猫娘「今日は私の誕生日ニャ」鮫娘「しゃーく、そうですか」 (44)

猫娘「おいなんニャ、その反応は」


鮫娘「おめでとうございます」


猫娘「おう、ありがとニャ」


鮫娘「...」

猫娘「...」



猫娘「ちょっと待てニャ、なんだこの間」

猫娘「もっと驚いてお祝いしろニャ。なんでそんな冷めてるニャ」

鮫娘「冷めてるって...シャレですか?」プッ


ボコッ


鮫娘「しゃ、しゃーく...痛い...なんで殴るんですか」


猫娘「お前が寒いこと言うからニャ。次つまらんこと言ったら海に落とすニャ」

猫娘「そういやお前の誕生日っていつだったニャ?」


鮫娘「しゃーく...4月9日ですけど」

猫娘「そのまんまニャ」

鮫娘「2月22日が誕生日の猫さんが言わないでくださいよ」


ツンツン


鮫娘「あ、猫さんの竿引いてますよ」


猫娘「にゃ」グイッ



パシャパシャ


魚『』ピチピチ



鮫娘「おぉ、大物じゃないですか。海からの誕生日プレゼントですね」


猫娘「...」

猫娘「...お前からの誕生日プレゼントはないのかニャ?」

鮫娘「しゃーく?なんであたしがあげるんですか?」



ゲシッ



鮫娘「しゃ、しゃあああああああああああああく!!!!!落ちる!落ちる!」バタバタ

猫娘「お前、魚だから海に落ちても平気だろうニャ」ゲシゲシ

鮫娘「しゃーく!魚でも冬の海は寒いんですよ!蹴るのやめてください!」



鮫娘「しゃ、しゃーく...死ぬかと思った」ハァハァ

猫娘「大げさニャ」

鮫娘「しゃーく...猫さん、誕生日プレゼントが欲しいんですか?」

猫娘「当たり前ニャ、欲しくないやつなんて居ないニャ」

鮫娘「...猫さんって今年でいくつでしたっけ」

猫娘「17ニャ」

鮫娘「...17でまだ誕生日祝って欲しいんですか?」



ゲシゲシ



鮫娘「落ちるううううううううううううう!!!!!」バタバタ

猫娘「喧嘩売ってんのかおめぇ!一度落ちろニャ!」ゲシッ



ドボンッ

鮫娘「しゃーく...酷い...寒い...」ブルブル

猫娘「どうせ帰りは海に潜って行くんだからいいニャ」

鮫娘「ずっと海の中に居るのと、一度地上に出るのは違うんですよぉ...」ブルブル



ボッ

パチパチ パチパチ



鮫娘「しゃーくぅ...暖かい...」

猫娘「やっぱり魚は焼くのに限るニャ」パクパク

鮫娘「というか猫さん...もしかして今日あたしを釣りに誘ったのって、プレゼントを催促するためですか?」

猫娘「当たり前ニャ。で、お前私の誕生日プレゼントはどうするつもりニャ」


鮫娘「えぇ...どうしてもあげなきゃダメですか」

鮫娘「しゃーく...あたし今月のお小遣い余裕がなくて、あんまりいい物なんて買えませんよ」

猫娘「今いくら持ってるニャ」

鮫娘「えーっと、ちょっと待ってください」パカッ


鮫娘「ひーふーみーしゃーく...360円ですね」

鮫娘「え、360円?」クルッ


猫娘「...」


鮫娘「ちょ、ちょっと待って...あれ、おかしいな。まだ3000円くらい残ってると思ってたのに...」

鮫娘「しゃ、しゃーく...360円って...映画のDVD買い過ぎた...いくら中古でも10本は厳しかったかぁ...」


猫娘「...お前また糞映画のビデオ買ったのかニャ。いい加減金の無駄だからやめとけニャ」

