櫻井桃華「李下に冠を正さず」 (97)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。

当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。


以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
http://ss.vip2ch.com/ss/%E3%80%90%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%80%91%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%8F%E3%81%96%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

前々回
喜多見柚「人こそ人の鏡」
喜多見柚「人こそ人の鏡」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1411/14115/1411543206.html)

前回
松山久美子「屠所の羊」
松山久美子「屠所の羊」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1412/14123/1412348872.html)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413383758

※ちょっと忙しくなってしまったので途中まで書けてる分を投稿します。
 日曜日にはちゃんと全部投稿するから安心してね!


 ─ 前回のお話 ─

・藤居朋が中学生だった時の先輩、松山久美子が現れる

・彼女の母は不幸にも詐欺に遭い、そのせいで一家が崩壊寸前だった

・だが、櫻井桃華や梅木音葉の協力もあり松山久美子がアイドルになる事で解決!




 ─ ○○プロ事務所・事務室 ─


櫻井桃華「Pちゃま、今度のお休みですが・・・」

モバP(以下P)「・・・実はな・・・」

桃華「・・・・・・」ショボン

P「やっとお休み取れたんだよ!やっと約束果たせそうだ!」

桃華「本当ですの!?」パァァ

P「ああ、ごめんな。今まですっぽかしちゃって」

桃華「大丈夫ですの。ああ、でも・・・」

P「でも?」

桃華「次の休みの日の場合、お父様ではなくお爺様・・・つまり会長がお見えになるのですわ・・・」

P「え゛・・・マジ?」

桃華「マジですわ」

P「・・・いや、行こう。この日を逃したら、次いつ休みが噛み合うか分からないからな」

桃華「では、前日の夕方、迎えに行きますわ」




P(俺はずいぶん前に桃華とこんな約束をした)


桃華『タイミングよく休みが重なればわたくしのお家に来ませんか?』

P『桃華の?どうしてまた』

桃華『お父様がわたくしの活躍を見て、どうしてもお会いしたいと申し出たのですわ』


P(確か、何ヶ月も前のお料理番組収録の時に約束したんだった。ようやく約束を果たせる)

P(桃華はすっかり○○プロの主力となっており、彼女も休みを取るのが大変だった)

P(当然俺もだ。○○プロ全体のアイドル数が23人となり、俺一人で回すのがキツくなってきた)

P(だがもう少しでプロダクションランクが上がる。そうすれば新しくスタッフを雇う事が出来る、それまでの辛抱だ)



若林智香「聞きましたか!?」

杉坂海「聞いたけどさ、はたして桃華が許してくれるか」

智香「言うだけならタダですよっ!」

海「そうだけどさ。ま、頼んでみようか・・・」



そして約束の日・・・。


 ─ 櫻井邸・門 ─


P「で、でけー・・・」

P(その言葉以外が喉から出なかった。それだけデカい、ひたすらにデカい屋敷が目の前にあった)

P(時刻は夕方。白い屋敷がオレンジに染まり、どこか世界遺産の風貌すら感じる)

「敷地だけで換算すると、約東京ドーム4つ分とちょっとと聞いています」

P「そ、それほどの敷地が関東圏内に・・・ますます凄いですね・・・」

P(俺はと言うと桃華の執事と名乗る人に車で送ってもらっている所だ)

P(いや、しかし・・・すごいデカいな・・・)

「ここらは櫻井の私有地になってましてマスコミ等の手が届きません。P様は桃華様のプロデューサー、本日は特別待遇で扱わせて頂きます」

P「ありがとうございます。愚かな行動はしません、お気になさらず」

「信用していますよ?」

P「はい、もちろんです」

P(桃華の執事というと、なんというか・・・TOKIOのヤマグチ タツヤを渋くした感じに見える。結構若そう・・・)

P(そんな事を頭に浮かべて約5分、ようやく櫻井の持つ一番大きいとされる本邸へと足を踏み入れた)



「・・・・・・」


P(一歩、その屋敷に足を進めると、メイドたちが一斉に俺に向けて頭を下げる)

P「・・・・・・さすがは本邸・・・厳粛な雰囲気ですね」

P(前に櫻井グループの保養所にお世話になった時にも大勢に出迎えられるというのを味わったがあの時とは何レベルも違う。エリートからさらにエリートを選りすぐった感じ)

「P様、こちらになります。ついてきてください」

P「分かりました」

P(執事の方から変わってメイドさんに連れられ、奥の部屋へと案内される)

P(ついこないだCuプロとメイド喫茶イベントを行なったが、あれがバカバカしくなるだろう。目の前のメイドさんはまさしく仕事人という感じだった。つま先から瞼の下まで、どこもかしこも凛としていた)

P(見れば見るほど櫻井の教育というのが目に入る。この教育レベル、○○プロにも取り入れられないだろうか・・・)



「こちらが本日のP様の部屋になります。ここでもうしばらくお待ちください」

P「桃華さんの方は大丈夫なのですか?」

「大丈夫というと・・・」

P「ああ、えっと・・・面会の時間や疲労状態などになります。下手に生活リズムを崩させるわけにはいきません」

「桃華様は今日のために体調管理や睡眠状態も調整してあります。お気になさらず。面会の時間は今、桃華様のご友人が来ていますのでまだ少々時間がかかるかもしれません」

P「分かりました」


P(桃華はここ最近だけでなく、ひっきりなしに仕事が来ている気がする。例え親族の方と話す機会のためだとしても、桃華の体の方が大切だ)


P「よし、時間が来るまでは書類の処理をしてしまおう。会社にあるのは全部持ってきてある。・・・おっと、荷物確認しておくか・・・念のための寝巻きと次の日のためのYシャツ、スーツのホコリ取り用の養生テープ、あとノートパソコンにWiMAX、スマートフォンの充電器に・・・」

P「全部あるな、うっし・・・とっとと作業終わらせちゃいますか」

P「・・・月火水木金・・・どう配分しよう・・・まず月曜日には落ち着いた子がいいな。月曜日はダルいって感じる人は多々いるはずだ、清楚で静かな子・・・肇かな・・・保奈美は若干テキパキしすぎるな・・・」

P「火曜日は・・・」

「────────っ!!」

「─────」

P「ん?この声、どこかで聞いたような・・・」

P(窓の外へと目線を動かした。もしかしたら下に何か施設があるのかもしれない)

P「やっぱり。下は屋内プールか」

P(窓から顔を覗かせ、真下を見ると天井がガラス張りの屋内プールが確認できた)

P「あれ・・・あの明るい茶髪、もしかして智香と・・・櫂か?」

P「メイドさんが言ってた桃華の友人って智香たちの事なのか?」

「────────」

「────」

P(何を言ってるかは聞こえないが、智香と櫂が自分らより身長の低い子に泳ぎを教えている。多分、あれが桃華だろう)

P「まぁ、誰かは分かったんだ。仕事に戻ろう」


P(その後、スケジュール表作りが終わるくらいの時間にメイドさんからの呼び出しがあった)



 ─ 桃華邸・プレイルーム ─


海「ごめんPさん、桃華との約束盗み聞きしちゃって」

P「海がこうやって積極的に参加するのも珍しい」

海「智香とイヴが行ってみたいって言ってね。ほら、この2人は桃華の保養所行ってないしね」

智香「桃華ちゃんとのコミュニケーションが全然取れてないんですっ!」

イヴ・サンタクロース「そうですぅ☆あの時はユニットの練習があったので・・・」

P(そういえばそうだった。智香とイヴ、そして雪乃さんの冬限定3人組ユニット『ウィンターステップ』を公に出すための最後の仕上げをしていたはずだ)

