歩美「いつかまたここで」 (23)
灰原「あれから、私は……」
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の続編です。
歩美の心情を追いつつコナンとの再開までを書きます。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457180924
コナン「悪いな、歩美。もうお別れだ」
歩美「どういう事なの?コナン君!?」
コナン「済まねぇな。もう会えないんだ。元気でな」
歩美「コナン君!待って!!」
灰原「ごめんなさい。吉田さん。私も……。もう会えないの」
歩美「哀ちゃんまで!どうして!?」
灰原「ごめんなさい。さようなら……」
歩美「待って!コナン君!哀ちゃん!私を置いて行かないで!」
歩美「待って……。コナン君……。哀ちゃんっ!!」
歩美「……ん」
朝。またあの夢を見た。
もう何度見たか分からない。
コナン君と哀ちゃんがいなくなってからずっと見るあの夢。
突然2人がいなくなってしまう、とても嫌な夢。
歩美「はぁ。朝から暗くなっちゃうなぁ」
もう見慣れた夢なのに、何度見ても気分の落ち込む夢。
あれから、もう10年も経つのに。
歩美「……暗くなってちゃいけないよね。お仕事行かなくちゃ」
気持ちを切り替えて、着替えて外に出る。
歩美「行って来まーす」
今日は大事な用事があるんだから、遅れずに行かないと。
改めまして、私の名前は吉田歩美。
とある芸能事務所で働く、俳優の卵。
まだまだ駆け出しの、ホントの未熟な新人。
小学6年生の時に仕事を始めて、今日まで何とか頑張ってきた。
……ある目的の為に。
人から見れば、とても子供っぽい……。くだらない目的。
でも、私にはとてもとても大事な事。
その為に私は芸能界に入った。
今日は、その目的の一部が叶えられそうなお仕事がある。
朝から暗い夢を見てしまったけど、頑張らなくちゃ。
芸能事務所。
歩美「おはようございます!」
マネージャー「おはよう、歩美ちゃん。今日も元気だね」
歩美「ありがとうございます!」
マネージャー「今日はインタビューの仕事が入ってたね。緊張してないかい?」
歩美「はい、大丈夫です!今日のお仕事、楽しみにしてたんです!」
社長「ほう、そりゃ頼もしいな」
歩美「あ、社長さん!おはようございます!」
社長「おはよう。いい元気だ。その調子なら、今日の仕事も大丈夫そうだな」
歩美「ありがとうございます。頑張ります!」
社長「うん。緊張しないでな。まだ時間があるから、奥で休んでなさい」
歩美「はい!ありがとうございます!」
マネージャー「ホント、明るくて素直で。良い子ですよね。あの子が来てから、何だか社内も明るくなった気がしますよ」
社長「ああ。本当にな」
マネージャー「それに……。こう言っては失礼ですけど、あの子が来てから社長も変わった気がしますよ。その……」
社長「言いたい事は分かる。あの子が来るまでは、入ってくる者は金儲けのコマにしか見てなかったのに、って言うんだろ?」
マネージャー「あ、言え。そんなつもりじゃ……」
社長「良いんだ。その通りだからな。今もその考えが変わった訳じゃない。でもな。あの子にだけはな。そう振る舞えねぇのさ」
マネージャー「社長……」
社長「あの子がこの事務所に面接に来た日、覚えてるか?」
マネージャー「ええ。今でもハッキリ覚えてますよ」
数年前。
少女「ありがとうございました」ペコッ
社長「……ったく。最近のガキは全然ダメだな。妙に親に仕込まれて知識ばっかあるだけのポンコツばかりでよ」
秘書「社長。聞こえますよ」
社長「かまやしねぇよ。使えねーもんに気ィ遣ってどうすんだ。金になんなきゃ意味がねーんだからな」
秘書「まあ、それはそうなんですけど」
社長「で、次のは?」
秘書「はい、こちらです」ヒラッ
社長「んー、吉田歩美。小学6年。演劇のレッスンやダンスの経験などは無し?ナメてんのか?今時小6まで何の勉強もしてねーなんざスタートが遅すぎるぜ」
秘書「はあ。一応希望者の面接は全て行う、未来のスターを発掘しようという企画ですから……」
社長「チッ、まあ良いや。テキトーにやってさっさと終わらせるぞ」
秘書「分かりました……。では呼んできます」
社長「ハァ。今回の企画は不発に終わりそうだな」
コンコン
社長「どうぞ……」ハァ
歩美「失礼します!」
社長(ほう、ルックスは今までのガキの中じゃ抜群じゃねぇか……)
本日はここまでです。
少しゆっくりめの更新になります。
灰原「あれから、私は……」 - SSまとめ速報
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前スレリンクが貼れてないみたいなので貼り直します。
社長(だが、可愛いだけのヤツなんざごまんといるからな。一発ガツンとやるか)
社長「じゃ、そこに座って」
歩美「はい!」
社長「えー、いきなり言いますが。この世界は甘くありません。厳しいし嫌な事だらけだし汚い事だらけです。自由も減ります、身体を壊すかも知れません。その覚悟はありますか?」
歩美「はい!」
社長(......!何だ、このガキ?何て真っ直ぐな眼をしてやがるんだ?こんな真っ直ぐな眼、久々見たぜ......)
