本田未央は夢を見る (14)

作品都合故のキャラ崩壊有。
口調も変なところがあるやもしれません。
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未央「おはようございまーす!」

凛「おはよう、未央」

未央「おっはようしぶりん! あれ? しぶりんだけ?」

凛「うん。プロデューサーは打ち合わせで席を外してて、ちひろさんは買い出しに行った。それで私が留守番を頼まれたんだ」

未央「なるほど。んじゃまレッスンまで時間あるし、ゆっくりしましょうかね」

凛「そうだね」

未央「……」

凛「……」ペラッ

未央「……」キョロキョロ

凛「……」ペラッ

未央「……しぶりーん。何読んでるの?」

凛「ん? ああ、これはこの間文香に薦められた本だよ」

未央「文香さんってクローネの?」

凛「うん。夏休みの宿題に本を一冊読んで考察するってのがあって、本と言えば文香だから相談したんだ」

未央「ふーん。題名は?」

凛「『若きウェルテルの悩み』だよ」

未央「若き……なんだって?」

凛「『若きウェルテルの悩み』、ドイツ文学で著者はヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ、1774年に刊行された小説だよ。これは原本じゃなくて訳書だけど」

未央「うわあ、なんかすごいの読んでるね」

凛「そうかな? うんまあ私も今まで洋書って読んだことなかったから新鮮ではあるね。結構面白いよ」

未央「うう、なんかしぶりんが遠い人物に思えてきた」

凛「ふふ、何言ってるの未央。私は私だよ」

未央「いやあ、でもいつものしぶりんだったら「読んでる本? 梶井基次郎著作の『蒼穹』だよ」くらいのボケかましてくるのに」

凛「? 何言ってるの未央。私ボケたことなんてほとんどないじゃん」

未央「え?」

凛「ん? どうしたの未央?」

未央「え、いや……ボケたことないって?」

凛「いつもボケてるの未央じゃん。私はどちらかというとツッコみでしょ」

未央「ええ? あれぇ? そうだったっけ?」

凛「もう、変な未央」

卯月「おはようございます!」

凛「あ、おはよう卯月」

未央「お、おはようしまむー」

卯月「お二人ともおはようございます! どうしたんですか未央ちゃん?」

凛「それがさ、未央が私のことをボケ担当だって言ってくるんだよね」

卯月「え? それはないですよ未央ちゃん! 凛ちゃんはどちらかと言えばツッコみですよ」

未央「しまむーまで……なんだろう。違和感がある」

凛「疲れてるんじゃないの?」

卯月「そうですよ! 未央ちゃん最近ライブに向けて張り切ってましたし、少し寝てみてはどうですか?」

未央「そーなのかなー。うん、じゃあ三十分だけ仮眠取らせてもらうよ」

卯月「はい。時間になったら起こします」

――――――――――――
――――――――
――――


凛「未央、みーお!」

卯月「未央ちゃん! 起きてください!」

未央「う、うーん。もう時間?」

凛「何言ってるの未央? 今は会議中でしょ!」

未央「ふぇ!? え? ちょっと? え?」

卯月「もう、会議中に居眠りなんてダメですよ」

凛「少したるんでるんじゃない?」

未央「え? あれ? レッスンは?」

凛「ん? レッスン? 今日は無いはずだけど」

卯月「会議中の居眠りもそうですけど、未央ちゃん疲れてるんですか?」

未央「夢? そうか、夢か……」

凛「本当に大丈夫?」

未央「あ、ああごめんごめん! 大丈夫だよ! で、ここは事務所のミーティングルーム、か……あれ? 何の会議だっけ?」

卯月「もう、今日は第四十七回ニュージェネレーションズ会議ですよ!」

未央「あ、ああそっかそっか。ユニット会議か」

凛「議題は"から揚げにレモンをかけるかマヨネーズをかけるか"だよ」

未央「ユニット関係ない!!!」

卯月「? 何言ってるんですか未央ちゃん! これはとても大事なことなんですよ!」

未央「どこが!?」

凛「いい未央。私たちがライブを終えた後、打ち上げに行くよね。そこでから揚げを頼んだときに喧嘩しないため必要なんだよ」

卯月「そうです! 私たちの結束を揺るがせないためにも必要なんです!」

未央「いや、かける前に聞くとか、個別にかけるとかしようよ! それだけで解決だよ!」

凛「……!? 天才!?」

未央「何でそれくらい思いつかないの!」

卯月「やっぱりニュージェネのリーダーは未央ちゃんですね!」

未央「こんなんでそれ言われるのなんか複雑だし、二人が心配だよ!」

凛「ふふ、ニュージェネは安泰だよ」

未央「何? 馬鹿なの? もしかして馬鹿なの?」

卯月「凛ちゃん馬鹿ですー!」

凛「いや、卯月が馬鹿なんでしょ?」

未央「二人だよ!!」

卯月「え?」

凛「嘘、だよね?」

未央「何でそんな思いがけないこと言われてショックみたいな顔してるの? 私がショックだよ!! うっ、起き抜けに血が上りすぎてクラクラする」

卯月「大変です! 未央ちゃんが!」

凛「救護班カモン!」

茜「やってまいりました!!」

愛海「来ましたよ!!」ワキワキ

卯月「未央ちゃんを仮眠室へ!!」

茜「任せてください!! 私が背負ってダッシュします!!! ボンバーーーーー!!!!!」

愛海「え? ちょっと待って!! せめてボケさせて!! 置いてかないで!!!」

凛「ふぅ、これで一安心だね」

茜「うぉぉぉぉぉ!!! ボンバーーーー!!!! 到着しました!!!」

未央「うう、ありがとう」

茜「では!! ゆっくりしてください!!! 失礼します!!!!」ボンバ----!!!

未央「うーん、もうダメ、だ……」

――――――――――――
――――――――
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凛「――――お! 未央!!」

未央「ん、んー? しぶりん?」

凛「やっと起きた。ほら行くよ?」

未央「え? どこに? まだ会議やってるの?」

凛「? 寝ぼけてるの? レッスンの時間だよ」

卯月「未央ちゃん、ちゃんと起きなきゃだめですよ!」

未央「レッスン……そうか、そうだレッスン。じゃあさっきまでのが夢」

凛「大丈夫?」

未央「あ、ああうん! 大丈夫だよ!! いやあちょっと夢がリアルで混同しちゃって」

卯月「ああありますよねそういうときって!」

凛「ふーん、私は経験したことないけど、未央本当に大丈夫?」

未央「うん、大丈夫だよ! さあレッスンに行こう!」

卯月「はい!」

凛「大丈夫ならいいけど」

未央「……本当に、どっちが夢なんだろうね」

凛「何か言った?」

未央「ううん! なんでも!」



終わり

拙稿を読んでいただきありがとうございます。
今作は胡蝶の夢をヒントに書き上げました。
もっと長くやれば深みも出たような気もしますが、私の文芸筋が悲鳴を上げていた為ここで完了とさせていただきました。
未央がツッコみの世界とそうでない世界、果たしてどちらが夢なのか現なのか? それは皆様に委ねます。
もっと筋トレして長編もかけるようになりたいです。
繰り返しになりますが拙稿を読んでいただきありがとうございました。



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乙乙

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