喜多見柚「人こそ人の鏡」 (67)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
http://ss.vip2ch.com/ss/%E3%80%90%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%80%91%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%8F%E3%81%96%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
前回
村上巴「塞翁が馬」
村上巴「塞翁が馬」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1410/14103/1410313293.html)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411543206
─ 前回のお話 ─
・Cuteプロと合同イベント!一ノ瀬志希から媚薬を貰う
・媚薬を飲んだ成宮由愛!元々のむっつりが祟って、ちょっとマズい事に
・ちなみに由愛がむっつりなのは公式になりました
─ ○○プロ・事務所・事務室 ─
藤居朋「は~じ~め~ちゃ~ん♪」
藤原肇「朋さん?何かありましたか?」
朋「いやー、この後誰かとご飯食べに行こうかなと思ってね。せっかくだし、候補生組のお話聞きたいなーって」
肇「いいですよ♪色々とお話します」
朋「いぇーい!お礼にアルバム見せてあげる」
肇「あ、アルバム・・・?」
朋「アタシとミッチー、それとPの昔の写真、見せたげる」
肇「P、Pさんのっ・・・!!!」
梅木音葉「─────っ、そ、それ私にも見せてもらえませんか!?」
朋「ふふっ、釣られてくれると思ったわ。ささ、音葉ちゃんもいこ」
音葉「ぜ、是非!」
モバP(以下P)「アイツら・・・俺の昔の写真見ても面白くないってのに」
千川ちひろ「いやいや、朋ちゃんとみちるちゃん以外は今のプロデューサーさんしか知りません。想う男性の昔の姿を少しでも見れるとなるとそれは楽しいんですよ」
P「そういうもんですかね」
ちひろ「そういうものです。私も覚えがあります」
P「ちひろさんもそういう経験を?」
ちひろ「中学校の時のほろ苦ーい経験でしたけどね」
P(一方、俺は今の彼女らを直視し続ける事もやや辛い状況、か・・・)
ちひろ「まーたなんか悩んでますね。智香ちゃーん!!」
P「う゛ぇっ!?」
若林智香「呼びましたー?」
ちひろ「Pさんに闘魂ちゅー入してあげてください」
智香「はーい♪」
P「ちひろさん、なんてことをっ!?って待て、智香!俺は元気、元気だからぁっ!?」
智香「眉が八の字になってるのに元気!ってのは通用しませんよっ!」チュッ
ちひろ「プロデューサーさんってツンデレなんですかね?智香ちゃんの事、跳ね除ければいいのに」
P「な・・・なんというか・・・智香にジッと見られると体が固まるというか・・・なんというか・・・」
智香「アタシは神話の生き物か何かですかっ!?」
P(そんなこんなではあるが、まぁそれなりに平和な時間を過ごしていた・・・)
P(そこにある一本の電話がかかってくる)
Pipipi...
ちひろ「お電話ありがとうございます。○○プロダクションでございます」
【あ、あのぉ・・・】
ちひろ「はい」
【えっと・・・Pさんという方は今いますかぁ?】
ちひろ「Pさんですね、少々お待ちください」
ちひろ「プロデューサーさん、アナタにお電話ですよ!」
P「俺ですか?珍しい。普通、俺に用があるなら俺の携帯電話にかける人ばかりなのに」
ちひろ「新たな開拓のチャンスかもしれませんよ?」
P「そうですね・・・はい、お電話替わりました。○○プロダクション、Pでございます」
【Pさん、ですか?】
P「はい、そうですよ」
【えっと・・・助けてください!!】
P「ほへ?」
【わ、私、アステリズムエンターテイメント社(以下AE社)の村松さくらと言いますぅ!どうしてもPさんにお力を貸して欲しいのですぅ!!】
P「?????」
P(俺、AE社になんか恩や貸し・・・あったっけ?」
