海老名「…………」
戸部「あの……、俺さ、その……その」
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葉山「…………」
大岡「…………」
大和「…………」
雪乃「…………」
結衣「…………」
八幡(戸部を振られないようにし、かつ彼らのグループの関係性を保ち、海老名さんとも仲いいままにしておく)
八幡(ならやっぱ、方法は一つしかねぇじゃねぇか)
戸部「あ、あのさぁ……俺、俺……俺さ!」
海老名「…………。……っ」
八幡「戸部!」
戸部「!?」
海老名「!」
八幡「ずっとお前のことが好きだった。俺と付き合ってくれ」
戸部「」
海老名「!!!!!!!!」
はいホモ
葉山「」
大岡「」
大和「」
雪乃「」
結衣「」
戸部「え・・・・・へ・・・・・・?」
八幡「戸部! お前のことが好きだったんだよ!」
海老名「ききききききましたわあああああああアッ――――!」
海老名「なになになにもうっ!? はちとべなの!? ここにきてはやはちじゃなくてはちとべなのぉー!?」
海老名「でもでもでも~! 隼人くんはヒキタニくん意識しまくってるしぃ!」
海老名「とべっちはサッカー(意味深)で隼人くんと繋がってるのにぃ!」
海老名「ぐ腐ァッ! 三角関係キタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━ !!!!!」
葉山「…………」
大岡「これもう分かんねぇな……」
大和「それな……」
戸部「は・・・・・・・ひ・・・・・・・・?」
海老名「本気!? 本気なの!? どうなのヒキタニくん! ぶっちゃけちゃいなYO!」
八幡「ああ、俺はホモだ。ぶっちゃけると葉山も大岡も大和も好きだ。全員で岡山の県北で盛り合いたいまである」
海老名「ナ、ナニー!? 男まみれの大盛り盛り合い奪い愛ぃ~~~~!? ヒキタニくんの誘い受けなの!? 総受けなの!?」
海老名「ぶふぉおおおおおぅ!!」ドバー
葉山「」
大岡「やべぇよ……やべぇよ……」
大和「それな……」
八幡「その中でも戸部、お前が一番だ。本当の意味で男(ひと)のことを好きになった。こんな気持ちになったのは初めてだ」
八幡「だらか勇気を振り絞って告白した。戸部、大好きだ。愛しているといってもいい」
八幡「俺と付き合ってくれ!」
戸部「」
海老名「…………。ふふ、凄いね、ヒキタニくんは」
八幡「…………」
戸部「……へ?」
海老名「私は、そんなふうに本気で人を好きになったことは……まだないかもしれない」
海老名「だから、今はもし誰かに告白されたって……付き合ったりはできないな」
海老名「それだから――」
戸部「…………」
八幡「…………」
海老名「ぐ腐腐腐腐腐腐腐ッ! いいモノ見せてもらったよぉ~!」
海老名「ありがとう!」
海老名「……ここから先は、男のコ同士で頑張ってね。とべっち、ヒキタニくん、ファイト!」
海老名「それじゃ、バーイ!」タッ
戸部「…………」
八幡「……だとよ」
戸部「ちょー、マジかよー。海老名さん誰とも付き合う気ないんかー。ま、コクる前に分かって良かった系だけど」
葉山「『今は』って言ってただろ。姫菜だって、これから変わっていくかもしれないさ」
葉山「とりあえずは、今の友達関係を楽しんでいくのも、いいんじゃないか?」
戸部「隼人くん。んー、まー、そうよな。ぶっちゃけ今も楽しいべ。うん」
戸部「けど俺、ぜってー海老名さんのことあきらめねーから!」
八幡「おう、まあ頑張れ」
大岡「おい戸部! そいつの近くにいたら危ねぇよ! 掘られるぞ!」
大和「逃げるんだよ! あくしろよ!」
戸部「うおおっ! そーだったぁー! ヒキタニくんマジあり得ねーから!」
戸部「俺そんなのぜってー無理だから!」
ダダダダッ
八幡(……ったく、騒々しい奴らだ)
八幡(だが、これで戸部は振られることなく、葉山グループの関係は現状維持)
八幡(ついでに、名指しされてホモの手から逃れるためにあの三馬鹿は結束するだろ)
