【咲ーSaki-】照「舐めプ?」 (92)

闘牌シーンありですが、大分適当なので、同じ牌が五枚あるとか12翻で数えだったりとかついてるはずの役が抜けてたりとか本場分の点数入ってないとか、酷いのは少牌多牌まであるかもしれません、てゆうかさっき見直したらあったのでまだどっか抜けてると思われます。申し訳ありませんが、気づいてしまわれた方は各自の脳内で適切な形への修正補完をしていただきますようお願い申し上げます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413161731

菫「ああ、そうだ。龍門淵の敗因は、飛ばせる手をわざと手を下げて風越を0点ピッタリにしたことにある」

尭深「最後の振り込み…大明槓も、万が一ということはその前の和了りから想定できたはず。もはや舐めプとしか言えません」

照「そう…咲様の卓でそんな無謀なことを…しかし、見込みはあるな、天江衣」

菫「(なんかおかしい単語が聞こえたが)まあ、負けたとはいえ実力は示されている。見どころはあるだろうな」

淡「そもそも、ワンマンチームでエースを大将に置くってのが舐めプだよねー」

誠子「ああ、卓上のみならず卓外でも舐めプをするなんて、心底相手をなめてるのが伝わってくるな」

照「私たちも、ベストメンバーじゃなくて部内でリーグ戦やって勝ち抜いたチームが出るとか完全に舐めプ。負けてない」

菫「他校からはそう見えるかもな…しかし、リーグ戦で培われた絆は必ず本番で生きる。そうして戦い抜いたチームがベストメンバー以上の結果を残すのは白糸台の歴史が示している」

尭深「はい。決して相手をなめているわけではないです」

照「え?」

菫「ん?」

照「さっきから微妙に話がかみ合わない。大事なことだから確認しよう」

菫「そうだな、確認が必要な事案だ」

照・菫「舐めプは正義(絶対悪)だよね(な)?」

照「…」ヤレヤレ

菫「…」アタマカカエル

淡「スミレ…なに、言ってんの…?頭打った?変なもの食べた?ねえ、冗談だって言ってよスミレ!」カオマッサオ

菫「お前もか大星…」

誠子「…そうじゃないかとは思ってましたよ」

尭深「誠子ちゃん…やっぱり…」

照「舐めプは正義、舐めプは至高。舐めプこそが麻雀のすべて。力は舐めプをするためにある」

淡「ツモで高め狙える手を崩してわざわざ狙い撃ちするのだって舐めプするためでしょ!?どうしちゃったのスミレ!?」

誠子「…弘瀬先輩のあれは、舐めプじゃなくて、本気で狙っていた。そうですね?」

尭深「…それが、当たり前だと思う」

淡「タカミまで…まさか、タカミのハーベストタイムも…オーラスまで希望を与える舐めプじゃなくて…」

照「…尭深は、オーラスまでの間に相手が慌てふためくのを楽しむドSではなかったんだね」

尭深「そんな人間に見えました?」

誠子「そうであってほしかったな」

淡「そんな…冗談はやめてよスミレ!タカミも!舐めプしない麻雀なんて麻雀じゃないよ!目を覚まして!」

菫「目を覚ますのはお前らだ。皆が真剣に臨んでいるインターハイで舐めプなど侮辱以外の何物でもない!」

淡「侮辱して何が悪いの!?わけわかんないよスミレ!」

誠子「侮辱をして褒められることはあっても、否定されることがあるとは思いませんでしたね」

照「誠子なんか、普通に和了牌を釣れるのにわざわざ鳴いて手を短くしてるんだよ?菫も見習ったら?」

菫「照、お前の東1局も…」

照「それどころか連続和了で打点上げるのも舐めプ。別に前の局より高くしないで普通に和了ることも出来る」

淡「なんでわかんないのスミレ!?相手が希望を持つから踏みにじるのが楽しいんじゃん!」

菫「淡…お前の絶対安全圏は…」

淡「自分の配牌と相手の配牌、しめて52牌を操れるんだよ?その気になれば天和地和出し放題だよ!当たり前でしょ!?」

誠子「ま、私はこの二人ほどではないですけど、欲しい牌を自在に釣れますね」

菫「…貴様ら、白糸台の他のチーム相手にも、舐めプをしていたのか?」

照「当然。次鋒の菫に回した時点で舐めプ。私があんな雑魚ども相手に10万削れないはずがない」

淡「ちょっと希望見せるとすぐやる気出すから面白いよね。希望を摘みとるのってなんであんなに楽しいのかな?ね、テルー!」

誠子「ま、私が遊びすぎるから淡が舐めプしすぎると負けますが、淡は負けない範囲で舐めプするから大丈夫ですよ」

菫「照!お前は、三年間鎬を削った仲間を、もてあそんだのか!?」

照「うん。そうするのが正しいし、私はそうしたいと思った」

菫「…照…冗談だって、言ってくれよ…」ポロポロ

尭深「…腐ってる」

照「照だけに?」



バタン

咲「あれ?お姉ちゃん、お姉ちゃんの仲間に麻雀の楽しさがわからない人がいるってどういうことかなあ?」



照「咲様…いえ、今から教育するところです。長年過ごした仲間ですので、理解しているものと思い込んでいました」

咲「プラマイゼロは至高の舐めプ。圧倒的な実力を示しながら、相手に希望を持たせることが出来る」

誠子「…まさか…宮永先輩の言っていた、麻雀の神とは…」

淡「凄い…目を見れば分かるよ…すべての人間を、ゴミとしか思ってない…」

菫「宮永…咲…照の妹…」

尭深「先輩は、妹は居ないって言っていたはずですが…」

照「妹ではない、咲様は私に麻雀の素晴らしさを教えて下さった恩師にして、全人類に麻雀の素晴らしさを広める神…血がつながっているとはいえ、妹などという目下に置くことは出来ない」

