モバP「公園での拾い者」 (21)
がちゃっ
P「おいーっす、おはよう」
桃華「あら、おはようございますの。Pちゃま」
P「桃華、早速なんだが実は昨日新しいしいアイドル候補生を見つけたんだ。今日連れてきたから顔合わせいいか?」
桃華「あら、Pちゃまったらまたスカウトしてきましたの?」
P「まぁそう言うなって。彼女もまたトップに輝くに十分な資質を持ってるってティンときたんだ」
P「スカウトせずにはいられないさ」
桃華「まぁまぁ……いつもどこから素敵な方々を見つけてくるのやら……」
桃華「ですがそれでわたくしもPちゃまとこうして居られるというもの」
桃華「いいですわ。ここはアイドルの先輩としてご挨拶致します」
P「ああ、もう来てもらってるから早速……」
がちゃっ
ライラ「あー……おはよう、ございますです」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378906109
ライラ(16)
http://i.imgur.com/tSmFDpZ.jpg
http://i.imgur.com/1fcoS8s.jpg
櫻井桃華(12)
http://i.imgur.com/2gBQFoe.jpg
http://i.imgur.com/rDOdRE4.jpg
P「桃華、こちらが今日からうちの所属となったライラだ、宜しくな」
ライラ「えーと、はじめましてです。わたくしライラさんといいますです」
桃華「初めましてですの。わたくし櫻井桃華と申します。以後お見知りおきを」
ライラ「サクライモモカさんですね、よろしくございますです」
P「彼女は昨日偶然通りがかった公園で見かけてね。見ず知らずの俺とも気さくに話をしてくれてね」
P「話をしているうちにこれは……! と思ってスカウトしたんだ」
桃華「それでその……ライラさんはどちらの国の方ですの?」
ライラ「わたくしはドバイ出身なのでございますですよー」
桃華「ドバイ……ライラ……はて、どこかで聞き覚えが……」
P「ん? 桃華の知り合いだったのか?」
ライラ「そうなのでございますか? わたくしは日本に来てあまり長くないのですが」
桃華「ライラさん。差し出がましい事をお伺いしますが、その、お父様はどのようなお仕事で」
ライラ「あっ……えっと……その……」
P「あー桃華、実はだな。ライラはどうやら父親と喧嘩をして家を飛び出してきたそうなんだ」
P「それで日本までやってきて一人頑張って生活をしていた、という所だとか」
桃華「まぁ……そうなんでしたの、ごめんなさいわたくしとした事が変な事を聞いてしまって」
ライラ「あー、いえ。大丈夫でございますです」
桃華「でも、そうしますとアイドルになるのはいささか問題がありませんこと?」
ライラ「えっ、何かわたくし問題を起こしてしまいました?」
桃華「そうではなくてですね……アイドルになって有名になると、そのお父様に見つかって連れ戻されてしまうのでは」
ライラ「有名になったらパパに見つかる…?それは困りますですね」
桃華「あらあらまぁまぁ……Pちゃま、スカウトするのはよろしいとしてちゃんとご説明しまして?」
P「いや、それは勿論説明したつもりなんだが……」
ライラ「その、なるべく有名にならないでトップアイドルというものになれませんでしょうか」
P・桃華「え、えぇー……」
P「その、トップアイドルというのは『一番有名なアイドル』って意味なんだ……」
ライラ「そんな……ではパパに見つからないようにトップアイドルになってお金をたくさんもらえるようになるには……」
桃華「……まぁお父様がドバイにいらっしゃるのなら、日本国内でのみ有名なアイドルという形であれば」
桃華「見つかって連れ戻されてしまうという心配もあまり無いとは思いますが……」
桃華「よろしければご相談をお受け致しましょうか? わたくしこれでも多少の家柄ですので」
桃華「ライラさんの手助けができるかもしれませんの」
ライラ「おー、本当でございますですか?」
桃華「えぇ、困った方々に手を差し伸べるのもわたくし櫻井のつとめ」
ライラ「それでは是非お願いを申し上げいたしますです」
桃華「はいっ、同じ事務所の仲間となる方のお願い、快くお受け致しますわ」
桃華「それで、また先ほどのお話に戻ってしまいますがライラさんのお父様はどのような……」
PiPiPiPi!