P「なんだかごめんな。もっと俺が仲間との時間作れるように調整してあげられれば」

西島櫂「気にしない気にしない。アタシも今日、初めてまともに桃華と話せたわけだし」

P「櫂は候補生組だからな、比較的事務所に遅くまでいる芽衣子や海ならともかく、忙しく年齢的にも早くあがる桃華だとね」

櫂「まぁ、気に入ったよ桃華の事!こう・・・英雄型というか・・・心がガッチリしてるというか」

桃華「わたくしはまだまだ未熟ですわ!」

櫂「それでも凄い!」ムギュー

桃華「あぅぅ・・・」

P(身長の高い櫂が桃華を抱きしめると、姉妹のように見える。うーむ、櫂の売り方はこの身長を活かして行くべきか・・・)


海「んで、イヴと智香とウチで桃華に頼み込んでる時に近くにいた櫂と由愛が一緒に来る事になったーって感じ」

成宮由愛「桃華ちゃんと・・・あんまり一緒にいれないから・・・」

P「なるほどね」

桃華「プロダクションの皆さんとは元々旅行やお食事を共にしたかったのは確かですわ。もっともっと仲間として同じ時間を過ごす、それがより強い結束に繋がると思ってます」

P「そうだね、俺も社長もその時間を増やすためにパーティとか旅行とか計画してるのは確かなんだけどね」

桃華「人が多くなる事で全員が揃う確率がどんどん少なくなっているのは・・・否めないですわね」

P「うん、でもこうやって仲間を呼んでくれるのは助かるよ。俺や社長が引率せずに行動してくれるとスタッフ側でも余裕が出来るしね」

海「でもやっぱりみんなでパーティとかしたいよね」

P「もちろん!」

一同「ははははははっ」


P「イヴ、ブリッツェンは?」

イヴ「ペット用の部屋で寛いでますぅ☆どちらかと言うと相棒なので私の側に置きたかったのですが~・・・」

P「この後の事が無ければ可能だったかもね」

イヴ「この後の事?」

P「この後、櫻井の会長、つまり桃華のお爺ちゃんがこの家に来る・・・いや、帰ってくるんだよ」

海「ああ、なんかそんな事言ってたね」

櫂「え゛っ、つまりすっごい偉い人じゃん!!」

由愛「・・・・・・ちょっと、怖くなってきました・・・」

P「まぁ、早い話が三者面談だ。その時に騒がしい事をしなければ大丈夫だろう」

桃華「お爺様は厳しくも懐の広い方ですわ、それに面談の会場は皆さんから離れた所で行なうつもりですわ」

由愛「よかった・・・邪魔しちゃう可能性はないんですね・・・」



海「ほらほら、暗い顔しない!ゲーム機いっぱいあるし、遊ぼうよ!」

桃華「ゲーム機ならば最新鋭からレトロなモノまで全部揃えてありますわ」

P「うぉ、バーチャルボォイだ・・・初めて見た・・・」

櫂「Pさん、オススメない?」

P「今いるのは7人か。むー・・・何があるかなー・・・」

P(さすがに人狼のようなゲームやらせるわけにはいかないからなー)

海「マソオパーティとかいいんじゃない?」

P「4人までしかプレイできない・・・いや、2人1組のチームを作ればいいか」

P「海と由愛で1人のキャラクター、櫂と桃華で1人のキャラクターを使ってくれ。智香とイヴはソロ」

イヴ「Pさんはやらないんですかぁ?」

P「俺はローテーションで入るよ。智香とイヴと俺で交代交代だ」

一同「はーい」


P(こうしてアイドルによるパーティゲーム対決が始まった)

海「由愛はヨッスーがいいんだね」

由愛「ヨッスーが一番、かわいいです・・・」

桃華「スタンダードに主人公で行きますわ!」

櫂「これキャラに違いあるの?」

P「正直ない」

櫂「んじゃマソオでいっか」

智香「私この人使いますっ」

P「クルッパJrかー、テニスだと強いんだけどな」

智香「テニスゲームもあるんですか!?」

P「うん、あるよ」

智香「それもやってみたいですっ!」

P「・・・今度、事務所に設置しておくか・・・ゲーム機」

イヴ「Pさん、この人なんですか?」

P「テレッサか、というか智香とイヴが選ぶのマイナーすぎんだろ・・・」

智香「そうなんですか?かわいいのに」

イヴ&智香「ねー♪」

P(そう言うお前らが可愛いと思うのは・・・俺だけじゃないはず)


P(選ばれた4人の戦士は・・・1位を目指してパーティという名の戦いを始めた)

海「由愛、そこだ!」

由愛「え、えい!」

桃華「あっ!わたくしのコインが全部奪われてしまいましたわ!!」

由愛「ご、ごめんね・・・でも負けたくないから・・・!」

櫂「ははっ、こっちだってとっておきがあるんだよっ!!」

桃華「その通りですわっ!」

智香「あーっ、ルーレットマス強制!?」

櫂「ふっふっふっ、さぁ桃華!」

桃華「何が出るかな、ですわ!」

[1位が3位にコインを全部渡す]

櫂「は?」←コイン0枚
海「へ?」←コイン0枚
智香「む?」←コイン18枚

イヴ「やりました~☆何故かコインがいっぱいですぅ☆」←コイン122枚


桃華「や、やってしまいましたわ・・・」

櫂「ま、まだなんとかなるよ!勝負はコインの数じゃないんだし!」

由愛「海さん・・・」ウルウル

海「しょうがないね、貸してみな」

智香「ビリだけは嫌ですっ!」


イヴ「Pさん、このコインどうすればいいんですかぁ?」

P「とりあえず星買えばいいよ」

イヴ「は~い☆☆☆☆☆」



P(なんともまぁ・・・楽しそうな時間だった。1戦目はイヴが独走、そのまま勝利した)



Pipipi...