アステリズムエンターテイメント社。
音楽業界で生きている者ならば誰もが知る大御所中の大御所である。
この会社は歌手の育成に音楽に関する広告代理、加えてスピーカーなどの機器の製造、イベントでのホール会場などの施設の設置・・・。
とにかく音楽に関することならAE社に頼め、とも言われるくらいの会社である。
我が○○プロもツアーを行う時も、楽曲の録音の時もAE社を頼っている。
アイドル事務所としては新参ではあるがそれほどの能力を持つAE社にも関わらず、俺に何を頼りたいのか、物凄く謎である。
─ AE社・門前 ─
喜多見柚「でっか~・・・」
西川保奈美「本当にでっかい・・・」
P「ああ、CoプロとPaプロと見てきたけど・・・これはまた違う方面でデカいわ・・・」
P(来てくださいと言われたからには来てやった、そんな感情も心の隅に置いといて候補生の内、柚と保奈美を連れてきた。彼女らはまもなく候補生を卒業し、たくさんの人の前に立つ舞台へとステップアップする。今日は色んな期待を込めてAE社乗り込みに連れてきた)
P(だが、このAE社、内部に精密機械の工場を兼ね備えているため、見た目がほぼ工場・・・どっから入ればいいのか分からないレベルだった)
P「出鼻を挫かれたな・・・」
柚「そ~だね~」
保奈美「こんなんで大丈夫なのかしら。私は心配よ」
P「まぁ、相手が何をしたいのかがまったく分からないのに、心配も何もないと思うけどね」
「あ、○○プロの皆さ~ん!!」
P(あれが電話をかけてくれた松村さくらさん・・・だったかな)
村松さくら「ようこそアステリズムエンターテイメント社へ!」
P「初めまして、○○プロのPです。そしてこちらの2人が我が社の新人アイドルの喜多見と西川です」
柚「初めまして~」
保奈美「初めまして、西川です」
さくら「えっ、新人アイドルなんですかぁ!?」
3人「?」
さくら「それじゃあ、私たちと同じスタートですねぇ。私は新人アイドルユニット『ニューウェーブ』の松村さくらですぅ!」
P「あ、アイドルだったのか・・・てっきりスタッフ・・・いや、こんなに若い子がスタッフになれるはずもないか」
さくら「あー、それは失礼ですよぉ!」
P「申し訳ありません」
さくら「えへ~、でもちゃんと約束守ってくれてますから、さくらは怒りませんよ~♪」
柚(天然なのカナ?)
P「・・・それで、『助けて』というのはどういうご用件なのでしょうか」
さくら「えっと・・・どっから話そうかなぁ~」
P(彼女はものすごく困った表情で頭を掻いていた。彼女らのプロデューサーは今いないのだろうか?)
P「AE社のアイドルと言えば財前時子が言わばエース。彼女を育てたプロデューサーには是非会って話してみたいんですけど」
さくら「実はそのプロデューサーが・・・ちょっと今問題がありましてぇ~・・・↓」
3人「???」
─ AE社・レッスン場・扉前 ─
さくら「2人とも~、Pさん連れてきたよ~」
「でかした!救世主や~♪」
「お疲れ様、さくらじゃなければきっと連れてこれなかったわ」
さくら「えへへ~そんなに褒めないでよ~」
P「この2人は?」
さくら「『ニューウェーブ』の仲間、アコちゃんとイズミンですよぉ♪」
土屋亜子「どーも、土屋亜子ですわ。『ニューウェーブ』の1人なんだけど、ちょっとねぇ・・・」
大石泉「ちょっとじゃ分からないよ・・・大石です。お忙しい所申し訳ありません。こちらを見て欲しいのです」
P(そうやって大石と名乗った子はレッスン場へと続く扉を指差した。レッスン場の中を見て欲しいようだった)
P(俺はそーっと扉を開き、顔をのぞかせた)
P「えーと、どれどれ・・・・・・うぇ・・・」
財前時子「ああ!?アンタ、誰に向かって口聞いてるの!?」ベシン
「ギャヒィ!」
「アンタこそ、だまらっしゃい。誰の許可もらって乗ってるのよ!!」ベシン
「ゲフン!」
P(なんというか・・・謎だった)
柚「ネーネー、見せてヨー」
保奈美「何が起こってるの?」
P「えー・・・っと、ダメ、18禁」
柚「えーっ、もっと気になるジャン」
保奈美「それだけ見せられない状態なの?」
P「うん、これは・・・うん」
