不知火「私と朝潮がデキている?」 (110)

朝潮と不知火。艦これ真面目コンビでほのぼのと

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朝潮「そんな噂が流れてるみたいですよ?」


不知火「ふーん。変な事をいう人もいますね」


朝潮「ですね」


………

……

不知火「ところで私達は何をしているのでしょう?」


朝潮「不知火さんの部屋で勉強しています」


不知火「そうでしたね」


朝潮「はい!」


………

……

不知火「なぜ私の部屋で?」


朝潮「妹達が今日全員出払ってて……私一人だと逆に集中できなくて」


不知火「なるほど」


朝潮「それでつい……不知火さんの所へ」


不知火「奇遇ですね。私の姉も妹も今日いないのですよ」


朝潮「そうなんですか!じゃあタイミング良かったですね!」


不知火「……?そうですね」


………

……

不知火「忘れてました。お茶淹れますね」


朝潮「あ!自分が!」


不知火「流石にお客さんに淹れさせるわけには」


朝潮「じゃ、じゃあ!」


不知火「はい?」

朝潮「二人で淹れましょう!」


不知火「……そうですか?」


朝潮「不知火さんの分はお任せ下さい!」


不知火「ではお願いします」


………

……


不知火「美味しいです」ズズッ


朝潮「ありがとうございます!不知火さんが淹れてくれたお茶も美味しいです!」


不知火「恐縮です」


朝潮「はい!」


不知火「ふぅ……髪解こうかしらね」クイクイ


朝潮「……」

不知火「?何か?」


朝潮「い、いえ!その……不知火さんって髪下ろしても似合いますね!」


不知火「そうですか。ありがとう」


朝潮「はい!」


………

……

朝潮「さっきの話なんですが」


不知火「はい」


朝潮「あの、私と不知火さんがという……」


不知火「あぁ。その話ですか」

朝潮「荒潮に心配されました」


不知火「ほぅ」


朝潮「『姉さんは……そういう趣味の人ではないわよね?』と」


不知火「ふむ」

朝潮「失礼しちゃいますよね!仮にもお姉さんなのに私」


不知火「そうですね」


朝潮「……」


不知火「そういえば」


朝潮「!」

この前の人かな?

