新田美波「酒食」(25)

性的描写があります


俺が担当アイドルと、新田美波と初めて肌を重ねたのは、彼女が20歳になってから3日後のことだった

『私が20歳になったら、一緒にお酒を飲みに行きませんか?』

いつかした、軽い約束。互いに忙しくて当日に果たせなかったその約束は、地方ライブを終えた夜に持ち越された

ホテルのレストランで、酒を飲む。ビュッフェ形式だったので、互いに食べたいものを食べ、同じ酒を飲み、感想を交わしていった

しかし、調子に乗り多く飲んでしまったのだろうか。さほど強いものを飲んだつもりはないが、いつもより早く酔いが回り、美波より先にダウンしてしまった

美波はそんな俺を介抱してくれて、部屋まで連れていってくれた


しかし、美波は美波で、どうにも様子が変だった

落ち着きがない、というか、何というか。その理由は、今になってもわからない

美波は俺に水を飲ませ、ベッドに横たわせた

それから、俺の唇に口づけをした

急過ぎる出来事に、呆気にとられた

美波はベッドに手をかけ、俺の上に馬乗りになって、キスを浴びせてくる。アルコールのせいか、上気した頬は妖艶で、見上げたその色香に、心を掴まれた

目があった。美波の、潤んだ目尻を忘れられない

美波は大きく息を吸って、また体を屈ませてキスをする。唇を唇で挟まれ、舌を舌で撫でられる。

捕食されるような錯覚を覚えた

『ん、ちゅ、んぅ…』

美波が、キスの途中に吐息を漏らす。熱のこもった吐息に、口内に溜まるアルコール臭に、興奮を煽られて

理性が、軽く消し飛んだ

美波の背に腕を回し、抱きしめた。彼女の体を組み伏せて、押し倒して、肌を晒す。

彼女を奪う。

出来事を断片的に記憶していく。自らの過ちの大きさに気がついたのは、翌日の朝になってからだった


◆◇◆

あの日以降、Pさんは変わりました。

変わった、といっても外見に変化はほとんど見られません。佇まいや雰囲気、身に纏ったそういうものが、大きく変わりました

私に向ける視線にも、変化が見られます。以前までならば、私へは娘が妹でも見るかのような、保護者に似たものしか投げてこなかったのです

しかし、今は。熱っぽくて、粘つくような、私の肌色を服の上から伺うような視線ばかりを投げて来ます

雄が雌に向ける視線、と言うものでしょうか。本人も無意識に、私をそういう目で見ます

意中の人からそのように見られるのも、悪い気分ではありませんね。あの晩、少しだけ背伸びをした甲斐がありました

Pさんは、あの日のことを喋りたがりません。プロデューサーですからね、許されないことをしてしまった、と悩んでいるのでしょう。その気持ちはわかります


けれど、私は。あのたった一度きりで終わってしまうようなことは望んでいません

「プロデューサーさん♪」

「……何か?」

「明日、私もPさんもオフですよね?」

「……ああ」

だから、また今日も背伸びをしようと思います

「一緒に、お酒を飲みに行きませんか?」

その夜に、私たちは再び、肌を重ねました。

今回はここまでです、つづきはまた

おう、あくしろよ


あれから半年が経った。俺たちの関係は、まるで鎖が絡み合って外れなくなったように、何度も逢瀬を重ね、何度も一線を越えた。

『飲みに行きませんか?』

これが合図。他の人が聞けばなんてこと無い文言が、俺たちにとっては果てしなく重要な意味を持つ

俺は美波の誘いを断ることができず、美波もまた俺を誘うことをやめなかった。三ヶ月経った頃、ついに俺から美波を誘ったときがある。もう、どうなってもいい、という自棄になるような気持ちも含んでいた。美波にかねてから好意や恋慕を少なからず抱いていた、ということもきっとあるのだろう。