P「ん、携帯か……俺のじゃないな、誰のだ?」
桃華「あら、わたくしのですわ」
ライラ「あ、お電話どうぞです」
桃華「それでは失礼しまして……」
ぴっ
桃華「もしもし、お父様? 一体如何なさいまして? ……はい……はい……え、ええええっ!?」
ライラ「?」
P「?」
桃華「……ええ、はい……わかりました……では後程……」
ぴっ
P「桃華、一体どうしたんだ? すごいびっくりしてたみたいだけど……」
桃華「その……これからお父様がこちらへ来る、と……」
P「な、何いいいっ!? なんだって!」
ライラ「……?」
―――――――――
――――――――
―――――――
桃華父「いやぁ、すまないねP君。急に訪ねてしまって」
P「い、いえ……今日は突然どのようなご用件で……」
桃華父「はっはっは、そう畏まらないでくれたまえ」
桃華父「今日は桃華の事ではなく別の用件で伺ったのだよ」
P「おや……、そうなのですか?」
桃華父「うむ……桃華、ちょっと私とP君で話をするから、そちらのお嬢さんと一緒に少しの間はずしてもらえるかね?」
桃華「はい、お父様。畏まりましたわ」
桃華「ではライラさん、わたくしたちは少しあちらへ外しましょう」
ライラ「あ、はい。わかりましたです」
桃華父「……それでだね、P君」
P「はい、何でしょうか……?」
桃華父「あちらのお嬢さんをどうやってここに連れてきたのかね?」
P「お嬢さん……先ほどのライラの事でしょうか?」
桃華父「うむ。実は私が今日ここへ来たのもそのライラ嬢の事でだね……」
P「……って何故そちらがライラの事を……というか何故ここに居るのも分かって……?」
桃華父「簡単に話すと彼女の父親は私の知り合いの一人でね、彼から連絡が来たのだよ」
P「え、ええっ!? ライラのお父さんって一体……」
桃華父「まぁ私もそれなりに顔が利いてね、海外の有力者や財閥、金融筋もろもろ」
桃華父「彼女の父親はその中の一人といった所なのだよ」
P「うわぁ……自分はもしかしてとんでもない子をスカウトしてしまったんでしょうか……?」
桃華父「それについては心配ない、ここに居る事はもう彼女の父親の耳に届いているさ」
P「えっ」
P「あの、スカウトして連れてきたのは昨日であまり時間が経っていないのですが……」
桃華父「うむ、ところでライラ嬢が日本に居る理由は彼女から聞いたかね?」
P「ええと、ライラの父親と喧嘩して飛び出してきたと……」
桃華父「概ねその通りだね。しかし年端もいかぬ女の子がその身ひとつで国を渡るなんて事、普通はできないだろう?」
桃華父「国を出るにしても移動手段、お金、着いた先での棲家、どこかしらで無理が出るだろう」
P「……確かにそう言われると」
桃華父「彼女の父親は喧嘩をして飛び出していった娘をいたく心配してね、方々に手をつくして影で見守っていたのだよ」
P「なるほど……」
桃華父「幸い、彼女の選んだ行き先が日本という事もあってそのまま見守るに留まっている、と」
P「それで桃華のお父さんもここに、と」
桃華父「うむ、ここに居るという事と彼女を見守って欲しいという話を聞いてね」
P「では……ライラさんは櫻井さんの方でお引取りされるので?」
桃華父「いやいや、彼女にはそのまま何もしないさ」
P「ええっ」
桃華父「彼女の父親にこの事務所の話をしてね、うちの娘もここで活動している事を伝えたら」
桃華父「『ならば是非そこで活動をさせてやって欲しい』と逆に頼まれたのだよ」
桃華父「可愛い子には旅をさせよ、は万国共通なのだな。はっはっは」
P「え、えぇー……」
桃華父「但し」
P「但し?」
桃華父「この事はライラ嬢には絶対に明かさない事、彼女の父親は影ながら見守って彼女自身の力で頑張らせたいそうだ」
P「あぁ……だから一人暮らしで家賃払うの大変とか……」
桃華父「それと、所属や活動に関しての手続きといった彼女の両親に伝手を頼みたい場合は、私を訪ねるといい」
P「え、ええと……わかりました」
桃華父「それともうひとつ」
P「は、まだ何か……?」
桃華父「因みにだがね、彼女が家を飛び出した喧嘩の内容、聞いているかね?」