不知火「今朝、陽炎からそんな事言われましたね」


朝潮「な、なんて」


不知火「『妹の趣味についてとやかく言わないけど、取り返しのつく内に相談しなさい』と」


朝潮「そうなんですか」

不知火「たかが噂に心配する事ないのですが」


朝潮「優しいお姉さんですね」


不知火「いい姉ではあるのですが、少々過保護なのがどうも」


朝潮「私長女ですから……そんなお姉さんが欲しいです」


不知火「そうなんですか?」


朝潮「はい!」


………

……

不知火「しかしまぁ」


朝潮「?」


不知火「それなら雷巡のお二人はどうなんでしょうね」


朝潮「北上さんと大井さんですか」


不知火「血の繋がりはないとはいえ姉妹です」

朝潮「でも北上さんは何だかんだ大井さんを受け入れてる感じはします」


不知火「北上さんはあの姉妹の中ではバランサーですからね。普段はとぼけていますが」


朝潮「そうなんですか」


不知火「ええ。ああいう人はいざという時頼りになります」

朝潮「そういえば木曾さんも悩んでました」


不知火「ほぅ」


朝潮「『俺だけ姉妹から浮いてる』と」


不知火「割と今更じゃないですか?」

朝潮「お姉さん達といるよりも天龍さんや摩耶さん達と一緒の事が多いそうです」


不知火「あぁ、だから愚連隊と呼ばれてるんですね」


朝潮「3人とも根は真面目な方達なんですけども」


不知火「ですね。どこの姉妹も大変です」


朝潮「はい」


………

……

朝潮「海……」


不知火「はい」


朝潮「夏、一緒に行った海、楽しかったです」


不知火「私も楽しかったですよ。誘って下さってありがとうございました」

朝潮「い、いえいえ」


不知火「そういえば」


朝潮「はい!」


不知火「どうして私を?」

朝潮「うん?」


不知火「いえ、あの時面子が私と朝潮二人っきりだったので」


朝潮「あー……えっと……」


不知火「?」

朝潮「不知火さんの水着姿……見てみたかったので」


不知火「二人っきりで、ですか?」


朝潮「……はい」


不知火「そうですか」

朝潮「すみません……」


不知火「いえ。そういう事でしたらまた行きましょう、二人で」


朝潮「!? はい!!」


………

……

不知火「水着で思い出しましたが」


朝潮「はい!」


不知火「朝潮は下に何か履かないのですか?」


朝潮「え?」

不知火「スカートの下。一緒に出撃すると丸見えですよ?」


朝潮「ご、ごめんなさい……お見苦しいものを」アセアセ


不知火「いえいえ。何でしたら貸しましょうか?」


朝潮「……何をでしょう?」

不知火「不知火のスパッツです」


朝潮「えぇ!?今ですか?」


不知火「いえ、今はちょっと」


朝潮「そうですか……」

不知火「スパッツの下は履いてないので流石に……」


朝潮「履いてないのですか!?」


不知火「パンティーラインが見えてしまうので。あ、でもそれだと朝潮が履いても見えますね」


朝潮「い、いえ!是非今度貸してください!!」

不知火「そうですか。用意しておきます」


朝潮「はい!」


………

……


朝潮「不知火さんは来年の大河ドラマ見ますか?」


不知火「時間があれば、ですが。確か『真田丸』でしたね」


朝潮「真田丸ってかわいい名前です」


不知火「どうしてこう、丸という文字が付くだけで可愛くなるのでしょう」

