魔王「ｾﾞｪ…ｾﾞｪ…」ﾊｧﾊｧ

側近「大きな声を出したので疲れましたか？」

魔王「いや、あのさ。俺さマジ魔王とか嫌なんだけど」

側近「ほぅ。とても名誉な事ですよ」ﾆｺｯ

魔王「名誉じゃねえよおおお！！！」

側近「＾＾」

魔王「こわいよおおおおお！！お前えええ！！」

側近「さて、初魔王のお仕事です」

魔王「ねえ、嫌なんですよ本当に」

側近「まずは、こちらの

魔王「聞けよテメえええええ！！！」

三人の人肉を食べていただきましょうか」ﾆｺｯ

老人「うぅ…」ﾖﾎﾞﾖﾎﾞ

おばはん「家には亭主と息子がいるというのに…」うっうっ…

dqn「離せ！このおお！！」

落ち着きのない魔王だな

魔王「鬱いよおおおお！！何か鬱いよおおおお！！」

側近「鬱い？」

魔王「嫌だよ。こんなの…食いたくねぇよおお…」

側近「喰って下さいよ。魔王様」ﾆﾔﾆﾔ

魔王「…ｿｳﾀﾞ…ええい！魔王命令だ！この者達を解放しろ！」ﾄﾞﾝｯ

三人「！？」

側近「…正気ですか？」

魔王「無理なら俺は魔王を止める！」ﾄﾞﾝｯ

側近「……ほぅ…」ﾁｬｷｯ

魔王「ん？」

『側近は目にも止まらぬ早業をはなった！』▼

『魔王に合計360のダメージを与えた！』▼

『魔王は辛い表情をしている！』

魔王「おま…ｹﾞﾎｯ…ｺﾞﾎｯ…何の…つもり…だ？…」

側近「さあ！あの者達を召し上がってください！！」ﾊﾞｯ

魔王「うぐっ…ﾊｧ…貴様ァ…」

側近は不気味に笑っていた。目の奥には恐ろしい殺気がある。

そうだ。俺は魔王なんだ。親父も祖父も皆…魔王だった。
だけど俺は嫌だった。周りからはガキの頃から素晴らしい
親の元に産まれたと言われてきたが…毎日毎日、人間の喰われる所を見るのは辛かった。
奴隷も沢山いた。毎日血まみれになりながら働かされていた。
見ていて辛かった。どうにかしたかった。でも無理だった。
俺は親父が死んでから魔王に嫌だけどならされた。
奴隷の人間が毎日、俺の通る度に頭を地面に擦り付ける。
何なんだよ。普通にしてくれよ。そう思っていた。
そして、そういう思いは他の魔物に魔王になる前からばれていて
俺は変態という陰口を叩かれまくっていた。

