魔王「おかしい・・・はっはっ！」

（スカッスカッ）

魔王「なんだ！？勇者、お前何をした！？」

勇者「・・・っく、ふ～、お前の魔力を無くす術をかけたのさ」

魔王「なんと！？」

勇者「魔力が無ければ力も人並み程度、さぁ、覚悟しろ！」

魔王「ぐ・・・く、くそぉ！た、倒されてたまるか～」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

勇者「あ、待て！魔王が逃げるなんて卑怯だぞ！」

魔王「卑怯もくそもあるか！・・・とうっ！」（ﾊﾞﾘｰﾝ!）

勇者「な！・・・窓を破って飛び降りただと！？確か下は・・・」

魔王「・・・しまったあああ・・・下は崖だったあああぁぁぁぁ....」

戦士「・・・よっと、あ～魔王もこの高さなら死んでるな」

魔法使い「確かに、魔力が無くなってますからね。これで旅も終わりですね」

僧侶「んん～終わったの？やった～」

勇者「・・・いや、まだだ、この魔王を示すペンダントが反応している・・・」

魔法使い「生きているとは思いませんが・・・」

勇者「とりあえずこのペンダントを頼りに追おう」

戦士「おう！」

魔法使い「はい」

僧侶「え～まだなの～」

勇者「そうだ、ほらほら、行くぞ」

僧侶「はーい」

続きはよ

もう続きは書かないの？

書き逃げなの？

落下現場に駆け付ける途中で魔王死んだんだろ

やる気なしか

再開


魔王「・・・」（ﾄｺﾄｺﾄｺ）

魔王「ふ～我ながら助かるとは・・・下が沼地で良かった。・・・でも泥だらけだ、魔王なのに・・・」

魔王「これからどうするか・・・逃げるったってなぁ～町や村には行けないしな～」

魔王「こんな山の中で・・・歩いて彷徨って行くしかないなんて・・・」

ガサガサッ

魔王「おおっう、なんだ！？魔獣か！？」

ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮｰﾝｯ･･････

魔王「・・・なんだウサギか・・・驚かせやがって」

魔王「そういえば、ほとんどの魔獣は勇者達に倒されたな、あと、俺の魔力ねーから魔力源なくなったし、魔獣は生きていけないか」

魔王「・・・独りか・・・魔力があれば召使とか家来とか作れるのに・・・」

ガサガサッ

魔王「！？」

ﾋﾋｰﾝ!ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ･･････

魔王「・・・なんだウマか・・・魔力使えたら魔獣にして乗っていけるのにな」

ガサガサッ

魔王「またか・・・っと、・・・なんだ勇者か・・・」

勇者「よう」

魔王「ゆ、勇者！？」

勇者「生きていたようだな、早速だがお前を倒す！」

魔王「ま、待て、なんで居場所がわかった？」

勇者「これだ！」

魔王「それは？」

勇者「魔王を示すペンダントだ。これでお前がどこにいようが俺には分かる。」

魔王「お前それどこで手に入れた」

勇者「神様からだ。お前を倒すようにと、これを頂いたのだ」

魔王「は？神？？？神が協力するなんて・・・ひ、卑怯だ！」

勇者「・・・それをそっくりお前に返す！覚悟！」（ｼｬｷﾝｯ）

魔王「くっ、ここは」（ﾀﾞｯ・・・）

戦士「あ、待て！・・・魔王がまた逃げるとは」

勇者「まぁこのペンダントがあるかぎり逃げれないぜ」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔王「うっまた崖だ・・・」

勇者「さぁ～もう逃げれないぞ、魔王覚悟！」

魔王「ぜ、絶対に逃げきってやる！・・・くそっ」（ﾋｭﾝｯ）

勇者「が、崖から飛び降りるとは！？」

魔王「うおおおおおぉぉぉぉぉ.....」

魔法使い「・・・また飛び降りるとは・・・今度こそ死んだのでは？」

勇者「いや、まだ魔王は死んでないな、下は川だし、ペンダントは反応してるし」

戦士「しぶといやつめ」

勇者「よし、また追うぞ！」

僧侶「え～また～、ちょっと休憩しようよ」

勇者「・・・」

魔法使い「そうねちょっと休憩しましょう、ずっと追いかけてますしね」

勇者「・・・ああ、そうしよう」

僧侶「やた～ふふふ、休憩休憩♪」

魔法使い「やれやれ・・・ですわ」

勇者「・・・俺には時間が無いのに・・・」（ﾎﾞｿｯ）

戦士「ん？勇者なんか言ったか？」

勇者「・・・！。いや、何も」

戦士「そうか」

よく飛び降りる魔王だな
とりあえず、はり乙

支援

再開

数日後....



魔王「・・・」

パン屋「ん？こんな暑いのにフード被って大丈夫かい？」

魔王「！」（ｻｯ）

パン屋「あ、コラ！待てー！泥棒だ！パン泥棒だ！」

魔王「はぁはぁ」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

パン屋「くそ！見失ったか・・・」

魔王「ふ～、やっと食べ物をとったぞ、しかし、パンだけか・・・家来の作ってた料理が食べてぇなぁ～」

魔王「・・・はぁ～」

盗賊「そのパン頂き！！！」（ﾊﾟｼｯ）

魔王「あ、こら！俺の飯がー！返せー！」

盗賊「やなこった～。あっかんべ～のべろべろば～！キャハハハ！」

魔王「あのヤロー・・・うおおおおぉぉぉぉ！」

盗賊「あ、追ってくる。無っ駄なっのに～♪」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔王「くそ！足が速い・・・はぁはぁ、魔力があれば、あんな奴瞬殺なのに」

魔王「ふ～、やっと食べ物をとったぞ、しかし、パンだけか・・・家来の作ってた料理が食べてぇなぁ～」

魔王「・・・はぁ～」

盗賊「そのパン頂き！！！」（ﾊﾟｼｯ）

魔王「あ、こら！俺の飯がー！返せー！」

盗賊「やなこった～。あっかんべ～のべろべろば～！キャハハハ！」

魔王「あのヤロー・・・うおおおおぉぉぉぉ！」

盗賊「あ、追ってくる。無っ駄なっのに～♪」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔王「くそ！足が速い・・・はぁはぁ、魔力があれば、あんな奴瞬殺なのに」

