本田未央「五十歩百歩」 (105)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
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前々回
櫻井桃華「李下に冠を正さず」
櫻井桃華「李下に冠を正さず」 - SSまとめ速報
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前回
宮本フレデリカ「明日は明日の風が吹く」
宮本フレデリカ「明日は明日の風が吹く」 - SSまとめ速報
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待ってた
─ 前回のお話 ─
・Cuプロの宮本フレデリカとデートする事になった
・井村雪菜のメイクに加えフレデリカの持つ軽い雰囲気とその魅力に惹き込まれそうになる
・デートを尾行していた仲間たちが何とか助けてくれたが・・・?
─ ○○プロ・事務室 ─
千川ちひろ「ふぅ・・・やっと片付きましたぁ・・・」
五十嵐響子「お疲れ様です。お茶でもいれましょうか?」
ちひろ「あ、頂きますね。響子ちゃんのお茶って落ち着くんですよねー」
響子「雪乃さんの紅茶に比べれば私のはまだまだですよ」
ちひろ「雪乃ちゃんのは一度飲んだだけで舌が覚えてしまうというか、センスと愛情の塊でしょうね」
響子「そうです。雪乃さんに追いつかないと」
ちひろ「雪乃ちゃんになろうなんて事は考えちゃダメですからねー」
響子「分かってますよっ♪」
ちひろ「さってと、今から帰ればなんとか溜まったドラマ見る時間はできるかなー。まだ夕方ですしねー」
響子「・・・あれ?」
ちひろ「?」
響子「ここの文字間違えてますよ?」
ちひろ「えっ!?あー!!」
響子「あらら」
ちひろ「しゅ、修正液ー!修正液ちゃーん!!」
響子「はい、見つけましたよ」
ちひろ「響子ちゃん、ありがとう・・・!プロデューサーさんと一緒にいつも見直ししているからつい・・・」
響子「今日は・・・いませんもんね。モバPさん」
モバP(以下P)『しばらく旅行に行ってきます』
ちひろ「・・・そうですね。プロデューサーさんの有給消化には丁度いいですけど」
響子「傷心旅行・・・にしては変でしたけどね。正直に言うと今のPさん、1人にしてあげたくはないです」
ちひろ「・・・・・・」
相原雪乃『あの・・・Pさん?』
P『ッ・・・!!ゆ、雪乃さん・・・ごめん、今は・・・触らないで欲しい・・・』
ちひろ「何か・・・怖がっているというか」
響子「肉体的に異常な丈夫さを持つPさんでも精神的な負担には耐えられなかったのかな・・・」
ちひろ「・・・まぁ、その肉体的な丈夫さのせいで土日が休日出勤ばかりですし、今回は心のリフレッシュをしてもらって、なんとか戻ってきてもらいましょう」
響子「そうですね・・・私もPさんの側に・・・」
一方その頃・・・。
─ 居酒屋 ─
CuteP(以下CuP)「だーっ、ちっきしょー」
PassionP(以下PaP)「・・・・・・」
CuP「ジャック(PaPのあだ名)もなんか愚痴言えよー愚痴」
PaP「言ってどうするってんだ」
CuP「酒の肴」
PaP「はぁ・・・俺は大事な話があるって聞いて来て見れば」
CuP「空が暗くなる前から飲んでる女がいるって?」
PaP「・・・そうだ」
CuP「・・・私だってめっちゃ鬱憤溜まる時あるわよー!PaPんところは呑気でいいわねぇ」
PaP「俺んところは真っ直ぐなヤツが多すぎる。正直俺1人で4~5人見るのが精一杯だ」
CuP「わ~たしは3人でギブアップでしたわよーって、はぁ・・・」
PaP「何があった」
CuP「なーんか間違えちゃったみたい。セイちゃんにアメとムチを与えようとしたんだけどねー」
PaP「詳しく」
CuP「・・・涼宮星花ちゃんと○○プロんとこのプロデューサーくっつけようとしたんの!」
PaP「Pは嫌がっていたな。それで?」
CuP「私は星花ちゃんがより恋に燃えるように仕向けたの。Pちゃんとフレちゃん・・・宮本フレデリカをデートに行かせたの」
PaP「・・・ふむ」
CuP「当初の狙いはね、セイちゃんに『なんでわたくしではありませんのっ!?』って言わせるためだったんだ」
PaP「それが、どうなった」
CuP「セイちゃんがフレちゃんと・・・それとコハルン・・・古賀小春を仲間に引き入れて、3人でPちゃんを落とそうって考えだしたのよ」
PaP「それで、結果は?」
CuP「・・・・・・よく分かんないわ。・・・私の予想だと○○プロからPちゃんを強奪しようとしたんじゃないかな」
CuP「元々フレちゃんが終わったらコハルンもPちゃんとデートするって約束取っちゃってるし」
CuP「もう私どうしたら・・・」
PaP「お前は忘れたわけじゃないよな?」
CuP「あぁによ?」
PaP「Cuプロにかつていたプロデューサーはその方針によりアイドルの恋愛を禁止していた」
CuP「・・・・・・」
PaP「恋愛を仄めかすアイドルには仕事を入れない、レッスンをさせないという厳しい罰則もあり、脱落していくアイドルもいた」
PaP「とても強い制約の中戦っていく女性アイドルたちは強く輝いた」
CuP「・・・だが口には出さず、そんな彼を慕い、彼の隣にいる事を望むものもいた」
PaP「あくまで抑えこまれた環境での恋愛バトル、爆発する人間はその罰則によりアイドル界を去っていく」
CuP「そして・・・その環境をぶち壊したのが・・・」
CoolP(以下CoP)「佐久間まゆちゃんだねぇ」
PaP「CoP、来たのか」
CoP「さっきねー、いや、今着いたばかりーって言った方がいいかー」
CuP「はぁー!面倒なんがきたー!!」
CoP「ひっでぇ、さすがにリア充のCuPに言われるとむかつくじぇー」
PaP「喧嘩すんな2人とも」
CoP「はーい、ジャックったらいい先生♪」
CuP「・・・・・・でも正直、今はCoPがいて正解だわ」
CoP「なぁに?僕に惚れちゃった?だめだめ、僕の心にはきm」グリッ
CoP「あばあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
CuP「抓る対象がいるからね」
CoP「あ、アイドルじゃないからめっちゃ痛く感じる・・・」
PaP「俺もやろうか?」
CoP「あ、ジャックのはいいです・・・。肉引きちぎれちゃう♪」
CuP「あー、CoPも飲めー、飲めよー」
CoP「飲むよー」
PaP「CoP、CuPの話はどこまで聞いた?」
CoP「多分大半。早い話がPちゃんと星花ちゃんくっつけようとして焦らしを入れたらとんでもない事になったーでしょ?」
PaP「まぁ、そこまでわかってればいいか」
CoP「でもまぁ、負の遺産だねぇ・・・CuPの“前カレ”」
CuP「・・・・・・」
CoP「チーフプロデューサーだったのをいい事に独裁。独裁って言ってもアイドルの恋愛禁止以外はかなり優秀だったんだけどねぇ」
PaP「アレはあの男が怖がりだったからだ」
CoP「そっかなー、CuPとの関係を守ろうとしてたからだと思うけど。未だ佐久間ちゃんとかなり仲悪いんでしょ?」
CuP「・・・うん」
CoP「僕もアレは衝撃的だったよ。『私、好きな人がいるんですよぉ』・・・だっけ。LIVEツアーの終わりに言ったら誰もが閉じてた口をポカーンだよ。あっ、これ僕が考えた高度なギャグね。LIVE→LOVEの」
PaP「やかましい」
CuP「だから二度とあんな事起こらないように、私はあの子の恋愛を全力で応援しているつもりなのに・・・」
PaP「気持ちは分かるけどな。でも業界の人間から言われてる事、覚えてるよな?」
CuP「停滞しつつあるアイドル業界に新たな風を入れるため、○○プロを生かし成長させよ」
CoP「僕もPちゃん貰いたいけど、あくまで○○プロごと貰う気だったヨ」
CuP「私はべつにPちゃんをCuプロに編入させようだなんて考えてないわよ・・・」
CuP「アイドルの想いを圧殺するような行動でプロダクションが崩壊しかけたのよ・・・それを未然に防ぎたかっただけよ・・・」
PaP「・・・今、涼宮らはどうしてる」
CuP「反省文5枚書かせた後、あのマスタートレーナーん所に預けてる。半分やけくそよ」
CoP「ささっ、暗い話はそれくらいにして飲もう飲もう♪御三家のチーフが仲良く揃うなんてそうそうないんだから♪」
