アニ「私は私の道を行く」 (20)
~訓練兵時代~
ライナー「おいおい正気か?」
訓練を終えたある日、ライナーが興奮気味に話しかけてきた
用件は何となく推測できる。だけど、あえて聞き返す
アニ「なんのこと」
ライナー「あれに決まってるだろ、エレンに格闘術を教えるなんて」
やはりそうくると思っていた。でもあんな小手先の技ごときで
エレンが強くなれるとは思えなかった
アニ「別に..ほんの気まぐれよ」
ライナー「エレンのやつは多分明日から毎日お前のところにくるぞ。あいつの努力は普通じゃない
下手に技術を教えるとあとで苦労するからな」
私が返事をしないでいるとライナーはあきれたようにその場を去って行った
だがその日は特に気に留めなかった。
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その日の夜、私は一人で物思いにふけっていた
私が寮の中で孤立していることは知っている
別に嫌われようとしてるわけでは無いが、特に友達が作りたいわではない
私に話しかけてくるのは故郷を目指す3人とほかの数人だけだ。
クリスタ「アニー!そこで何してるの?」
私に話しかけてくれる人の一人、クリスタだった
彼女は誰にでも分け隔てなく接する、私とは正反対の人間だ
アニ「少し考え事をしていただけ」
クリスタ「そっか。もう少しでご飯だからアニもはやくおいでね!」
アニ「わかった」
もうそんな時間になるのか。わたしは考え事を始めると長くなる癖がある
アニ「そろそろ行くかな..」
一人でつぶやいて食堂に向かった
ライナー「どうした?考え事か?」
食堂にきて食事を始めるとライナーが来る。
アニ「ちょっとね」
ライナーはここでの生活を楽しんでるように見える。ここで発破をかけるべきかもしれない
アニ「ライナー、私たちの目標は故郷に帰ることだからね。ここでの仲間をいずれこの手にかけるのよ。」
ライナー「はぁ?どうしたんだよ急に。そんなことわかってる」
アニ「そう、ならいい」
ライナーは口ではそういっているが明らかに悩んでいるように見えた
このままでは悪影響を及ぼすかもしれない。ベルトルトにも伝えておこう
アニ「ねぇ、ベルトルト」
ベルトルト「なんだい?」
アニ「ライナーがここでの生活に楽しみを覚えている。ベルトルトからも注意しといてくれないか?」
ベルトルト「わかった。任せておいて」
彼ならきっと大丈夫だろう
~翌日・対人格闘訓練~
アニ「・・・」
相変わらず私の周りは静寂に包まれている。人に避けられる姿は孤独そのもののようだ。
どうせほかの奴と組んでも練習にならない。例えライナーやベルトルトであっても、だ。そう自分に言い訳していつもの型の練習を始めた。
父さんに叩き込まれた格闘術。何千何万回と繰り返した技を繰り出す。
エレン「おい、アニ!ぶほぉっ!」」
近づいてきていたエレンに気づかず流れでまわし蹴りをはなってしまった。
アニ「ああ・・・いたのか」
エレン「いてて・・ずっと声かけてるのに返事しないんだよ。お前集中力高すぎだろ」
アニ「ああ、ごめん」
エレン「なあ、」
エレンが懇願するような目でこちらを見つめてくる。用件は手に取るようにわかった。
アニ「悪いけど、練習につきあうつもりは無いから」
エレン「はあ?まだ何もいってないだろ?」
アニ「じゃあ何のよう?」
エレン「それは・・・」
エレンは言葉に詰まる。本当にエレンはわかりやすい。
アニ「私はあなたにつきあう暇は無いの。」
エレン「おい、待ってくれアニ!技を・・・教えてくれ!」
アニ「しつこい」
エレン「頼む、少しだけでいいから!飯をあげるから!頼む!」