美波はただ微笑んでいた


『私、プロデューサーさんの事が好きだったんですよ』

先月、美波にそう言われた。驚きも衝撃もなかった。既にそれは知っていて、自分も同じだったからだ。

『だから、こうなれて、私は嬉しいんですよ♪』

抱きつきながら、彼女に囁かれる。溶けてしまうような甘い声だった。体に伝わる感触が優しくて、柔らかくて、抱き締め返してしまう。

この後、結果として、その日二度目のセックスをする事になった。好意を前面に押し出しての性行為は、言いようもないほどの快感をもたらした


「美波」

他のアイドルと談笑していた彼女に、声をかける。彼女は髪の毛をかき上げながら、俺の方を振り向いた

「今日、食事でもどうだ? 良い店を見つけたんだ」

「……はい♪よろこんで」

えーずるい、奢り?、なんて美波は言われている。後でまた連絡する、とだけ伝えて俺はその場を後にした。


退社後。美波を車に乗せ、街へ出る。アレは方便であり、合図である。良い店を見つけたわけでも、そこで美波とディナーにしゃれ込もうとしていた訳でも無い

コンビニで軽食を買い、郊外へ向かう。いつも利用している、人の目に付きにくいラブホテルが今回の目的地だ。美波も見慣れた道のりでそれを理解していた。


鍵を受け取り、エレベーターに乗り込む。

美波が腕に抱きついてきた。二の腕に、双丘の感触が伝わる。そのまま指を絡ませられる。手汗が混じった。握り返すと、美波から笑みと色気を含んだ吐息が零れた

腕を組んだまま廊下を歩く。腕組み、という普通のカップルならばどこででもできるような、でも俺たちではできないこの行いをラブホテルでする、ということに皮肉めいたものを覚えた。

鍵を開け、部屋に入る。組んでいた腕を外す、が、美波は指を絡ませたままだった。

「……Pさん」

潤った瞳で見上げられた。指に力が込められた。

たまらず抱き寄せて、キスをした。美波の唇を舌でこじ開け、舌をねじ込む。舌の表面、ザラザラとした感触を確かめ合う。唾液が混ざる

着の身着のまま、自分の体と壁で美波を逃さないようにして、激しく貪る。

「んっ、、ふっ、んっ」

美波の鼻息が荒くなって、唾液が口の端から漏れていく。空いている方、指を絡ませていない手を美波の股座にあてがった。

「んぅっ!」

タイトスカートの中に手を入れ、パンツの上から陰部に触れる。熱と湿り気が伝わってくる。

指を動かし、陰唇を爪の先で掻いた


「ひゃう! んっ、んぅ……」

指先を何度も往復させ、その間に強弱を変えていく。美波は体を震わせ、繋がっていない手をスーツに掴ませた。その間も、キスだけはやめなかった

こちらの我慢が効かなくなり、パンツの中に手を滑らせる。陰部は愛液にまみれていて、指の間にそれが絡みついてきた。割れ目の部分を撫でると、美波は膝を折り、中腰のような体勢になり始めた

「いっ、もうっ、私っ、、イっ……!」

縋るような視線を投げかけられる。それに応え、手淫を激しくしていった。こちらも体勢をかがめ、唇を塞ぎ、逃げられないようにしながら、スパートをかけていく。

「っんぅう! あっ、あぁっ、あぁ……!! ……っぅ、ふぅ、ふっ……」

痙攣して、その場に座り込む。絶頂を迎えたようだ。いつもより早く、またいつもより愛液の量も多い。引き抜いた手をみて、そう思った。

「だ、だって……その……久しぶりですし……実は、車の中からずっと……」

呼吸を荒らげながら、見上げながら俺にそういった。久しぶりって、一週間前にシたばかりだろうに。

すっかり腰の抜けてしまった彼女の手を取り、立たせる。とりあえず、シャワーを浴びることにした

ここまでdす、続きはまた
明日には本番まで行きます


一日の汗を流していく。体をべたべたとひっつけていると、互いの肌の水滴が混ざり合った

「……さっきは、私がシてもらいましたからね」

ノズルをひねってシャワーを止め、美波が両膝をついて、俺に向き合った

「……ふふっ」

そのまま竿を両手で包む。甘固いペニスが、どんどんと硬度を増していった。亀頭に顔を近づけ、一度ふっ、っと息を吹きかけられた。それが故意のものなのかどうか定かではないが、ペニスは息を吹きかけられ一度痙攣するように跳ね、それをみて美波は舌なめずりをした

