【ガルパン】戦車喫茶と自動車部です! (28)

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ツチヤ「──ねえぇーやっぱりファミレスにしましょうよぉおー」

ホシノ「やだよ。金曜日以外にお前と一緒に行ったら絶対出禁にされる」

スズキ「ドリンクバーが原因でファミレス出禁になるとか意味分かんないから」

ツチヤ「うー。だけどここのメニュー地味に高いのばっかですもん」

ナカジマ「まあまあ、せっかく優待券貰ったんだから有効活用しようぜ」

スズキ「まだ週明けたばっかだろう? 我慢しなさいよ」

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ツチヤ「おお……まだ4日もあるのか……」

ホシノ「いや、月曜日入れろよ。まだ昼過ぎだぞ」

スズキ「月曜込みでも木曜から日付変わった瞬間にファミレスへ直行しそうだよこいつ」

ツチヤ「いいですねそれ! いただきました!!」

ホシノ「いただきましたじゃねーよ! 金曜は試合前日だって言ったろうが!!」

ナカジマ「全チームの車輌整備が終わるまで帰れないからな」

スズキ「出場する戦車も1輌増えたし、私たちが乗る戦車もそろそろ手つけないとなぁ」

ナカジマ「というわけで君たち、週末は覚悟しておくように」

ツチヤ「そんな……私の、ドリキンが……」

ホシノ「なんでこう、よく分かんない事にこだわるかね……」

スズキ「徹夜明けだしな……ちょっとテンションがおかしい」

ナカジマ「そりゃ私もだ。気を抜いたら今のドリキンみたいにタガが外れそうで怖い……」

ホシノ「なあ、そろそろ注文した方が良くないか?」

ナカジマ「おっとそうだった。えーと呼び出しのボタンはー?」

ホシノ「このミニチュア戦車じゃないか?」

スズキ「うわ、凝ってる! さすが戦車喫茶」

ナカジマ「どうにかして持って帰れないかなあ」

ホシノ「手ぇ出した瞬間に私たち3人がお前を拘束するからな」

ナカジマ「わかってるよー。んじゃポチッと……」

ツチヤ「え、みんな注文決まったんすか? 私まだなんですけど……」

ナカジマ「……」

ホシノ「……」

スズキ「……」

ツチヤ「……え、えっ? どうしたんすか??」


スズキ「どうしたじゃねぇよ」

ホシノ「メニューくらい私たちがテーブル席へ着いた瞬間に広げて出せよ」

ナカジマ「ほんと気が利かないなウチの後輩は」

ツチヤ「ちょっと横暴すぎじゃないですかね先輩方!?」

ナカジマ「もういいよ。ツチヤが選んだのを適当に握ってもらうから」

ホシノ「その寿司ネタもう飽きたからいいよやんなくて」

ツチヤ「使い回しされ過ぎて鮮度がスカスカですもんね」

スズキ「あーそういえば最近ご無沙汰だなあ……ずっと海の上に居るのに」

ナカジマ「西住さんとか五十鈴さんみたいな良いとこのお嬢さんって、回転寿司行った事あるのかな?」

ホシノ「唐突だなあおい。……高校生なんだから流石に回転寿司くらい行ったことあるだろ」

ナカジマ「いいや、無いね!」

ツチヤ「その、全く意味のない自信は一体どこから来てるんですか……」

ナカジマ「じゃあツチヤ、聞いといて」

ツチヤ「それをその二人から聞くことに意味はあるんですか……」

ナカジマ「ツチヤ、お腹すいた……」

ツチヤ「じゃ、さっさとボタン押して下さい。飲み物はとりあえず全員ブラックで良いですよね?」

ナカジマ「ツチヤ、その注文の仕方は進学すると後々アルハラ問題に発展するから止めた方がいいぞ」

ツチヤ「さっき適当に頼めって言ったじゃないですか! いいから押せやオラぁ!!」

ナカジマ「はあーい。……あ、私が押してもいいの? ホシノはバスの"次停まります"ボタンとか押すの好きだったでしょ?」

ホシノ「そりゃ、お前の知り合いとこの婆ちゃんだろうが。いいよ別に」

スズキ「なんだそのボタンのネーミングは」

ナカジマ「やったぜ!」

 ガオンッ!