盗賊「これはもう逃げれるわね。ラッ」（ﾄﾞﾝｯ）

兵士「いて～・・・あ、お前は！？」

盗賊「あわわわわ～」

魔王「はぁはぁ、やっと追いついたぜ、おい！パンを」

盗賊「親分、あとは任すわ！ね。」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔王「お、おい！」

兵士「君！」

魔王「はい？」

兵士「盗賊の親分だって？」

魔王「ち、違・・・」

兵士「ちょっと来てもらうよ」

魔王「・・・うわああぁぁぁぁ」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

兵士「あ、待てー！」

盗賊「ふ～、ここまでくれば大丈夫だね、じゃあ頂きます。」（ﾊﾟｸ）

盗賊「あ～美味しい、珍しくすきだらけのやつだったわね」（ﾊﾟｸﾊﾟｸ、ｺﾞｸﾝ）

ガコッ

盗賊「きゃっ！」

ガシッ

魔王「ﾌﾌﾌ、捕まえたぞ」

盗賊「え、えぇ～！下から！？」

魔王「あの後、兵士をまいて、お前を見つけたんだ。」

魔王「正面からじゃ、すぐ逃げられると思ったから、地下の排水路を通って見つからないように来たのだよ」

盗賊「うぅ・・・」

魔王「さぁパンを返してもらおうか」

盗賊「無いわよ」

魔王「は？」

盗賊「もう食べて無いわよ」

魔王「なんだと！？俺の飯が！この～！」

盗賊「わ～待った待った。」

魔王「何が待っただよ？」

盗賊「盗んだのは悪かったわよ。許して」

魔王「ゆ、許してもパンは返ってこないだろうがー！」

盗賊「わ、わ、わ、私がまた盗ってくるからー」

魔王「・・・本当か？」

盗賊「・・・」（ｺｸｺｸ）

魔王「じゃあ、盗ってこい」（ﾊﾟｯ）

盗賊「まかせない、じゃ」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔王「速いなあいつ・・・ん？しまった！あいつこのまま逃げるつもりじゃ・・・」

魔王「くそ～俺はなんて馬鹿なんだ・・・みすみす逃すとは・・・はぁ～今日も飯無しか・・・」

パチパチパチ.....[町の外れ]


魔王「今日も野宿か・・・。ベットで寝たい・・・」

（ｸﾞｩｰ）

魔王「腹減った・・・寝る前に死にそうだ・・・魔王がこんな死に方するなんて・・・先代に申し訳ない」

魔王「こんなところで・・・独りで・・・死ぬのか・・・」

（ﾄﾞｻｯ）

魔王「ん？・・・な、なんだこれは！？大量のパン！？上から？？？もしかして・・・」

魔王「神様！？・・・まさか俺にも神様が！？」

盗賊「誰が神様よ」（ﾋｮｨｯ）

魔王「うわ！お、お、前は泥棒娘！」

盗賊「誰が泥棒娘よ！私は盗賊です！」

魔王「盗賊・・・てかお前逃げなかったのか？」

盗賊「んん～最初はそのまま逃げようと思ったけど、私を捕まえたやつだし、面白そうなやつだからついていこうと思ってね」

魔王「面白い・・・？」

盗賊「ところで、なんで元の場所で待ってなかったのよ！探すのに苦労したんだから！」

魔王「は！？お前が逃げたと思って諦めたんだよ！悪いか！あ？」

盗賊「何よその言い方！あーそう、パンいらないんだ。これは返してもらうわ！！」

魔王「あんだと！俺のパンを盗んで食いやがって！このガミガミ女！」

盗賊「なんですって！！あんたのために盗ってきたのに！この鈍くさいのろま男！」

魔王「なにー！」（ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ）

盗賊「なによ！」（ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ）

ガサガサッ

見回り兵「おいお前ら！こんな夜に大声で何を言っている！？」

魔王「！」

盗賊「！」

魔王「とりあえず、逃げよう」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

盗賊「そうね」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

見回り兵「お、おい！待て！怪しい奴らめ！」

まだかっ！

....

魔王「盗賊・・・お前、金ないのか？」（ﾄｺﾄｺﾄｺ）

盗賊「・・・お金持ってたらあんたからパンなんて盗まないわよ」（ﾄｺﾄｺﾄｺ）

魔王「盗賊なのに文無しかよ、使えねぇな～」

盗賊「ふん、お金は盗まない事にしてるの、その代わりパン盗ってきてあげたじゃないのよ」

魔王「ああ・・・すまんな、じゃあ、さっそく頂きます・・・」（ﾓｸﾞﾓｸﾞ）

盗賊「私も」（ﾓｸﾞﾓｸﾞ）

魔王「そういえばお前、今何をしているんだ？」

盗賊「今は世界中を旅してる途中よ」

まだだ！

魔王「・・・で、世界中で盗みをしているわけか・・・」

盗賊「そんなんじゃない！はずだけど・・・まぁ生きるためにはしかたないことも・・・」

魔王「盗みで生きてるのか・・・自分がされたらムカつくけどな」

盗賊「う～・・・。ところであなたは誰よ？名前は？」

魔王「ん？俺か？俺は・・・ま・・・」

盗賊「ま？」

魔王「（まぁいいか）・・・魔王だ」

盗賊「魔王？」

魔王「そうだ、驚いたか、ハハハ！」

盗賊「・・・ぷ、あっは、あはははは！」

魔王「なんだ？」

盗賊「あんたが魔王なわけないじゃん！鈍いし、トロいし、魔力もないじゃん、あはははは！」

魔王「この顔を見ろ！」（ﾊﾞｯ）[フードを脱ぐ]