「あぅっ、んむっ、じゅるぅっ……♪」

口を噤み唾を溜めてから、美波はペニスをくわえこむ。亀頭の、カリ首のあたりを唇で挟み込み、敏感な部分を包む。わざとらしく音を立て、ペニスに奉仕をされる

回数を重ねる毎に、美波のフェラが与えてくる快感は大きくなっていく。当初はくすぐったいだけのこれが、こんなになるとは思ってもいなかった。曰く、「好きだからですよ」とのことで。上目遣いで見つめられながら、指と口で竿を扱かれる

「ちゅる、ずずずっ、れぇろ……んふっ、どうですか……?」

「ああ……気持いいよ」

濡れた髪の毛を撫でる。頭皮に指先が直接当たる。冷たさを覚えた


美波はフェラを再開する。舌先で尿道をいじり、にじみ出た我慢汁を唾液と混ぜ、飲み下しながら、頭を振り、竿を刺激する。裏筋、自分の弱いところを重点的に責め裸得る。

「美波、もうっ……」

射精したい、そう言おうとした。すると美波はより一層竿をくわえこみ、陰毛に鼻先が埋まるまで顔を近づける。舌の感触と、口蓋の柔らかさが、亀頭と竿に与えられた。

「んぶっ! んんっ、ぐちゅ……んっ……」

俺は、美波の口内へ精液を吐き出した。美波は頬をすぼめ唇を締め、精液を溢さないようにしながら竿から口を離した

「……んぁっ」

顔をこちらに向け、目を見つめながら口を開けられた。桃色の口内に、白い液体がそこかしこへこびりついている。舌をつきだし、俺が出したものを見せつけられる

美波は口を閉じ、幾度か何かを噛むように動かした後、口内の液体を飲み下し、喉を鳴らした。再び口内を見せつけられる。そこに精液は無かった

「飲み込むのも、結構上手になってきましたよね?」

そう言いながら、射精直後の竿に手をかけられる。指先で挟み込み、しごき、尿道に残った精液を搾るように出させられた。

美波はそれを舌先ですくい取った後、もう一度喉を鳴らし、飲み下した


バスルームを出てベッドに腰を下ろし、互いに向き合う。上目遣いもなにもない、同じ目線で向き合って、見つめ合った。

こうしてみると、いや、こうしてみなくても当然のことだが、美波は美しい。垂れた目尻も、しなやかな肢体も、健康的な乳房も、少し浮き出た肩の骨も、全てが愛おしくて、全てが魅力的だ。

離れたくない。離したくない。自分のものにしたい。

そんな、プロデューサーとして最低な事を考えてしまう。

その、どうしようもないほどに愚かな欲望に従って、彼女を抱き寄せた。

「んぅ、やぁっ……」

鎖骨にキスをする。跡が残るか残らないかくらいの、ギリギリの強さで吸い付く。美波は鎖骨が弱いようで、こうするとくすぐったいのか体をよじらせた

押し倒して、美波を組み敷いた。乾いていない髪の毛から水滴が垂れて、シーツに染みを作る。

「……挿入れるぞ」

前戯なら、もう十分すぎるほどにした。もう耐えられなかった。早く、自分だけのものにしたかった


濡れぼそった膣口に、ペニスの先端をあてがった。腰をすすめ、そのまま、竿を美波の中へ侵入させていく。

「んぁっ……はぁっ……♡」

美波が甘い声を漏らす。それをどこか遠くで聴きながら、更に中へ侵入していく。愛液が、押し出されるように膣口から零れていった。

「はぁっ……あぁん♡」

奥までペニスをすすめた。根元まで、熱い感触に包まれる。何度目かのこの体験は、何度経験しようとなれることがない。

美波にキスをねだられた。腰はしばらく動かさないまま、互いを味わい合う。キスをしていくと、美波の膣が締まり、愛液が分泌されていくのが分かった

指を絡ませられた。それに応えた。仮初めでも、恋人同士のような錯覚を覚えた。


視線をそらさないまま、俺は腰を使い始める。水と肉がぶつかる音が、部屋にこだました。最初はゆっくり、でも徐々に激しく、美波が感じるところを重点的に。膣は引き抜かれる差を離すまいと締め付けてくる。

