴、『御使堕し』は?」
「いつの間にか元に戻ってたわよ」
「そう、か」
あの時、土御門は命がけで『御使堕し』を止めた。
本当にあれしか道がなかったのか。もう少し時間をかければよかったかもしれない。上条は悔やんだ。
「……土御門」
「カーミやーん!呼んだかにゃー!?」
聞きなれた軽い調子の声
金髪にサングラスと派手なアロハシャツ。
信じられないが、確かにそれは、そこにいる。
「何で生きてんだよ。お前魔術使っただろ」
「いやー、確かに魔術は使ったけど、俺の能力は肉体再生のレベル0。ぶっちゃけあと数回なら魔術の使用に耐えれるんだけど、ぶっちゃけメンドいし、イギリス清教にばれたら限界まで使えとか絶対言うし」
まーそんなことでお二人さんお幸せに―。などと吐きながら病室を後にした。
一体何しに来たんだと。
「あれでも、俺の友達なんだよな」
「ま、まあ、良い人…なのかな?」
だけどこれだけで騒動は終わらない。
インデックスが病室に入ってきた。怒り心頭である。
「……いじめられた」
「「あ」」
どうやら入れ替わっていた人間は元に戻ると辻褄が合うように出来ているらしい。
というかいろいろあって忘れていた。
朝からの蹴り、垂直生き埋め、その後の放置等、インデックスに対しての仕打ちの数々を。
「どうせ私は邪魔なんでしょ!一生乳繰り合ってろバカップル!!」
うわーん!!とインデックスらしからぬ暴言を吐いて泣きながら走り去る。
「ごめんねインデックス誤解なの!」
美琴もインデックスを追いかける為に病室を出ようとする。
「じゃあね当麻。またお見舞いの品買ってくるから!!」
勢いよく閉められた扉を音をたて、反動で隙間が出来ていた。
まってー!と廊下を駆ける美琴の声が病室まで聞こえてくる。
「…まあこれも幸せ……なのか?」
騒がしくても楽しいかな、と上条は微笑んだ。
以上で『御使堕し編』終了です。
次こそいちゃいちゃさせたいです。
乙でしたー。
超乙です
手遅れ
劣化スレ
早く
乙です
駄文
荒ぶってる人たちは何かあったのか?
どんどん劣化
よっこらしょ。
∧_∧ ミ _ ドスッ
( )┌─┴┴─┐
/ つ. 終 了 |
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(_(_) ;;、`;。;`| |
ありがとうございました
もう書き込まないでください
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
(しめしめ、ちょっとした一言でここまでレス増えてラッキー)
なんて思ってませんよ!!
あ、投下しますね、今回のネタで最後です。
いちゃいちゃできるぜー!
8月31日。夏休み最後の日だ。
大抵の学生は残った宿題を終わらせようと自室に籠っているが、上条当麻はそうではない。
入院生活を宿題をして過ごし、全てを完了させているのだ。
今日は美琴との夏休み最後のデート、待ち合わせの場所へ向かう途中で土御門と青髪ピアスに遭遇した。
ただいま絶賛バニー談義中。のはずだが。
「だーかーらー、結局カミやんの好みは彼女はんに合うかどうかやないか」
「そ、そんなことない……はず」
「にゃー、カミやんは愛しの御坂ちゃんしか興味がないからにゃー、この前だって家族旅行に連れてったし、家族置いて2人でいちゃいちゃしてたぜい」
「ばっ!何言ってんだ!」
そんな馬鹿な友人達と馬鹿な会話をしていたら目的地、常盤台中学外部寮まで来た。
約束の場所は近くの公園のはずだが、玄関の前では美琴が見覚えのない男と一緒にいる。男は上条らと同じくらいの歳で、スーツを来た所謂優男だ。
「ん?えらいイケメンやね」
(……)
「カミやん、どうしたんだにゃー?」
美琴が見知らぬ男といるだけでイライラ。
さらには愛想笑いとはいえ笑顔を見せてムカムカ。
上条は土御門と青髪を置いてスタスタと足を速める。
「あ、とう」
美琴が言い終わる前に、美琴の手を掴んで、美琴を優男から引き離すように上条の後ろへ下げ、逆に自分が優男の前に立ち、堂々と宣言する。
