乃々(どうも、もりくぼです)
乃々(本日は9月6日)
乃々(……まゆさんの誕生日の前日です)
乃々(ですが……)
まゆ「それじゃあ……行ってきますねぇ」
乃々(……まゆさんは今日から2泊3日の泊まり込みのロケだそうです)
乃々(私たち、アンダーザデスクとは別のお仕事で)
乃々(……なので、私たちはまゆさんと一緒にはいきません)
乃々(事務所でお留守番です)
乃々(……いえ、こっちで仕事はありますけど)
輝子「ああ……行ってらっしゃい」
乃々「が、がんばってください……」
まゆ「うふ、ありがとうございます」
まゆ「乃々ちゃんたちもお仕事頑張ってくださいねぇ」
乃々「……正直、あまり頑張りたくはないんですけど……」
輝子「ま、任せろ……私ががんばってボノノさんを連れて行く……」
乃々「えぇ……むーりぃ……」
まゆ「うふふ、お願いします♪」
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モバP「まゆー」
まゆ「あ、はーい」
まゆ「それじゃあ、二人とも。またね」
輝子「フヒ……次に会うときまで、またな」
乃々「ま、また……」
まゆ「お待たせしました、プロデューサーさん、行きましょう♪」
乃々「……」
輝子「……」
乃々「……い、いってしまいました」
輝子「そうだな……」
輝子「ま、まさか……誕生日当日にまゆさんがいないとは……」
乃々「思いもよらなかったんですけど……」
輝子「……お祝いしたかったな」
乃々「こればっかりは仕方ないんですけど……お仕事ですし……」
乃々「……」
乃々「……まゆさんも、もりくぼみたく隠れたり逃げたりしたらなんとかなったのでは……?」
輝子「でも、いつも見つかってるじゃないか……」
乃々「あうぅ……そうですけど……」
輝子「それに、まゆさんがやるってなると――」
まゆ『もう無理なんですけど……アイドルとかやめたいんですけど……』
まゆ『さくまにはむーりぃ……』
まゆ『さくまは森に帰るんですけど……』
輝子「――みたいな感じに……」
乃々「別に口調まで真似する必要はないと思うんですけど……」
乃々「これじゃあ、もりくぼの外見が変わっただけなんですけど」
輝子「フヒ……コスプレだな」
乃々「違うと思います……」
輝子「……それに、まゆさんは仕事を嫌がってたわけじゃないからな」
輝子「私たちが祝いたい……ってだけで、仕事をサボらせるわけにもいかない」
乃々「あうぅ……そうですよね……」
乃々「……」
乃々「……でも、お祝いしたかったです」
乃々「本当に……」
輝子「……その気持ちは私も同じだ」
輝子「……」
乃々「……なんとか、お祝いできないでしょうか」
輝子「携帯でメッセージを送るとかなら……できるだろうけど」
乃々「それは……もちろんやるつもりですけど……」
輝子「後は……まゆさんが帰ってきてからお祝いするとか」
乃々「……そうですね」
乃々「誕生日は過ぎてますけど……でも、きっと喜んでくれるはず……」
輝子「ああ」
輝子「フヒ……その準備もしないとな」
乃々「そうですね……」
輝子「……誕生日プレゼントもその日に渡すことになるな」
乃々「はい……」
乃々「……せっかくなら当日に渡したかったんですけど……」
輝子「まあ、仕方ない……」
輝子「……し、親友に渡してもらうという手もあったが……」
乃々「それは……ちょっと違うんですけど……」
乃々「……プレゼントは自分の手で渡したいです」
輝子「だな……私も」
輝子「せっかく二人で選んだプレゼントだからな」
乃々「はい……二人で選んだ……」
乃々「……」
乃々「……あの時は大変だったんですけど」
輝子「……ああ」
輝子「店員がすっごく話しかけてきたな……」
乃々「はい……思い出すだけでも……うぅ……」
輝子「ぼっちの私にも……ああいうのは……厳しかった……」
輝子「……」
乃々「……」
輝子「は、話を戻そう」
輝子「ええっと……とりあえず、当日にメッセージを送って、帰ってきたらお祝いして……」
輝子「あと、何かできることあるか……?」
乃々「……何か、できること……」
乃々「……」
輝子「……」
乃々「……」
乃々「……あ」
輝子「ん、何か思いついたか……?」
乃々「……」
輝子「……ボノノさん?」
乃々「……いえ」
乃々「思いついてしまって……ちょっと後悔してます……」
