アニ「・・・寂しい」(115)
ネタバレ注意
ミカサ「ねぇ、エレン、アルミン。今度の休み、街へ行かない?」
アルミン「あれ?ミカサから誘うなんて珍しいね」
ミカサ「クリスタから美味しいお店を教えてもらった。是非二人と行きたい」
アルミン「僕は大丈夫だよ。エレンは?」
エレン「う~ん・・・明日の座学のテストに引っかからなければ・・・」
アルミン「それだったら僕も協力するよ」
ミカサ「私も出来る限りのことはする。滅多にない休日だから久しぶりに3人でゆっくり過ごしたい」
エレン「そうだな~・・・よし!飯食い終わったら早速お願いするよ!」
アルミン「了解!ミカサも来るよね?」
ミカサ「もちろん」
エレン「じゃあ部屋戻ったあと勉強道具持ってもう一回ここに集合ってことでいいか?」
ミカサ「分かった」
ワイワイ
アニ「・・・・・・・」
女子寮
アニ「・・・・・・・・」パタン
アニ(明日のテスト勉強をしなければ・・・)ガサゴソ
アニ(憲兵団に行くにはこんなところでも気が抜けない・・・)
アニ(・・・・・)カリカリ ペラッ
アニ(・・・・・)カリカリ・・・ゴシッ
アニ(あ・・・・・)カリッ・・・・
アニ(・・・・ここどうやって解くんだっけ・・・・)
アニ(・・・・・)
アニ「目、疲れたな・・・」ゴシゴシ
アニ(・・・・・・)
アニ「・・・・・・・あ、ノートこれで最後だ・・・」
翌日
アニ(テスト・・・なんとか大丈夫・・・かな・・・)
アルミン「エレン!どうだった?」
エレン「おう!昨日お前達が助けてくれたおかげでバッチリだった!」
ミカサ「それじゃあ明日は出かけられそう?」
エレン「あぁ!」
アルミン「よかったね!」
アニ(・・・・・・)
アニ(次の訓練に行こう・・・)スタスタ
アニ(・・・・あ)
ライナー「ベルトルト、さっきのテストは大丈夫だったか?」
ベルトルト「うん。怪しいところは昨日ライナーが教えてくれたから本当に助かったよ」
ライナー「それは良かった」アハハ
アニ(・・・・・・・!)
アニ「・・・・・・」スタスタスタ
アニ「・・・・・・あの」
コニー「あぁ~!!終わったぁ~!!いろんな意味で!!」
サシャ「貴重な休日がぁ~!!」
アニ「・・・・!」スタスタスタ
ライナー「・・・ん・・・・・・・」
ベルトルト「あ・・・・・・」
アニ「・・・・・・・・」スッ
スタスタスタスタ・・・・
ライナー「・・・」
ベルトルト「・・・」
翌日・休日
アニ(ノートは買ったし・・・あとは適当にぶらぶらしようかな・・・)
アニ「・・・・ん?」
エレン「はー美味かったー」
アルミン「こんなところにお店があるなんて全然知らなかった!ミカサのおかげだね!」
ミカサ「私も二人に喜んでもらえて嬉しい」テレテレ
アルミン「時間まだあるけどどうする?」
エレン「本屋行こうぜ。アルミン、お前欲しい本があるんだろ?」
アルミン「えぇ!でも重くなるから後回しでいいよー」
ミカサ「ゆっくり時間かけて見たいでしょ?それに私もエレンも本は嫌いじゃないし」
エレン「なんかオススメの本あったら教えてくれよー」
アルミン「うーん・・・じゃあお言葉に甘えて・・・」
アニ「・・・・・・」
アニ「私もご飯食べよう・・・」
カランカラン
ッシャーセー
アニ(なんか珍しいお店に入ってしまった)
アニ(ほぼ満席・・・人気ある店なんだろうな)
アニ(メニュー・・・あ、これ・・・)
アニ(・・・ふふ、あいつらが好きそうな・・・)
アニ「・・・・・すいません、これください」
店員「ギョーザ定食です」コトン
アニ(美味しそう・・・)
アニ(肉は・・・貴重だからあんまり入ってない)モグモグ
アニ(でも野菜たっぷりでこれはこれで美味しい・・・)モグモグ ゴクン
アニ(皮ももちもちしてる)モグモグ
アニ(美味しい・・・けど・・・)モグ・・・
アニ「もうお腹いっぱいだな・・・・」カチャン
アニ「・・・・あ、そうだ・・・・」
アニ「すみません、ギョーザだけ持ち帰りってできますか?」
アニ「・・・あ、それなら・・・もう5個追加でいいですか?」