海「Pさん、メールじゃない?」

P「む、ミッチーからか」

櫂「ミッチーから?」

P「『今日は家に帰らないのですか?朋さんと一緒に来ちゃったんですが』・・・って参ったな。桃華の家に行く事を連絡してなかったな」

櫂「こっちには・・・来れないよねぇ」

P「しょうがない。今日はそのまま泊まるか、帰るかのどちらかにするようメールしておくか」

海「・・・朋とは仲直りできたんだ」

P「・・・・・・ああ。仲直りというかいつも通りに戻ったというか」

イヴ「朋ちゃんと喧嘩しちゃったんですかぁ」

P「アイツの目の前で自分の先輩を疑われてるからな。朋からすれば、いたたまれない気持ちでたくさんだろう」



一同「・・・・・・」


P「俺だって悪役にはなりたくないさ。でも、1個でも尻尾を見せちゃマスコミに狙われる立場なんだ」

智香「そ、そうですかー・・・?」

P「俺が人助けするだけで新聞屋は記事を書いただろう?詐欺に遭ったなんて言ったら大喜びで書くさ」

海「そりゃ・・・まぁね」

P「社会の目があるのは俺だけじゃない。キミたちアイドルもだ」

P「この業界は人間関係のミス1つに対するリスクがとても大きい。最近の俺の周りを見てて、それを強く感じてる」

P「だから今後もみんなに厳しい態度見せちゃうかもしれない」

一同「・・・・・・」

P「暗い顔しないでね。プロデューサーとして今の空間、アイドルの皆を守りたいだけなんだ」


桃華「それでも・・・Pちゃまが1人で抱え込むのはいけません。わたくしたちを信用してほしいですわ」

P「・・・」

海「朋の時は説明ナシに動いたからこうなったんだろうけど、ウチらはPさんの味方だし仲間だよ。ちゃんと説明してくれれば皆理解してくれるさ」

P「・・・・・・」

由愛「・・・Pさんが私たちの背中を・・・見守ってくれるから・・・ステージに上がれるんです。そんな私たちがPさんを守れないはずがないんです・・・」

イヴ「そうですよ☆私たちはPさんやちひろさん、社長さんが一緒に頑張ってくれるからアイドルやれるんです!私たちがPさんたちを守ってみせますぅ☆」

櫂「抱え込む必要なんてないんじゃない?あたしはまだまだアイドルになりきれてないけどさ、プロデューサーには全力で応えたいと思ってるよ」

海「こんな暖かい空間に皆いるんだ。だからさ、ウチらを信じてもっと心軽くしてほしいな。協力ならいくらでもやれるからさ」

P「・・・・・・」

P(俺の・・・考えすぎなのかな。いや・・・)

P「・・・・・・そうだな。どこか俺ひとりでやらなきゃって考えてたかもね」

P(物事を俺目線で考えすぎなんだ。皆の事だって頼っていかなきゃ・・・)


智香「Pさんっ!気持ち入れ替えにキスしますか!?」

海「智香、いきなりすぎないかい!?」

P「うん・・・しようか」

一同「はっ!?」

イヴ「ずるいです~!」

P「冗談だ」

海「ふぅ・・・」

P「・・・冗談なんだけど・・・」

海「へ?っておい、智香!!」

智香「えいっ!」チュッ



P「・・・最近、智香のキスをどうやったら避けられるか、って考えてな」

海「うん」

P「逆転の発想をする事にしたんだ」

海「逆転?」

P「智香のキスに動じなければ、きっと仏の心を手に入れられるって」

海「肝心の智香はPさんが落ち込んでる時にキスするって言ってるんだけど・・・」

P「あぁ・・・うん、何やっても落ち込んでるよね、俺・・・」








P「ちくしょー、暗い雰囲気飛ばすぞ!俺もゲームに参加だ!」

イヴ「わーい☆」



桃華(そんなこんなでPさんも含め、ゲームを楽しんでいきました)




数分後・・・。


P「ぎゃー!一人狙い禁止!一人狙い禁止!」

智香「それそれーっ!」

櫂「あっはっはっ!プロデューサーボロボロじゃん!」

P「やめーや!あ゛ーっ!」

由愛「ふふふっ・・・・・・」



タッタッタッ・・・



由愛(あれ・・・桃華ちゃん・・・どこ行くんだろう?)

由愛(そうだ・・・水飲みたいし、付いていこう・・・)



 ─ 櫻井邸・キッチン ─


桃華「・・・・・・」

由愛「あの、桃華ちゃん?」

桃華「ほあっ!?ゆ、由愛さん・・・!」

由愛「飲み物欲しくて・・・付いてきてしまいました」

桃華「ああ、言ってくれれば持ってきましたのに・・・」

由愛「ごめんなさい・・・」

桃華「ではせっかくですし、皆さんの分も選んで頂けますか?メイドに持っていって・・・」


「桃華様、この薬は・・・」


桃華「しまっ・・・!」

由愛「クスリ?」


「も、申し訳ありません!会話が静かだったもので・・・」

桃華「仕方ありませんわ・・・由愛さん、Pちゃまの事はどう思っていますか?」

由愛「どうって・・・」

桃華「好きか、どうかですわ」

由愛「え、えっと・・・好きでも・・・ひ、人として・・・」

桃華「そうですの。ならば由愛さんには口にしないよう、配慮しておきますわ」

「分かりました」

由愛「それ・・・何なんですか・・・?」

桃華「一ノ瀬志希さんはご存じですか?現Cuプロのアイドルですが」

由愛「な、名前だけ・・・」

桃華「これは彼女が作った言わば媚薬です」

由愛「び、媚薬・・・エッチな気持ちになる・・・」

桃華「そうですわ。彼女がかつて海の向こうの大学に所属してた頃、匂いで薬の効力を上げることができるかという研究に参加していたようです」


桃華「その研究の結果一つとして、この劇薬が完成しました。一般販売はほぼ不可能のモノが」

由愛「劇薬・・・た、大変になっちゃうんじゃ・・・」

桃華「ええ。聞くところによると、繁殖期の虎を超える性欲を得られるとか」

由愛「虎?」

桃華「繁殖期に二日で100回、性交渉を行うのが虎ですわ」

由愛「100回・・・////」

桃華「この薬をわたくしたちの中の1人に飲ませ、Pちゃまと性交渉をしてもらうのが今回の狙いです」

桃華「Pちゃまにも飲んでいただくのが一番良かったのですが・・・制御できない可能性を考えると男性に飲ませるのは危険だと判断しました」


由愛「な、なんでそんな事するの・・・!?そんなの・・・Pさんも皆も幸せには・・・」

桃華「確かに人の意思を無視した行為だと思います。ですが、このままではPちゃまが壊れてしまいますわ」

由愛「Pさんが・・・壊れる」

桃華「Pちゃまは常に我慢していると言っても過言ではありませんわ。今回の発言ではっきりと分かりました」

由愛「そんな・・・Pさんはみんなを信じてくれるって!」

桃華「信じてるからこそ、切り捨てられない事もあると思います」

由愛「切り捨てられない・・・?」

桃華「Pちゃまは言ってましたね。『自分の周りに渦巻く人間関係』と」

由愛「うん・・・」

桃華「それは間違いなく、皆の自分のプロデューサーに対する恋愛感情です」

桃華「皆がPちゃまに対する愛情を隠してないのも問題ですが、それに対するPちゃまの態度がいけないのですわ」

桃華「切り捨てるならば切り捨てるべき」

由愛「そんな・・・!」


桃華「プロデューサーとしてアイドルとの恋愛はご法度。それが社会の目ですわ」

桃華「彼は管理する人間として管理しているアイドルを常に最高の状態にしなければいけない。だけど告白を破棄すれば最悪、アイドルを辞められるかもしれない」

由愛「そう・・・考えていると?」

桃華「間違ったことは言ってるとは思えませんわ。Pちゃまは具合はどうあれ皆の事が好きすぎるのです。特別を作らず、平等な・・・」

由愛「だから・・・その薬で強制的に・・・」

桃華「ええ・・・特別を作ってしまえば、彼だけでなく、彼に対する愛情を持つ人たちは諦めるでしょう・・・」

由愛「そんな事・・・ないと思う・・・」

桃華「え?」

由愛「絶対あきらめないと思う。だから、皆一緒にPさんの事が好きだと言い合えるんだと思う・・・皆強くて、たくましいから。智香さんがキスするの見て動じないのは、次は自分だって、Pさんの隣にいるのは自分だって信じてるから」

桃華「・・・・・・」


由愛「薬の力じゃ、抑えられない。・・・皆の団結力は」

桃華「それも・・・そうですわね・・・」

由愛「たとえ一ノ瀬さんの最高技術の薬だって・・・打ち破れます」

桃華「ふふっ、そうですわね。皆、ずぶとい性格してますもの・・・」

桃華「・・・・・・」

由愛(桃華ちゃんは一度、目を閉じ少しだけ黙想しました)