盗賊「・・・」

魔王「どうだ」

盗賊「本当だ、魔王にそっくり・・・」

魔王「本物だ！どうだ、怖いだろ、がおー！」

ｽﾁｬｯ、ｷｭｯ、ﾋﾟﾄｯ

魔王「と、盗賊さん？この喉元のナイフは？」

盗賊「・・・あんた本当に本物？そのわりにはトロすぎるわね。イメージと違うし・・・」

魔王「本物ったら本物だい！魔力があったらお前なんて瞬殺だい！」

盗賊「ふ～ん、じゃ、魔王だとして、なんで魔力使えないの？てかなんで魔王がここにいるの？」

魔王「話すと長くなるな～実は・・・ｶｸｶｸｼﾞｶｼﾞｶ・・・ってわけだよ」

盗賊「へ～って、あんた、ここまで泳いで来たの！？」

魔王「そうだ、海を越えてきたぜ！嵐あり、波あり、大渦ありの大冒険だった。死ぬかと思った・・・」

盗賊「普通死ぬわよ」

魔王「魔族だから普通の人間よりは体力があるのだよ」

盗賊「それと、勇者に追われてるんでしょ大丈夫なの？ペンダントで場所ばれるんでしょ？」

魔王「しばらくは大丈夫と思う。勇者は海じゃなくて、たぶん陸から来てるからな。」

盗賊「へ～で、いつまで逃げるの？」

魔王「・・・ま、魔力が戻るまで・・・」

盗賊「戻るの？」

魔王「・・・わからん。。。とりあえず、俺、勇者に追われてるからここでお別れだな、じゃあな」

盗賊「待って！」

魔王「なんだよ？」

魔王「わ、私・・・術を解く人知ってるわ」

魔王「えっ？まじで？」

盗賊「うん、でも・・・」

魔王「どうした？」

盗賊「その場所には暴族がいるから・・・」

魔王「暴族？」

盗賊「そうよ、凶暴なんだから」

魔王「・・・まぁ術が解けるなら俺は行くよ。場所は？」

盗賊「タニアマウンテンの頂上よ。そこにいる仙人に言えば直してもらえると思うわ」

魔王「そうか、じゃあ行ってくるわ、じゃ」

盗賊「あの・・・私も一緒に行くわ。」

魔王「えっ一緒に行くの？お前もなんか術にかかってるのか？」

盗賊「・・・行くったら一緒に行くの！あの山は暴族がいるから今まで一人で行かなかったの！」

魔王「・・・じゃあ、案内頼むわ」

盗賊「うん・・・でも、今日はもう休みましょ」

魔王「もう、疲れたのか？」

盗賊「疲れたわよ！あんたと違って私は人間なの！わかった！？」

魔王「ぐ・・・しかたない、明日は頼むぞ」

盗賊「あいあい・・・zzzzzz」

魔王「ったく、・・・しかし、魔王についてくるなんて変わった人間だな・・・」

.....

次の日


勇者「・・・タニアマウンテン・・・」

戦士「どうした勇者？」

勇者「タニアマウンテンに魔王がいる・・・」

魔法使い「タニアマウンテンにですか？」

勇者「うん」

戦士「なにか企んでるのでるのか？」

勇者「さぁ、わからんな、とりあえず行ってみるか、暴族もいるからみんな気おつけろよ」

僧侶「はいはーい」

.....


盗賊「まさか暴族が道を開けてくれるなんて、あんたすごいじゃない」

魔王「まぁな、まさか俺を見てビビって道を開けるなんてな、いい気分だぜ」

盗賊「・・・魔力ないってわかったら襲ってきそうだけどね」

魔王「う・・・それを言うな、どこかで聞いてたら帰れないぞ」

盗賊「あと、勇者来たらどうするの？」

魔王「え？」

盗賊「後ろから来てたら戻れないじゃない？」

魔王「え？あ・・・そんな・・・」

盗賊「あきれた・・・。まぁ、そんなことだろうと思ってこれ盗ってきたわ。」

魔王「これは・・・」

盗賊「キメラのつばさよ」

魔王「うわ！そんな希少価値の高級品を・・・さっすが盗賊、やるじゃないか」

盗賊「まぁこれで気が楽になったんじゃない？行くわよ」

魔王「盗賊さん着いて行きます」

盗賊「わかれば良い。ふふふ」

高級品？

仙人「おやおや、お二人さんこんな山まで来てどうしたんだい？」

盗賊「かけられた術を解きに来たのよ」

仙人「そうかそうか、じゃあさっそくこっちに来るが良い」

盗賊「私じゃなくて、こっちのフード被った人なの」

魔王「よ、よろしく」

仙人「じゃあこっちに・・・」

魔王「おう」

盗賊「じゃあ私は待ってるわ」

魔王「すまんな、行ってくるわ」（ﾄｺﾄｺﾄｺ）

盗賊「・・・ふっふっふっふ、じゃあこの山にあるお宝を頂こうかしら」（ﾆﾏｰ）

.....

仙人「では、いくぞ・・・ﾅﾑﾅﾑﾅﾑ・・・」

魔王「・・・」

仙人「ナム！」

魔王「・・・っ」

仙人「・・・あれ？・・・ナム！ナム！」

魔王「・・・っ、っ」

仙人「おぬし・・・人間か？」

魔王「・・・」（ﾄﾞｷｯ!）

仙人「ん？」

魔王「・・・人間じゃないとダメなのか？」

仙人「いや、人間じゃなくても良いが邪悪な力が邪魔をして・・・まさか魔族？」

魔王「・・・ぇ？」

仙人「おぬし・・・魔族か？」

魔王「・・・（くそ！）そうだ！」（バサッ）[フードを脱ぐ]

仙人「ま、魔王！！！ひぃ～！！！で、出て行け！」

魔王「なにおう！！！いいから術を解け！」

仙人「・・・魔族は邪悪な力が邪魔して術が解けぬ、いや解けたとしても魔王じゃ解かぬ」

魔王「なんだと！？覚悟はできてるんだろうな」

仙人「ひっ、ま、まて、他にも方法があるのじゃ」

魔王「なんだ？」

仙人「術をかけた者が死ねば解ける」

魔王「・・・え？」

仙人「え？」

魔王「・・・本当だな」

仙人「本当だ」

魔王「んじゃ、じゃましたな、あばよ」（ｻｯ）

仙人「・・・意外にもあっさり去ったな、しかし、魔王がかかった術っていったい・・・」

.....