輝子「後悔……?」
乃々「その……正直、恥ずかしくて、できるかどうか……」
輝子「!?」
輝子「そ、そんな恥ずかしいことをするのか……!?」
乃々「はい……とても……」
輝子「フヒ……!?」
輝子「え……えっ、な、な……何するんだ……?」
乃々「……」
輝子「ぼ、ボノノさん……?」
輝子「もしかして……言えないくらい恥ずかしいことなのか……!?」
乃々「そ、そんなことはないんですけど……」
乃々「……えっと」
乃々「もりくぼの思いついたことは……」
輝子「思いついたことは……?」
乃々「……」
乃々「……ビ」
乃々「ビデオレター……的な……」
輝子「……ビデオレター?」
乃々「はい……」
乃々「その……お祝いメッセージ的な……動画を、まゆさんに送る……みたいな……」
乃々「文章より、いろいろ伝わるかな……って、思ったんですけど……」
乃々「……」
乃々「や、やることになったら恥ずかしくて……もりくぼ、死んじゃうかもしれません……」
輝子「そ、そうだったのか……」
輝子「ほっ……」
乃々「……どうしたんですか?」
輝子「あ、いや……なんでもない……フヒ」
輝子「……でも、いい案だと思うぞ」
乃々「もりくぼも、いい案だとは思うのですが……」
乃々「実際にやるのは……」
乃々「……とても恥ずかしいんですけど」
輝子「むーりぃ……ではないんだな……フヒ」
乃々「やりたい気持ちは少しだけありますし……」
乃々「……というか、真似しないで欲しいんですけど……」
輝子「すまんすまん……」
輝子「なぁ。ボノノさんさえよかったら……やらないか?」
輝子「きっとまゆさんも喜んでくれると思うし……」
乃々「……」
乃々「……うぅ」
乃々「……」
乃々「……や」
乃々「やります……」
乃々「やっぱり恥ずかしくて、死んじゃうかもしれませんけど……喜んでくれるなら……うぅ」
輝子「フヒ……そうか」
輝子「それじゃあ、早速……といいたいが」
輝子「……ど、どうやって動画を撮る……?」
乃々「……」
乃々「さすがに、私たち二人じゃ無理だと思うので、だれかに手伝ってもらうしかないかと……」
輝子「誰か……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちひろ「場所はそこでいいんですか?」
輝子「あ、ああ」
輝子「私たちといえば机の下だから……フヒ」
乃々「……」
ちひろ「わかりました」
ちひろ(……輝子ちゃんにお願いしたいことがあるっていわれて)
ちひろ(ついていってみたら、まゆちゃんへのお誕生日おめでとうメッセージを撮りたいだなんて)
ちひろ(……ふふっ、かわいい)
ちひろ「一応私の準備はできたけど……」
ちひろ「……乃々ちゃん、こっち向けない?」
乃々「それはむーりぃ……」
ちひろ「そうですか……」
ちひろ(……まあ、乃々ちゃんなら仕方ないですね)
ちひろ(それにしても……こう、狭いところに閉じこもってるのを見ると……)
ちひろ(小動物みたいで……本当にかわいい……♪)
ちひろ「……二人とも準備はいいですか?」
輝子「あ、ああ」
乃々「……」
ちひろ「……乃々ちゃんも?」
乃々「……なんとか」
ちひろ「ふふっ、わかりました」
ちひろ「それじゃあ、撮りますね――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まゆ「……ふぅ」
まゆ(今日のロケも大変でした……)
まゆ(……でも……プロデューサーさんにほめてもらえたからよかった……うふ)
まゆ(それに……スタッフのみなさん、まゆの誕生日知ってくれてて)
まゆ(たくさん祝ってもらって……ケーキももらって……)
まゆ(プロデューサーさんにもお祝いしてもらって……プレゼントももらって……)
まゆ(……幸せな1日でした)
まゆ(……)
まゆ(……今日、みんなと会えたらもっと幸せになれたんでしょうけど)
まゆ(……)
まゆ(……乃々ちゃんと輝子ちゃんは今どうしてるんでしょうか……)
まゆ(……)
まゆ(……あら)
まゆ(メッセージ……輝子ちゃんから……?)
輝子『まゆさん、お誕生日おめでとう』
輝子『携帯の使い方慣れてないから、送れてるかわからないけど』
輝子『私たちからのメッセージだ』
まゆ(……)
まゆ(……あ、動画が添付されてる)
まゆ(……)
まゆ(……輝子ちゃんと乃々ちゃん?)