夢中になって、美波の体にしゃぶりつく。鎖骨に、乳首に、腋に、全てを欲してしまう。そんなことをしていたら、美波が頭の後ろに手を回し、抱き寄せてきた。

首筋に美波の唇が触れた。舌先をはさせられた。その行為に、どうしようもなく愛おしさを覚えた

ピストンは更に激しくなる。膣がうねって、ヒダが竿に擦れる気持ちよさがたまらない。何度か痙攣した美波に、もっと気持ちよくなってもらいたくなる

奥まで勢いよく竿を挿入すると締め付けられ、射精してしまいそうになる。それに耐え、膣壁をカリで擦り、まだ与えたり無い快感をぶつける。

美波は涙目になりながらも、腰の後ろへ足を回して、俺が離れるのを阻止している。ほどよく筋肉の付いたふくらはぎが触れる。

互いに貪って、貪られるような、いつもより少し激しいセックスだった。


近づいてくる限界に耐えることが、難しくなり始めた。うねる膣内に、成績をぶちまけたくなる。美波の中に全てを吐き出したくなる

夢中になって、互いの名前を呼び合った。存在と愛をすくい上げるように、確かめ合った。

美波が全身を痙攣させ、体を反らせる。それに合わせて、俺も射精した。今日二度目の射精とは思えないほどの快感に襲われた。

竿が跳ね、中で情欲をぶちまけていく。膣は精液を一滴残らず啜ろうと、締め付け、素掘り取るような動きをした

荒れた息と痙攣が治まってから、竿を引き抜く。膣口から零れ出た精液を、美波はおぼつかない手つきですくい取り、舐めとった。

汗だくになった彼女を抱き締めた。にゅるっとした感触も、まったく不快じゃない。

「……のこっちゃいましたね、あと」

くぐもった声で、愛おしそうに美波が囁く。俺の首筋の一カ所、先ほど吸い付かれたところを人差し指の腹で撫でられた。どうやら、内出血してキスマークが残ったらしい

「気にしないさ」

そう言いながら、美波の背中を撫でる。背骨の感触が、手のひらに伝わってきた。

ここまでです、明日で終わります

◆◇◆

無防備な彼の寝顔。頬に手を添えて、そのまま隣へ横になります。この顔を見ることが出来るのが私だけだと思うと、ときめきが止まらなくなります

首下に残る朱い跡を、指先でつつきます。彼を自分だけのものにした証。

「……」

バレないように、起こさないように、唇を使ってもう一つ赤色を作りました。汗の味も一緒にしました

「好きです」

口を突いて出た言葉は、私の心をたった四文字で表していました。好きです。だから、この許されない関係も、私はいいなと思っています

後戯も、ピロートークも終わって、一緒に寝ちゃって、私だけ先に目覚めた、おまけみたいな二人きりの時間。このぬるま湯のような時間に浸かりながら、私は彼の寝顔をただ眺め、愛を囁き続けます

彼が起きたら、彼の耳に届くように、同じ言葉を紡ぎましょう。


今度はいつ、一緒にお食事に行けるか分かりませんから。空いてしまう時間分、つながりが消えてしまわないように

ここまでです、ありがとうございました

初めてで戸惑っているのですが、SS速報のHTML化の依頼等しないといけないことはあるのでしょうか?
それともこのまま放置しておいても良いのでしょうか?

>・スレ番号701~1000のスレは過去ログ倉庫送り対象(作業は手動)

つまり、放っといて良いんじゃない?

>>24
ありがとうございます…ならばこのまま放置しておきます

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