【コンマ】渚カヲル「みんなからのシンクロ率が、きっと君を導いてくれるさ」 (517)

前スレ
【コンマ】碇シンジ「みんなとのシンクロ率がわかる機械……ですか」

【コンマ】碇シンジ「みんなとのシンクロ率がわかる機械……ですか」 - SSまとめ速報
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六行でわかる前スレのあらすじ
1、相性や好感度みたいなのがわかるようになって
2、アスカとミサトが大荒れで
3、青葉とリツコが可哀想で
4、ゲンドウと冬月がいい上司
5、でもシンジが救われなかったので
6、今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399220112

マリ「まあ、とにかく私はいないんだね。ワンコ君の記憶の中では」

シンジ「うん……」

マリ「それに綾波レイが吸収されてないんだ」

シンジ「吸収?」

マリ「あのバカみたいに強い使徒はワンコ君が倒したんでしょ? そしてニアサードも起きてないと……」

シンジ「ニアサード??」

マリ「そ。こっちじゃその後、色々あったからね」

アスカ「マリ。いいわ、今は……。話がややこしくなるし」フイッ……

ミサト「…………」


マリ「やれやれ……。りょーかい」

マリ「とにかくまあ、押してくよ。私もこの際、はっきりさせといた方がいいと思うしね」

マリ「特にワンコ君。君に関して」

シンジ「僕?」

マリ「そう。……ま、後でわかるよ」

マリ「そーれっと」ピピッ


マリ→シンジ コンマ↓1
マリ→アスカ コンマ↓2
マリ→サクラ コンマ↓3

マリ→シンジ 42%
マリ→アスカ 60%
マリ→サクラ 17%


シンジ「……こんなものなのかな? 僕はよくわからないけど……」

ミサト「……妥当と言えば妥当ね」

リツコ「そうね」


アスカ「アタシ、こんなものなのね……。良かったような良くないような……」ボソッ ←マリへのシンクロ率、87%


サクラ「何でうちだけ、こないに低いんですか……」ズーン

マヤ「今はまだ何とも……。ただ嫌われているんじゃなくて、ほとんど興味がないだけかもしれないから」

サクラ「どっちにしろ、ちょっとショックですわ。この数値は……」ハァ……



マリ「で、次は艦長達だね」ピピッ


マリ→ミサト コンマ↓1
マリ→リツコ コンマ↓2
マリ→マヤ  コンマ↓3

マリ→ミサト 04%
マリ→リツコ 05%
マリ→マヤ  14%


ミサト「」
リツコ「」
マヤ「」


アスカ「……アンタ。むしろ、何でここにいるのよ?」

マリ「もう完全に成り行きだね。仕方なくかな」フゥ


サクラ「うち、まだマシな方やったんか……」

シンジ「そう考えると、僕って結構高いのかな……?」

アスカ「60%のアタシが一番高いからね。ていうかもうチルドレン以外に心を開いてないわよね、これ」


マリ「にゃーにゃーにゃー♪」

アスカ「歌って誤魔化してるし……」

ミサト「マリ……。あなた、私達を信用してないのね?」

リツコ「そういう事よね?」

マリ「まあ、ぶっちゃけちゃうとねえ。信用に足らないからねえ、艦長達は」


ミサト「ああ、そう」ヒクヒク ←マリへのシンクロ率、69%

リツコ「残念ね」ヒクヒク ←マリへのシンクロ率、65%

マリ「おー、怖い怖い♪」ニヤリ



マヤ「艦のトップ2に対して揃って一桁だから……。そうなるわね」ヒソヒソ

サクラ「私たちはオマケみたいなもんですね、きっと」ヒソヒソ


アスカ「」ハァ……

アスカ「まさか、こんな結果になるとはね……」

シンジ「見た感じ、明るくて人懐こそうなんだけどなあ……」

アスカ「人懐っこいからって、好きだとか信用してるかどうかは別物という事ね。性格よ、あんなの」

シンジ「確かにそうかも……」チラッ


マリ「♪」

マリ「さーて、それじゃ次はサクラいってみよー」

サクラ「いい!? うちもですか!」

マリ「事のついでだよ。ほら、パース」ポイッ

サクラ「わ、っとと」キャッチ


サクラ「あのでも、これうちが押す必要は……」チラッ


ミサト「押してもらおうかしら、サクラ」ヒクヒク

リツコ「そうね、押して」ヒクヒク


サクラ「いつの間にか、踏み絵的な感じに……!!」


アスカ「諦めた方が良さそうよ、サクラ。押したら」

サクラ「せやけど……この雰囲気の中で押すんはちょっと抵抗が……」オロオロ

アスカ「大丈夫よ。どんな結果だろうとアタシが守ってあげるから」

アスカ「だから安心しなさい」←サクラへのシンクロ率、91%


サクラ「式波さん……」

アスカ「」ニコッ


サクラ「……わかりました。ほな……」

サクラ「押します」ピピッ


サクラ→シンジ コンマ↓1
サクラ→アスカ コンマ↓2
サクラ→マリ  コンマ↓3

サクラ→シンジ 85%
サクラ→アスカ 68%
サクラ→マリ  01%


マリ「おおっとっと……私、ひっくいねえ……」

マヤ「でもまあ、さっきのがあるし……。ある意味、納得出来なくもないけども……」


アスカ「アンタが何でアタシより高いのよ! いっつも美味しいとこはアンタばっかりで! どうなってるのよ!」

シンジ「え、いや、そんなのわかんないよ!」アセアセ


ミサト「サクラ少尉はシンジ君とは縁があったから、最初に接触を頼んだのだけど……」

リツコ「恨み的な感情も持っていなかったから、ぴったりの人物だったのよね」

ミサト「ただ、問題はこの後」

リツコ「そうね」


サクラ「ほな、いきます」ピピッ


サクラ→ミサト コンマ↓1
サクラ→リツコ コンマ↓2
サクラ→マヤ  コンマ↓3

サクラ→ミサト 27%
サクラ→リツコ 03%
サクラ→マヤ  90%


ミサト「ぐっ……!」

リツコ「もう嫌!! こんな艦に乗ってるのはもう嫌よ、私っ!!!!」ガンッ!! ガンッ!!!!


マヤ「先輩……! 壁パンはやめて下さい!」アセアセ


シンジ(でも、リツコさんだし……)

アスカ(仕方がないわね)


マリ「私と同じでヴィレを信用してない組か……」

サクラ「まあ、正直……。裏切ってこの組織立ち上げてる訳ですし、うちかていつトカゲの尻尾切りされるかわかんないですから……」

マリ「にしても、マヤにだけは高いね?」

サクラ「いや、だってマヤさん、カッコいいじゃないですか//」ドキドキ


シンジ「ん?」

アスカ「え? え??」オロオロ

マリ「え、何、サクラ。そっち系?」

アスカ「ちょ、ちょっとサクラ、そうなの!?」


サクラ「いや、そんなんちゃいます!」アセアセ

サクラ「ただ、なんちゅうか憧れみたいなそんな感じで//」


マリ「うーん……。ワンコ君にもかなり高いし、ギリギリセーフ的なそんなとこ……?」ヒソヒソ

アスカ「た、多分そうだと思うけど……」ヒソヒソ


マヤ「……ちなみにサクラ少尉。リツコ副長のが極端に低い理由は……」

サクラ「特に理由はないです。髪型とか、喋り方とか、何となく好きになれないだけで」


リツコ「嫌!! 嫌!! もう嫌!!」ガンッ!! ガンッ!! ←サクラへのシンクロ率、75%


マリ「あらら……荒れてるねえ」

アスカ「そういうアンタはリツコより低いんだけど?」

マリ「私は別にどうでもいいから」←サクラへのシンクロ率、17%

アスカ「ま、そうなるわね……」

ミサト「……サクラ少尉。後で少し話をしてもいいかしら」ヒクヒク ←サクラへのシンクロ率、77%


マリ「ちょいと前まで、感激しました! とか言ってたのにねえ」

サクラ「まあ、そこは大人のお付き合いいう事で」

マリ「ちなみに何で私、こんな低いの?」

サクラ「艦長達と同じです。マリさん、信用出来へんですから」ツンッ

マリ「うーん……そこを言われると辛いにゃあ」


シンジ(でも、どっちもどっちな気が……)

サクラ「えっと……碇シンジさん」

シンジ「え、あ、はい……」

サクラ「碇さんの事はお兄ちゃんからよう聞いてました。ひょっとして気分悪くされるかもしれないですけど、うち、碇さんには深く同情してますから」

シンジ「お兄ちゃん……?」

サクラ「はい。私の名前、鈴原サクラいいます。鈴原トウジの妹です」ニコッ

シンジ「トウジの……? お姉さんじゃなくて? あ、でも、さっき14年も経ってるって……」

サクラ「はい。なんで、一応私の方が年上いう事になりますけど。でも、うちにとってはお兄ちゃんの大事な友達ですし」

シンジ「トウジの……」

サクラ「もちろん私自身も碇さんには感謝してます。こんな状況になってしまいましたけど……でも、それは碇さんだけのせいではありませんから……」

シンジ「こんな状況……?」

サクラ「…………はい」

シンジ「えと……それって……」

サクラ「……艦内ではシンジさんに対して恨みとかそういうの持ってる人が多いですけど、私はシンジさんの味方なんで。覚えといて下さいね」ニコッ

シンジ「あ、うん……」

シンジ(それは嬉しいんだけど……)

シンジ(こんな状況……?)

シンジ(誰もその事について教えてくれないし……)



アスカ「…………」

ミサト「それじゃあ最後はマヤね……」チラッ

リツコ「……」ガンッ!! ガンッ!!


アスカ「ちょっとリツコ、いい加減に壁パンやめなさいよ」

マリ「そうだね。迷惑だよ」

シンジ「正直、大人げないですよね」

サクラ「そんなんだから人から好かれないんとちゃいますか?」

ミサト「副長、うるさいからやめて」


リツコ「」


マヤ(圧倒的アウェー感が先輩の周りに見える……!!)