桃華「その薬・・・、使うのを止めましょう。わたくし、もっと傍観したくなりましたわ」

由愛「よかった・・・」

桃華「Pちゃまがこの行く末に誰を選ぶのか、ちょっとだけ気になってきましたわ。こちらで無理に選ぶ方がつまらなかったですわね」

由愛「・・・・・・そうだね」

桃華「ところで由愛さん」

由愛「へ?」

桃華「どうしてこの薬が一ノ瀬さんの最高技術だと分かったのですか?」

由愛「ふぇっ!!!?////そ、そ、それはっ!!!」


桃華「おとなしく言った方が身のためですわよ?」

由愛「それは・・・そ、それはっ////」

桃華「それは?」

由愛「・・・・・・飲んじゃったんです・・・////」

桃華「飲んだ?」

由愛「一ノ瀬さんのドリンク剤飲んで・・・エッチになったことあるんです・・・////」

桃華「ほ、ホントウですの!?」

由愛「う、うん・・・////首触られると気持ちよくなる・・・薬・・・」

由愛「それより凄い・・・薬なんだろうって思って・・・」

由愛「あの首に触れられるだけで心と体がぴょん・・・って跳ねちゃう薬よりも・・・」

桃華「その時は・・・どうしたんですの?」

由愛「Pさんに・・・ずっと朝まで首にちゅーしてもらって・・・////」

桃華「P、Pちゃまに!?そ、それでっ!?////」

由愛「そ、そ、それでぇっ・・・!////あ、あぅ、あぅぅぅ・・・////」

桃華「首にちゅーされて何があったんですの!!!?」

由愛「い、イ、い、いぃぃぃ・・・」

桃華「い!?」

由愛「・・・言えませんっ!!!!!!」ダッタッタッ

桃華「ちょっと由愛さん!?気になりますの!最後まで言ってくださいまし!!」タッタッタッ

由愛(言えるわけないです・・・!────なんて言えるわけがないです!!)


「お嬢様!・・・あれ、いない・・・ど、どうしましょう・・・!!」




 ─ 櫻井邸・プレイルーム ─


P(何やら顔を真っ赤にしてにして戻ってきたちびっ子二人がいた。由愛も桃華も、俺の顔を見るやらあらぬ方向に目をそらした)

P(何があったのやら。2人して猥談?・・・な訳ないか)


P「って、あーっ!!ちょっと俺が見てないうちに!」

智香「Pさんの星全部奪っちゃいましたっ!!」

海「戦いに集中しないPさんが悪いね」

P「くっそー、アイドルじゃなければ関節技かけてたっ!!!」

櫂(関節技・・・三角締め・・・)

P「ん?どうした櫂。俺のお腹なんて睨んで」

櫂「ヴぇ!?な、なんでもないよ~♪」

P「???」

イヴ「Pさんとチーム戦ですよぉ~☆」

P「よし来た!コテンパンにしてやるからな~!!」




P(そうして、楽しい時間が過ぎていった。なんだかんだ俺も皆も遊ぶのが大好きだった。・・・旅行の選択の幅が増えたかな?)

P(夕食を済ませ、遊び足りないものはプレイルームへ。それ以外はそれぞれが割り振られた部屋へと分かれた)



 ─ 櫻井邸・キッチン ─


桃華「く、薬を使ってしまったですって!!!?」

「申し訳ありません!成宮様と走り去ってしまった後、どうしても外せない電話がかかってきてしまったために・・・」

桃華「これ以上に大事な電話なんてあるのかしら!?」

「会長が、会長が今から帰られると・・・!!」

桃華「っっっっ!!!!!」

「申し訳ありません!私の独断で料理を捨てておけば・・・!!」

桃華「お爺様の電話対応に追われていたのであれば、致し方ないですわ・・・」

桃華「それよりも誰の食事に入れたんですの!?」

「それが・・・配膳を担当した者は私とは別のメイドで・・・」

桃華「もうっ!!!口にいれたと思われる人物は5名のうち誰かですわ!!探しますわよ!!」



 ─ 櫻井邸・海の部屋 ─


桃華「海さん!!」

海「ん?どうしたんだい、桃華。そんな慌てた顔して・・・」

桃華「海さん、何か体調がおかしいとかはありませんかっ!!」

海「ウチ?大丈夫、ピンピンしてるよ」

桃華「良かった・・・!海さん、絶対にこの部屋から出ないでくださいまし!」

海「え、どういう事・・・!?」

桃華「とにかく、ですわ!!お飲み物などは内線で伝えてください!!」

海「あ、うん」



 ─ 櫻井邸・プレイルーム ─


桃華「皆さん!!」

智香「?」

イヴ「どうしたんですかぁ?」

由愛「・・・桃華ちゃん・・・どうしたの?」

桃華「こ、この中で体調がおかしい人はいませんか!?頭がクラクラするとか、喉の奥が熱いとか!!」

智香「まったくもって大丈夫ですよっ!」

イヴ「私も病気には強いですよぉ☆」

桃華「ゆ、由愛さんは・・・?」

由愛「・・・私も・・・大丈夫です。も、もしかして・・・」

桃華「そのもしかして、ですわ!となると残りの・・・」


桃華(残りの1人、西島櫂さん・・・そう脳裏で浮かべた時、遠くでガラスの食器が割れる音がした)


「お嬢様、今の間違いなく・・・」

桃華「Pちゃまの部屋ですわ!!急いでいきますわよ!!」

一旦、ここで休憩になります。
続きは土日に。

ホント、いいところで止めてすみません・・・(汗)



 ─ 櫻井邸・Pの部屋 ─


櫂「プロデューサープロデューサープロデューサー・・・・・・」

P「か、櫂!?どうしたんだ!?」

櫂「プロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサー・・・・・・!!」

P(い、一体どうしちまったんだ!?目が虚ろで、肩には力が入ってなくて、何かに囚われたような・・・)

櫂「プロデューサー!!」

P「お、おうっ」

櫂「ねぇ・・・プロデューサー」

P「な、なんだい?」

櫂「・・・子作りしよ?」

P「・・・・・・は?」

櫂「エッチなことしよ?」

P「こ、断る!」


P(か、櫂!?いや・・・確かにウチの事務所に来てから妙に朋とか響子とかと一緒にいたけどさ、でも急になんで!?)

櫂「いやだなぁ・・・ちょっと、[流石に自主規制]を[流石に(ry]に入れるだけじゃない」

P「わーわー聞こえないぞ!アイドルからそんな言葉は聞こえないぞ!」

櫂「あたし、プロデューサーの事好きなんだけどな」

P「告白する事の順番がおかしい!」

P(こ、心を落ち着かせるんだ。思い出せ、響子と芽衣子と朋が同時に告白してきた時に比べれば胃にはまだ優しい・・・)

櫂「ほら・・・会ったばかりの時にさ・・・」

P「う、うん」

P(響子と大学に行った時だな。撮影の日だったはず。櫂はそこの大学の屋内プールで出会った)

櫂「あの時さ、プロデューサーのアソコに顔突っ込んだ事あるじゃん?」

P「お、お、お、お、おう・・・」

櫂「あれでさ、心ときめいちゃったんだよね」

P「は?」


櫂「乙女になる瞬間?やばかったよ、プールで泳ぐ時と同じくらいに体の中の幸せが暴れだしたんだから」

P「・・・聞きたくなかった」

櫂「あれからずっと、プロデューサーと触れ合いたいなって思ってた」

櫂「さっきアイドルじゃなければ関節技やってた、って言ってたよね?」

P「うん、まぁ、言ってたけど・・・」

櫂「よければ三角締めしてほしいなぁーって・・・プロデューサーの股間にもう一回・・・」

P[両耳に指を入れる]


櫂「プロデューサーってモテるじゃん?美玲とはディープキスしたんでしょ?」

P「・・・うん」

櫂「ってことは次にプロデューサーがやるべき事はエッチだよね?」

P「は!?」

櫂「やろう?シようよ」

P「か、櫂?ちょ、ちょっと待って!!落ち着け!!」ガンッ

P(い、いってぇ・・・テーブルに足ぶつけた!おまけにコップまで落として割ってしまった!)

