最終回前にとっとと投下するしかねえ
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男「マジかー、俺とうとう勇者になっちまったかー、マジかー」
大赦「おめでとうございます。大赦一同、貴方のことを誇らしげに思います」
男「げってなんですか、そこ誇りに思うでいいでしょ」
大赦「……まあまあまあまぁ」
大赦(こいつ、人の目を見て話せないタイプの人間か…)
男「それにしても、勇者か……てっきり俺そういうのは清らかな乙女、まあ有り体に言えば"処女"がやるもんだと思ってたけど…」
大赦「そこは乙女って言いなー」
男「何でまたどうして、俺みたいな男のところに大赦の人が」
大赦「まああれですよ、これは大赦が独自に入手した記録映像なんですが」
男「ふむ」
ピッ
美森『ごめんね友奈ちゃん、いつも車椅子押してもらって…』
友奈『気にしなくていいんだよ東郷さん!だってここが私の定位置なんだから、ね?』
美森『……友奈ちゃん』
友奈『東郷さん…』
男「……これって盗撮じゃ」
大赦「見てくださいこの微笑ましい光景を、あなたはこの子たちに戦わせるなんてことできますか?」
男「いや出来ない、それは無理だわ」
大赦「そうでしょう?だからこそ、私達大赦も技術を結集させて、貴方のような包茎童貞ニートでも勇者になれるようシステムを改良したんですよ」
男「なるほどな……悔しいけどたしかに童貞ってとこだけは認めるわ」
男「でも俺は包茎ではないからな、そこ間違えんじゃねえぞ?いいか分かったな」
大赦「どうせ仮性でしたってオチでしょ?」
男「まあな」ヘヘン
大赦「ではこちらが、勇者の方に送られる特別なスマホです」
男「おっ」
大赦「くれぐれも容量いっぱいまでエロ画像を保存したり、ブックマークをエロサイトでいっぱいにとかしないでくださいよ」
男「分かってるよ、そんなこと言われなくても(ちゃんと履歴消しとけば大丈夫だろ)」
大赦「では、これで貴方は正式な勇者になりました。今後は神樹様を守るために十二体の"バーテックス"の侵攻を阻止してください」
大赦「勇者として」
男「おk
?「納得いかないわ!そんなこと!」
男「!…誰だ!?」
大赦「ああ、この子は三好夏凛…大赦の方で預かっていた元勇者候補の子でして」
夏凛「ふんっ」
男「なるほど、それで?一体何が納得いなかいんだ?」
夏凛「どう考えても納得いかないでしょうよ!どうして私が勇者になれなくて、こんなださい男が勇者になるのよ!」
夏凛「私が今までどれだけ勇者になるために来る日も来る日も研鑽を重ねてきたか……それなのに!」
夏凛(だいたいコイツ、なんでこっちの目を見て話さないのかしら…)
男(……そうか、この子は)
大赦「……三好さん、三好夏凛さん」
夏凛「…何?」
大赦「確かに、貴方は勇者にはなれません……ですか、それよりももっと大事な仕事が貴方にはあるのですよ」
夏凛「……え?私、に?…それって」
大赦「讃州中学へ転入し、そこで勇者部という部活に入ってください、それが…貴方に与えられた、貴方にしか出来ない任務です」
夏凛「私にしか、できない……?」
大赦「そうです」
夏凛「……わ、分かったわよ…なんだかよく分からないけど、私にしか出来ないのなら…してあげても、いいわ」
大赦(ちょろい…)
大赦「ではこちらに、必要な書類と…住まいも手配してあるので今度からそこで生活するように」
大赦「あと、友達を呼んでもいいけどあまり夜は騒ぎすぎないようにするのですよ」
夏凛「はんっ、友達なんて必要ないわ!そんなのいなくなって任務の一つ軽くこなしてみせるってーの」ニボシムシャムシャ
大赦「期待してます、三好夏凛さん」
男「……行ったか」
大赦「ええ、それより……気づきましたか?」
男「ああ……あの娘、なんというツンの切れ具合、恐ろしいまでの総受け体質だ」
大赦「大赦としてもあの子には早くから目をつけていましてね、いつ総受けさせてやろうかと大赦一同、心待ちにしておりました」ハァハァ
男(こいつ、にぼし総受け派……つまり姉妹百合派である俺とは相容れぬということか)
大赦「…こほん……では男さん、敵襲来時にはそのスマホのアラームが教えてくれるでしょう、そのときは」
男「ああ、戦えばいいんだろ?やってやるよ、なんたって俺は…勇者だからな!」
大赦「……はい、OKでーす」
ーーー
ーー
ー
<アタラシイ フクヲキテ♪ハジメテーノミチア ル ク♪
男「しまった!こんなときにアラームが鳴ってしまっ!」
<ドキドキダケガプリッキュ-ア!セカイヲカエルハッピーラブ!