側近「どうされました？」

魔王「貴様…」

側近「良い事を教えてあげましょう」

魔王「な、なんだ？」

側近「実はこの人間達は我々の祖先を食料や家畜としていたのです」

魔王「なっ！？」

側近「それを聞いてもまだ人間を食べれないのですか？」

魔王「それは本当なのか…？」

側近「えぇ。それに今でも一部の魔物に進化出来なかった
動物たちは人間の家畜となっているのですよ」ﾆﾔｯ

魔王「…」ﾁﾗｯ

老人「……」

おばはん「……」

側近「だから魔王様…別にこの人間を食する行為は何ら
罪悪感を持たなくて良いのです。だから美味しく召し上がり下さい」

期待

おばはん「い、嫌！やめて下さい！」

側近「ふふ。いくら喚いても無駄ですよ。哀れなる者共よ…」

dqn「やめろ！コノヤロー！！」ｶﾞﾝｯ

魔物a「……」ｽﾞｯ

側近「そこの暴れるガキは殺しても構いません」ﾆﾔﾆﾔ

魔物a「……了解しました」

『魔物aはメラゾーマを唱えた！』▼

『dqnは燃え盛る炎の中で力尽きた！』

魔王「おい…貴様あああ！」ｶﾞｼｯ

側近「人間達もかつて暴れる動物は殺してましたよ？」

魔王「……くっ…」

側近「我々はただ、彼らと同じ事をしているだけなのです」

魔王「……」

側近「どうです？何も言い返せないでしょう」

側近「貴方もそろそろ素直になられてはどうですか？」

側近「……まぁ、人間の血を引いてる以上難しいでしょうがね」ｸｸｯ

魔王「……」

老人「ま、魔王さんよ！…あんた…人間の気持ちが…分かるのか！？」

魔物a「魔王様に口を聞くとは、何様のつもりだ？」ガンッ

老人「うわぁぁ……！！」ﾄﾞｻｯ

側近「やめなさい。その老人は経験値が多いから殺してはなりません」

魔物a「はっ！申し訳ございませんでした！！」ｻﾞｻﾞｯ

魔王「まるで商品だな…」

側近「何を言われます？商品と呼ぶ価値もないですよ」

魔王「本当に人間はここまで酷かったのか？」

側近「ええ。ミンチにされた種族もいましたね」

魔王「そうか…なら、一つ聞くが」

側近「はい？」

魔王「何故、私は今この光景を見て非常に悲しくなるのだ」

側近「人間というものは自分の種族の死には悲しみますが
他種族がどれだけ死のうと何ら感じないのです」

魔王「そうは思えないな…」ﾎﾞｿｯ

側近「古代の歴史書にはそう記されておりました」

魔王「その歴史書は誰が書いた？」

側近「教えて欲しいですか？」

魔王「一応聞いてはおきたい」

老人「やめろ…やめとくれ…」

側近「人間ですよ」

おばはん「あぁ！！」

魔王「そうか」

魔王「聞くだけの事は聞いた。俺はこの城から出ていく」

側近「はい？」

魔王「人間が過去どういう生物だったのかについて
俺はずっと疑問に思っていたからな。」

側近「それで？あなたは、どう思ったのですか？」

魔王「それは後にお前と戦う時に言おうと思っている」

側近「私と戦う？どういう意味ですかねそれは」

魔王「俺はいずれ人間の勇者として後の魔王となるお前と戦うだろう
ただ、それだけの事だ。それでは今度は敵として会おうか…」

側近「……『城中の魔物よすぐに魔王様を捕まえ
睡眠薬を飲ませよ。後に私が奴を洗脳させる』……」

魔王「悪いが聞こえていたぞ」

側近「聞こえていたら、どうなるのです？」

魔王「瞬時に城から脱出させていただこうか」

側近「どうやって？」

魔王(老人と女、私に捕まれ…)

二人(え、ええ…)ｶﾞｼｯ

魔王「リレミト」ﾌﾞｩｩｩﾝ　ﾊﾟｯ!!

魔王がある呪文を唱えた瞬間、側近達の目の前から
魔王を含む三人の姿が消えた。側近達は呆気にとられた。

魔物a「い、今のは！？」

側近「脱出呪文か何かであろう…しかし戦闘呪文以外の
呪文を覚えているとは…やはり奴は魔王にふさわしくないな」

魔物a「どうされますか？」

側近「まだ近くにいる筈だ。城の外を魔物に探させよ」

魔物a「はっ！今すぐ放送をかけます」ﾊﾞｯ

魔物a『城中の魔物よ。魔王は城の外に出た。人間も一緒だ。
すぐに捕まえ奴を側近様の前にひれ伏させよ』


魔物b「外か…」

ドラゴン「さっさと捕まえねばならぬな」

ゴースト「ったく…前から怪しいとは思ってたけどさ」

がいこつ「まだ、そう遠くには行ってないだろう」

ゴースト「ほら、どこですか～(笑)」

魔王「ここだ。ゴーストよ…」

ゴースト「！？」

魔王「悪いが周辺の魔物含めて消えてもらおう…」

ゴースト「み、みんな！ここに魔王がいたあああ！！」

魔王「…悪く思わないでくれ…」

『魔王はかがやく息を吐いた！』▼

『周辺の魔物全てを倒した！』

老人「さすがじゃの…」

おばはん「やっぱり…強い…」

魔王「人間よ。少しばかり恐怖させるが良いか？」

老人「……何か分からんが仕方あるまい…」

おばはん「良いですよ…もう私たちに怖いものなんて」

魔王「そうか…有難い…それでは行くぞ…」ｸﾞｯ

魔王「ルーラ」ﾊﾟｯ　ﾄﾞﾋﾟｭｩｩﾝｯ!!

老人「そ、空を…」ｺﾞｫｫｫｫ

おばはん「と、飛んでる！！」ｺﾞｫｫｫｫ

魔王によって人間二人は元々いた村へと戻っていった。
そして魔王は完全に人間側になった。
後に魔王は辺境の村へ行き、そこで作戦を練りながら
暮らしていた。村民も最初は警戒していたが
徐々に打ち解けていった。現在はたまに攻めいる
魔物を退治する役目もこなしており魔王というイメージが
完全に消えつつあった。魔王により守られた村は小さいが
とても平和に暮らしていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

【ある日】

バタンッ

子供「魔王様！魔王様に用があるって人が来たよ！」

いいよいいよ

魔王「私に用だと？」

子供「うん！綺麗な女の人だったよ！」

魔王(人間が…ということか…)「おうそうか…わざわざありがとう」

子供「うぇひひひ」

魔王「あなたは何者かな？」

少女「ｸｽｯ…古臭い訪ね方をされますね…私は…」

少女「魔法使い…とでも言いましょうか？」ﾆｺｯ

○序章『魔王の脱出』　完

魔王(魔法使いか…これは強力な戦力…いや…彼女が
私と戦ってくれると言いに来た訳ではないだろう…)