エレンは必死で懇願してくる。その滑稽さに笑みをこぼしそうになった。
アニ「・・・」
エレン「お前すごい強いじゃん!だから・・・頼む!」
アニ「その技は何のために使う?」
エレン「え?それは・・・強くなって巨人を駆逐するためだ」
アニ「こんな無意味な技、覚えたって意味無いよ。諦めな」
エレン「じゃあ何で今やっていたんだ」
アニ「教官に言われたらめんどくさいからね。別にたいした理由じゃないよ」
エレン「でも、さっきのお前は必死そうだった。何か・・・こう・・目的のためにやっているような・・」
痛いところをつかれた。エレンはこういう感だけは鋭い。感情を隠すことに慣れていたのは幸いだったが
エレン「俺は、仲間を守りたい、俺は・・強くなりたいんだ!だから教えてくれ・・アニ」
アニ「一週間」
エレン「え?」
アニ「何度もいわせるな。一週間だけだといってるんだ」
エレン「本当か!?サンキューアニ!」
自分でもなぜこんなことをいったのかわからなかった。だが、エレンは人を変える何かを持っているように見えた
アニ「じゃあまず適正テストだ。本気でかかってきな」
エレン「わかった。いくぞ!のわっ」
エレンの突いたコブシはあまりにも遅くスキだらけだった。軽く足をかけると簡単に転んだ
エレン「まだだ!ぐわっ」
こんどは突進だ。か弱いレディー相手に容赦の無いことだ。だがこんなにあたるほど馬鹿ではない。その勢いをかりて投げ飛ばす
エレン「いってー。お前強すぎんだろ」
アニ「攻撃にスキが大きすぎ。もう少し小回りをつけて腰を使いなさい」
エレン「わかった!いくぞ」
エレンの体はまたしても宙を待った
~その夜~
ライナー「おい、またエレンに教えてたみたいじゃないか。どういうつもりだ?」
アニ「別に。どうせあんな技覚えたところで巨人相手には無意味。気にすることは無い」
ライナー「そうか。だが念のためだ。やめておけ、俺からも言っといてやるから」
アニ「わかった。でも私も私なりに考えてるから。気にしなくていい」
ライナーは無言で立ち去っていった
アニ「・・・」
~ミカサ編~
あの日を境にエレンはアニの所にしか行かない。私に目もくれずに、だ。エレンに何か悪いことをしてしまっただろうか?
何でアニなんかのところに、私には理由がわからなかった
アルミン「ミカサ!どうしたの?こんな所で」
ミカサ「アルミン、私ってエレンに嫌われてるの?」
アルミン「まさか!今までと変わらないよ。嫌ってなんかないさ。」
ミカサ「そう・・・」
アルミンはそういうがやっぱり直接言わないと心配だ
~食堂~
エレンを見つけた、アニと話している。私が取り返さないと
ミカサ「ねえ、エレン、ちょっときて」
エレン「なんだよ、ミカサ。悪いアニ、またな」
アニ「別にあんたに会う義理はないけどね」
慌てるエレンを席に座らせる。アニに取られるわけにはいかない
ミカサ「エレン、アニと何を話していたの?」
エレン「何をって・・別にいいじゃないか。」
ミカサ「お願い、教えて」
エレン「なんでお前に話さなきゃいけないんだよ。」
ミカサ「私はエレンが心配なの、お願い、話して!」
エレン「そんな大したことじゃないから、俺は飯取ってくるから」
ミカサ「エレン・・」
エレンの態度はやけによそよそしかった。今までは私に隠し事なんてしなかったのに。
やっぱりエレンはアニと・・・嫌な予感が脳を駆け巡る
もう少し情報をあつめるべきなのかも知れない
ミカサ「ねえ、ミーナ」
ミーナ「どうしたの、ミカサ?恋愛相談?」
人の恋愛に詳しいミーナなら何か知っているかもしれない
ミカサ「エレンとアニは付き合ってるの?」
