伊19「てーとくさん!」 (57)

このSSは激寒艦これSSです
轟沈要素あり
にわかすぎる軍事知識
軍事衛星とはリンクできません
キワーミー!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454180097


提督「帰ってきたか、よく生きて帰ってきてくれた…」


19「ふふん、このくらい余裕なの。」


19「と、いうかただの哨戒任務なのに提督は大袈裟なの」


提督「…あぁ、そうだな。」


19「…どうしたの?元気がないの」

提督「ああ、それが…」


提督「…別の哨区に出港した伊40からの定時連絡が来ないんだ」


19「えっ…」


19「ま、まだ決まったわけじゃないの!40は大丈夫なの!」


提督「しかしもう1週間も連絡が…」

コンコン


提督「あっ…はい、どうぞ」


大将「うむ、入るぞ」


榛名「失礼します」


提督(う、大将殿だ…)


大将「提督君、また、艦娘を喪失したようだね?」

提督「いえ、まだそう決まったわけじゃ…!」


大将「行方不明になってもう1週間たつらしいじゃないか」


提督「それは、そうですが…」


大将「…今は戦時中だ、こちらにも被害は出よう」


大将「ただし、こうも喪失艦がでるとな、…君がこの島に配属になって何か月になる?」


提督「…3か月です」

大将「そう、3か月だ!3か月で5隻も喪失艦を出している!」ビシッ


提督「…はい」


19(…)

大将「ここは最前線だ!補給も補充も満足にこない」



大将「そういう状況下で喪失艦を出すことが、どういうことかわかるだろう?」


提督「…」

大将「信じたくはないがね、提督君」


大将「私は、君の指揮能力を疑っているのだよ」


19「なっ…言わせておけば!」ガタ


提督「イク!」


19「……」


19「…ごめんなさいなの」シュン

大将「…このように艦娘の教育もできていない」ハァ


大将「この疑いが確信に変わらないことを祈るよ、失礼する」キィーバタン


榛名「…こちらは次の作戦の実施項目です、目を通しておいてください」スッ


提督「あ、あぁ。ありがとう」


榛名「では、失礼します」バタン

19「…ムカつくの」


提督「イク」


19「だって!あいつらは何にもしないで、哨戒任務も護衛任務もぜーんぶイクたちがやってるの!」


19「この間の作戦だって、私たちを囮にして!」


提督「イク!」


19「…みんな沈んじゃったの」ウツムキ


提督「ッ…」

提督「…僕たち潜水戦隊は哨戒、偵察が主たる任務なんだ、大将殿のやってることは間違いじゃないんだ」


19「じゃあ護衛任務も潜水戦隊がやるっていうの?」


提督「それは…」


19「そもそも大将さんの艦隊は戦艦が4隻もいるの!でも訓練もろくにしないでずーっと港に籠りっきりなの」


提督「最近敵艦隊の基地襲撃が多くなってきたからね、港を開けるのはよくないよ」


19「そういって、大将さんはほんとは自分の身がかわいいだけなの!」

パタパタパタパタ


58「習熟訓練終わりました!」バァーン!


提督「うを!?…あぁ、ゴーヤお疲れさま」


提督「でも、ドアはノックしてから開けようね」


58「了解でち!」ビシッ


19「と言いつつこれで5回目なの」ニヤニヤ


58「それは言わないでぇ」アセアセ

提督「ははは」


提督(…伊19と4日前に“やっと”本土から配属された伊58)


提督(これが我が戦隊の全戦力だ)


提督(最初は6隻あった潜水艦たちも、度重なる作戦や哨戒行動で)


提督(…体の戻らぬまま本土に還っていった)


提督(今はもう初期にいた艦娘は伊19のみ「てーとくっ!」

58「お腹、すいたよぉー…」


提督「あ、もうそんな時間か」


58「皆でご飯いくでち!」


提督「うん、行こうか」


19「久々の陸上のごはんなの」ワクワク

―そういえば今日の食卓番って誰だっけ


―確か比叡さんでち!