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ナカジマ「はぁー注文一つとるのにこんなに体力使うとは思わなかった……」

スズキ「優待券で頼めるケーキが大体決まってたんだから、さっさと注文すればよかったんだよ」

ホシノ「なあ、さっき来た店員のお姉さん、スズキのことずっとガン見してたよな」

ツチヤ「はい。完全に雌の表情でした」

ナカジマ「仕方ないよ。スズキだもん」

スズキ「何だよそれ! 意味分かんないよ!」

ツチヤ「えーだってスズキ先輩、普通にイケメンなんですもん」

ホシノ「徹夜明けのナチュラルスマイルにやられたようだな」

スズキ「そうなのかなぁ」

ナカジマ「真っ昼間からエロい声出してんじゃないよ」

ツチヤ「ホント天然たらしですよね先輩」

スズキ「やめてよ! みんなそういう事言うから、しょっちゅう男装したりするハメになったりするんでしょうが!!」

ホシノ「つってもなー、どんなイケメンエロボイスでも中身はこんなオッサンだからな」

ナカジマ「お父さん、娘はこんな立派なオッサンに育ちました」

スズキ「オッサンオッサン言うな!! 大体、中身オッサンなのはみんなも大して変わんないでしょ!?」

ツチヤ「ですよねー。研修とか出稼ぎとかの名目で、他所の町工場へあっちこっち行って、そこで働いてるオジ様方と混ざってたらそらそうなりますよ」

ホシノ「そうねえ……、今更だけど私ら女として色々大切なものを失ってるからなあ」

スズキ「気がついたら年がら年中ツナギしか着てないもんなあ」

ナカジマ「来るよ、ツナギブーム!」

ホシノ「こねえよ。正月がブームになるって言ってるのと同じくらい信じられん」

ツチヤ「でも、もう少しで私たちも着られるじゃないですか」

スズキ「何を?」

ツチヤ「大洗のタンクジャケット!」

ナカジマ「う、うん……」

ホシノ「そう、だね……」

ツチヤ「えー! なんでそんな微妙そうな顔してんですか。アレもスカートでカワイイ方でしょ?」

ナカジマ「それはそうなんだけどなあ……」

ホシノ「だって、私たちの精一杯のオシャレが、戦車に乗るための制服なんだよ?」

ツチヤ「すいませんでした……」

ホシノ「女らしい服かあ……」

ナカジマ「レディスのフロアに私らだけでゾロゾロ行ったら絶対警戒されるよ?」

スズキ「はぁ……。婚活戦士殿に今度相談してみようかな」

ホシノ「ブハッ……バッカ!! スズキ殿、それ武部殿の前で絶対言うなよ!!」

スズキ「武部殿なんて一言もいってないだろホシノ殿! 私はツチヤ殿の口からポロっと出たのをたまたま聞いただけだ!!」

ツチヤ「ちょっとスズキ殿!? 自分の所まで飛び火させないでくださいよ!!」

ナカジマ「待て待て待て、今ここで全員が秋山殿になったら誰が誰だかわからんでござるよ!」


「「「ナカジマ殿のそれは何か違う」」」


ナカジマ「あ、左様でござるか……」

スズキ「……大体なんだよ婚活戦士って。本人が聞いたら絶対泣くぞ?」

ツチヤ「知りませんよ。私だって一年生が話してるところに、たまたま遭遇しただけなんですから……」

ナカジマ「ええー……皆あんなに武部さんに懐いてて可愛がられてる風に見えたのに……」

ツチヤ「いやいや、一年の子たちもどういう意味なのか分かってないのかもしれないですから……」

スズキ「どっちにしろ、純真無垢そうなあの笑顔で乙女心を抉りにいってるんだろうなあ……」

ホシノ「女って怖い……」

ナカジマ「怖いし、なんか振り出しにもどりそうだから、もうこの話題やめよう……」

スズキ「うん……」