P(脳内でまとめよう、まず、財前時子ともう一人、気の強そうな女性がスーツ姿の男性に乗っている。男性は俯せで倒れており、彼女らの怒号の度に胴体を鞭打ちされて干物になっている)
P(どこぞのAVなら最高のシーンなんじゃないかな、うん)
P「どうしてこんな事に?」
さくら「それがはちゃめちゃーになってぇ、皆がうわーってなって・・・」
泉「さくら、ここからは私が説明する」
さくら「イズミンありがとぉ」
泉「私たちAE社は関西と関東の事務所があります。基本的には関西の事務所で基礎レッスンを受けて、育ったら関東の事務所で仕事を請けられるようになります」
P「ふむふむ、それじゃあキミたちはこちらに来たばかりになるのかな?」
泉「そうですね、AE社の送る第1波として、私たち『ニューウェーブ』とそこで財前時子さんと一緒にいる小室千奈美さんが送られました」
P「ん?財前さんはどういう立ち位置なんだい?」
泉「時子さんは言わば切り込み隊長、あそこで倒れているAePの手掛けたファーストアイドル、そのつまり第0波のアイドルです」
さくら「時子さんはちょっと手厳しいところがあるけど、いつも私たちの前に立って引っ張ってくれてるんですぅ」
亜子「たまに背中叩かれるけどな、ハリセンとかピコハンで」
泉「ムチが飛んできた時は流石に冷や汗掻いたけど・・・それでも私たちのリーダーです」
P「なるほどねぇ、これから絆が深くなりそうな・・・ならなそうな・・・」
柚「でもさ~、その財前サンと小室サンが対立してるんだよね?」
P「ん?なんで対立してるって分かったん?」
柚「今ここにいないのが財前サンと小室サンで、Pサンが見せられないって言ったから喧嘩してるんだナーって」
保奈美「そう察したんです。そのレッスン場の中で喧嘩中なのね?」
P「そうっぽい」
泉「その・・・時子さんは関東から東北にかけて女王様キャラで売ってきました。キャラ・・・というより素ですけど」
P「まさか・・・小室さんは・・・」
亜子「そのまさかなんや!関西から九州で女王様キャラやってたんよ」
泉「・・・女王様は2人もいらないんです。あの人たちはそう言ってどちらが女王様に相応しいか争っている状態なんです、多分」
さくら「あの戦いを抑えているAePさんがボロボロになる前に助けて欲しいんです!」
亜子「・・・仮にもライバル会社の身なのは分かってる、けど恥を忍んでお願いします!!」
P「ふーむ・・・」
柚「Pサン、どうする?」
保奈美「私的には残酷だけど助けなくてもいい気がするわ」
泉「そんなっ・・・!」
P「西川が言いたい事も分かる。普通、この現状は他の会社からすれば弱みを握ったも当然。ウィークポイントになる」
P「そんな点を見ることが出来たのなら有利に持っていくのが普通さ」
P「でもね、なんか引っ掛かるね。大石さん、なんで私なんですか?CutePとかPassionPでもいいんじゃない?」
泉「実はCuプロのCutePさんにも連絡をしてみたのですがそのCutePさんが・・・」
CuteP(以下CuP)『え?女性関係は○○プロのPちゃんに任せればいいよ♪』
亜子「・・・なんて言われてなぁ」
P「あの人、絶対俺で遊ぶの楽しんでる・・・」
泉「CuPさんはPさんの事、女性を全力で守る騎士のような存在で、それでいてアイドルたちに魔法をかけていく・・・まるで現代の魔法戦士だって」
P「そ、それは言いすぎだよ。何かをやりたいって彼女たちが思ったなら、それを最大限サポートしてるだけ」
亜子「それでも今はPちゃんが頼りなんよ!手を貸して欲しい!」
P「・・・むー・・・」
柚「Pサン?」
P「なぁ、喜多見」
柚「どったのPサン」
P「悩む」
柚「???」
P「助けるにも・・・俺、Sっ気ある人とあんまり関わりないからさ」
柚「・・・なんというか、○○プロは受身な人多いもんね。ってか助ける気なんだ」
P「うん、そのつもり」
さくら「本当ですかぁ!?」
P「とりあえず、2人の意見を聞いてみよう。対立の内容をはっきりさせないと」
保奈美「大丈夫なの?」
P「やるだけやってみるさ」
─ レッスン場 ─
P「お邪魔します」
小室千奈美「っ!!!?」
時子「ぁ?」
AeP「あ、あなたは・・・○○プロの!?」
