【 キャンディーズ 年下の男の子 : ttps://www.youtube.com/watch?v=Nk1mPQkknno 】
「とししーたの男の子♪っと」
ハナ唄交じりに向かう場所は、何度も来ている始まりの場所。
セカンドインパクト前の世界において、世界有数の知能が集まる場所。
「さてと、行きますか」
冬月研の扉を前にして何度目かの第一歩を踏み出す。
やるべきことは山積みであるし、“前回”の考察も未着手だが、進まないという選択肢は無い。
それは彼女が彼女になる前の性質からでもあるし、彼女の真の目的の為でもあるから。
「どこに行っても必ず見つけ出すからさ、待っててよね」
そう自分に言い聞かせながら、マリは古い扉をノックした。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1624026875
.「\ /`ヽ、 /7
ヽ \ 二立コヒ二┼‐┼‐┼ _ヒゝ ニニ! / /
ヽ ヽ ニフK_ノノ〒 |__二二,ノ| |ヽ|__、 / /
ヽ ヽ 、、 | | | 〉,、 / / _
、 ヽ ヽ ヾ\ ̄\ .| .| | || .〉 / ./ / _,.ゝ
\`''‐- 、、._ \ー、_ゝ ヽ_ゝ\\ / | └――ーi| || | l 、、 / /ι-'''" _,. ‐--ァ
\ `''ー- 、\ ____ \! | ┌一'> 」 || | | | ___/ /'''''7 _,. -‐''"_,.-‐''"
`''ー、 \\ \ ヽ | |二ニヽ ! ./ / /|_〃.| | | | _,.-‐''ン''"_,..-‐''"
`''ー"< ┌" .\ \ ヽ |___ V | ./ 「 .| | | / / ̄/ > `‐''"
ヽ ヽ__\ ,| ヽ ┌‐ァ /_,..-‐''"> | ./ \/ / ノ / <" / ,/
/ ̄ ̄ ̄ _,,....ゝ ` ヽ ! 「、"< _,.-''" .|./ ,/ ,/ /,/ / /
/_,,...--一'''''"´ ヽ | レ `'' .l/ / /// //
"´ ヽ| //  ̄ `
´真希波・マリ・イラストリアス解体新書
前スレ:アスカ「アスカ解体新書弐」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416137832/)
アスカ「アスカ解体新書弐」の続編にあたります。
アスカ解体新書シリーズはあやめ速報様などでまとめられているようです、ありがとうございます。
●注意
解体新書シリーズはエヴァンゲリオンANIMA及び、公式設定ではないエヴァ2(PS2、PSP)の設定を多く引用、改変し独自設定を行っております。
よって、デアゴスティーニ・ジャパン発行のエヴァンゲリオン・クロニクルの解説と異なる点が多々あります。
エヴァ独特の難解な単語があります。
7年ぶりの書き込みです。時間がかかりましたね。
―――エヴァ8号機エントリープラグ内
「ふーん、サルページされる意思はあったんだねぇ」
エヴァのコアからのサルページ。
それはサルページされる側の意思なくしては成立しない。
このことは過去の経験上からも自明の理だ。
「アスカの声に反応したのかニャ? 愛されてますなぁ」
頬の緩みを感じながらマリは端末を操作して、運ばれている少年の姿をプラグ内に表示する。
「さてさて、今回の君はどんな匂いがするのニャ。碇シンジ君?」
久しぶり過ぎて行間がいまいちわからんorz
―――ヴンダー通路内
ゆっくりと瞳を開く。どうやら手足を拘束され、どこかに運ばれているようだ。
状況を確認しなくてはならない。
「こっちに銃を向けている職員が四人......」
「言葉は話せます。意識は戻ったようです」
独り言に反応して、どこかに連絡とっている二十歳ぐらいの若い女性。
シンジはその姿をよく知っている。
「ナツミちゃんだよね。えっと……僕、何かドジをしちゃったのかな?」
その問いにナツミと呼ばれた女は一瞬困惑の表情を顔に浮かべる。
が、シンジの問いは無視される。
「最後に覚えている光景は何ですか」
「……ジオフロントを全体的に?」
「はい……どうやら記憶の継続性も認められます」