少女「ふふ」

魔王「どうされたかな？」

少女「いいですよ。魔王さんと共に戦うのも」

魔王「！？」ﾅｯ

少女「あ。すいません…私、相手の考えている事が分かるんです」

魔王「なんと・・・」(人間にもそのような能力者が・・・)

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿

その後、彼女を自分が村長から借りている家へ招き
話をすることにした。そして彼女の生い立ちから目的などを聞いた。
また彼女は正直悪いが小汚い服を着ていた為
家に入る前に綺麗な服を買ってやった。幸運にも喜んでくれたようだ。

少女「魔王様…優しいんですね。本当にこれまでの
魔王とイメージが全然違います。人間に近いというか…」

魔王「まあ、実際に人間の血も引いているらしいしな」ｽﾞｽﾞｯ

この少女は魔法使いが多い大都市にて生まれた。
しかし魔王軍により占領されていたため自由に
呪文を覚える事も出来なかったと言われている。

しかし私が魔王城から脱出した時に占領していたbossと
その部下の魔物達も一時、魔王城へと帰還した。
その隙に、占領下から抜け出し自力で魔法を覚えたと言う。

ただ親や兄弟を占領地区に置いたまま出ていったのが
酷く心残りなのだとか。早いうちに私もそこへ向かおうと思った。

少女「しかし、こうなったのも元々は人間のせいなんですよね…」

魔王「ほう。色々と知っているようだな」

少女「私は母から聞きました。かつて数万年もの昔は
人間が全ての生物を支配していた時代があったって」

魔王「うむ…」ｽﾞｽﾞｰｯ

少女「結局は自業自得なんですよね」

魔王「そういう見方は出来るな…」

少女「でも！聞いてください！」ﾊﾞﾝｯ

魔王「ど、どうした…」

少女「かつて私たち人間が支配していた頃は
その支配されていた動物たちは喋る知能すら無かったらしいんです！」

この変態大魔王め！！

魔王「その情報はどこで？」

少女「この本です」

少女が出したのはボロボロになり一部腐敗した本だった。
中には人間が書いたと思われる様々な事が記されていた。

魔王「こんなものを…どこで手に入れた…」

少女「我々の都市の地下最深部にある一室にありました」

魔王「盗んだのか？」

少女「誰も使わないし、いいかなと思ったので。はい…」

これは新しいな
支援

魔王「これによる記載によると…元々高度な文明を
人間は築いていたが、一部の動物が知性を持ちだし
次第に人間を圧倒していったと…要約するとこうか？」

少女「はい…しかしもう少し先の…ここを読んで下さい」

魔王「最終的にこの世界を滅ぼしたのは我々人間である…!?
世界中にて資源を求める戦争が起こった。しかしもう
この地球上には資源はほとんど無くなっていた。
多数の動植物は死に数百万人まで減った人間達は
今度こそ平和な世界を築きあげようと必死に努力した…
だがしかし、進化し続けていたある種族により人間は
ほとんどが消されてしまった。後の子孫よ…これを読んでいる者よ
いつか奴らの動きを止めてくれ。世界を正しい道へ…」

魔王「ここで終わっているな」

少女「これを書いた者は呪文を初めて生み出した者です。
多分、我々人間が魔物に何とか抵抗出来るように作ったのです…
この本と一緒に…」

魔王「しかし逆に我々魔物にも利用されたと言う訳か」

少女「はい」

魔王「正直、私は魔物と人間では、どちらが悪いとは
言う事は出来ない。だが、今の現状が良い訳はない。
何とかして我々魔物と人間が共存出来る世界を作りたい」

少女「魔王さん…何か魔の王って呼ぶのも失礼に思えて来ました」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
魔王「長く話したな。今日はここで寝ていくと良い」

少女「え…ぁ…その…」///

魔王「どうした？他に寝床もないだろう？まあ、嫌なら…

少女「え…あ…全然嫌じゃないです！た、ただ…その…」///

魔王「？」

少女「あんまり変な事はしないでくださいよ？」/// ｼﾞｰｯ

魔王「」

魔王「安心しろ。人間の女に変な感情など抱かん…(と思う)」

少女「そ、そうですよね！…お休みなさい…」zzz

魔王「寝るのが、かなり早いな。よっぽど疲れてたのか」

少女「ｽｰｯ…ｽｰｯ…」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

魔王「そうか。久しぶりなんだな。安心して寝るのは。
占領下から逃れて来たのだものな。ぐっくり寝ると良い」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