夕方・訓練所
アニ「勢いで買ってしまった」
アニ「・・・いるかな」ソッ
ライナー「そしたら・・・・でなー・・・」ハハハ
ベルトルト「それって・・・じゃない?」ハハハ
アニ(大丈夫そう)キョロキョロ
アニ「・・・ライナー、ベルトルト」
ライナー「ん?アニか?どうした?」
ベルトルト「ここじゃまずい。場所を変えたほうが・・・」
アニ「すぐ終わるから・・・これ・・・」スッ
ライナー「お?なんだ・・・?」
マルコ「おーい!ライナー!ベルトルトー!いるかー!」
三人「!!」
ベルトルト「悪いけどアニ、ちょっと離れていてくれ」
アニ「あ・・・でも・・・これだけでも・・・」
ライナー「今はヤバイ。そんな急な用事なのか?」
アニ「そういうわけじゃないけど・・・」
ベルトルト「なら後回しだ!ほら、早く・・・!」
アニ「もう・・・いいよ」ダッ
ライナー「アニ!?」
マルコ「おーい!・・・って、こんなところにいたのか。次の訓練の班長会議があるから至急集まれだって」
ベルトルト「あ、うん・・・」
マルコ「?」
アニ「・・・」ガサガサ
アニ「・・・」モグッ・・・モグモグ
アニ「・・・冷めててちっとも美味しくない・・・」
アニ「・・・・・・」ゴシゴシ
アニ「・・・・・・サシャ、食べるかな・・・こんな不味ければ流石に食べないかも・・・」
アニ「・・・あーあ」
アニ「私、何を期待してたんだろう」
数日後
エレン「今日の訓練も疲れたなぁー」ノビー
ミカサ「最近のエレンは成績を順調に伸ばしていて嬉しい」
エレン「う、ミカサ・・・お前に言われるとなんかすごい悔しいんだけど・・・」
アルミン「アハハ・・・でも最近のエレンは本当にすごいと思うよ」
エレン「ん、そ、そうか・・・?」
ミカサ「エレン、照れているの?」
エレン「うっせーよ!!!」
アルミン「アッハハハハ!エレン赤くなってる!
ワーワー キャイキャイ
サシャ「あの3人って本当に仲がいいですよねー」
ミーナ「幼馴染なんでしょ?なんか見てるとこっちまでほのぼのしちゃうよねー」
サシャ「ですねー。なんかただの友達って感じではないですよね」
ミーナ「・・・3人ともシガンシナ区の出身じゃない?身よりもないだろうし・・・多分家族のような絆があるんじゃないかな?」
サシャ「確かにミカサはよく家族とか言ってますよね」
ミーナ「ちょっと憧れちゃうかな・・・アニには幼馴染とかいた?」
アニ「・・・・・・・ただただ羨ましい」
ミーナ「あはは、やっぱりそうだよね。・・・でもアニがそんなこというなんて珍しいね」
アニ「そうかもね・・・」
夜
アニ「・・・・・・・」ゴロン
『俺たちが同郷であることはなるべく悟られないようにするんだ』
『決行のとき、迷いが出る。なるべく他の訓令兵とは仲良くしないほうがいい』
『アニ・・・お前には辛い思いをさせるがどうか耐えて欲しい・・・』
アニ「・・・・・・・・分かってる」
アニ「私、頑張って、ちゃんとやってるよ・・・」
アニ「・・・・・・・・」
『昨日お前達が助けてくれたおかげでバッチリだった!』
『私も二人に喜んでもらえて嬉しい』
『じゃあお言葉に甘えて・・・』
『幼馴染なんでしょ?なんか見てるとこっちまでほのぼのしちゃうよねー』
『アニには幼馴染とかいた?』
アニ「・・・・・・」
アニ「ライナー・・・ベルトルト・・・」
アニ「どうしよう・・・・」ギュッ
アニ「私・・・」
アニ「・・・寂しい」ポロ
アニ「・・・寂しいよ・・・」ポロポロ
翌日
ミーナ「アニ!おはよう!」ポンッ
アニ「・・・おはよう」
ミーナ「ねぇアニ~今日の訓練ってさ・・・ん?」
アニ「・・・なに?」
ミーナ「アニ、ちょっとこっち見て」グイッ
アニ「・・・・・・」
ミーナ「・・・目、赤くなってる」
アニ「・・・・・」
ミーナ「・・・・なんかあったの?」
アニ「・・・・遅くまで本読んでてたから寝不足なだけだよ」
ミーナ「・・・・・・」
アニ「もういいでしょ?私、先行くから」パッ
ミーナ「待ってよ・・・」