朝潮「牛若丸、とかも可愛いですよね」


不知火「丸、という言葉を考えた人は尊敬に値します」


朝潮「あ、ひょっとして鎮守府にいる人たちに丸をつければ可愛くなるのでは?」


不知火「ほぅ」

朝潮「大和丸!」


不知火「漁船にありそうですね」


朝潮「武蔵丸!」


不知火「横綱みたいな名前ですね」


朝潮「長門丸!」


不知火「東京汽船のタグボートにそんな名前が」


朝潮「山城丸!」


不知火「つよそうですね」


朝潮「羽黒丸!」


不知火「ごつそうです」


朝潮「利根丸!」


不知火「犬みたいです」


朝潮「高翌雄丸」


不知火「名前だけ見るとプロレスラーみたいです」

朝潮「ぬ……」


不知火「ぬ?」


朝潮「ぬいぬい丸」


不知火「……」

朝潮「すみません……可愛いって思っちゃって」


不知火「いえ……」


………

……

高雄はsaga付けないとフィルター掛かっちゃうよ

>>34

>>34
指摘サンクス

>>31の訂正


朝潮「大和丸!」


不知火「漁船にありそうですね」


朝潮「武蔵丸!」


不知火「横綱みたいな名前ですね」


朝潮「長門丸!」


不知火「東京汽船のタグボートにそんな名前が」


朝潮「山城丸!」


不知火「つよそうですね」


朝潮「羽黒丸!」


不知火「ごつそうです」


朝潮「利根丸!」


不知火「犬みたいです」


朝潮「高雄丸」


不知火「名前だけ見るとプロレスラーみたいです」

>>33の続き

朝潮「そういえばこの部屋ぬいぐるみ多いですね」


不知火「ええ。陽炎が外出する度欲しがるので。全く、2人部屋なんですから置き場所の事くらい考えて欲しいです」


朝潮「こんなに大きいのって高いのでは……」


不知火「いえ、どれもUFOキャッチャーで取ったのでさほど高くは」

朝潮「え!?不知火さんが取ってきたんですか?」


不知火「唯一の取柄です」


朝潮「す、すごい。あれ私がやっても全然取れなくて」


不知火「取れそうな物を選んでいるだけですので、私も上手いわけではないのですけどね」

朝潮「でも羨ましいです、陽炎さん」


不知火「? 人形がですか?」


朝潮「え?ああ……まぁ」


不知火「では今度朝潮の分も取ってきますね」

朝潮「あ……えと、あの!」


不知火「はい?」


朝潮「私も……一緒に行っても……」


不知火「? 構いませんよ」


朝潮「」パァァァ


不知火「朝潮は変な人ですね」


………

……

朝潮「不知火さんは改二になりたいですか?」


不知火「改二ですか?またどうして?」


朝潮「吹雪さんが叢雲さんがこの前改二になって、姉妹全員でお祝いしてたみたいなんですよ。ちょっとうらやましいなって思って」


不知火「改二になってもいい事ばかりではありませんよ?」

朝潮「え、どうしてですか?」


不知火「改二になってから自分だけが最前線に出るようになって、姉妹と過ごす時間が少なくなったと、この前響と暁から相談受けまして。あ、今はヴェールヌイでしたね」


朝潮「そういえば暁さんも改二でしたね」


不知火「あそこは姉妹の絆が一層深いですから。思う所もあるのでしょう」

朝潮「改二になるのも一長一短って事ですか……」


不知火「私は現状で十分満足してますので、このままでいいかと」


朝潮「そうですか……」


不知火「あ」


朝潮「どうしました?」