【翌朝】

バタンッ

子供「魔王様ぁ！綺麗な女の人ぉ！おはよう！！」ﾆｺｰｯ

魔王「ああ。今日も元気だな」ﾖｯ

子供「うぇひひひ」

少女「ｽｰｯ…ｽｰｯ…」zzz

子供「あれぇ？まだ寝てるよ寝坊だあ！！」

魔王「この女の人はな。疲れてるんだよ。休ませてやれ」

子供「えぇ！僕この人と遊びたい」

魔王「だから疲れてるんだよ。それより言う事聞かないと…」ｺﾞｺﾞｺﾞ

子供「ご、ごめんなさーい！！」ﾄﾞﾋﾟｭｰｰｯ!!!

魔王「ふふっ」

少女「ん？う～ん…ぷわぁ…久しぶりに寝たぁ～」ｳｰﾝ

魔王「おぉ。目を覚ましたか…」

少女「あ。おはようございます！」

魔王「おはよう」

少女「今日はどこか行かれるんですか？」

魔王「いや、君をな。村長さんに紹介しようと思って」

少女「え？」

魔王「少しの間はここにいるのだろう？なら紹介しとかなくてはな
後々面倒なことになるし…」

少女「あの…」

魔王「なんだ？」

少女「い、いえ…何でもないです」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
【村長宅】

村長「昨日の夜に魔王から電話で聞いたが綺麗な娘じゃないか。
どうだ？何ならわしの娘にならんかい？…なんてなワッハッハ！」

魔王「村長…残念な者に見えますよ」

少女「wwwwwwふぅ…ﾊｧ…ふぅ…ぷふっwwww」

その後、彼女には村長から一軒家を頂いていた。
村の子供と遊んだり、時には私と村を魔物から守ったりして
平和な一時を過ごしていた。だが…

【少女が来て3ヵ月後】

子供「魔王様ぁ！お姉ちゃん！大変だよ！魔物の軍勢が…」ｶﾞｸｶﾞｸ

魔王「な、なんだと…ついに嗅ぎ付けたか側近め…」

少女「魔王さん…精一杯戦いましょう！！」

村人「わ、わしらも戦うで！魔王さんらや！！」ﾄﾞｯ

魔物a「これはこれは元魔王様。みっともない姿に
なられましたな。せっかくの力が泣いてますぞ」

魔王「ふん。ただ単に復讐の概念しか持たん貴様らには
何を言われても何も感じないな」

魔物a「くっくっくっ…実はあの後…私幹部になったんですよ。
今では毎日、何人もの人間の肉を喰らってますよククッ…」

村人「ひ、ひぃぃ！！」

魔王(軍勢は1000人か…流石に私一人じゃ難しいな…)

魔王(1ターンの行動で何体を倒せるか…それが勝敗を決めるか…)

少女「魔王様…禁断の呪文も…今なら宜しいのでは？」

魔王「…村への被害も多少はあるが…しかしこの数だしな…」

少女「仕方ないでしょう…これだけの敵を前にしたら…」

魔王「わかった。但しそれまではなるべくmpを使わず戦え…」

魔王(人間にはmpに制限があるからな…大変なことだ…)

少女「分かりました…」ｽﾞｯ

魔物a(幹部)「ふっふっ…さあ行け！！」ドッ

その後、我々2人と魔物の軍勢1000体による戦いが始まった。
村人には避難してもらった。流石にこの数だと足手まといだろう。
ただ神父だけには残ってもらった。神父は並外れたmpを
持ち合わせておるので回復魔法で我々をサポートしてくれた。

終始こちらが優勢であり、敵の数も著しく減っていった。
そしてとうとう敵も幹部を残して全員倒された。

幹部「やれやれ。酷い事ですな…この魔物達も
どういう思いで死んでいったか…ふぅ……」

幹部「悪いですが、元魔王様…私は今でもあなたに少しでも
我々魔物の心が残っていると信じておりました。
＿＿＿＿＿＿しかし今回の件であなたの処刑を決定しました」

魔王「やれる者ならやってみろ」

神父「あの…魔王様…」ｵﾛｵﾛ

魔王「どうした神父よ…」

神父「神はこの戦いには何の意味もないと判断されました。
よって私の戦闘参加は不可能となりました……」

魔王「な、どういう事だ！！」

神父「ちなみにもしここで私が戦闘に参加すれば私は
神に逆らった事になり、全てのmpを失い回復呪文も忘れます」

幹部「くっくっ…これは致命的なのではないです？」

見てる人がおられるか分かりませんが一旦休憩します。
遅くとも夜中には再開する予定です。

見てる支援

夕飯までの数十分書きます。

訂正:>>44
魔王「やれる者なら」×
　　「やれるものなら」○