「美琴は俺の女だ。手を出すんじゃねぇ!」
だが、彼は怒りに任せてすっかり忘れていた。
ここがどこで、直前まで誰といたか。
「……カミやん、まさかこんな白昼堂々と」
「カミやん意外と独占欲強いからにゃー」
この2人だけではない。
騒ぎを聞きつけて常盤台の寮生が窓から顔を覗かせている。
「誰でしょうかあの殿方は」
「あの方、確か先月にも御坂様と」
「『俺の女』って、まさか、御坂様はもう!」
1つ2つではない。騒ぎがさらに騒ぎを呼び寮中の窓という窓が開かれた。
そして玄関から寮監だろうか。20代~30代の女性が出てきた。
「……ほう、御坂。寮の前で逢い引きとは、いい度胸だな。不純異性交友は見逃せないと先月も言ったはずだが?」
「え、あ……あはは」
あははは!と美琴は愉快に笑いだすと、今度はうわーん!!と上条の腕を掴み返してどこへともなく走りだした。
「どうすんのよどうすんのよ!私達のこと寮中に知られたじゃない明日には学校中に広がってるわよどうすんのよ!!」
頭とその栗色の髪をブンブンブンと振り回しながら美琴は喚く。その間、上条は何も言わない。
どこか不満そうに美琴から目をそらしている。
「どうしたのよ」
「……」
「何でさっきあんなこと言ったのよ」
上条はやっと美琴と目を合わせて、口を開いた。
「……何であんな奴に笑顔を見せてたんだよ」
「妬いてんの?」
「べ、別に妬いてなんか!」
顔を真っ赤にして否定しているがバレバレである。
はぁ、と美琴はため息をついて、
「アイツの名前は海原光輝。何か最近になって言いよってくるけど、常盤台中学の理事長の孫だから私も無下にはできないのよ。でもちゃんと当麻との関係も説明しているし断ってるけどしつこくて」
「ホントか?」
「ホントよ。信じてないの?私は当麻一筋よ。心配しないで」
上条の髪は撫で、上条は美琴の胸に顔をうずめて言った。
「じゃあ、もう海原が言いよらないように、見せつけてやろうぜ」
恋人らしい所を海原に見せつければさすがに諦めてくれるだろう。
美琴はうんうん、と上条を撫でながら頷いた。
「あれ、でも恋人らしくって、何すれば?」」
「…………デートっつっても、恋人らしくって言われても、わからないな」
悩んではいるが、デートだろうが何だろうが、恋人同士でやればそれはもう恋人なのだ。
というか一連の2人の会話も、端から見れば十分に恋人らしい甘い空間である。
それがわからない、まだまだ若いお二人なのだ。
以上です。
初めに言っておきます。この海原に勝ち目はない
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
なんか粘着してる暇な人いるけど、気にせず続けてねー
乙です
海原ェ……
ますます劣化
乙 いちゃいちゃしながらさくっと事件を解決してくれ
よっこらしょ。
∧_∧ ミ _ ドスッ
( )┌─┴┴─┐
/ つ. 終 了 |
:/o /´ .└─┬┬─┘
(_(_) ;;、`;。;`| |
ありがとうございました
もう書き込まないでください
やれやれだぜ…
まだまだ劣化
腐女子ならぬ腐男子になりそうッスわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
. -──- 、__ 女 言 男 黒
/ \ 子 う と 子
/ / {ユ .i r2、 ヽ は ら 男 が
|/| /| i八 ∧| `乙. | そ し が 言
|八 j.厶{二\{二.\`Z | れ い 棒 う
| {`l/ ┃ ┃ \ {_) | で わ で に
|ハ{ ┌‐┐ 从 | 大 つ は
.ノィ/≧ュ- `ニ´ -ュ≦},ハ| 興 な BL
〃´|i\_ハ,/i|`ヽ 奮 が と
| || || | す る い
`i'T1'| |l'TT’ る こ う
| ||| || | | と と の
| ||| || | | か を は
U | ̄i ̄i ̄i ̄l U
、 あ
● `● !