鮫娘「しゃ、しゃーく!糞映画じゃないですよ!普通に面白かったです!それなりに!」


猫娘「はぁ、何か同情して来たニャ。もうプレゼントはいいニャ」スッ

猫娘「私の家で6時からパーティーやるから来いニャ。本当はプレゼント持参だけど、お前は何か可哀想だから特別に免除してやるニャ」

猫娘「じゃ、私はそろそろ寒いから戻るニャ」スタスタ



鮫娘「しゃ、しゃーく...」ポツン



鮫娘「ど、同情された...というか馬鹿にされてる気がする」

鮫娘「うぅっ...糞映画じゃないもん...サメ映画は面白いもん...」シクシク

鮫娘「くっ...こ、こうなったら!」

鮫娘「しゃーく!猫さんにすごい誕生日プレゼントを用意して、見返してやります!そうと決まったらさっそく...」ピタッ

鮫娘「...お金をかけずに、猫さんがびっくりするような誕生日プレゼント...」


鮫娘「...」


鮫娘「さ、探せばどこかにありますよね。きっと」









鮫娘「なかった」ズーン

鮫娘「うぅ...この資本主義の地上ではお金がないとまともにプレゼントも買えない」シクシク

鮫娘「探してる途中でジュース買ったから残り240円...これでどうやってプレゼントを準備すれば...」


鮫娘「...もう綺麗な貝とかじゃダメですかね」チラッ

鮫娘「しゃーく、プレゼントは気持ちですもん。値段なんて関係ない...どれだけ相手のことを思ってるかが大事です」

鮫娘「そうと決まったら、さっそく浜辺で貝探しでも...」




「オラァ!出てこいやこの巨大亀!」

「新種のUMAだろこれ!ムーの編集に持って行って懸賞金貰おうぜ!」




鮫娘「しゃーく?何だか騒がしいですね」

ガキ1「オラッ!芽を出せ芽を出せ柿の種!」ボコボコ

ガキ2「出さなきゃハサミでちょん切るぞ!」ボコボコ




甲羅『』




鮫娘「しゃ、しゃーく...カメが子供達に襲われてる。あれ?どっかでこんな光景を見たような」

鮫娘「何か親近感がありますし、見過ごせませんね。助けてあげましょうか」




ガキ「オラッ!死ね!死ね!」ボコボコ

ガキ「ウミガメのスープにして食ってやる!」ボコボコ



鮫娘「しゃ、しゃーく!そこの子供達!カメをいじめるのはやめなさい!」

ガキ1「あ?んだこのアマァ!」

ガキ2「これからこの甲羅でマリカごっこするんだからあっち行ってろよ!」



鮫娘「しゃーく、知っていますか?地球上に生息してるウミガメは全種類が国際自然保護連合のレッドリストに乗っているんです」

鮫娘「さらにワシントン条約で、140ヵ国以上の国で取引が禁止されています」

鮫娘「つまりあなた方がいじめてるカメは地球の宝なんです。あたしはどうでいいですけど、それ以上やるなら警察に通報しますよ?」

鮫娘「オーストラリアではウミガメの上に乗っている写真をSNSに投稿したら、200万円の罰金刑にあったという例も...」



ガキ1「うわめんどくせぇやつが現れた、ずらかるぞ兄弟」ダッ

ガキ2「ばーか!死ねェィィアッッッッッ!!!!」ダッ



鮫娘「...しゃーく、最近の子供は口が悪いですね」

甲羅『』


鮫娘「しゃーく、しかしどうしてこんなところにカメが居るんでしょうか。産卵の時期でもないのに」

鮫娘「これも何かの縁ですし、海まで運んであげますか。よいしょっと」グッ