PaP「・・・普段は嫌ってる演技してるからな」
CoP「そうだよ、ジャックなんかプロレスラーかよって」
CuP「アンタも大概でしょうが」
CoP「ポヨ?そうかな?僕はそんなに激しい事なんてしてないと思うけどねぇ」
CuP「NNN芸能と○○プロ戦わせたじゃない」
CoP「アレはPちゃんの実力を測るためだよ。あとついでに言うとスカウトに失敗したら本来いらないはずのアイドルが手元に行くからねー」
PaP「足枷か、やる事がえぐいな」
CoP「こんなんで引っ掛かる実力の方が悪いっての。Pちゃんは難なく掻い潜ってきてくれて僕は満足だよ。マキノンノンの評価以上だよ」
CuP「・・・はぁ」
PaP「なんだ」
CuP「私って、このクズより最低な事したってことよね・・・」
CoP「どーも、世田谷のクズです」
PaP「まぁ・・・ちゃんと謝罪しておけ。あの涼宮の行動力は俺も目を見張るものがあるぞ」
CuP「マジ?」
PaP「俺んところの片桐にPはどういう人間に見えたか小一時間ずっと質問してたからな」
CuP「うっそーん・・・」
PaP「こういう言い方もなんだが、いつ変な事してもおかしくねーぞアレ。ちょっと狂気染みているというか」
CoP「えー、僕がPちゃんをヤr」
PaP「うっさい」
CoP「ちなみに僕はノンケです」
PaP「知ってるわ。和久井か、お前の相手は」
CoP「いやー、ナ・イ・シ・ョ」
CuP「うっぜぇ」
PaP「まー、ともかくだ。CuP、涼宮の事はしっかり面倒を見ろ。人の恋路は応援するが、人の生活を脅かすなら話は別だ」
CuP「はーい、ジャック先生」
CoP「・・・・・・あ、そうだ(唐突)」
CuP「あによー」
CoP「明日、みんなCoプロに来れない?島村ちゃんと本田ちゃん連れてさ」
次の日・・・。
─ Coプロ・トレーニングルーム ─
本田未央「おっはよーございまーす!!」
島村卯月「おはよう、未央ちゃん♪」
未央「しまむーおはよう!!いやー、しぶりんに会えるかな☆」
PaP「多分、無理じゃねーかな」
未央「えー、ジャッ君は夢がないねー」
PaP「昨日のCoPの言葉そのままだ、馬鹿」
卯月「凛ちゃんは・・・どうなっちゃってるんですか?」
PaP「それは、この後CoPが直々に言うだろう。それよりも島村、CuPは?」
卯月「さっきお手洗いで吐いてました・・・」
PaP「あんのお馬鹿。二日酔いになるまで飲むなよ・・・」
卯月「CuPさんの事、心配してくれてるんですね」
PaP「そりゃ、弟子の1人みたいなもんだからな。加えてCuプロを立て直した功労者だ、尊敬できる部分はあるさ」
未央「もったいないねー、ジャッ君が貰えばよかったのに」
PaP「気付いた時には新しい彼ができてたよ、アイツ」
未央「はー、筋骨隆々の男に近付いてくれる女性なんて、私とCuPぐらいなんじゃなーい?」
卯月「み、未央ちゃん////」
PaP「・・・?まぁ、プロデューサーとアイドルだしな」
未央「・・・・・・しまむー、ウチのプロデューサーって鈍感なんだよ。多分、脳みそ筋肉なんじゃないかな」
卯月「・・・ごめんね、未央ちゃん」
CuP「あ゛ぁ゛ー」
PaP「酔い止めでも飲んでくればよかったのに」
卯月「私、買って来ましょうか?」
CuP「え、別にいいy」
PaP「島村、今すぐ買って来い。金は俺が出す」
卯月「はーい、いってきまーす」
CuP「ジャック、本当に大丈夫なのに」
PaP「大丈夫かどうかじゃなくてここがCoプロなのを思い出せ。いつ尻尾掴まれるか分からないぞ?」
未央「おー、尻尾はないけど良いケツしてますなー」スリスリ
PaP「本田、お前ブタ箱にぶち込まれたいのか・・・?」
未央「いやー、すいませーん♪」
PaP「俺んところもお調子者で小さいCoPみたいなのが多くて困る」
CuP「仲良くていいじゃない」
CoP「ホントだ、尻尾ないけど良いケツしとる」スリスリ
未央「でしょ☆やっぱジャッ君のけt」
PaP「・・・・・・」ジー
未央&CoP「ホントすみませんでした」
PaP「んで、呼び出しておいて何だってんだ」
CoP「いやー、ね?」
「あの・・・・・・」
PaP「・・・アンタは、前髪で分かりづらいが・・・鷺宮文香か?」
鷺沢文香「は、はい・・・・・・」
CuP「はー、どうしたの?文香ちゃんの自慢?」
CoP「良くぞ聞いてくれました。いやー、この子の髪の艶といい、目のキレイさといい、絶品モノでね。たまたまたまたまたどり着いた古本屋に原石どころかダイアモンドのままおいてある子がいるもんだからさー」
CoP「この子のいい所はさ、ちゃんと見つめてくれるところなんだよ。わかる?目線が外れないの。これで僕の心にどきゅーん!って来たもんだから即アイドル化、そのまま出したらあら不思議のランキング上位よ」
CoP「みーんな大人しくてボンキュボンッな子がだーいすきなんだよ、男の子はさ。女の子はそれこそジャックんところみたいな美嘉ちゃーんとかが目標になるけどさ、やっぱり男の子はやまt」
PaP「CoP」
CoP「なぁに?まだあと300文字ぐらい説明する気なんだけど」
PaP「鷺沢が気絶しかかってるぞ」
文香「ッ・・・ッ・・・////」クラクラ
CoP「あ゛ーっ!!!ごめんよー、ふみふみー!!!」
卯月「Cuプロデューサーさん、この薬で大丈夫でしたか?」
CuP「おっ、ありがとー♪卯月はホント優しくて可愛いわー」
卯月「えへへっ」
未央「しまむーの可愛さは天下一品だねっ」
卯月「どーしたの、2人とも急に~♪」
PaP(単純にCoPのアイドル自慢に反逆したかっただけだろうな)
CoP「お、島村ちゃん来た?よし、じゃあ本題に移ろうか」
CoP「気になってると思うけど、リンちゃんこと渋谷凛の話だ」
卯月「そうです、凛ちゃんどうなっちゃったんですか?」
未央「まったく仕事を取らない状態だったし、メール送っても無音だからすごく気になってるんだよね・・・」
CoP「リンちゃんは・・・しばらく完全にアイドルを休止する事になりました」
卯月「・・・・・・」
未央「・・・・・・」
CoP「沈んだ顔しないで。絶対復帰するってあの子も決め込んでるし」
CoP「でも一度心が折れたのも確か。だから今はゆっくり休ませてあげて」
卯月「・・・・・・でも」
CoP「そんな事より、キミたちを呼んだのはニュージェネレーションの今後の事」
未央「しぶりんがいないニュージェネレーションなんて・・・」
CoP「そうだね、だけど有名人ってのはファンの声がないと死人当然なんだよね」
CoP「人の記憶の中にいなければ、芸能人は死んだも当然」
CoP「そして集団もまた1人の人間さ」
未央「つまり・・・ニュージェネレーションとしての行動を続けてないと、もうニュージェネレーションとして動けないってこと?」
CoP「まぁ、そうなるね。所詮、この業界には流れがある。一週間後には僕ら御三家は全員淘汰されているかもしれないんだよねー」
卯月「・・・じゃあ、未央ちゃん、2人で・・・」
CoP「ちょっとお待ち!!」
一同「!?」
CoP「そこでさー、僕ちん考えたんだよね。話題性を常に残しつつ、ニュージェネを動かす方法」
CoP「リンちゃんの代わりを用意するんだよ」
未央「代わり?」
CuP「でも誰を使うというの?渋谷凛の代わりとなった人間にはかなりのプレッシャーよ?」
CoP「ふふふっ、なんてったってアイドル♪ウチの子たちはそんなにヤワじゃないんだよね」
PaP「・・・分かったぞ」
CoP「ほう?」
CuP「何が分かったの?」
PaP「えぐい事を考える。負担はCuプロとPaプロの方が大きいじゃないか」
CoP「ほー?なーにを考えたと思ったのかな?」
PaP「お前はおそらく、ニュージェネレーションの渋谷凛の枠にCoプロのアイドルをローテーションで入れる気だろう」
CoP「お、流石ジャック。僕のこと、よく分かってるねー」
CoP「そーいう事です。プレッシャーなんてその日だけ、むしろ次は誰が来るか、と皆が考えてくれる話題性がある」
CoP「加えて、ウチのアイドルが可能な限り売り出す事が出来る」
CoP「ニュージェネレーションの延命行為で一石二鳥以上を狙うのさ」
CoP「そしてそのローテーションの中にリンちゃんが入れるまで回復したのならば、ローテの中に入れる事で流れるような完全復活のエピソードが組めるというわけよ」
卯月「えっと・・・つまり私と未央ちゃんと毎回変わるCoプロのアイドルでニュージェネレーションを名乗るってことですか?」