大 ,大 あ
の
. -─- . 馬
/ , h_ ヽ 鹿
{从{ '2 i | と
{_ 「 i l i | 海
,>‐|ハ八lW`| 原
|_| |_| を
| ||___|| 発
U i i i i〔 見
`ユT¨TT′
(__)[_)
棒
__ _ _j∨∨しi__, _ で
/ ミ= `7 そ /  ̄\ つ
i i从从[ 'イ从Ⅳ と /P从 トi^<,| な
| l「几!| |i几 |h 厂 i/|几}`{几ih| が
|从从|_マ マ__犬^` ,从 ヮ ィ爪 り
、__)Vし |./^i l __)V i^ヽ | く__i〔`iア /^′ な
) _,Jl_| |___;vJ|_l | //]/>イ| ━-━- さ
<__]}| | l }___)}}] | | | ̄ ̄ ̄ ̄(/ ̄ ̄ ̄| ━-━- い
) '^TU^「 ) ^TU丁 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄i ̄iて ━-━- !
⌒V^ | | ⌒Y | | `77\\_
|__|_ 」__| 〈 〈 `Z/
{__) (__} {_/
. -──- 、__ あ
/ \ ま
/ / {ユ .i r2、 ヽ り
|/| /| i八 ∧| `乙. | 萌
|八 j.厶{二\{二.\`Z | え
| {`l/ ┃ ┃ \ {_) | な
.ノィ/≧ュ- `ニ´ -ュ≦},ハ| わ
〃´|i\_ハ,/i|`ヽ
| || || |
`i'T1'| |l'TT’
| ||| || | |
| ||| || | |
U | ̄i ̄i ̄i ̄l U
言っとくけど毎日スレは見てるんだからね。
投下します。
とりあえず休もう歩き回って、近くのベンチに腰を落ち着けた2人。ホットドックの屋台が目に映る。
「そうだ、あれ買ってくるわね」
そう言って美琴は立ち上がると、ホットドックの屋台まで駆けて行き、数分して戻ってきた。手にはホットドックを2つ持ち、片方を上条に差し出した。
彼女に奢ってもらうのは悪いからと、せめて1人分の代金は払うと上条が言うと、美琴はさも当然のように言う。
「いいわよ2000円くらい」
…………はい?2000円??
このお嬢様は何を言っているのだ?
「2000円?」
「うん」
「2つで4000円?」
「そのくらいの足し算誰でも出来るわよ」
「……」
これはマズイのではないかと上条は考えた。
将来上条家に嫁入りするときに2000円もするものを平然と買っていてはマズイのだ!!
「(いやいやいや何考えてんだよまだ決まったわけじゃ……いやでもそうなって欲しいわけで)」
「……どうしたの?早く食べなよ」
ブツブツと呟く上条は美琴にホットドックを口に押しつけられて我に返る。
「あ、いや、何でもない」
美琴からホットドックを受け取り、美琴はベンチに座った。
一口、食べてみる。
(美味い)
さすがは2000円のホットドック。そこらで買うのよりも美味しい。
具体的にどこが美味しいのかと聞かれると答えられないのが悔しいが、美味しい。
ホットドックを頬張りながら、チラリと美琴の方を見る。同じくホットボックを頬張っている彼女の鼻の下に、マスタードが付いている。
「美琴、マスタード鼻についてんぞ」
上条はベンチにホットドックを置いて、ズボンのポケットからハンカチを取り出して、美琴の鼻のマスタードを拭いてやろうとするが、美琴は、いい!と、自分のホットドックを上条のホットドックの隣に置いて、上条のハンカチを奪い取ってゴシゴシと焦りながら鼻を拭いた。
「っ!――――!!」
突然美琴が悶え始めた。マスタードが鼻の粘膜に付いてしまったのだろう。
「だ、大丈夫か?」
「へ?にゃ……なんのことひょ」
美琴は涙目ながらも、この事実を無かった事にしたいらしい。
天下の超能力者が恋人の目の前でマスタード相手に無様に自爆したなど、恥ずかしくてしょうがないと、美琴は思っているのだろう。
「でも涙目の美琴たんも可愛いな」
「ふにゃ!?」
ホットドックも食べ終わり、デートを再開させ目的もなく歩き回る2人。
にしても暑い。もう夏も終わりだと言うのにミンミンとセミが元気よく鳴いている。
美琴を見ても、額から汗を垂らしている。
「美琴、そこの木陰で休んでろ、今度は俺がジュース買ってきてやるから」
美琴をクレープ屋の屋台の近くの木陰のテーブルに座らせて、自分は自販機を探しに行く。
