(事務所)
美波「プロデューサーさんのタブレットの中を覗き見するよ! 夕美ちゃん!」カッ!
夕美「プロデューサーさんのタブレットの中を覗き見しようね! 美波ちゃん!」カッ!
2人「「やるよ!」」
文香「いよいよ実行に移す時が来ましたね…」ニュッ
美波「そうね! この中にはなんと! プロデューサーさん秘蔵のやましい動画が詰まっているわ!」カッ!
夕美「プロデューサーさんの趣味嗜好を探れる絶好の機会だよ!」カッ!
美波「きっと女子大生ものよね!」カッ!
夕美「そうに決まってるよ! でもきちんと確認は取らないとね!」カッ!
文香「ええ…じっくりと調査して…今後のアプローチに活かしていきましょう…」クワ-
美波「ええ、2人とも! やるわよ!」
夕美「おーっ!」
文香「おー…」
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美波「じゃあ早速! このタブレットにパスワードを入力しましょう!」
【Pタブレット】デッテレ-♪
夕美「あれ? いつもみたいに作戦会議はしないの?」
文香「現在、プロデューサーさんは事務所を出払っています…しかし小一時間ほどで帰ってくる予定なので…会議をしている時間が無いのです…」
夕美「なるほど」
美波「それにこういうのはとにかく実行あるのみだからね。さて、パスワードは…」
【パスワードを入力してください】
****
文香「ふむ…求められているのは4桁の数字…最もシンプルなタイプですね…最初はどうしますか?」
美波「私が打ってみていいかしら?」
夕美「いいよ。何か当てがあるの?」
美波「まあね」
スッ...ポチポチポチポチ...
0727
【パスワードが違います】ブブ-!
美波「…」
夕美「こ、この人…『自分の誕生日(7月27日)』入力したよ…!」ワナワナ
文香「あさましい…これはあさましいですよ美波さん…まさかプロデューサーさんが美波さんの誕生日をパスワードに設定してると思い上がっていたのですか…?」クワ-
夕美「まるで自分が特別な存在になっているとでも思っていたのかな! これは恥ずかしいなー! すっごい恥ずかしいなー!」
美波「…///」カァァァァァ
夕美「ははは! 残念だったね! これでプロデューサーさんは美波ちゃんのことをなんとも思っていないことが判明したよ!」
文香「そうですね…もう諦めて我々には道を譲るのです…」フフフ
美波「ぱ、パスワードが誕生日じゃなかったくらいで大袈裟過ぎよ! 話が飛躍しているわ! 番号くらいじゃプロデューサーさんの私への愛は測れないんだから!」
夕美「へん! 負け惜しみを!」
文香「そうです…やーい…やーい…パスワードにされなかった女~…」
ヤンヤヤンヤ♪
美波「…」
美波「だ、だったら! 2人はどうなの!」
夕美・文香「「…」」
美波「それだけはやし立てても! 少なくともどっちか1人の誕生日はパスワードじゃないんだよ! というか絶対2人の誕生日ではないよ!」カッ!
夕美「わ、わからないじゃない!」
文香「そうです…プロデューサーさんは私の誕生日をパスワードに設定しているに決まっています…」
美波「ふーん」スッ
スッ...ポチポチポチポチ...
1027
【パスワードが違います】ブブ-!
文香「」(誕生日10月27日)
スッ...ポチポチポチポチ...
0415
【パスワードが違います】ブブ-!
夕美「」(誕生日4月15日)
美波「残念だったわね。2人とも♪」ニマニマ
夕美「ま、パスワードか誕生日かどうかで人の好意なんて測れないよね。次行こう、次」コロリ
文香「ええ…非論理的な話です」コロリ
美波「こんちくしょう! さっきと言っていることがまるで違うよ!」
夕美「美波ちゃん! 喧嘩している場合じゃないよ! ここは一致団結してタブレットの中身を探らなきゃいけない場面だよ!」
文香「そうです…ここは力を合わせて乗り切りましょう…」
美波「…2人ともすぐ裏切るから嫌い」プイッ
夕美「美波ちゃん! ごめんなさい!」ピシ-
文香「申し訳ありませんでした…」ピシ-
美波「…」
美波「許す! こっちこそ抜け駆けしようとしてごめんね!」カッ!