CoP「そうだね」
PaP「うーむ・・・」
CuP「そうねぇ・・・」
CoP「まぁ、CuPとジャックが断るならいいさ。ニュージェネレーションはあっけないけど、ここで解散になる」
卯月「うぅ・・・」
未央「ジャッ君、なんとかならないの?」
PaP「・・・古いモノは淘汰されるのが基本だからな。だが、ニュージェネレーションが消え去るにはあまりにも早すぎる」
CuP「そうよね、私たちが御三家なんて呼ばれて、そして出来上がった歴史みたいなものだしね」
CoP「崩したくないよね。僕も本音はそうだよ」
卯月「・・・Cuプロデューサーさん!私、やります!凛ちゃんの居場所を守りたい」
未央「私も私も!しまむーだけかっこつけさせたくないし!」
PaP「・・・・・・はぁ、しょうがないか」
CuP「言ったモン勝ちよね、はぁ・・・CoPはホントに手が早いわー・・・」
CoP「ってことは了承って事でいいっぽい?」
CuP「っぽいぽい。ウヅキンの好きにさせるわ」
CoP「んじゃー、練習がてら僕たちの前でトークでもしてもらおうかな」
未央「え゛」
卯月「え゛」
CoP「毎回変わるんだよ?となると本田未央と島村卯月ってコンビじゃなくて、毎回追加されるCoアイドルを引っ張りながらトリオでやってもらわないと」
未央「や、やってみよう!やってみなきゃ分からない!」
卯月「そうだね、未央ちゃん!」
CuP「やっぱりニュージェネ切った方が良かったわよね・・・?」
PaP「どう考えてもCoプロにしかメリットがない」
CoP「じゃあ、さっきから部屋の隅で本読んでるふみふみ!!」
文香「っ!?」ビクッ
CoP「おーいで♪今からキミがニュージェネレーションだ!」
文香「え・・・あの・・・むりで・・・」
CoP「ダメです。やりなさい」
文香「あぅ・・・」
CoP「・・・ローテーションから外す意味でも一度やってくれないとダメなんだけどなー?」
文香「・・・・・・はい・・・わかりま・・・した」
CoP「おっけぃ、自分の殻だけが自分の世界じゃないんだ。キミの中の新世代を築いてきておいで」
CoP「るーみん、簡単な司会者やってねー」
和久井留美「了解したわ」
卯月(和久井さん、いつからいたんだろう・・・)
留美「・・・ようこそ、和久井ルミの部屋へ。ここは色んな人が集まる不思議な部屋・・・」
PaP「なんか番組っぽい」
CuP「和久井さんの頭をアフロにしない?」
CoP「もうちょっとるーみんが肌黒だったらアフロにしたんだけどなぁ」
留美「ご、ゴホン!!今日は・・・女性アイドルユニット『ニュージェネレーション』の皆さんに来てもらいました」
PaP「待った」
留美「?」
未央「どうしたの?」
PaP「念の為、名前を変えておくべきだ。多分、それ1つで気合の入れようが変わるはずだ」
CoP「あー、まー、確かにね。でもニュージェネレーションから外れる・・・」
PaP「名前は・・・『ニュージェネレーション・パッチワーク』でどうだ」
未央「ジャッ君、パッチワークってどういう意味?」
CuP「パッチワークは継ぎ接ぎ、寄せ集め、その場しのぎって意味よ」
PaP「英語で言えばそこまでマイナスには聞こえないだろう」
卯月「でもまぁ、ちょっと違う方が気合入りそうです・・・」
CoP「うーむ、でもまぁいいか」
留美「・・・今日は女性アイドルユニット『ニュージェネレーション・パッチワーク』の皆さんに来てもらいました」
未央「どうもー、本田未央でーす!」
卯月「島村卯月でーす!今日も1日頑張りまーす♪」
文香「・・・・・・」
未央(え、えーっと)
未央「そしてこ、こちらがー!今日のメンバー、ふみふみこと、鷺沢文香でーす!!」
文香[首を縦に振る]
留美「皆さん、今日は来ていただきありがとうございます」
未央「いえいえ」
卯月「そんな」
文香「・・・」
留美「皆さんの登場を聞いてファンの方々からいろんなメッセージが届いています。では、これから読んでみましょう」
留美『ニュージェネレーションの皆さん、こんにちは!』
未央「こんにちわー!」
卯月「こんにちは♪」
文香(手を振る)
留美『私たちの話題はいつも3人の事ばっかり、次はどんな歌を歌うんだろう?きっと未央さんがまたガニ股になるんだろうなーと色々浮かべてしまいます』
未央「あははー、恥ずかしいなー」
卯月「未央ちゃんってたまに躊躇しない体勢するよね」
文香「・・・・・・」
留美『そんなお忙しい3人に1つ疑問が浮かびました!3人のお部屋ってどうなっているんですか?是非教えてくださいお願いします』
卯月「お、お部屋・・・」
未央「しまむーの部屋は・・・うん」
文香「・・・?」
留美『佐々木千枝より』
未央「千枝ちゃんだったのっ!!!?」
留美「ええ、『もしニュージェネレーションに質問するなら』という名目で書いていただきました」
未央「うえー、千枝ちゃんにまでガニ股をするアイドルに見られてるのかーぁ・・・」
卯月「そ、それも個性だよ!うん!」
文香「・・・・・・未央さん・・・」
未央「あ、はい」
PaP「・・・あー、思わず敬語になっとる」
CuP「ちょっとキツそうね」
文香「・・・股関節が柔軟な人は出産の時に・・・楽だと聞きます」
未央「え、え、え、しゅ、出産・・・////」
卯月(ど、どうしよう!未央ちゃんが顔真っ赤になって固まってます!!!!)
文香「股関節が柔らかいからガニ股が難なく出来るんです・・・安産型です・・・」
未央「あばばっばばばばば・・・」
文香「だから別に恥ずかしがらずに・・・」
未央「・・・・・・あ、うん、そうだねー・・・////」
CoP「本田ちゃんって結構ウブなの?」
PaP「ウチの沢田の真似して自滅することが多い」
CoP「沢田麻理菜かー・・・まぁ、リーダーに憧れるのもしょうがないというか、大人になりたがってる子は可愛いというか」
未央「・・・・・・////」
留美「本田さん、大丈夫ですか?」
未央「だ、だ、だいじょばない・・・頭の中で変なのが描写されて止まらないよー・・・」
CoP「うーん、この2人にふみふみ合わないかな・・・」
文香「・・・・・・」
CuP「良い意味でも悪い意味でも知識の塊っぽいしね。相方もまた博識じゃないとダメなんじゃないかしら」
未央「まだまだ未熟ですみませんでした・・・」
文香「私こそ・・・ごめんなさい・・・」
CoP「うーんふみふみは審査員に座ってもらって・・・次!」
留美「今日は『ニュージェネレーション・パッチワーク』の皆さんに来てもらいました」
未央「みんなー今日はよろしくねー!本田未央だよー!」
卯月「笑顔がチャームポイント!島村卯月です!」
黒川千秋「黒川千秋よ。今日は2人に負けないよう私を魅せていくわ」
CuP「黒川ちゃん?このチョイスは?」
CoP「ふみふみも似たチョイスなんだけど、リンちゃんの印象って長い髪って感じなんだよね。だから同じ長い髪の子がいた方が2人にも安心かなぁって」
未央「千秋さんってさ、凄くすらっとしてるよね!」
卯月「姿勢良し、視線良し、私も憧れちゃいます」
千秋「・・・そう。ふふっ、褒められるのは悪くないわね」
未央「そうだよ!特にこの綺麗な髪!」
卯月「ビデオで見たことあるけど、激しい歌の時ってすごくキラキラ光るんだよね」
未央「あー、私もこれくらい綺麗な髪だったらなー」
卯月「私も真っ黒な髪色にしようかな?」
未央「それにさー・・・」
それから黒川千秋の事を褒めまくる未央と卯月であった。
千秋「・・・・・・////」
CoP「ちょっとー、千秋ちゃーん?」
千秋「こ、こんなに褒められた事ないから・・・なんか恥ずかしいんだけど・・・と、鳥肌が・・・////」
未央「ごめんなさい、しぶりん時と同じ勢いでやろうとしたら・・・」
卯月「凛ちゃんの事褒めるとすぐに『止めてってば!』って言ってくれるから・・・」
CuP「ついつい言っちゃうって?」
卯月「・・・はい」
CoP「ぐむむ、千秋ちゃんでもダメかー・・・じゃあ次!」
留美「今日は(ry」
卯月「島村卯月、17歳!張り切って頑張ります!」
未央「あれ、しまむーって17だっけ・・・ま、いっか!本田未央でーす」
橘ありす「橘ありすです。橘と呼んで下さい」
PaP「大丈夫か、このチョイス」
CoP「自分でもやってしまった感ある」
卯月「ねーねーありすちゃん、ありすちゃんの小学校って・・・」
ありす「ありすではありません、橘です」
卯月「うぐっ」
未央「バナバナちゃん!ニュージェネレーションとして並んd」
