……やめてください、プロデューサーさん。
伏せないで。
泣かないで。
謝らないで。
そうして足を付いて頭を下げて、涙に濡れた顔をそんなふうに歪ませて、そうやって謝るのはやめてください。
そんなことをしていただく義理はありません。
そんなことをしてもらう必要はありません。
そんなことを受け取る気はありません。
貴方のそんな姿と行為を、私は欲してなんていませんから。
望んでいません。願っていません。祈っていません。欲してなんて、いませんから。
……え?
ああ、なるほど。そんな意味に取ってしまったんですね。
大丈夫。……ふふ、大丈夫ですよ。
大丈夫ですし心配はいりません。私にそんな意図は、ありません。
私が貴方を捨てるなんて。
私がプロデューサーさんを見限るなんて。
この私が貴方を、プロデューサーさんを嫌いになるなんて……別れたいと、そんなふうに願うなんて。
そんなことはありません。
大丈夫です。
大丈夫ですよ、プロデューサーさん。
私は何も怒っていません。
何も気にしていないし、何も憤ってなどいません。
貴方が私以外の方と睦み合った。そのことについて、
求め合い愛し合い想い合ったという、そのことについて、
私は何も、貴方に対して負の想いなんて持ち合わせてはいませんから。
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だから、大丈夫です。
そんなふうにならなくても構いません。
私がこのことを理由にして、貴方と離縁したいなどと思うことはありませんから。
だからプロデューサーさん、そんなふうにするのはやめてください。
……ん、はい。……え。え、っと…………私が?
あら。――ふふ、もう。
まさか、そんなことあるわけがありません。
そんなことはありえない。
たとえどんな何が起ころうとも降りかかろうとも、それだけはありえません。
貴方も、知っているはずです。
私は誓いました。
貴方と想いを交わしたあの時に、
貴方といつか夫婦となろうと契りを交わしたあの時に、
貴方と共に在る幸せを感じている常日頃いついかなるどんな時にも、
私が誓い、そして誓い続けていること。
今この時にもまた、新たに心の中で誓いを立てていることを。
貴方への愛を誓っている。
そのことを、貴方も知っているはずです。
ですから、そんなことはありません。
ええ、貴方を愛していないなど。
浮気をされても無関心で無感動。そもそも想ってなどいないのだから……だから、何も揺れ動くものがない。
貴方が何をしようと関係ない。どうしようとどうなろうと、そんなものはどうでもいい。
自分にとって何ら価値を持たないもの。それが何をしようと何を犯そうと、何ら価値を持たないそれのために感じることなど何もない。
そんなふうに想って。思って感じて考えて、だからこそのこの対応なのだと。
そんなことはありません。
私は貴方を愛しています。
貴方の一挙一動。そのすべてに心を奪われて、
貴方の喜怒哀楽。そのすべてに意識を引き寄せられて、
貴方の存在。それに……心も身体も私の何もかもを満たされ熱せられてしまうほどの想いを抱き締めさせられて、
こうして貴方という人が居なければ、それだけでもうこの生を続けることすら危うくなってしまうほど……私は、貴方を愛しています。
貴方への私の愛が尽きることなんて、ありえません。
……そして。そして、簡単なことなんです。
それならどうして、愛を抱いているのならどうして、その愛ゆえの怒りを持っていないのか。
それはただの、なんでもない簡単な理由なんです。
私は貴方を信じているから。
プロデューサーさんを信じているから。
自分の愛する貴方という人のことを信じているから。
ただ、それだけなんです。
…………それはおかしい?
自分はそれを、その信頼を裏切ったんだ。ですか?