輝子『……』
乃々『……』
輝子『え、えっと……ま、まゆさん』
輝子『誕生日おめでとう……』
乃々『おめでとうございます……』
輝子『……』
乃々『えっと……』
乃々『こ、これからも頑張ってください……』
輝子『……』
乃々『……』
ちひろ『……終わりですか?』
輝子『あ、いや、ちょっと待ってくれ』
輝子『……』
輝子『す、すまん……』
輝子『な、なんかうまく……言葉が出ない……まゆさんの顔が見えないからかな……?』
ちひろ『顔写真持ってきましょうか?』
乃々『そういうことじゃないと思いますけど……』
ちひろ『ふふっ、冗談です♪』
乃々『……』
輝子『……えっと』
輝子『あ、そうだ……う、歌うか』
乃々『歌……あ、そうですね』
輝子『い、いくぞ……?』
乃々『ヒャッハーはしないでくださいね……?』
輝子『フヒ……わかってる……私も普通に歌えるから』
輝子『それじゃあ……せーの』
『ハッピーバースデートゥーユー♪』
『ハッピーバースデートゥーユー♪』
『ハッピーバースデーディアまゆさん♪』
『ハッピーバースデートゥーユー♪』
輝子『おめでとう、まゆさん』
乃々『おめでとうございます、まゆさん』
輝子『な、なんかさっきかりおめでとうばっかりだな』
輝子『うまく言葉にできなくて……フヒ、どうしようボノノさん……?』
乃々『もりくぼも口下手なので……』
乃々『その……私たちの想いが届くよう祈るしか……』
輝子『!』
乃々『……何か思いついたんですか?』
輝子『ぼ、ボノノさんがポエムで祝う……とか』
乃々『!?』
乃々『む、むーりぃ……絶対にむーりぃ……!』
乃々『なんでそんなこと思いつくんですか……! 鬼ですか……悪魔ですか……!』
輝子『フヒ……キノコだ……』
乃々『うぅ……!』
乃々『もりくぼ、口下手って言ってるのに変なことやらせようとしないでくださいぃ……!』
乃々『ちひろさんも見てるのに……』
輝子『すまんすまん……』
ちひろ『……私が見てなかったらよかったんですか?』
乃々『あぅ、そ、それは……』
乃々『……あぅ、えっと……えっとぉ……』
乃々『……』
乃々『い、いぢめないでください……!』
ちひろ『ふふっ♪』
輝子『まあ……なんだ……』
輝子『今、動画でメッセージ送ってるけど……やっぱり直接祝いたいんだ、まゆさんを』
輝子『そしたら、もっと……多分いろいろ話せると思うし……フヒ』
乃々『……あの、もりくぼたち…….まゆさんが帰ってきたらお祝いしたいと思ってるんです』
乃々『ケーキも用意して……プレゼントも用意してるので……』
輝子『フヒ……頑張って買ってきた』
乃々『はい……とても頑張ったんですけど……』
輝子『きっとまゆさんに似合うと思うものだ』
輝子『中身は秘密だが……フヒ』
乃々『当日のお楽しみですね……ふふ』
乃々『……なので、えっと』
乃々『と、とりあえず今日はここまでということで』
輝子『フヒ……残りもロケも頑張れ』
乃々『頑張ってください……もりくぼの元気とやる気は全部あげるので……』
輝子『その二つが無い状態で仕事できるのか……?』
乃々『そもそもお仕事したくないんですけど……』
輝子『ふふ……』
輝子『それじゃあ最後に……えっと』
輝子『まゆさん、お誕生日おめでとう』
乃々『お誕生日おめでとうございます』
輝子『ま、またな』
乃々『……結局また同じ言葉になってしまったんですけど……』
輝子『フヒ……だってーー』
まゆ(動画はそこでおしまいでした)
まゆ(……)
まゆ(……なんでしょう)
まゆ(たくさんの感情がまゆの心を埋めています)
まゆ(ただ、そのどれもがーー)
まゆ「……ふふ」
まゆ「嬉しい……♪」
まゆ(ーー幸せな感情……♪)
まゆ「二人とも……ふふ」
まゆ「うふふっ♪」
まゆ「……そうだ、輝子ちゃんに返信しないと」
まゆ「えっと……帰る時間がーーくらいなので、その後ならいつでも大丈夫です……っと」
まゆ(まゆへのお祝い……二人はどんなことをしてくれるんでしょう)
まゆ(……ああ、もう、本当に楽しみ……!)
まゆ「うふふっ♪」
まゆ(嬉しさが止まらない……まゆ、すごい変な顔しちゃってるかもしれません…….)
まゆ(でも、本当に……それだけ嬉しくって……!)
まゆ(……)
まゆ(……もう一回見ちゃおうかな?)
まゆ(明日もロケだけど……ちょっとくらいの夜更かし、いいですよね?)
おしまい
まゆ誕生日おめでとう!
これからも優しくてどこか儚げのあるまゆをおはようからおやすみまでずっと応援してます。
誤字脱字、コレジャナイ感はすいません。読んで下さった方ありがとうございました。
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