アニ「・・・・・・」スタスタ
ミーナ「ねぇってば」パシッ
アニ「まだなんかあるの?」
ミーナ「ねぇ・・・私じゃ頼りないかもしれないけど・・・悩みがあるなら相談に乗るよ?」
アニ「悩みなんてないよ」
ミーナ「・・・・・・」
アニ「・・・・・・あんたに心配される筋合いはない」
ミーナ「アニ・・・私たち、友達でしょ・・・?そりゃあ心配するよ・・・」
アニ「・・・・・」
『決行のとき、迷いが出る。なるべく他の訓令兵とは仲良くしないほうがいい』
アニ「・・・・余計なお世話だよ。手、離して」
ミーナ「・・・・・・ごめん」パッ
アニ「・・・・じゃあ」スタスタ
ミーナ「・・・・・・」
アニ(今日のパンはまた一段と不味い・・・)モソモソ
アニ(スープで流し込まないと・・・)
アニ(・・・・・スープも不味い・・・)ハァ
ユミル「・・・・お前って本当に不味そうに飯食べるよな・・・」
アニ「・・・放っといて」
サシャ「美味しくないなら私に!」バッ
アニ「やだよ・・・食べて力つけなきゃいけないんだから・・・」ヒョイ
サシャ「えぇー・・・・・・」
対人格闘訓練
エレン「ってぇ!!!」ドスン
アニ「全然なってない」スタッ
エレン「お前は少し手加減しろよ・・・いってー・・・」
アニ「わざわざ組んであげてるんだから多少の成長は見せて欲しいもんだね」
エレン「お前・・・よし!もう一回だ!」
カーンカーン
アニ「悪いけどもう終了みたいだね」
エレン「ぐ・・・また次のときに持ち越しだからな」
アニ「はいはい」
エレン「あーやっと昼食の時間かー数少ない楽しみだよなー」
アニ「あんな食事が楽しみなんてあんた変わってるね」
エレン「食べられるだけいいだろー・・・まぁ特別美味くはないけど・・・」
アニ「開拓地で食べたパンのがまだ良かったね。ここの食事は本当にひどい」
エレン「うーん?そうか?俺はどっちもそんなに変わらない気がするが・・・」
アニ「え・・・」
エレン「アニがいたところはきっといいパンが配給されてたんだろうな。羨ましい」
アニ「・・・・・・・」
アニ『配給のパンもらってきた・・・』
ライナー『おう。ありがとう』
アニ『あの・・・』
ベルトルト『どうしたの?』
アニ『今日は・・・これしか手に入らなくて・・・』
ライナー『一個だけか・・・』
ベルトルト『・・・しょうがないよ・・・食糧が圧倒的に足りないんだ』
ライナー『こうなったのも俺たちのせいだしな・・・』
アニ『そうだね・・・』
アニ『それじゃあ3等分にして・・・はい』
ライナー『ありがとう』
ベルトルト『いただきます』
モグモグ
ムシャムシャ
モグモグ
アニ『・・・・(あ、もう無くなっちゃった)』
ライナー『・・・』
ベルトルト『・・・』
ベルトルト『アニ、僕の残りあげるよ』
アニ『・・・え?』
ライナー『俺も。これで十分だ』
アニ『で、でも・・・明らかに少ないじゃないか・・・』
ベルトルト『僕たちは体が大きくて体力があるから大丈夫』
ライナー『一番チビなお前にたくさん食べて力をつけてもらわなきゃな』
アニ『っ私はもらえない!二人が食べて!』
ベルトルト『あはは・・・でも僕たちはアニが食べてるのを見るのが好きなんだ』
アニ『・・・え?』
ベルトルト『アニはこんなパッサパサのパンでも美味そうに食べるだろ?』
ライナー『そうそうパンだって美味しく食べてもらったほうがきっと嬉しい』
アニ『・・・なにそれ』プ
アニ『・・・じゃあ一口だけ・・・でもあとは二人が食べて』
ライナー『え?なんで・・・』グゥー
ベルトルト『あ・・・』グゥー
アニ『・・・・分かった?』
ライベル『・・・・・はい』
ミーナ「あ、アニ!」
アニ「今度はなんだい?」
ミーナ「あの・・・今度の休日に買い物行かないかなって思って!」
アニ「・・・・・」
ミーナ「すっごい可愛い雑貨屋さん見つけたの!その・・・よかったらどうかな!?」
アニ「・・・悪いね。その日は用事がある」
ミーナ「あ、そっかぁ・・・」シュン
ミーナ(アニのいい気分転換になれば良かったんだけどなぁ・・・)