ミーナ「え、そうなの!?そういえば確かに最近仲いいような・・」
ミカサ「やっぱりそっか・・」
ミーナ「でもそこまで深い関係にはなってないと思うよ!一緒にいるのは少しだけだし。気にしなくていいと思うよ!」
ミカサ「そう・・ありがとう」
~アニ~
私がご飯を食べているときやけに視線を感じた。どうせまた悪口でもいってんだろうと鼻で笑う
ベルトルト「なあ、アニちょっといいか?」
ベルトルトから話しかけてくるのは珍しかった
アニ「一人で来るなんて珍しいね。」
ベルトルト「ああ、そうだな。ライナーには先に話した。ちょっと別室へ来てくれ」
普通だったら張り倒す所だったが彼の真剣な眼差しについてかざるをえなかった
アニ「どうした。真剣な顔して」
ベルトルト「実はだな・・もうじき決行しようと思ってるんだ」
アニ「結婚?あんたが?」
私の声など聞こえないように話し始める。かなり緊張してるように見えた
ベルトルト「今のままだとミカサやエレンは成長しておそらく調査兵団に入るだろう。それを防ぐために一週間後にトロスト区の壁を破壊しよう
と思う」
アニ「一週間後?卒業の前日じゃないか」
ベルトルト「卒業前日なら多くの者が浮き足立つと思うんだ。そして自分の能力を過信する。そのときがチャンスだと思うんだ」
アニ「よく考えたじゃないか。私たちは何をすればいいんだい?」
ベルトルト「いつもどおりにいればいい。僕は影が薄いから気づかれないはずだから」
彼は自嘲気味に笑った
アニ「わかった。その作戦に乗るよ」
ベルトルト「ありがとう」
ベルトルトは満足気に去っていった
もう食欲も無いし考え事をしたかった。部屋に行くことにした
部屋は共用で私とサシャ、クリスタが使っている
幸い誰もいなかったのでベッドに腰掛けた。するとお尻の辺りにモゾモゾした感触がした
アニ「なんだ?」
立ち上がるとゴキブリがいた。私は虫が苦手だった。
アニ「つ、潰すか・・」
重い足取りであった紙を手に取りはたいた。何とか一発でしとめたと思い近づくともぞもぞっと動き始めた
アニ「きゃあ!」
思わずなさけない声をだしてしまった。恥ずかしさで強くたたきつけてしまった。さすがにもう大丈夫だろう
そしてすぐ回りを見渡す。誰かいないかを確認するためだ。
クリスタ「クスクス」
アニ「クリスタ?」
最悪の人に聞かれてしまった
クリスタ「アニって案外女の子らしいところあるんだね!みんなに話そうっと!」
アニ「ちょ、クリスタ!」
思わず苦笑いがこぼれる。今のはかなり失策だった。おそらく寮中に広まるだろう
気づいたらもうかなり時間がたっていた。今度はしっかり確認し改めてまた考え事を始めた
今日はここまでで
誰か見てくれてる人がいたらコメくれるとうれしいです
みてる
~エレン~
アニの強さは普通じゃなかった。恐らく何年もかけて習得した技だろう。見ていてまったく隙がなかった
俺はアニに一週間だけという条件で教わることにした
アニは無意味な技と切り捨てるが表情はそうは見えなかった。俺はどうしてもアニの本心が知りたかったのだ。
>食堂
食堂前で一人たたずむアニの姿を見つけた
エレン「なあアニ、ここで何してんだ?」
アニ「ん?なんだエレンか、別に何をしてるわけじゃないよ」
エレン「じゃあ、食堂にいこうぜ。聞きたいことがあるんだ。」
アニ「別にいいけど」
アニと食堂に入り、腰掛けようとした時だった。
ミカサ「ねえ、エレンちょっと来て」
エレン「なんだよ、ミカサ。悪いアニ、またな」
アニには話したいことがあったがミカサの有無を言わせぬ表情についていくしかなかった
アニ「別にあんたと居たいわけじゃないけどね」