魔王「おーい、盗賊。行くぞー」

魔王「おーい！」

魔王「あいつ何処いったんだ？」

盗賊「・・・」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔王「いたいた、おーい盗賊」

盗賊「大変大変！あっちに勇者たちがいたわ、もうすぐここに来るわよ」

魔王「なんだって！？」

盗賊「逃げるわよ。用も済んだし、はいキメラのつばさ」（ｻｯ）

魔王「・・・俺、術解けなかった」

盗賊「！？」

魔王「術をかけた者を倒さなければ解けないだとよ」

盗賊「それって・・・」

魔王「そうだ、勇者を倒せってことだ。だから・・・」

盗賊「だから？」

魔王「ここで勇者を倒す！逃げても無駄だしな」

盗賊「なにバカな事を言ってるの！？魔力がないあんたに勝ち目はないでしょ。ここはとりあえずいったん引くのよ」

魔王「・・・」

勇者「おい！そこにいるのは魔王だな」

魔王「勇者・・・来たか」

勇者「こんな山まできて何をしている？」

魔王「ふん。お前には教えねーよ」

勇者「まぁいい、魔王覚悟！」

魔王「くそ！喰らえ」（ｼｭｯ）

ガシッ

勇者「魔力の無いお前の攻撃なんて効かないな、ふん」（ﾊﾞｼｯ）

ズサーッ

魔王「うぅ・・・ちくしょう・・・ここまでか・・・」

魔法使い「汝・・・炎の渦に・・・埋めき・・・」

魔王「く、炎系の最大魔法か・・・」

魔法使い「は！」

魔王「・・・ぅ」

どっか～ん！！！

魔王は魔力がないと何にも出来ないんだな

土日しか続きかかないのか？

この魔王の凄い所って顔が怖いってところだけかよ・・・
あと続きまだっすか？

魔法で殺られて死んだんだよ

終わった？

魔王早く来てくれ！
一週間放置されるとつらいんだよ・・・

再開

勇者「やったか？」

魔法使い「命中はしましたわ、手応えはありましたけど・・・」

僧侶「ペンダントはどうなの？」

勇者「あ・・・まだ反応している」

魔法使い「まだ生きてるってことですか？まさか・・・」

勇者「ここから遠い・・・瞬間移動したのか・・・魔力も無いのにどうやって・・・」

戦士「そばに居てた女の子もいないな」

勇者「魔王に連れ去られたのか・・・魔王め・・・追うぞ」

僧侶「え～またぁ？」

勇者「そうだ、行くぞ・・・ぐ・・・はぁはぁ」

戦士「おい、大丈夫かよ？」

勇者「・・・ああ、大丈夫だ。さぁ行こう」

魔法使い「・・・」

町にて.......

盗賊「はぁはぁ、間一髪だったわ。キメラのつばさのおかげね」

魔王「うわああああぁぁぁぁぁ....」

盗賊「何叫んでるのよ。助かってるのよ」

魔王「えっえっ？あれ？ここ何処だ？」

盗賊「キメラのつばさで飛んできたから・・・町だよね。あーあんたと最初に出会った町ね」

魔王「あーお前にパンを盗まれた町か」

盗賊「む・・・。あ、パン・・・ってことは」

パン屋「よう」

盗賊「あ・・・」

パン屋「まさかパンを大量に盗んだ小娘が店の前にいきなり現れるとはな」

盗賊「あわわわわ～」

パン屋「逃さないぜ」（ｶﾞｼｯ）

盗賊「は、放して」

パン屋「放すか！兵士さーんこっちです。来てくださーい」

兵士「あ！お前は盗賊！数々の盗みをした罪で捕らえる！」

盗賊「いや～私が捕まるなんて～」

魔王「待て！」

兵士「ん？・・・お、お前は・・・ま、ま、ま、魔王！？」

魔王「そいつを放せ」

パン屋「ひっ、あ、ああ」（ﾊﾟｯ）

盗賊「っ・・・ありがと」

魔王「いいからお前は逃げろ、ここは俺が何とかする

盗賊「そ、そんな」

魔王「いいから行けって」

盗賊「うん・・・じゃ、無事でいてね」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

兵士「ま、ま、魔王がなぜここに！？」

魔王「ふふふふ、怖いか？怖いだろ？」

兵士「こ、こ、怖くなんかないやい！」

魔王「ほれほれ～がぉー」

兵士「・・・み、みんな来てくれー魔王が現れたぞ！」

魔王「・・・え？」

ゾロゾロ・・・

兵士２「まさか、魔王がこの町に居るなんて」

兵士３「ど、どうします？」

兵士「と、と、捕らえよ！！！」

兵隊「はっ！」

魔王「・・・さすがに多いな、俺も逃げるか」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

兵士「な！？魔王が逃げるなんて・・・追え！魔王を捕らえ、名誉を得よ！」

兵隊「おお～」（ｽﾞﾝﾁｬｶｽﾞﾝﾁｬｶ）

数週間後......


人々「魔王が捕まってるらしいね・・・ﾋｿﾋｿ・・・」

人々「明日の朝、死刑執行するらしいわよ・・・ﾋｿﾋｿ・・・」

人々「これで、明日から平和になるな・・・ﾋｿﾋｿ・・・」


牢屋にて......

魔王「おろろ～ん・・・なんで俺だけが・・・くそぉ・・・だせ～。盗賊だけは上手く逃げやがって・・・」

勇者「よ！魔王」

魔王「な、なんでお前が！？」

勇者「ペンダントがあるんでな、あと、明日お前がいなくなるから最後の挨拶に来た。」

魔王「え？俺、明日釈放？」

勇者「・・・普通、魔王が釈放なんてあるわけないだろ？・・・明日の朝、死刑執行だそうだ」

魔王「嘘だ！」

勇者「本当だ」

魔王「ちくしょう、魔力されあれば・・・お前が死ねば魔力が戻るんだ！死ね死ね！」

勇者「おっと・・・俺が死ねばか・・・」

魔王「くそぉ・・・」

勇者「で、俺を倒すのか？」

魔王「く・・・魔力がないとかなわないから、お前の寿命が尽きるまで逃げ切ってやる！」

勇者「寿命ねぇ・・・ふ～ん」

魔王「・・・仮にここを出られたら逃げ切ってやるからな！」

勇者「そーなったらこのペンダントで追うまでだ・・・ま、お前は明日死ぬけどな、ふ～やっと俺らの旅も終わるぜ」（ｽﾀｽﾀｽﾀ）

魔王「・・・くそ・・・くそ・・・くそおおおぉぉぉ！！！」（ｶﾞｸｯ）

牢屋の外.....