ありす「バナバナではありません、タチバナです」
未央「はぅ」
卯月「・・・・・・」
未央「・・・・・・」
ありす「・・・・・・」
CuP「こりゃコミュニケーションに難ありすぎね・・・」
CoP「ありすなだけに」
留美「え、えっとぉ・・・」
CoP「うぉーい、タチバナナ!もうちょっと合わせる努力してくれぇ!!」
PaP「お前が煽ってどうする!!!」
ありす「私は橘です!橘なんです!!!あとバナナじゃないですっ!!!好きなものはいちごなんです!!!」ウルウル
CuP「涙目になってるわね」
PaP(あんな状態でも自己PRするあたりはプロ意識あると思うが)
CoP「ち、チェンジッ!!!千秋ちゃん、橘ありすを連れて慰めといて!」
神谷奈緒「あ、あたしがニュージェネに入っていいのかよ・・・」
未央「大丈夫大丈夫!!」
卯月「すぐ慣れますから!」
CoP「次はリンちゃんとユニットを組んでいた仲間からナオちゃん連れてきました」
PaP「・・・はたして」
奈緒「でもさ、あたしが2人に話せる内容ってあるのかな」
未央「えー?例えばこれマソオカートのアイテムのキーホルダーじゃん!」
奈緒「わ、分かる!?そうだよ、マソオカート8の新アイテム『8』、レアモノなんだよ」
未央「兄弟と一緒によく遊んでるから分かる!出ると嬉しいんだけど、使うの難しいんだよねぇ」
奈緒「うんうん、これ星を取るためにタイミング計ったりしないといけないからねー・・・連打して自分の目の前に爆弾投げちゃったり」
未央「やったやった!ウチのヨッシーちゃんがさー」
奈緒「ヨッシーちゃん?」
未央「ミ“ヨシ”サナ(三好紗南)でヨッシーちゃん」
奈緒「ああ、あのゲーマーアイドルの!マソオにヨッスーって似ているキャラいるからビックリしたぜ」
未央「あの子ともよく遊んでてボコボコにされてるんだよー、確かヨッシーちゃんはレート5桁行ってるらしいよ」
奈緒「レート5桁!?あたし7500越えがやっとだったのに!!」
卯月「・・・・・・」ウヅウヅ
CuP「ダメね、完全にウチの子が入れない」
CoP「う、うーん・・・で、でも反対の子なら・・・」
PaP「反対の子?」
北条加蓮「奈緒も同じ事言ったと思うけどさ、私がここに立っていいの?」
未央「絶対五十歩百歩な気がする」
卯月「多分、大丈夫!きっと大丈夫・・・」
加蓮「と言ってもなー・・・ってアレ、卯月ちゃんマニキュア変えた?」
卯月「そうなんです!雪菜ちゃんに貰ったんですよー」
加蓮「ほー、あの井村雪菜の・・・他にも貰ってたり教えてもらってたりする?」
卯月「はい!例えば・・・」ヌギヌギ
加蓮「足の爪?」
卯月「今日来る時に雪菜ちゃんにデコってもらったんです」
加蓮「わ、ホント!ピンクと白で花をイメージしてるって感じ・・・」
卯月「雪菜ちゃんはサクラをイメージしたって言ってました!」
加蓮「あ、でもすっごい。私もネイルには年中没頭するくらいやってて、彩華さんと一緒に作ってたりするんだけどさ・・・ここまでうまく行った事少ないよ」
卯月「今度連れてきましょうか?」
加蓮「え!?会いたい!撮影現場とかで会っても挨拶ぐらいしか出来なくてさ」
未央「・・・・・・」ウズウズ
CuP「反対にしたらこうなるのは目に見えてたわね」
PaP「ウチの子は・・・化粧いらずが多いからな・・・話が・・・」
CoP「うぉぉぉぉぉぉおおおおおっ!!!」
CuP「トラプリもニュージェネも両者とも渋谷凛が中心にいる事で成り立つユニットであって、補う事はできないのね」
CoP「リンちゃぁぁぁぁん!!くそう、次ぃ!!!」
それから新生ニュージェネレーションのメンバー探しはかなり難航した。
そして・・・。
待ってたね
水木聖來「初めましてー♪水木聖來です」
未央「初めましてー♪」
卯月「初めまして♪」
CoP「彼女なら・・・彼女ならいける・・・」
CuP「その自信の根拠はどこにあるのよ」
奈緒「聖來さんは凛と一番仲いいんじゃないかな」
加蓮「あたしたちともよく遊んでるけど、それ以上にプライベートで一緒なのが聖來さんなんだ」
CuP「へぇ、意外。ユニット組んでるメンバーが一番仲がいいと思ってたけど、それだけじゃないのね」
聖來「ねぇ、2人とも。家族ってどう思う?」
未央「家族・・・やっぱり一緒にいたい存在かな?」
卯月「いつも私たちの背中を見守ってくれる人たちです!」
聖來「ふふっ、いい返事!じゃあさ、ユニットのメンバーって家族って言える?」
未央「むむ?」
聖來「私は家族だ、って言いたいな。例えライバル会社のアイドルと組んだとしてもね」
卯月「私もそう思います!ううん、それだけじゃなくて今まで一緒に頑張ってきた子たちとも仲間、家族っていう絆で繋がっていたいです!」
未央「当然じゃん!しまむーとは家族当然の繋がりだと思ってるよ!!」
聖來「じゃあ、家族として帰る場所を守らないとね」
卯月「あ・・・!」
聖來「あの子の居場所は私が守ってみせる。だから2人ともいつも通りの、ううん、いつも以上の力を発揮してね」
未央「せ、セーラ姐さん!!」
留美「なんだか良い雰囲気のようね。ここにたくさん手紙があるんだけど、このメンバーで処理していいかしら?」
未央「どんとこーいっ!!」
卯月「卯月、頑張っちゃいます!」
聖來「留美さん無理しないでねー」
CoP(凛の姉貴分をやっているセーラちゃんだからこそ、渋谷凛だったらどうする?という立場に立ち、彼女以上にはならないような工夫がこなされていた)
CoP(自分に回ってきても一言二言で済まし、本田未央と島村卯月に回して目立たせる)
CoP(逆に返されたら、しっかりと自分の意見を繰り出している)
CoP(そしてこっそり、渋谷凛を彷彿させるような事を言う・・・)
CoP「セーラちゃんいいゾ~」
CuP「ニュージェネレーションとしてじゃなくニュージェネレーション・パッチワークとしてなら最高の出来じゃないかしら」
PaP「・・・ふむ」
CoP「どしたのジャック」
PaP「やはり、島村、本田、渋谷の並びが最高だったんだな、と粛々と感じている」
CoP「まぁね」
PaP「渋谷は・・・今どうなってる」
CoP「リンちゃんは・・・そうだね、一度死んだよ」
PaP「・・・・・・」
CoP「これ以上は長くなるよ?」
PaP「大雑把に話せ」
CoP「うーん、そうだなぁ・・・リンちゃんはシンデレラガールになったせいで今までの仕事場から追い出されました。はい、終わり」
PaP「・・・・・・」
CuP「・・・・・・」
CoP「・・・第一回シンデレラガール『十時愛梨』はまだシンデレラガールそのものに一般人の関心が薄かった時だ。だからこそゆっくりとそのブランド力を上げる事ができた」
CoP「第二回シンデレラガール『神崎蘭子』は彼女の望む夢を演出するために僕らは非常に出費を重ねた。それ故に元からブランド力、もとい需要と供給、そして彼女自身の能力と体力が一定水準に保つ事ができた」
CoP「だが第三回シンデレラガール『渋谷凛』は不運だった。その背景にはこの時点でシンデレラガールという存在が一般に広く知られ、その肩書き自体に強い需要が出来あがってしまった事にある」
CoP「加えてリンちゃんは真面目な子でね、例え安い仕事でもその足で向かってスタッフと共に最高のモノを用意できていた」
CoP「そんな草の根運動が身を成してのシンデレラガールだ。シンデレラとして幅広い人気を背にこれからだ、という矢先」
PaP「・・・渋谷が折れたか」
CoP「違う、正しくは折ってしまった。世間の渋谷凛への期待の目は凄まじかった」
CoP「北は北海道、南は沖縄、東はハリウッド・・・あまりの渋谷凛への出演希望が多すぎたため僕は渋谷凛の出演料などを上げたんだ。『需要と供給』を一定にするためにね」
CoP「Paプロのアイドルなら底無しの体力で全部受けるなんて事が可能かもしれない。だが、仮にも高校一年生のリンちゃんに無理はできない」
CuP「CoPの失態は・・・」
CoP「完全にリンちゃんを守ることだけを考えていて、リンちゃんの事を見てなかった事」
CoP「みんなの助力があるにしてもリンちゃんはその足で自分の仕事を得ていたんだ。卑しい言い方すればコスパが良かった」
CoP「料金の値上がりにより、今までレギュラー持っていた仕事場から出演キャンセルを言い出される。リンちゃんは今までの実績をシンデレラガールという実績に一蹴された」
