提督「初月ママーーーーーーーーーー!!」 (23)
※割と書いてる人の好みが反映されています。
※キャラ崩壊もありますので、ご注意ください。
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初月「またお前か、大人だろう?」
初月(最近、提督は強いストレスを感じるとこうして僕に甘えてくるようになった)
初月(一応ケッコンカッコカリしている身としては、悪い気分ではないのだが……)
提督「ママーーーーーー!! また議会の人たちがねーーーー!! 僕に意地悪をするんだよーーー!!」
初月(正直、大の男がこうして見た目少女の僕にママと甘えているのは何か空恐ろしいものを感じる)
初月(他の鎮守府でも霞や雷、夕雲辺りにこうして甘える提督は多いらしいが……)
初月(僕にまでこういったお鉢が回ってくるとは想像もしてなかった)
提督「ママ~、あったかいよぉ……。すぅ……」
初月「おや、泣き疲れて寝てしまったか。全く。仕方のない」
初月(これが幼子ならばまだ分かるのだが、六尺近くあるがっしりとした彼にされるのは違和感しかないな)
初月(でも普段は、僕から見る限りは凛々しく提督という仕事をこなしていると思うんだけど)
初月「どうしてこんなことになってしまったんだろうな」
初月(そういえば今回は議会って言ってたな。市議会の意見公聴会だかに一回同行したがあれはひどいものだったなぁ……)
市会議員「ですから! これ以上海軍に予算を割く必要はありません!! 何ですか艦娘の娯楽とは!!
国民の皆さんが我慢して耐えているのに娯楽に耽っている余裕があるのがおかしいのです!!」
提督「それは違います。娯楽が無ければ彼女たちの艦隊行動に支障が出ます。
艦娘は単なる兵器ではありません!! 最低限の待遇は保障して頂けませんと、
任務にすら支障が出てしまいます!!」
市会議員「国民は苦しい生活を強いられているんですよ!!」
提督「艦娘が十分に働けなければ、その苦しい生活とやらも維持できなくなるんです!!
それに苦しい生活とおっしゃいますが、失業率は戦前と比べむしろ改善していますし、
我々が十分に資源を確保していますから、不足とはとても思えません!!」
市会議員「そうやって艦娘を庇うのが怪しいんです!! 何ですかケッコンカッコカリなどという制度は!!
見目麗しい艦娘にたぶらかされているのではないのですか!!」
初月「貴様……」
提督「待て初月。議員、それ以上の侮辱は止めていただきたい!!
それに今年度の予算案はご存知でしょう!! 福祉予算も前年比プラスとなり、これは戦前の水準に完全に回復しています!!
また海軍の予算ですが、そこから生まれる雇用で、戦災孤児たちも糊口をしのぐこともできるのです!!
行政サービスも十分な予算が回されていますし、海軍としては必要最小限の予算のみでやってきています!!
これ以上の削減は艦隊の運用に差しさわりすら出てきます!! そうなった場合、責任はあなたが取るのですか!!」
市会議員「それでは不足しているのです!! 生活保護支給額もずっと減ったままではないですか!!」
提督「その分食事と住居は無償で官立の生活所で保証されていますし、疾病や戦傷の場合は以前と変わりないではありませんか!!
むしろそれ以外の保護適用者とは一体何なのですか!! 答えていただけますか!!」
市会議員「それは……」
提督「艦娘取り扱い資格学校にも通わない、一般の職業訓練所にすら入っていない、
そういった失業者かすら怪しい者にさえ生活の保障を与えているんですよ!!
