女「お腹へったー」男「水子ならあるよ」(47)

女「えっ」

男「えっ」

女「水子って何?」

男「水茄子の品種だよ(嘘) それを肉と炒めて、味噌で和えたものがこれ。食べてみるかい?」

女「うんっ!」

みたいなエログロナンセンスありませんか?

骨が多くて不味そうだからパス

マジでキチガイじみてるからやめろ

男(なんて、まあ友aが外国土産に渡してきたジョークグッズだけど)

男(なんかただの粉みたいだったし、変な味もしなかったし、食っても大丈夫だろ)

女「いただきまーす」パクパク

男「うまいか?」

女「うん、おいしいよ? なんか普通に『茄子と肉の味噌炒め』って感じだけど」パクパク

男「そりゃそうだろうね。ただの粉を混ぜただけだし」

女「え? 水子って、この茄子のことじゃなかったの?」パクパク

男「いや、なんでもない。隠し味の話だよ」

女「ふーん」パクパク

女「男は食べないの?」

男「俺の分が残るかな」

女「もーっ! わたしそんなに大食いじゃないよっ!」プンプン

男「ははは、ごめんごめん」

女「はい、あーん」ヒョイ

男「あーん」パクッ

女「おいし?」

男「うん。うまいよ」

女「わたしの愛のおかげかな。えへへ///」

男「まあ作ったの俺だけどね」

女「もう!」プンスカ

prrrrrr

男「おっと、電話だ。もしもし」

男「はい、俺です。……え?」

男「はい……はい……」スッ スタスタ

女「……?」パクパク

男「……」ボソボソ

女(なに話してるんだろ)

男「わかりました。……では失礼します」ピッ

女「男ー? どしたの? 顔青いよ?」

男「友aが……殺されたって」

女「え……?」

通夜

男「よう」

友b「ああ、お前か」

友c「ちょうど話してたところっす」

男「何をだ?」

友d「友aの死に方だよ」

男「死に方……たしか刃物で殺されたんだよな?」

友b「ああ、でもそれがおかしいんだ」

男「おかしいって?」

友c「全身が切り刻まれて、抉られてたらしいんす」

男「……っ!」ゾクッ

友d「肉の破片も部屋中に飛び散ってて、まるで体の中の何かを探してたみたいだったってよ」

男「ひでぇ……」

友b「そういえばあいつ、最近なんかおかしかったな」

男「どういうこと?」

友b「夜中にいきなり電話をかけてきて、声が聞こえるだとかなんとか言ってた」

友c「あ、その電話俺にもきたっす。夢とか幻聴じゃないっすかって言ったら怒って切られたっすけど」

男「俺にはそんな電話こなかったな……。友dは?」

友d「……」

男「友d? どうかした?」

友d「ああ。いや、なんでもない。どんな声が聞こえたかとか聞いてないか?」

友b「何も」

友c「だいぶ混乱してたみたいで、なに言ってるかも聞こえにくかったっすからねぇ」

友d「そうか……」

男「おい、なんか顔色が悪いぞ。大丈夫か?」

友d「大丈夫……大丈夫だ……」ブツブツ

友b「何だあいつ」

友c「友aと一番仲良かったっすからね。ショックが大きいんすよきっと」

男「でもなんか気になるな……」

友c「まあまあ、一人にしておいてあげた方がいいっすよ」

友b「そうだな」

男「まあお前らがそう言うなら……」

友d「まさか……まさかな……」ガクガク

……

友d「っ!?」バッ

……

友d「誰だっ!? 誰かいるのか!?」バッバッ

……セ……

友d「っ!」

……カ……

友d「っ!!」ゾクッ

……レノ……

友d「うわああああ!」ダダダダダッ

男「ただいま」ガチャ

女「おかえりなさい。はい、お塩」トタタタ

男「ふぅ……疲れた」パラパラ

女「お疲れ様。ビール飲む?」

男「あぁ、もらうよ。飲みたい気分だ」

女「わかった。すぐ用意するね」トタタタ

男(気を遣ってくれてるんだな……)

男「女、ありがとうね」

女「ん、どういたしまして」

男(友aが殺されてから数日。まだ犯人は見つかっていないらしい)

女「大丈夫?」ギュッ

男「あぁ、大丈夫だよ」

prrrrrr

男「っ」ビクッ

女「電話……」

男「……もしもし?」

友d『助けてくれ!』

男「!?」

友d『声が! 声が聞こえるんだ!』

男「どうした!?」

友d『助けてくれ! 助けてくれええええええ!』

男「おい落ち着け! 何があった!」

友d『男が……知らない男の声が!』

男「なんだって!?」

――声が聞こえるだとかなんとか

男(まさか友aと同じなのか?)