「継続性? 僕はエヴァからサルページされたんですよね?」
「……モニターに映った顔は誰ですか?」
「僕……ですけど」
「自己認識、時間認識もおおまかにあるようです」
畳みかけるような質問と報告の嵐。
シンジは今の自分が聴収される立場であることを理解する。
しかし、次の彼女の言葉は彼にとっては予想外だった。
「ただ、私の名前を誤認しています」
「へ?」
―――ヴンダー 艦橋
「指令室? 上にいるのは……ミサトさん?」
拘束を解かれた後、辺りを一通り見渡してから、シンジはこちらに背負を向けた、かつての保護者の名前を呼ぶ。
「碇シンジ君……でいいのよね?」
「そうね。表層面の情報では」
短髪になったリツコが端末に表示された情報を提示する。
「深層シンクロテストの結果……でたわね。シンクロ率、0.000000001%。オーナインよ」
「どこかで聞いた数字ね。つまり?」
「物理的、肉体的には確実に碇シンジ本人。神経パルス波長と声紋はクリアしているわ。ただし、初号機が彼を受け付けない」
「予想とは少し違うわね」
少し考える仕草をするミサト。
「サルベージ時に変質した可能性が高いわ」
「……成程。碇シンジ君」
「はい」
「彼女のお兄さんの名前は」
ミサトはサクラを指さす。
「鈴原トウジです」
「もう一人、仲の良かったあなたの友人の名前は」
「相田ケンスケです」
「……頸部へのDSSチョーカーは装着済みよ。葛城艦長」
キーをミサトに渡す。
「よろしい。では、鈴原少尉」
「はい!」
「彼を隔離室へ」
―――ヴンダー 検体、BM-03隔離室
「えっと、碇さんの管理担当医官、鈴原サクラ少尉です! よろしくです」
姿勢を正してお辞儀をする。
関西弁訛りを隠せていないことが、彼女を実年齢より幼く見せる。
「名前、間違えてごめん」
「いえ、混乱されていたと思いますので。それにナツミっていう名前はお父ちゃんが考えていた名前の一つだったので」
「そうなんだ」
「はい! あれ? 碇さん何でそれを知ってるんです?」
当然の疑問にシンジは早口で答える。
「う、うん。お見舞いに行くって話の中で、トウジからね」
「そういえば......サクラさんの退院祝い出来なかったな。後遺症とか大丈夫?」
「はい! お陰様で。こんな風にもうピンピンしてます!」
あからさまな話題のすり替えを気にもせずに、サクラはその場でジャンプして見せた。
「遅くなったけど、退院おめでとう」ニコッ
「ありがとうございます。ふふ......」
「どうしたの?」
「いえ、夢みたいだなって。今では私のほうが年上で」
「まるで僕が浦島太郎?」
「ホンマですね」クスッ
微笑んでいるサクラを好ましく思いながら、シンジは居住まいを正す。
「改めて、再開を祝してじゃないけど、僕にも自己紹介をさせてください」
「はい」
「仮称、碇シンジです。BM-03じゃなくて名前で呼んでもらえればうれしいな」
「ふふっ、ごめんなさい。碇さん」
「シンジで構わないよ」
「......じゃあ、シンジさん、で」テレッ
「(カヲル君ムーブすごい)」
―――ヴンダー 通路内
「チッ」
わざとらしく舌打ちをして、片手に通信機を持ちながらノッシノッシと式波アスカはあてもなく歩く。
そのあからさまな不機嫌な様子に、他の職員たちは無言で道を譲る。
『折角、王子様のところまで行ったのに~? 部屋の前でUターン』
茶化すようなマリの声が通信機から漏れる。
『おまけに、色んな物に当たり散らしながら。嫉妬かニャ?』
「嫉妬じゃない!」ドンッ
空のドラム缶が盛大に凹む。
『今更隠す必要ないと思うんだけどなぁ姫~』
「隠すって何をよ!」
『屈折した、こ・い・ご・こ・ろってヤツ』
「……そんな甘ちょろいもんじゃないわよ」
複雑な感情と共に吐き出された言葉をマリは茶化さず、ウンウンとうなずく。
『しっかし、わんこ君のパーソナルデータ、予想とはちょっち違うくない?』
「どの辺りがよ」
『なんというか……前の彼はもっとナイーブだったじゃん?』
疑問形に言うがシンジとマリは一度しか会ったことが無い......筈だ。
『それがまさかのプレイボーイムーブ。男子三日会わざれば刮目して見よってヤツ?』
「何よそれ……馬鹿馬鹿しい!」