アニ「・・・私、当番あるから・・・」
ミーナ「あ、引き止めてごめん・・・頑張ってね」
アニ「うん」
アニ『ライナー!ベルトルト!』タタタッ
ベルトルト『ん?アニ?』
ライナー『はしゃいでどうしたー?』
アニ『村に行商のお菓子屋さんが来たっていうの聞いた!?』
ベルトルト『え!何それ!?』ガバッ
アニ『お父さんからお小遣いもらったんだ!皆でなんか買って食べなさいだって!』
ライナー『マジか!行商ってことは珍しいのがたくさんありそうだな!』
ベルトルト『こんな山奥に行商が来ること自体珍しいよね』
アニ『ほら!早く!売れ切れちゃう!』グイグイ
ライナー『そんな急がなくても大丈夫だろー大げさだなー』
アニ『はーやーくー!!』グイー
ベルトルト『ぼ、僕も早く行きたい!』
ライナー『分かった分かった』
ベルトルト『すごい!こんなにたくさん!』キラキラ
アニ『あれも欲しいしこれも・・・どうしよう・・・』キラキラ
ライナー『迷うな!』キラキラ
ワイワイ キャッキャ
アニ『じゃあ、二人共これとこれとこれでいい?』
ベルトルト『うん!』
ライナー『アニ!ありがとな!』
アニ『うん!おじさん、これください!!』ポスッ
行商人『はいはい。ありがとう』
行商人『はい。これはサービス』ポン
ベルトルト『え?いいんですか?』
行商人『君たちとっても仲がいいからね。おじさんからのプレゼントだよ』
ライナー『やった!ありがとうございます!』
行商人『これからも仲良くするんだよ』
アニ『はーい!』
アニ(・・・当番までまだ時間ある・・・どっかで暇潰そう・・・)
トコトコ
アニ(ん、こんなところに階段あったんだ)
アニ(どこに出るのかな・・・)トントン
アニ(扉があって・・・)ガチャ
アニ(・・・・・・)ゴソゴソ
アニ「屋根にでるのか」ヒョコ
アニ「・・・・・・ここで時間潰そ」
アニ「ここからだとちょうど訓練所が見渡せるんだね」
アニ「・・・知ってる顔が見える」
アニ「・・・・・・」
アニ「フランツとハンナ」
アニ「サシャとコニー」
アニ「マルコとジャン」
アニ「ユミルとクリスタ」
アニ「・・・エレンとミカサとアルミン」
アニ「・・・・・・」
アニ「・・・一人なのは私だけみたいだね」
アニ「あ、ライナーとベルトルト・・・」
アニ「何話してるんだろ・・・」
アニ「あ、笑った・・・」
アニ「・・・・・」
アニ「二人は私がいなくても平気なのかな・・・」
アニ「・・・」ゴロン
アニ「寝よ・・・」ゴシゴシ
アニ『ライナーの家に泊まるの久しぶりー!』ベッドドスンドスン
ベルトルト『だねー!』フトンバッサバッサ
ライナー『おい、暴れるな。そろそろ灯り消すぞ』
ベルトルト『えぇーもう?』
ライナー『燃料がもったいないって最近母ちゃんうるさいんだ』フーッ
アニ『あぁー真っ暗!』
ベルトルト『なんも見えない!』
ライナー『でも声は聞こえるだろ?』ゴソゴソ
ベルトルト『そりゃあ・・・』ゴソゴソ
アニ『トランプとかしたかったのに』ゴソゴソ
ライナー『なんだ。それじゃあしりとりでもするか?』
アニ『やだ。つまんない』
ライナー『・・・』
ベルトルト『普通にお話してればいいんじゃない?』
アニ『うん。そっちのがいい』
ライナー『だな』
・・・・・・・
ベルトルト『・・・そしたら川に落ちてさー』
ライナー『お前、前もそれやってたよな・・・』
ベルトルト『うん。すごい怒られた』
ライナー『だろうな・・・うん?アニ・・・?』
アニ『・・・・なに』ウトウト
ベルトルト『あ、そろそろ寝たほうがいいね』
アニ『やだ・・・まだ起きてる・・・』ウトウト
ライナー『無理すんな。俺たちのことは気にしなくていい』
アニ『ん・・・』
ベルトルト『・・・』
ライナー『・・・』
アニ『・・・』
ライナー『・・・寝たか・・・?』
アニ『起きて・・る・・・』
ベルトルト『・・・半分寝てるじゃん』ナデナデ
アニ『ん・・・』
ライナー『ほら、寝ろ寝ろ』ナデナデ
アニ『・・・・』
ライナー『・・・』
ベルトルト『・・・寝たね』ナデ・・・