リツコ「」シクシク……


マヤ「えっと、あの、じゃあ押しますから……」


リツコ「」チラッ

マヤ(見られてる……!)


リツコ「マヤ……。今更、虫のいい話だけど、あなただけは信じてもいいかしら……?」グスッ ←マヤへのシンクロ率、38%

マヤ「あ、いえ、その……!」アセアセ

リツコ「やっぱりあなたもなの……?」シクシク


マヤ「お、押します!」ピピッ


マヤ→シンジ コンマ↓1
マヤ→アスカ コンマ↓2
マヤ→マリ  コンマ↓3

マヤ→シンジ 75%
マヤ→アスカ 63%
マヤ→マリ  24%


シンジ「あ……」

アスカ「またアンタの方が高いの?」

マリ「私はまたひっくいなあ……。とはいっても相手からの方が高いから何とも言えないんだけどねえ」←マヤへのシンクロ率、14%


シンジ(印象は変わってもマヤさんはマヤさんなのかな……。ちょっと低くなったけど、今のところ、前とそれほど変わりがない……)


ミサト「まあ、今はもうシンジ君の事はいいのよ。私たち昔の知り合いは誰もシンジ君を恨んでなんかいないんだから」

リツコ「そうね。問題はそれよりもこの後……」

ミサト「私たち、ヴィレの事をどう思っているかよ」


マヤ「お、押し辛いです。そんなにプレッシャーをかけられたら!」


ミサト「いいから押しなさい。伊吹整備長」

リツコ「信じさせて……マヤ」グスッ


マヤ「くっ……!」

マヤ「お、押します!」ピピッ


マヤ→サクラ コンマ↓1
マヤ→ミサト コンマ↓2
マヤ→リツコ コンマ↓3

マヤ→サクラ 76%
マヤ→ミサト 13%
マヤ→リツコ 63%


ミサト「わ、私が……!!」ガクッ

リツコ「マヤ!」パァッ


アスカ「ていうか、一番高くて63%じゃないの……」ボソッ

マリ「んー……。伊吹整備長は副長派か……。慎重路線なのかにゃ」

アスカ「単に、仲がそれなりに良いだけなんじゃないの? 歳をとったから少し大人しめになってるだけで」

シンジ「……ミサトさんは。やっぱり信用されてないのかな」ボソッ

ミサト「やっぱり……!?」ピシッ



サクラ「ちゅうか、私、それなりに気に入られてたんやな// 嬉しいわあ//」


マヤ「初めに言っておくけど、私にはそういう趣味はないから。サクラ少尉」

サクラ「わかってます。でも、やっぱ嬉しいですわ//」ニコッ


リツコ「良かった……。良かった」グスッ

リツコ「私はここにいてもいいのね……」グスッ


アスカ「だから、それでもたかだか63%だっちゅーの……」ボソッ

サクラ「それにしても……」

マリ「んー……」

マヤ「ここ、大丈夫なの?」


ミサトへのシンクロ率(高い順)
アスカ→ 83%
リツコ→ 62%
サクラ→ 27%
マヤ→  13%
マリ→  04%


ミサト「……うぐっ」


サクラ「赤木副長は言わずもがなですしね」

マリ「艦長、副長からクルーへの信頼はあるのに、クルーから艦長、副長への信頼がない艦ねえ……。ネズミも逃げ出すよ、こりゃ」

マヤ「さっきの戦闘も無茶でしたしね……」ジロッ


ミサト「私が悪いの、これ……!?」

リツコ「まだ私を責める気なの、あなた達……!?」

アスカ「とにかくまあそういう事。途中から目的がちょっと変わっちゃったけど、私達がアンタの記憶の中の人物とは別人だってこれでわかったでしょ?」

シンジ「う、うん……」

シンジ(リツコさんだけは、同一人物の様な気がするけど……)チラッ


ミサト「」ズーン……

リツコ「」ズーン……


マリ「何か二人ともショックをかなり受けたみたいだね。当然と言えば当然か……」

サクラ「まあ、これを機にもう少し変わってもらえれば……」


シンジ「そういえば、アスカ。綾波は……? ここにはいないの?」

アスカ「」ピクッ


マヤ「」ハァ……

しばらく休憩
多分、また後で

とりあえず、ここまでのまとめ

シンジ
⇔ 73 アスカ
⇔ 42 マリ
⇔ 85 サクラ
⇔ 84 ミサト
⇔ 83 リツコ
⇔ 75 マヤ

アスカ
73 ⇔   シンジ
87 ⇔ 60 マリ
91 ⇔ 68 サクラ
83 ⇔ 98 ミサト
19 ⇔ 73 リツコ
37 ⇔ 63 マヤ

マリ
42 ⇔   シンジ
60 ⇔ 87 アスカ
17 ⇔ 01 サクラ
04 ⇔ 69 ミサト
05 ⇔ 65 リツコ
17 ⇔ 24 マヤ

サクラ
85 ⇔   シンジ
68 ⇔ 91 アスカ
01 ⇔ 17 マリ
27 ⇔ 77 ミサト
03 ⇔ 75 リツコ
90 ⇔ 76 マヤ

ミサト
84 ⇔   シンジ
98 ⇔ 83 アスカ
69 ⇔ 04 マリ
77 ⇔ 27 サクラ
20 ⇔ 62 リツコ
88 ⇔ 13 マヤ

リツコ
83 ⇔   シンジ
73 ⇔ 19 アスカ
65 ⇔ 05 マリ
75 ⇔ 03 サクラ
62 ⇔ 20 ミサト
38 ⇔ 63 マヤ
99 ⇔ 25 青葉
17 ⇔   日向
32 ⇔   ミドリ

マヤ
75 ⇔   シンジ
63 ⇔ 37 アスカ
24 ⇔ 17 マリ
76 ⇔ 90 サクラ
13 ⇔ 88 ミサト
63 ⇔ 38 リツコ

アスカ「……いない」

シンジ「そう……なんだ」

アスカ「それより……アンタの記憶の中では、綾波レイはどうなったのよ?」

シンジ「綾波は……」


シンジ「最後らへんで、何故か急に僕に冷たくなって……」

シンジ「その後はよくわからないけど、ネルフが襲撃されて……」

シンジ「それでミサトさんに無理矢理エヴァに乗せられて出撃したら、巨大な綾波が出てきて……」


アスカ「巨大な……?」

マリ「よくわからないね、そこんとこ」


シンジ「で、でも、ここは僕の知っている世界じゃないから! だから綾波も無事なんじゃないかって……!」

シンジ「ここにいるんじゃないかって……!!」


アスカ「…………」
ミサト「…………」
リツコ「…………」
マヤ「…………」

シンジ「教えてよ、アスカ。綾波は? 綾波は今どこにいるの?」

アスカ「それは……」フイッ……


シンジ「それにこの首輪も……。これは一体何なの? 何で僕にこんな物がつけられてるの?」

ミサト「…………」フイッ……
リツコ「…………」フゥ……


シンジ「そもそも、ここでは何があったの? 僕の記憶の中とどう違うの? 教えてよ、アスカ」

アスカ「……ごめん。アタシの口からは言いたくない……」

アスカ「ごめん。シンジ……」フイッ……


シンジ「え……? 何で? どうして……?」

シンジ「教えてよ、アスカ……!」

アスカ「…………ごめん」ボソッ


ミサト(言いたくないのは全員が一緒よ。言えばショックを受けるに決まっているもの)

リツコ(シンジ君の事を考えると、今はまだ言わない方があの子の為ね……。せめてもう少し落ち着いてからでないと……)

マヤ(DSSチョーカーも、他の人の手前外す訳にもいかないし……。辛い立場ね、艦長も副長も……アスカも)

サクラ(ゆっくり説明していくしかあらへんからな……。碇さん、繊細な心の持ち主らしいし……。記憶の一件もあるし……)

アスカ「とにかく……アンタの知っている綾波レイはここにはいない」

アスカ「それ以上はアタシの口からは言いたくない」

アスカ「過去に何があったのか……。そんなものは今はどうでもいい」

アスカ「アンタはとりあえずアタシ達で保護するから……。それに従って」


シンジ「保護って……。それってつまり、ずっとこんな感じでこの部屋に閉じ込められているって事?」

ミサト「そこが一番安全なの。自由に艦内を動き回られる訳にもいかないし」

リツコ(下手したら、殺される可能性もあるのだから、当然ね)


シンジ「それって……つまり監禁じゃないですか! 嫌ですよ、そんなの!」

シンジ「ここから出して下さい! お願いです、ミサトさん!」

ミサト「それはダメよ。悪いけど、あなたにはそこにいてもらう。そうしなければいけない理由があるの」

リツコ「監禁というのは否定はしません。ですが、これはあなたの為を思っての事です。大人しくこちらの指示に従ってちょうだい」

シンジ「思っての事って……!! だったら説明して下さいよ!! 何で説明さえしてくれないんですか!!」


ミサト「…………」
リツコ「…………」

ミサト「……詳しい説明は後日します。あなたの記憶の件もあるし、もう少しここでの生活に落ち着いてからで」

シンジ「落ち着いてって……!」


ドウンッ!!!!!!!!


シンジ「!?」

シンジ「何……!?」


ピーッ、ピーッ、ピーッ


ミサト「」ガチャッ

ミサト「私です」


『後甲板です! いきなり取りつかれました!』


ミサト「本命のお出ましか」

ミサト「アスカ、マリ。急いで迎撃に向かって」

アスカ「わかった!!」タタタタタッ

マリ「合点承知!」タタタタタッ



ミサト「総員第一種戦闘配置! 初号機保護を最優先!」



シンジ「ミサトさん! 一体何が来たんですか!? 新しい使徒ですか!?」


《碇君……どこ?》


シンジ「綾波!?」

シンジ「今の、綾波の声ですよね!? ミサ」


ブンッ

シンジ「ガラスが……壁に……!」

シンジ「何で!!」


シンジ「やっぱりミサトさんやリツコさん! それにアスカは前のままなの!?」

シンジ「あの器械自体、偽物なの!?」

シンジ「僕を……僕を騙そうとしてたの!?」

サクラ「避難の準備が出来ました! 碇さん、こっちへ!!」


《碇君……どこ?》


シンジ(やっぱり綾波だ……!)