不幸体質の珍しくすぐに自販機は見つかった。
お金を入れ、ジュースをヤシの実サイダーを買おうとしたその時、
「おや、貴方は」
男の声だった。
振り返ると、海原光輝その人だった。
「……何のようだよ」
「そんなに怖い顔をしなくても。自分はただ散歩をしてただけですよ」
怖い顔。
それは美琴に付き纏う事への怒りか。こんなさわやかな青年に美琴を取られたくないと思う自分の子供っぽさに対する悔しさか。
御坂美琴は上条当麻の彼女。その事実と先ほどの美琴の言葉がなければ、この場で彼に殴りかかっていただろう。
冷静さを失わずに、上条は海原光輝に言葉を掛ける。
「最近、美琴に付き纏ってるらしいな。何でだよ」
「付き纏ってるとは……自分はただ御坂さんに話しかけてるだけですよ。理由としては、彼女が好きだからです」
はっきりと、海原はそう言った。
「俺が美琴の彼氏だと知ってても?」
「ええ」
「諦める気は?」
「無いです」
上条には解る。彼は本気だ。ナンパのような感覚で美琴のちょっかいを掛けているわけではない。
だからこそ、上条も譲れないのだ。彼もまた、御坂美琴が好きで、愛しているから。
「お前が悪い奴じゃないってことはわかったよ。でも、美琴は譲らないからな」
「わかってますよ。ですが自分も、御坂さんのことを諦められないので。お時間を取らせてすみません」
海原は去る途中で、小さな女の子が手放してしまった風船を拾っていた。
美琴を狙う恋敵ながらも彼を嫌いになれないのは、あのような人間だからだろうか。
以上!
乙です
面白い
原作ならまだしも、彼氏がいるのに付きまとってるって完全にストーカーですね
警備員を呼んでください
やっぱり劣化
つまらんな
乙
しかし付き合ってるとなると海原の対応もやっぱ変わってくるのか?
\ \ ∠ィ __ ヽ! ハ ノ} __
\、 ) n_n_ //,-―-、ヽ{\ノ;;>ーy―<;;;;ノイ´ __ ヽ
\ ̄ /, ∩ b`! (/イ二二`ヽ{;;;;;/ ̄,、v,、 ̄\;;{<二ヽ__
>、 込乂ム_> ∠イ_/ ̄〈;;/ / / 黒 ヽ 、i、ゝ、 \`ー―
、 /___\ く> /━'¨¨´. ∠イ/レ \_}{_/レⅥ ゝ`━‐、二
..\、ヽ// ̄ ̄ .) n ハ (\ ヽ: : : :.{.〃.-=*>仝<*=-.∨} : : : : :/
\ヾ、{ <. (八U八) >\ }: : : :「! ´"/_`´_\`゙ lイ、: ;n //
┏━━━┳┳┓) 七n /、、 Ⅵ: : : ハ、. |fくエエエエ}| .リ :「| |〃
┃ ┃┃┃ (4マ,')) (\-=/⌒i: : : : :..ト、. !|li|l! !l|il!|! /. : |「||′´
┗━━┓┗╋┛ 「.| >Ξ ト、: : : : {|ム. VrrrrrrV /. :rV | | /
. ┃ ┃) | | / -=/ヽ | }: : : :.Ⅴヽゝ===':/.:-=} Y ヽ
┃ ┃__ |_| { -=/ } ! ! : : : : :∨/Υ\ /. : { l `
、. ┃ ┃/ n 「=ニ′ }イ ノ: : : : : : :.\ キ /. : : ゝ_ヽ._
ヾ\. ┗━┛_ /厶__ \,′ ノ .| |: : . . ヽ: : : : ><: : 「 ̄!: ハM∧
\ヽ /_ └'^ー┘ 「ヽ .イ |/`i:.-==<: : : : : : : :>くΣ;;;;;;;;;
. 丶,ィ=―< / {}{} /` } | / {:: : : : : : : : : : : : : : : :∠/イ;;;;;;;
. / * 、ヾヽ´ ̄| оо {/ .ノ | _,ハ Y: : ―-‐===―‐: : :^イf;ミイ/
{ i! i|、* i、ト、ト.i ! |/ \! イ .イ レ'}__ }__,、-――-、-―く ` ^
} r、ト!符{仆! 、\/ | | ノ {__ |:i:ir彡ヘn:i/:i:i:i:iヽ:i:i: }- ,
\!ハ! iト、" _ > \ヽ/ ノ ノ / {:i:i:i:i{_,ィ,》ノ;|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:└‐f7´