ライナー『・・・あぁ』ナデ・・・
アニ『・・・』
アニ(寝てないもん・・・)
アニ(・・・まだ・・・起き・・・)
アニ(・・・・・)
・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・
アニ「ん・・・」ゴソ
アニ「暗・・・寝過ごした・・・」
アニ「なんか夢を見てた気がする・・・」
アニ「・・・・・」ボー
アニ「!当番行かなきゃ」バタバタ
バタン トントントン・・・
アニ(同じ当番って誰だったっけ・・・確認してないや)タッタッタ
アニ(時間が時間だしもう終わってるかな・・・)タッタッタ
アニ(あ、やっぱり暗くなってる。後で謝っとかなきゃ)
アニ(・・・まぁ私が謝ったところで・・・)
アニ(・・・・・・)
アニ(さっきの夢、すごい幸せだった気がする・・・)
アニ(なんか懐かしかった・・・)
アニ「・・・・・・」
アニ「ここには、誰も、いないんだね」
アニ「人影も、人の声も、ない」
アニ「真っ暗闇」
アニ「私だけ」
アニ「ずっと」
アニ「ずっと一人ぼっちなのかな」
もしかしたらしばらく書き込めないかもしれないです
大丈夫そうならどんなに遅くても一週間以内に戻ってくると思います
本当にごめんなさい
ありがとうございます
再開します
ユミル「おい、アニはまだ寝てるのか」
サシャ「そろそろ起きないと朝食に間に合わなくなっちゃいますよ~」
ミーナ「うーん…さっきから声かけてるんだけど全然起きないの」
ユミル「もう布団を剥ぐしかないんじゃない?」
クリスタ「ちょっと乱暴だけど…仕方ないね…」
ミーナ「う…蹴られなきゃいいけど…」ソー
ミカサ「頑張って」
ミーナ「もう…他人事だと思って…アニー!起きてー!」バサッ
ミーナ「………アニ?」
………
アニ「ライナー!ベルトルト!」タタッ
ライナー「なんだ。呼び出して」
ベルトルト「どうしたの?」
アニ「私…もう無理…」
ライナー「何がだ?」
アニ「…一人でいるのがとても辛い…周りとも仲良くしてはいけないし…」
ベルトルト「…」
アニ「戦士としてこんなこと言っ てる場合じゃないのは分かってる…」
アニ「こうして二人と会うだけでも危険なのも分かってる…けど」
アニ「どうしても二人と話がしたかったんだ…」
ライナー「…」
アニ「ワガママだと思うけどたまにでいい!こうして話がしたい!」
アニ「私はもう耐えられない…」
ベルトルト「…」
ライナー「…なぁ、アニ」
ライナー「お前、なに言ってるんだ?」
アニ「……え?」
ライナー「さっきから戦士やらなんやら訳が分からない。ベルトルト、お前は分かるか?」
ベルトルト「さぁ…そもそもアニとほとんど話したことないし…なんで僕達なの?」
アニ「…あ、あぁ…」カタカタ
ライナー「まぁ、こいつにもいろいろ考えることがあったんだろう?」
アニ「…え、あ…だって私達は…壁を壊して…人類を…」カタカタ
ライナー「で、結局なんだ?友達が欲しいってことか?お前にもそういうところがあったんだな」
アニ「ち、違う…あんた達は鋼の巨人で…超大型巨人で…私は…」カタカタ
ベルトルト「…?何を言ってるの?」
アニ「違う…違うんだよ…お願い…思い出して…」
ライナー「…お前、多分疲れがたまってるんだ。今日はもうゆっくり休め」
アニ「…や、やだ…嘘だ…」
ベルトルト「なんで僕達なのか分からないけど…できることならなんでも協力するからさ…」
ライナー「そうだな。同じ兵士を目指す仲間だからな。俺たちでよければ力になるぞ」
アニ「…へ、兵士…」
ベルトルト「そろそろ消灯だ。教官が来る前に戻った方がいい」
ライナー「だな。じゃあ俺達は先に戻る。お前も気を付けて戻れよ」
ベルトルト「じゃあね。アニ。おやすみ」
アニ「ま、待って…」
スタスタ
ソウイエバライナー…
アーソレハナ…
スタスタスタスタ
アニ「待って…お願い…待ってよ…」
アニ「私を置いていかないで…」
アニ「やだよ…やだよ…」
………
アニ「ぁ…」パチ
アニ(……夢?)
