鹿島「ふっふっふっ……なんでか知りたい?」
堀「演劇の練習か?」
鹿島「なんと今日!! 私の誕生日なんだよ!!」
堀「! へーマジか。 おめでとう」
鹿島「ありがとう!!」
堀「……で、それと関係あんのかよ」
鹿島「大アリだよ!! だって誕生日になって歳を一つとった今……」
鹿島「堀ちゃんとは同い年!! だからタメ口で話していいんだ!!」
ドゴォン!!!
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鹿島「いてて……」
堀「……ったく、また変なこと考えやがって」
鹿島「……そういえば堀ちゃんの誕生日っていつだっけ?」
堀「俺か? 11月28日だ」
鹿島「ええ!? じゃあ一カ月しかタメ口で話せないの!!?」
堀「おう、残念だったな」
鹿島「……よーし! だったらこの一カ月間、いっぱい話すぞ!!」
堀「話たい所申し訳ねーけどチャイム鳴ってるぞ」
鹿島「あ! じゃあまた後で!!」タッタッタッ
堀「……」
堀「なんであいつは急にあんな事を……」
野崎「堀先輩、どうしたんですか?」
堀「! 野崎か、実はな……」
堀「……っていうやりとりがあってよ」
野崎「成る程……」
野崎「……」
堀「ん? どうした?」
野崎「考えられるのは……一つしかないですね」
御子柴「つまり先輩と後輩って関係を超えてお互いタメ口で話し合えば……」
鹿島「そう!! それだけ距離が近いから……可愛がられてる後輩ってことになるでしょ!?」
鹿島「だから今、この同い年の期間を利用してタメ口で話して……タメ口で話すのを認めてもらえれば……」
御子柴「……よくそんなこと思いつくなお前」
堀「……俺に認めてもらうためにタメ口を?」
野崎「はい。 そういう話を御子柴としていたらしくて」
堀「……めちゃくちゃな発想じゃねえか」
野崎「どうするんですか」
堀「絶対にタメ口で話させねえ」
堀「だってよ、そのまま慣れちまったらあいつが社会に出た時に失礼なやつになるだろ?」
堀「だったらここでちゃんと先輩には敬語で話すようにしねぇと」
野崎「……鹿島の為ってことですね」
鹿島「ほーりちゃーん!!」
堀「聞いたぞ鹿島、お前が俺にタメ口を使う本当の理由」
鹿島「!!」
堀「悪いが俺はお前がタメ口で話したら反応してやんねえぞ」
鹿島「ど、どうして……?」
堀「お前の為だ、非常識人になったら困るからな」
堀「……つーわけでちゃんと敬語で話せ」
鹿島「えー……」
鹿島「というわけで断られちゃった」
鹿島「うーん……なんとかならないかな~……」
瀬尾「面白い事考えてんじゃん」
佐倉「そ、そうだね……」
瀬尾「……そうだ!! 私達もやろうぜ千代!!」
佐倉「へ? 私達……?」
瀬尾「千代早生まれじゃん? だから千代は私と鹿島に敬語」
佐倉「ええっ!?」
瀬尾「私達より千代の方が歳下だから来年の3月まで!!」
鹿島「……いいのかなそれ」
佐倉「う、うーん……よくわからないや」
瀬尾「物は試しだ、やってみようぜ!!」
瀬尾「千代ー」
佐倉「は、はい!! なんですか結月先輩!!」
瀬尾「購買でパン買ってきてー」
佐倉「わ、分かりました!!」
鹿島「……違和感凄いなぁ」
瀬尾「うーん……」
佐倉「わ、私もパン買いたかったら!! とりあえず行ってきます!!」
佐倉「あ! 鹿島先輩のぶんも買ってきますね!!」
鹿島「う、うん。 よろしく」
佐倉「ふう、買えた買えた」
若松「佐倉先輩! こんにちは!」
佐倉「あ、若松くん」
若松「凄い量のパンですね……全部一人で食べるんですか?」
佐倉「ううん、これは結月の……いや、結月先輩と鹿島先輩のぶんで……」
若松「……へ? なんですかその言い方」
佐倉「えっと、実は……」
鹿島「先生、やっぱやめない? 千代ちゃんが可哀想だよ」
瀬尾「そうだなー。 なんか変な感じするし。 やっぱこういうのは若にやらせた方がいいなー」
若松「瀬尾先輩!! パンです!!!」
瀬尾「えっ、なんでお前が」
若松「なんで佐倉先輩にパシリさせてしかも後輩扱いしてるんですか!! いい加減にしてください!!!」
若松「バスケ部じゃなくて同級生にも迷惑かけるつもりですか!!」
瀬尾「なんでお前がそんなに怒ってるの」
若松「いいからそういうのは全部俺だけにやってください!!!」
瀬尾「そんな怒んなって。 私も丁度お前をパシらせたかったとこだし」
瀬尾「ジュース買ってきて」
若松「分かりました!!」ダッ
鹿島「はは……元気だね若松くん」
佐倉「はぁ……はぁ……あれ、若松くんは?」
瀬尾「あ、千代。 後輩ごっこ終わり」
佐倉「へ?」
堀「全く……鹿島には困ったもんだぜ」
野崎「そうですね……」
野崎「……」
野崎(待てよ……これはもしかしたらアレに使えるんじゃないか?)
別の日
御子柴「はよーっす野崎。 アシスタント来たぞ」
野崎「なんだその言葉の使い方は。 敬語を使え」
御子柴「……は?」
野崎「お前は早生まれで俺の方が歳下だろう。 だからちゃんと敬語を使うんだ」
御子柴「なんだよ急に……鹿島みたいな事を言いやがって」
野崎「口が悪いぞ!!」
御子柴「な、なんだよぉ!! そんな怒んなよぉ!!」
野崎(よし、お前のその涙目が見たかったんだ)スラスラ
野崎「……よし」
御子柴「お前って……ドSなのか?」
鹿島「よくよく考えてみれば……」
鹿島「先輩と演劇する時に普通に話してたな」
鹿島「だったら……」
鹿島「……おはよう大臣。 今日も君の姿は眩しいね」
堀「!」
堀(なんだよ、朝から演劇の練習か?)
堀「何を言いますか王子……あなたの方が美しく輝いてますよ」
鹿島「ふふ……そう言ってもらえて光栄だよ」
鹿島(これでオッケー!!)
堀「最近鹿島が役でしか話かけてこねーんだけど」
野崎「えっ」
~終わり~
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