男「よりによって只今人気赤丸急上昇中のアイドル犬吠埼樹ちゃんの曲をアラームにセットしてたから緊張感がない!」
義輝「外道め~」
男「イヤミなやつだ、しかし本当に警報が鳴ったら街のみんなが止まっちまってる」
男「幼女も、人妻も、女子高生やOLも……」
シィィーーーン
男「……カメラモード、カメラモード」
男「くそ!カメラが起動しねえぞ!!」
義輝「出陣~」
ぶわあっ
男「うお!?」
戦闘後…
男「ふう、なんとかバーテックスを倒したぜ、バーテックスいっぱい出てきたけど」
大赦「お疲れ様です、どうやら無事撃退できたようですね」
男「おう……いやぁ一度に複数体も出てきたときはビビったけどな」
男「まあ、普段からジャンプとかブリーチとか読んでたおかげかな」
男「そうそう焦らずに対処できたし、まあ手頃な敵だったよ」
大赦「ジャンプで一括りにしていいんじゃないですかね、それって」
男「満・開!ってやつしたあとは正直ヌルゲーだったわ、マジ強かったわ満開」
大赦「ほう、満開……したんですか、そうですか」
男「ん?お、おう…まあな」
大赦「ふむ、ではこの後…病院で少し検査をしましょうか、戦闘の後遺症が残っているかもしれませんし」
男「おk、さき行ってっかんな」
ー病院ー
医者「検査の結果、特に体の方には問題ないようですね、少し疲労がみられるよですけど」
男「そうですか、よかった」
医者「念のため、一日だけ入院していってはもらいますが、まあ問題はおそらくないでしょう」
男「はい、ありがとうございました、失礼します」
医者(この人、目を合わせられない奇病なのか…)
検査の結果、心配していたような問題は特になく、俺はほっと胸を撫で下ろした。
しかし、この時の俺はただ気づいていなかっただけなのだ
じわりじわりと、身体を蝕んでいく満開の後遺症
"散華"という罠に
男「へくしっ、今日なんか寒いな」
ーーー
ーー
ー
ー大橋ー
男「そんな……つまり満開の代償っていうのは…」
園子「そう、もうあなたも気づいてる通り……私たち勇者は満開するたびに体の機能が失われていく、神樹様に、捧げられていくの」
男「な、なんてこった……じゃあ」
園子「そう……」
園子「体のある部分……頭髪の毛根がつむじから徐々に徐々に」
男「いやあーーーーーーーーーーっ!!!!」
園子「死んでいくんよ」
男「あーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!」
男「せめておデコからにしてーーーっ!!!!!!!」
園子「頭頂部から少しずつ禿げてくんやで」
男「言い直さなくていいのぉおお!!」
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男「そ、そうか…最近枕元の贈り物が多いと思ってたら、そういう…」
男「……そして、乃木園子…君もそのせいで頭に包帯をグルグル巻きにしているんだね……」
園子「うん、昔何度も何度も満開したせいで……もう、人に会うような姿には…」
男「……[ピーーー]に人権は、無い……もんな…」
男「で、でも……なんでこんな、むごいことが…」
大赦「申し訳ありません。ですがこれも……神樹様の恩恵を預かるために必要なことなのです」
園子「あ、大赦の人~…こんにちわ~」
男「知り合いなのか、大赦の人と」
園子「うん~、これでも大赦では半分神さまみたいな扱いだから~」
園子「髪はないけど」
男「」ブワッ
大赦「……どうやら、話すべき時が来たようですね」
大赦「……この地を守ってくださるかの大樹……神樹様はいわば神の樹」
大赦「"かみのき"の根……そこから転じて"毛根"と」
男「くだらねぇ!」ガーン
大赦「神樹様に毛根を捧げ、散毛することで勇者はより力を増していくということなのですよ」
男「だからって、だからってこんな年若い女の子まで巻き込んで……そんな、こんな…こと」
男「あ゛……あ゛あ゛ん゛ま゛り゛じゃ゛ね゛え゛がよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛っ゛!!!!」ポロポロ