―…えっ?

提督「…」パラ・・・


提督「作戦内容は哨戒…だか」


提督「哨区が広すぎる。しかもこの哨戒区画は、敵艦隊の目撃情報が多い所だ」


提督(これじゃ、2隻じゃ回らないぞ…、でも大将殿は)


提督(潜水戦隊で索敵して、発見した敵艦隊を大将殿の艦隊で叩こうと考えている)


提督(戦法は間違っていない。でも、これじゃあ、)

提督「捨て駒じゃないか…」

提督「―…以上が本作戦の内容である」


58「了解でち!」ビシッ


19「…また、囮なの」


提督「イク」


19「…」


提督「言いたいことはあると思う」


提督「だから、一つ命令を付け加える」


58「?」


提督「それは…」

58「出撃しまーす!」


19「行ってくるの」


提督「うん、定時連絡は」


19「日出と日没の時、でしょ?わかってるの」


提督「そうだね、あと」


58「哨区についたら連絡だよね!」

提督「そうそう、それと」


19「…あーもう!もう大丈夫だから!提督は安心していいの」


58「そうでち!作戦内容はバッチリ頭に入ってるよぉ」


提督「う、うん」


19「…ほーんと、いつになっても慣れないの」クス


提督「…ごめん」

19「大丈夫、絶対帰ってくるの」


58「ゴーヤも絶対帰ってくるでち!」


19「…だから、安心してここから見守ってほしいの」

トツートツーツー トツー ツーツートツート トト ツーツーツー トツートツート トトト トトトツー
伊19:定時連絡
   現在本艦は哨戒区域南西区域を90°12㏏で航行中。
   哨区内敵艦隊無し。


伊58:定時連絡!
   いまゴーヤは哨区の北東を180°9㏏で航行中でち!
   異常ありません!


提督:了解した。
   現在目標情報等は得られていない。
   引き続き哨戒を実施せよ。

大将「首尾はどうかね?」


提督「はっ、敵艦隊の発見はまだできていません。」


大将「しっかり頼むよ、すこし哨区が広くなっているがね」


提督「はい、“3倍”ほど哨区面積が広くなっていますが善処いたします」


大将「うむ、我が艦隊が奇襲でもされたらたまったものじゃないからな」


大将「せいぜい“疑い”が晴れるように頑張りたまえ、はっはっは」スタスタ


提督「…」

58「ふわぁー、…暇でち」


58「こーんななんにもないところに敵艦隊なんているんのかなぁ?」ノビー


58「…って、いけないいけない!ちゃんと哨戒しなきゃ!」


58「もし敵艦隊見つけたら…」


58(ふふふ、てーとくは喜んでくれるかなぁ?)


シャンシャンシャンシャンシャンシャン…


58「…ん?この音は?」

タッタッタッタッ


提督「大将殿!現れました!敵艦隊です!」バーン


大将「なにっ!?」ガバァ


大将「場所と敵戦力は!」


提督「ゴー…伊58が捕捉しました、敵戦力戦艦2護衛艦5そして…」


提督「空母です!敵艦隊には空母がいます!」


58「うぅ…怖いよぉ…」


ポーン…


58「でも、魚雷さんが、てきかんたいをやっつけてくれたでち、」


ポーン…


58「あとは、もぐって、にげて、」


ポーン…


58「そしててーとくに」


……


58「たっくさん」


ドンッ ドンッ ドンッ


58「ほめt


ドォォォォン…

19「…哨区が広すぎるの、これじゃイクでもカバーできないの」


19「あら、無線?まだ日没には早いの」


ツートツートト トツートツート ツートツートト トトツー ツーツートツート トト ツート トツー


提督:緊急無線。
   敵艦隊見ゆ。日出の定時連絡での貴艦の位置から167°60nm
   敵艦隊、概略敵針敵速、北西12㏏。
   敵戦力戦艦2空母1軽巡2駆逐2。
   