櫂「プロデューサー!」

P「うぐっ・・・あっ!」

P(運動神経が良いとはいえ、女性とは思えない力の強さに俺はベッドに押し倒される)

櫂「へへっ、へへへへへへへっ・・・!!」

P(まるで意味がわからんぞ!櫂ってこんなに脳と下半身が直結してたヤツだったか!?)

櫂「プロデューサープロデューサープロデューサー・・・」

P「ええい、離せ!」

櫂「がぁっ!!」ムヂュ

P「もごぉっ!?」


桃華「Pちゃま!!」

P「ぅぉ───っ!!ぉぉぉ────っ!!!」

桃華「な、なんてことに・・・」

桃華(なんと櫂さんは足は丸太にしがみ付くようにPちゃまの胴に絡め、手では顔を押さえて熱烈なキスを送っていました)

櫂「んっ、れろっぇろっ、むづっ、じゅるっ」

P(口の中に別の生き物がいるみたいだっ!!唾液という唾液が奪われていくっ!!)

P(し、しかも・・・両腕が足に押さえられて・・・身動きが取れん!!)

櫂「ぷろっ、るーさっ、んっ!!」

P「ぉぉくぁ・・・」

桃華「P、Pちゃま!な、何かありませんかっ!!」

「私が引き離してみます!!」

桃華「お願いしますわ」


「西島様っ、そこらへんで一度・・・」

櫂「ふーっ!ふーっ!!ふーっ!!!」

「っ!」


桃華(自分に伸ばされた手を相手の体ごと弾き飛ばしてしまいました)

桃華「まるで・・・獣そのものじゃないですか・・・」

桃華(あの薬は・・・獣の性欲を得るだけじゃなかったのですかっ!?このままでは・・・)

P「んーっ!!」

桃華「このままだとPちゃまが窒息死してしまいますわ!」

P(マジでこのままだと死ぬっ!!死んでたまるもんですかっ!!)

P「んぉんっ!!」

桃華(目の前で腹筋の力だけで思い切り起き上がり、その勢いでしがみ付いていた彼女を跳ね飛ばしました)

P「あっ、吊るっ!腹筋が吊るっ!!!」

櫂「ぐぅっ!!」

P「に、逃げろっ!!!何がどうなってこうなった!!!」

櫂「プロデューサーッ!!!!」


桃華「行きましたわっ!追いますわよ!!」

「はいっ!!」



 ─ Pの部屋から7つ隣の部屋 ─


ガチャ・・・!

P「か、鍵を閉めて閉じこもってれば・・・!!」


バキィ!!


P「か、櫂のパンチが・・・扉に穴を開けたっ!?」

P(怖い!女子大生怖い!!)

櫂「プロデューサープロデューサープロデューサー」

P「ひ、ひぃぃいぃい!!!」

P(開けられる前に開ける!!そしてバランスを崩させる!!)

P「たぁっ!!!」

櫂「ぐあっ!!」

P「っ!ごめん櫂!!」



 ─ 庭園 ─


P「そ、外にまで出ちまった・・・ここまでくれば・・・!」

櫂「プゥゥロデュゥゥゥゥゥサァァァァァァ!!!!!」

P(か、花壇でハードル走してやがる!なんて身体能力だ!!)

P「ってか、お前は水泳選手だろっ!!すげぇ!」

P「関心している場合じゃない、ええい、次はあっちだ!!」



桃華「待ちなさい!!あの二人の体力どうなってるんですの!?」



 ─ 駐車場 ─


P「くそっ、どうやったらアイツを撒けるんだ」

P(ここは車がたくさん並んでるな・・・!よし)

櫂「だぁぁぁぁぁっ!!!!あ・・・?」

P「どうだ!この車と車の間を走り抜け、蛇行に走って行く技術を!暴走している櫂には追え・・・」

櫂「とぁっ!!!」

P「車の上を走ってきたぁっ!!!!ここじゃダメだぁっ!!」



桃華「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

「お嬢様・・・休憩なされた方が・・・」

桃華「元はと言えばアナタのせいでしょう!!」

「す、すみません!!」



 ─ 櫻井邸・Pの部屋 ─


P「ぜぇ・・・ぜぇ・・・うぐっ、結局ここに戻ってきちまった・・・!」

櫂「プロデューサープロデューサープロデューサー」

P「櫂・・・お前凄いな・・・っここまできて、息ひとつ・・・乱れてない・・・!」

P「降参だ・・・好きにするといいさ」

櫂「プロデューサーのプロデューサーがプロデューサーと」

P「ぜぇ・・・まるで獣だな。言葉の意味が分からん」

桃華「Pちゃま!!」

P「うっく・・・桃華、どっか行ってるといいよ。今からここは見せられない空間になる」

P「俺は今から櫂に食われる。どういう意味になるかは正直分からないけど」

桃華「Pちゃま・・・うっ、どうすればいいんですのっ!!」

P「・・・・・・」

桃華(櫂さんは獲物を確実に獲ろうとにじり寄っていきます・・・)


「お嬢様・・・網の方を持ってきました・・・援軍で4人ほど連れてきてます」

桃華「上出来ですわ・・・これで・・・」

「ですが、間もなく・・・会長が到着します・・・」

桃華「そうでしたわ・・・!どうしましょう・・・!」

櫂「ッ・・・!」ガシッ

P「いたっ・・・」

桃華(万力にかけられるかのようにミシミシと肩の骨が鳴って、痛々しくPちゃまは膝を折りました)

P「参ったな・・・やるなら優しくやってくれよ・・・」

櫂「がぅ・・・!」

P「美玲の真似か?ケモ耳付けるか?」

桃華「・・・Pちゃま」

P「なぁ、桃華。櫂を大人しくできそうか?」

桃華「スタッフが何人か用意できました。あとは・・・Pちゃまの安全さえ確保できれば・・・」

P「分かった」

桃華「・・・?」

P「はっ!!」

桃華(Pちゃまは一度、櫂さんの体を押して・・・)

P「たぶん死なない!!」

桃華「まっ・・・・・・!!!」



桃華(Pちゃまは・・・窓ガラスを開け、そこから飛び降りました・・・)


「今だ捕まえろ!!」

櫂「ぐるぅ!!がうぅ!」

「簀巻きにして、何もできないようにしよう!!」


桃華「櫂さんの安全が確保できるならばそれで」

桃華「・・・・・・っ」

桃華(私は・・・恐る恐る窓から外の下を覗きました)

桃華(Pちゃまの死体があるんじゃないかって・・・どこかで怖くなって・・・)



