男「鬼畜幼女とカルマの迷宮」 (16)
男「……ここは、どこだ?」
男「なんだこれ、ルールブック?」ピラッ
[ここはカルマの迷宮。生から見放され、死からもまだまだ遠い、咎人の塔]
男「カルマの、迷宮……?」
[×の塔にいる七人で殺し×いをして、生き残った×人だけを下界に返してあげま×ょう]
男「なんだ? ところどころ破けてて読めないぞ」ペラッ
[七人の参加者紹介]
男「……参加者紹介、ねぇ」
幼女「……」ジー
男「……子供?」
幼女「ふぇっ!? ひっ、や、やめて! 殺さないでぇ」
男「え? い、いや、そんなつもりは……」
支援
やばい臭すぎてやばい中学生オーラがやばい
ここでマジキチにもっていけたら凄腕
これは 名 作 の予感
[参加者リスト]
男(20):人畜無害。無知こそがカルマ。
幼女(8):あざとい。生まれてきたことがカルマ。
青髪(16):死なない。存在することがカルマ。
黒髪(39):哲学者。洗脳がカルマ。
白髪(18):優しい。優しさゆえのカルマ。
金髪(19):快楽殺人者。人殺しがカルマ。
容姿不明(?):正体不明。他人の人生を狂わせたことがカルマ。
男「……えーっと、これ、俺の名前じゃん。人畜無害? 無知?」
幼女「お、お兄ちゃんが無知の人なの?」
男「せめて人畜無害の人と言ってくれ」
幼女「よ、良かった。他の人……怖そうだったから……」
くっさ
幼女「……お、お兄ちゃん、助けて欲しいの」ガシッ
男「あ、ああ。こういうことは大人に任せろって! とりあえず出口を探そう」
青髪「出口? ゲームをせずにここから出るつもりですか?」
男「お、お前は……」
青髪「どうも、私のことは青髪と呼んでください。幼女ちゃんと……人畜無害さん、かな」
青髪「この辺りを調べながら歩いていたんですが、どうやらここ……カルマの迷宮は地下みたいですよ。地上に出るにはエレベーターを動かさなければいけない」
男「それを動かす条件っていうのは……」
青髪「もちろん、残り2人になるまで殺し合うことですよ」ニヤッ
幼女「ふ、ふぇえ……」
男(……う、うしろポケットにナイフが入ってる)サワッ
青髪「うん、どうしましたか?」
男「くっ……くるな! それ以上きたら刺す、俺は本気だぞ」シュンッ
青髪「……ふふっ。刺して、どうするんですか?」
男「さ、刺して?」
青髪「私、そんなもので刺されても死にませんよ?」
男「……俺は、本気だぞ」
青髪「刺すなり抉るなりお好きにどうぞ。ただし、あなた方の命はもらっていきますよ」シュッ
男(手……手になにか持ってる。針? あんなリーチの短いものでどうするつもりだ?)
男(とにかく、幼女ちゃんを守らないと……)
青髪(もちろん包丁の方がリーチは長い。でも、私は包丁を捨ててあえてこれを拾った)
青髪(相手が私に包丁を刺して安心した、その一瞬のスキを突いて確実に殺すためにっ)
男「……」グッ
青髪(ふふっ……見える。数秒後、私を刺して安堵する、彼のヴィジョンがっ!)
男「……くそっ!」パッ
カラン カラン
幼女「ふぇっ?」
青髪「包丁を、捨てた?」
青髪(な、なんで)
ザクッ
男「あがっ……!」
幼女「あ、あわわわ……」
青髪「な、なんで」
男「はは……お前みたいに、可愛い女ね娘、刺せるかよ……」
青髪「……」
男「逃げろ、幼女」ガシッ
幼女「お、お兄ちゃん」
男「頼む、逃げてくれ。そして必ず、ここを脱出するんだ。俺は、多分もうダメだ」
幼女「……ひぐっ」ダダダッ
男(……ああ。……意識が、遠くなってきやがった)
くしゃみするとチンコ裏が痛くなるんだけどなんだろ
…………
男(……なんで、俺がこんな目に)
「被告、男は死刑とする」
男(ああ、そうだ。俺は裁判にかけられていて……)
男(でも、あれは俺のせいじゃなくって……)
男(えっと、えーっと……)
…………
青髪「お目覚めですか?」
男「……生きてる?」
青髪「地下に幽閉されて、殺し合いを強要されている現状を、生きていると呼べるなら」
男「……じゃあ、ある意味死んでるようなものなのかな」
青髪「随分幸せな人生を送ってきたようで。私はそんな状況でも、笑顔で生きているって言えますよ」
男「不幸自慢は聞きたくないなぁ……で、なんで俺生きてるの?」
青髪「ふふっ。人間はすべて復讐対象でしたし、私は一人でここを出るつもりでしたが……気が変わりましたよ」
青髪「あなた、人類最強のこの私がペアーを組んであげてもいいですよ」ピシッ
男「べ、ベアー?」
青髪「熊じゃなくてペアーです」
男「ペアじゃなくてペアー?」
青髪「英語の発音的にはペアーの方が正しいですよ」
男「でもカタカナ英語的にはペアの方が正しいよね」
青髪「要するに、私とここを出て幸せになりましょうってことです」
男「いや、プロポーズみたいになってますが。ひょっとして、日本語苦手?」
青髪「まぁ、人の話す回数が少ないので、経験値は低いですかね」
青髪「私にとって、このカルマの迷宮は救いなんですよ」
男「救い?」
青髪「ええ、さっきも言いかけましたが、私は不幸な生まれでして……」
男(こいつ、どう話が転がっても自分語りする気だ……)
青髪「私ですね。奇跡の細胞と呼ばれていたんですよ」
男「はあ」
青髪「通常の生物は、細胞が寿命を制御して、人の一生に限界を作ってサイクルを早めているんですね。結果として長く種を保存できるように」
男「……ふーん」
青髪「それが何かの手違いで欠落した人間、その成れの果てが私なわけですよ」
青髪「細胞分裂を早められているお陰で回復も早いですし、脳に設計図をインプットされているため足を切られようが……」
男「……」
青髪「話、聞いてますか?」
男「途中までは」
青髪「……こほん。とにかく、私は幼少を実験対象として過ごしていたというわけです」
青髪「私を可愛がってくれていた博士が数年前私を逃がそうとして捕まって以来、私は完全な監禁状態にありました」
男「……ふーん」
青髪「それで毎日狭くて暗い部屋の中だったんですが、ある日気が付くとここにいた、というわけです」
男「……」
青髪「だから私にとってここは、むしろチャンスなんですよ。あなた方にとってはただの不幸かもしれませんが……」
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