アニ(…体が重い…熱い…)
アニ(風邪か…屋根で寝たせいかな)
アニ(苦しい…結構重症みたいだね)
アニ(…今何時?…部屋が真っ暗…どれぐらい意識が無かったんだろ…)
アニ(朝なんとなく皆に呼ばれてたのは覚えてるから…丸一日くらいか)
アニ(訓練遅れちゃうなー…)
アニ(…)
アニ(…さっきの夢は)
アニ(いままで見てきた夢の中で最悪だった)
アニ(もし…本当になったら)
アニ(もし二人が使命のことも私のことも忘れてしまったら…)
アニ(…あの二人がいなくなったら私は本当にひとりぼっち)
アニ(……あ、ヤバイ、泣きそう)
アニ(……)
アニ「…寂しい」
ベルトルト「アニ!?」バッ
アニ「!?」
ベルトルト「ライナー!!アニが目を覚ました!」
ライナー「なんだと!!」バッ
アニ「!?ゴホ!ゴッホゴホゲホゴホゴホ!」
ベルトルト「ちょっと!突然出てくるからアニがびっくりして咳き込んでるじゃないか!」
アニ「!?ゴホ!ゴホゴホゴホ!」
ライナー「あ、すまん…ってお前声デカイ!静かにしろ!見つかる!」
ベルトルト「ライナーがうるさい!……ちょっと本当に静かにしよう」
ライナー「…あぁ」
アニ「ゲッホ!ゴホッ!うぇ、ゲホゲホ!ゴホ!」
アニ「ゲホうぇっゴホゴホ!うぅゲホッ!」
ベルトルト「ア、アニ、すごい咳だけど大丈夫?」
アニ「うぇぅ、ゴホ、ぇゴホン!うぅゴホゴホ、ゲホ!」
ライナー「おい、えずいてないか?」サスサス
アニ「うぅ、えぁ、ゲホ、う、ゴホゴホ、う、うぅぅぅ~」ボロボロ
ライナー「!?泣いて…!?」
ベルトルト「アニ!?どうしたの!?」
アニ「うぅぅぅぅ~」ボロボロ
アニ「ら、ライナーぁとぉ、っ、ベル、トルトがぁ」ヒックヒック
ベルトルト「うん、うん」
アニ「 っ、私のこと、わ、忘れてぇ、置いて、かれる夢を、みた」ヒックヒック
ベルトルト「……」
ライナー「そうかそうか。怖かったな」ナデナデ
アニ「ライナーと、ベルトルトの、馬鹿…」ヒックヒック
ベルトルト「う、うん?」
アニ「私、ずっと一人で、エレン達はずっと三人一緒にいるのに、なんで、私達は」ボロボロ
ライナー「……」
アニ「…ごめん。しょうがないことだって分かってるけど…」ズズッ
ベルトルト「…うん」
アニ「…あのさ、ライナーとベルトルトは私がいなくても平気?」
ベルトルト「!?はぁ!?そんなわけ無いだろ!?」グワッ
ライナー「おい、静かにしろっ…どうしてそんなこと聞くんだ?」
アニ「…だって二人とも私がいなくても楽しそう…」
ベルトルト「そんなことは…」
アニ「…テスト前は一緒に勉強してるし…私はエレン達を横目に一人でやった…」
ライナー「…」
アニ「こないだの休日も…」
アニ「…私、せっかくあんた達に、おみやげ…」
ライナー(おみやげ…?…あ!)
ベルトルト(あれかぁぁぁ!)
アニ「普段の二人見てると何か話しては笑ってるし…」
アニ「…寂しかったのは私だけ?」
アニ「…確かにしょうがないさ。しょうがないけど…」
アニ「…」
アニ「勉強会やるなら私も呼んでよ!!」ウワァーン
アニ「ハブんないでよ!バーカ!!」ウワァーン
アニ「横でワイワイしてるのに一人で休日過ごす空しさ分かるかい!?」ウワァーン
アニ「ていうか人の話は最後まで聴いてよ!!喜ぶと思って買って来たのに!!」ウワァーン
アニ「寂しさの余り人に冷たく当たっちゃって更に空しくなるし!!」ウワァーン
アニ「そもそも二人だけずっと一緒でズルいんだよ!!ここにきて自分の性別恨むとは思わなかった!
!」ウワァーン
アニ「面白い話あったら私にも教えてよ!!」ウワァーン
アニ「一人は寂しいんだよ!!!」ウワァーン!!!!