CoP「多分、どっかの人間が渋谷凛を独占しようとして小さなスタジオとかに圧力かけたんじゃないかな」
CuP「今まで築き上げてきた絆をたった一つの肩書きで消されるなんて・・・考えたくもないわね」
CoP「まるでどっかのファーストフード店だね」
CoP「そんな今にリンちゃんの値段を下げて登場させても業界人というハイエナに食い散らされるだけ」
CoP「普段、ハイエナしているような僕だけど、業界の重役ってのはもっと貪欲だ」
CoP「ここぞとばかしにリンちゃんを骨までしゃぶり尽くすだろう」
CuP「復活できるの?」
CoP「・・・出来る出来ないじゃない、やるんだよ。仮にも今その少女は人生をメチャクチャにされているんだ」
CoP「だから渋谷凛が戻る場所、ニュージェネレーションが活動中でなきゃいけないんだ・・・」
PaP(トライアドプリムスではダメなのか、と考えるが・・・ニュージェネレーションの方が先に出来たしな・・・一般への認知度が違う)
CoP「って、結局長く話しちゃったねぇ。でもこれは宣戦布告だよ」
CoP「僕の覇道は止まらない。渋谷凛を妨害したいならしてみるといいさ」
CuP「まさか」
PaP「復活させた上で負かしてやる。もちろん、ステージの上でだ」
CoP「おー、怖い怖い。頼もしいくらい怖い」
卯月「・・・・・・」
未央「・・・・・・」
CoP「どしたの?」
卯月「CoPさん、絶対凛ちゃんを取り戻してくださいね!」
未央「私たちがニュージェネ守ってるみせるよー!」
CoP「おっ、頼もしー♪」
聖來「凛ちゃんは・・・」
CoP「セーラちゃん、大丈夫だって。リンちゃんの代わりに加えて水木聖來っていう名前をニュージェネレーションに刻む事だけを考えててね」
聖來「・・・任されましたっ」
・・・その後、水木聖來を中心に何人かのメンバーが選出された。何十通りものアイドルを試している内に太陽が昇る時間になっていたという。
─ 都内某所・とある花屋 ─
CoP「リンちゃーん♪」
渋谷凛「・・・・・・Coプロデューサー」
CoP「お加減どうかなーって」
凛「重畳、ってくらい元気」
CoP「口で言えても体や脳は正直だよ?」
CoP「キミがファンのせいだ、僕のせいだと喚き暴れた事は忘れてはないよ?」
凛「頭は冷えてる」
CoP「ホントかなー?」
凛「・・・・・・」
CoP「今はゆっくり休んじゃってねー。本田ちゃんも島村ちゃんも、当然Coプロの皆も凛ちゃんの復活を待ってる」
凛「だったら今すぐ・・・!!」
CoP「あの醜態を見た僕が許すと思う?」
凛「ぐっ・・・」
CoP「・・・ダァメ♪リンちゃんはまた新しく生まれ変わるの。この期間は・・・そうだねぇ、お母さんのお腹の中にいる感じかな」
凛「ねぇ、Coプロデューサー・・・」
CoP「はぁい?」
凛「最近、夢を見るんだ」
凛「ずっと、毎日、同じ夢を見る。同じじゃないんだけど、同じ夢を見る」
CoP「どゆこと?」
凛「私とCoプロデューサー、そして色んな仲間たちと一緒に空を旅しているんだ」
凛「Coプロデューサーは何にでもなれるスーパーな人でさ」
CoP「その通りじゃない?」
凛「・・・ふふっ、そうかもね」
凛「そして私はCoプロデューサーと一緒に背中合わせて戦う美少女剣士なんだ」
CoP「美wwww少wwww女wwwwwww剣wwww士wwwwww」
凛「・・・悪い?」
CoP「ごめん。リンちゃんは超超超美少女だからね。超超超美少女剣士じゃなきゃ」
凛「・・・む////」
CoP「それで?ゴーレムとかと戦うの?」
凛「うん。大きなお化けとか、ドラゴンとか、あとぬいぐるみ・・・かな?」
CoP「ずっと戦ってるんだ?」
凛「・・・・・・うん」
CoP「こりゃ、思ったより重症かなぁ・・・」
凛「?」
CoP「なんていうのかなぁ、体は子供なのに、脳だけが戦闘狂になっているっていうか・・・」
凛「治したいなら早くステージの上に戻して」
CoP「だけどダメー!戦う意味なしにステージに上がったら、また小さなミスをファンのせいにするっつーの」
CoP「そんなベルセルクみたいなリンちゃんは、僕はプロデュースしません」
凛「・・・ちぇっ」
CoP「そーそー、そういう子供っぽいところをまだ見せてていいの」
CoP「ねぇリンちゃん、キミの次の夢はあるかい?」
凛「夢?」
CoP「イエース!渋谷凛はシンデレラガールとして輝きました。それで終わり?」
凛「そんなはずない!・・・けど」
CoP「けど?」
凛「今言われて、頭の中からっぽだった・・・」
CoP「むふふふっ、でしょうなー」
凛「・・・・・・」
CoP「目標も無しに、仕事も生活もできないでしょ」
凛「そうだね」
CoP「だから休むのは、次の夢を探す期間でもあるんです」
凛「・・・・・・」
CoP「おーけー?」
凛「分かった」
CoP「よし、じゃあついでに僕の次の夢、教えておくよ」
凛「Coプロデューサーの?」
CoP「僕はね、魔女になりたいんだよ」
凛「・・・・・・は?」
CoP「なんでそんな顔するの?」
凛「だって、Coプロデューサー言ってたよね。僕の仕事は皆に魔法をかけることですって」
凛「てっきり、もう魔法使いのつもりでいるのかと思ってた」
CoP「あー・・・うん」
凛「・・・夢の中だとダークフェンサー一択とか言ってたくせに・・・」
CoP「何か言った?」
凛「何にも・・・って時間大丈夫なの?」
CoP「え?」
凛「・・・・・・今日はレッスンの日でしょ。周子怒るよ?」
CoP「え!?あっ、やばっ激やばっ!!リンちゃん、また来るねー!!」
凛「うん」
CoP(リンちゃん、僕が魔女になりたいって言った理由はね)
CoP(人に魔法をかける魔法使いって意味じゃない。子供を肥やしそれを喰らう人間になりたいって意味さ)
CoP(もちろん本当に食べるわけじゃない。でも似たようなものさ。子分のようなプロダクションを育て、それをリンちゃん、キミのために捧げる)
CoP(凛ちゃんが休んでいるだけじゃない、この時間は○○プロが育つのを待っている時間なんだ)
CoP「覚悟して成長してよPちゃん。キミたちはリンちゃんのための大事な餌なんだから」
終わり
この話にNGは必要だったんかなといつも思わないでもない
乙
グラブルはいいコラボでしたね
CoPがヨゴレ過ぎて引く
でも憎めないんだよなあ
以上です。今回はここまでです。
読んでくれた方はありがとうございます。
「五十歩百歩(ごじゅっぽひゃっぽ)」とは僅かな違いでそこまで変わっていないという意味です。ドングリの背比べとも言いますね
今回のお話はプロデューサーたちの台詞が多く読む側が大変だったと思います、ホントすみません。
凛ちゃんがグランブルーファンタジーの世界に行ってるから休んでいるんだーとでも解釈していただければ今回の話は80%ぐらい伝わってるんじゃないでしょうか。
さて、次回は
・相原雪乃「光陰矢の如し」
となります。
おまけは休暇中の○○プロのプロデューサーが今何やってるか、という名の新しい女の子探しになります。
意外な子が少し重い設定を背負って登場する予定です。
ではまた。
次回、雪乃さんのターン!デュエル、スタンバイ!
だったっけ?
乙
グラしぶの凛ちゃんください
乙
グラブルは全然手付かずだったから凜ちゃんの正規加入まで必死こいて頑張ったけど
上限解放できなくて蘭子までは無理でした…
以下おまけパート
─ 定食屋 ─
P(車を走らせ、都会から約5時間。俺は海沿いの定食屋へと足を運んだ)
P(別にここが格別上手い飯屋と聞いたわけではないし、俺がここに来たかったわけじゃない)
P(ただ放浪して、たまたまここにたどり着いただけだった)
「おまたせ、アジフライ定食だよ」
P「ありがとうございます、頂きます」
P(腰の曲がったお婆ちゃんから手渡された皿には2つの大きなアジフライが添えられたキャベツとミニトマトと共に輝いていた)
P(久しぶりに食事という食事を目の前にして、思わず腹がきゅうと引っ込む)
P(あの宮本フレデリカの強襲から5日、俺は何も口には出来ず、入るのはわずかな水だけだった)
P(だが、この傷心旅行と名付けたドライブから少しは気が晴れた。その反動がこの空腹だった)
P「あむっ」
P(う、旨い。俺の語彙の無さを恨むレベルに旨い!俺はトンカツやオムレツにソースをかけない派だが、これは違う!)
P「んむっ・・・はすっ」
P(アジフライ自体が持つ熱でソースが香ばしい刃を持っている・・・。俺の鼻はまっすぐに射抜かれた!)