甲羅『ちょっと、せっかくひなたぼっこしてるのに動かさないでよ』ガタガタ


鮫娘「」ビクッ

鮫娘「か、かかかかかかめが喋ったぁぁぁっっっ!!!!!?」



甲羅『お前もサメじゃろがい』ヌッ

亀娘「あーあ、ガキ共が騒いでたせいで目が覚めちゃったよ。あ、これはシャレじゃないからね」ポキポキ



鮫娘「あ...な、なんだ。カメさんだったんですか。おどかさないでくださいよもう」

鮫娘「しゃーく、カメさんが今の時期に陸に上がってくるなんて珍しいですね。てっきり天然のカメかと思っちゃいました」


亀娘「まっ、たまにはねぇ~。30年ぶりくらいかな、やっぱり陸の冬は寒いね」

亀娘「サメのとこの娘はなんでここに居んの」


鮫娘「しゃーく...それが...」



カクガクシカジカ




亀娘「へぇ、友達の誕生日プレゼントねぇ」

鮫娘「しゃーく...お金がなくて貝でも拾おうかと思ってたんですけど、やっぱりダメですよね...」

亀娘「うん、貝はないね。貝は」

鮫娘「もうこうなったら100円のキーホルダーでも渡すしかないです...あのお土産屋によく売ってるやつ」

亀娘「あるっちゃあるんだけどね。金かけずにいいプレゼントが取れる場所」


鮫娘「しゃーくっ!?本当ですか!」


亀娘「実はここの海域の近くに海神のピラミッドって海底神殿があってね。そこでいい真珠が取れるんだよ」

亀娘「ただちょっと危ない場所にあるから、誰も行きたがらないんだよね。ここ十数年は人が入ったって話は聞いたことないし」


鮫娘「しゃーく...危ないってどんなところなんですか?」


亀娘「昔話だとそこのピラミッドではある儀式が行われてて、呪われてるって話だよ」

亀娘「サメが生まれるむかしむかし、私が生まれる前の大昔、そこの神殿では海の神様が居たんだって」

亀娘「でもその神様はとても凶暴な人でね、何かあるたびに怒って海を荒らしてたらしいんだよ」

亀娘「それをなだめるために、私達の祖先の魚人達は贄を用意してその神殿に供物として納めてたんだって」


鮫娘(...どっかで聞いた話だな)


亀娘「んで、その供物にされた人間の怨みが色々積もって呪われてるっいう話になったらしい。まあどこにでもあるような話だね」

亀娘「どうする?行くなら案内してもいいけど」


鮫娘「しゃ、しゃーく...それって本当に呪われてたりするんですか?あたしも似たようなところに以前行ったことがありますけど、結局は迷信だったんですけど」

亀娘「んー私も直接中に入ったことはないから分からないや。でもあそこに行って帰って来なかった人が居るのは事実だよ」


鮫娘「しゃーく...マジですか」

鮫娘「で、でもそこで本当に真珠が取れるんですか?ここ何年かは誰も入ってないみたいですし、デマって可能性も」


亀娘「あぁ、それだけは本当だよ。多分最後に入ったのが私の知り合いだし」

亀娘「そいつ、数え切れないぐらいの真珠取ってきてオキアミ100トン買ってたからねぇ...一体いくらあったんだか」


鮫娘「...」ゴクリ

鮫娘(真珠が1個、最低でも五万円で売れたとして...10個取ってきたら五十万円)

鮫娘(五十万もあったら...映画のDVDだっていっぱい買えるし、いいお肉もお腹いっぱい食べられる!猫さんにも真珠をあげればきっと見返せるはず!)


鮫娘「しゃーく!行きましょう!案内してください!」

ブクブクッ...ブクブクッ...