ライナー「」ボロボロ
ベルトルト「」ボロボロ
アニ「!?」
アニ「え…?え…?」オロオロ
ライナー「アニィ…ごめん…ごめんなぁ…」ボロボロ
ベルトルト「僕達が気づいてあげられれば…」ボロボロ
アニ「ちょっ…ごめん…私が悪かったって…」オロオロ
ベルトルト「アニは、なにも悪くない」ボロボロ
ライナー「俺達のせいで辛い思いさせてごめんなぁ…」ボロボロ
アニ「やめなって…デカイのが二人泣いてんじゃないよ…」オロオロ
ライナー「ごめんなぁ…」ボロボロ
ベルトルト「ごめん…」ボロボロ
アニ「分かったから…泣き止んで…お願いだから」オロオロ
ライナー「」ボロボロ
ベルトルト「」ボロボロ
アニ「ねぇ…」ポロ
アニ「う、うわあぁぁ…」ボロボロ
ライナー「アニィ…」ボロボロ
ベルトルト「うぅぅぅ…」ボロボロ
アニ「もう、なんなのこれぇ…」ワーン
ベルトルト「…僕にも分かんない」ワーン
ライナー「お前ら静かにしろよ、誰か、来ちまうだろうがぁ…」ワーン
アニ「だから泣かないでよぉ」ワーン
…………
ライナー「…全員落ち着いたか?」グズ
ベルトルト「…一応」ズズッ
アニ「…うん」ズビー
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…久し振りに声だして泣いた」
ベルトルト「…僕も」
ライナー「…昔も三人で大泣きしたことあったよな」
ベルトルト「そうそう。遅くまで山の中で遊んでたら帰れなくなっちゃたんだよね」
ライナー「あの時もアニが最初に泣き始めたんだよな」
アニ「それでベルトルトがつられて泣きだして」
ベルトルト「僕達を宥めてるうちにライナーまで泣いちゃったんだよね」
ライナー「あのときから二人はよく泣いてたな」
アニ「…思いっきり泣いたら眠くなってきた」フアア
ライナー「そうか。ま、ゆっくり寝て治せよ」
ベルトルト「僕達はそろそろ戻ろうか」
アニ「…待って」
ベルトルト「うん?」
アニ「…一人は嫌」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
バサバサ
ギュムッ
アニ「!ちょっと…」
ライナー「おい、ベルトルトもうちょっと詰めろ。狭い」ゴソゴソ
ベルトルト「既にちょっとはみ出してるんだけど」ゴソゴソ
ライナー「どうせ寝相悪くて落ちるんだから一緒だろ」
ベルトルト「ひどい!」
アニ「あんた達って本当…」
ベルトルト「アニ、窮屈じゃないか?」
アニ「デカイの二人に挟まれてれば普通に窮屈だよ」
ライナー「ほら、だからベルトルト、もうちょっとそっちいけ」
ベルトルト「だから落ちるって!」
アニ「もう…」
アニ「…」
アニ(…あったかい)ウトウト
………
アニ「…ん?」パチ
ミーナ「アニィー!!」ダキッ
アニ「!?一体なんだい?」
ミーナ「良かったぁー!ずっと目を覚まさなかったどうしようかと思ったぁー!」エーンエーン
アニ「…」
ミーナ「昨日の朝見つけたときからずっと眠ったままだったし…このままアニが死んじゃったらどうしようって…」グスグズ
アニ「ただの風邪だったのに大げさだよ…もう元気になったし…」
ミーナ「本当に良かった…!」ギュッ
アニ「苦しいよ…全く」ナデナデ
ヒラヒラ
アニ(うん?紙切れ?)
ミーナ「アニ?」
アニ「…あ、もう大丈夫だから行きなよ。私は後から遅れて行く」
ミーナ「本当に?倒れたりしない?」
アニ「心配性だね…平気だよ」
ミーナ「…うん。だけど少しでも具合悪くなったらすぐ言うんだよ?」
アニ「分かったよ。ほら早く行かないと訓練に間に合わなくなるよ」
ミーナ「うん。じゃあ先に行ってるね」
パタパタ バタン
アニ(…なんかメモみたいだね)ペラ
「3日後 消灯後、裏門集合 私服で」
アニ(…?)
