狩物語 『こよみハンター』 (5)
失われた四肢を求めよ、狩りを全うするために――。
高校二年生の春休み、僕は訳あって吸血鬼になった。
鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに血を捧げ、彼女の眷属になったからだ。
人間に戻る方法は、ただ一つ。
キスショット「儂の四肢を取り戻し、儂を完全な吸血鬼として復活させれば、汝を元の人間に戻すこともできよう」
その四肢は3人の狩人が奪い去っていて、取り戻すにはそいつらを倒さなければならない。
キスショット「儂から四肢を奪った狩人は、此奴らじゃ」
壹.ガスコイン神父
貳.処刑隊のアルフレート
参.最初の狩人ゲールマン
キスショット「狩りというのは、夜にやるものじゃ。まずはあの神父から、儂の右足を取り返してみせよ」
こうして僕は、人ならざる者として、夜の世界に飛び込んで行くことになるのだった。
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キスショットは穢れた血族だったか
匂いたつなぁ
[第1日]
忍野「よぉ、阿良々木君。待っていたよ」
暦「…」
忍野「そんな顔するなよ。人を殺したくない気持ちはわかるけどね、ガスコインとかいう神父、あれは“人”であって、“人”じゃない」
暦「…どういう意味だ?」
忍野「人の本質は、“獣”だということさ」
忍野曰わく「獣」とは、人間の内面にある暴力的本能――、獣性が剥き出しになった状態のことをいうらしい。
忍野「全ての人間には元々、獣になる素質があるんだよ。獣化への衝動は、僕たち“人”が持っている人間性とせめぎ合っていて、その人間性が枷として働き、内にある“獣”を抑えている」
つまり、人の本質が獣であり、誰もが獣になる可能性を秘めているということは、同時に人を人たらしめるものも獣であるという考え方も出来るのではないか。
忍野「殺さないようになんて考えるなよ阿良々木君、じゃないと君が殺されるからね」
暦「わ…わかったよ」
キスショット「なに、汝は儂の従僕にして眷属。そう簡単に負けはせん」
暦「でも僕、戦ったことなんてないぞ。戦い方も知らないし」
キスショット「案ずるでない。ならば、儂の知識を汝に分け与えてやろう」
《上位者の叡智》
暦「なんだコレ?」
キスショット「儂が、これまで見てきたこと聞いてきたこと感じたことの一部じゃな。いざというときに使うがよい」
忍野「そうだ、僕からもこれを渡しておくよ」
《ノコギリ鉈》
《獣狩りの短銃》
《水銀弾》
忍野「今夜、墓地に彼は現れるだろう。健闘を祈るよ、阿良々木君」
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