サクラ「碇さん、急いで!!」

シンジ「綾波!! 僕はここにいる!!」


ガシャンッ!!!!


シンジ「!?」

サクラ「壁が……!?」

『右舷中央部に損傷!!』

『第一装甲板に亀裂発生!!』


シンジ「エヴァ……!」

シンジ「零号機……!」



《碇君……こっちへ》


シンジ(綾波……)



ミサト「ダメよ、シンジ君!! ここにいなさい!!」


シンジ「ここにって……」

シンジ「ここにいて何になるんですか!? 僕はずっと監禁されるんですよね!!」

シンジ「そんなの嫌ですよ! 説明さえもしてくれないで、そっちの好き勝手な事ばかり!!」←旧ミサトとリツコへのシンクロ率、20%と35%

シンジ「また前みたいに僕を利用するだけ利用する気なんじゃないんですか!?」


ミサト「違うわ! それに、私はあなたを利用しようとした事なんて一度もないわよ!!」←シンジへのシンクロ率、84%

リツコ「シンジ君、私達を信じて! そちらに行ってはいけない!! それこそ利用されるだけよ!!」←シンジへのシンクロ率、83%

サクラ「碇さん! さっきその目で見たやないですか! 私達から碇さんへのシンクロ率を!!」←シンジへのシンクロ率、85%

シンジ「でも……!!」

マヤ「シンジ君! 私達はあなたの事を思ってしてるのよ!! 信じなさい!!」←シンジへのシンクロ率、75%


シンジ「マヤさん……」←旧マヤへのシンクロ率、66%

ドウンッ!!!!


シンジ「砲撃!?」


ドウンッ!!!! ドウンッ!!!!


シンジ「やめて下さい、ミサトさん!! あれには綾波が乗っているんですよ!!」←旧レイへのシンクロ率、80%


ミサト「違うわ! あれに乗っているのはレイじゃない!!」

ミサト「レイはもういないのよ!! あなたが助け出したレイはいないの!!」

ミサト「そして、あなたの記憶の中にあるレイとも違うわ!!」


シンジ「嘘だっ!!」

シンジ「だって、どう見ても零号機じゃないですか!! それにさっきから綾波の声が!!」


《碇君……こっちへ》


シンジ「ほら!!」

シンジ「綾波じゃないですか!! どう聞いても綾波じゃないですか!!」


ミサト「違うのよ!! あれに乗っているのはレイじゃない!! 別人よ!!」


シンジ「ミサトさんの嘘つきっ!!!」

シンジ「やっぱりミサトさんはミサトさんなんだ!! もういいよ!!」

シンジ「」ダダッ


サクラ「碇さん!!」

サクラ「戻って下さい!! ダメです!! そっちに行ってもろくな事なんかないです!!」


シンジ「……だけど!」


サクラ「碇さん!! お願いです、戻って下さい!! 私の事、信じて下さいっ!!」


シンジ「…………」



シークレットシンクロ率
シンジ→マリ  コンマ↓1
シンジ→サクラ コンマ↓2

シンジ→マリ  48%
シンジ→サクラ 02%


シンジ「……そもそも」ボソッ

サクラ「……?」

シンジ「トウジの妹だって証拠がある訳でもないのに!!」

サクラ「碇……さん!?」

シンジ「信じられる訳ないよ!! 君の事なんて!!」

シンジ「関西弁を喋れるからって、ミサトさんに言われてそう名乗っただけじゃないの!?」

サクラ「そんなっ!!」


シンジ「綾波! いいから僕をここから助け出して!!」


グググッ……


ミサト「ダメよ!! このまま逃がす訳にはいかない!!」

リツコ「アスカ、マリ! 急いで!!」

『エヴァ八号機、発進!』

『次いで、エヴァ弐号機改、発進!』


アスカ「アタシが接近して攻撃するから、コネメガネは後ろから援護を!!」

アスカ「射撃のタイミング、今度は合わせなさいよっ!!」


マリ「仰せの通りに。お姫様」




マリ「……って言うとでも思った?」

アスカ「!?」

マリ「おっ先にー!」


ダダダダダダッ!!!!

「それと、姫。ごめんよー! 足止めさせてもらうよ!!」


ドンッ!!!!


アスカ「!?」

マリ「もう一丁!!」


ドンッ!!!!


アスカ「なっ!! ちょっと!! アンタ何やってんのよ!! 何でアタシの邪魔をするのよっ!?」


マリ「ホント、ごめんねー、姫。私はさあ、こんなチャンスをずっと伺ってたんだよね……!」

マリ「八号機と一緒に、ネルフに寝返るチャンスをさあ!!」ニヤリ


アスカ「は!?」


ミサト「マリ!?」
リツコ「あなた、やはり!?」


マリ「想像の通りだよ。お二人さん。八号機は頂いてくよー!」フフッ ←ミサトとリツコへのシンクロ率、04、05%

マリ「零号機のパイロット! 私も一緒に連れてけ!!」


ガシッ!!!


綾波レイ(仮称)「…………」


ググググググッ

ドウンッ……!!!!



サクラ「ジェット噴射!?」


リツコ「ミサト……!! それは……!!」

ミサト「わかってる!! でもっ!!」

サクラ「ダメです!! それを使わんといて下さい!!」

マヤ「艦長……!! DSSチョーカーは!!」

ミサト「…………!!」




ピーッ…………


『OUT OF RANGE』



リツコ「…………」

リツコ「副長より通達。追撃不要。各部、損傷箇所の応急処置と移送作業を」




ミサト「…………」

今日はここまで
多分、また明日

【ネルフ】


シンジ「」ハッ!!




綾波レイ(仮称)「…………」


シンジ「……ここは?」


マリ「お? 起きたかい、ワンコ君?」


シンジ「僕は……」キョロキョロ


マリ「気を失ってたんだよ。生身であれだけのスピードで移動したんだもん。気絶ぐらいはするよ」


シンジ「気絶……」


マリ「身体に異常はないよ。大丈夫。動ける?」


シンジ「うん……平気」


マリ「そ、なら……」チラッ


レイ「こっちへ」

【エレベーター内】


ガガガガ……


シンジ「あの……綾波」

レイ「…………」

シンジ「やっぱり綾波もここにいたんだね。良かった。心配してたんだよ」

レイ「…………」

シンジ「綾波……?」


マリ「……ま、今はね。落ち着きなよ、ワンコ君」

シンジ「?」


マリ「それよりもさ……もうすぐ外の景色が見えるよ」

シンジ「外……?」


ガガガガガ……


シンジ「え!?」

シンジ「……ジオフロントなのに……空が見えてる」


シンジ「これが……ネルフ本部?」

マリ「そ。正真正銘のネルフ本部。……今のね」

シンジ「何があったの? 一体……?」

マリ「聞いたら後悔するよ、きっと」

シンジ「……後悔?」

マリ「ま、その話は後にしときなよ。どうしても知りたいっていうなら教えてあげるからさ」

シンジ「う、うん……」

【旧発令所】


レイ「……ここ」

シンジ「?」

シンジ「エヴァ?」


ゲンドウ「そうだ」

シンジ「父さん!」パアッ ←旧ゲンドウへのシンクロ率、61%。最後に一人だけ残った一番信用出来る人間

ゲンドウ「…………」

シンジ(あれ、でも父さんメガネ変えた……?)

ゲンドウ「エヴァンゲリオン第13号機。お前と、そのパイロットの機体だ」

シンジ「そのパイロット……?」

カヲル「僕さ」

シンジ「いっ!?」

シンジ「何でカヲル君が!?」

カヲル「?」

ゲンドウ「……?」

マリ「おや?」


シンジ「父さん、よく聞いて!! この子は使徒なんだ!!」

シンジ「ダメだよ!! 騙されないで、父さん!! 今すぐ殲滅しないと!!」←旧カヲルへのシンクロ率、36%


カヲル(……何故それを……?)

ゲンドウ(……シンジが知っている?)