P(旨い、旨すぎる)
「美味しいかい?」
P「もう・・・感無量です。美味しいです」
「良かった、今ウチの孫が遊びに来ててねぇ・・・その子が朝釣った魚なんだよ」
P「・・・なるほど」
P(近くに港があったはずだが、それだけじゃなかったか)
「もう一匹食べるかい?こっちは港から持ってきたものだけどねぇ」
P「頂きます。凄くお腹減ってまして・・・」
「あいよ。待っててね」
P(だよね、ちゃんと港から持って来てるよね。なぜなら・・・)
「にーちゃん見ない顔だなー」
「ガタイいいじゃねーか!ウチの農家で働かねーか?」
P「い、いえ。ちゃんと仕事持ってます」
P(この定食屋はたくさんの客に溢れていたからだ)
「へー、その体、何に使ってるんだい?」
P「・・・女の子を育てる仕事をしています」
「・・・もしかしてアレかい?AV男優とかいう・・・」
P「ち、違いますっ!!////」
「女の子を育てるって言ったら・・・やっぱ女子高の教師とかだろう」
「あー、なるほど」
「違いねぇ、だからたまには男臭いところに来たかったんだ」
「「「がっはっはっは!!」」」
P(男臭いところに来たいってのは否定するが、男友達と飲み会したいなーってのは嘘ではない)
P(あのフレデリカさんによるあの行動・・・アレから逃げたいってのはリアルタイムで存在している)
P(初対面の俺に抱きついてオナニーするなんて・・・流石にレベルが高すぎる)
P(彼女の痙攣が、今も俺の手に残ってる。指先を見れば脳裏に濃く再生されてしまう)
P(一度再生すれば、耳にこびり付いた彼女の愛の囁きが瞬く間にリピート再生・・・いや、考えるのを止めよう。今は食べる事を・・・)
P(その時、俺の耳に驚く事が届いた)
『次のニュースです。アイドルと言えば、サカイさん、何を浮かべますか?』
『私はやっぱり『ニュージェネレーション』を思い浮かべますね』
『その『ニュージェネレーション』に新たな動きが見られました』
P「!?」ガタッ
P(設置されていたテレビから聞こえた言葉に思わず反応し立ち上がってしまう)
「おい、にいちゃん。箸落ちたぞ」
P「え、あ、ありがとうございます」
P(じゃなくて『ニュージェネレーション』に変化が・・・!?)
未央『みんなー、今日はよっろしくぅー!』
卯月『よろしくお願いしまーす』
速水奏『ふふっ、よろしくね』
『これは・・・新規メンバーって事でいいんですかね?』
『いえいえ違います。こちらをご覧ください』
未央『今日のお相手は本田未央とー!』
卯月『島村卯月とー!!』
聖來『水木聖來がお送りしまーす!』
『おや?変わってますね』
『それだけではありません。なんと6人ものアイドルが入れ替わっているんです』
『これは渋谷さんの代わり、という事なんでしょうか?』
『公式の発表によると、これは新規ユニットの『ニュージェネレーション・パッチワーク』の演出の1つだそうです』
P(新規ユニット・・・?)
『今までのニュージェネレーションと同じように扱える上で、新たな発見そして・・・』
『そして?』
『渋谷凛の帰還を待つ精鋭たちという事になりますね』
『渋谷さんは公式に休養を発表して、もう何日か経ちますもんね』
『ファンの間では、渋谷さんが戻ってくるのは次か、次なのかと期待が高まっているそうです』
『次のニュースですが・・・』
P(どうする?大手3社がまた合同のユニットに力を入れてきたという事になるぞ・・・?)
P(俺たち○○プロはあくまで中堅。一般人からすれば知らない人だって多いんだ・・・そんな中ニュージェネがまた跋扈し始めたら俺らはニッチ層にしか売れなくなるぞ・・・?)
P(どうする・・・?NNN芸能とAE社に頼みこんで対抗ユニットを作る?いや、結局話題になるのはアイドル業界だけで、一般の人へ情報が届くとは思えない・・・)
P(あのユニットに勝つ方法・・・何がある?考えろ・・・考えるんだ・・・)
P「・・・・・・」
「にーちゃん、もしかしてアイドルのプロデューサーってやつなんかい?」
P「え、あ、いや・・・」
「言わんでも分かるよ。今の目、次の戦いを勝とうとする目だよ」
「かっこいいねぇ、やっぱ男は勝ちに行ってなんぼだよ」
P「・・・・・・」
「アイドル探しているんかい?」
P「そういうわけじゃないんですが」
「可愛い子ならここの孫がかわいいよ、あとで会ってみるといいさ」
P「すいません・・・」
P(日本語は便利だ。アイドルの情報をくれてありがとう、という意味と。これ以上関わらないでくれという意味をまとめて「すいません」なんて言葉で片付けられる・・・)
P「ごちそうさまでした」
P(俺はいつの間にか皿に追加されていたアジフライをよく味わってから、店を出た)
─ 海沿いの道・防波堤 ─
クァー!クァー!
P(俺は防波堤に登り、横になって静かに目を瞑った)
P「今は・・・アイドルから離れるんだ」
P(聞こえるのはカモメとたまに通る車、そして波の音だけ・・・)
P(自分がいなくなったかのように思えてしまうこの静けさ・・・心地よい)
P(あらゆるアイドルとの仕事を忘れ、俺は1人、景色溶け込んだ)
・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
?「・・・・・・っ!!」
パシャ!!
P「あれ、俺・・・寝てた・・・」
?「起きましたか~?」
P「うて、ぁ、え?」
P(目を開けた俺の目の前に、釣竿を持った女の子がひとり立っていた)
?「あなたがプロデューサーれすよね?」
P「あ、えい、ご、ごめん。頭が混乱して」
?「待ってますろ~」
P「・・・・・・すぅ・・・はぁ・・・」
P「ごめん、えっと・・・」
?「七海は七海れすよ~」
P「七海ちゃん?」
浅利七海「そうれすよ~、さっきは七海の釣ったアジを美味しいって言ってくれてありがとうございます~」
P「キミがあのおばあちゃんの・・・」
七海「婆さまとおじさんらがプロデューサーやってる男がひどい顔してるから励ましにいけーって言われたのれす」
P「・・・あはは」
七海「?」
P「・・・・・・顔に出ちゃってたんだね」
七海「そうれすよ~、今も疲れてる顔をしてます~」
P「・・・ここは優しいところだな」
七海「分かります~。七海もこの海と町が大好きれす~♪」
P「俺は聞いての通り、アイドルのプロデューサーをやってるんだ」
七海「ふんふん」
P「たくさんの女の子と出会えて男としても仕事としても嬉しい。でもね」
P「俺を狙ってくる子がいるんだ。色んな意味でね」
七海「色んな?」
P「うん。例えば、仕事を失脚・・・つまり辞めさせようと企む人」
七海「・・・不気味れすね」
P「それに、俺を男として奪おうとする子」
七海「交尾?」
P「直球だな・・・そうだね、俺と交尾して子供作ろうなんて考えてる子もいたね」
七海「出来ちゃったれすか?」
P「いや、なんとか逃げれたよ。でも・・・逃げただけだった」
P「そして傷心中の俺がこうやって、海を眺めに来たってところかな」
七海「またアイドルの世界に戻るんれすか?」
P「・・・だろうね、残念だけど、俺はこの仕事しかできないと思うし、天職だと思ってる」
P「責任感に弱いのも、女の子に言い寄られて何も言い返せないのも弱点だと思う。でもね」
P「頑張ってる女の子の背中を押すこの仕事が何より生きてるって感じがしちゃったんだ」
七海「生きてるって感じしちゃったんれすか」
P「しちゃったんだよ。残念だけど」
七海「残念?」
P「・・・俺さ、おとといまで自殺・・・考えてたんだ」
P「でもさ、出来ないんだよ。俺は面倒見ているアイドルたちの事、やっぱり大好きだった」
P「あの子たちとバカバカしく笑いあって、ライバルたちと戦う事が、すごく大好きなんだよ」
七海「・・・・・・大変れすね」
P「ああ。さっきも思わず立ち上がっちゃったよ。新たなライバルの登場に、どう勝とうか、どうメンバーを動かそうか、なんてね」
七海「・・・七海がアイドルになったらライバルに勝てますか?」
P「どうかな、さっきのおじさんたちの入れ知恵かい?」
七海[首を縦に振る]
P「確かに・・・」
P(確かに・・・目の前に現れた七海ちゃんという子はあどけなさの塊であった。あの定食屋にいたおじさんらの孫ぐらいの年で、団塊世代へ売り出すならかなりのヒットが狙えるだろう)
P「・・・・・・いや、どうだろう・・・」
P(俺は七海ちゃんの顔をぐっと覗き込む)
七海「あわわわ・・・////」
P(すらっとした青い髪にパッチリと開いた目、天然モノならばまさしく原石だ。神がかっている)
P(どこの層を狙うかは物凄く分かりやすい・・・確かにこの子はアイドルとして羽ばたくのは可能だ)
P(だが、○○プロに入れたところで中堅も中堅、中堅の名が欲しいままのアイドルになってしまいそうだった)
P「・・・いや、これほどの子を・・・」
七海「わわわわわわわわわ・・・////らめれす・・・近いれす~・・・////」
P「へ?」
P(気付いた時には、彼女と俺の距離は中指1本で精一杯といったぐらいに狭まっていた)
P「ご、ご、ごめん!////」
七海「びっくりしました~・・・意外と大胆れすね」
P「たまに言われ・・・うぐぅ!!」
七海「大丈夫れすか!?」
P「ご、ごめん・・・大丈夫・・・大丈夫だから」
P(突然、宮本フレデリカと観覧車に乗った時の風景がフラッシュバックした。おかげで心臓がビクンと痛いくらいに跳ねた)
P「・・・・・・」
七海「・・・・・・?」
P「・・・・・・うん」
七海「・・・・・・?」
P「ごめんね」
七海「七海は何もしてないれすよ~」
P「・・・そうだね」
P(俺はごろんとその場で寝転んだ。空を眺めては雲ひとつ無い快晴をちょっとだけ恨む)
P「・・・はぁ」
七海「ため息出したら、いろんなものが逃げだしちゃいますれすよ~」
P「・・・・・・」
七海「よーし、七海がプロデューサーのためにお魚一本釣りショーを見せてあげます~」
P「・・・・・・」
七海「よー、それっ!!」
P「・・・七海ちゃん、なんで俺なんかのために」
七海「七海はお魚が好きれす。お魚は食事にも観光にも使われ、人を喜ばせる力を持っているんれす」
七海「婆さまは七海の釣ったアジを料理して、プロデューサーに食わせたら美味しいと頬を赤くしたと言ってたれす」
七海「だからもう一度喜ばせるんれす。悲しい顔より笑った顔が一番れすよ」
P(・・・・・・アイドルの素質)
七海「何より、目の前の人がほっとけないらけれす」
P(・・・あークッソ!!!!!)