魔法使い「どうでした魔王は？」

勇者「まぁ、おとなしかったよ」

僧侶「じゃあ今晩は宿に泊って・・・」

勇者「いや、今晩は見張りだ、見張りをする。」

僧侶「え～どうして？」

勇者「魔王が死ぬまで油断はできない。明日の朝までだ、お願いだみんな」

魔法使い「仕方がないですわね・・・」

僧侶「・・・わかったわよ」

戦士「よっしゃ、暴れるぜ！」

魔法使い「暴れないでください・・・」

勇者「よし、みんな最後まで気を抜くなよ」

その日の夜.....

当主「姐さん、姐さん、本当にこんな夜中にやるんですかい？」

盗賊「当然よ。あんた達は陽動を頼むわ。魔王の所へは、私一人で行くから」

当主「は～、元盗賊団当主だった姐さんが突然やってきて何事かと思ったら囚われた魔王を助けるだなんて」

盗賊「なにか文句あるの？」

当主「・・・姐さん魔王に操られてないでしょうね？」

盗賊「は？」

当主「おかしいですって、魔王が死ねば世界が平和になるんですぜ、それを助けるって・・・」

当主「誰が見ても変ですぜ？もういいでしょ、あっしも魔王がいたら仕事しにくいですし・・・」

盗賊「ふん、何回止めても無駄だからね。」

当主「・・・」

盗賊「とりあえず、陽動だけ済ましたら、すぐにずらかりなさい」

当主「姐さんは？」

盗賊「一人で魔王のいる牢屋まで突っ切る。」

当主「姐さん！失敗しても成功しても大罪者ですぜ！？」

盗賊「そんなの関係ないわよ。大罪者？盗賊だったら名誉なことじゃない」

当主「姐さん・・・ってかなんでこんなに必死なんですかい？」

盗賊「っるさいわね！そんなのどうでもいいでしょ！」

当主「気になるっすよ」

盗賊「・・・あ！あ、あいつには借りがあるからよ。それだけよ」

当主「・・・はは～ん、なるほどね」

盗賊「な、何がよ！？」

当主「にひひ、じゃあ、あっし達はそろそろ行きますぜ」

盗賊「う、うん。頼んだわよ当主くん！じゃ」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

当主「・・・魔王がうらやましいですぜ・・・」（ｽﾀｽﾀｽﾀ）

夜、牢屋.....

倉番「大変だ！大変だ！城の倉庫が盗賊団にやられてる！援護に来てくれ～」

兵士「なに！仕方ない、お前ら倉庫に行くぞ！」

兵隊「了解！」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔法使い「勇者・・・私たちも行きます？」

勇者「ん～、お前たちは援護に行ってきて、俺はここに残っとくから」

僧侶「え～だったら私も残ろ」

勇者「いいから、いいから、３人は倉庫の援護に行ってきて、ここは俺が見とくから」

魔法使い「わかりましたわ」

僧侶「え～」

魔法使い「さ～行きますわよ僧侶、戦士」

戦士「おっしゃ！暴れてやるぜ～」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

勇者「・・・。さてと・・・」

数分後、牢屋内......

看守「ぐ・・・」（ﾊﾞﾀﾝｯ）

副守「う・・・」（ﾊﾞﾀﾝｯ）

魔王「お、おいどうした？」

盗賊「ふふふ、ちょろいわね」（ﾋｮｲｯ）

魔王「お、お前は・・・盗賊！」

盗賊「捕まるなんて情けないわね」

魔王「た、助けに・・・」

盗賊「ふん！、勘違いしないで。な、情けないあんたなんか、ぜ、全然助けようとも思ってないんだから！」

魔王「・・・そうか、お前も人間だもんな、じゃあ、あれか？俺が明日死ぬから最後にってか？」

盗賊「・・・そうだったわね明日、死刑執行・・・魔王が・・・死ぬ・・・」

魔王「そうさ、これで世界が平和になって終わりさ、悪は滅びる・・・それが運命さ」

盗賊「ちょ、ちょっと待ってよ！！魔王が・・・そんなの・・・ダメだめよ！！！」

魔王「・・・しかたないよ」

盗賊「しかたなくなんかない！！！！！」

魔王「・・・行けよ、言いたいことは言ったし、もう俺には構うな・・・」

ガチャッ、キィー

魔王「・・・お前・・・」

盗賊「諦めちゃダメだめよ！！勇者から逃げきってやるんでしょ、さぁ、ほら、早く逃げよう」

魔王「・・・もう無理だよ・・・」

盗賊「なにが？」

魔王「術をかけた勇者を倒さないと魔力が戻らないんだよ・・・見ただろ？魔力無いのに勇者に勝てっこないさ・・・」

盗賊「諦めちゃダメだめよ！！あんたなら倒せるわ！！」

魔王「と、盗賊・・・」

盗賊「いけるいける！その前にまず、ここから逃げよ。ほら」

魔王「うん・・・あの、盗賊」

盗賊「なに？」

魔王「・・・その・・・なんだ・・・あ、ありがとう」

盗賊「なっ！・・・借りがあるから助けただけよ！あんたになんか全然気にしてないんだから！」

魔王「気にしてないのに助けに？」

盗賊「・・・バカ！知らない知らない知らない！」（ﾊﾞｼﾊﾞｼﾊﾞｼｯ）

魔王「いてててて・・・な、なんだよ！？」

盗賊「・・・私も大罪者になったんだから責任とってもらうわよ魔王様」

魔王「お。おう！？」

盗賊「・・・じゃ、はやく逃げよ！」

魔王「そうだな、勇者から逃げなければ・・・」

前回の放置から一週間、そろそろ来るのか？

数ヶ月後....

ﾄｺﾄｺﾄｺ......

