2

＜私は一体何者なの？

吸血鬼は私の質問に今度は別の反応を示した。
くるり、と振り向き道を歩き始める吸血鬼に私はただついていくしかなかった。
霧が深く覆う森の中を（恐らく）人工的に切り開いた道。
その道を吸血鬼は黙々と歩く。
私は彼、もしくは彼女の後を覚束ない足取りでついていく。

「…………」

相変わらず吸血鬼は喋らない。口が利けないということはないだろうから私はまさか彼、もしくは彼女を怒らせるような質問をしたのではと不安になった。

＜
1.どこへ向かうの？
2.私は何者なの？

>>5

２

＜私は何者なの？

吸血鬼はピタリと足を止め私に振り向いた。
フードを被っているのにその表情（？）は私にははっきりと理解できた。

「…………」

困惑（？）と怒り（？）が混ざったような表情（？）だ。
吸血鬼は（恐らく）一瞬だけ口を開きしかし結局なにも喋らないで私に背を向けまた道を歩き始めた。
しばらく後、霧の深い森の道が段々と明るくなっていくのがわかった。
私は吸血鬼に置いて行かれないようついていくのがやっとで風景の変化に気を配る暇はなかったがさすがにこの明るさには気づく。
出口（？）が近いのだろうか。

＜
1.どこへ向かうの？
2.私は何者なの？
3.少し休もうよ

>>7

2

＜私は何者なの？

吸血鬼は足を止め私に振り向いた。
その表情（？）は明らかに怒っている。
吸血鬼は小さく口を開き牙を私に見せた。
私は、
知っている。
この仕草は彼女の威嚇（威嚇？）であると。
昔は少女の愛らしさ（愛しい愛しい）とそぐわない子犬（蔑称ではない）のようなその仕草（愛しい愛しい）に愛着を感じていたが今の私（私？）にとっては恐怖以外の何物でも、
私は、
なにを知っている？
彼女とは誰だ。少女とは誰だ？

「……！……！」

突然吸血鬼が焦り始めた。その表情（？）は困惑（？）と怒り（？）が混ざっているような気がした。
ああ、なるほど。
私はいつのまにか地上を背にしていたらしい。
彼女が焦るのも無理もない。私がバラの棘に触れただけで大騒ぎするのだ。倒れてしまうなんて発狂してもおかしくは、
バラの棘。
バラの棘か。
バラの棘、とは、友達であると思っていた。

＜
1.知ってる？人間の心拍数はあらかじめ決まっているってこと
2.カナリアの鳴く声が聞こえる
3.私は何者なの？

>>9

3

＜私は何者なの？

吸血鬼の動きが止まった。
泣いている。
私にはわかる。
彼女、もしくは彼女、もしくは彼女は泣いている。
フード越しでもよくわかる。
彼女は泣いている。
小さく首を振った吸血鬼が小さく口を開き小さく何かを（恐らく）つぶやきそして、
そして私の首（首？）に爪を立てた。
私は知っている。吸血鬼の爪は鋭利な剣より冷たく鋭い。

＜…………！……！

喋れない。
気道から、喉から、空気が漏れる音がする。
私は何者なの？
もう一度問いかける。おそらく伝わったろう。彼女との付き合いは長いのだ。いしんでんしん、あうんのこきゅう、つーかーのなか。
吸血鬼はもう一度私の首（首？）に爪を立てた。
もう息ができない。ヒューっと気道から空気が漏れる音がする。穴が開いているのだ。
これで口を開かずとも食事ができる。
教えてくれないなんて意地悪だ。私が何者なのかくらい教えてくれないなんて意地悪だ。
大分明るくなった森の道の真ん中で私は吸血鬼の涙を暖かいと思いながら眠った。
眠った。
おやすみなさい。

眼が覚めると吸血鬼が居た。

＜こんばんは

挨拶をしたが吸血鬼は何の反応も示さなかった。
彼、もしくは彼女の表情はフードに包まれておりよくわからない。
ただ何かを期待（？）していることだけはわかった。
それがいつかの彼女によく似ていて私は動揺した。
……彼女？彼女とは誰だ。

「…………」

吸血鬼は何も喋らない。
やはり何かを期待しているようだ。

＜
1.私は何者なの？
2.ここはどこなの？
3.あなたは何者なの？

３

＜あなたは何者なの？

吸血鬼の動きが止まった。
困惑（？）と緊張（？）の表情をしているのがわかった。
フード越しなのになぜそんなことがわかったのだろうか。
私は確かに彼女の表情を理解できた。
……彼女？彼女とは誰だ。