桃華「っっっ!!!」


「お嬢様!!」

桃華「ごほっ・・・うっぷ・・・!!」

桃華(吐きそうになりました。Pちゃまは下のプールのガラス天井を突き破り、プールに落下したようでした。プールは血で真っ赤になり・・・まるで血の池地獄を彷彿させていました)


「・・・お嬢様、会長がお見えになりました」

桃華「・・・行きますわ。Pちゃま・・・」

桃華(わたくしの中で『なぜあんなものを買ったのか』、そんな後悔が渦巻いていきました)



 ─ 櫻井邸・会長の部屋 ─


会長「・・・桃華、何やら慌ただしかったようだが」

桃華(李下に冠を正さず。下手に誤魔化すくらいならある程度、仄めかして言いましょう・・・)

桃華「・・・お酒を飲むと酷い悪酔いする人がいまして、誤って飲ましてしまった。それで暴れてる方を鎮圧するために時間がかかってしまったという所ですわ」

会長「ふむ、対処は完璧か?」

桃華「ええ。今はメイドが3人ついて看病しています」

会長「なら良い。人間はミスをし、そのミスを知る事で次の一歩を踏み出せる生き物だ。リカバリーが出来ているならば特に言うことはない」

桃華(ふぅ・・・)

会長「・・・ところで、桃華のプロデューサーはいないのか」

桃華(ギクッ)

会長「私の可愛い孫をさらに可愛くしてくれたのだ。是非顔を覚えてやろうと考えていたが」

桃華「Pちゃまは・・・」

会長「どうした?今日呼んでいるのだろう?」

桃華「・・・その・・・実は・・・」




「遅れましたっ!!!」



桃華「Pちゃま!」パアアッ

P「櫻井会長、お初にお目にかかります。櫻井桃華さんのプロデューサーをやらして頂いてます、Pと申します」

会長「おお、君が桃華の・・・」

P「はい、桃華さんは今や○○プロの主力のひとり。私も桃華さんに何度も助けられています」

会長「本当か・・・ふむ、櫻井の血を受け継ぐ者として、名に恥じない活躍を見せているようだな」

会長「立って話すのも辛いだろう。まぁ、座ってくれ」

P(なんだか、声優のイケダ シュウイチを思い出させる声だなぁ)

桃華「ひっ・・・!!」

P「どうしました?私が座ったのがおかしかったですか?」

桃華「い、いえ・・・大丈夫ですわ・・・」




桃華(その後・・・テーブルを挟んでPちゃまとお爺様の会話は弾むように進みました)

桃華(お爺様はPちゃまもまた1人の育ての親と認識しており、わたくしの成長を隅々まで知りたがっていたようでした)

桃華(Pちゃまもまたそれを話すのが楽しくて、その会話は時間を忘れて次々と進んでいきました)

桃華(わたくしは・・・Pちゃまの後ろで2人の微笑ましい雰囲気に心臓に針が刺さっているかのごとく重いものを感じていました・・・)



「会長、そろそろお時間です」

会長「なに、もうそんな時間か・・・ええい、P君、キミにこれを渡しておこう」

P「これは・・・会長の・・・」

会長「プライベートの連絡先だ。桃華について知りたい事があればこれに連絡してくれ」

P「ほ、ほ、ほぉ!?」

会長「驚く事はないだろう。キミもまた桃華の親だ、私とキミは同士と言う事だ」

P「・・・あ、ありがとうございます・・・」

「会長、次の会合はハワイで・・・」


P(櫻井の会長は去っていった。本当に忙しいようだ、この家には1時間といなかったのではないか?)


P「あ、嵐のように去ってたな」

桃華「Pちゃま」

P「ん?お爺様の感想?そうだな・・・渋いね、あんな感じのおじさんになりた・・・」


バタッ


桃華「Pちゃま!!」

P「・・・・・・っ、眩暈が」

桃華「誰か!早く救急班を!!!誰か!!」


桃華(わたくしは・・・お爺様とPちゃまがお話している時、Pちゃまの後ろにすっと立ってました)

桃華(そして・・・見えてました。Pちゃまの背中を)

桃華(ガラスの破片がまだ頭に刺さっており、首を通して血がダラダラと流れ続けているのを)

桃華(スーツから血に滲み出ていて、背中全体を赤に染めていたのを)

桃華「Pちゃま!無理しすぎですわっ!!!!」

P「・・・・・・うん」




Pはそのままいつもの病院に送られた。結果は左腕の骨折、頭部の後方の裂傷、背中の裂傷だった。



P「・・・俺、死ねないんじゃないかなぁ・・・」



終わり

以上です。今回はここまでです。
読んでくれた方はありがとうございます。

「李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)」とは誤解を招くような行動はすべきではないという戒めです。
下手に誤魔化すとロクな事にならないって事ですね。

さて、次回は

・宮本フレデリカ「明日は明日の風が吹く」
・相原雪乃「光陰矢の如し」

のどちらかです。見たい方があれば書き込んでくださいな。


この後、

・西島櫂はこの後、どうなったのか という名のおまけ
・もしPがクスリを飲んだらどうなるの という名のBADEND

をお送りします。

ではまた。



・・・おまけ・・・


櫂(・・・んぁ・・・・・・あれ・・・?)

櫂(あたしの目に昇りはじめたばかりの太陽の光が入ってくる。あれ、朝・・・?)

海「櫂?起きた?」

智香「おはようございまーすっ」

櫂「お、おはよう。えっと・・・これ今なにが起こってるの?」

櫂(分かる限り・・・あたしは布団で簀巻きにされて身動きが取れないという状態だった)

イヴ「覚えてないんですかぁ?」

櫂「覚えて・・・んっ・・・!?」

櫂(何か歪な光景が脳裏に蘇ってきた。プロデューサーにキスをし、散々追いかけまわして・・・最後にはそのプロデューサーが飛び降りて・・・)

櫂「ぷ、プロデューサー!!プロデューサーはっ!!!?」

海「今病院にいるよ。傷を縫合中だって」


櫂「い、命に別状はないのっ!?」

海「うん。左の上腕に骨折・・・というかヒビがはいって、あとはガラスとかで切っちゃったんだって。傷が残るかはまだ未定」

櫂「・・・・・・そうなんだ」

海「落ち込まないの。桃華がちゃんと事情を話してくれたし、櫂が気負いする必要ないって」

櫂「でも・・・」

海「でも、じゃないよ。Pさん以外に落ち込む人がいたらどう対処すればいいのやら」

智香「櫂さんにもキスしましょうか?」

櫂「え、遠慮しておくよ・・・とりあえず、これ外してくれないかな?」


櫂(自分を縛るものから解放されたら、次に来たのは多大なまでの疲労だった)

櫂「だ、ダルい・・・」

櫂(当然だよね、屋敷中を休憩ナシで走り回った事に加えてプロデューサーがほとんど身動きできないぐらいの馬鹿力で拘束してたんだし・・・)

イヴ「筋肉痛ですかぁ?ならストレッチしましょー☆」

海「ウチも付き合うかな」

櫂「ごめん、うっし、嫌な気持ち追い出すぞっ」



櫂(ほどよく体を解した後、あたしたちは桃華の家を出た。桃華は失敗したスタッフに説教があると言って家に残ったみたいだけど)

櫂(そして、あたしは病院へと直行、お見舞い・・・できるかな?拒否されるかな?)