ホシノ「もうオッサンでいいよ私たち……」

ツチヤ「あ、ケーキきた」

ツチヤ「へえー、ワゴン車でケーキが運ばれて来るんですねぇー! ……って、どうしたんですか!?」


ナカジマ「試合終了後にワゴンで運ばれてくる戦車たち……」シクシク

ホシノ「直しては運ばれ……、また直しては運ばれ……」シクシク

スズキ「送りだしてはボロ雑巾の様な姿で帰ってくる…」シクシク

ツチヤ「……うん。そういえばコレ、私らにとってトラウマ発生装置みたいなものでしたね」シクシク

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──


ナカジマ「いやーしかしアレだね。こんな風に注文されたものが乗り物でくるとあの店を思い出すね!」

ホシノ「わかったよ。このあとカッパでもシローでも好きな店行っていいから」

ツチヤ「え、いいんですかジョイ──」

「「「 行かねーよ 」」」


ツチヤ「」ドリィィ …


ホシノ「あ、そうだスズキ。さっきの店員さんからハンカチ貰ってなかった?」

スズキ「ああ、泣いてるところ思いきり見られちゃったからな……」

ナカジマ「え、私たちそんなの貰ってないんだけど。この店サービス行き届いてないんじゃないの?」

スズキ「そういうんじゃないから……絶対わかってて言ってるだろう……」

ナカジマ「ええーなになにーぃ? どういうことなのかなぁー?」ニヤニヤ

スズキ「このやろう……」

ホシノ「とりあえずコーヒー飲んで落ち着け」



スズキ「あー、カフェインのお陰で冴えてきた」

ホシノ「値が張るだけあって、香りがいいね」

ナカジマ「うん、良い豆を使ってる」



ツチヤ「"──こんな格言を知ってる?"」



ナカジマ「ブフッ!!!!」

ホシノ「やめろ! お前のそれはシャレにならん!!」

スズキ「そのネタはもうバレー部に取られたんだから諦めろ!」ゲホッ ゲホッ

ツチヤ「ちぇー」

ナカジマ「あーもう、良い豆が台無しだよお……」

ツチヤ「つか、何でこのクソ忙しい時期に、かくし芸のネタなんて考えなきゃいけないんですかぁ?」

スズキ「優勝したときの祝賀会で披露するから今のうちに仕込んどけって。……生徒会がさ」

ホシノ「準決勝もまだなのに気が早過ぎるだろ。何考えてんだあいつら」

ナカジマ「かくし芸のルール説明するときに、各自のリアクションもあるから台本読んどけって……本当にこういう事ばっかりは手際良いんだから……」

ツチヤ「きっと息抜きの合間に人生やってるんでしょうね」

ナカジマ「我々も見習わないと」

ホシノ「おいコラ」

スズキ「私たちに遊んでる暇は無いぞ」

ツチヤ「そんな体たらくで自動車部のリーダーやってるようでしたら、私らに捨てられちゃいますよ先輩」

ナカジマ「捨テナイデワタシ良イコニナルカラ!」

スズキ「おい!!」

ホシノ「だから他所のチームからネタ持ってきたら駄目って言ってるだろうが!!」

ナカジマ「てへ。歴女チームが体育館で練習してるところを偶然見ちゃったの」

スズキ「あの子たちは、何であんなにも全力投球なんだろうな……」

ツチヤ「こりゃあ、私らも半端な出し物なんてだせませんよー」

ナカジマ「そうはいってもねえ……」

ホシノ「もういいよ無難に手品とかで」

ナカジマ「だけど普通に手品するだけってのも面白みに欠けるしねえ……もっと、皆から求められているものを私たちの手で創り出せないかな?」

ホシノ「お前が今そうやって燃やしている熱意を、レオポンの開発に求めてるんだけどなあ……」

スズキ「求められているもの……」

ツチヤ「求められているもの……八九式?」