「…………」

吸血鬼は何も喋らない。その仕草がなんとなくやつれているように見えた。

「…………」

吸血鬼は私に何かを差し出した。
砂糖をまぶしたパン（？）だ。
輪形に形作られ真ん中は空洞になっている。
食べろ、ということなのだろうか。

＜
1.いらない
2.いただきます
3.私は何者なの？

>>15

2

＜いただきます

迷わず一口。
甘い。砂糖のザラザラとした食感、小麦（？）の柔らかい食感。
……なんとなく懐かしい。ような気がした。
吸血鬼は（恐らく）緊張して私を見つめる。
彼、もしくは彼女にとってこのパン（？）に何の意味があるのかはわからないがそれでも彼女、もしくは彼には大切なことなのだろう。

「…………」

私がパン（？）を食べ終わるまで吸血鬼は黙って待っていた。
緊張（？）と不安（？）の混じった様子だ。
私はただ不思議だった。
私にはこの吸血鬼の感情が手に取るようにわかる。
いや、もしかしたらわかったような気がしているだけなのかもしれない。
現に彼女に私は殺されてしまったではないか。
…………彼女とは誰だ？
私は生きている。
首は繋がっているし穴も開いてはいない。
首に愛用（？？？）のチョーカー（？）が巻かれているのを確に（？）んしてあんしんした。安しんした。

「…………」

私がパン（？）を食べ終わってもしばらく吸血鬼は何かを期待していた。
そのそわそわとした仕草がいつかの彼女を想起させなんとなく幸せな気持ちにさせる。

＜
1.私はは何者なの？
2.おいしいね
3.こんなの食べたことないや

>>17

>>18

>>19

>>21

２

＜おい、おおおおいしおいおいしいねねねね

素直な感想を述べると吸血鬼は一瞬だけ悲しそうにした。
そしてその悲しそうな表情（？）のまま微笑んで（？）（恐らく）微笑んで（？）微笑んだ。
綺麗だ。
私はこの表情が、彼女のこの表情が好きだった。
いつかのバラに刺された私を心配する彼女ががが、あんじんして見せたひひうじょう。

＜
1.泣いてるの？
2.フードを外してよ
3.私は何者なの？

>>23

>>25

2

＜フード、を外、し、てよ

吸血鬼が笑った。
それは微笑みではなかった。
純粋な笑顔。
少女の愛らしさのような、少年のあどけなさのようなそんな純粋な笑顔。
懐かしい。
懐かしい。
懐かしい。
何が？
何が懐かしいのだ。
懐かしいとはどのような感情だ。

「…………」

吸血鬼は喋らない。
口元に笑みを浮かべたまま首を強く横に振る。
しばらく首を振り続けて振り続けて吸血鬼はようやく私に顔を向け、
フードを外し






見えない。
見えない。
見えない。
おかしいな、何も見えない。

＜ーーーーーーつっつ

喋れない。
口は動くし舌も動くし喋れない。

「……っ！ ……」

吸血鬼の叫び声（？）がする。と思う。
悲鳴（？）なのかはわからない。
なんだか覚えがあるこの声に安心しながら私は眠った。
眠った。
眠った。
おやすみなさい。

神秘的というか不思議な感じ
こういうssを待っていた、乙、期待

歩みを進めると吸血鬼が現れた。

＜こんにちは

吸血鬼に挨拶をするが彼女、もしくは彼は何の反応も示さなかった。
ただ私をじっ、と見つめるのみ。

＜ここはどこなの？

問いかけると吸血鬼は首を振った。
しらない、ということなのか別の意図があるのかは私にとってわからないことなのだが彼女はもう私の無知（？）に落胆（？）しないようだった。しないようだった？
私はこの吸血鬼と出会ったことがあるのだろうか。私は彼女、もしくは彼が敵でないことしかわからない。
なのになぜかこの少女のことを私はよく知っているような気がする。その爪の鋭さを。鋭利な牙を。暖かい涙を。天使のような笑顔を。

「…………」

フード越しで性別も表情もわからない彼女に私は不思議と恐怖は感じなかった。

＜
1.お名前は？
2.私は何者なの？
3.顔を見せてよ

>>29

2

＜私は何者なの？

私の質問に吸血鬼は何の反応も示さなかった。
そのまま向き合って数分の時が流れた。

「…………」

吸血鬼は何も喋らない。
私はいい加減じれったくなってきた。
私は私のことを知っているはずの私を知らない。
なんだか起きたばかりのように頭がはっきりとしないし随分と寒い。
吸血鬼は寒くないのだろうか。
霧がかかったこの道は随分と寒い。