盗賊「ねぇ、どこ向かってるの？」

魔王「魔法の国だ」

盗賊「え？魔法の国？なんで？」

魔王「・・・魔法の国に勇者を倒す手がかりがあるかもしれんと思ってな」

盗賊「ふ～ん、でも、魔法の国って半年前に機械の国と戦争してたんでしょ？大丈夫なの？」

魔王「え？戦争！？」

ｷﾀｰ

盗賊「そうよ、戦争してたんだから、最後は勇者が戦争をおさめたらしいけど、今はボロボロよ」

魔王「・・・う～ん」

盗賊「だからそんな国行かずに別のところへ・・・」

魔王「まぁまぁ、この森を抜けると魔法の国だからとりあえず行くか・・・」

盗賊「あ！何か落ちてるよ？」

魔王「ん・・・おい！？これ生首だ！」

盗賊「きゃぁぁぁぁ！！！」

機士「ﾋﾟｰﾝ､ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ、た・・・たすけ・・・」

魔王「何かしゃべってるぞ？」

盗賊「そ、そんなのどうでもいいから逃げよう」

機士「たす・・・けて」

魔王「たすけて？お前しゃべれるのか？」

機士「はい・・・」

魔王「ん？機械か・・・しかし、首だけだけどよくできてるな」

盗賊「きゃ！こっちに手足がある！？」

魔王「バラバラになってるのか・・・ん～」

機士「・・・僕・・・つよく・・・な・・・りた・・・い・・・つよく・・・ぐぐ」

魔王「強く・・・なりたいだって？」

機士「・・う・・しゃ・・・より・・・つよく・・・つよく・・・」

盗賊「き、気持悪い・・・もういいでしょ」

魔王「そうかそうか、お前を治して強くしてやる。その代わり俺の家来になれ」

機士「・・・」（ｺｸｺｸ）

魔王「よし、早速こいつを魔法の国で治すか」

盗賊「え～そんな気持ち悪いのが役に立つの？あとなぜ魔法の国？？？あんた捕まるでしょ？」

魔王「これがある」（ﾊﾞｻｯ）[フードを被る]

盗賊「はぁ・・・」

魔王「しかもこの機械に魔法の力で治したら機械と魔力の融合で強くなりそうだな。これで勇者も倒せるぞ！」

盗賊「ふ～ん」

魔王「そうと決まれば盗賊、落ちてる部品拾って魔法の国で治しに行くぞ」

盗賊「嫌よ。気持ち悪い・・・じゃ、先いってるから」

魔王「ちょ、ま、待てよ・・・えーとこれが足で、これが手で・・・」（ｶﾞｼｬﾝｯ）

魔王「あ～落とした！一人じゃ持てないって～と、盗賊、頼む～」

盗賊「・・・しかたないわね」

機士「ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ、あ・・・ありが・・・とう・・・」

それから半年後....


盗賊「ねぇ、いつまで勇者から逃げるつもりなの？」

魔王「勇者の寿命が尽きるまでだ」

盗賊「え？ってことは数十年以上？」

魔王「そうなるかもな・・・」

盗賊「そ、そんな・・・私も死んじゃってるじゃない！！！」

魔王「大丈夫さ、お前が死んでも魔機士がいるから」

魔機士「ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ、そうですね、僕も半永久的に生きるんでお供しますよ魔王さん」

魔王「お前は頼りになるな、魔法も使えるし、力もあるし、治したかいがあった」

魔機士「ありがとうございます魔王さん・・・僕は・・・」

魔王「いやまさか魔法の国との戦争の時、お前が兵器として侵略してたから説得すのにだいぶ・・・って盗賊？」

盗賊「・・・」（ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ）

魔王「どうした、盗賊？。お前の墓はずっと見てやるからな、はっはっは」

盗賊「嫌よ！！！」

魔王「な、なんだよ急に！？」

盗賊「私が生きている間に勇者を倒すの！じゃないと嫌！」

魔王「お前見てただろ俺と勇者が戦ったの、魔力無いと難しいって」

盗賊「それでも倒すの！」

魔機士「盗賊さん、感情的ですね」

魔王「そんなに言うんだったらなんか勇者を倒す方法があるのかよ！」

盗賊「う・・・」

魔王「そらみろ！無いだろ！？もう寿命しかないって」

盗賊「うるさいうるさいうるさい！あるったらある！」

魔機士「２人とも落ち着いて、僕も勇者を倒したいんだから」

盗賊「魔機士・・・そうよ！仲間よ！」

魔王「・・・仲間？？？？」

盗賊「勇者を倒したい仲間を集めるのよ」

魔王「あー倒したいやつか・・・そんな奴いるのか？」

盗賊「私や魔機士がそうなんだし、いるよ」

魔王「魔機士はともかくお前は人間だろ？勇者倒す理由があるのか？」

盗賊「う・・・」

魔王「無いのに倒すって大丈夫なのか？」

盗賊「あ、あるったらある！私も勇者のせいで大罪者なんだから！さ、さぁ次の町で仲間を探しにいこう！」（ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ）

魔王「大罪者になったのは自分からだろって、お、おい。なんでそんなに急ぐんだ？おい！？」

魔機士「魔王さんって案外鈍感ですね・・・」

魔王「は？何が？」

魔機士「いや何も・・・」

町にて......

魔王「フードをかぶらないと町に入れないって・・・暑くて嫌だな」

盗賊「しかたないでしょ、あんた魔王なんだから」

魔機士「僕は機械ですから平気ですね」

魔王「しかし、こんなところに勇者倒したいやつなんているのか？」

ガンッ

魔王「ぐぉ」

フード女「あ、ごめんなさい」

パサッ[魔王のフードがとれる]

魔王「あ、やば」（ﾊﾞｯ）[フードを被る]

フード女「あ、あなたはもしかして・・・魔王？」

魔王「お、お、お。。。ひ、ひと、人違いじゃないかな・・・かな」

盗賊「何動揺しているのよ？」

フード女「魔王でしょ？魔王なんでしょ？」

盗賊「ちょ、ちょっと待って、あなた魔王に会いたいの？」

フード女「はい、魔王に・・・魔王に頼みたいことが」

魔機士「魔王さんに頼みたいこと？」

魔王「？」

盗賊「わ、わかった。わかった。だったら町外れに行きましょ、ここじゃちょっとね」

....町外れ

バサッ[魔王、フードを脱ぐ]

魔王「魔王ですが何か？」

フード女「や、やっぱり魔王だ・・・ぅぅ・・・良かった」

盗賊「ど、どうしたの急に？」

フード女「魔王が勇者に追われてると聞いてずっと独りで探してて・・・ぅぅ」

盗賊「そんなに魔王に会いたかったの？どうして？」

フード女「実は私・・・」

バサッ[フード女、フードを脱ぐ]

