王様「勇者が死んだらしいな」 (4)
伯爵「その様で」
王様「魔王に辿り着く事なく、若き命を散らすとは……」
王様「……」
伯爵「して、どうされるのかな」
側近「勇者が敗北した以上、我々に残されたのは当初の計画を通す事でしょう」
伯爵「ほう」
王様「魔王、そして四天王含めた軍を我が城へ招く」
王様「……そして、一夜にして魔王軍は我が城で永久の眠りへと堕ちるのだ」
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◇◇城下町◇◇
僧侶「き、聞きましたか!? お城に三日後、魔王軍を招き入れるって……」
賢者「ええ……ですが、勇者様が私達を庇って死んだとはいえ、まだ負けてはいないのに何故……!」
戦士「王様に直接会いに行こうぜ! 」
賢者「はい!」
僧侶「あ、でも……?」
戦士「なんだよ」
僧侶「盗賊さんは何処に行ったんですか?」
武「ククク、だが奴は一番の小物」
僧「最強たる我らの一角をなすには荷が重すぎたようだな」
魔「我らパーティの恥さらしよ」
とか言い出すのかと思ったがそんなことはなかったぜ
◇◇王城・エントランスホール◇◇
盗賊「……全く、末恐ろしい」
王様「どうかね? 恐らく『盗賊』という職業の中では君がトップだと思うのだが」
盗賊「そのトップでもアンタの所には辿り着けんよ……私でさえ不可能だ」
王様「ふむ」
< ザッ……
王様「彼は不可能だ、と言っているが」
伯爵「ほう」
伯爵「では手緩いという解釈をさせて貰うとしよう、後で調整はしておく」
盗賊「……本気なのか、アンタら」
王様「我々王家も本気を出すという訳だよ」
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