P「あ、いえ……そこまでプライベートな事はまだ……」
桃華父「彼女の父親からその話は許しが出ていてね、つまる所結婚の話を薦めようとして喧嘩になってしまったらしい」
P「ええっ、まだライラは16じゃあ……」
桃華父「あちらのほうでは早いという事ではないそうだ……ただこれで彼女自身がいい相手を見つけたとしたら……」
P「としたら……?」
桃華父「ま、君なら心配はないだろう」
P「ちょっ、なんでそこで自分の事になるんですかっ」
桃華父「はっはっは、うちの桃華にも強力なライバルができてしまったかなこれは?」
P「待って、待って。桃華さんはまだ12ですし自分はプロデューサーですし!? いろいろおかしくありません!?」
桃華父「さて、長話になってしまったな。彼女達をこれ以上あのままにしておくのも悪いし、私はこれで失礼するとしよう」
P「ちょっと待ってください誤解は解けてな」
桃華父「それではまた機会があれば、今後とも末永く宜しく頼むよ。P君」
すたすたすた がちゃん
P「あぁぁぁちょっとぉぉぉ!?」
――――――
―――――
――――
P「……なんだろう、どっと疲れた」
ライラ「あの、大丈夫でございますか?」
P「あ、あぁすまない。来て早々なんかドタバタしちゃって」
ライラ「いえ、わたくしは大丈夫でございますよー」
桃華「それでPちゃま、お父様はどういった事をお話になられて?」
P「あぁ……桃華には伝えておかないとな、後で話すよ」
桃華「畏まりましたわ、それではご休憩にお茶でも沸かしてまいりましょう♪」
P「ありがとう、じゃあちょっと頼むよ」
P(はー……しっかし思いもよらぬ事になったな……)
P(まぁ、色々あったけど別に問題が起きたってワケじゃないし……それに)チラッ
ライラ「?」
P(ライラも今まで大変な思いをしてきたんだろうな、それに応えれるように俺も頑張らないとな)
P「ライラ、これから一緒に頑張ろうな」
ライラ「はい、ライラさんこれから頑張りますです」
ぐぅぅ~
ライラ「あっ……」
P「おなか、空いてるのか?」
ライラ「あの……あんまりお金なくて、ご飯いっぱい食べられてなくて……」
ライラ「お仕事、何でもしますから、いっぱいお金稼げるようないいお仕事教えてくださいです」
P「そうだな、これからいっぱい覚えてもらわないとな」
P「ま、その前に腹ごなしといこうか、最初くらいご飯奢ってあげるよ」
ライラ「おおぉぉ……よろしいのでございますか」
P「ああ、桃華のお茶を飲んだら3人でお昼でも行こう」
ライラ「ありがとうございますです、お礼に何でもしますですよ!」
P「ははっ、アイドルとしてその笑顔をファンのみんなに届けてあげれるようになってくれればまずはそれで、な」
ライラ「はいっ、ライラさんにおまかせ下さいです」
-おしまい-
-おまけ-
P「しっかし一体どこからライラのお父さんに話がいったんだろう……」
がちゃっ
ちひろ「おはようございますー、ごめんなさい、遅れてしまって」
P「あ、ちひろさんおはようございます。珍しいですね遅れてくるなんて」
ちひろ「ええ、少し連絡にまわってまして……」
P「連絡、ですか?」
ちひろ「あぁいえいえ、大した事ではないですし、私事なので」
P「? ……そうなんですか、まぁたまの私用なら別に大丈夫かと」
ちひろ「えぇ、それでは今日も一日頑張りましょうー、気付けの一杯ドリンク如何ですか?」
P「まだ疲れてませんよ……」
P(……ほんとどうやって話伝わったんだろう、さっぱりだ……)
-ほんとにおしまい-
おわり感謝、ドバイ出身で家出キャラとか実家やばそう
名前見て姿見てヒゲのついたロボットに乗ってたりジェリドとかいう名前の知り合い居そうだと思った
一応プロフィールをおまけで、画像は>>2で
名前:ライラ
年齢:16
身長:150cm 体重40kg
B-W-H:75-54-78
誕生日:5月21(獅子座)
出身地:ドバイ
趣味:公園で知らない人とおしゃべり
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