社長(......だったら尚更諦めさせた方が良い。こんな汚い世界に入れて綺麗な眼を汚す事はない)
社長(.....?俺は何考えてるんだ?商売道具にしか過ぎないヤツに。とにかくさっさと終わらせよう。コイツの眼を見てると胸がざわつきやがる)
秘書(社長が狼狽えてる?でもこの子、確かに今までの子と違う......)
社長「んん。では、あなたは何故この世界に入りたいんですか?」
歩美「はい、それは......」
現在。
社長「あの時のあの子のセリフ、覚えてるか?」
マネージャー「勿論、忘れませんよ」
社長「あんなキラキラした眼をして、漫画みたいな事を堂々と言ってのけたんだ。あれにはやられちまったよ。あの時、決めたんだ。この子だけは汚しちゃいけないってな。でも、あの子の望みも叶えてやりたい。だから、やり方を変える事にしたのさ......」
マネージャー「ええ。それが分かったから、私も彼女について面倒を見る為にマネージャーになったんですから。私も影ながら協力しますよ」
歩美「あれ、何の話してるんですか?」
社長「あ!あ、いや。何でも無いんだ。それより、少し早いけどそろそろ行った方が良い。渋滞に巻き込まれない内にな」
歩美「はい!行ってきます!」
マネージャー「では、私も」
社長「ああ、頼む」
社長(......あれから、俺は汚い手段を使わなかった。あの子にだけは。でも、こうして仕事が来ている。みんなあの子の純粋さを感じてるんだ)
社長(あの時、あの子の志望動機を聞いて俺は不覚にも胸が熱くなった。俺にも人間らしい感情がまだあったと気付かせて貰ったよ)
社長(その恩返しに、あの子の望みは何としても叶えてやりたいもんだ......)
屋外、社用車内。
歩美「あの、さっき何の話してたんですか?」
マネージャー「ああ、歩美ちゃんが面接に来た日の話をね。あの日の歩美ちゃんの姿に、社長すっかりファンになっちゃったんだから」
歩美「もう、からかわないで下さい!恥ずかしいなあ」
マネージャー「ゴメンゴメン。でも、あの日の事......。叶うと良いね」
歩美「......ありがとうございます」
そっか、そんな事話してたんだ......。
あの日、この世界に何故入りたいのかと聞かれて私は......。こう言った。
「突然いなくなってしまった、大事な友達と好きな人が、どこにいても私を見てくれる様に」と。
本日はここまでです。
また後日。
乙
前作からずっとみてるよ!
私達のお別れは、突然だった。
「江戸川コナン君と灰原哀さんは、ご家庭の事情で突然ですが転校する事になりました」
ある日突然、小林先生からそう言われた。
あまりに突然の別れに、みんな言葉が出なかった。
先生は何を言ってるんだろう?コナン君と哀ちゃんが転校?
歩美「ウソだよ、そんなの......」
そう、ウソだと思った。
私達に黙ってコナン君と哀ちゃんがいなくなるハズが無い。先生は冗談を言ってるんだ。
そうだと信じたかった。
でも、それから日々が過ぎても......。2人が私達の前に顔を出す事も、連絡の1つして来る事も無かった。
いなくなってからも、私はずっとずっとあの2人の事を想い続けた。
コナン君。大好きな大好きなコナン君。
ある日突然現れた、私のヒーロー。
初めてコナン君が転校して来た時は、正直思った。
「面白い名前だなあ」と。
服装も変わってるし、どこか周りの子とは違う空気を感じてた。
>>13
ありがとうございます。
ちょっと遅めですが、ご容赦ください。
お!きてるじゃん!
ほしゅ
ほ
期待したやんけくそ
皆さん遅くなって申し訳ありません
話の流れが上手くいかなくなり、考え直した結果再度やり直すことにしました
1度このスレは依頼をかけて立て直したいと思います
5/9より再度新しいスレで始めますので、よろしくお願いします
見失うかもしれんからここで知らせてくれ
大変申し訳ありません、仕事が多忙になってしまいしばらく書けません
いつと言えませんが、書ける様になり次第立て直したいと思います、申し訳ありません
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