マリ「へえ……。使徒ねえ」

マリ「なるほど、なるほど……」ニマリ

マリ「ゲンドウ君。多分、ゲンドウ君が今、疑問に思ってる事については私が答えられると思うけどさ」

ゲンドウ「真希波か……。任務、ご苦労だった」

マリ「なんのなんの、容易いもんさ、こんなん。それよりもさ、ゲンドウ君、ちょいとこれを押してもらえないかな」ポイッ

ゲンドウ「む」キャッチ


ゲンドウ「これは……?」


シンジ「父さん、そんな事よりも今はこの子を!!」


マリ「まあまあ、ワンコ君も落ち着きなよ。ゲンドウ君にしろ、その子にしろ、今すぐどうこうって気はないだろうしさ」

マリ「何せ、まだ第13号機が完成してないからね。そうでしょ、二人とも?」


ゲンドウ「…………」

カヲル「…………」

マリ「とにかくさ。ゲンドウ君、そのスイッチ、私達に向けて押してくれないかな?」

マリ「それによって色々と見えてくると思うんだよね。これまでの事も、これからの事もね」


シンジ「真希波……。でも、あれは……」


マリ「ワンコ君だって知りたいでしょ。この世界の事を」

シンジ「そりゃそうだけど……」

マリ「ならもう、押してもらうしかないじゃん。だよね?」ニマリ

シンジ「……だ、だけど……」チラッ


ゲンドウ「…………」


ゲンドウ「これを押せばいいのだな」

マリ「そうだね。でもその前に冬月副司令もかな。そこにいるんでしょ?」


ゲンドウ「……冬月」

冬月「私までか……」スッ……


マリ「そんじゃま、よろぴくー」


ゲンドウ「押すぞ」ピピッ


ゲンドウ→シンジ コンマ↓1
ゲンドウ→レイ  コンマ↓2
ゲンドウ→マリ  コンマ↓3
ゲンドウ→カヲル コンマ↓4
ゲンドウ→冬月  コンマ↓5

ゲンドウ→シンジ 74%
ゲンドウ→レイ  28%
ゲンドウ→マリ  48%
ゲンドウ→カヲル 98%
ゲンドウ→冬月  02%


シンジ「え!?」

レイ「……この数字は何?」

マリ「へえ……これはこれは」ニヤニヤ

カヲル「僕が98%と一番高いようだけど……これは?」

冬月「逆に私は低いのだな……。この数値に何の意味があるかは知らんが……」


シンジ「父さん!!」

ゲンドウ「……何だ?」


シンジ「見損なったよ、父さんの事!! まさか加持さんの影響なの!!」

ゲンドウ「……??」


マリ「まあ、これはそう取られちゃうよねえ……。にしても、こんな数値で今までよくやってこれたねえ、お二人さん?」チラッ


冬月「……??」

ゲンドウ「どういう事だ、これは?」

マリ「んー……まあ、その前にさあ。ちょいと副司令もそれを押してみてくんないかな」

マリ「事と次第によってはかなり面白くなりそうだしねえ」ニマリ


冬月「……?」

ゲンドウ「これか」スッ

冬月「よくわからんが……とにかく押せばいいのだな?」

マリ「うん。頼んだ」ニマリ


冬月「ふむ……」ピピッ


冬月→シンジ  コンマ↓1
冬月→レイ   コンマ↓2
冬月→マリ   コンマ↓3
冬月→カヲル  コンマ↓4
冬月→ゲンドウ コンマ↓5

冬月→シンジ  27%
冬月→レイ   08%
冬月→マリ   84%
冬月→カヲル  98%
冬月→ゲンドウ 15%


シンジ「副司令まで!?」

マリ「ただれた三角関係!?」

レイ「?」


カヲル「僕はさっきと全く同じ数値だね……」

ゲンドウ「私は低いな……」

シンジ「いやでも、冬月副司令は真希波も高いし……! そんなまさか……!」

マリ「いやいやだけど、私のは信頼とも取れなくはないし、第一、二人揃ってこの高さだよ! おまけに二人の仲が険悪とくればこれはもうアレでしょ!」


冬月「?」
ゲンドウ「?」


レイ「私は二人から低いけど……これには何の意味があるの?」


マリ「ごめん。ちょっと、もうちょっとだけ待って。これははっきりさせておきたいから」

シンジ「でも、どうやって確かめるの、こんなの!」

マリ「他に誰かいればいいんだけど、もういないし……! ああ、もう! 何でここには私達以外、誰もいないのさ!」


ゲンドウ「……一体、何だ、これは」

冬月「さあな。私にわかる訳がなかろう」


カヲル「……?」

レイ「……?」

マリ「ワンコ君、あのさ!」

シンジ「えっと、何?」

マリ「これってもう亡くなった人とかへの数値って出るの!?」

シンジ「え、いやそんなの試した事ないからわかんないけど……!」

マリ「じゃあ、今試してみるよ! 成功したらこれではっきりするから!」

シンジ「え?」

マリ「ちょっとさ、二人とも! そのスイッチ、ユイさんの事を思い出しながら押してみてよ!」


ゲンドウ「ユイ……?」
冬月「ユイ君……?」


マリ「いいから、押して!! これで完全にはっきりするんだから!」

マリ「もう亡くなってから相当経つし、低くない限りは信用してあげるよ、私は!」


ゲンドウ「…………」

冬月「とにかく、押せばいいのだな」ピピッ

冬月「碇も」スッ

ゲンドウ「……いいだろう」ピピッ


冬月  →ユイ コンマ↓1
ゲンドウ→ユイ コンマ↓2

冬月  →ユイ 94%
ゲンドウ→ユイ 05%


シンジ「父さんっっ!!!!!」ダンッ!!!!


ゲンドウ「」ビクッ


マリ「ダメだ、この男……。もう、腐ってるよ」ボソッ


冬月「?」

カヲル「…………」

レイ「…………」

シンジ「父さんの事、信じてたのにっ!!!」

シンジ「裏切ったんだ!! 父さんは母さんの事を裏切ったんだ!!!」ダンッ!!!!


ゲンドウ「」ビクッ


マリ「……それに比べると、副司令はいいやつだよね。ワンコ君とそっちのパイロットには興味ないみたいだけどさ」

マリ「いや、この場合は信用度かな……。あの子については道具として見てるって事? よくわかんないな」


冬月「いや、だから、このスイッチは何だね? それとこの数値は?」

カヲル「それは僕も気になるね。どういう意味があるんだい、これは?」

マリ「まあ、もういっか。これはさあ……」

【説明後】


マリ「って事でねえ」

マリ「ご理解頂けたかな? ネルフのショタホモ君?」


ゲンドウ「」


カヲル「ふうん……。僕の事をそんな風にね……」チラッ

ゲンドウ「」ダラダラ……


冬月「もう補完計画の事など、どうでもいいとか言い出す始末でな……」ハァ……

マリ「なるほど、それで……。にしても、君もかなり高いけど……まさか?」

冬月「私は違う。ユイ君を今でも愛しているからな。唯一の希望たるゼーレの少年に対して高くなるのも当然というものだろう?」

マリ「唯一の希望……ねえ」


シンジ「父さんの事を信じてたのに!!」

シンジ「父さんはまともだと思っていたのに!!」

シンジ「よりによってショタホモなんかになっているなんて!!」

シンジ「母さんの事をすっかり忘れているなんて!!」

ゲンドウ「シ、シンジ……! これはその……!」アセアセ


シンジ「父さんの変態っ!!!」

ゲンドウ「!!」ガーン!!!

マリ「やれやれ、しかしこれ……先にやっといて良かったよ。おかげで内情が大体わかってきたしね」

ゲンドウ「」

冬月「……すまんな、君は計画通り、八号機を奪取してきたというのに」ハァ……

マリ「結構こっちじゃ苦労したんだけどねえ……。まさかこんな事になってるとはさ」

マリ「ねえ、どういう事かな? ゼーレのワンコ君」

カヲル「生憎、僕は預かり知らないところでね」

マリ「どうだか……。ちょっとさあ、君もやってくんないかな、これ」

カヲル「僕もかい?」

マリ「そ。別にやましいところがなければ平気でしょ?」

カヲル「」フッ

カヲル「いいよ。これをみんなに向けて押せばいいんだね?」

マリ「そう。悪いね、わざわざ」

カヲル「いいよ。お安い御用さ」

カヲル「こうだね」ピピッ


カヲル→シンジ  コンマ↓1
カヲル→レイ   コンマ↓2
カヲル→マリ   コンマ↓3
カヲル→ゲンドウ コンマ↓4
カヲル→冬月   コンマ↓5

カヲル→シンジ  79%
カヲル→レイ   57%
カヲル→マリ   65%
カヲル→ゲンドウ 67%
カヲル→冬月   41%


マリ「……なるほどね。どうやら本当に知らなかったみたいだね」

カヲル「僕は向こうでずっとピアノを弾いていたからね」

カヲル「たまにシンジ君のお父上がピアノを教えてほしいというから、一緒に連弾はしていたけど」

シンジ「父さん! 何してたんだよっ!!」

ゲンドウ「」


マリ(息子として、こんな話、絶対に聞きたくないだろうなあ……)

冬月(哀れだな……)

カヲル「とにかくそういう事さ。基本的に僕はゼーレの人間だからね」

カヲル「特定の誰かを好きになったりとかはしないさ」

マリ「……ワンコ君だけはそれなりに高いけど、それは?」

カヲル「前に少しね。だから、シンジ君には幸せになって欲しいと思っているよ」ニコッ

シンジ「……??」←前にほとんどためらいなく握り潰した


マリ「ふうん……」

マリ「まあ、いいさ。それなら次は……ゼーレの暫定パイロットさんか」

レイ「……私?」

マリ「そう。このスイッチをみんなに向けて押してみて」

レイ「……それは命令?」

マリ「かったいねえ。アンタのオリジナルはもっと愛想があったのにな」

レイ「オリジナル……別の私……」


マリ「ま、今はいいよ。こっちもあえて命令するから。押してみて」

レイ「……命令なら、そうする」

レイ「……」ピピッ


レイ→シンジ  コンマ↓1
レイ→マリ   コンマ↓2
レイ→カヲル  コンマ↓3
レイ→ゲンドウ コンマ↓4
レイ→冬月   コンマ↓5

レイ→シンジ  85%
レイ→マリ   19%
レイ→カヲル  19%
レイ→ゲンドウ 91%
レイ→冬月   28%


シンジ「綾波!」パァッ

レイ「…………」チラッ


シンジ「良かった! やっぱり綾波は綾波だったんだ!!」

シンジ「あの巨大な綾波は夢だったんだ! 良かった!!」グスッ

レイ「……どうして泣いているの?」

シンジ「どうしてって……! 前も言ったじゃないか。嬉しいからだよ!」ゴシゴシ

レイ「……嬉しい。……よく、わからない」

シンジ「いいよ。わからなくてもいい。ただ僕の知ってる綾波がここにいてくれたのが嬉しい。嬉しいから……」グスッ

レイ「……碇君」


レイ(……何だろう。この人を見ていると……何だか胸のあたりが……)

レイ(温かい……//)

レイ(わからない……。何でこんな気持ちになるんだろう……//)

マリ「……なーんか、面白くないにゃあ。私、かなり低いし」

カヲル「それ以外には興味がないという事だろうね」


冬月「レイは変わらずか……」ボソッ

冬月(ユイ君のクローンだという事を考えれば確かにそうなるのだろうが……)

冬月(……それにしても、『あの』レイまでもか……)

冬月(記憶の引き継ぎはないはずなのだが……)