不知火「改二じゃなくていいので髪型は変えてみたいですね。偶には朝潮みたいに髪下ろして出撃とか」


朝潮「!! わ、私も!」


不知火「?」


朝潮「し、不知火さんの髪型、してみたいです……」

不知火「私の? 簡単ですから今しましょうか?」


朝潮「え!いいんですか!?」


不知火「ちょっと待ってください。ふむ……綺麗な髪ですね朝潮は」サワサワ


朝潮「は、はいぃ……」


………

……

朝潮「~♪」


不知火「機嫌いいですね」


朝潮「はい!!今日はこの髪型で行きます!」


不知火「ふふっ そうですか」

朝潮「……そういえば吹雪さんで思い出しました」


不知火「ほう?」


朝潮「先週私に相談持ちかけて来たんですが……」


~~~

~~

吹雪(睦月ちゃんも夕立ちゃんも演習中だし、お昼どうしよっかな)


時雨「やぁ吹雪」


昼食のメニューに悩むのは艦娘とて同じ。食堂にするか購買で買ってどこかでゆっくり食べるか。


友人の二人がいない中、悩む吹雪の元へ時雨がやってきて声をかけた。

吹雪「は、はい!!」


吹雪(き、急に声かけられちゃったぁあ!!佐世保の時雨さんんん!!)


時雨「お昼まだだったら一緒にどうかな?」


吹雪「わ、私なんかで良ければ是非!ご一緒させて頂きます!」

時雨「そんなに畏まらなくていいのに。食堂かな?」


吹雪「は、はい!!」


反射的にそう返事してしまった。


時雨「じゃあ先に席取っといてくれるかな?僕はごはん頼んでくるよ」

吹雪「はい!あの、お金……」


時雨「いいよ。誘ったのは僕だし、ここは奢らせて?」


吹雪「そんな!悪いですよ!!」


時雨「そっか……ダメ……か」ズーン

時雨は実力者ではあるがそれを鼻にかけない事で鎮守府の皆には好かれている。


表情も豊かで彼女の笑顔はなんとも魅力的で見る人を癒す。


反面落ち込んだ時の表情も凄くわかりやすい。

吹雪「じゃ、じゃあお言葉に甘えて!!お願いします!」


時雨「よかった」


吹雪(こ、これはうっかりした事言えない……)


人気者の時雨の誘いを断って悲しませたとあっては今後の生活に関わるからである。

吹雪「席は、この辺でいいかな」


赤城「あら、吹雪さん」


吹雪「あ、赤城先輩!こんにちは!」


加賀と並ぶ一航戦。正規空母の赤城だ。

赤城「これからお食事?私はもう済んだけど」


吹雪「はい!時雨さんとご一緒させて頂くことに!」


加賀「時雨さんと?珍しい」ヒョコ


吹雪「加賀先輩も!こんにちは!!」

赤城「そういえばこの前の作戦の時雨さん凄かったわよね~」


時雨の名前を聞いて思い出したかのように赤城が話題を出す。


加賀「ええ、鬼神の如き働きぶりでした」


吹雪「へ、へぇ~(やっぱりそんなに強いんだ)」

加賀「綾波さんや初霜さんも凄いですけど、やはりあの子は場数も踏んでますから」


赤城「普段から落ち着いてて大人っぽいですしね~」


加賀「ええ。私もあの子の事は好きです」


吹雪(あの加賀さんが認めるなんて……)

赤城「時雨さんも凄いですけど夕立さんも凄かったらしいわね」


吹雪「え、夕立ちゃんが!?」


加賀「確か海域5-3でしたっけ?」


赤城「ええ、中破の時雨ちゃんへの砲撃を夕立さんが庇って、倍返しと謂わんばかりに夜戦で敵艦をメッタ撃ちですって」

加賀「あの二人だけは敵にいて欲しくないって霧島さんも言ってましたね」


吹雪「」ガクガク


