事務所
飛鳥「なあ、芳乃」
芳乃「なんでしょー?」
飛鳥「今の状況について説明してほしいんだが」
芳乃「状況ですかー?」
飛鳥「そうだ」
芳乃「ふむー。特に変わったところはありませんがー」
飛鳥「そうか。これはキミにとって普通のことなんだな」
芳乃「もちろんですー」
飛鳥「じゃあ芳乃。1つボクから言わせてもらおうか」
芳乃「なんでしょー?」
飛鳥「出会ってそうそうボクの左手をがっしりと掴むのはいきなりじゃないかい?」
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芳乃「何かおかしいでしょうかー?」
飛鳥「キミに疑問がないことはわかったよ。ただ、何の前触れもなく人の手を掴むのは失礼じゃないかい?」
芳乃「そういえばそうですねー。失礼しましたー」
飛鳥「無自覚だったのか。それでいきなり掴んだ理由を聞きたいんだが」
芳乃「理由ですかー。ふむー、特に思い浮かびはしないのですがー、強いて言えばー、飛鳥さんの手が視界に入ったのでー」
飛鳥「……………」
芳乃「何度か握った飛鳥さんのお手々が、とても暖かく、柔らかかったのを思いだしー。ついー」
飛鳥「つい、か。いささか動機が不純な気もするが、仕方ないとしよう」
芳乃「はいー」
飛鳥「はいじゃないが」
芳乃「ほー?」
飛鳥「普通こういう時は掴んだ手を離すものだろう。なぜキミは離そうとしない」
芳乃「それはー、飛鳥さんが嫌そうではなさそうだったのでー」
飛鳥「……はぁ。ボクの負けだ。好きなだけ握っているがいいさ」
芳乃「それではー」
飛鳥「……楽しそうだね」
芳乃「飛鳥さんの手が気持ちいいのでー、私も嬉しい気持ちになるのですー」
飛鳥「ボクの手の何がそこまでキミを魅了するのかはわからないが……」
芳乃「飛鳥さんー。また、街へ行きましょー」
飛鳥「街かい?」
芳乃「はいー。今度、水着の撮影をするのですがー、水着は学校指定のものしか着たことがないのでー」
飛鳥「それでボクに見てほしいと?」
芳乃「そうですー」
飛鳥「別にそれは構わないがもっと適任がいるだろう?例えば、紗枝とか」
芳乃「実はー、紗枝さんにも声をかけていたのですがー、今日はお仕事が忙しいらしく断られてしまいましたー」
飛鳥「それなら仕方ないか」
芳乃「他にも、歌鈴さんには街にはバナナの皮があるからと断られー」
飛鳥「ん?」
芳乃「珠美さんとあやめさんは、水遁の練習をするとー」
飛鳥「……意味がわからないが」
芳乃「つまりー、春霞の皆様はお忙しいとー」
飛鳥「そうか。……二人ほどプールで遊びたいという言い訳に聞こえたが、別にいいか」
芳乃「それでー、飛鳥さんは今日はお休みでしょうかー?」
飛鳥「特に仕事は入ってないよ。レッスンも終わったし、このあとは屋上で思索に耽ろうと思っていたくらいだ」
芳乃「それでは参りましょー」
飛鳥「一応聞くが、ボクに拒否権は?」
芳乃「ありませぬー」
飛鳥「はぁ。……待て!跳びはねて引っ張るな!わかったから普通に歩いてくれ!」
芳乃「わかりましたー」
飛鳥「キミのペースは本当に掴みづらいな」
芳乃「そうでしょうかー?」
飛鳥「ああ。ただ、わかったことと言えばキミは気持ちが昂ると跳びはねるクセがあると言ったところか」
芳乃「ふむー。そうなのですかー」
飛鳥「無自覚か……。まあいい。それよりも芳乃、先に寮へ寄っていこうか」
芳乃「ほー?寮ですかー?」
飛鳥「そうだ。着物で買い物に行く気か?以前その格好でゲームセンターに行ったときは酷く人目を集めていたし」
芳乃「確かにそうでしたー。では、寮で一度着替えねばなりませんねー」
飛鳥「とりあえず寮で着替えてから、買い物はそのあとだ」
芳乃「わかりましたー」
飛鳥「ほう……」
芳乃「どうかしましてー?」
飛鳥「なに、キミが洋服を着ているのが珍しくてね。なかなか似合っているじゃないか」
芳乃「ありがとうございますー。飛鳥さんはいつもボロボロな服装ですがー、不思議と様になっていますよー」
飛鳥「ボロボロって……。これはダメージ加工といって。まあ、これもファッションなんだよ」
芳乃「ほー?ふぁっしょんとは難しいものですねー」
飛鳥「こんなに現代に疎い現代人も珍しいな」
芳乃「私も、文明の利器は使えますよー?」
飛鳥「文明の利器……」
芳乃「すまーとふぉんのこのあぷりを起動すればかの者と連絡がとれますー」
飛鳥「それくらい今は小学生でも余裕でできるよ」
芳乃「なんとー!かの者は小学生ともお友達なのですねー」
飛鳥「いや、小学生が全員プロデューサーの連絡先を知ってる訳じゃないぞ?」
芳乃「ほー?」
飛鳥「まあこの話は後にしよう。先に買い物だ」
芳乃「そうでしたー。飛鳥さん、お手をー」
飛鳥「わかったよ。ほら、行こうか」
芳乃「はいー。それではー」
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店内
飛鳥「それで、芳乃はどんな水着がいいんだ?」