ゲンドウ(今の内に、私はこっそり逃げられないだろうか……)←レイへのシンクロ率、28%

今日はここまで
また明日……のはず

マリ「まあいいさ。これである程度はっきりしたからね。そちらの事情やら何やらさ」

マリ「で、どうする?」

冬月「どうする、とは?」

マリ「これで私以外全員済んだからさ。私も一応やった方がいいかって事だよ」

冬月「……そうだな。私は君の事を信用してはいるが、一応はやってもらおうか」

冬月「ここには私以外もいるからな」

カヲル「…………」

ゲンドウ「」フゥ……


マリ「ま、私一人だけしないってのはフェアじゃあないからね」

マリ「貸して。そのスイッチ」

レイ「……ええ」スッ

マリ「押すよん♪」ピピッ


マリ→シンジ  確認済み
マリ→レイ   コンマ↓1
マリ→カヲル  コンマ↓2
マリ→ゲンドウ コンマ↓3
マリ→冬月   コンマ↓4

マリ→シンジ  42%
マリ→レイ   35%
マリ→カヲル  32%
マリ→ゲンドウ 10%
マリ→冬月   62%


冬月「ふむ……」

カヲル「僕たちは嫌われているというより、信用がない、あるいは興味がないといったところかな」

マリ「取り方はお好きなように」ニマリ

レイ「…………」

冬月「私だけはそれなりにあるのだな」

マリ「ここで一番の常識人だってのがわかってるからねー。そこのショタホモは別だけど」

ゲンドウ「」

冬月「そうだな。この結果は仕方あるまい」

ゲンドウ「冬月……! お前まで……!!」

冬月「…………」フイッ←ゲンドウへのシンクロ率、15%

冬月「さて、これでもう良かろう。その少年を部屋に。レイ」

レイ「はい」コクッ

レイ「碇君……こっちに」


シンジ「あ、うん……。でも……」チラッ


カヲル「」フッ

マリ「いいよ。ワンコ君。こっちの事は心配しなくても平気だから」

マリ「とりあえずさ、ちょっと色々あって疲れたでしょ? 一旦部屋に行きなよ」

シンジ「……だけど、僕、まだ父さんに聞きたい事や言いたい事が……」ジロッ

ゲンドウ「」ビクッ


マリ「それもさ、一旦後にしなよ。クールダウン、クールダウン。一回時間をおいた方がいいよ」

シンジ「…………」


レイ「碇君……来て」

シンジ(綾波……)


シンジ「わかった。また後にするよ」

マリ「うん。そうしなよ。私はもう少しここで話があるからさ。八号機の事とか、今後の事とかね」

シンジ「うん……じゃあ」

マリ「とりあえずバイバイ、ワンコ君。また明日」

シンジ「うん。……また明日」

うーん。ちょいと考えまとまんない
時間少しもらいまふ

カヲル「さて、それでは僕も戻らせてもらうとするよ。構わないよね」

冬月「……ああ」


カヲル「……」

カヲル「」クルッ

カヲル「」スタスタ……



マリ「…………」

マリ「二人とも行ったね……」

ゲンドウ「ああ」

マリ「それなら聞かせてもらおうかにゃ。ゲンドウ君、冬月先生」


マリ「まさか、今になって計画を頓挫するなんて事は言わないだろうね?」ジロッ


ゲンドウ「…………」

冬月「碇はそのつもりだ」

マリ「……だろうね。目的がもうないからね」チッ

ゲンドウ「…………」

冬月「私は当初の予定のつもりだが……。あの少年を犠牲の羊にするつもりはない」

マリ「ふうん……。まるで拾った仔犬に情が移ったみたいだね。気に入らないなあ、それ」

ゲンドウ「真希波……。ユイはもう戻らない。彼女は消えたのだ。私は遅まきながらそれに気がついた。ただそれだけの事だ」

マリ「よく言うよ。詭弁にも程があるね。いや、自分勝手と言った方が遥かに正しいかな。もっともそれは昔っからだけどさあ」

ゲンドウ「…………」

マリ「で、ゲンドウ君。これからどうしようっていうの? ゼーレの言いなり? それこそ有り得ないよね?」


冬月「それは……これから決めるべき問題だ。が……」

冬月「少なくとも、ゼーレの言いなりにはならんよ。それは私も碇にも共通しているはずだ。そうだろう、碇?」

ゲンドウ「ああ、それは間違いない」

マリ「……」チッ

マリ「これじゃ、何の為に八号機を奪ってこっちに来たんだか……」

マリ「やんなってくるよね。……ホントにさあ」

【シンジの部屋】


レイ「碇君……ここ」

シンジ「……」キョロキョロ……


シンジ「見事になんにもないね……。ベッドと椅子だけなんて……」

レイ「……何か必要?」

シンジ「あ、ううん……。今のところ、特にはいらないと思うけど……」

レイ「……そう」

シンジ「うん」


レイ「」ジッ……


シンジ「?」


レイ「」ジッ……

シンジ「……綾波、どうしたの? さっきから僕の顔ばかり見て」

レイ「……よくわからない。でも」

レイ「ずっと見ていたい。そんな気持ちになるから……//」

シンジ「え……//」

【ヴンダー】


ミサト「これより本艦はネルフ本部へと突入します!」

ミサト「目的は、フォースインパクトのトリガーとなり得る碇シンジの身柄の確保!」

ミサト「神殺しの力は見せてもらった! あちらに八号機、そしてアダムスの器があったとしても、この艦の力ならば乗り切れる!」

ミサト「飛ぶわよ、副長。全艦、発進準備!! 主機、点火準備!!」


多摩ヒデキ「えっ!!」

長良スミレ「またですか、艦長!!」


北上ミドリ「無茶の連続とかやめてほしいんだけど。これじゃ命が幾つあっても足りないし」


ミサト「フォースが起こればこれまでの全てが無駄に帰す! 無理でも無茶でもやらなきゃいけないのよ!!」

ミサト(そして、必ずシンジ君を助け出す!! この悲惨な地獄から!!)

【シンジの部屋】


シンジ「綾波はさ……」

レイ「何……?」

シンジ「昔の事とか覚えてる?」

レイ「昔……?」

シンジ「うん。えっと……例えばほら、ユニゾンの時に二人でやったら息ピッタリだった事とかさ」

レイ「…………」

シンジ「雑巾絞ってるの見て、僕がお母さんみたいだとか言ったら怒られた事とかさ」

レイ「……覚えてない」

シンジ「そっか……」

レイ「……ごめんなさい」シュン……

シンジ「あ、ううん。綾波は悪くないから! それに僕もこの世界の事……ううん、14年前の事……何一つ覚えてないみたいだし……」

レイ「……碇君も?」

シンジ「うん。何も覚えてないんだ。誰も教えてくれなかったし……。も、って事は綾波も覚えてないの?」

レイ「ええ……。記憶にない」

シンジ「そっか……。僕とおんなじなんだね……」

レイ「碇君と……同じ……」

シンジ「うん」

レイ「それなら……いい」ニコッ

シンジ「……そ、そうかな//」

レイ「ええ……」ニコッ

シンジ「そのプラグスーツ……黒も似合ってるよ//」

レイ「…………//」


レイ「……ありがとう//」

シンジ「ううん……そんな……//」

【ヴンダー】


ミサト「ブンダー、発進!!」


ズズズズズズッ……!!!


ミサト「このまま最大戦速でネルフ本部へと突入!」

ミサト「途中、弐号機改を発進して、一撃を加えた後、一旦離脱!」

ミサト「以後、本艦は囮となって攻撃を引き付けます! 弐号機改もアダムスの器、及び八号機の攻撃を引き付ける囮に!」

ミサト「そうしている間に、地上部隊がネルフ内部へと侵入し、碇シンジの身柄を確保! 彼をこちらへと連れ戻します!」

ミサト「アスカ、決して無茶はしないでね。あなたも大事な一員なのだから」

アスカ「わかってるちゅーの。囮に徹するわよ。任せといて」

リツコ「……」スタスタ……

リツコ「艦長」ボソッ

ミサト「…………」

リツコ「一つだけ質問させて。この作戦、あなたの私情が入ってないと言える?」ヒソヒソ

リツコ「あなたの判断一つで状況が大きく変わるのよ。私情に流されて作戦を立てるのだけはやめなさいと、確か前にも言ったはずよ……!」ヒソヒソ

ミサト「だったら何だと言うの」ボソッ

リツコ「艦長……!」

ミサト「あなたもわかっているはずよ。向こうに行けばシンジ君は辛い現実と否応なく向き合わされる。それがあの子にとってどれだけ辛い事かあなたにだって想像はつくでしょう」ボソッ

リツコ「それは……」

ミサト「私達の気持ちは確認出来た。そして、私達にはシンジ君を救うだけの力が今ある。ならば……!」ボソッ

ミサト「救いに行くのが人のあるべき道よ……! フォースのトリガーとしての可能性もあるのだから、これは決して無駄な事ではない……!」ボソッ

ミサト「14年前、私はあの子に言ったわ。進みなさいと。誰かの為ではなく、自分自身の為にと。今、私もそれを実行に移す。それだけの事よ」ボソッ

ミサト「あの子には何の罪もない。罪があるとすれば……ネルフ、そしてゼーレ。この二つを私は許せない。だからこそ、ヴィレへと入った。これが本懐でなくて何だと言うの……!」ボソッ