亀娘「ほら、見えてきたよあそこ」



ピラミッド『』



鮫娘「しゃーく...ほ、本当にあったんですか。一体ここの海はどうなってるんでしょうか」

亀娘「ここら一体は海流の影響で、人間には絶対近寄れないようになってるからね。まさにバミューダトライアングルってやつだよ」

亀娘「じゃ、私はここで。頑張ってね」スッ


ガシッ


鮫娘「しゃ、しゃーく。ちょっと待ってください」ギュッ


亀娘「...なに?まさか一緒に行けなんて言わないよね」


鮫娘「...」コクッ


亀娘「えぇ...行きたくないなぁ」

鮫娘「しゃーく...やっぱり一人は心細いです。お願いしますぅ...」ウルウル


亀娘「えぇ、やだぁ。真珠とかあんま興味ないし」


鮫娘「一生のお願いですぅ...取った真珠の三分の一あげますからぁ...」ウルウル


亀娘「...そこは半分じゃないのか。どーしよっかなぁ」

亀娘「...はぁ、まあいいよ。小魚の頃から面倒見てあげたしね。付き合ってあげる」

亀娘「ただし取り分は私が三分の二だよ、用心棒代としては悪くないでしょ」



鮫娘「えっ、それはちょっと」



亀娘「サメって時々クズっぽいところあるよね」

~~~~ 海底神殿 ~~~~



鮫娘「しゃ、しゃーく...結構雰囲気ありますね」

亀娘「そりゃモノホンの遺跡だし」

鮫娘「ここって罠とかあったりしないんですか?映画とかだとよくあるパターンですけど」

亀娘「ないんじゃないの?真珠はここの神殿が滅びてから自然発生したって聞いたし、神様を奉るところに罠なんて罰当たりもいいところだしね」

鮫娘「しゃーく...良かった。少し安心しました」



カサカサカサカサッ...



鮫娘「ひっ!?な、何か白いのが壁にぃ!?」ビクッ

鮫娘「しゃ、しゃーく!これあれですよ!エジプトにいる人を食う虫ですよ!逃げないとぉ!!!!」


亀娘「落ち着いて、ただのダイオウグソクムシだから」

ダイオウグソクムシ「」カサカサ


鮫娘「あっ、な、なんだ...ただのダイオウグソクムシか」

亀娘「長いこと人が居ないから住み着いてるんだろうね。もしかしたらここが巣になってるのかも」

鮫娘「しゃーく...一匹なら可愛いですけど、あれが大量に居ると考えると不気味ですね」

亀娘「向こうから危害は加えないから大丈夫でしょ。先に進むよ」スッ

鮫娘「は、はいっ!」



ダイオウグソクムシ「...」ジー




カサカサッ... カサカサッ...


カサササササササササササササササササササササササ
ササササササササササササササササササササササササ
ササササササササササササササササササササササササ
ササササササササササササササササササササササササ
ササササササササササササササササササササササササ

...............................................................
...................................................


鮫娘「しゃーく、だいぶ来ましたけど...真珠はまだ見つからないですね」

亀娘「最下層にあるって話だからねぇ。私達が入ってきたのはピラミッドのてっぺんだから、距離的にもあと少しだとは思うけど」

鮫娘「それにしてもここ...本当に生物のパラダイスですね。ダイオウグソクムシの他にもいっぱい色んな生物がいます」



メガロドン「」プカー

三葉虫「」スイスイー



亀娘「外の海とは隔離された場所っぽいね。平和っぽくて羨ましいよ」

鮫娘「確かに平和と言えば平和ですけど...ちょっと怖いです、深海特有の奥が見えない深さがあるというか」

亀娘「元々の場所が場所だからね。普通に魚達が暮らしてるし呪いってのは嘘っぽいけど」

鮫娘「しゃーく...そうだといいんですけど」

亀娘「ん?あれは...」

鮫娘「しゃーく、大きな扉ですね...ここに真珠があるんでしょうか」

亀娘「とりあえず入ってみるか」スッ





キラキラ...キラキラ...




鮫娘「しゃ、しゃーく!これは...!!!!」

亀娘「おぉ、すごい。真珠貝がいっぱいあるね、しかもめっちゃでかい」

鮫娘「す、すごいです!こんなにいっぱいあるなんて...いくらになるんでしょうか...」


亀娘「こりゃ相当上出来の真珠が出来てるね。長い間、人の目に触れずに天然で育って進化してるから、世に出回ってる物とはまったく別物で独自な形になってるよ」

亀娘「ほら、これなんてテニスボール並に大きい。一個でも軽く100万...いやそれ以上行くかもね」

鮫娘「ひゃ、ひゃくまっ...」パクパク


亀娘「でもあんまり取るのはやめた方がいいかもね。ここの生態系崩しちゃうかもしれないし」

亀娘「友達の誕生日の分だけ貰って帰った方が...」チラッ



鮫娘「しゃーく!100万ゲット!200万ゲット!300万ゲット!」ブチッブチッ