八幡(海老名さんからの依頼、男子同士を仲良くさせて彼女から遠ざけることも、まあ成功だ)
八幡(海老名さんなら俺の嘘告白に必ずこういう反応をしてくれると思っていたし、俺の意図を察してうまく応えてくれた)
八幡「ふう……」
葉山「比企谷……すまない」
八幡「…………」
葉山「俺にはそういう趣味はないんだ。君の気持ちには応えられない」
八幡「おいふざけんな。方便に決まってるだろうが。俺はホモじゃない。これだけははっきりと真実を伝えたかった」
葉山「はは……そうか。それを聞いて安心したよ」
八幡「ったく」
葉山「悪かったな。君はこんなやり方しか知らないと……分かっていたというのに」
葉山「戸部たちのフォローはしておく。じゃあ」
八幡「……おう」
八幡「…………」
雪乃「…………」
結衣「…………」
雪乃「あなたのやり方、嫌い」
雪乃「……というわけではないのだけれど、はぁー……好きにはなれそうにないわね」
八幡「好きとか嫌いとか知ったことじゃねぇよ。これが一番効率がよかったからやっただけだ」
雪乃「彼らのうわべだけで実のない関係性を守るために腐心するなんて、それはあなたらしい解決策だったのかしら?」
八幡「……それは」
結衣「あたしは、良かったと思ってるよ」
雪乃「由比ヶ浜さん」
結衣「あたしにとっても、隼人くんたち皆で今まで通り仲良くできることは嬉しいし」
結衣「ヒッキーは頑張ったと思う。だから……そのことは、ゆきのんも」
雪乃「…………。そうね。この場を一番丸く収める方法として、比企谷くんのやり方に任せたのは私だわ」
雪乃「このことは、これ以上、追及すべきではないでしょうね。あいにく私は、これに代わる得策を持ち合わせていなかったもの」
結衣「ゆきのん」
八幡「……そうかよ」
雪乃「それにしても、大胆な告白だったわね。ホモが谷くん、あまり近づかないでもらえるかしら」
八幡「おい、ひでえあだなだな……」
八幡(けどホモが谷って保土ヶ谷みたいでちょっと語呂いいな。定着したらどうしよう……)
結衣「でも一瞬本気かと思っちゃったよー。ヒッキー、何か迫真の演技って感じだったし」
八幡「なわけねぇだろ……俺がもし女だったとしても、あんなゴミカス好きになるとか天地がひっくり返ってもあり得ねぇわ」
結衣「ちょっと酷すぎる言いようだ!?」
八幡「……いや、まあ悪いやつではないんだけどよ」
結衣「うん、とべっちはほんといいキャラしてるんだけどね」
雪乃「彼らの今後のことは、生温かい目で見守ってあげればいいわ。私は心底興味がないけれど」
八幡「お前相変わらず辛辣だな。俺も同感だけど」
雪乃「とりえず、今回の依頼の件はこれで終了ということになるわね。私たちも帰りましょうか」
結衣「そうだね。ちょっと帰りにお土産屋さん寄って行こうよ! ヒッキーも一緒に、ね!」
八幡「……まあ、帰りの道中にあるから、ちょっとだけな」
結衣「ゆきのんもいいよね」
雪乃「……ええ、構わないわ。少しだけよ」
結衣「うんっ!」
修学旅行明けに登校すると、クラスどころか学校中に俺のホモ疑惑が拡散されていた
誰だよ……噂流したやつは
俺を白眼視して寄り付こうとしない男子達、その様子を好奇の目をもってして話の種にする女子達
そんな中、相も変わらず俺に話しかけれくれる戸塚マジ天使
だが材木座、てめーはダメだ
もうここまで来ると、本当にホモになって戸塚とトゥルーエンド迎えちゃおうかな……
そんなふうに思ってしまう、今日このごろです
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている
(終)
読んでたらこれが一番良い解決方法だったかもしれないと思い始めてしまった…w
ありそうでなかったパターン
むしろ戸塚は喜んで話しかけてきているな
俺の生まれ育った保土ヶ谷への風評被害が
他のSSで読んだ
始まりがアレなだけにアンチになるかと思ったら丸く収まって良かった
乙です
このSSまとめへのコメント
斬新
正直これは想定内だわ