今が戦時中にも関わらずです!! それの何が不足なのですか!!」
議員「…………」
市会議長「市会議員君、質問は以上でよろしいですか?」
市会議員「はい……」
市会議長「提督君も回答ありがとう。それでは次の……」
初月「本当あの時は提督がどれだけ苦労してるか思い知らされたな」
提督「Zzz……」
初月「あぁやって提督が僕たちを深海棲艦以外から守ってくれているから、僕たちも存分に戦えるんだよな」
初月「守ってくれるといえば、そういえばこんな話も提督がしてたっけ」
初月「どこにも下種な連中っていうのは居ると思わされたな」
国会議員「提督君、折り入って頼みがあるのだが……」
提督「何でしょうか、国会議員先生」
国会議員「この間の予算案、君たち海軍の意見を十分に通したと思う。
だから、一人儂に艦娘を融通してくれまいか? もちろん君の鎮守府の艦娘でなくていい。
だからとにかく、一人儂に一晩貸してほしいのだ、できれば瑞鳳がいい」
提督「国会議員先生……」
国会議員「駄目というならば儂にも考えはあるぞ。君たち海軍は金食い虫で嫌われているからな……」
提督「率直に申し上げますが、それは全くお勧めできません。
ご自分が大事であられるのでしたら、今の依頼は取り消された方がよろしいかと」
国会議員「貴様! 儂を脅すつもりか!!」
提督「脅しではなく純粋な善意です。
いいですか、艦娘などと呼ばれていますが、彼女たちは身体能力は、艤装を展開していない普段の状態ですら、
訓練を受けた軍人並みの強さを持っています。それに対して無理強いをするなど、正直自殺行為としか思えません」
提督「それだけではありません。いまだに我々は、深海棲艦だけでなく、艦娘のことすら100%は理解していません。
これがどういうことかお分かりですか? もし国会議員先生の元に仮に艦娘を送ったとして、
その艦娘が我々の知りえない通信方法か何かで、そのことを他の艦娘に伝えるなどということも可能かもしれませんよ。
その場合、直接の上官たる彼女の提督を抑えていても、他の艦娘を抑えておくことは到底できません。
また彼女たちは国民的な人気を得ています。これは国会議員先生には致命的な醜聞につながる恐れもありますよ」
提督「そして、彼女たちの基本的な思考は、表面的にはどうであっても究極的には軍人です。それも昭和時代の。
これはどういうことかと申し上げますと、彼女たちは下手をすると生前、いやこれはおかしいですね。
便宜的に軍艦時代としますが、見ているんですよ、大正から昭和にかけての議会政治の混迷っぷりを。
先生もご存知でしょう、統帥権干犯問題などは。
ですので、艦娘からすれば、政治家などというものは軽い存在かもしれません。
実力もあり、我々の知りえない手段を取り得る可能性もあり、しかも先生方を敵視している可能性も無きにしも非ずです。
私としては絶対にお勧めできません」
国会議員「ぐぬぬ……」
提督「どうしてもとおっしゃるのであれば、不肖、この提督が瑞鳳の格好にて先生と一夜を共に致します。
それが最も犠牲の少ないやり方であると愚考する次第です」
国会議員「もうよい!!」
初月(提督は笑いながら話していたけれど、下手をすると身の破滅だったんだろうな)
初月(ただこの提督が瑞鳳の格好をするというのは悪夢以外の何物でもないと思うが……)
初月(まぁそれだけ、提督も焦っていたのかもしれない)
初月(そういえば提督はあの時もすごく焦っていたかな……)
ポーラ「すいませんすいません」
ザラ「本当に申し訳ございません!! 私の妹がそちらのお店でとんでもないことをしてしまいまして!!
どうお詫びしたらいいものか……」
提督「なにとぞ、なにとぞご容赦下さい!! 艦娘の不始末はすべて私の責任です!!」
初月「ぼ、いえ私からもお詫び申し上げます!!」
店主「あ、いやそこまで頭下げなくていいから、の!」
提督「とんでもありません!! ウチのポーラが泥酔した挙句、そちらのお店で上半身裸で踊っていたなどとは!!
本当に謝罪のしようもございません!!」
ポーラ「ございません~」
ザラ「ポーラ!! ちゃんと反省してるの!!」
ポーラ「反省してますっ!!」
提督「どうぞお許し下さい!!」
店主「顔を上げてくだされ。最初わしが見たときは本当びっくりしたけどのう。
でもお客さんも楽しんでたみたいじゃし、わしとしては大事にしたい訳でもないのじゃ。
まぁ、これからは飲み方を覚えていただきたいがのぅ……」
ザラ「ポーラ!! 店主さんが穏便に済ませてくれるそうよ!! ちゃんとこれからは飲み方を弁えなさいね!!」
ポーラ「は~い」
ザラ「ポーラ?」
ポーラ「はいっ!!」
提督「寛大なお言葉、恐れ入ります!!」
店主「いいんじゃいいんじゃ。この子はのう、いつもうちのダンシングオニオンフライをすごくおいしそうに食べてくれるからの。
むしろ”何か”をまき散らさないだけ立派じゃよ」
提督「ありがとうございます!!」
店主「しかし軍人さんだったとはのぅ、わしも前の戦争の時は弾幕を掻い潜って……」
初月(ポーラさんがお店で酔って裸踊りをしたって言ってきた時は本当にびっくりしたなぁ)
初月(アフロで真っ黒なおじいさんとか僕もどう対処すればいいか本当に迷ったし)
初月(あの店主さん本当いい人で良かった。ポーラさんは提督とザラさんにあの後エンドレスでお説教だったけど)
初月(艦隊を預かるってのは大変だな、あんなトラブルまで抱えないといけないなんて)
初月(あ、お酒といえば呑兵衛達が大量にギンバイしたこともあったっけ……?)