芳乃「はてー?どのようなものが良いのでしょうかー?」
飛鳥「つまり、全くの未定って訳だ。撮影のコンセプトとかあるのかい?あるならそれに沿って見繕ってみるが」
芳乃「こんせぷととは違いますがー、私は妖怪役をやるらしくー」
飛鳥「妖怪?」
芳乃「はいー。セイレーンという、船乗りを歌で誘惑する妖怪でしてー」
飛鳥「ふむ。セイレーンか。それならセイレーン用の水着はプロデューサーが用意するだろうね。だったら普通にオフ用の水着かな?」
芳乃「おそらくー。海で遊ぶ用の水着を買っておけと言われましたのでー」
飛鳥「なんだ。だったら最初からそう言ってくれ。それなら芳乃が気に入ったものを選べば良いよ」
芳乃「私がですかー」
飛鳥「そうだ。普通に服を選ぶ感覚でいいんじゃないか?水着なら人目に触れることを考慮する必要があるが」
芳乃「ふむー。迷ってしまいますねー。……これはなんでしょー?」
飛鳥「芳乃、そんなものを選ぶんじゃない。それはもっと大人が着るものだ」
芳乃「ほー?私は飛鳥さんよりも大人ではありますがー」
飛鳥「年齢の話で言えばそうだが。キミよりももっと大人な人が着るものだよ」
芳乃「そうですかー。ではー、返しておきますねー」
飛鳥「ああ。キミにはもっと少女らしいものが合うんじゃないか?」
芳乃「むぅー。私は飛鳥さんより年長なのですからねー」
飛鳥「それはわかったから。例えばこういうのはどうだい?」
芳乃「ほー?」
飛鳥「キミには普通のビキニタイプよりこういったものの方が合う気がしたんだが」
芳乃「ほー!」
飛鳥「これに一枚羽織っておけば十分だと思うが」
芳乃「ではー、これにしましょー」
飛鳥「あくまで一例なんだが、もっと見て回ってもいいんだぞ?」
芳乃「いえー、これで良いのですよー。何より、飛鳥さんが選んでくれたものですからー」
飛鳥「キミがそれでいいならボクもとやかく言うつもりはない」
芳乃「はいー。それではお会計に行ってきますねー」
飛鳥「それじゃあボクは外で待っているよ」
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飛鳥「芳乃、本当にこんなところで良いのかい?」
芳乃「はいー。こんびには何でもあって良いところですのでー」
飛鳥「それには同意だが、もっとキミが好きそうなお茶屋もあっただろう」
芳乃「確かにありましたがー、今日はこんびにの気分ですー」
飛鳥「まったく。やっぱりキミは変な人だな」
芳乃「ほー?」
飛鳥「何でもない。それにしても、そんなに煎餅を買おうとして食べきれるのかい?」
芳乃「ちゃんと食べますよー。それにー、事務所にもお裾分けをしますのでー」
飛鳥「ほう。……って、あれは芳乃が買っていたものだったのか」
芳乃「はいー。お客様のお茶うけにしてもらったりー、みなみなのおやつになっていたりしますー」
飛鳥「まあ、何度かボクも食べたことがあるし、キミには感謝しないとな」
芳乃「いえー、感謝するのは私ですー。今日は飛鳥にお付き合いいただきましたしー、水着も選んでいただけて、ありがとうございましたー」
飛鳥「そうか。だったら今日のお礼は今まで知らずに食べていた煎餅ということにしておこう」
芳乃「ふふふー。そうしましょー」
飛鳥「……それより芳乃。どれだけ買うつもりなんだい?ボクの目にはカゴの中に煎餅が5袋以上はあるように見えるんだが」
芳乃「……はっ。つい、たくさん買いそうになってしまいましたー」
飛鳥「つい、でそんなに?」
芳乃「いつもは3袋までと決めているのですがー、誘惑に勝てず、いつも自然と手がー」
飛鳥「はあ」
芳乃「こんびには便利なところですがー、恐ろしい場所でもありますねー」
飛鳥「それには全くもって同意するが、限度額を設ければ済む話じゃないかい?」
芳乃「ほー?……ほー!」
飛鳥「考えもつかなかったのか」
芳乃「次回からはそうしましょー。一回300円までですー」
飛鳥「小学生の遠足か!」
終わりです。
これを書き始めたころ、デレステでよしのんの洋服姿が描かれて死にました。
コンビニとかの設定も入れてみましたが、まだコミュも報酬のよしのんも見ていないので拾った画像と想像の部分が多いです。
よしのんは簡単に取れるのでぜひデレステを遊びましょう!
本当は蘭子も出したかったんですが熊本弁につまづいたので勉強しておきます。
それでは読んでいただき、ありがとうございました。
前に書いたの
【モバマス】飛鳥「ある日、芳乃とカフェで」
【モバマス】 茜「海に!」未央「プールに!」藍子「行かせません!」
【モバマス】藍子「年に一度の」茜「藍子ちゃんの」未央「誕生日♪」
乙乙
コンビニか……千○がコンビニに魔法少女のチョコを買いにいったが、お金を落として泣いていたとこを、○が助けた的SSでも書くかなー(急に思いついた)
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