P「そこまで女の子に言わせておいて、うだうだ言ってられないよ!七海ちゃん、まだ竿ある!?」
七海「ありますよ~♪」
P「勝負だ、七海ちゃん!大物を釣った方が勝ちだ!」
七海「えへえへ~♪絶対負けないれすよ~」
七海「釣りをして、気分爽快!れすよ~」
・ ・ ・ ・ ・ 。
P(2時間ほどやって俺の結果は残念だった。俺はアジ一匹、七海ちゃんは色々釣ってたが特に)
七海「タイが釣れました~♪」
P「これは・・・」
P&七海「タイへん、めでタイ!!」
P(でも、負けたのがそこまで悔しくなかった。強いて悔しいと言うなら)
藤原肇『今度、一緒に釣りに行きましょうね。私がいっぱい教えてあげます』
P(と、肇との約束を思い出した事が物凄く後ろ髪を引いていた)
P(俺って、やっぱり後になって後悔するタイプだわ・・・うん)
七海「すごいれすよ~♪ここでタイははじめてれす~♪」
P(でも、七海ちゃんの笑顔を見てるとそこまで精神を病むものでもなかった。肇とは海ではなく川で釣りに行こう。そうすれば、また新しくなるはずだ)
七海「これはすっごいご馳走れす~」
P「それじゃあ、タイ以外はリリースしちゃおうか」
七海「そうれすね~、バイバーイ♪」
七海「プロデューサー、タイは何でいただきますか?」
P「何が出来るのかい?」
七海「婆さまに器具借りて色々出来ると思いますれす」
P「煮物とか?」
七海「いいれすね~♪」
P「さっきご飯食べたばっかなのに、もうお腹減っちゃったよ」
七海「お腹が減ったのは元気な証拠れす~。じゃあ、婆さまに頼んで美味しい煮物にしてもらうれす~」
─ 定食屋 ─
「おう、にーちゃん!さっきより顔色いいじゃねーの」
P「はい、七海ちゃんから元気もらいました」
「すげーよなぁ、七海ちゃん。俺らもしょっちゅう癒されてるわ」
「14歳って言ったら、もうね・・・」
「俺の孫なんか、はよ死ね、保険金寄越せとか言い始めるんだから」
「「「はっはっはっはっ」」」
P(笑い飛ばせるおじさんらが凄いです。俺も・・・笑い飛ばせるようにならないとな)
P「・・・・・・ふぅ」
「ウチの孫はどうだったかい?」
P「あ、おばあちゃん・・・はい、七海ちゃんはすごく優しい子です」
七海「えへえへ~♪」
P「あ、聞こえてたんだ」
七海「婆さま、圧力鍋がないれすよ~」
「鍋なら今外で干してるんだよ」
七海「そうなんれすか~、取りに行って来ます~♪」
P(そう言って、七海ちゃんはお外へと出て行った)
「・・・ここだけの話だけどね」
P「?」
「あの子は・・・母と二人暮らしなんだ」
P「母子家庭?」
「いや、父親が遠洋漁業をやってるせいで年に数えるくらいしか帰ってこないんだ」
P「・・・」
「そしてこうも田舎だとね、友達が少ないんだ。若い子も全くいないから、遊び相手がいない」
P「・・・あはは・・・」
「近くに大学はあるんだがねぇ・・・こっちの方には来ないみたい」
P(言われてみれば、この店の中は俺が最年少っぽい。外を歩いていた人もどれも杖をついて歩いていた気がする)
「あんたさんのような若い子が来て、あの子も嬉しいんだろう」
P「そうかもしれませんね・・・」
P(言われてみれば、俺の事を警戒せずに近付いてくるなんておかしいもんな・・・)
P(俺でも20台なのに、若い子扱い、か)
「母親が反対するかもしれないけどね、あの子、もらってくれないかね?」
P「はぅ!?」
「あの子はここにはあまりにも勿体無いと思うよ。老婆心からだけどね」
P「・・・・・・」
P「俺があの子と・・・」
「・・・・・・まぁ、そんな話は本人とするといい。あたしゃ飯を作っておくからね」
P「あ、はい」
「ひゅーひゅー、七海ちゃん貰って変顔してるヤツがいるってよー」
「子供出来たら見せてくれよー?」
P「え・・・あの・・・////」
「あんたたちはお酒飲んでないで仕事いけ!!」
「「「ひーっ!!!!」」」
─ 海沿いの道 ─
七海「あ、今お魚が跳ねたれすよ~!!」
P「あれはなんだろうね」
七海「真っ暗で見えないれすね」
P(時刻は17時頃、夕日が俺と七海ちゃんを照らし、ほんのり夢心地にさせてくる時間となった)
P(薄暗さのせいで彼女のお魚トークも減少傾向だった)
七海「・・・・・・」
P「・・・・・・」
P(俺らは防波堤に腰をかけて、のんびり海を眺めていた)
七海「・・・・・・」
P「・・・・・・」
P(何も喋らず、のんびりと眺めていた)
P「幸せだな」
七海「そうれすね~」
P「・・・・・・」
七海「・・・・・・」テレテレ
P(ちょっとだけ、座りなおした時に彼女は俺に近付いてくる)
P「・・・学校は行ってるよね?」
七海「行ってますよ~」
P「好きな男の子とかいる?」
七海「・・・・・・いないれす」
P「いじわるとかしてこないの?」
七海「ううん、学校に男の子がいないのれす」
七海「ちっちゃい、幼稚園ぐらいの子はいるのれすが・・・」
P「そっか・・・さすが田舎だ」
七海「どうしたのれすか?」
P「いや・・・」
P(言った方がいいんだろうか。おばあちゃんが言った事)
七海「・・・プロデューサーってカッコいいれすね」
P「ぶっ////」
七海「七海は若い男はあんまり会った事ないれす。若くても30を超えてるのが普通れすよ」
七海「だからプロデューサーがカッコいいんれす」
P「・・・・・・都会に行ったら俺よりかっこいい人、いっぱいいるよ」
七海「それでも七海を好きになってくれると思わないれす」
P「そうかな?」
七海「テレビで最近の人は魚を食べないと聞きますれすよ」
P「・・・そうだね、俺のダチにも1人いるよ」
七海「だから七海を好きになれない人もいるだろうし、好きになっても周りの人に迷惑かけるかもしれないれす」
七海「でもプロデューサーは真っ直ぐ七海を見てるれす」
P「俺が?そうかな?」
七海「そうれすよ。プロデューサーは悩みを正直に七海に話してくれました。だから七海は何とかしたいって思ったんれす」
P「・・・・・・」
七海「自分の事、曲げずにちゃんと言える人はマグロみたいにかっこいいれすよ」
P「マグロ、か」
七海「マグロは決して止まらずに泳ぎ続ける化け物れす」
七海「プロデューサーの目を見て、同じ事を受け取ったれすよ。この人は絶対、前に進み続けるって」
P「・・・ありがと。なんだか恥ずかしいな」
七海「えへえへ~♪」
P「・・・・・・」
七海「・・・えへへ」
P(七海ちゃんは俺に寄りかかるように頭を預けてきた)
七海「・・・・・・プロデューサー、こうしてていいれすか?」
P「・・・・・・どうぞ。俺なんかでよければ」
七海「えへ~♪七海は甘えるの得意れすよ~」
P(俺の服の袖をそっと握って、彼女はさっきより力を抜いて俺に体を預ける)
七海(・・・すごく心地よいれす~・・・)
P「・・・ホント、俺のようなヤツが珍しいんだな・・・」
P(貸してたものははいつしか、肩から膝へと切り替わってしまい、彼女は寝音を立てている)
七海「・・・・・・らいじょうぶれすよ~・・・」
P「撫でても起きないよね」ナデナデ
七海「・・・んぅ・・・」
P「はははっ、また妹が増えたみたいだ」
P(七海ちゃんはどうしたいんだろうな。俺は、また都会に戻り、アイドルのプロデューサーへと戻ってしまう)
P(俺は彼女をアイドルにするべきなのか?)