そう言いながらも、アスカの心の中では期待が高まっていた。
碇シンジという少年がもしかすると、自分の苦悩を分かち合ってくれる存在かもしれない。
そんなバラ色の未来を夢想していた。
すみません、三点リーダーがぶれていますね。真ん中で統一します
―――ヴンダー 仮称碇シンジ隔離室
「(成程ね。今まで経験した中でもかなり手厳しい)」
シンジは目を閉じ、感覚を研ぎ澄ます。
彼にとって、ヴンダー内の職員の動きや様子を察知することは造作もない。
「(艦の主機……初号機へのアクセスは向こうからロックされているな)」
艦後方に配置されている初号機にアクセスを試みるが、特にエントリープラグとコアには結界ともいえる固いガードがある。
「(なら、次点としては……)」
ならばと、ガード越しに中を覗き込もうとする。
だがその前に隔離室の扉が勢いよく開かれた。
「14年後の世界はどう? バカシンジ」
「……アスカ!?」
ハッとシンジは顔を上げる。
その様子を見ながらアスカはツカツカとシンジに歩み寄る。
「……」
「……」
お互いに沈黙し、探るようにジロジロと見合う。
その状況に耐えきれず先に口を開いたのはシンジだった。
「……えっと。来てくれたのは嬉しいけど、なんで黙ったままなの?」
「……」ギロッ
「睨まないでよ」
「おかしい」
「へ?」
シンジの戸惑った表情に呆れたようにアスカは言う。
「バカシンジは“来てくれたのは嬉しい”なんて気の利いたセリフは言わない」
「……もしかしてアスカ。僕を馬鹿にしに来たの?」
「馬鹿にしてない」
「あ、そう」
なら何故ここに来たのか。目的があるはずだ。
「えっと、なら僕に何か用事?」
「別に」
「……困ったな」
下を向く。
「アスカと話せると思って嬉しかったんだけどな」
さらりと、ごく自然にシンジは浮ついたセリフを言う。
アスカは思いがけない言葉に目を丸くした。
「駄目ね、抑えきれない。ずっと我慢してたし……」
顔を伏せ、ワナワナと肩を震わせる。
「あんた、あたしが知っているシンジじゃない!」
「……そうかな?」
惚けるシンジにアスカは深く息を吸って、吐き出すように叫ぶ。
「“でも、アスカへのこの気持は本物だと思う。―――好きです。本当に好き”」
「……」
「とんだキザ野郎ね。このッ、キザシンジ!」
「キザシンジって……流石にそれは」
「……あんたは“この娘”に告白をしたシンジ。そうよね?」
左目を指さしながら淡々と言葉を紡ぐ。
「……ごめん」
「そこで謝るんだ。……あんた、バカシンジじゃないのに」
その声には安堵と失望の色が同じ割合で混じりあっていた。
今日はここまでです。ブランクが開きすぎて手が震えますね。
前作の次回予告タイトルから“withサクラ”が抜けているのは、仕様です。
巷の怪文書で自分が満足してしまったので、すみません。
投稿は不定期ですが、今月中には終わらせたいです。
ふむ、期待させてもらおう
待ってた
ちょっとだけ再開します
公式が興行収入100億に届きそうなタイミングでマリの正体を確定させてしまう可能性が一番怖かったり
旧エヴァもシン・エヴァもLASであるというのが自分の解釈ですし、それにそって書いていきます
―――ヴンダー 生命種保存カプセル設置エリア
「ということで、ミサト。コイツにDSSチョーカーは意味をなさないわ」
シンジを無理やり連れだしたアスカは、開口一番に、そう言い放った。
リツコとミーティングをしていたミサトは突然の二人の来訪に驚くが、直ぐに頭を切り替える。
「―――彼の正体が仮に分かったとしても外すつもりは無いわ」
「安全装置ですからね」
何か言いたげなアスカを手で制しながら、事も無げにシンジは言う。
そんなシンジの姿にリツコは感心する。
「ご名答。説明が必要かしら?」
「いえ別に。あっても無くても一緒ですし。でも、どのみち僕じゃエヴァ初号機は起動できません」
「シンクロ率が0%ですもの。当たり前だわ」
「......それでも生き残ったリリンにとって僕は脅威でしょう?」
薄笑いを顔に浮かべるシンジに戸惑いながら、ミサトはその疑問に答える。
「そうね。ただ、あなたが碇シンジ君であることを、私たちは信じているわ」
「ありがとうございます。ミサトさん。その言葉だけで充分です」
