女「はぁ、ホント退屈…」(26)

女「……………」

女生徒「あの、女さん…」

女「なにかしら?」

女生徒「良かったら、一緒にお昼ご飯食べない?」

女「……ふふ」ニコ

女生徒「あっ……」ドキ

女「ごめんなさい、他人と一緒に食事をとるなんて気持ち悪くて出来ないわ」スッ

女生徒「………え?」

女「もう二度と誘わないでね」ヒソ

女「…………」スタスタ

委員長「……………」

屋上

女「…………」

委員長「屋上は立ち入り禁止よ」ガチャ

女「あら、委員長さんも校則破り?」クスッ

委員長「馬鹿ね、注意しにきたのよ」

女「そう、つまらない」

委員長「貴女、もう少し立ち振舞いに気をつけた方がいいんじゃない?」

女「立ち振舞い…ね」

委員長「貴女は狩にもこの高校の学年主席」

委員長「それ相応の立ち振舞いをすべきよ」

女「…………」ハァ

委員長「これは貴女の為に言っているのよ」

女「くだらない」

委員長「…………」

女「委員長さん、ほんとにつまらない人ね」スタスタ

ガシッ

委員長「……………!」

女「私、他人に押し付けられるの大嫌いなの」ニコ

委員長「離しなさい…っ!」

女「あら、私が怖いの?」クス

委員長「いくら貴女でも…暴力を振るえばどうなるか───」

女「構わないわ」

委員長「───?!」

女「今、貴女を殺しても構わないっと言っているの」

委員長「………本気、なの?」ガタガタ

女「……………」

女「ふふっ、冗談よ」パッ

期待

委員長「はぁはぁ…」ガクッ

女「でも、押し付けはもう止めてね?」クスッ

委員長「それは無理よ」

女「…どうして?」

委員長「私は…委員長だもの」キッ

女「…………ふふっ」スッ

委員長「…………!!」ビクッ

ピト

女「笑える」ニコ

スタスタ


──
───

放課後

女「……………」スタスタ

女「…………」チラッ

黒服「…………」スタスタ

女「…………はぁ」スタスタ

女「毎日毎日、ご苦労様」ボソ

女「ほんとに退屈な男……」

ニャー

女「あら、可愛い子猫ちゃん」ニコ

子猫「ニャー」テトテト

女「そんな暗い路地裏に貴方の家があるの?」

女「…………」チラッ

黒服「…………」ジッ

ニャー ニャー ニャー

女「ふふ、せっかくのご招待…無下には出来ないわね」スタスタ

黒服(登下校ルートを外れて路地裏に…?!)タッタッ

路地裏

子猫「ニャー」テッテッ

女「結構、いりくんだ路地裏なのね」タッタッ

女「これなら…」チラッ

子猫「ニャー」

女「ねぇ、貴方?私を素敵な場所に案内してくれる?」

子猫「ニャー」

女「ふふ、そう…楽しみだわ」

黒服「くそっ、何だこの路地裏は!」タッタッ

黒服「お嬢様を見失ったら奥様に…」ゾワッ

黒服「必ず見つけださなければ…!!」

子猫「ニャー」

女「はぁはぁ…あら、素敵な場所ね」

女「こんなに綺麗な夕日見たのは久しぶりだわ」

子猫「ニャー」スリ

女「ふふっ、貴方…ジェントルマンなのかしら」ナデ

子猫「…ニャー」ピク

女「あら、誰かいるみたいね…」

子猫「ニャー」テッテッ

?「……君、また来たの」

女(少女…?いや、少年かしら…随分と中性的な顔立ちだけど)

少年「よしよし」ナデ

子猫「……」スリ

女「可愛いがってるのね」スタスタ

少年「えっ?」クルッ

少年「誰……?」

女「その子猫に連れられた来たのよ」

少年「……そうなんだ」

子猫「ニャー」

女「それより貴方…随分とボロボロね」ジッ

少年「っ…?!」ビクッ

女(触れちゃいけなったかしら…)