 ─ いつもの病院 ─


P「櫂、もう大丈夫なのか?」

櫂「プロデューサー、怪我人が言うセリフじゃないよソレ。・・・まぁ、クスリ抜けたっぽいから大丈夫だよ」

P「そうか、良かった。あのままだったら俺、お前に食べられてただろうし」

櫂「そんなプロデューサーは大丈夫なの?」

P「ん?そうだな・・・一応、大丈夫ってところかな。まだ体痛むけど」

櫂「頭とか・・・血だらけだったんしょ?」

P「ああ、ガラスが1枚がっつり刺さってたけど、骨は貫通していない。丈夫でよかった」

P「裂けた場所は傷は薄く残る可能性あって、毛も生えないかもしれないって言ってたけど・・・櫻井グループの最新植毛技術でどうにかしてくれるって」

櫂「自分のプロデューサーがハゲってのは・・・ちょっとヤだな」

P「まぁ、今後とも注意して生きていこうって事だ」

櫂「そうだね、あたしも体の異変に気付いたらすぐさま誰かに言うようにするよ」


P「その異変のせいであんなとんでもない告白受けたんだからなぁ・・・」

櫂「・・・・・・////」

P「・・・・・・」

P「・・・なぁ、櫂ちゃんや」

櫂「ん?なんだい?」

P「お前が言ってた事、本当なのか?」

櫂「な、何の事かな?////」

P「・・・俺の股間に顔突っ込んで・・・うんぬんかんぬん・・・」

櫂「・・・ホントだよ」

P「マジですかい」

櫂「何が原因で恋心抱くか分からないよね、ホント」

P「恋は思案の外、孔子も倒るる恋の山、恋は盲目・・・誰もが苦戦しているのは確かだな。先人もなぜ恋したのかが分かってない事が多い」

櫂「ふーん・・・」


P「なんだ、その顔は」

櫂「へへっ、あたしもようやくプロデューサー争奪戦に参加できるなーって」

P「なんでだよ、こんな恋あり得ないって言って脱出してくれよ」

櫂「嫌だよ。ずっと誰にも言えなくて燻ってたんだ。運良くプロデューサー本人に言えたんだし、この恋のレース、勝つつもりだから」

P「・・・ソウデスカ」

櫂「よし、プロデューサー!」

P「どうした急に声を張り上げて」

櫂「・・・突っ込んでいい?」

P「ア゛?」

櫂「確かめるだけだから!好きじゃなかったら嫌になるはずだからさ!!」

P「やめっ、ア゛ッ゛!背中がっ!!」

櫂「動くと痛いよ?あたしの事なんてほっといて・・・」

P「いや、マジでやめい!」

櫂「えい」

P「はうっっっ!!!!」


櫂「・・・・・・」

P(落ち着け、心頭滅却すればエロもまた涼し心頭滅却すればエロもまた涼し心頭滅却すればエロもまた涼し・・・)

櫂「・・・」モガモガ

P「ハァァァンッ!!」

櫂「・・・・・・ヤバ・・・」

P「な、何がヤバいんだ?」

櫂「・・・・・・めっちゃ落ち着く・・・」

P「うそーん!!」

櫂「すごい・・・心がほわほわする・・・」

P(・・・マジで・・・これ以上刺激されると膨れ上がる・・・)

P「櫂、もう良いだろ・・・?お前さんの恋の原因分かったから・・・」

櫂「・・・・・・」

P「櫂?」

櫂「ぐー・・・」

P(寝てらっしゃる!!?・・・確かに昨日はあんだけ動いてたし、疲労がたまってたんだろうけど・・・)

櫂「・・・・・・」スヤスヤ

P「ああ、もう・・・とりあえず頭撫でておこう。性的興奮より父性をあげるんだ、うん」



相原雪乃「失礼します。Pさん、お加減は・・・」



P「あ」



後日、事務所内で「プロデューサーの股間に顔を突っ込めば、ものすごく優しい顔で頭を撫でてくれる」という噂が出回り、肇やみちるを代表とする行動派が俺の寝床を襲った。

ちなみに櫂は地獄のトレーニング行きとなった。



おまけ終わり





 ・・・BADENDルート・・・


 ※※※閲覧注意※※※

 ※※※グロ注意※※※

 ※※※リョナ注意※※※

 ※※※カニバリズム注意※※※

 ※※※見る事を非推奨※※※

 ※※※正直、すまんかった※※※




>>32 から続き


桃華「クスリの入った料理の皿を出してしまった!?」

「は、はい!申し訳ありません!!会長からのお電話がありまして、その間に別のメイドが皆様に出してしまったので・・・」

桃華「お爺様のお電話なら仕方ありませんわ。それで・・・誰が食べてしまったんですの?大事なのは対処の方ですわ」

「そ、それが・・・分からないのです」

桃華「分からない?」

「はい、運んだメイドも名乗り出ないのです」

桃華「・・・ミスはミスだと受け止めて、次に活かすのが出来る人間ですわ。櫻井にミスを隠そうとする教育はしてないはずですわ」

「運んだメイドが発覚次第、処罰を加えておきます。当然、連帯責任として私も処罰する所存でございます」

桃華「程ほどにしてくださいませ。元はと言えばわたくしのつまらない発想が原因ですわ」

「お嬢様・・・」

桃華「ひとまず、誰が食べたか確認しにいきましょう」

「はい」



 ─ 櫻井邸・プレイルーム ─


桃華「皆さんの中で体調を崩された方はいませんか?」

智香「体調?大丈夫だよ、ピンピンしてるっ!」

由愛「私も・・・大丈夫です・・・」

イヴ「私も元気元気ですよぉ☆桃華ちゃん、後で一緒にお風呂はいりましょ~☆」

桃華「ええ、皆で入りましょう」

桃華(ここにいる3人は大丈夫そうですわね)




 ─ 櫻井邸・海の部屋 ─


海「桃華?ウチの部屋に来るなんて一体どうしたんだい?」

桃華「海さんの体調は大丈夫かと不安になりまして」

桃華「実は・・・誤って入ってしまったクスリがあるんですわ」

海「クスリ?ウチは大丈夫だけど、そのクスリは即効性なのか?」

桃華「個人差ありますけど、基本的に1時間後ぐらいに効くそうですわ」

海「体に悪い成分でもあるのかい?」

桃華「悪い、というわけではありませんが・・・社会的には悪い効力があるのは確かですわ」

海「社会的・・・にねぇ。もしかして媚薬?」

桃華「・・・・・・」

海「当たっちゃった・・・感じかな?」

桃華「・・・ええ、虎の性欲を超える性欲を得られるクスリですの」

海「と、トラ!?トラって・・・」

桃華「2日でアレを100回ですわ」

海(ひゃ、100回!?アレを・・・100回・・・ぜ、絶対妊娠しちゃうな・・・////)

桃華「でもその様子ですと、海さんは大丈夫そうですわね」

海「そ、そうだね」

海(ちょっとだけ、飲んでみたいって気持ちはある。クスリを口実にPさんとしっぽりがっつり・・・)