……ああ、すみません。また語弊を……伝え方が良くありませんでした。
ええっと、それじゃあ……改めて、なのですけど……。
まずはその通り。貴方は将来の約束をした私以外の人と睦み合い、愛し合いました。
それは浮気と呼ばれる行為で、不貞と称される行いで……普通、一般には裏切りとされる事柄です。
そして貴方はそのことで、私の信頼を裏切ってしまったのだと思っている。そのようですけど……。
違います。違うんです。
私の言った「信じている」という言葉。それは……それとは、少し違うんです。
もちろん、私は貴方を愛しています。
愛しているから、愛する貴方が自分以外の誰かと……という事実には、当然思うところはあります。
先にも言った通り、私は何も貴方に対しての怒りや憤りなどの負の想いは持っていません。が、
愛しているんです。それなら当然、悲しさを苦しさを無念さを、それらを思うところはあります。
でも、それ以上に信じているんです。
私は貴方が、プロデューサーさんが、自分の将来の伴侶が……必ず、私の隣へ居てくれるんだって。
私を離れて、私から遠ざかり、私以外の誰かと触れ合って……それはいい。それは構わないし、それは問題だと受け止めません。
それよりも、その後。
途中横へ逸れ、ずれて、曲がってしまったとしても、その後には必ず。
必ず、貴方は私と居てくれる。
私の隣へと帰り、私のことを愛し、私と死までを共にしてくれる。
貴方が選んでくれるのは私。添い遂げようと誓ってくれるのは私。他のどんな誰よりも何よりも想ってくれるのは私。
紆余曲折があったとしても、どんな何があったとしても最終的に……本質的に貴方が己の一番としてくれるのは、この私。
そうであると信じているから……だから、私はこんなふうにいるんです。
……プロデューサーさん、貴方の周りには多くの人がいます。
ある人は可愛く。ある人は綺麗で。ある人は美しく。
それぞれ素敵に輝く魅力を持った人たちが何人何十人と周りにいて、そしてそんな魅力的な子たちの誰もが貴方へ好意を抱きながら……貴方と触れ合いたいと願い、その胸を高鳴らせています。
そんな誰もが、どこか私を超えた魅力を……それは容姿かもしれないし年齢かもしれません。内面や、それらとは別の何かなのかもしれません。とにかくどこか……それらのどこかで、私よりも優れた魅力を持っている。
そんな異性が、貴方の周りには両手足でも足りないほどの数存在していて。そんな人たちが競うように……生涯でこれ以上はきっとないだろうというような、自分の意思では溢れて流れ出すのを抑えることもできないような、そんな強く深い想いを貴方へと注ぎ贈っている。
そんな状態では……変な話ですけど、ある意味では仕方ありません。
浮気、というものも仕方ありません。
だから、私はそのことについて貴方へ非難の想いを持つことはありません。
もちろん、先にも言った通り思うところがないわけではありませんけど……でも、そう。ここでもまた、私は信じていますから。
貴方は私が愛する人で。……私が選んで、私がこの想いを捧げた人で。
だからこそ、私は知って……分かって理解して、信じていますから。
私以外へ逸れたとしても、それでも本当の本質の奥底では私こそを愛してくれていて、私以外を本気にはしないと。
声を荒げて手を出して、何かに付けて追求をして縛り付けて……そんなことをしなければ保てないほど、私たちの絆は脆くなどないのだと。
貴方のことを、そうして私は信じていますから。
だから私はこうなんです。こうして、怒らず嘆かず嫌悪を抱かずにいるんです。
愛がないからではなくて。貴方への愛を持ち、貴方への愛に満たされているからこそ、こうなんです。
だから。……ですから、ほら。
逃げないで。……そう、私に身を委ねて。
濡れても構いません。汚れても構いません。私のこの服もこの肌も、貴方のものにならいくら塗られようと構いません。何も気にせず、溢れ出るすべてを私で拭って。
時なんて問いません。いつまででも一緒にいます。貴方の愛を受けている限り……その限り、私はどこでだっていつまでだって貴方の隣で貴方と一緒です。その震えを、悔いや罪の意識を、私で止めて、私で癒して、そうして優しくすべて溶かして。
そう……そうです。どうか、私へ何もかもを寄り掛からせて。
抱き締めます。貴方を受け入れて受け止めて、そうして包んで抱き締めます。
大丈夫、私はここにいます。
貴方の帰る場所。ここから居なくなりはしません。ここを離れ、ここと別れたりなど決してしません。
大丈夫。私はここで、貴方と一緒。
貴方の伴侶。貴方の妻、貴方の美優は……貴方を拒んだり、貴方を捨てたり、そんなことは決してしません。
だから、そう。身を任せて、心を任せて……そう、大丈夫です。
その震えや涙が止まるまで……落ち着くまで、こうして私が貴方のことを抱き締めます。
だから……ほら、安心して。癒されて安らいで、温まって。……そう、私へ還って。私で安心してください。私の、愛おしい人。
愛しています。
好きです。大好きです。愛しています。
至らない私ですけど、それでもこれに関してだけは心から信じられます。他の誰よりも何よりもどんなものよりも、貴方のことを一番に強く深く想っています。
ええ……
「……愛していますよ。……愛おしい、私の、アナタ……」
以上になります。
お目汚し失礼しました。
おつ☆
これ、美優さんのハイライトはありますよね…………(震え)
何はともあれここまで愛されたい。
乙
あれ? 最後に過去作載ってないけど、いつもの重い独白の人じゃないの?
なんというラオウ
>>11
お前のせいで全部ラオウが言ってるように変換されたわwwwwwwww
おつ
ラオウって書こうとしたら既に書いてあった
乙
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