ヽ_rくヾ_>.-` 丶 \. ヽ ノト- ′ / |:i:〃ヽ._!ハ、:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i /トィ ´
/: : \ ム!_ \、 {. | ,′ =キ″:i:i:i:\ \:i:i:i:i:i:i:i:iノイハ/
⌒ヽ: : :`:ヾ{{、 \ -=゙ / \ { -= |  ̄ 厂゙┏━━━┓イ} }/ヽ
、ヽ: : : :V! \ \ Ξ ヽ バ h n/ ┗━━━┛/ /┏┓
、 \: : i }〉 \\=エ tf゚ 。z キ.ノニ/ーr┐ rf/`く\ ___!┏┛┃
ト二二ノ: : イ! .\、| 只i / / ) |;;!{ }iト (. ヽ ┏┛┏┛
ヽ\ ヽ !ハ \ \ | ゲコ太↑ l/ rtィ;;リ {!;;j⌒ヽ┏┛┏┛
ト: : ヽ V ! \ 、 ノ { / `″ ´┏━┛┏┛-=
ハ: : : :\ \ .>.___/  ̄ ┗━━┥\
どうもお久しぶり>>1です。
最終回、投下します。
その後も小物や服を見て楽しむ2人。時間などすっかり忘れてしまっている。
インデックスは今頃どうしてるかな、と美琴が思うと、正午を告げる音が聞こえてくる。
「……ご飯、どうしよう」
「……作り置きなんてしてないよな」
今からスーパーへ向かい学生寮に戻っても昼食を食卓に出せるのは一時を過ぎてしまう。
どこかで買って帰ろうと考えて、ふと辺りを見回すと行列が目に入った。美琴にはわからないが有名なハンバーガー店なのだろうか。
お腹を空かせた白い悪魔、インデックスを鎮めるにはあれしかない。
「そこで待ってて当麻!」
美琴は上条をその場に待機させ、一人で歩道橋を渡り、反対側の行列に並んだ。
暑いけれども、上条が食い殺されるよりはマシである。
(ったく、美琴のやつ)
1人待ちぼうけをくらう上条は反対側の歩道で行列の暑さと戦っている美琴を見守っていた。
美琴のことだ。代わりに並ぶと言っても絶対に譲らないだろう。
「おや、また貴方ですか」
つい数時間前に聞いた声に、思わず上条は顔をしかめるが、さすがにそのままでは相手に悪いだろうと、一息つけてから振り返る。
「ああ、また会ったな」
相変わらず『さわやか』という言葉を具現化したような人間である。嫌な気持ちが前面に出ている自分とは対極であり余計にいらついてしまう。
「御坂さんはどうなされました?」
「あいつなら、あそこだ」
海原の問いに、上条は美琴が並ぶ行列を指さしながら言う。
「そうですか」
「……」
すぐに会話は途切れた。
気まずいと、上条は動揺していた。
デートの邪魔だから出て行けとは言えず、けれどもこれから仲良くしましょうなどとも決して言えない。
美琴に早く戻って来てほしいと願いながらチラリと見る。
「ん?あれって……」
行列に走っていく男。それは服装も、髪型も、遠くて良くは見えなかったが、顔も海原光輝そっくりだ。
「海原、お前兄弟とかいたのか?」
「いえ、私の家は一人っ子ですが」
「でも、確かに」
海原と瓜二つの男は行列に割り込んでいった。
「偽物、かもしれませんよ。肉体変化という能力までありますからね」
もし見間違えでなく、本当に海原と瓜二つだったら。
わざわざ海原に化けた理由。
あの行列の中に誰がいるか。
「ま…さか、美こ――っ!!」
突然背中に激痛が走る。肺から空気が一気になくなり息が出来なくなる。
「――!げほっ、ごほっ!ちく、しょう。こっちが」
「まったく、あのまま寝ていればよかったものを」
海原は懐から黒い石でできたナイフを取り出した。
「残念ですが、貴方にも死んでもらいます」
そのナイフに何か、危険なものを感じて必死で距離を取る。
海原がナイフを翳す。すると走る上条の近くにあったベンチが木材とネジに、バラバラに『分解』された。
少しでも距離を取りながら隠れようと、路地裏に入る。
あのナイフは魔術だろう。
対抗策を得るために走りながら『専門家』に電話をかける。
『は、はい!カミジョーです!』
一人で留守番でできるように、電子レンジすら使えないインデックスに美琴と2人で頑張って電話の使い方を教えたのがやっと役に立った。
「インデックス!」
『とうま!?こんな時間までどこにいるの!私はもうお腹ペコペコなんだよ!!』
「それは悪いと思ってる!後でハンバーガー食わせてやるから!それよりも、魔術師に遭遇した!!」
『魔術師!?とうま、相手はどんな霊装を?』