七海『・・・七海がアイドルになったらライバルに勝てますか?』
P(もし、この言葉が本気ならば、俺は全力を注ぐべきだと思う)
P(今は何より人数が欲しい。モンスターコンテンツを用意できないなら、数で補うしかないのがこの業界の基本だ)
P(現23人、このアイドルの数でも足りないというのだから恐ろしい業界だ)
『母親が反対するかもしれないけどね、あの子、もらってくれないかね?』
P(もし、俺がこの子を嫁としてもらうなら、またどんな生活になってしまうだろうか・・・)
P(少なくとも、朋は怒るだろうな。アイツが可愛がっている巴や同じく従妹のみちるとそう年齢が変わらない子を嫁にもらうって言っているのだから)
P「・・・ダメだ。恥ずかしい」
P(それに芽衣子と約束しただろう。トップアイドルになったら結婚するって)
P(だから、彼女らの約束を守りつつ、あのおばあちゃんの言葉を本気にするなら・・・)
P(アイドルになってもらうしか・・・ないか)
P「だが、この子をアイドルにするべきなのか・・・?」
P「お魚好きのアイドル。イイ線は、いけると思うけどな」
・ ・ ・ ・ ・ 。
P「七海ちゃん、起きて」
七海「ほぇ・・・?」
P「日が落ちちゃったから、もう店に戻ろう」
七海「寝ちゃってました?」
P「うん。寝顔、可愛かったよ」
七海「・・・・・・////」
P「・・・そうだ、近くにホテルってある?予約取っとかないと」
七海「ほ、ほ、ホテル・・・////」
P「え゛!?あっ、あっ、違うよ!?俺が泊まるためのホテルだよ!?べ、別にエッチするためだけのホテルってわけじゃ・・・!!」
七海「・・・・・・」
P「七海ちゃん?」
七海「今日は一緒に婆さまの店で泊まりましょ~」
P「え、ちょっ大丈夫なの?」
七海「七海が頼み込んでみるのれす」
P「・・・お願いするね」
七海「はいれす~」
カツン・・・。
P「?」
七海「どうしたんれすか?」
P「いや、今、石の落ちるような音が・・・」
七海「確かにしましたけど、プロデューサーじゃないんれすか?」
P「そんなに力んで歩いてないよ」
七海「それじゃあ・・・」
P「・・・?」
P(俺の目にははっきりと見えた。防波堤の上に白い帽子を被った女性が・・・)
P「キミ!!何をしてっ・・・」
バシャーン!!!!
P「と、飛び降りた!?」
P(暗さでずっと気付かなかった!少しでも明るければ気付けたのに・・・!)
七海「・・・プロデューサー・・・どうするんれすか・・・?七海は泳げないんれす・・・」
P「七海ちゃんは店に戻って救急車を呼んで!!あとライトを持ってきてくれ!!!」
七海「分かったのれす!!」
P「一体こんなところで何をしているんだってんだ!!」
P(俺は寒い寒い海へと飛び込んだ)
P「・・・ぷはっ・・・!くそう、真っ暗で見えない!!」
P「どこだ!どこに行った!?あがが、さみぃ・・・!!!」
七海「プロデューサー!!」
P「七海ちゃん!!ライトは!?」
七海「でっかいの持って来ました!!今照らすれす!!」
5分後・・・。
七海「どこれすか~・・・?」
P「・・・・・・見つけたっ!!待ってろ!!七海ちゃん!登れる場所をライトで示してくれ!!」
七海「了解れす~!」
・ ・ ・ ・ ・ 。
P(すぐに防波堤を登れるわけがなく、俺は助けた女性を背に迂回して、近くの砂浜へとたどり着いた)
P「はぁ・・・はぁ・・・時間が・・・時間がかかりすぎた・・・!!」
七海「プロデューサー、大丈夫れすか!!」
P「俺よりも・・・その人を・・・!」
七海「えっと、息、息は・・・!」
P「ないか!?」
七海「は、はい!」
P「ぜぇ・・・はぁ・・・脈は!?」
七海「えっと・・・あります!首元で弱弱しいれすけど・・・!」
P「十分だ!今すぐ心臓マッサージを・・・!!うぐっ・・・!!」
七海「プロデューサー!?」
P(くっそ、こんな時にフラッシュバックしてくるなんて・・・!!!)
P「ええい・・・くそう!!俺は人のために生きるのが大好きなんだ!!!ああぁぁぁぁっ!!!!!!」
七海「プロデューサー・・・」
P「・・・はぁ・・・ふぅ・・・叫んだら頭の中空っぽだ!!よし!!」
P(まずは意識確認だ)
P「大丈夫ですかー!!!?声が聞こえますかー!?」
P(心臓は・・・?)
・・・・・・。
P(ダメだ、心臓の音が聞こえない・・・俺や彼女の体が冷えたせいか・・・それとも水も多く吸ったか・・・!?)
P「ええい、心臓マッサージを強行する!死なすよりマシだ!!」
P(こんな田舎にAEDがすぐ見つかるとは思えない!俺が助けなきゃ・・・!!)
P(アゴをあげ、気道を確保)
P(胸と胸の間に手を置き・・・ってこの子胸大きい・・・じゃない!!やましい事は捨てる!!)
P「確か・・・もしもし亀よ亀さんよ」
P(俺は前に心肺蘇生法を習った時と同じように歌のリズムに合わせて胸を押していく)
P「世界のうちでお前ほど」
P「歩みののろい者はない」
P「どうしてそんなにのろいのか」
P(そして、人工呼吸・・・)
ドクンッ!!
P「うぐっ・・・」
P(なんで、なんでこんな時にまでフラッシュバックが・・・!!)
P「すぅ・・・すぅ・・・」
七海「プロデューサー、大丈夫れすか?」
P「ああ、俺がやらなきゃ・・・俺がやらなきゃ・・・」
P(俺は跳ね続ける心臓を押さえながらも人工呼吸と心臓マッサージを繰り返した)
P(そして、6回ほど繰り返した後・・・)
?「けほっ・・・ごほ・・・ごほ・・・」
P「ほっ、息が・・・!」
P(救助中の女性に呼吸が戻った!これで死ぬ確率はかなり抑えられたはずだ・・・)
パーポーパーポー・・・。
七海「救急車が来たれすよ!!」
P「良かった・・・良かった・・・」
七海「こっちれす!!この女性れす!!」
P(後の行動は七海ちゃんに任せ、俺は呼吸を整えていた)
P「なんとかなったな・・・」
七海「よかったれす。プロデューサーもかっこよかったれすよ」
「いくぞー、せーのっ!!」
P「?」
P(タンカーに乗せられた女性のポケットから手帳が1つ、砂浜に落ちた)
「早く運ぶぞー!」
P(救急隊員の人たちはそれに気付かず、すぐさま救急車の中へと消えてしまった)
P「これ、俺が渡してあげた方がいいよな」
七海「七海も着いていくれすよ?」
P「まぁ、何があったか知らないけど、お見舞いされて嬉しくない人は少ないだろうしな」
ビュゥゥゥゥウウウ!!!
P(突如、風が思い切り吹いた)
七海「ふぇぇ!?寒いれす~・・・はくちゅっ!!」
P「うううさっむっ・・・ぅ?」
P(風で手帳のページが開いてしまい、思わず中身が見えてしまった)
P「△△海洋大学、1年・・・瀬名詩織・・・」
次回のおまけに続く
というわけでカナヅチコンビの登場です。
これがどうなっていくかは次回お楽しみに。
ではHTML化願いを出してきます。
おー瀬名さんか
また新カード出ないかなー
ぶっちゃけこの瀬名さんはともかく
七海ちゃんの話し方もヤバい背景がありそうだよね
乙
登場人物増えすぎて見せ場がなくなってるキャラ多い気がする……
好きなキャラが出てる分、ちょっと残念。20人だか30人だかを仲間にしなきゃっていう作中の方針ってそんなに大事なん?
雪乃さんがいれば何人でてこようと同じ
>>100
Sランクプロダクションならアイドルを40人ほど抱え持ってると想定して(A○B48的な)
AランクプロダクションになってSランクプロを倒すなら30人はアイドルを持ってないと持久力的にも売り上げ的にも届かないよね
という見方で最初作ってたので、お話のどこかに「30人集めてこい」なんて書いたわけです。
それを地道に守ってるのでこんなに人が集まってどっちゃりとしています。(○○プロのメンバーはバランスよく登場させるつもりではあります)
確かに登場人物多いなーと思うかもしれませんが、全アイドル1度だけでも登場させたい!せめて19歳組は全部!という小さな野望もあるのでご愛嬌と言う事で。
Wikiの方を更新しました。
ユニットの方に簡単に説明文を入れました。
あと次々回のタイトルが決まりました。
・五十嵐響子「砂糖食いの若死」
です。
ではまた。
19歳なんて成人する一歩手前の若々しい芽を摘みたいと思っている犯罪者はあんたかよww
桃華はボイスが入るんですよね。
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