P「えっと、初めまして・・・財前さんはこないだの運動会以来ですね」
時子「あぁ・・・あん時の」
AeP「す、すみません、こんな格好で!今・・・」
千奈美「アンタは黙ってなさい!!」
AeP「ぐへぇ」
P「・・・お気遣い結構です」
時子「部外者が何の用?」
P「AE社のアイドル、『ニューウェーブ』から直々に援助を求められたので」
千奈美「この下敷きになってるのを助けにきたって?バカみたい」
P「バカで結構。本来ならライバルの会社の同士討ちは見物しますよ」
AeP「Pさん・・・あまり刺激しないで・・・」
P「そうもいかない、『ニューウェーブ』がこの場の鎮圧を望んでいます」
P「まずはなぜ、こんな状態になったのかの説明を求めます」
時子&千奈美「コイツがいるせいよっ!!」
P(彼女らは互いの頬に指をグリグリと抉りこむように刺している。めっちゃ痛そう)
P「なぜ目の前の人がいるといけないのですか?」
時子「・・・っっっ!!!」
千奈美「・・・ぁぁっ!!!」
P(謎の覇気がぶつかり合うのが見える・・・って、あれ、これどっかで見たことあるような・・・)
時子「見てるとウザいのよ・・・!!出来損ないの豚を見るよりも遥かにっ!!」
千奈美「ハラワタ煮え返りそうなのよ・・・っ!!!」
AeP「ず、ずっとこんな調子なんです・・・ぅ」
時子&千奈美「黙ってろっ!!!」
AeP「ほぉん・・・」
P「・・・・・・勝負は付けたことあるのですか?」
時子「ないわ」
千奈美「付かないのよ、ムチの速度も、あげさせる悲鳴も」
時子「同じなのよ」
P「え、ムチ打ち対決しかしてないの?」
AeP「ええ・・・喧嘩の理由が・・・方向性が似ているからだと思いまして・・・」
P「んで、犠牲者はキミと」
P(むー・・・分からない。この喧嘩の根本は何がある・・・?)
P「とりあえずAePさんから降りませんか?」
時子「嫌よ」
千奈美「なんで降りる必要があるのよ」
P(あれー・・・)
時子「あんたが降りなさいよ」ベチン
AeP「ギャフン」
千奈美「あんたこそ降りなさいよ」ベチン
AeP「ほげぇっ」
時子「真似しないでよね」ゴスッ
AeP「いぎぃ」
千奈美「やかましいのよ」ドスッ
AeP「へげぇ」
P「聞く耳持たず・・・かぁ」
P(戦略的撤退を余儀なくさせられた)
─ AE社・レッスン場・扉前 ─
P「『ニューウェーブ』の皆さん、この対立はいつから起こったのか覚えていますか?」
さくら「対立・・・ですかぁ?」
泉「確か・・・」
亜子「千奈美さんの水着グラビア撮影の時の後からだったよーな」
P「グラビア?ますます分からないな」
柚「その財前サンもいたの?」
泉「一緒に居ました。AeP曰く、先輩がいる事で身が引き締まるだろうって」
P「間違っていないな。Cuプロだって先日、安部菜々と新人2人でイベントをこなしていた。先輩から能力を盗ませるのは基本と言ってもいい」
亜子「あっ、そうだ!」
さくら「アコちゃん、何か思い出したの?」
亜子「千奈美さんに見つかったら怒られるけど、いい情報あるで!」
保奈美「・・・?もしかしてプライバシーに関する事かしら?」
P「十中八九そうだろう、手帳とかだろうか」
P(予想とは若干違っていた。土屋亜子が持ってきたアイテムは小室千奈美のスマートフォンだった)
亜子「えっと、パスワードは・・・」
泉「0609、千奈美さんは誕生日をパスワードに入れる事が多い」
亜子「げぇっ、ホントに通った!さすがはイズミン!!!」
泉「内緒よ?バレれば最悪お縄だよ?」
さくら「はぁーい、それじゃあPさんに見せる写真探しましょー」
泉「さくら、なんで写真だと思ったの?」
さくら「証拠って言ったら写真だと思ってぇ♪」
亜子「まぁ、さくららしいというかなんというか」
P「・・・・・・写真?」
保奈美「・・・なんか予想ついたかも」
P「そんな簡単に予想できるものかな、これ」
保奈美「自分に置き換えて、ね、Pさん」
柚「あ~・・・そっかもねー」
P「???」
2人は完全に自分を見失ってる。
亜子「そうそうこれこれ!これを見て欲しかったんよ!」
P「これは・・・」
保奈美「分かった?この対立の原因」
P「・・・・・・ちょっと待って、考えさせて」