園子「おじさん…」
園子(さっきから目の前で話してるのに、目を見て話してくれない……)
ヘ
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L<\/
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ロ/ (
___/Z/ <
∠ n/
ノ彡⌒ミヾn_/
/ヾミ三彡 ソ 四国の髪を吹き飛ばしてやる
/ )ミ 19彡ノ ←バーテックス
/(ミ 彡ノ
\(
)
大赦「ですから、それを不憫に思ったために大赦は貴方に勇者になってもらったのです、この子達を守るために…」
園子「ありがとうおじさん、私もあのまま続けてたら髪の毛だけでなく他の毛根まで捧げてたかも…」
男(…それはそれで……有りか)
男「あとお兄ちゃんな」
大赦「ドサマギでぶっこむな、半神やぞ」
園子「でも、もし満開しつづけることで……こうなることが分かってたならなあ」
園子「もっと友達とオシャレしたり、美容院いったり……髪型アレンジしたりして遊んだりしたかったな……」
男「なんて……悲しい話なんだ」
男(……ああ、でもゆくゆくは俺もああなるのか…)
男「……っ」ポロポロ
. ⊂⊃
.. (ヽ、 ノ),
.. _ノ⌒ヽ、ミ( ) 彡 ,ノ⌒ヽ、
`ー,へく,' )彡⌒ミ゙ ( 、,` ヘ ー'
ノノ, , ヽ ( (´・ω・`)ノノ \ またカミの話してる
'ノノノノ(| |)八ヽ)八)) )
(γ /
し/
?「園子っ!!!」
園子「えっ?!……この声は…!」
カラカラカラカラカラカラ
美森「はぁ……はぁ…園子!」
園子「わっしーが、なんでここに……っていうか記憶」
美森「そんなことはどうだっていいんです、園子…ううん、そのっちがいてくれるだけで私は…」
園子「わっしー……でも、でもね私……こんな…頭で」
美森「関係ありません、その程度で私は友達を見捨てたりなんかしません!東郷の名にかけて!」
園子「あ………あはは、そっか…わっしーは今は東郷さんなんだね~…あはは、ははは…は」
美森「……のっち」
園子「……ごめん、ごめんね……」ポロポロ
美森「大丈夫、大丈夫だから……ここだけの話牡丹餅はね、頭皮にもいいんですよ」
園子「なんでぼたもち~~、けど…ありがとう~」ポロポロ
男(………いいものを見た…)
男「もうなんだか、どうでもよくなっちまったよ、俺は…」
大赦「男さん……抱き合う女子中学生らの姿を見て感動しましたか」
男「ああ……この感情、なんだかとってもなんだばしゃぁぁぁ…って感じだ」
男「やっぱり俺は戦う、戦い続ける、この子達の平和を守るために…」
男「いいじゃないか、たとえ髪の毛が無くなったって……それで外を歩けなくなるわけじゃないんだからさ」
大赦「………そうですか、その決意があれば、どこまでも戦えるでしょう…」
パサッ
大赦「貴方なら」ピカー
男「お前…頭」
ーーー
ーー
ー
その後、俺は勇者として戦い、バーテックスを倒し続けた。
もちろん満開無しで勝てる相手ではなかったが、もう俺に後悔の色は少しもなかった。
たとえ朝起きたら枕に沢山贈り物がしてあっても
髪くらい無くなったっていいじゃない、そういう宗教だもの。
まあバーテックスは十二体だけじゃないし、壁の向こうのこととかあってショックだったりもするが…。
それでも俺は、今日も戦ってます。
終わり
P.S.
しかし最近髪の毛がなくなったことと関係しているのか知らんが、このごろワキが異様に臭い。
終わる。
そうさ、バーテックスってのはそういう意味だったのさ(適当
うちの煮干し大好きのシーズーが最近歳のせいか片目が白内障で見えなくなった上肥大化してヤバい……
だから余計本編11話が辛い
おつ 勇者部が平和でよかった
ハゲに幸あれ
乙
大赦とはいい酒が飲めそうだ
おつ
勇者部は勇しぶに似てる
穢れあるとダメなんだぞって言おうと思ってたけどそういえばなかったね
乙
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