「…………」

気付いた。
吸血鬼は逡巡しているのだ。
フード越しではよくわからなかったが口元が動いてはすぐ閉じ開いては迷っている。
なんだか年相応の少女らしさが愛らしい。

＜迷うなら教えてくれなくてもいいよ

声をかけると彼女、もしくは彼は（恐らく）今までとは違う対象に迷いを見せ、すぐに諦めた（？）。
どうやらフード越しで性別もわからない吸血鬼は私の知らない私のことをよく知っている。でもそれは私の知らない私のことを知らない私には教えないほうがいいとおもっているのだろう。
なんだかとても寂しく思う。
前はあんなに仲良く秘密なんてなかった私たちの間に秘密なんてできるなんてなんて甘酸っぱい経験を積むことなんだか想像すらつかないことだったのに今の私の知らない私が聞いたらきっと嫉妬で泣いてしまうんではないかと私の知らない私のことを知らない私は思った。

＜
1.これからどうすればいいの？
2.どうして私をーーーーーーしたの？
3.お腹がすいちゃった



>>31

2

先程から聞いてはいけない質問ばかりしているような...

＜どうして私を『半吻n4憺箭襤p”したの？

旧欠機は綿氏の失紋（？？？？？）に共学したみたいだった。
皛かに同様している。
すごい息追いでフードを波豆した旧欠機が綿氏に経不（？）の氷上（？）を見せる。
その香は綿氏の識らない綿氏ならお空く識っている香なのだろうけど綿氏の識らない綿氏を識らない綿氏には待ったく識らない香。
消除だ。鬱くしい消除。
紙が永く禁居ろの人見を盛った鬱くしい消除。
なのはわかる。
わかるのにその香にはなぜかモザイク（？）がかかったように綿氏には見えた。
司会前隊が在れている。
編だな。
時分でもお菓子なことを行っている。
なんで司会がモザイクがかっているのに消除の香がわかるのだろう。
消除に空打を遊佐ぶられながら難度もなんども不識技に重った。

＜
1.お願いーして
2.お願いーけて
3.お願いーめて
>>38529

>>32

>>5

>>21

>>38
>>38

3

＜お願い、諦めて

『口からこぼれ出た、突然意識とは無関係にこぼれ出た私の一言が私の知らない私を私にほんの少しだけ教えてくれた。
私の壊れかけたよくわからない脳をほんの少しだけ蘇らせた。』

『吸血鬼はハッとして私を見る。今はもう大丈夫。視界は真っ赤だけどなんとかはっきりと写る。吸血鬼は美しい顔を絶望と安堵のような不安で埋め尽くしてそれでも視線を逸らすことをしない。』

＜諦めて、名前も思い出せない、顔ももう覚えてない私の愛しい友達。
私はね、やっぱり人間だから、あなたとはずっと一緒にはいられないから。

口から私の知らない意識がこぼれ出た。

＜私を助けようとしてくれたのは素直に

嬉しいよ。

＜私を失いたくないと思ってくれたのも

嬉しいよ。

＜だけどね

だけど。

私は

＜人間だから

ごめんね。

＜さよならも言う暇もなく

？んでしまって。

『薔薇の花は友達だと思ってた。薔薇の花が私を傷つけた時吸血鬼とようやくココロがつながった気がしたことだけは覚えてる。吸血鬼の少女は何も喋らない。ただずっと泣いている。』

泣かないで。

＜ほら見て。もう私の手なんて右手しか残ってない。

左足なんて腐っちゃってる。

＜首にはあなたに開けられた穴が開いたままだし

このチョーカーはあなたに初めてもらったプレゼント。

＜もうすごく眠たくて

ちゃんとお礼とさよならが言えたから

『吸血鬼は寂しそうに笑った。泣きながら。記憶に新しい暖かな涙を流して。ただ、一言でよかったんだと思う。私にとっても彼女にとっても。』

ありがとう。楽しかった。

＜さようなら

私のことはもう忘れて自分の幸せを生きて。

＜私のことは忘れないでたまには思い出してほしいな

それじゃあ。

＜おやすみ

おやすみ。
おやすみ。
おやすみなさい。