加賀「もうこんな時間ですね。行きましょう」


赤城「そうね。またね吹雪さん」


吹雪「は……はい」

赤城・加賀と入れ替わるように時雨が二人分の膳を持ってきた。


時雨「お待たせ」


吹雪「お、お帰りなさい!!」


時雨「本当にカレーでよかったのかい?遠慮しなくていいのに」

吹雪「い、いえ!カレー大好きですから!!」


時雨「そっか。じゃあ頂きます」


吹雪「頂きます!!!!」


時雨「」パクパク


吹雪「」モシャモシャ

吹雪(やっぱ綺麗に食べるなぁ)


時雨「ねぇ」


吹雪「は、はい!!」








時雨「最近夕立と仲良いみたいだね」

吹雪「そ、そうですね!夕立ちゃんとは友達です!」


時雨「そっか。あの子、あんまり他の子とはつるまないからさ」


吹雪「は、はぁ」


時雨「食事もだいたい白露型の誰かとしか食べなかったから。うん。彼女も成長したんだね」


吹雪「そ、そうなんですか」








時雨「でも……最近ちょっと寂しいなって」ズーン

吹雪「」ギク


時雨「急に僕の所へ来なくなったから。何かあったのかなって思ってね。見たら君が隣にいた」


吹雪(う、ううう)








時雨「君が羨ましいね……凄く」ズーン


吹雪(ひぃいいいいいいいごめんなさいぃいいいい!!)

時雨「あ、そうそう」


吹雪「はい……」


今度は何だと心の中でつぶやきながら吹雪は身構える。スプーン持つ手は止まっている。


時雨「吹雪は今赤城が憧れみたいだけど。その前は扶桑山城が憧れだったみたいじゃないか?」


吹雪(う、うわぁあああああああああ)








時雨「どうして乗り換えたんだい?」

吹雪(確か時雨さんは西村艦隊の生き残り……下手な返事を出せば……)












時雨『酷いよ吹雪、君には失望したよ……』


夕立『時雨を泣かせる奴は許さないっぽい』


時雨『残念だったね。5連装酸素魚雷カットイン』


夕立『ソロモンの悪夢!2連撃ぃいい!!!』


吹雪『うわぁあああああ許してぇええ』





吹雪(ほ、骨も残らないよぉおお)


吹雪(これが提督に知れたら……)



提督『時雨!!なぜだ……なぜ吹雪を挽肉焼きにした!!??』


時雨『僕の……僕たちの西村艦隊を侮辱したから……』グスッ


提督『何!?西村殿を!?なら仕方ないな♪』ゲシッ


夕立『仕方ないっぽ~い』ゲシゲシッ


赤城『吹雪さん……貴方の事は忘れないわ』ゲシゲシゲシッ












吹雪(いやぁああああああ!!!ソロモン悪夢の死体蹴りぃいいいい!!!)

時雨「どうしたの?」


吹雪「うぅ……ぐずっ」


時雨「え!?な、泣いてるの吹雪!?」

吹雪「ご、ごべんばぁふぁい……わ、わた、わたし……」


時雨「う、うん」


吹雪「じ、実は……」


時雨「……」












吹雪「ものっっっっっっっっっっっっっすごい大食いなんです!!!」

時雨「…………え?」


吹雪「もう年がら年中お腹空いちゃって、食べても食べても満たされなくて……赤城さんに相談してからその……あ、憧れるように……すみません!!」


時雨「そ、そうだったんだ!!!ご、ごめんね気が利かなくて……すみません!!カレー大盛大和級!!超弩級チキンカツ付きで!!!!」


吹雪(ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ)