亀娘「...聞いちゃないか」

亀娘「しかし、こんなに大きいとは思わなかったな。あいつが取ってきたのはもっと小さかったのに」

亀娘「十数年で普通の真珠がここまで巨大になるとは思えない...まさかわざと大きな真珠は取らなかった?うーん、分からん」

鮫娘「しゃ、しゃーく...お、重い...でもこれで10個ゲット...1000万...」フラフラ


亀娘「そんなに重いの?」


鮫娘「は、はい...多分一つ30キロ近くはあると思います。身がずっしりつまってて...」

鮫娘「でもギリギリ泳いで運べます。カメさんも取った方がいいですよ...まだいっぱいありますし」フラフラ


亀娘(重い、ねぇ。何か引っ掛かるな)




ズズズズズズズズズズズズ.........




亀娘「!?」

鮫娘「しゃーくっ!?な、なんですか!地震!?」ビクッ

亀娘「いやこれ地面が揺れてるんじゃない...上の方が揺れて床に振動してるんだよ」

鮫娘「しゃ、しゃーく?上って...何が起こってるんですか?」

亀娘「さあ?でもあんまり長居はしない方がいいかも、さっさとここを出て...」




ドッシャアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!




鮫娘「しゃーくっ!?か、壁が崩れた!?」

亀娘「...あーちょっとやばいかもこれ」



モゾモゾ...モゾモゾ...

ニュルンッ!!!!!




巨大アノマロカリス『......!!!!!』ドスーン




鮫娘「」

亀娘「」

鮫娘「しゃ、しゃーく...な、なにあれ...アノマロカリス?アノマロカリスですよね??」

亀娘「う、うん...5億年前のカンブリア紀に絶滅した当時の頂点捕食者だよ。実物は初めて見た」

鮫娘「しゃーく...な、何かでかくないですか?50メートルくらいあるような...」

亀娘「いやそんなにはないでしょ...40、いや30メートルちょいかな?」




巨大アノマロカリス『...~~~ッッ!!!!!』ズズーン

巨大アノマロカリス『』ムシャムシャ




鮫娘「しゃーく...し、真珠食べてますね。あれ」

亀娘「ね、ねぇ...こ、ここから先の展開が予想出来るんだけど」

鮫娘「は、早くここを離れましょうか。う、うん...出来るだけこっそりと」

巨大アノマロカリス『...』ジー




亀鮫「「 」」ビクッ


亀娘「こ、こっち見てるんだけど」

鮫娘「き、気のせいですよ。適当に相槌打って帰りましょう」


鮫娘「しゃ、しゃーく」フリフリ

亀娘「た、たーとる」フリフリ



巨大アノマロカリス『...』

巨大アノマロカリス『~~~ッッッッ!!!!!!』ズンッ




鮫娘「しゃああああああああああく!!!!!!やっぱり襲ってきたああああああああああああ!!!!!!!」ダッ

亀娘「うわぁ...でっか」ダッ

ズズズズズズズズズズズズズ...



亀娘「やっぱりあの巨大アノマロカリスがでか真珠を食べてたのか...で、その真珠を密漁してた私達を泥棒だと思ってるってことね」


鮫娘「しゃああああああああああくうううううううぅぅ!!!!この真珠は絶対渡しませんよぉ!!!!!ギュッ


亀娘「ねぇ、いい加減その真珠手放したら?このままだと追い付かれて真珠ごと食べられちゃうよ」



鮫娘「ぜ、絶対に嫌です!1000万を手放すなんて出来ません!!!!」ギュッ




亀娘「まあ私は何も持ってないから逃げるのは簡単だけどさ...さすがに数百キロを背負ってあのアノマロカリスから逃げるのは無理だってば」





鮫娘「うぅっ...しゃ、しゃーくぅ...」グググッ

亀娘「ね?お金より命の方が大事でしょ。ほら、早く捨てなって」

鮫娘「で、でも...ここまで来てぇ...」ググッ



ズズズズズズズズズズズズズ...



亀娘「もうすぐ後ろまで来てるよ。ここで決めないと私も助けられないし」

鮫娘「ぐうっ...しゃ、しゃーく...」

亀娘「あと三秒で決めないと見捨てるからね、321」


鮫娘「い、一個だけ!せめて一個だけでも!」


亀娘「重いからやだ」


鮫娘「しゃ、しゃーくうううううう!!!!」バッ


亀娘「うむ、よく決断した。えらいえらい」ヨシヨシ

亀娘「さ、甲羅に掴まって。一気に突っ切るよ」

鮫娘「しゃーく...さよなら、あたしの1000万円...」グッ

グギュルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!!!!!!

ズンッ

ドッカアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!




亀娘「ふっー...無事にピラミッド脱出、ここまで来たらあのアノマロカリスも追ってこないでしょ」

鮫娘「しゃ、しゃーく...め、目が回って気持ち悪い...」