インデックスに心配をかけることはわかっている。
それでも10万3000冊の魔導書の知識を借りたいのだ。
「黒い石でできたナイフみたいなもんを空にかかげて、近くのベンチを分解しやがった!」
『それは、トラウィスカルパンテクウトリの槍だね』
「トラウィ……何だって?」
『トラウィスカルパンテクウトリの槍。アステカの神話が元で、黒曜石のナイフで金星の光を反射させて光に触れた対象を分解させる魔術だよ。でも本物なら世界中の人間が死ぬはずだから、それはレプリカだよとうま』
10万3000冊の魔導書の知識を存分に発揮させるインデックス。
こんな場面だが、初めてインデックスに関心した気がする。
「ありがとうインデックス。じゃあな!」
『あ!とう――』
携帯を仕舞う。
電話に気を取られて建設途中のビルの工事現場についた。
「もう逃げ場はありませんよ」
追いつかれた。彼の言う通り、これ以上の逃げ場はない。
魔術師は槍を空にかかげ、謎の光が上条に向かって飛んできて、上条は右手で防ぐ。
光はいくつも飛んできた。その一つが建設途中のビルの柱を分解させた。
その上から数本、鉄骨が降ってきた。
(このままじゃすぐに崩壊しちまう!)
すぐに決着をつけなければいけない。
近くにあった集められた砂の中に入ったスコップを掴んで魔術師に襲いかかった。
振ったスコップは大きく外れたが散った砂が魔術師の目をくらませた。
「っく!無駄な足掻きを!!」
魔術師は空へとトラウィスカルパンテクウトリの槍をかかげるが、何も起きない。
「な!槍に砂が!!」
「それでその槍は使えないだろ!」
槍の砂を服で拭こうとする隙を上条は見逃さなかった。
魔術師へと殴りかかる。
魔術師が防ぎ、右手は槍に触れ、槍はバラバラに砕け散った。
「このぉ!!」
武器を失った魔術師は殴りかかろうとするが、ただのケンカならば上条にも分はある。
魔術師のパンチを避けて上条は魔術師の顔面に一撃を食らわす。
魔術師の顔にヒビが入り、崩れたところから褐色の肌が露わになった。
(でも、どうして)
命がけの戦いの中でも考えていた。分らないのだ。
あの時、美琴を自分のものにすると宣言した時の魔術師は嘘偽りを感じなかった。
解るのだ。自分と同じで、美琴が本当に好きなのだと。
だからこそ、美琴の命を狙う理由が。
「何で、海原に化けてまで、仮面を被ってまで美琴に、海原光輝の偽物になってまで美琴!?」
「……偽物じゃあ、いけませんか」
ポツリと、魔術師が恨めしそうに呟いた。
「貴方が、貴方さえいなければ私だってこんなことはしませんでしたよ!!」
その叫びに反応するかのようにまた一本、鉄骨が降ってきた。
「貴方の力は強大です。錬金術師アウレオルス=イザード、学園都市第一位の一方通行の撃破だけでなく、貴方を中心にイギリス清教に第三位の御坂美琴。もう組織は個人として見逃せない。『上条勢力』という一つの組織が出来上がってしまっているのですよ!!」
結局は、上条当麻が悪いと。
誰かが泣いていたから。それだけを理由に戦った結果が、彼を苦しめていた。
そして、自分がいたから、美琴の命も狙われたと。
「組織の命令で自分は御坂さんを殺そうとしました。でも、できなかったんですよ。海原光輝だって素直に皮を渡してくれれば見逃してやるつもりだったんですが、能力で冷凍状態になったのか、槍でも分解できませんでしたよ」
この魔術師は、美琴を傷つけない為に、ここにいる。
「せめて貴方さえ始末できれば」
「そんなこと、させるわけねぇだろ」
上条は、美琴を悲しませない為にその拳を握る。
お互いに、真っすぐ駆けだす。
勝負はすぐについた。
魔術師よりも早く、上条の拳が届いた。それだけだ。
倒れこむ魔術師と上条の間に、支柱を失った鉄骨が何本も降りかかった。
「っ!!」
動けない魔術師を助けようと駆けより、そして。
何が起こっていたのか。それを理解する時間は美琴にはなかった。
実は今まで自分に話しかけていた海原光輝は偽物で、ついさっき行列に割り込んできたのが本物だとか、ハンバーガーを受け取ってから慌てて上条の元に戻ったら上条がいなくて。轟音がしたから駆けつけたら上条と海原の偽物が殴り合いをしていた。
決着がついたからかと思えば2人の間に鉄骨が降ってきたので咄嗟に電撃で落下位置をずらしたので怪我はないと思う。
(あーもうどうなってんのよ!?後で当麻を問い詰めてやるんだから!!)