男「おい、誰の声だ! なんて言ってる!?」

友d『だめだ! もう玄関に! 玄関に! うわああああ!』

ブツッ――

男「友dも同じような殺され方をしてたって……」

友b「そうか」

友c「なんなんすか! 犯人は俺らを狙ってんすか!?」

男「友d……電話で『知らない男の声が』って言ってた」

友b「そいつが犯人なのか」

男「わからない……。でも、友aも誰かの声が聞こえたって言ってたんだろ?」

友c「間違いなく同一犯っすね! 許せねえっす!」

友b「だが目的がわからない」

男「体中を切り刻んでるなら、それほど恨まれてるってことかな?」

友c「二人ともそんな恨まれるような人じゃないっすよ……」

男「恨み以外にそんな殺され方なんて……」

友b「殺され方か。そういえば友aの通夜の時に言っていたな」

――肉の破片も部屋中に飛び散ってて、まるで体の中の何かを探してたみたいだったってよ。

男「まさか……な」

友b「だが、それならわからなくはない」

友c「つまり、二人の体から何かを持っていったってことっすか?」

友b「その可能性がある」

男「でもズタズタに刻まれて散らされてたんなら、何がなくなってるかなんてわからないだろうな」

友b「さらに二人に共通するものがな……」

男「二人って考えるからわからないのかもしれない」

友c「どういうことっすか?」

男「もしかしたら、あの二人じゃなく、俺達五人に共通してるのかも」

友b「なるほど。俺達はまだ被害にあっていないだけだと」

友c「やめてくださいよ。その言い方だと俺達も狙われるみたいじゃないすか」ブルッ

男「何か心当たりはないか? 五人まとまってない時でもいい。何かの共通点……」

友b「同じ高校、同じクラブ、同じ大学、同じサークル」

友c「他にはなんかあるっすかねぇ」

男「海外旅行も、この間行ったのは友aだけだよなぁ」

友b「ん?」

友c「海外旅行……っすか?」

友b「俺は北海道に行ったと聞いたな」

友c「えぇ? 俺は熱海って聞きましたけど」

男「土産ももらったけど」

友b「小瓶に入った粉みたいなものか?」

男「まさにそれ」

友c「二人ももらったんすか?」

友b「漢方だって渡されたな」

友c「俺はふりかけって聞きました。味しなくてマズかったっすけど」

友b「お前はどうだった?」

男「あぁ、俺は海外のジョークグッズだって言って渡された」

友c「てことは友dも渡されてたんすかねぇ」

友b「友aも持ってたかもな。自分の分」

男「共通点……か……」

友c「まさか。たまたまっすよ」

友b「そうだな。たまたまあの二人だっただけかもしれない」

男「そう……だよな……」

……エセ……

男「っ!?」バッ

友b「どうした?」

男「いや、いま誰かの声が聞こえたような気がして」

友c「男さんまでそんな冗談。勘弁してほしいっす」

男(気のせい……か?)

友b「なんにせよあの小瓶は捨てた方がいいかもしれないな」

男「そうだな」

友c「うぇぇ、俺あの中身食っちまったっすよ」

友b「まあ、瓶だけでも捨てておけ」

友c「わかったっす」

男「何もないかもしれないけど、みんな気をつけてな」

友b「ああ。それじゃあまた」

友c「お疲れっす」

……オレノ……セ……

男「っ!?」ガバッ

男「はぁ……っ……はぁ……っ! 夢……か……」

女「どうしたの?」

男「女……」ギュッ

女「あらら。甘えたちゃんでちゅねー」

男「ごめん……」

女「いいよ。色々あったから辛いんでしょ? 全部わたしにぶつけていいよ」

男「女……女ぁ……!」

女「あんっ/// そんないきなり……っ!///」

少し目を放した隙にこのスレになにがあったんだ・・・

――数日後

男「友cも殺されたのか!?」

友b「友aや友dの時と全く同じだ」

男「そんな……」

友b「ここまできたら偶然じゃ済まないな」

……カエセ……

友b「!?」

男「!?」

男「聞こえたか?」

友b「ああ」

男「くそっ! なんなんだよ一体!」

友b「返せ……って言ってたな。あの小瓶の中身のことか?」

男「そうか……それなら体中が切り刻まれたことの説明がつく」

友b「体から取り出すため……か。食ってなくて正解だったかもしれないな」

男「……」ガクガク

友b「……? まさかお前」

男「ああ、食っちまった……」

友b「なんてこった……」

飽きたから寝ます。


(;゚д゚)うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!

こんなスレ立てやがるから!

責任とれ>>1!!!

たててから、なんかのびたなー
なんて思ったらホラー物になっていた…

これはこれでアリですね。
ありがとうございます!