ミサト「」クルッ……


ミサト「マヤ、サクラ、アスカ。あなた達なら私のこの気持ち、わかってくれるわよね?」

ミサト「フォースのトリガーとしてではなく、ただの一人の少年としてでも、シンジ君を救いたいというこの気持ちが」


マヤ「……わかります」コクッ

サクラ「……もちろんです」コクッ

アスカ「……わかるわよ。それでこそミサトよ」ニコッ


ミサト「ありがとう、アスカ」ニコッ

リツコ「…………」

【ネルフ】


ポロロン♪ ポロロン♪

カヲル「♪♪」


ゲンドウ「」トコトコ……


カヲル「……おや?」ピタッ

カヲル「どうしたんだい、シンジ君のお父上。向こうで話をしていたんじゃないのかい?」


ゲンドウ「それはもう終わったのでな……。また、ピアノを弾きにきた……//」ボソッ


カヲル「そう」ニコッ

カヲル「いいよ。隣に座りなよ。二人でまた音を楽しもうか」

ゲンドウ「ああ……//」コクッ

【ヴンダー】


アスカ「……待ってなさいよ、シンジ」ボソッ

アスカ「アンタは必ず助け出してあげるから……」

アスカ「そして、マリ。アンタも……」


アスカ「アタシは……裏切り者だなんて思ってないから」ボソッ

アスカ「アンタの事……まだ信用してるから」

アスカ「どうせ、アンタの事だから何か考えがあっての事よね……」

アスカ「フォースを引き起こそうなんて、バカな考え……持ってる訳ないわよね」

アスカ「信じてるから……マリ」

【ネルフ】


冬月「むう……!」

マリ「ふっふっふ。悪いねえ、冬月先生。その飛車はもらってくよん♪」パチッ

冬月「……くっ」


マリ「にしても、アレだねえ。しばらく見ない間に腕落ちたんじゃあないの」

冬月「こちらでは……誰も将棋の相手などしてくれんからな」

マリ「そりゃこっちもだけどね。元々、将棋は専門外だし、私は」

冬月「しかし、相手はいるだろう」

マリ「ま、いるにはいたけどさ。でもそれ言い訳がましいよ。ほいっと」パチッ

冬月「っ!?」

マリ「……これで31手先で詰み……かにゃ? どうする。降参する?」

冬月「……ちょっと待ってくれ。今、考える」

マリ「まあ、ごゆっくりー♪ 私はその間にワンコ君の所にでも行ってこよーかなー。どうしよ」

今日はここまで
多分、また明日。きっと

【ヴンダー】


ミドリ「ネルフ本部、確認! 距離、えーと……とにかく近いです!」

ミサト「主砲、発射準備!! 目標、ネルフ本部入口付近!!」

スミレ「了解! 主砲発射準備! 照準合わせ用意!!」


ミサト「弐号機は主砲の着弾と同時に発進! 煙幕に紛れて近付いて!」

『了解!』


ヒデキ「主砲、エネルギー充填120%! 撃てます!」


ミサト「了解」



ミサト「撃てぇぇーー!!!」


ドウンッ!!! ドウンッ!!! ドウンッ!!!

【シンジの部屋】


グラグラッ!!! ガタンッ!!!


シンジ「うわっ!!」

レイ「……!?」


シンジ「何これ……地震!?」

レイ「……いいえ。これはきっと……」

【ピアノ付近】


カヲル「」フッ

カヲル「人工的な光の翼、か……。来たんだね、あの人が」

ゲンドウ「ああ……。葛城大佐だ」


カヲル「どうする気だい? まさか降参するなんて事はしないだろうけど」

ゲンドウ「……全ては、彼女次第だ。私にはもう、決定権はない」クイッ

カヲル「……ふうん」

ゲンドウ「私はここでピアノを弾くだけだ。何が起ころうとも」

カヲル「」フッ


カヲル「時はまだ満ちないか……。約束の時まで、どれだけかかるか……」

カヲル「僕は行くよ。シンジ君の元へと」スクッ

ゲンドウ「ああ。全てはこれで良い」

カヲル「…………」



カヲル「……また、連弾できるといいね」ニコッ

ゲンドウ「そうだな……」ポロロン♪

【司令室】


マリ「あらら……。折角、勝ってたのに崩れちゃったにゃ。こいつは勝負はお預けかな」

冬月「そのようだな」

マリ「ま、いいさ。指す機会はまたありそうだしね」

冬月「そうであって欲しいがな」


マリ「んじゃま、私は出かけるよー。姫を出迎えてあげないとね」

冬月「ああ。それにしても、君の読みはやはり当たっていたか。私はまさか葛城君たちが来るとは思っていなかったのだがな」

マリ「読みの甘さが敗因だね。冬月先生」

冬月「そうか」フッ……


マリ「さてさて、そんじゃいっちやりますかにゃ、っと!」タタタッ





冬月「…………」

冬月「……私も行くか。やるべき事はやらねばなるまい」スクッ

冬月「……例えそれがどぶさらいの様な事でもな」フゥ……

【ヴンダー】


日向「ネルフ本部、沈黙を守っています! 抵抗が一切ありません!」

青葉「一体どうなってるんだ……!?」


ミサト「…………」

リツコ「艦長、これは……」


ミサト「アスカ! 下の状況は確認できる!?」


『こっちも不気味なぐらい静かよ。何もなし。アダムスの器も八号機もネーメジスシリーズも出てこない。これじゃ囮の意味がないわよ』


ミサト「そちらもか……」ボソッ


ミサト「罠の可能性も十分に考えられる。弐号機改は可能な限り慎重に接近を」

ミサト「本艦は第一種戦闘配置のまま、直上で旋回! 何かあった場合、即座に弐号機を援護出来るように!」


スミレ「了解!」


ミサト「…………」

ミサト(どういう事、これは……? 向こうには裏切ったマリがいるから、こちらの行動はある程度読まれていると踏んだのに……)

ミサト(なぜ、反撃すらしてこない……? やはりこれは罠なの……?)

【格納庫】


シンジ「……綾波。出撃するの……?」

レイ「ええ。……ここを守る事が私に与えられた命令だから」

シンジ「行って……ミサトさんやアスカ達と戦うんだよね……」

レイ「……そうね。ヴィレのメンバーと戦う事になるわ」

シンジ「…………アスカ。どうしてこんな事に……」ボソッ ←旧アスカへのシンクロ率、82%


レイ「…………」

マリ「」トコトコ……

マリ「やれやれ……。その様子だと、ワンコ君は姫にもご執心みたいだね」


シンジ「……? 真希波?」


マリ「ま、昔一緒に住んでたとなれば、情もわくし、心配になるのは当然の事かもしんないけどさ」

マリ「でも、切り換えていった方がいいと思うよ、ワンコ君。ここには……この世界にはさ……敵か味方かのどっちかしかいないんだから」

マリ「中立なんて甘っちょろい事が許される世界じゃないんだよ。まだそれを知らないワンコ君には、多分理解出来ないとは思うけどね」

シンジ「敵か味方かなんて……」

マリ「どっちつかずのコウモリ君じゃ生きていけないんだよ、ここは。……悲しいけど、そんな世界なんだよ」

シンジ「……ねえ、真希波。本当にここはどうなっているの!? 何でミサトさん達がネルフを襲ってくるの!? おかしいよ、ここは!」

マリ「……あれから14年経ったって言ってるでしょ。14年もあれば世界も人も変わるよ。それ以上にこの世界は少し変わり過ぎたんだ。良くない方向へとね」

シンジ「……良くない方向って? どう変わったのさ、真希波……!」

マリ「それはさ、君が知るにはまだ早いよ。例えばクリスマスに幸せそうにフライドチキンを食べている子供達に、これはクリスマスプレゼントだよって言って、いきなり飢餓で死んでいく子供たちの映像を見せつける様なものさ」

マリ「君……少しでいいからそんな経験ない?」

マリ「騙された様な、裏切られた様な。これまで信じていたものが急に信じられなくなって、どうしようもない絶望だけをいきなり突きつけられる様な、そんな経験……」

マリ「ちょっとでも、味わった事ないかな?」


シンジ「…………」←旧世界では重度の鬱になって、精神崩壊気味になった

マリ「だから、みんな時間をかけようとしているんだよ」

マリ「これは愛情だよ」

マリ「私が今ここで言うのは簡単だよ。こんな事があって結果こうなりましたって言うのはすごく簡単なんだ」

マリ「でも、その結果……ワンコ君がトラウマ並のショックを受けてしまうかもしれない」

マリ「みんなが揃って口を閉ざす理由はそれだよ」

マリ「それが私もわかっているから、今は言わない。時間をかけてゆっくり真実を知ればそれでいいと思う」

マリ「幸い、時間はあるんだ。幸か不幸か、ゲンドウ君のせいでね」

マリ「私にとっては計算外の事だけど、まあ、それもいいさ。今となってはもうどうしようもないからね」

マリ「世界のやり直しが本当に出来るならそれでもいいかもしれない」

マリ「私はあいつの話を信じてはいないけどね」


シンジ「あいつ……?」


マリ「こっちの事だよ」ニコッ

マリ「とにかく、ワンコ君。今、ミサト達が来てるのは知ってるよね?」

シンジ「あ、うん……」

マリ「ワンコ君はそっちに戻りなよ。これは私達で出した結論さ。君は向こうにいた方が幸せだと思う」

シンジ「向こうって……またあそこに!?」

マリ「そう。そっちの方がいいよ、ワンコ君は」

マリ「向こうで世界の内情を知ってから……。そして、世間を知ってからの方がいい」

マリ「それから、自分で考えるといいよ。ヴィレに残るか、それともネルフに来るか」

マリ「改めて自分で考えなよ」


シンジ「でも……」

マリ「ワンコ君、君さ。みんなからのシンクロ率見たよね? 向こうで全員が高かったでしょ?」

マリ「きっと悪いようにはしないよ。こっちじゃ、今、実質司令の冬月先生が、ワンコ君に対して低いからね。長い事いると問題が起きそうだからさ」

マリ「それに、ゲンドウ君には流石にもう愛想を尽かしてるでしょ? こっちにいて良い事は君にはほとんどないよ」

マリ「私からも高くないしね、君は」ニマリ


シンジ「だけど……こっちには綾波が……」

レイ「…………」シュン


カヲル「」トコトコ……

カヲル「いや、それがいいと思うよ、シンジ君。君は向こうに行った方がいいと僕も思う」


シンジ「カヲル……君」

カヲル「人を愛するというのは、簡単でも難しくもない。あるがままの事さ」

カヲル「だけど、シンジ君。人から愛されるというのは難しく、そして幸せな事なんだ」

カヲル「君はみんなから愛されている」ニコッ……

シンジ「僕が……」←冬月、マリを除けば、全員70%超え


カヲル「例えこの先何があろうとも……」

カヲル「どれだけ辛い現実が待ち受けていようとも……」

カヲル「シンジ君ならきっと乗り越えていける」


カヲル「安らぎと自分の場所はすぐに見つかるよ」

カヲル「みんなからのシンクロ率が、きっと君を導いてくれるさ」

カヲル「愛される場所へと君は帰るべきだよ、シンジ君」ニコッ……


シンジ「……カヲル君」

ドウンッ!!! ドウンッ!!!