3日後 夜
ライナー「お、ちゃんと来たか。偉い偉い」
アニ「あのメモ、どういうことだい?私服とか意味が分からないんだけど」
ライナー「そう言いつつちゃんと指示通りにしてくるのがお前のいいところだよな」
アニ「うるさいよ…」
ライナー「ま、すぐ分かる」
アニ「?」
ベルトルト「オッケー、ぐるっと見てきたけど誰もいないよ」
ライナー「よし、じゃあ行くか」
アニ「…へ?」
アニ「ちょ、ちょっと…二人とも何してんの…?」
ベルトルト「見ての通りだよっ…と」ヨジヨジ スタッ
ライナー「ほら、アニも早く柵越えろ」ヨジヨジ スタッ
アニ「う、うん…?」ヨジヨジ スタッ
アニ「…って訓練所抜け出してどうするつもり?もしバレたらヤバイどころじゃすまないよ」
ライナー「バレなきゃいいんだよ。ほら、さっさっと行くぞ」
アニ「だから何処に?」
ベルトルト「うーん…アニの行きたい所?」
アニ「は?」
ライナー「とりあえず街まで出るか」スタスタ
ベルトルト「そうだね」スタスタ
アニ「え?え?待ってよ」タタッ
………
ベルトルト「やっぱり街だと夜遅くでもお店やってるんだね」
ライナー「田舎とは違うな」
アニ「ねぇ…そろそろ説明が欲しいんだけど…」
ライナー「…お前はエレン達が羨ましかったんだろ?」
アニ「…」
ベルトルト「僕達の関係的に普通の休日に一緒に出かける訳にはいかないからね。こんな形になっちゃたけど…」
ライナー「ま、たまにはこういうのも必要だろ?お互いに」
アニ「…うん」
ベルトルト「で、何処に行きたい?アニ?」
アニ「…あんた達は?」
ライナー「え?俺達か?」
ベルトルト「アニが行きたい所でいいんだよ?」
アニ「私は二人も喜んでくれる所に行きたい」
ベルトルト「え?え?じゃあどうしようか?ライナー?」
ライナー「うーん…じゃあなんか美味いもんでも食べたいな」
ベルトルト「あ、確かに…今日の夕飯も少なかったしね」
アニ「…!じゃあ」
カランカラン
ッシャーセー
ライナー「おお、なんか珍しい雰囲気の店だな」
ベルトルト「よくこんなお店知ってたね」
アニ「この間見つけたんだよ。ほら、早く決めな」
ベルトルト「うん…あ、ギョーザがある」
ライナー「俺はそれがいいな。美味そうだし」
アニ「皮が美味しかったよ」
ベルトルト「へぇーじゃあ僕もそれで」
アニ「決まりだね?すいませーん」
………
ベルトルト「なんか三人でご飯食べるの久し振りだね」
ライナー「そうだな。訓練所に入ってからずっと別々だったしな」
アニ「うん」
ベルトルト「そう言えば訓練所のごはんって全体的に美味しくないよね」
ライナー「分かる。開拓地のが良かった気がするよな」
アニ「私もそう思ってエレンに言ったら私達がいた所はいいパンがいってたんじゃないか、ってさ」
ベルトルト「?配給のパンは同じ所で大量生産された奴じゃないっけ?」
ライナー「手間もかかるからどこも同じ質だと思うが…」
アニ「そうなのかい?」
ベルトルト「なんの差だろうね」
アニ「保存状態とか?」
ベルトルト「うーん…」
ライナー「にしてもこんな美味い飯も久し振りだな」
ベルトルト「アニのおかげだね。ありがとう」
アニ「別に…」プイッ
ライナー(照れてる)
ベルトルト(照れてる)
アニ「…な、なんだい…」
ライナー「別に~…な、ベルトルト」
ベルトルト「ね、ライナー」
アニ「本当になんなの…」
アニ「全く…」モグモグ
ライナー「お前は本当によく食うな~」
アニ「あんた達ほどじゃないよ」
ベルトルト「そりゃそうだけど、アニだってかなり食べるほうだよ」
ライナー「そのちっこい体のどこにそんな入るんだ」
ベルトルト「ここの店、結構量多めだけど普通に食べちゃうし」
アニ「女の子にそんなこというもんじゃないよ…ところでデザート頼むけどあんた達は?」
ライベル「すげぇ」
カランカラン
アザーシター
ライナー「ふぅー食った食った」
アニ「ライナーってそうしてると本当におっさんみたい」
ベルトルト「はは、分かる」
ライナー「おい、結構気にしてるんだからな…」
ベルトルト「まぁ、仕方ないよ」
アニ「うん、仕方ない」
ライナー「おい」
アハハ ワイワイ
アニ「…ねぇ…ライナー…ベルトルト…」
ライナー「うん?なんだ?」
ベルトルト「どうしたの?」
アニ「…ワガママだと分かってるけど…たまにでいい…」
アニ「こうしてごはんを一緒に食べたり…話をしたりしてもいい…?」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
ライナー「なーに言ってるんだ、アニ」
アニ「!」
ベルトルト「寂しくなったらいつでもどうぞ」
アニ「…本当にいいの?」
ライナー「当たり前だろ。ベルトルトも相当寂しがるしな。隙あらばチラチラ…」
ベルトルト「ライナー!?ライナーだって人のこと言えないだろう!?」
ライナー「おー悪かったって」ハハ
アニ「…ありがとう」ゴシゴシ
ライナー「おいおい。目ごしごしすんなー」
アニ「ゴミが入っただけ」ゴシゴシ
ベルトルト「アニが泣き虫で寂しがりやなのは昔から変わらないね」
ライナー「間違いないな」
アニ「あんた達もそうでしょ」
ベルトルト「否定はしないよ」
ライナー「あぁ」
アニ「…」
アニ(もう寂しくない)
おわり
ここまでありがとうございました
このSSまとめへのコメント
うおおお!!よかった!!!アニ可愛い!!アニを可愛がる2人もいい!!!!