――数日後

男(あれから何も起こっていない。……だが、それが不安を掻き立てる)

男(もう……何も起こらないのか?)

prrrrrrr

男「もしもし」

友b『俺だ』

男「どうした!? 何かあったのか!?」

友b『俺のところに出た』

男「なんだって!? ……大丈夫なのか?」

友b『ああ。食ってなかったのが幸いしたのか、外傷はない。金縛りにはあったが』

友b『体の中を探られるような感じで目覚めたら、目の前に黒い霧みたいな人影がいた』

男「……」ゾクッ

友b『前に聞こえたのと同じ声で、返せと言ってきた』

男「……それで?」

友b『幸いまだ捨てていなかった例の小瓶の方を見たら、それを持ってどこかに消えた。
   俺の体が動くようになったのは朝になってからだった』

男「夢や幻だって可能性は……ないよな」

友b『ああ。確かめたが、小瓶が無くなっていた』

男「くそっ!」

友b『俺はこれから友aのところに行って何か手がかりがないか調べてくる』

男「俺はどうしたらいい?」

友b『わからん』

男「くっ……!」

友b『とにかく、気をつけろとしか言えない』

男「ああ……わかった。生きてまた会おう」

友b『その時は酒でも奢れよ。じゃあな』

――ブツッ

――さらに数日後

ジャー

女「うーん……」

女「……やっぱりあの日……だよねぇ」

女「どんな顔するかな、あいつ///」

……ノ……

女「ん?」

女「……気のせい、かな?」

コンコン

女「男ー、きたよー」

男「あぁ、女か。……いらっしゃい」ゲッソリ

女「うわっ、どうしたの男。すごくやつれてるじゃない」

男「ちょっとな……」

女「部屋もきったないし……。まったく、仕方ないなー」

男「……」

女「目の下のクマすごいよ。ちょっと寝たら?」

男「でも……」

女「大丈夫。何かあったら起こしたげるから。ね?」

男「……わかった。ありがとう女」

男「zzz」

……カエセ……カエセヨ……

男「!?」バチッ

男(夢……? 違う!)

男(体が、動かない!)

……オレノ……カエセ……

男(黒い人影!? やめろ! 来るな!)

ズズ……

男(なんだこれ……影が俺の中に入ってくる)

男(気持ち悪い! まるで体の中と外を水銀みたいなドロドロしたものが這いずり回ってるみたいだ!)

……カエセ……

男(やめてくれ! 助けてくれ!)

……?……

男(動きが止まった……?)

ズズ……

男(俺から離れてあたりを見回してる……)

……ズズズズ

男(どこに行くつもりだ……)

男(!!)

男(そっちには女がいる!)

男(あ……!)

女『うん、おいしいよ? なんか普通に『茄子と肉の味噌炒め』って感じだけど』パクパク

男(しまった……! あいつも食ってるんだ……!)

……ズズズズ

男(女! 逃げろ!)

男(くそったれ! 動け! 動けよ俺の体!)

……ズズズズ

男(やめろ! 頼むからやめてくれ!)

女「ふんふんふーん♪」カチャカチャ

女「……ん、おいしいのができた」

……カエセ……

女「えっ?」キョロキョロ

女(男……は、まだ寝てるよね?)

ズズ……

女「!?」

女「なんか急に寒気が……風邪かなぁ」ゾクリ

男(やめろ! やめてくれ! 他に何をしてもいい! 俺の命を持っていっても構わない!
  だから頼むから……頼むからそいつだけは助けてやってくれ!)

……ズズ

男(止まった……?)

ズズズズ……

男(女から離れて行ってる……俺の頼みを聞いてくれたのか?)

ズズズズ……

男(どこかに……行くのか……?)

男「っ!?」フッ

男「はぁ……! はぁ……っ! 体が動いた……!」ドタドタ

男「女! 大丈夫か!?」ガシッ

女「きゃっ!? ちょっとどうしたのいきなり?」

男「無事か? ケガはないか?」

女「え? うん、なんともないけど……」

男「よかった……よかった……!」ポロポロ

女「……? 恐い夢でも見たの? しょうがないわねぇ」ナデナデ

――数ヶ月後

男(あれから黒い影が俺と友bの前に現れることはなかった。他に似たような事件も起こっておらず、
  友a達の死についての謎が解明されることはないだろう)

男(誰かに影のことを話したかって?)

男(話せるわけがない。話したって誰も信じるわけがない。体験した俺達でさえあれが何なのかわからないのだ)

男(結局、友bも大したことは調べられなかったらしい)

男(大したこともしてないのに仕事の報酬として酒を奢らされ、その額が半端じゃなかったのも今となってはいい思い出だ)

男(あの数日間の慌しさが嘘みたいに……いや、やめよう。とにかく、平和な時間が流れていた)

男(俺は今、友aの実家でもある産婦人科医院に向かって走っている。
  女の陣痛が始まったと連絡を受け、会社を早退させてもらったのだ)

男(あの思い出すのもおぞましい騒動の際に授かったらしい。女からそれを聞いてすぐ、あの時俺を支えてくれた彼女との結婚を決意した)

男(女と一緒ならどんな困難だって乗り越えていけるような気がする)

男(早く彼女に会いたい。彼女の顔を見たい。わが子の顔を見たい)

男(そうして分娩室についた時だった)

 ふと




 視界の隅に




 黒い影が




 映った。

おわり。
ホラーって難しいね。ホラーになってるかどうかもわからないけど。

乙!
そして、ありがとうございます。

本当は、

男「そろそろネタバラし。実は水子の正体はこれでしたー!」 つビンヅメアカチャン

女「ウエッ」ロッパー

男「天然モノなのに勿体無い…」ショボーン

女「グロいわっ!」


みたいな軽いノリのギャグを期待してたけど、それ以上のものが読めて嬉しかったです。

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