マリ「……ありりゃ。流石に待ちくたびれちゃったかな、姫」

マリ「それじゃあ、そろそろ行こうか、ワンコ君」

シンジ「…………」


カヲル「そんな顔をしないで」

カヲル「また会えるさ、きっと」


シンジ「……綾波。ごめん」

レイ「…………」


マリ「淋しいかにゃ? ゼーレのパイロットさん」

レイ「……淋しい……?」

レイ「わからない……。でも……」

レイ「何だか……ズキズキする」


レイ「……私は」

レイ「……どうすればいいの」

レイ「綾波レイなら……こんな時にどうしていたの」


マリ「…………」

マリ「さあね」

マリ「オリジナルはオリジナル。あんたはあんただよ」

マリ「あんたはどうしたいの、綾波レイ?」


レイ「私が……。綾波レイ……」

マリ「そりゃそうでしょ。オリジナルだろうがコピーだろうが、あんたは一人しかいないんだからさ」

マリ「好きなように生きなよ。命令とか関係なしに。自分がしたいと思った事をすればいいのさ」


レイ「私は……」

レイ「」クルッ……


レイ「」ジッ……

シンジ「綾波……」


レイ「碇君の……側にいたい//」

シンジ「……//」


マリ「はいはい。全くもう。やってらんないね」

マリ「行くよ、お二人さん。八号機で送ってあげるからさ」


レイ「……いいの?」

マリ「いいよ。好きにしなよ。こっちもこっちで色々とあるし、メリットもあるからね」

レイ「……ありがとう」

マリ「いいって事さ。じゃ、ちょいと待っててよんっと」

【ヴンダー】


リツコ「あれは……八号機!」

ミサト「ようよく出てきたわね……。主砲、発射準備!」


『待って、ミサト!!』


ミサト「何、アスカ」


『八号機の手の中に、シンジと綾波タイプがいる! 主砲は撃たないで!!』


ミサト「シンジ君が……!?」

リツコ「どういう事!?」


『あーあー、テステス。聞こえるかにゃ? 葛城艦長さん?』


ミサト「マリか……!」


『ワンコ君は大人しくそっちに渡すよ。ただし、条件が一つだけ』


ミサト「条件?」


『副長と交換ってのでどうかな?』ニマリ


リツコ「わ、私!!?」


『それさえ守ってもらえれば、こちらからは手出しもしないし干渉もしないよ。お互い今はやり合うべき時じゃないじゃん? それで今回は手打ちにしとかないかにゃ?』


ミサト「…………」

リツコ「ちょっと、ミサト! 何を黙りこくってるのよ!! そんな事、考えるまでもな」

ミサト「了解。副長との交換で手を打つわ。各員、直ちに副長の身柄の拘束を!!」


リツコ「ミ、ミサトっっ!!!」ガーン!!!!

ミサト「悪いわね、リツコ。あなたにも言い分はあるだろうけど、ここは黙って従ってちょうだい」←リツコへのシンクロ率、20%

リツコ「嫌よ、そんなの!! 嫌よ!!」←ヴィレメンバーへのシンクロ率は高い

リツコ「青葉君! サクラ! アスカ! あなた達からも何とか言ってよ!!」←順番に、99%、75%、73%


青葉「……とは言っても艦長命令ですし」←リツコへのシンクロ率、25%

サクラ「碇さんが帰ってくるなら犠牲もやむなしちゃうかなみたいなとこありますし……」←リツコへのシンクロ率、03%

『仕方ないわよね、諦めなさい』←リツコへのシンクロ率、19%


リツコ「」

マヤ「ちょ、ちょっと、皆さん酷いですよ! 先輩に対してあまりに配慮がなさすぎです!」←リツコへのシンクロ率、63%


リツコ「マヤ……!!」パアッ


ミサト「では、伊吹整備長。試みに問うけど、副長がいなくなるのと、碇シンジ君がこちらに戻ってくるの。どちらが優先すべき事だと?」

マヤ「それはもちろん……!」


マヤ「…………」←シンジへのシンクロ率、75%


リツコ「……マヤ……?」オロオロ


マヤ「すみません……先輩。お元気で……」


リツコ「嫌よ!! 何で誰も私に優しくしてくれないのよっ!!!」シクシク

【一時間後】


シンジ「あの……すみません。ミサトさん、それに皆さん」シュン……

シンジ「もう一度……僕をここに置いて下さい」


ミサト「いいのよ、シンジ君」ニコッ……

アスカ「よく戻ってきたわね、シンジ。お帰り」ニコッ……

サクラ「お帰りなさい、碇さん。ホンマ心配しましたわ」ニコッ……

マヤ「もう二度としないようにね」ニコッ……


シンジ「……ありがとう……ございます」グスッ


ミサト「気にしないでいいから。私達も少し配慮が足りなかったようだし」

アスカ「もう少しこちらも考えるから。……だからシンジ。もうどこにもいかないようにしなさいよ。いいわね?」

サクラ「私も、その内碇さんに信用してもらえるよう頑張りますから」

マヤ「しばらくはシンジ君も我慢して。頼んだわよ」


シンジ「はい……」グスッ

レイ「……碇君。……嬉しいの?」

シンジ「うん……。みんな優しいから……嬉しくてつい……」ゴシゴシ

レイ「……そう。良かったわね」


シンジ「え……?」


《……そう。良かったわね》


シンジ(綾波……。母さん……)

シンジ「うん……」ニコッ……

【ネルフ】


マリ「って事で連れてきたけど……」

リツコ「いいのよ。私なんて……私なんて……」グスッ


カヲル「君は……何で泣いてるんだい?」

リツコ「聞かないでよ……。惨めな女の末路なのよ、これが……」グスッ


マリ「まあまあ。副長はほら、色々とエヴァに詳しいからねえ。こっちの方がいいお仕事出来るよ、きっと」

マリ「それに、職場であれだけ嫌われてたら辛いでしょ? おまけに失恋したばっかだしさあ、居場所がないと思っての私の親切だよ、これは」

リツコ「何で傷を抉るような事ばかり言うのよ……」シクシク


ゲンドウ「…………」

冬月「…………」

マリ「ま、とにかくさ、副長。これ。早速いってみよっか」スッ

マリ「こっちに来た方が絶対幸せだって、実感する為にもね」

リツコ「また……なのね。この悪魔の機械をまた……」ウルウル

リツコ「私がこれのせいでどれだけ酷い目にあってきたか……!」


マリ「いや、でもこれ、ワンコ君の話だと副長が作ったやつらしいし……」


リツコ「私じゃないわよっ!!!」


マリ「わかった、わかったってば、もう。とにかくぱぱっと押しちゃってよ。ぱぱっとさ」

マリ「副長からならとりあえずダメージはないから。ね?」


リツコ「わかったわよ!! 押せばいいんでしょう!! 押せば!!!」

リツコ「くっ!」ピピッ!!!


リツコ→マリ   確定済み
リツコ→カヲル  コンマ↓1
リツコ→ゲンドウ コンマ↓2
リツコ→冬月   コンマ↓3

リツコ→マリ   65%
リツコ→カヲル  54%
リツコ→ゲンドウ 83%
リツコ→冬月   41%


マリ「ふーん……」

冬月「まあ、こんなものだろうな。……妥当な線だろう」

カヲル「シンジ君のお父上に対しては結構高いね。これは?」

リツコ「そ、それは……その……//」


ゲンドウ「…………」


マリ「にゃるほどね……。昔の男とか、そんな感じ?」ヒソヒソ

冬月「そんなところだろうな。あるいは単に片想いかもしれんが……。そこら辺の事に関しては私も詳しくは知らないからな……」ヒソヒソ

マリ「にしても、運が悪いというか間が悪いというか……」チラッ

カヲル「……?」


マリ「ゲンドウ君がショタホモなのは、副長知らない訳でしょ?」ヒソヒソ

冬月「知っていたら、あれほど高くはあるまい」ヒソヒソ

マリ「だよね……」ヒソヒソ


リツコ「?」


冬月「だが、我々から高ければリツコ君も多少は救われるだろう」ヒソヒソ

冬月「碇も、今はゼーレの少年に夢中だが、それも一時期の気の迷いかもしれん。ここには何せ、私とあの少年とレイしかいなかったからな」ヒソヒソ

マリ「なるほど。って事はゲンドウ君からそれなりに高ければ、ここで一緒に過ごしていく内に二人の間に愛が芽生えるなんて事も」ヒソヒソ

冬月「十分あり得るだろうな」ヒソヒソ

マリ「よし、わかった。まだ副長には救いはあるんだね」

リツコ「救い?」

カヲル「そうさ。どんな時にだって希望は残っているんだ」

カヲル「どんな時にもね」フッ……


リツコ「……どういう事、それ……?」


冬月「後でそれもわかるだろう」

マリ「押してみれば、全てが」

カヲル「はっきりする」

ゲンドウ「……では、始めよう」


カヲル「……」ピピッ
ゲンドウ「……」ピピッ
冬月「……」ピピッ


カヲル →リツコ コンマ↓1
ゲンドウ→リツコ コンマ↓2
冬月  →リツコ コンマ↓3

カヲル →リツコ 97%
ゲンドウ→リツコ 47%
冬月  →リツコ 79%


ゲンドウ「うぐっっ!!」


マリ(ありゃっ……!)

冬月(思わぬ被害者が……!)


リツコ「……え? え?」

カヲル「初めて会った時から感じていたのさ」ニコッ


カヲル「赤木リツコ。君は可愛いよ。好意に値するね」

リツコ「わ、私が可愛い……//」


マリ(うわあ……)

冬月(……何とも微妙な……)


ゲンドウ「なぜだっ!!」ダンッ!!