提督「…………」
隼鷹ポーラ伊19加古武蔵千歳大淀「…………」
大和武蔵赤城加賀初月不知火(艤装展開済み)「…………」
提督「……それじゃあ、君らが何をしたか、言ってやろうか」
提督「昨日はE海域攻略の祝勝会だった。俺も君らに酒を振る舞うとは言ったな」
提督「だがそれは俺の保管庫の二番目の棚までとはちゃんと言ったよなぁ」
提督「あそこには竹鶴17年だとか、ジョニプラとかラガーヴリンとか、カミュのXOだとか、割といいのを十分に置いてたよな。
ビールなんかも国内海外問わず十分に用意した。
日本酒やら焼酎やらワインは千歳や霧島、ポーラ、ビスマルクに任せたが、
十分な予算を渡していたはずだ。むろん大本営からの支給もあるが、俺も割と出したぞ」
提督「にも関わらずだ、その奥の棚にまで手出したのはどういうことかな?」
提督「あそこには俺の生まれ年の1982年ヴィンテージのワインやらシャンパンやブランデーやら、
それにロイヤルサルートの38年に山崎25年に余市の20年とか、
ロマネコンティのマール・ド・ブルゴーニュやら、秘蔵のキングスランサム、
後は元帥閣下や懇意にしている議員の先生からもらったお酒を入れていたんだが……」
提督「別に独り占めしようとしていた訳じゃないぞ。深海棲艦との戦いが終わった後に、皆で飲もうと思っていたんだ」
提督「それが丸々飲まれているとは、どういうことかな……?」
隼鷹ポーラ伊19加古武蔵千歳大淀「…………」
提督「当日夜番だった照月から、君らが俺の部屋に入ったのを見たという証言も取っている」
隼鷹ポーラ伊19加古武蔵千歳大淀「…………」
提督「おい大淀」
大淀「はいっ」
提督「お前は俺の山崎25年をラッパ飲みしたそうだな、美味かったか?」
大淀「えっと、その……」
提督「美味かったかと聞いているんだ」
大淀「……はい、とても美味しかったです」
提督「それは深海棲艦に勝利した後の美酒になる予定だったんだがなぁ」
大淀「申し訳ございません」
提督「まぁ過ぎたことは仕方ない。ただ賞罰は明らかにしないといけないからな」
提督「だが俺も鬼じゃない。飲まれた分の金額だけ減給だ。減給された分を懇意にしてる酒屋さんに渡して同じのをそろえてもらう。
完全には無理だろうが。君たちが楽しんだだろうし、そこまで要求はしない」
提督「それでもだ、半年は給与半額だと思ってくれ」
隼鷹「えっそれは流石に……」
提督「じゃあ隼鷹は減給は無しだ」
隼鷹「本当!!」
提督「ただし、あそこに俺が今年漬けた梅酒があるだろう? あれを樽に入れて世界一周してこい」
隼鷹「え゛?」
提督「君らの飲んだキングスランサムって酒な、あれは樽に入れて世界一周して熟成させてた頃のなんだよ。
減給を無しにするんだから、それ位はやってもらわないとなぁ……」
隼鷹「減給でいいです……」
提督「結構」
初月(主力艦の人たち、まぁ僕も主力を張らせてもらってるつもりだけど、
その人たちのあんな青い顔を見たのはあの時だけだったな……)
初月(僕はお酒はあまり分からないけれど、提督が時々出してくれるお酒はとても美味しい)
初月(まぁ僕も贅沢を覚えてしまったんだろう)
初月(それにしても、半年も給料が半額になるまで飲むなんて、どれだけ飲んだのだか……)
提督「すぅ……すぅ……」
初月「提督よ、お前も本当に苦労してるんだな」
初月「仕方ない。辛いときは僕にいつでも甘えるといい。ただママと呼ぶのだけは控えて欲しいかな」
初月「僕は君がどれだけ頑張っているか、よくよく思い知ったよ」
初月(それに、こうして甘えられるのも、女として悪くないと思ってしまう自分も居る)
初月「さて……」
初月「僕の電探に感がある。多分青葉さんだな」
初月「なぁに僕は今機嫌がいい、せいぜい致命傷で済ませてあげよう」
以上です。初月も包容力があってママと呼ばれる資格はあると思うんだ!!
アフロで真っ黒な爺さん店主は元ネタアリですが、口調怪しいというか、
おまけ.txtに発言が一言しかないので再現できてるのか謎です。
何で大淀さんが山崎25年ラッパ飲みしてるって?ww
ピクシヴを見れば確定的に明らかですYO!
ではでは失礼。
おあ、武蔵が二人いる。ウチの鎮守府には大和が二隻居るのと勘違いしてしまったかな。
>>12の3行目を
大和武蔵赤城加賀初月不知火(艤装展開済み)「…………」
から
大和ローマ赤城加賀初月不知火(艤装展開済み)「…………」
と読み替えてください。酒飲みながら執筆はいかんなww
乙
包容力すげぇ…ママァ
乙
序盤以外はイケメンじゃないか…
面白かった
おまけで、もっと初月に甘えるシーンを書いてくれませんかねぇ…?
乙
黄昏酒場懐かしす
乙
このSSまとめへのコメント
初月いいいいいいいいい!大好きだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!