アニが発した言葉は少しキツかったが決して本心では無さそうだった。周囲にあえて壁を作っているように見える
ミカサ「エレン、アニと何を話していたの?」
ミカサは真顔で見つめてくる。仲間を守りたいから・・とは恥ずかしくてとてもいえない
エレン「何をって・・別にいいじゃないか。」
ミカサ「お願い、教えて」
エレン「なんでお前に話さなきゃいけないんだよ。」
ミカサ「私はエレンが心配なの、お願い、話して!」
エレン「そんな大したことじゃないから、俺は飯取ってくるから」
ミカサ「エレン・・」
なんとかはぐらかす事に成功した。やけにミカサは動揺しているように見えたがわからなかった。
アニを探したが居なくなっているようで、見当たらなかった
~アニ~
次の日もエレンに技術を教えた。噂によると夜も一人で練習していたらしい。
まだ敵ではなかったがいずれは中々の実力になりそうだった。
教官「終わりだ!寮に戻れ!」
教官の号令で練習は終わった
アニ「じゃあ、もう戻るよ」
エレン「待ってくれアニ」
アニ「なに?」
エレン「その技はどこで身に着けたんだ?」
なんで急にそんな質問を。話したくも無い過去だ
アニ「アンタが知る必要ないでしょ」
エレン「俺はお前を知りたいんだ」
エレンの言う事の意味がわからなかった。私のことを知って何が楽しいのか
エレン「なんかこう・・壁を作ってないか。人との壁を」
アニ「だからどうした?」
エレン「俺は、お前のその壁を取りたいんだ」
本当にエレンは不思議な奴だ。私は踵を返し立ち去ろうとした
エレン「人と助け合い、話し合う事は悪いことじゃないぞ。お前はもう少しかかわりを持ったほうがいい」
私は人とはかかわりたくなかった。あまり関わると情が湧くからだ。私は敵であり仲間ではない。
情に流されてヘマを犯すような馬鹿にはなりたくなかった
アニ「何で私に余計なところで絡む?」
エレン「理由は無い。でも、なんか・・ほっとけないんだ。」
アニ「そりゃどーも」
何か言いたそうなエレンを尻目に私は寮に戻った
それから約束の日までエレンの練習に付き合った。あの日以降問題に言及することは無くなったが、一人で居ると
話しかけてくることが多くなった。
>最終日
エレン「うおおお」
アニ「くっ..」
さすがに一週間も立てば実力も中々になっていた。スキは相変わらず大きいがダメージを与える形は心得ているようだった。
教官「今日はここまでだ!寮に戻れ!」
エレン「ふう~。今日で終わりか。俺、強くなってたか?」
アニ「まあまあだな。まだスキが大きい」
エレン「そっか。。まあ、ありがとな、今まで」
アニ「別に。お前も物好きだよな」
エレン「お前は・・。いやなんでもない、ほんとにありがとな」
エレンは何かをいいかけたが私は気にせず寮に戻った。これでようやくめんどくさい用件を終わらせた。そう思った反面
少し寂しさを覚えた。それは些細なものにすぎなかったが。
~ミカサ~
エレンに追及したあの時以来エレンはアニとばかりいるようになった。食事のときは一緒だが、訓練はいつもアニだった。
もう一週間も経とうとしていた。
アルミン「どうしたのミカサ?最近元気ないよ?」
ミカサ「別に・・アルミンは気にしなくていい」
いまはあまり話す気分になれなかった
アルミン「そっか・・相談があったらなんでもしてね」
私の意図に気づいてくれたのかそれ以上は聞かれなかった。本当は全部吐き出したかった。でも、疑念を認められるのが怖かった。
噂話が聞こえてきた
サシャ「ねえねえ聞いた?エレンとアニが夜外で二人でいたって!」
ミーナ「えー!そうなの?これは大スクープよ!」
さすがに聞いていられなかった
ミカサ「それ本当?」