「……」
アルカイックスマイルを崩さないシンジ。
それを見て、ミサトは彼が人ならざる者である事を本能的に感じ取り、リツコに強い視線を投げる。
だが、その視線を受けたリツコは首を静かに横に振った。
「あなたに聞きたいことが沢山あるのだけれど、見て分かる通り、クルーは慢性的な人手不足です」
「そうですか」
「今は当艦の安定運転の確立が最優先。質問は後日にします」
「出来ることがあれば協力します」
シンジは最後まで笑みを崩さなかった。
―――ヴンダー 医務室
「大尉、それ」
定期検査終わりのシンジを急に連れ出した張本人の再登場に苛立ちを感じながら、サクラはアスカが手にしている物を指さす。
「あいつのDSSチョーカーのキー」
「分かります。けど、なんで」
「葛城大佐は付き合いの長いあたしが判断しろって」
「!? そんな、何で大尉が碇さんの生殺与奪権を!」
担当医官として看破できない。
―――勿論、それ以外の感情もあるが、階級差をもろともせずにサクラはアスカに食って掛かる。
その凄みにギョッとするアスカ。
何とも言えない緊張感が二人の間に漂う。
が、その空気を雲散させたのは、本来ここに来ることが滅多に無い人物だった。
「二人とも、そう、興奮しなさんなって」ポンポン
「イラストリアス大尉!」
「マリって呼び捨てでいいって。それに姫のこれは大佐と姫の屈折した愛情表現ってやつだよ」
二人の肩を同時に叩いてマリは怪しげな視線をアスカに送る。
「あんたねぇ……!」
「戻って来た彼は昔の彼とはちょっと違う。だ~けども~? みたいな~?」
「もしかして、大尉。シンジさんをずっと?……ホンマですか!」
目をキラキラさせるサクラ。アスカの背筋に冷たいものが走る。
「何であたしがあんな冴えない奴なんて!」
予想通りの反応をするアスカを見てニヤニヤと笑うマリ。
「戦艦の中は娯楽が少ないから大目に見てちょ!」
「だからってゴシップ扱いされるのは心外よ!」
終わりが見えないガールズトーク。
それが終わったのは当然、シンジの登場によってだった。
「アスカ? 何だ、医務室に来てたんだ」
「……ん」
努めて平静を装うアスカ。
ここで過剰反応してしまうのは得策ではない。
「えっとマリ……さんでいいのかな? こんにちは」
「ちーす、王子様。姫が可愛すぎて生きるのがツライ」
「はは……。あまりからかうと喧嘩になるから程々にね?」
「にゃははは! さっすが! 私より姫の操縦方法分かってそう!」
そんなやり取りを聞いていたサクラは熱のこもった視線をシンジに向ける。
「シンジさん、大人や」
「……ほんと、調子狂うわね」
嫌そうな、それでいて嬉しそうにアスカは呟く。
動悸が激しくなり、喜びが内面から湧き上がっているのを自覚する。
感情が薄くなっていたはずの自分の身体に起こった変化に戸惑いながら、気を取り直して腰に手を当てる。
「大体、なんでこいつもう一人で出歩いていんのよ!」ビシッ
「運動の為に重要度の低いエリアへの立ち入りが許可されましたから」
「あ、そう。なら」グイッ
昔の調子でシンジの耳を引っ張る。
「いてて……アスカ。僕、今から採血なんだけど」
「ちょっとぐらい付き合いなさいよ! 気が利かないわね!」グイグイ
今日は以上です。
今更ですが、本作はシン・エヴァのネタバレがあります。
文章の書き方が変わったのは会話形式だと説明口調が多すぎてしまうという判断と、
往年のエヴァFFへのリスペクトだと思っていただければと思います。
エヴァキャラは他人に言ってると見せかけて自分自身に言い聞かせていたりする事が多く、対比も多いので、
旧エヴァのアスカ→シンジの感情が当時、中々伝わりにくかったのではと思っています。
一作目解体新書はその辺をアスカ人的解釈での理解で整理する為に書いた記憶があります。
そういう意味では今回公式で「好きだった」と言ってくれたのは最高でしたね。
本職の物書きではないので拙い点があろうかと思いますが、もうしばらくお付き合いいただければ幸いです。
本当に待ってました
シンエヴァはLASエンドだと考えられるけど
最後は映像で欲しかったんだよな…
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