盗賊「きゃっ」

魔王「うお」

魔機士「・・・その顔・・・あなた大丈夫ですか？」

ゾンビ娘「私は一度死んだ人間・・・そして、今はゾンビの姿・・・。だから私を・・・私を元の人間の姿に戻して欲しいの！」

魔王「元の人間の姿・・・か」

ゾンビ娘「元の姿に戻って王様と勇者を倒したいの！お願い！」

盗賊「王様と勇者を！？」

ゾンビ娘「そうよ、王様には一族を皆殺しにされ・・・勇者には殺され、こんな姿にされ・・・ぅ・・・ぅぅぅ・・・」

盗賊「そうなのね・・・魔王・・・この子戻せるの？」

魔王「無理だな」

ゾンビ娘「な、なんで！？魔王の魔力があれば元に戻ると聞いたのに！？」

魔王「今は事情により魔力が無いのだ」

ゾンビ娘「え・・・じゃあどうすれば・・・？」

魔王「いい考えがあるぞ、ゾンビよ」

ゾンビ娘「な、なに？」

魔王「勇者を倒せば俺の魔力が戻る。だから俺の家来になって勇者を倒しに行こうぜ。そしたらお前を元にもどしてやるよ」

ゾンビ娘「そ、そうなの。わかった。私も一緒に勇者を倒しについて行く」

魔王「おし・・・てかお前は強・・・ん？その腰の刀・・・」

ゾンビ娘「あ、私、元は侍だったので刀の腕には自信があるよ」

盗賊「おお、頼りになるね。じゃあ勇者を倒」

魔王「よし、じゃあ勇者から逃げるか」

盗賊「は？なんでそうなるのよ？戦力増えたんだから倒しに行こうよ」

魔王「俺とお前、戦えるのか？」

盗賊「あ・・・わ、私はほら、ナイフ扱うの得意だし俊敏だし・・・へへ」

魔王「・・・話にならんな」

盗賊「なによ！その言い方！ちょっとぐらいは力になれるわよ！」

魔王「あ！？勇者は魔機士とこのゾンビっ子を倒したやつだぞ！こんな戦力じゃまだ戦えるか！」

盗賊「あ、そう！で、何？勇者の寿命まで逃げ切るつもりなの！？この弱虫魔王！」

魔王「あんだと！逃げ切るなんて言ってないだろ！この能無し盗賊！」

盗賊「言ったじゃない！だいたいあんたね・・・(ガミガミ・・・)」

魔王「うるさーい！お前の声は前から・・・(ガミガミ・・・)」

ゾンビ娘「喧嘩・・・このパーティで勇者を倒せるのか心配だわ・・・」

魔機士「まぁまぁ、いつものことですし大丈夫ですよ」

ゾンビ娘「そうですか・・・」

魔機士「何はともあれ、これからよろしくですゾンビ娘さん」

ゾンビ娘「あ、よ、よろしくです。えーと、魔機士さん？」

魔機士「はい、魔機士です。一緒に勇者倒しましょうね」

ゾンビ娘「は、はい」

盗賊「(ガミガミ・・・)」

魔王「(ガミガミ・・・)」

数日後.....

勇者「はぁはぁ・・・魔王はっと・・・近いぞ・・・」

僧侶「勇者って最近、息荒いよね。疲れてるの？」

勇者「え？あ、ああ。でも大丈夫さ」

僧侶「本当に？？？」

勇者「大丈夫、大丈夫。さ、魔王を倒しに行くぞ、この道をまっすぐだ」

戦士「おー」（ﾄｺﾄｺﾄｺ）

僧侶「おー」（ﾄｺﾄｺﾄｺ）

魔法使い「・・・」

勇者「どうした魔法使い？」

魔法使い「思ったのですが、あの魔王の魔力を無くした術・・・もしかして」(ﾎﾞｿﾎﾞｿ)

勇者「！。魔法使い・・・俺は大丈夫だ。気にするな」（ﾎﾞｿﾎﾞｿ）

魔法使い「で、でも・・・」（ﾎﾞｿﾎﾞｿ）

勇者「大丈夫だ！」（ﾎﾞｿﾎﾞｿ）

僧侶「おーい２人共！早く早く。」

勇者「お、おう」

魔法使い「は、はい」

......

魔王「なんか嫌な予感がするなぁ～」

盗賊「なによ急に？」

魔王「なんだろな～」

ゾンビ娘「勇者が現れたりして」

盗賊「まさか？勇者の情報はこの辺で聞かなかったし・・・そんなことは・・・」

ザッ

勇者「あ！魔王！ついに見つけたぞ」

魔王「ゆ、ゆ、勇者！？なぜ？」

勇者「お前の行動はこのペンダントでわかるからな、ここに来るとわかって、待ち伏せしてたのだよ」

魔王「くそ！またペンダントか！」

勇者「今度は逃さないぞ！覚悟」（ｼｭｯ）

キンッ

ゾンビ娘「ふふふ、久しぶりですね勇者」

勇者「な！俺の剣を止めるとはお前は誰だ！？」

ゾンビ娘「私は勇者に倒された者だ！だから今度は勇者を倒す！覚悟！」

勇者「くっ」

キンッ、ズサァァァァ.....

勇者「これほどの太刀筋で刀が武器・・・まさかお前・・・侍娘！？」

ゾンビ娘「そうよ！」

勇者「侍娘・・・その姿はいったい・・・」

ゾンビ娘「あなたに殺されたてゾンビになったのよ！だから勇者を殺す！こんな醜い姿に・・・ぐっぅ、そして王も殺す！はぁぁぁぁ、あ！」（ｼｭﾝｯ）

しえん

勇者「ま、待て侍娘」

シュパァァァッ、キィィィィンッ

戦士「くっ」

ゾンビ娘「わ、私の無音殺を止めるとは・・・前は私に負けていたくせに・・・」

戦士「甘いな・・・昔と比べて俺はレベル上がったからな」

勇者「戦士！」

戦士「ここは俺に任せな」

ゾンビ娘「なに！お前も倒す！」

戦士「来てみやがれ！」

勇者「お、おい戦士・・・」

バッ

勇者「おおっと・・・！なんだ！？」

魔機士「僕の攻撃を避けるとはさすが勇者さん」

勇者「お、お前は・・・機士！？」

魔機士「僕は覚えてくれてたんですね」

勇者「覚えるもなにもお前は・・・自爆して壊れたはずじゃ・・・」

魔機士「ふっ、魔王さんに直してもらったんですよ強くなってあなたを倒すためにね」

勇者「魔王が・・・か？」

魔機士「ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ、さぁ覚悟してください。今度の僕は昔とは違う、だから、ハァア！」

シュボンッ！

勇者「ぐ、・・・なっ魔法！？」

魔機士「どうです？そしてこの魔法を体内に留めることも、アアアアァァァァ」

僧侶「か、体が赤色に！？」

魔法使い「体内に炎系の魔力を蓄積させてますわ」

魔機士「ふ～、これが魔法と機械が融合した力・・・さぁ行きますよ！」（ﾀﾞｯ・・・）

魔法使い「炎だったら水ならどう？ハーッア！」（プシュー）

魔機士「くっ」（シュュュュ.....）

勇者「とう！」（バッ）

ギャシャァァァァンッ

魔機士「腕が・・・さすが勇者さん・・・水で冷えた箇所を上手く狙うとは・・・だが」（ボウッ！）

勇者「く、体から炎が・・・」

僧侶「ゆ、勇者！？」

勇者「あちちち・・・マントが燃えたか・・・厄介だなあいつは・・・魔法使い援護を頼む」

魔法使い「はい」

.....