P(ロック画面とホーム画面で壁紙を変更できるのが最近のスマートフォンだ。ロック画面はダーツボードだったのに対し、ホーム画面は・・・AePの横顔だった)
さくら「西川さぁんは分かったんですかぁ?」
保奈美「なんとなくね、だけどこれ私たちが首つっこんでいいのかしら」
P(ますます分からん。いや、待てよ・・・)
P「財前さんの女王様キャラは素だが、小室さんの女王様キャラは素か?」
亜子「ちゃうちゃう、AE社に入ってから」
P「じゃあ、小室さんが女王様キャラやり始めた頃にAePさんと知り合ってる?」
泉「そりゃ・・・まぁ、プロデューサーはまだ彼しかいませんし」
P(現在、集まったピースをまとめていこう)
P(財前時子と小室千奈美は喧嘩をしている)
P(喧嘩の中、彼女らの下敷きとしてAePがいる)
P(小室千奈美のスマートフォンにはAePの写真が壁紙に使われている)
P(財前時子の女王様キャラは素)
P(小室千奈美の女王様キャラは演技)
P(・・・いや、まさか・・・よし、質問をもっと投げかけてみよう)
P「小室千奈美のグラビア撮影の時、AePさんは何か彼女に言ったりした?」
さくら「そーいうのは聞いた事ないんですけどぉ、その日は時子さん、1人で帰ってきた・・・」
P(1人で帰ってきた、この行動が意味するのは怒り、悲しみ、失望、嫉妬・・・嫉妬!?)
P(財前時子はAePの最初の作品だ。彼にも思い入れがあるだろうけど、当然、財前時子側にも思い入れがあるはずだ。良い面でも悪い面でも最初の1歩は印象に残るものだ)
P(そうでなければニューウェーブが来るまで1人で超大手AE社の看板を背負うなんて事はキツいはず・・・)
P「小室さんって女王様スタイルの前はどんなアイドルでしたか?」
亜子「ちょっと高飛車入った程度のお嬢様って感じやったなー」
P(そんな彼女が女王様スタイルを貫くって事は、AePの趣味か、もしくは財前時子に対する真っ向勝負・・・)
P(そして小室千奈美はAePを写真に撮り、いつでも見れるようにするくらい思い入れがある)
P(似たようなスタイルを起こす小室に対し、財前は猛反発、これらの仮定をもとに言葉を紡ぐなら・・・)
P「もしかして、小室千奈美はAePの事が好きで・・・、財前時子はAePを、自分のモノを奪われたくないとしている・・・!?」
さくら「っ!?」
亜子「・・・だよねぇ・・・」
泉「・・・・・・信じたくなかった」
P「随分辛辣だね。というか知ってて僕らを呼んだの?」
泉「ええ、もしかしたら、違う回答をくれるかなって・・・心のどこかで思ってた」
さくら「ど、ど、どうしよう!時子さんと千奈美さんの喧嘩がこ、こ、恋の喧嘩だったなんてぇ!?」
亜子「さくら落ち着けぇっ!」
さくら「でもでもアコちゃん!!こんなの悲しいよ!!どっち選んでも片方が悲しいだけだよっ!!」
P( )グサッ
保奈美「あっ」
柚「あっ」
さくら「アイドル辞めちゃったり・・・最悪、死んじゃったりしたら・・・!!」
P( )グサグサッ
保奈美「あっ」
柚「あっ」
保奈美「柚ちゃん・・・今、Pさんにざっくり刺さらなかった?」
柚「Pサンにクリティカルなヒットデスヨ」
保奈美「Pさん、この6倍以上の人数相手してるものね」
柚「1人選んだら11人がヤバい事になるって事だよネ?」
P( )ぐさーっ!
柚「あ、トドメ刺しちゃった」
泉「こ、この問題・・・どうやって解決したらいいと思いますか、Pさん?・・・Pさん?」
P「ソ、ソウデスネ・・・マズ・・・」
亜子「まず?」
P「まず・・・AePの立場をはっきりさせた方がいいと思います・・・」
さくら「AePさぁんのですかぁ~?」
P「うん・・・聞いてる限りだと女性側のコメントしか聞こえてないからね。AePがどうしたいか、それを聞かないとね」
─ レッスン場 ─
時子「今度は何よ」
P「AePさんに用があります。彼を解放してくれませんか?」
千奈美「話すだけならこの状態でも出来るでしょう?」
P「アイドルの皆さんに聞かれたくないと言ったら?」
時子「もしアタシに被害がある内容なら、アナタを逃がさずすり潰すだけよ」
P「分かりました、では・・・」
P(2人とも離れないというのなら直球勝負だ、物事の進みはきっかけが全て!)