ミーナ「わ!どうしたのミカサ?顔怖い!」
サシャ「べ、別に今のは本当かわからないですよ!見たって人がいるだけだし!」
ミカサ「その話をしていたのはだれ?」
サシャ「ジャ、ジャンです・・」
ミカサ「ありがとう」
礼もそこそこに私はジャンの元に向かった。どうしても問い詰めなければならない。真実ではないことを祈るばかりだった
ミカサ「ねえ、ジャン」
ジャン「どうしたミカサ?俺にデートの誘いか?」
ミカサ「いいから早くこっちに来て、一人で」
ジャン「そんな強くひっぱんなって!ついていくから」
>別室
幸い人はいなかった
ミカサ「ねえ、エレンとアニが二人で夜外に行ったのは本当」
ジャン「二人が?ああ、あれのことか、確かに見たぜ、あれは一昨日の夜だったかな・・」
ジャンは二人が一昨日から外に出て何かしていたのを見たらしい。
その事実を聞いて私の頭は真っ白になった。エレンは私を捨ててアニのところに向かったのだ。悔しかった。どうしてもエレンを
取り戻したかった。
ミカサ「そう、ありがとね・・」
エレンを振り向かせるには私がアニよりも強くなるしかないと思い、これから一層努力することにした
~アニ~
>卒団式前日
私たち三人は最後の確認をすることにした
ライナー「本当にやるんだな?」
ベルトルト「当然だよ。一刻も早く、巨人化能力や座標を持っている奴を見つけなければならない」
アニ「作戦はこうね。立体起動訓練の途中でベルトルトが抜け出して素早く壁の外に出て、少し経ってから巨人化、壁を破壊する。いいわね?」
ベルトルト「ああ、情は挟むなよ、特にアニ」
アニ「わたし?」
ライナー「最近エレンと出来てるって話じゃないか。ありゃほんとか?」
アニ「そんなわけないでしょ。エレンの練習に付き合っただけ」
ライナー「そうだよな。だってお前には彼氏が・・・いてっ!」
ライナーが言い終わる前に平手をくらわせた
アニ「それは話さない約束でしょ?」
私には初恋の相手が居て、彼は今故郷にいる。彼との約束をはたすために私はなんとしても帰らなければならない
ベルトルト「なにそれ、初めて聞いたぞ?」
アニ「聞くな!」
ライナー「おっほん!じゃあこれでいいな?」
ライナーがわざとらしく咳払いをして話を閉めた
明日の計画は絶対成功させなくてはならない。
強い決意を固めて解散をした
今日はここまでで。
遅筆すいません。
これからもよろしくです
>翌日
そろそろ、ベルトルトが事を起こす時間だった
ライナーと無言で目を合わせてその時を待つ
それから十分後ぐらいに爆音が鳴り響いた
コニー「なんだ!?地震か?」
慌てて外に駆けていく人に合わせて外に出た
ジャン「おい!聞いたか壁が破壊されたって!」
マルコ「それは本当か!?」
アルミン「そうみたい!突然超大型巨人が現れて、壁を破壊して消えたって!」
会話を聞く限りではベルトルトは上手くやったみたいだ。
~ミカサ編~
>卒業前日
昨日から時間性で壁の修理を班毎にすることになっていた。エレンとは同じ班になれなかったがアニも違う班でほっとしていた。
クリスタ「コニー!次は私たちの番だよ!」
コニー「もうそんな時間か?たくっ、メンドクセー」
クリスタ「でも、何か本格的に強くなったって感じじゃない?」
コニー「確かにそうかもな」
クリスタ「だよね!あ、ミカサも一緒に行こう!」
クリスタ達とは同じ班だった。
ミカサ「ええ、行きましょう」
そして寮から出ようとしたときだった
突如爆音が響き地鳴りがした
コニー「なんだ!?地震か?」
混乱した仲間が続々と寮から出てくる
ジャン「おい!聞いたか壁が破壊されたって!」
マルコ「それは本当か!?」