夕美「ありがとう美波ちゃん!」
文香「さすがは我々の揺るぎなきリーダー…カッコいいです」
夕美「よ、日本一♪」
ヤンヤヤンヤ♪
美波「全力でよいしょしてくれる気持ちは嬉しいけど無駄話をしている時間はないわ。パスワードを入力するわよ!」
2人「「はい」」
夕美「で、どうしよっか」
美波「プロデューサーさんの誕生日は?」
文香「ふむ…安直すぎな気もしますがやってみましょう…」
スッ...ポチポチポチポチ...
【パスワードが違います】ブブ-!
美波「うーん」
文香「駄目でしたか…」
夕美「プロデューサーさんの1番大切な人の誕生日は?」
美波「それは最初にやったじゃない」
夕美「そうだね。3番目にやったもんね」
文香「ええ…2番目に入力してみた時点で駄目でしたからね…」
3人「「「うーん…」」」
美波「初めて出会った日」
夕美「誰と誰とが?」
美波「私とプロデューサーさん」
文香「この世でもっとも無駄なトライの1つですね…却下」ペッ
美波「か、可能性はあるじゃない!」
夕美「そんなこと言ったら私との出会いかもしれないじゃん!」
文香「いえ…私との出会いです…」
3人「「「ありえないよ!」」」
美波「…」
夕美「…」
文香「…」
美波「一旦…冷静になりましょう。私たちの目的はプロデューサーさんのタブレットを見ること。喧嘩ばかりしている場合じゃないわ」
夕美「そうだね。余計な火種は持ち込まないようにしよう」
文香「異論ありません…プロデューサーさんの身近な番号から手当たり次第に入力してみませんか…?」
美波「…文香さん。残念ながらそれは無理なのよ」
文香「何故ですか…?」
夕美「!」ハッ!
美波「夕美ちゃんは気が付いたようね…そう! タブレットのパスワード入力は全部で10回までしか出来ないのよ!」カッ!
夕美「ぼ、防犯機能…! 間違えたらすべてのデータが消える…!」ワナワナ
文香「な、なんと…」ガ-ン!
美波「だからチャンスは全部で9回。データが消えてしまう最後のトライは出来ないわ。だから残されているのは5回だけ。いいわね?」
夕美「最初の3回は本当に無駄な3回だったね!」
文香「悔やまれます…」
美波「過去を振り返っても仕方がないわ! 頑張りましょう!」
2人「「おーっ」」
美波「で、2人とも。プロデューサーさんにとって重要な番号は知らない?」
夕美「あのさ。大抵の人ってお気に入りの番号があるよね?」
美波「お気に入り?」
夕美「うん。例えば、キャッシュカードの暗号って誕生日を避けるように指示されて作るでしょう?」
文香「そうですね…」
夕美「で、その新しく決めた番号って他の場面でもよく使う気がするの。お店の会員登録のパスワードとかで」
美波「言われてみれば、そうね」
文香「冴えています…で、肝心のその番号とは?」
夕美「1つだけ心当たりがあるの。ええと、昔プロデューサーさんにもらった名刺、と」ガサゴソ
【P名刺】ピラッ
夕美「ここにプロデューサーさんのメールアドレスが書いてあるんだけど…」
idolpds3460430@~
美波「アイドル、プロデューサー、346プロダクション…その次の4桁の番号は誕生日ではないわ!」ピ-ン!
文香「こ、これは…!」
夕美「これ…上手くいくかな?」
美波「すごいわ! 夕美ちゃん!」
文香「これは核心に迫っています…大当たりの予感です…」
夕美「え、えへへ~♪」
美波「じゃあ早速…」
夕美・文香「「…」」ワクワク♪
スッ...ポチポチポチポチ...
【パスワードが違います】ブブ-!
美波「…だ、ダメみたい」
夕美「そーんなー!」
文香「…致し方ありません」
夕美「絶対これだと思ったのに…」
美波「電話番号の下4桁はどうかな?」
夕美「やってみようか」
スッ...ポチポチポチポチ...
【パスワードが違います】ブブ-!
文香「電話番号…090に続く4桁はどうでしょう…?」
スッ...ポチポチポチポチ...
【パスワードが違います】ブブ-!