P「AePさん、アナタは今、小室さんと財前さん・・・どちらが好きですか?」
時子「っ・・・」
千奈美「っ!?」
P(2人の表情が揺らいだ!予想はやや合っていたか)
AeP「え・・・、あ、はい・・・」
P「どうなんですか?」
AeP「恋愛感情で、ですか?」
P「はい」
時子「・・・・・・」
千奈美「・・・・・・」
P(2人の目線があらぬ方向へと飛んでいっている。女王と言われた彼女らでも1人の女でしかない、という事だろうか・・・?)
P(だが、そんな彼女らにAePはとんでもない事を言い放った)
AeP「俺・・・既婚者なんですけど・・・」
P「は?」
時子「は?」
千奈美「は?」
4人「・・・・・・」
P(気まずいとかそういうレベルじゃない、財前さんの目が女王とかそういう目じゃない!サイコパスとかそういう・・・)
P(って、あぁ!!小室さんが拳を握りすぎて血がポタポタ出てるぅ!?爪が刺さってるって絶対!!)
時子「アァァァァンタねぇええええええええええ!!!!!」シュビィン!
千奈美「なんでっ!!そんな大事な事!!言ってっ!!ないのよ!!!」ボガァ!
AeP「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
P(俺はその後、AePさんがどうなったかは知らない。すぐさまレッスン場から逃げたからだ)
─ AE社・レッスン場・扉前 ─
亜子「イズミン、Pさんが戻ってきたで!」
泉「Pさん、どうで・・・」
<ギャァァァァッ!!ワァァァァァッ!!
<ゴウモンジャナイワ!!ムッコロス!!
<ハリツケニシテヤルワ!!
泉「・・・したか・・・?」
P「えっと・・・うん、AePが悪い」
さくら「なんでですかぁ!?AePさん、良い人なのにぃ!!」
P「良い人過ぎてダメなんじゃないかな?既婚者だって、うん」
ニューウェーブ「既婚者っ!!!?」
P「こればかりは俺の手の施しようがないよ。最初っから勝負の付けようもないんだもの」
亜子「あ、アレ・・・どうしたらいいん?」
P「気が済むまでやらせておけばいいんじゃないかな。女性は切り替え上手な人が多いし」
泉「えっと・・・その・・・わざわざありがとうございました」
P「うん、俺も良い経験になったよ」
P(こうしてよく分からないまま、俺らはAE社を後にした)
話さないのが悪いなら話させないのはもっと悪い。
─ ○○プロ・事務所・事務室 ─
柚「ピョッキーうまー♪」
矢口美羽「あれ、柚ちゃん?AE社に行ってるんじゃなかったの?」
柚「あー、Pサンがすぐ解決してくれたよ、多分」
美羽「多分って・・・すっごい曖昧な言い方だね」
柚「Pサンにはちょっと心が痛かったみたいだけど」
美羽「あれ、そのPさんは?」
柚「今、トイレでものすごーく吐いてる。ほなみんが今背中摩ってるはずだよ」
美羽「え゛?」
<オロロロロロロロロロロロ
柚「いやいやすっごいショッキングな事だったんダヨ。人こそ人の鏡ってね」
柚「Pサンも事務所着くなり『俺もああなるのか・・・』って囁いてぶっ倒れて吐き気来てぶっ倒れてるからね」
美羽「全然内容が掴めないよーっ!!!!」
終わり
一方その頃・・・。
朋「いやーっ、お腹いっぱい!満足満足♪」
肇「・・・・・・ふむ」
音葉「・・・・・・なるほど」
朋「あー、歩きながらアルバムみると転んだ時大変よ?」
肇「今はこの写真らを目に焼き付ける方が先です!」
音葉「目で見たものは耳で再現できます・・・顔に浮き出る感情、周りが支える環境、それを私の愛情を添えれば・・・」
朋「なーんかすっごい事言ってるけど」
いやモバPは悪くないから……
肇「・・・あれ、この写真に写ってるのはどちらさんですか?朋さんのご家族でもPさんのご家族でもないような・・・」
朋「あっ、それはねーあたしの先輩。クミちゃん先輩って呼ばれててねぇ、そりゃしょっちゅう怒られてたのよ」
音葉「怒られたのですか。それは何故?」