盗賊「私たちも行くわよ魔王」

魔王「・・・」

盗賊「魔王！」

魔王「・・・行ってどうするんだよ？俺たちじゃ役たたねーよ」

盗賊「あ、あんた！みんな戦ってるのよ！」

魔王「見ろよ！勇者たちは確実にレベルアップして昔より強いじゃないか！？無理だよ。逃げよう。キメラのつばさ、はよ」

盗賊「（ムカ！）」（怒）

ゾンビ娘「ああっ！」（ズサァァァァッ）

盗賊「ゾンビちゃん！？」

僧侶「や、やった。私が倒しちゃった？」

ゾンビ娘「な・・・なんだ今の魔法は・・・ゾンビなのに効くはずが・・・く・・・」

戦士「やっぱり・・・剣でさしても倒れないわけだ。でも、ゾンビなら回復魔法が弱いと思ったんだよ。」

ゾンビ娘「か・・・回復・・・魔法？」

僧侶「まさか私の攻撃が効くなんて・・・行くわよ！」

魔機士「ぐあっ！」（ズサァァァァッ）

魔王「魔機士！？」

勇者「まだまだだな、魔力を溜めれるのはお前だけじゃない。俺の剣にも溜めれるんだよ。忘れたのか？」

魔機士「なんで？なんでそれだけでその剣は攻撃が通るの？」

魔法使い「私があなたの魔法を打ち消してるからですわ」

魔機士「そんな・・・そんなことが・・・」

魔機士「くっ・・・」

勇者「さぁ、終わりだ・・・魔王！」

魔王「うっ・・・」

勇者「お前たちの敗因は連携不足だな・・・終わりだ！」（シュッ）

盗賊「キメラのつばさ！」

プア～ン・・・シュンッ

勇者「な？」

魔法使い「キメラのつばさを使われてしまいましたね」

僧侶「もうちょっとだったのに～」

戦士「あいつらどこへ・・・」

勇者「ちょっと待て、今ペンダントで・・・」

僧侶「ねーねー、こっちもキメラのつばさ使おうよ。そしたら追い詰めるよね？」

魔法使い「僧侶・・・キメラのつばさは希少価値で高級品なのでそんなの持ってるわけ・・・いえ、持てないですわ」

勇者「ふっふっふ・・・魔法使いよ、そうでもないんだよ」

魔法使い「どうしたのです？」

勇者「キメラのつばさ以外で町に行ける方法があるのだよ」

魔法使い「なんですって！？」

僧侶「え？本当に！？」

戦士「ま、マジで！？」

勇者「とりあえず、まずはペンダントで魔王の位置を・・・あの町にいるな、よし」

どこかの町にて......

魔王「ふ～助かった。どこの町か知らないが、とりあえず逃げるぞ」

魔機士「・・・」

ゾンビ娘「・・・」

魔王「おい、どうした？逃げるぞ？」

盗賊「！」

バシーンッ

魔王「ぐあ！？・・・な、なんだよ？」

盗賊「最っっっっっ低！！！」

魔王「は？」

盗賊「は？って！わからないの！あんたってやつは！！！」

ゾンビ娘「まぁまぁ、盗賊さん落ち着いて」

盗賊「お、落ち着いてられないわ！」

魔機士「勇者さん達は実際、強かったですし・・・」

ゾンビ娘「確かに・・・」

シュアアアーン・・・

勇者「いたな、魔王」

魔王「な！勇者！？」

盗賊「え？」

ゾンビ娘「勇者達もキメラのつばさを？」

勇者「俺達は魔王だけを倒しにきただけだ他の者には危害は加えない、襲ってくるなら別だけどな」

魔機士「くっ、ここは僕が・・・」

盗賊「待って」

魔機士「どうしました？」

盗賊「傷ついてるのに戦うのは無茶よ」

魔機士「それでも僕は戦うよ。ハッ」（ﾋﾞﾘｯﾋﾞﾘﾘｯ）

魔法使い「全身が黄色に・・・雷系の魔法を体内に貯めてますね。では土系の魔法で・・・」

勇者「土系だな、ハッ」（ﾊﾞﾘｯﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ）

魔機士「くっ・・・」

ゾンビ娘「私も」

僧侶「ん？回復魔法放っちゃうよ？んん？？？」

ゾンビ娘「うっ・・・」

勇者「覚悟しろ！それ」（ｼｭﾝｯ）

盗賊「・・・え～い！ルーラ！！！」

シュパァァァッ・・・

勇者「な！？俺しか使えないルーラをなぜあの子が・・・？」

魔法使い「驚きですわね」

戦士「勇者以外も使えるんじゃねーの？」

勇者「そんなはずは・・・俺だけのはず・・・しかも、最近知って覚えたばっかのに・・・なぜ？」

僧侶「そんなことより、またペンダントで魔王を追おうよ」

勇者「・・・そうだな。今度は・・・ここだな、ルーラ！」

シュパァァァッ・・・

どこかの町にて....

魔機士「なんとか助かりましたね」

盗賊「はぁはぁ・・・」

魔王「おい、盗賊大丈夫か！？」

盗賊「ふ・・・ふん。情けない・・・あんたなんかに心配されたくな・・・」（ｶﾞｸｯ）

魔王「盗賊！？」（ｶﾞｼｯ）

ゾンビ娘「まさかキメラのつばさ以外で町に行ける術があるとは驚きでね」

魔機士「じゃあ、勇者さん達もこの術で来るんじゃ・・・？」