19「…ここまで情報がわかっているってことは」


19(それだけ、浮上していたか潜望鏡を出していたってこと、…つまり)


19「…ごーや」ウル


19「ひぐっ…、うわぁぁぁぁん…」

提督「…ゴーヤ」


大将「うむ、結構結構」


提督「…」ギロ


大将「なんだね?文句でもあるのかね?」


提督「…いえ」


提督「…敵艦隊の位置も割れました、大将殿の艦隊を向かわせましょう」


大将「…」

大将「…」


提督「…大将殿?」


大将「いや、まだ早いな」


提督「な、なぜです!敵艦隊を捕捉したのですよ!?」


大将「空母だ」


提督「はぁ?」


大将「空母がおるだろう」

大将「艦載機の攻撃は驚異的だ、戦艦じゃ歯が立たない」


提督「ですが!敵の主力艦は3隻です、こちらは4隻も「きみぃ」


大将「わかってないな、沈んだらどうするのかね」


提督「は?」


大将「我が艦隊に喪失艦がでたらどうするのかね、と言っているのだ」


大将「私は海軍元帥になる男だ、お前とは違う。こんなところで経歴に傷をつけなくないのだ、わかるだろう?」


提督「な…」

大将「伊19をあたらせる、潜水艦なら空母を沈められるだろう」

ここから地の文が入ります
苦手な方はご注意下さい

シャンシャンシャンシャンシャンシャン…


…聴音探知、120度から100度、感度2、推進音、


伊19「…間違いないの、敵艦隊なの」


進路概ね北西、想定進路と一致。
聴音情報から概ねの敵編成を割り出す。


伊19「回転数が遅いのが2つ、早いのが2つ…」

つまり、戦艦1に空母1、そして護衛艦が3。


情報では戦艦2空母1護衛艦4だった、


伊19「ゴーヤ…」


…先にいった伊58は任務を全うしたようだ。


最近の敵艦は、レーダーを持っている艦も多いし、“鼻”がいい。
潜望鏡でも上げようものならすぐに見つかってしまう。
だから、まだ潜望鏡は上げない、聴音で大体の敵針敵速を測定する。

大体敵が単縦陣の時の船舶同士の距離は800メートル、敵艦隊は5隻なので単純に艦隊の長さは大体5000m。
それが120度から100度に広がっているので、大体一番前にいる艦が9000m、最後尾の艦で13000m位。


この想定から、次は大体の速力を測定する。測定には3分15秒法を使う。
この間に攻撃目標を選定する、狙いはもちろん戦艦と空母だ。
こちらが撃てる魚雷は6本。できれば2隻同時に狙いたいが、戦艦相手に魚雷が3本だけは心許無い。


確実に沈ませるために空母に6本すべて撃ちこむ。…少々勿体ない気もするが。


さて、空母はどちらだろうか、多分後ろ側の目標だろう。勘である。

…3分15秒経過。探知方位は110度から90度、敵針が変わっていないと前提すれば約900m程進んでいることになる。
概ね敵速9ノット。…軍艦としては遅い、手負いの船舶でもいるのか、それとも対戦警戒を行っているのか、
できれば前者であることを願いたい…、実情は後者だろうが。
大体の敵針敵速は割り出した。…想定ばかりではあるが。