意識を取り戻したのか。倒れた鉄骨で挟み込むようにして動けなくなっている偽物は上条に話しかけている。距離があり、詳しくは聞こえなかった。
上条は微笑んで偽物に向かって言った。
「―――――――――」
聞こえた。それだけははっきりと。
これ以上、上条を見ることが出来ずに、上条から隠れるように支柱の裏に隠れた。
(何で、何であんなこと平気で言えんのよ!?)
告白をした。キスもした。それでも顔を赤ら目をそらす程の言葉だった。
上条があそこまで自分のことを想って事が嬉しかった。その想いに答えたかった。
だが今の美琴にはどんな言葉で返せばいいかわからなかった。どんな顔をして上条の前に出ればいいかわからなかった。
だからたくさんのハンバーガーが入った紙袋を抱きしめながら、美琴は先ほど上条と別れた場所まで逃げ出した。
自分は何も知らない。何も聞いていないと。
それから少ししてからだ。
「一体どこに行ってたのかしら」
「ごめんごめん。道に迷った人がいたからな」
どうせ上条はあの件を美琴に知られたくないようだ。いつもの様に心配かけたくないからだろう。
「ふーん。まさか女の人じゃないでしょうね?」
「違うって。まさか美琴さん、嫉妬していらっしゃるんですか?」
「するわけないでしょ。当麻は私だけの当麻でしょ?」
「そーだな」
美琴はクルリと向きを変えた。その先には上条の寮がある。
「早く帰りましょう。今頃インデックスがお腹を空かせて倒れてる頃かしら」
「そ、それはやばいな」
2人はインデックスが待つ寮へと帰り始める。
ふと、上条は美琴が持っている紙袋を掴んだ。
「こういう時は、男が持つもんだろ?」
「いいわよ別に……でも」
ちょっとだけ甘えるだけなら、今の美琴でも十分できる。
「そのまま、手、離さないでよ」
「……わかった」
それだけ言って、上条はそのまま紙袋を離さなかった。
夏の暑い日差しは、何かに遮られることもなく上条と美琴を照らしていた。
以上で完結です。
HTML依頼、頑張ってやってきます
土御門「御使堕しは魂と肉体を入れ替える術式だ。カミやんはその右手のお陰で影響を受けていないと考えるべきだな」
上条「でも待てよ。俺はともかく美琴の見た目は変わってないぞ。右手でも触ってないし」
土御門「いるだろ?カミやん。超電磁砲と瓜二つの人間が」
上条「っは!まさか妹達!?」
美琴「一体何の話をしているのよ」
本当に終わり!
乙です
面白かったです
御使堕し編も書いてくださいよ!
HTMLの依頼出してきました!
if編のアイデアはあるのですが(禁書目録編で美琴が上条を庇ったルートとか、御使堕し編で寝るときに握っていたのは左手だったらとか)他に書きたいことが多いのです。
どれも面白そうで困る
>>1のssは原作をちゃんと読んで書いてるって感じがする
また書いてください
乙
最後まで劣化
今後も楽しみにしています
>>550
そんなアイディアがあるなら、このスレでやっても良かったのよ?
とにかく乙でした
次回も楽しみにしてるよ~
しょうもない終わり方だった
このSSまとめへのコメント
けしからン!もっとやれェ!