朋「あたし、中高と声楽部で、同じく中高と一緒だったクミちゃん先輩がお手伝いでピアノの伴奏やってくれたんだ♪」
朋「んで、中学時代にあたしが部活サボったりするとPとクミちゃん先輩の両方が来て説教喰らうってのが日常茶飯事でさー」
肇「Pさんとは仲の良い方なんですか?」
朋「んー、どうなんだろう。少なくとも悪くは・・・」
朋「あ、確かこないだPが婚活パーティー行った時に会ったって言ってた!!お互い顔覚えてる程度には仲いいんじゃない?」
肇「・・・むぅ」
音葉「今、クミちゃん先輩さんは何をされているのですか?」
朋「確か、音楽系の短大に行って、お母さんと一緒にピアノ教室やるって言ってた」
肇「ちゃんと夢持って行動していますね・・・」
音葉「ふぅ・・・」
朋「あっ、今、音葉ちゃんホッとしたでしょ!恋のライバル増えなくてよかったって!」
音葉「当然です。Pさんと共に空間を一緒にしたいのは未だ変わりません、ライバルが少ない方がいいのが普通です」
肇「負けませんよ?」
朋「まー、クミちゃん先輩と会う事なんてそうそう・・・」
─ ○○プロ・事務所 ─
朋(事務所に戻るなり、あたしは異変に気付いた)
朋(女性のすすり泣く声、一点に集中する視線、困惑と焦りで漏れる一部メンバーの吐息)
朋(Pが1人の女性に抱きつかれ、あたふたしているのが確認できた)
朋「ちょっとP!その人・・・は・・・」
「と・・・も・・・ちゃん・・・?」
朋(女性は振り返り、あたしの顔を見るなりまた1つ強く泣いた)
朋(噂をすればなんとやら・・・Pに抱きついているその人は・・・)
朋「クミちゃん先輩!?」
朋(あたしのお世話になった先輩、松山久美子その人だった)
以上です。今回はここまでです。
読んでくれた方はありがとうございます。
今回は以前、時子様のプロダクションの様子がみたいとの要望があったので書いてみました。
このタイトル出した頃からニューウェーブと時子様を一緒にしたいと書いていた、妙な所で公式に電波が届いてしまったみたいです。
ともキュービックを公式化してほしいな(←おこがましい)
「人こそ人の鏡(人こそ人の鏡)」とは他人の行動や言動は自分の行動を映す鏡のようなものであり、それを参考に自分の行動を改めよという意味です。
さて、次回は
・松山久美子「屠所の羊」
その次に
・櫻井桃華「李下に冠を正さず」
になります。
ではまた。
乙です
3つの「とも」が合わさる事で生まれるともの化身……その名はトモリア!
チラ裏
前回の>>109さん
・・・捨てた描写ないからそのうち出すよ!多分!
>>55 さん
アポリア大好きです、マッシブなのにカードが小さいってあのギャップが
芽衣子に─OZONE─を歌わせてみたいなぁ
なんだかんだこれにて30話です。
某ラジオは80話近くまで行ってるらしいですけど、こちらはこちらなりの世界観が出来てしまっているので大事にしていきます。
ガチャでは伊吹ちゃん、イベントで亜季ちゃんが登場しています。
当SSシリーズを読んでくれてる方はどちらかゲットしてくれますよね?
私は伊吹が恒常入りするので11月を待ちます、チクショウ
ではでは。
>>57
貴方も遊戯王プレイヤーか!(歓喜)
最新だけどe・ラーに惚れた。
鬼柳のぶっ飛び具合は最高
自分は悪魔族のテーマデッキが好き
wikiの方更新しました。
最初の方と比べるとすごい量になってきました。
あと何人ぐらいでアイドル全員登場になるかなぁ・・・
>神話の生き物
ここはシンプr…ことわざっぽく「蛇に睨まれた蛙」かなぁと
その蛙が強気(?)になれそうで克つヘビぃな蛇(アイドル)達を
な制御できるナメクジポジションな子がいるとしたら誰になりそうだろう?
>>66
作ってる側としては、このメンツだと巴か雪乃さんかと。後者は女豹と化してますが
皆のレスを読んでて「恋は盲目」とかの方が良かったんじゃないかと反省
このSSまとめへのコメント
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