亀娘「ちょっとぉ...吐かないでよ?ここで吐いたら、私もそのゲロ身体に浴びるんだから」

鮫娘「うぅっ...が、我慢します...」


鮫娘「どうでもいいですけど、カメさんは気持ち悪くならないんですか?自分の甲羅をガメラみたいに高速で回転させて壁をぶち破って来たのに」


亀娘「もう慣れたよ。亀の甲より歳の功ってね」

ザザー...ザザー...


亀娘「無事に陸まで戻ってきたね。まさかあんなアノマロカリスがいるとは思わなかったよ」


鮫娘「...」


亀娘「ほら、パーティーは6時からなんでしょ?行ってきなよ、友達が待ってるよ」


鮫娘「で、でも...プレゼントの真珠用意出来なかったし...」ウジウジ

鮫娘「しゃーく...手ぶらでなんて...とてもじゃないですけど無理ですよ」ズーン


亀娘「はぁ、若いなぁ~...本当はプレゼントなんてどうでもいいのに」

亀娘「その若さに免じて、私からのプレゼントをあげるよ。ほら」スッ

鮫娘「しゃーく?それは...」


キラッ


亀娘「真珠だよ、普通のやつよりちっちゃいけど。あそこの部屋で欠片が落ちてるのを拾ってね」

亀娘「可愛いから取っておいたんだけど...あげるよ。サメに」


鮫娘「しゃ、しゃーく!?本当ですかっ!」


亀娘「ん、年下の面倒を見るのが私達の世代の役目だからね」

亀娘「ほら、これで何も恥ずかしくないでしょ?早く行ってきなって」


鮫娘「あ、ありがとうございます!!!!じゃあ行ってきます!!!!」ダッ


亀娘「気を付けてね~」

ワイワイ ガヤガヤ


鮫娘「しゃ、しゃーく...間に合った」ハァハァ

猫娘「お、サメ。来たのかニャ、さっさと上がれニャ。美味しいご飯がいっぱいあるニャ」

鮫娘「しゃ、しゃーく!猫さん!これ誕生日プレゼントです!」スッ

猫娘「ニャ?無理しないでいいニャ、360円で買えるプレゼントなんてキーホルダーくらいしかないニャ。店に戻って返してこいニャ」

鮫娘「違いますよ!真珠です!本物の!」

猫娘「またまたぁ~そんなのお前に買えるわけないニャ」

鮫娘「ほら!見てください!」スッ


キラキラ キラキラ


猫娘「んんん?マ、マジかニャ?これ...」

猫娘「...もしかして盗んできたんじゃ」

鮫娘「違いますよ!!頑張って取ってきたんです!」


猫娘「お、おう。そうかニャ」

猫娘「...ありがとニャ、大切にするニャ」


鮫娘「しゃーく!本当に大事にしてくださいよね!死ぬかと思ったんですから!」


猫娘「死ぬって...いくら何でも大袈裟ニャ、どうせ近く海の貝から取ってきただけニャ」


鮫娘「しゃーく!今回は巨大アナゴなんて目じゃないくらいヤバいやつから取ってきたんですよ!なんと巨大アノマロカリスです!」


猫娘「...メガシャークvsジャイアントアノマロカリスかニャ。相変わらずつまんなそうな映画ニャ」


鮫娘「映画の話じゃないですってばー!」






おわり

............................................................
................................................



猫娘「そういえば、誕生日と言えば誰かの誕生日を忘れてる気がするニャ」モグモグ

鮫娘「しゃーく?あたしの誕生日なら4月9日ですよ」モグモグ


猫娘「いや違うニャ...もっと近いニャ。一週間ちょっとで誰かの誕生日が来るはずニャ」

鮫娘「しゃーく、忘れてるならきっとそこまで大事でもない人の誕生日ですよ。たぶん」


猫娘「...」


猫娘「まっ、そうかニャ。忘れるニャ」モグモグ

鮫娘「しゃーく、そうですよ。食べて忘れましょう」モグモグ

おわりです
猫の日よりサメの日寄りになりましたごめんなさい
もうすぐ雛祭りですね

作風がスゴく好き
おつ

しゃーくしゃーくうるさい

前回は後書きで真っ先に出てきた余裕しゃーくしゃーくやふぁんふぁんエレファンが出てこないあたり時代の流れを感じる

おつおつー
久しぶりにこのスレ見たわ
クリスマスを除くと最後に見たのが竜宮城のやつなんだけど、それ以降に何か書いたりしました?

>>42
幼女幽霊「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」DQN幽霊「!?」
幼女幽霊「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」DQN幽霊「!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466012540/)

去年はこんな感じの書いてました
...年明けに続き書くとか言った馬鹿はどこのどいつだ

メガシャークvsメカシャークは高い金出してDVD買ったわ

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