女「喧嘩でもしたの?」

少年「してない…僕は…」キュッ

女「…………」

女(あぁ、あの瞳…同じだ)

女(籠の中の鳥、飛び立てず籠の中でしか生活できない)

女(ほんとに苛つく…まるで私みたい)

女「貴方、お名前は?」

少年「……分からない」

女「じゃあ、性別は?」

少年「性別…たぶん男だと思う」

女「たぶん?性別なんて直ぐに分かることでしょ?」スッ

女「ここを確かめれば…」ピト

少年「ぁ…っ…!」ビクッ

女「ふふ、男の子ね」ベトッ

女「あら…貴方…」

少年「…………」ブルブル

女「…………」ギュッ

女(ふふ、ふふふふ…面白い玩具が手に入りそう…)

期待してます

黒服「……お嬢様!」タッタッ

女「やっと来た」スタ

黒服「その方は?」

女「この『女の子』は私の友達よ」

黒服「…………」ジロ

少年「…………」ボロッ

女「これから暫く一緒に住むわ」

黒服「なっ……?!」

女「行きましょ」スッ

少年「あっ……」スタスタ

女の屋敷

少年「おっきい……」

女「そうかしら?私からすると狭い鳥籠よ」

ガチャン

メイド「お帰りなさいませ、お嬢様」ペコリ

女「えぇ、メイド…この子にお風呂と新しい服を」

女「もちろん『女の子』の服をね」クス

メイド「かしこまりました」

メイド「こちらへ」スッ

少年「…………」チラ

執事「お嬢様、奥様がお部屋でお待ちしております」

女「わかっているわ」スタスタ

執事「…………」ジロ

少年「…………」ビク

キュッ

少年「?!」クル

メイド「こちらへ」ニコ

コンコン

女母「入りなさい」

ガチャ

女「失礼します、お母様」ニコ

ガチャン

女母「『担当者』から話は聞いているわ」

女母「お友達を連れてきたみたいね」

女「えぇ、今日できたお友達です」

女母「おかしなものね」

女「?」

女母「お友達なんて言葉、貴女が言うなんて」

女「あら、お母様…私にもお友達はいます」クス

女母「いくらでも泊めて構わないわ」

女母「お友達は大切にしなさい」

女「…えぇ、そうします」

メイド「お身体、お拭き致します」

少年「ありがとう…」

メイド「お名前は何と仰るのですか」フキ

少年「名前は…分からない…覚えてない」

メイド「かしこまりました、では…思い出したら教えて頂けますか?」

少年「うん」

メイド「こちらの服にお着替え下さい」


──
───

少年「…………」ヒラ

メイド「とてもお似合いです」ニコ

メイド「着なれてらっしゃるようですね」

少年「うん……」

ガチャ

女「あら、着替えたのね」

ガチャン

女「随分、可愛いくなったわね」クス

メイド「ほんとに可愛いらしいです」

少年「…………」

女「メイド、貴方にやってもらいたいことがあるの」

メイド「何でも仰って下さい」

女「この子の面倒を見ることと…」

女「『アレ』を覚えさせなさい」ギシッ

メイド「……かしこまりました」

女「ふふっ」ナデ

少年「アレ?」

女「面白いことよ」ニコ

女「今日は、この子と寝るわ」

メイド「お食事はいかがなさいますか?」

女「お腹空いてる?」

少年「…………」フルフル

女「そう、ならもう寝ましょう」

メイド「かしこまりました」スッ

───
──

執事「奥様、『試作品』の方が完成いたしました」

女母「そう、黒服に打ちなさい」

執事「かしこまりました」

女母「それから、女のお友達を監視しなさい」

執事「監視するだけでよろしいですか?」

女母「行動次第では貴方の判断で処理しなさい」

執事「はい」

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