ホシノ「いや、それは求められてない」

スズキ「だったら、みんなから求められる八九式へと、新たに生まれ変わらせる……とか」


「「「「 それだッ!!!! 」」」」


ホシノ「……」
スズキ「……」
ツチヤ「……」


ナカジマ「あのさあ、そうやって他所のチームからネタ取ってくると、私たちのカラーにブレが生じるからやめてくんない?」

スズキ「お前だけには言われたくないやい!!」

ホシノ「おい、スズキ。さっきの店員さんから貰ったハンカチから、何か落ちたぞ?」

スズキ「えっ」

ナカジマ「ほんとだ、伝票の切れ端……?」

ツチヤ「"コレで" "ワタシを" "注文して" "ね" ?」

スズキ「勘弁してよ……」


ホシノ「こっからはよく見えないけど……数字の並びとかアットマークとか、アルファベットの羅列がいっぱい書いてるな」

ナカジマ「ということは、その、まあ、そういう……事なんだろうね」

ツチヤ「先輩、ファイトです!」

スズキ「……スタート前だけどリタイヤしていい?」


ナカジマ「ダメだよー、ピットインしてきたらソッコーで叩き出すんで」

ホシノ「タイヤ交換ならスピードに自信あるよー」

ツチヤ「なんならオプションでフレームも替えましょうかぁー?」

スズキ「お前ら他人事だと思って……」プルプル

ツチヤ「ス・ズ・キ・!」

ホシノ「ス・ズ・キ・!」

ナカジマ「カ・ワ・サ・キ・かっ!!」

「「「 ヘイッ!!! 」」」


スズキ「何だよその意味分かんない掛け声は!! ……ぁあダメだ、寝不足がピークで全員ハイになってきてる……もういい。お前らそんなんだったら、私だって今のテンションで行ってきてやる!!!!」ガタッ



ナカジマ「お、ギアが入ったようだね」

ホシノ「フルスロットルみたいだな」

ツチヤ「命燃やすぜえー」



ナカジマ「……」

ホシノ「……」

ツチヤ「……」

ナカジマ「じゃ、帰ろうか」

ホシノ「そうだな……。あれ、伝票は?」

ナカジマ「スズキのポケット」

ホシノ「ナイスドライブ」

ツチヤ「バッチリっすねー」

アリガトウ ゴザイマシター



ツチヤ「ねえーロイホ行きましょうよー」

ナカジマ「来週ねー」

ホシノ「うん。来週だ」



 イラッシャイマセー

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──


スズキ「やってしまった……まずはお友達からとか……泥沼にハマったような気がしって、……あれ?」


まほ「?」

エリカ「なにか?」


スズキ「いえ、ここの席にいた人たち……どこ行った知りません?」

エリカ「いえ、ここは私たちの席なのですが……」


スズキ「えっ」

エリカ「えっ」


スズキ「すみません……間違えました」

エリカ「いえ……」



エリカ「何だったのでしょうね?」

まほ「疲れていたんだろう。寝不足の様な顔をしていた」

エリカ「きっとそうなのでしょうね。……それで隊長、今年の忘年会で披露するかくし芸にのネタついてなのですが──」

おわり
自動車部はいいぞ

自動車部ssいいですわ〜

おつおつ
キューポラから半分だけ顔出すナカジマ可愛い

乙!

映画のレオポンいいよね……いい……

スズキがモテるってなんか設定あるんだっけ?個人的にホシノのがイケメン

そんな設定はないけど
スズキは四人のなかでも色黒でショートカットで一番男の子っぽい
手品のときも一人だけタキシードだったし
ホシノはイケメンだけど全体的にエロい

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