~~~

~~


朝潮「……っと」


不知火「大変ですね、アニメ出演組も」


朝潮「私達はちょっと映っただけで出番ありませんでしたからね」


不知火「でもまぁ、赤城さんの件はともかく夕立の件については時雨の気持ちもわかります」

朝潮「え?」


不知火「誰だって好きな人とは長く一緒にいたいですから。この職種の人間は特に」


朝潮「……」


………

……

【部屋の外】


陽炎「は、入りづらい……」


黒潮「なんやろぅな……二人とも雰囲気怪しいでこれ」


秋雲「すっげぇ!不知火姉さんすっげぇ!!不知火×朝潮かぁ~定番だが捨てたもんじゃねぇよなぁぁ~~」カキカキ


霞「姉が思春期の中学生男子みたいな顔してる……」


荒潮「ごめんなさいねぇ~ウチの長女が」オホホホ


磯風「えぇい邪魔だ貴様ら!中の様子が見えないだろうが!」


浜風「姉さん……」


………

……

朝潮「不知火さん、一個だけ。私、お願いがあって……」


不知火「? なんでしょう?」


朝潮「その前に聞きたい事が、ありまして。その、不知火さんは……どうして艦娘になったんですか?」


不知火「突然ですねまた」

朝潮「すみません……」


不知火「んー……まぁ私も事情は複雑でして。身を隠すようにここへ来たんです。ここは親族すら入るには許可が要りますから」






朝潮「私は……お金を返す為に、艦娘になりました」


不知火「……ふむ」

朝潮「父はそこそこ大きな貿易会社を経営しておりまして。母と私の3人暮らしでした。多分、裕福だったんだと思います。深海棲艦が出現するまでですが……」


不知火「……」


朝潮「世界中の貿易船や客船が次々壊されて、海路や空路は封鎖され、会社の仕事は無くなりついに会社は潰れました。経営者だった父は多額の借金を背負う事になったんです」


朝潮「だから私、両親に言ったんです。私が艦娘になって深海棲艦をやっつけて、そこで働いて貯めたお金で借金返そうって」

朝潮「両親は、私の決意を喜んでくれました」


朝潮「戦争が終わった後。また両親と一緒に暮らすのが、今の私の夢なんです」


不知火「……そう」


朝潮「でも……最近になって怖くなったんです……」

朝潮「別鎮守府に行ってた如月さんが沈んでから……艦娘もしぬ事を実感してから……」グズッ


朝潮「私や……大潮も満潮も皆、大切な仲間もいつか……とか」グズッ


朝潮「両親に会えないまま、ひっく……しんじゃうんじゃないかって……」グズッ


朝潮「そんな事が、そん、な……怖く、なっちゃったんです……」ポロポロ


朝潮「でも私、ちょ、長女で……妹達、心配かけちゃいけないから……」ポロポロ


朝潮「もう……どうしたら……いいか、わ、わかんなくて……」ポロポロ


不知火「……」

朝潮「お母さんも……お父さんも、手紙の返事も来なくて……会いにも来てくれなくて……」


朝潮「わ、私……捨てられちゃったんじゃないかって……」


不知火「そんな事はないですよ、きっと」


朝潮「ごめん……なさい……こんな事急に……だめですよねこんなんじゃ……艦娘なのに」










不知火「朝潮」

朝潮「……はい”」グズッ


不知火「なってあげましょうか?」


朝潮「……?」


不知火「あなたの姉に」


朝潮「…………え」


………

……

朝潮「あ、あの……これ」横になりーの


不知火「やはり姉妹の触れ合いといえば膝枕ですよね」


朝潮「うぅ……なんか違う気が……嬉しいんですけど……」


不知火「大丈夫ですよ。私も昔、陽炎にやってもらいました」

朝潮(不知火さんが……意外です)