伊19「まぁいいの」


“答え合わせ”をしたときにわかる。間違えば、戦友のもとに行くだけだ。


射距離は確実に当てるため1000mとする。
…さぁ、敵艦隊未来会合点へ向かおう。


伊19「機関両舷前進微速」

会合点に着いた。
敵艦隊は変針変速なく航行してくれた。


伊19「いい子たちなの」


そろそろ正確な位置と敵艦隊の編成を知りたい。潜望鏡を上げることにする。


伊19「ふふっ」


…どうやら答えは“正解”だったようだ。
前から駆逐艦、戦艦、空母、駆逐艦、駆逐艦だ。だが損傷を受けた艦はなかった。こちらは不正解。


敵針は327度敵速は1分5秒で288mすすんでいたので敵速8.6ノット。想定進路速力と大体一致。




伊19「じゃあ、はじめるの、魚雷戦用意!」

管制盤に必要な諸元を入力。その間に注水ハッチを開ける。


伊19「発射管1番から6番、注水はじめ」


…入力完了。後は、“獲物”が来るのを待つのみ…


ポーン…ポーン…


敵艦の探針音だ。


伊19「あらら、見つかっちゃったの」


“番犬”に見つかってしまったようだ。後続の駆逐艦がこちらに進路を向けている。

伊19「でも…」


残念だが、時すでに時間切れ。空母が魚雷発射点に入っている。


伊19「撃て!」


魚雷発射、だが、着弾を見てる暇は与えてくれないようだ。


伊19「急速潜航!急ぐの!」


駆逐艦が近づいてくる、探針音が響く。

ドォォン・・・


爆発音が聞こえた、魚雷は命中したようだ。空母は沈んでくれるかな。


ポーン…





探針音が止まった。敵は私を見失ったようだ。


伊19「ちがうの」


ドンッ ドンッ


敵は私かぶりついてきた。海上から爆雷が飛んできたのだ。




提督「いいか、ゴーヤ、イク、」


提督「哨戒なんていい、必ず生きて帰ってきてくれ」


―提督、それじゃ命令違反なの


提督「生きていればいくらでもやりなおせるだろう、今回の作戦は危険だ」


―それはてーとくが言っちゃダメなセリフでち!


提督「…」ジワ


―…あーもう!わかったなの!絶対帰るから!



ごめんね、提督のめいれい、いはんしちゃったなの


…でも、ちゃんとみてくれたよね?

敵艦隊はその後現地の司令が率いる艦隊と交戦。

結果は司令側の勝利。敵艦隊は全滅した。

…だが

あまりにも敵を引きつけすぎたため、

港の沖合5nmの地点で交戦し、港湾施設にも被害が出た。

港にあった指令所にも着弾し、なんと司令は戦死してしまった。

敵を引きつけすぎた原因は今もまだ解明されていないが、

司令が交戦を渋った結果だともいわれている。

「提督、提督」


提督「ん?どうした」


秘書艦「いえ、深く考え込んでいたので、具合でも悪いのかと」


提督「ん、あはは、大丈夫だよ、心配をかけさせてごめん」


秘書艦「そうですか、それはよかったです」ホッ


提督「…昔のことを考えていただけだよ」

秘書艦「…」


秘書艦(とても悲しい顔をしています。もう戦争は終わったのに、まだ、あなたのなかでは)


パタパタパタパタ


提督「そういえば、今日は新しく建造された艦娘が来るんだよね」


秘書艦「はい、2隻建造されたそうです」

パタパタパタパタ


提督「おぉ、2隻も、頼もしいな」


秘書艦「ふふ、そうですね」


バァーン!


提督「…!」


提督「君達は…」


「てーとくさん!」



「ほーらね、ちゃんと帰ってきたの!」

異常です(以上です)
後半のやっつけ感が半端ないですね
正直雷撃シーンがやりたかっただけでした、伊19、伊58ファンの方には申し訳ない表現をしてしまい申し訳ありません。
では依頼だしてきます

作品が完結しましたので、以下のスレッドのHTML化をよろしくお願いします。
伊19「てーとくさん!」
伊19「てーとくさん!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454180097/)

>>1よ…スレッドのHTML化はここじゃないよ…まぁ乙

>>1でほとんどの人がブラバしてそう

>>48
書き込みがあるとは…、ありがとうございます!
あぁ、HTML化はここじゃないんですね、恥ずかしい…
>>49
艦これはあまり風当たりが良くないと思ったので…
それでも読んでくれてありがとうございます!

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