アルミン「そうみたい!突然超大型巨人が現れて、壁を破壊して消えたって!」
ミカサ「どこの壁が壊れた?」
ジャン「確か・・トロスト区の門だ」
アルミン・ミカサ「「トロスト区!?」」
ミカサ「エレンが危ない!」
アルミン「あ、ミカサ!」
立体機動が無いのはキツかったがそんなことは言っていられなかった。エレンがもし・・最悪の展開が頭をよぎる
とにかく無我夢中で走った。壁に近づくとひどい有様だった。巨人が侵入してこようとしていた
門兵「こら!あぶねえぞガキ!早く戻れ!」
ミカサ「エレンは無事ですか?」
門兵「エレン?ああ、新兵の奴らは無事だぞ」
ミカサ「良かった・・ありがとうございます」
思わず力が抜けそうになったが、そうはしていられなかった
一刻も早く戻らなければ命が危なかった。踵を返し、私は寮への帰路についた
~アニ~
混乱が収まり、緊急の集会が開かれた。ここまでは予想通りだがひとつ心配なのがベルトルトの不在だ。
てっきりライナーと合流したものと思っていたが、知らないという
混乱の中壇上に上がったのは調査兵団団長、エルヴィン・スミスだった。恐らく実戦経験に優れているからだろう。
エルヴィン「これから作戦の説明をする。まずは~」
エルヴィンの話を要約すると、簡単にいえば巨人の討伐、補給倉庫の奪還だった。
エルヴィン「もうひとつ残念なニュースがある。それは我々の中に裏切り者がいた事だ」
それを聞いて真っ先に思いついたのがベルトルトだった。ライナーも同様の結論に至ったようだった。
エルヴィン「その人物は今一人の勇気ある少年の活躍で、監獄に収容された。今はまだ何も語らないがいずれ白状するだろう」
エルヴィン「だが、君たちの任務は変わらない。心してかかれ」
エルヴィンはそういって去っていった。
教官「決行は3時間後だ!準備を整え、最善を尽くせ!」
教官の号令で慌しく訓令兵が走り出す。その流れを利用してライナーと合流する
アニ「聞いたな?」
ライナー「ああ、大変な事になったな。どうする?」
アニ「まずは、今までどおりにすることだ。下手に動くと二の舞になる」
ライナー「必ず助けよう」
アニ「当然」
互いに健闘を誓い持ち場へと向かった
それから3時間が経ち、私は班の仲間とともに配置についた
マルコ「ああ、緊張してきた」
ジャン「くそっ!明日から内地だったってのに・・」
ダズ「うう。。」
クリスタ「でも、がんばって絶対生き残ろう!」
クリスタの言葉で何とか場の空気はつなげた
その後何とか私たちは生き残り、ほかの班との合流に成功した。
しかし戦況は予想以上に厳しいものだった。エレンは死に、ミーナやほかの人もたくさん死んだ。
エレンの死は予想外だった。ベルトルトを貶めた実力のエレンが容易に死ぬとは思えなかった。恐らく班の仲間を殺されて前が見えなかったのだろう。
この絶望的な状況で発破をかけたのがミカサだった。ミカサの先導でほかの人が続々と駆けていった。
アニ「どうする?」
ライナー「臆病者には成りたくないからな」
ライナーの目は完全に兵士のそれだった。
そんなライナーを見て不安を感じた。
アニ「気を抜くなよ」
ライナー「ああ」
そうして私たちもミカサに続いた
クリスタ「きゃあ!」
突然後ろから悲鳴が上がった。振り返るとクリスタがガス切れを起こしたようだった。
ライナー「すまん。俺はクリスタを助けてくる!」
アニ「お前、正気か?」
ライナー「悪い、俺は・・」
アニ「いいよ。いきな」
ライナーはクリスタの元へと向かっていった
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