不知火「」ナデナデ


朝潮「…………!」


不知火「」ナデナデ


朝潮「ぐすっ……うぅぅ……」ポロポロ

不知火「大丈夫ですから」ナデナデ


朝潮「……」


不知火「きっと会えますから」ナデナデ


朝潮「……はい……はいっ……」ポロポロ

………

……




朝潮「スー……スー……」


不知火「……ずいずいずっころばし ごまみそずい」ナデナデ


不知火「茶壺に追われて とっぴんしゃん」ナデナデ


不知火「抜けたーらどんどこしょ」ナデナデ


不知火「俵のねずみが米食ってちゅう ちゅうちゅうちゅう」ナデナデ


不知火「おっとさんがよんでも おっかさんがよんでも 行きっこなしよ」ナデナデ


不知火「井戸のまわりでお茶碗欠いたのだぁ~れ」ナデナデ


朝潮「………………Zzz……」

不知火「……」


不知火「もう出てきても大丈夫ですよ?」


ガチャ


陽炎「いやーははは……バレてた?」


黒潮「なんやも~ハラハラしとったわぁ」


浜風「……よく眠ってる……」


磯風「不知火姉さんの唄が上手かったのが意外だな」

陽炎「……覚えてたんだ。私があんたに唄ってたの」


不知火「ええ。まぁ」


荒潮「なんかごめんね不知火ちゃん、このお礼はするから」


不知火「いいえ。いいんです」


陽炎「そういえば秋雲は?」


磯風「先に帰った。ネタ拾えて満足したそうだ」


陽炎「まったくあの子は……」

霞「……不知火」


不知火「はい?」


霞「ありがと…………朝潮姉を」


不知火「……はい」ニコ


霞「うっ……///」

荒潮「あ、あの皆……」


陽炎「?」


荒潮「さっきのその……朝潮ちゃんの話なんだけど……できれば」

陽炎「ん?私達は何にも聞こえなかったわよ。ね、皆」


浜風「はいっ」


黒潮「せやな~。二人がイチャイチャしてる所しか聞こえとらんし」


磯風「私も何も聞いていない」


霞「……ごめん皆、ありがとう」

荒潮「……不知火ちゃんごめんね?朝潮ちゃんはこっちで引き取るから」


不知火「いえ、今日はここで」


霞「不知火……」


不知火「今日なったばかりですから、この子の姉に」


陽炎「……そか」

不知火「ですので不知火は朝潮の部屋で寝てください」


陽炎「えぇーーーーーー!?何よそれぇえええ!!」


浜風「姉さん、しーーーーーっ!」


朝潮「………………」


………

……

朝潮は夢を見ていた。


自分と別れた時と変わらず笑顔の両親。父は母が淹れたコーヒーを飲んで、母は朝潮と朝食の準備をしている。母はオムレツを作り、朝潮はサラダを盛っている。


小さなアパートで3人暮らし。狭い部屋で、以前の様な裕福さこそなかったが、朝潮が求めた幸せの全てがそこにあった。


酒と薬から立ち直り、元気に仕事へ行く父。病んだ心が治り、少しだけ化粧をするようになった母がその背中を見送る。


朝潮は高校生になっていた。友達も沢山出来て、素敵な先輩達が待っている。季節はもうすっかり夏だ。


玄関のチャイムが鳴る。友達の誰かだろうかと心が躍って、早歩きで玄関へ向かう。


そこには自分の良く知る人物。


凛々しい顔立ちに、知性の溢れる雰囲気。短くも長くもないスカートからのびる足に白くて繊細な指。


朝潮はいつもの様に。その人物との出会いを歓迎するトーンで名前を呼ぶ。


………

……

朝潮「し、ら……ぬい……せんぱい……」


不知火「……」


不知火は結局自分の布団に朝潮を寝かせた。途中で起きるものと思ったのだが、今まで気を張って疲れていたのかグッスリ眠っている。そのまま不知火は一緒のベットで朝潮と練る事にした。


陽炎はあれからしばらく渋ったが結局妹の頼みに押されて、仕方ないわねと部屋を後にした。

幸せな夢を見ているんだろうか。時々寝言を呟いては、普段のキリッとした顔が幼い少女の様に甘えた表情を浮かべる。


朝潮「お……とう…さん。おかあ……さん……」


不知火「……」ナデナデ


不知火には朝潮のような将来への目標の様なものはない。自分の生活を壊した深海棲艦を殺せる事と食うに困る事のない場所を求めてここへ来たというだけだ。


自分の様な艦娘も朝潮の様な艦娘もこの鎮守府には沢山いるし、今更珍しい話でもないと不知火は認識していた。

ただし、この朝潮に対してだけは違った。


不知火は姉の陽炎のように明るくはないし、愛想も良くはない。


そんな自分の前で、朝潮は過去を語った。


ささやかな夢も語った。


そして助けて欲しいと不知火に願った。


それだけで。たったそれだけで不知火にとっては絶対だった。


助けを求めて来た者を見捨ててはならぬと意思が、人としての不知火と艦としての不知火に在ったからかもしれない。

不知火「……がんばれ」ギュウ


本人には聞こえないくらいの声で言うと、不知火は朝潮を精一杯、だけど優しく抱きしめた。


なんの根拠もない言葉と頼りない力。今の不知火にはこうする事しかできない。





新月の夜。先の見えない海に囲まれた鎮守府。


しかし今日この夜だけは、およそ戦時とは思えないほどに


戦いに明け暮れる少女達と共に 静かに眠っていた。




~終わり~

ここまで読んでくれてありがとですた。前に朝潮さんと不知火さん書いた人ですん。特につながりはないです。


朝潮さんと不知火さん
朝潮さんと不知火さん - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444224077/)


【艦これ】長門「単装砲が抜けなくなってしまった」
【艦これ】長門「単装砲が抜けなくなってしまった」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444300620/)


おつおつ

まともな話も書けるのんな
知らなかったのん

おつ!

長門のやつあんただったんかい

>>94 ×不知火→○陽炎

痛恨のミス 申し訳ない

以下訂正


不知火「ですので陽炎は朝潮の部屋で寝てください」


陽炎「えぇーーーーーー!?何よそれぇえええ!!」


浜風「姉さん、しーーーーーっ!」


朝潮「………………」


………

……


不知火は不器用さが可愛い

乙!

おつおつ!
イケメンぬいぬい今回も最高だった…が、まさか単装砲のやつがあなたとは思わんかったw

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月10日 (火) 03:38:57   ID: Gl1-avdj

憧れを乗り換えとかいう言いがかりで吹雪をdisる意味はあったのだろうか
それ以外はすごい良かった

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