桃華「海さん?」

海「ひゃうっ!?」



 ─ 櫻井邸・客用浴室 ─


桃華「櫂さんはこちらにいらっしゃったのですね」

櫂「ん?その声は桃華ちゃんかなー?湯上りのあたしに何か用?」

桃華「はい、ちょっと気になる事がありまして」

櫂「気になることー?」

桃華「櫂さん、体調は大丈夫ですの?」

櫂「体調?うーん、ちょっとのぼせただけだし、大丈夫だよ」

桃華「こう・・・お腹の奥とか大丈夫ですの?」

櫂「お腹?それこそ大丈夫だよ、湯船に浸かったから冷えてないし」

桃華「・・・そう、ですの」

櫂「どったん?」

桃華「い、いえ・・・実は・・・」



 ─ 櫻井邸・Pの部屋 ─


桃華(櫂さんは、クスリの事をまったく知らなかった。知ってもちょっと顔を真っ赤にした程度でした)

桃華(となると、残りはPちゃま・・・)


コンコン


桃華「Pちゃまー、部屋の中におられますか?」

P「んー?いるよー」

桃華(反応は普通、おかしいですわね)

桃華「入っても大丈夫ですの?」

P「大丈夫だよ」


桃華「失礼しますわ」

P「桃華、どうかしたか?」

桃華「いえ、Pちゃまに異変が起こってないかと心配になってしまいまして」

P「俺に?よく分からないな、俺の体に何かあったってこと?」

桃華「何もなければ問題ないのですが」

P「そうだね、どこを見ても問題はないはずなんだけど・・・」

桃華(そ、そうですわね。Pちゃまの耳や顔を見ても正常な色をされています)

桃華(・・・思い過ごしでしたわね)

桃華「見た感じPちゃまも問題ありませんわ」

P「そっか、何か大変な事でも起こったのかい?」

桃華「いえ、誰1人として問題なければわたくしの杞憂に終わったという事。気にしないでくださいまし」

P「ん、分かった。あ、水もらえないかな?なければ近くのコンビニにでも歩いてって買いに行こうと考えてるんだけど」

「問題ありません。すぐにお持ち致します」



さらに夜も更けて・・・。



「・・・くそっ、なんだ・・・すごく・・・喉が・・・!!」

「水・・・水!・・・だけじゃない・・・!腹が・・・なんだこのっ!!!」

「あ゛っ!!!ああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」




桃華「・・・ッ!?な、なんですの・・・今の悲鳴は・・・」

桃華「い、嫌な予感がしますわ・・・」



 ─ 櫻井邸・智香の部屋 ─


桃華(わたくしは皆さんが本当に大丈夫かどうか気になり、思わず電気も付けずに徘徊する事にしました)

桃華「智香さん?」

桃華(わたくしの部屋から一番近いのが智香さんの部屋でした。ですが部屋の中に智香さんの姿はありませんでした・・・)

桃華「智香さんっ!智香さんっ!!」

桃華「おかしいですわね・・・皆さんが寝るのをちゃんと確認したはずなのですが」ベチョ

桃華「ベチョ?」


桃華「ひ、ひっ・・・!!」

桃華(足元には血がべったりと人を引き摺った跡を残していた)

桃華(意識した瞬間、鼻の奥に鉄の臭いが突き刺さってくる)

桃華「と、智香さん!!悪い冗談はよしてくださいまし!!」

桃華「わ、わたくしを怖がらせても・・・何の価値もありませんわっ!!」



ガタンッ!!ガタンッ!!!



桃華「ほ、他の部屋・・・!?」



 ─ 櫻井邸・廊下 ─


桃華(み、皆さんには部屋を一つ一つお貸ししました・・・並んでいる5部屋とPちゃま用に別の階に一部屋・・・)

桃華「隣の部屋は・・・由愛さんだったはず・・・」


桃華(わたくしは扉を開き、由愛さんの名前を呼びました。ですが、言葉を放つ度に静寂が強く返ってきます・・・)

桃華「だ、誰もいませんの!?」

桃華「櫂さん!!イヴさん!!」

桃華(隣も・・・その隣も・・・誰もいませんでした・・・)


桃華「・・・の、残るは海さん・・・!?」


桃華(その時、ガコンという音が海さんの部屋から聞こえてきました)

桃華「だ、誰かいますの・・・!?う、海さん・・・いるんですか・・・!?」

桃華(あまりの恐怖にドアを開けることさえ億劫になる)


桃華「・・・っ!!」

桃華(ごくりと息を飲み、そっと海さんの部屋の扉を開く・・・)



桃華「・・・な、何が起こっていますの・・・?」

桃華(中からは今までの部屋からした異臭とはレベルの違う、生々しく毒々しい臭いが充満していました)



桃華(そして・・・見てしまいました・・・)




桃華(誰かは分かりません・・・ですが、1人の男性が何かに食らいついているのを、それに腰を振っているのを)


桃華「・・・っっっっっ!!!」

桃華(吐き気と怖気が背中を走り、今すぐ逃げろと通告してきます。ですが私の足は言う事を聞いてくれません)

桃華(動いて、動いてくださいまし!早く逃げなきゃ・・・!Pちゃまに伝えなきゃ・・・!!)

桃華「・・・動いてっ・・・!」ガンッ

桃華(手で足を動かそうとした時、思い切りドアにぶつけてしまいました)

桃華「しまっ・・・!!」


「・・・・・・?」


桃華「気付かれ・・・」


「・・・・・・」


桃華「・・・・・・P・・・ちゃま・・・?」


桃華(目の前に現れたのは・・・わたくしのプロデューサーでした。ですが、どこか様子がおかしかった)

桃華(私はこの時悟りました。あのクスリは性欲だけでなく食欲も、体力も何もかも虎と同等・・・いえ、それ以上にするクスリだったのだと)

桃華(そして・・・たまたまあのクスリが効いたのがこの時間だったのだと)



桃華「いやぁっ!Pちゃま!!Pちゃまあああああああああああああああああ!!!!!!」





翌日、女性18人の死体が発見された。

どの死体にも強姦の跡と、頬や胸、首などの肉の柔らかい部位が食いちぎられているのが確認された。

一緒にいた男性の姿はどこにもなかった。



BADEND2 ─ 戸口にハンニバルがいた ─


以上です。お目汚しすみませんでした。

「戸口にハンニバルがいた(とぐちにはんにばるがいた)」というのは危険が迫っていたという意味が含まれたラテン語の格言です。

そしてハンニバルと言えばかの名作映画「羊たちの沈黙」に登場する人食いハンニバルことハンニバル・レクター博士ですね!

この格言に出てくるハンニバルはローマ最大の敵と言われたハンニバル・バルカ将軍の方ですが、この格言見た時思わず両方を使えないかなーってずっと脳裏にへばりついていました。



とまぁ、ただでさえやりたい放題の本編でさらにやりたい放題するおまけでしか出来ないと思ったんですみません。

今回登場したキャラはまたちゃんとイチャイチャ書くんで許してください(汗)

おつおつ
さぞ適度に鍛えられた女子の肉は美味しかったろうね…(現実逃避)
そろそろ不死者(っぽい)Pだからって小梅ちゃんアンテナに引っかかりそうだな…まだCoの所では出てなかったかな?

>>90
まだこの作品では小梅ちゃんは未登場ですね。言及もしてないはずです。
ボイス勢は皆のイメージが固まってるのでなるべく早い確立が大事ですね、どうしよう・・・。

拡大版劇場で朋ちゃんと久美子ちゃん並んで描かれてるのは私のせいじゃないよね・・・?
私の書くSSよくわからにぃジンクスあるから怖い

・・・報告

次の書くのは

・宮本フレデリカ「明日は明日の風が吹く」

その次に

・相原雪乃「光陰矢の如し」
・本田未央「五十歩百歩」

のどちらかです。

ではまた。

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