マリ(こっちじゃおっさんが悔しがってるし……)

冬月(どうすればいいのだ、これ……)

マリ「それにしても、副司令も副長には高いね。単に副つながり……って事はないよね?」

冬月「まさか。赤木君とは昔からの付き合いだからな。縁あって彼女が高校生の頃から私は知っているのだぞ」

冬月「離反したとはいえ、恨んではおらんよ。彼女ならそうするだろうと予想はしていたからな……」

マリ「向こうからはそうは思われてないみたいだけどね」

冬月「それもまた仕方あるまい。覚悟の上でした事だからな……」←リツコからのシンクロ率、41%


マリ「にしても、やっぱり報われないねえ。一番高いゲンドウ君からは47%だし……」

冬月「とはいえ、ゼーレの少年からは好かれている。私からもそうだ。少なくとも、向こうにいた時よりは遥かにマシだろう」

マリ「ま、それもそうなんだけど……」チラッ


カヲル「今、わかったよ」ニコッ

カヲル「僕は君と会うために生まれてきたんだね」


リツコ「ええと、その……そう言ってくれるのは嬉しいんだけど……//」

リツコ「……でも、一応先に言っておくと、あなたとは年の差がね……。だから……」

カヲル「構わないよ。君が気にする事はない。僕はただ君を愛するだけだから。それだけだよ」ニコッ




ゲンドウ「ぐぐっ!!」ダンッ!! ダンッ!!


冬月(私はこんな男に今まで従ってきたのか…………)

マリ(うーん……。もっかいヴィレに戻りたくなってきたにゃ……)

今日はここまで
明日で終わりの……はず

【半年後。廃墟】



アスカ「」トトトッ……


アスカ「」キョロキョロ


アスカ「コネメガネー……」ボソッ


アスカ「もう来てる? コネメガネー……」ボソッ




マリ「」ヒョコッ


マリ「来てるよ、姫。久しぶり」ニコッ


アスカ「そんな所にいたんだ。久しぶりね」ニコッ

マリ「あれからさあ、そっちはどう? ワンコ君、行儀良くお座りしてる?」ニマッ

アスカ「やめなさいよ、その言い方。シンジは犬じゃないんだから」

マリ「あー、めんごめんごー。ついね」


マリ「で、どうなの? 流石にワンコ君、今の状況を教えてもらったんでしょ?」

アスカ「まあね。聞いた直後は何て言うか……ピンと来てなかったわね。ショックを受けるというより理解してなかった感じ」

マリ「ああ、まあ、そうかもね。ワンコ君、記憶がどうもおかしかったし」

アスカ「実際、あれから色々聞いたけど、今の状況と似たような経験してたわね、あいつ……。世界の崩壊直前までいったみたいだから」

マリ「夢かうつつか幻かってやつだね。あのスイッチもリツコは本当に作った覚えがないらしいからさ」

アスカ「不思議な体験だったみたいね……。ろくでもない体験だったみたいでもあるけど」

マリ「それに比べれば今は天国かな……。いや、地獄の一歩手前ギリギリってところかな?」

アスカ「さあね……。内心ではどう思ってるのか……」

アスカ「アタシには、残念だけどわからない」

アスカ「でも今、シンジはそれなりに元気にしてる」

アスカ「……ニアサードの事を聞いて。今の状況を理解して。落ち込んで。僕のせいじゃないって言い張って。それから泣いて。嘆いて。そして……」


アスカ「レイに慰められて……」


アスカ「ミサトやサクラやマヤとかにもね……」


マリ「姫にも、でしょ?」


アスカ「まあね」


マリ「愛されてるねえ、ワンコ君」


アスカ「そういうやつなのよ、あいつは。何かほっとけないっていうか、そんな感じの」

マリ「かもね。私も何だかんだでお節介をずいぶん焼いたしね」

アスカ「あの時はありがとね、マリ」

マリ「いいって事さ♪ で?」

アスカ「流石に少しは立ち直ったわよ。今日もレイと仲良さげにしてた。二人とも、未だに監禁状態は解けないけどね」

マリ「ま、恨みを持ってる人は多いからねえ。半年やそこらで変わるものじゃないし。にしても仲良さげかあ……」

マリ「やっぱり、ちょっと妬けたりする、姫?」ニマッ

アスカ「…………」


アスカ「多少はね」クスッ

マリ「ありゃ。面白くないなあ。前だったらムキになって否定してたのに」

アスカ「あの一件以来、隠してもしょうがないかなって思ってね。少しぐらいは素直になろうかなって」

マリ「……何だかちょっとだけ、成長したみたいだね、姫」

アスカ「そう? だったら嬉しいんだけど」

マリ「でも、胸は相変わらずと」ニマリ

アスカ「う、うるさいわねえ!!// バカッ!!」

アスカ「それより、そっちはどう? うまくやれてるの?」

マリ「うーん……。まあ、それなりにはね」


マリ「私はまあ、誰とでも問題なくやっていけるし」

マリ「それに、冬月先生とは多少気が合うからね。たまに将棋にも付き合ってあげてるし」

アスカ「ふーん……」


マリ「あと、カヲルとリツコとゲンドウ君で何だか仲良さげにしてるよ」

アスカ「は?」

マリ「何だかシンクロ率を確かめてから妙な事になっちゃってねえ」

マリ「あの三人。パッと見、年の離れた親子連れみたいに見えるんだけど、ちょーーーーーっと複雑な関係でさあ」


マリ「詳しく話すとややこしいから、話す気はないけど、とにかくあの三人でいっつも集まって、ピアノを弾いたりとか星を見たりとかしてるかな」

マリ「あれ見ると、平和そのものだなってつくづく思うよ」


アスカ「ああ……そう。うん……?」

マリ「ゼーレの連中も、冬月先生が電源落として片付けちゃったからね」

マリ「正直、今のネルフは目的を見失ってる感じ」

マリ「第13号機も完成してからずっとほったらかしだしね」

マリ「カヲルは時がまだ来てないからって動く気はないみたいだし」

マリ「正直、私があそこでダブルスパイをやる意味ってあるのかな?」


アスカ「ああ、うん……」

アスカ「そっか……。アンタも結構大変なのね」

マリ「大変というか、何でここにいるんだろうって感じが強いかにゃあ」

マリ「ああ、そうそう。それで思い出した。はい、これ。アダムスの器のデータとゼーレの人類補完計画の詳細。後でヴィレ側のトップに渡しといて」スッ

アスカ「まだミサトには黙っていた方がいいのね?」

マリ「うん。もう少し隠しておいた方がいいと思う。お互いの安全の為にも」

アスカ「了解」

マリ「それと、これも」スッ

アスカ「これって……」

マリ「そ。例のスイッチ。ずっと借りっぱなしだったからね。ワンコ君に返しといて」


アスカ「」フフッ

マリ「?」

アスカ「前にさ、コネメガネ。シンジにこの事で尋ねた事があるのよ」

マリ「何て?」

アスカ「もしこのスイッチ、マリから返してもらったらどうする? ってね」

アスカ「あいつ、何て答えたと思う?」

マリ「さあね。でもワンコ君の事だから、もう使わないとかそんな答えじゃないかな?」

アスカ「惜しいわね」スッ


コロン……コロコロ

アスカ「そーれっと!!」グシャッ!!


メキョッ!! バキッ!!!!


マリ「……壊しちゃうんだ」

アスカ「うん。そうするって」

アスカ「あいつ、生意気にもアタシにこう聞き返してきたわよ」

アスカ「確かに人の心は見えないから怖いよ。だからあの機械を使って見たいと思う。でも、見えてたら? って」

アスカ「口には出さないけど仲の悪い人、相性の悪い人、疎遠な人。そういう人全員と仲良くなれる可能性を無くすんじゃないかって」

アスカ「見えないのは確かに怖いけど、でも見えてたら、そういう人達に話しかける事なんて僕には絶対に出来ないから……。そんなのもったいないって……」

アスカ「嫌われてる人とは仲良くしないで、好かれている人とだけ仲良くするのは簡単だけど、でもそれじゃ未来がないから……。独りよがりな人間にしかなれなさそうだから……ってね」


アスカ「ホント、生意気だったわね、あの時のシンジは」クスッ

アスカ「でも、いい事は言ってたとは思うわ」

アスカ「あいつも多分、少しだけ成長したんじゃないかしら。……きっと」ニコッ

マリ「どうだかね……。そうだといいけどね」ニコッ

マリ「さーてと。それじゃもう行くね、姫。そろそろ帰らないとマズイからさ」

アスカ「わかった。またね、コネメガネ」

マリ「うん。また」

マリ「それと、姫。全面攻勢に出る時はきちんと教えてよん。こっちも情が移っちゃってるからね。せめてあの四人は逃がしてあげないとさ」

アスカ「了解。任せておきなさい」

マリ「ん。よろぴくー。じゃーねー、姫」

アスカ「アンタもね」ニコッ


マリ「」クルッ

マリ「」トトトッ……





アスカ「……さてと」

アスカ「アタシも帰らないとね」

アスカ「ミサトやシンジやサクラのいる」

アスカ「アタシの居場所、ヴィレへと♪」タタタッ






FIN

リツコは冬月に対する蟠りが解ければ高感度は50代後半か60ぐらい(好印象)にはなりそう。
リツコ→カヲル(感じが良い子ね)
リツコ→ゲンドウ(貴方とならバランスが取れるわ(ドキドキ))
ゲンドウ→リツコ(歳を考えろBBA)
ゲンドウ→カヲル(新しい恋、依存)
カヲル→リツコ(ベタ惚れ)
カヲル→ゲンドウ(レイ、シンジ君に代わって僕が面倒を見よう)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月10日 (土) 10:12:06   ID: OHW0su83

久々に面白いssを見た!

2 :  SS好きの774さん   2023年07月22日 (土) 02:47:40   ID: S:so3qb6

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