3人「「「駄目だぁ~」」」ガクッ
美波「チャンスはあと2回…辛いわね」
夕美「無茶な作戦だったのかな…」
文香「諦めてはいけません…次は…思い切って5555です…!」
美波「な、何かな! その数字は!」
夕美「私も知りたいよ! 文香さん!」
文香「これはズバリ…ものぐさナンバーです」
美波・夕美「「ものぐさナンバー?」」
文香「パスワードを決めるのが面倒…入力するのも面倒…そんな人が中央に配置された5を連打する…これほど素晴らしい番号はほかにありませんよ…」フフフ
美波「な、なんだかそんな気がしてきたわ!」
夕美「やってみようか!」
スッ...ポチポチポチポチ...
【パスワードが違います】ブブ-!
文香「フグッ…!?」
美波「…」
夕美「…」
美波「今日のところは諦めるしかないわね…」ハァ
夕美「そうだね…また別の日にやってみよう」ハァ
文香「今日だけの挑戦ではありません…」フム
美波「とりあえず…最後は適当に思い付いた番号を打つわね…」スッ
スッ...ポチポチポチポチ...
【ロック解除】
美波「はぁ…やっぱり駄…!?」
夕美「え…えええええ!?」
文香「な、なんと…!?」
美波「開いた! 開いたわ!」
夕美「美波ちゃんすごい!」
文香「どんな番号を打ったのですか…?」
美波「あ、アインフェリアの結成日…」
夕美・文香「「プロデューサーさん…」」
美波「私たちのユニットの結成日をそんなに大切な日だと思ってくれていたのね」
夕美「…なんか涙出てきたよ」グスッ
文香「感動ですね…」
美波「そうね。でも、やることはきっちりやりましょう♪」
夕美「うん!」
文香「観ましょう…」
3人「「「どんなやましい動画を隠してるんだろう♪」」」ニコニコ
美波「あ、これ動画アプリだよ♪」
夕美「これでダウンロードと再生をするみたいだね♪」
文香「ほほう…たくさん並んでいますね…」
美波「とりあえず…1番上のを再生♪」
ピッ
3人「「「…///」」」ドキドキ
カチャ
P「ただいま。いやー、ダブレット忘れちゃって…」
3人「「「あ」」」
(動画再生中)
ウッフン♪
アハハハン♪
P「」
美波「え、ええと…プロデューサーさん。これはですね?」アセアセ
夕美「ち、違うんだよ!? パスワードをこじ開けたとかじゃないよ!?」アセアセ
文香「そうです…我々はプロデューサーさんの嗜好を探るとかではなく…」アセアセ
美波「しっ!」
P「よくわかった。覚悟は出来ているんだろうね?」ニコリ
美波「」
夕美「」
文香「」
トゥルルル...ピッ!
P「あ、マストレさんですか。明日からポンコツ3人組は地獄のスペシャルメニューで。ええ、容赦無くお願いします。では」
3人「「「イャァァァァァッ!!!」」」
(後日)
美波「」
夕美「」
文香「」
P「まったく…人のタブレットをこじ開けやがって。パスワードも変更したわ」
美波「いいじゃないですか! 見せてくれても!」カッ!
夕美「そうだよ! 減るもんじゃないでしょう!」カッ!
文香「このスケベ…」クワ-
トゥルルル...ピッ!
P「あ、マストレさんですか? 特訓を延長で」
美波「ごめんなさい!」
夕美「嫌ァァァ!」
文香「ご勘弁ご容赦を…!」
P「かけたフリだよ。次やったら本当に連絡するからな」
美波「うぅ…よかった」
夕美「はぁ…ところでプロデューサーさん。メールアドレスの346の後に続く番号ってなんなの?」
P「へ?」
文香「0430ですよ…何かの意味があるのですか?」
P「お前ら色々試しやがったな…」
美波「ナンノコトデショウ」
P「ったく。あれも大した番号じゃないよ。実家の住所の番地だ」
美波「…へぇ。そういえばプロデューサーさんの実家ってどちらなんですか?」
P「栃…何故そんなことを?」
夕美「栃木かー。へー」メモメモ
文香「なるほど…」メモメモ
美波「いえ別に。深い意味はまったくありませんよ?」ニコリ
P「…探るなよ?」
3人「「「ふふふ♪」」」ニコリ
P「やめろよ!?」ガ-ン!
終わり
以上です
お読みいただきありがとうございました
前回書いた【夕美・美波「「Pさんの秘密を探るよ!」」文香「…異論ありません」】の続編のようなものでした。
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