淡「うん、この人の姉だったとしても、私も姉だなんて名乗れない…」

咲「あはは、そんなにかしこまらないでよ。あ、そうだ、せっかく来たんだし麻雀打とうよ」

菫「上等だ。貴様が諸悪の根源なら、貴様の性根を叩きなおしてやる」

尭深「お供します」

咲「あれ?私に勝つ気なの?ん~…どうしようかな…」

照「25000持ち10万返しがよろしいかと」

咲「飛ばしたらトビ賞ついちゃうから、飛ばさないように99600から100000ちょうどまでにするんだっけ?」

照「はい」

菫「…なめてるのか?私たち相手にそんなことが出来ると本気で思っているのか?」

淡「何言ってんのスミレ?舐めなきゃ麻雀じゃないって」

誠子「てゆうか余裕ですよね。あと一人誰が入るんですか?二対二じゃ楽勝すぎだし、誰か呼ばないと…といっても、麻雀の素晴らしさを知らない屑に知り合いはいないんですけど、どうしましょう?」


バタン

和「…私が入ります。咲さんの目を覚まさせるのは、私の役目ですから」



咲「和ちゃんには期待してたんだけどね。モモちゃんのステルス潰せるぐらいの力を持っていて、他人のオカルト無視でデジタルを曲げない舐めっぷりは、見ててとっても気持ち良かったよ」

和「私は最善を尽くしていただけです」

咲「じゃあ、この三人で良いかな?」

菫「インターミドルチャンプの原村なら十分だ。これ以上は望めまい」

咲「じゃ、始めようか。あ、振り込むの面倒だから和了った場合に自分の親を流すかどうか選択できるルールにさせてもらうよ。不利にはならないからいいでしょ?」

菫「連荘を放棄するということか?」

咲「うん。だってあなた達、聴牌するのに平均2巡以上かかるんでしょ?待ちくたびれちゃうよ」

菫「なめてくれる…ほえ面かかせてやるからな」

和「部長が三年間待ったインハイを舐めプで汚す人は、私の友人ではありません、私の友人の咲さんを返して頂きますよ!」

咲「部長が三年待ったのも舐めプだって。無名の高校がいきなり全国制覇とか最高の舐めプじゃない。私、部長に声かけられて、そのためだけに長野に残ったんだよ?」

照「本来なら咲様を白糸台にお迎えして、二連覇したチャンプ抜きのチームで優勝する予定だった。淡が入ったから咲様抜きでも出来るだけの戦力は揃ったけど」

咲「無名校が勝つ方が舐めてるもんね。ああ、無名校に蹂躙される名門のレギュラー達の顔…OGや顧問の顔…最高だよ」

和「させません…」

菫「私たちが、その腐った性根を叩きなおしてやる」

尭深「(やっぱり玉露はおいしい)」ズズ


ーー

照「というお話を書いてみた」

誠子「私こんなキャラじゃありませんって」

尭深「私も、こんなこと言いません」

淡「これは酷いよテルー。スミレがこんなこと言うわけないじゃん」

誠子(ん?弘瀬先輩と尭深は普通だったはずだけど…)

菫「ああ、当たり前だろう」

尭深「舐めプを否定するような下衆が、舐めプを伝統とするこの白糸台に居るはずないじゃありませんか」

誠子「…え?」

照「うん、それは申し訳ないと思うけど、配役の都合上そうするしかなかった」

菫「獲物どもの怯える顔を見るために麻雀を打っているんだ。早くあの松実の怯える顔が見たいな」

淡「セーコなんかマジで逆転寸前まで舐めプしたもんね!私も調子乗って二位になっちゃった。勝てるかもしれないとか勘違いしたシズノを蹂躙するのが楽しみだよ」ウズウズ

誠子「ア、ハイ、ソウデスネ」


尭深「オーラスの役満に怯えて必死に逃げ惑う獲物たち…新子さんは最高でした…ツモって良いかどうか迷ってるところなんか、思わず声かけちゃいそうでした」ゾクゾク

菫「部内戦でも何度かあったな『連荘して、いいの?』だったか?能力ばれてる相手にしかやる機会がない大技だな」

尭深「そうすると、怯えてツモ切りするんですよ。それで直撃するんですけどね」

照「口プは基本。咲様も長野でやってた」

淡「テルーはいいなー!咲さまの舐めプを子供の頃から見て来たんでしょ?」

照「咲様の舐めプは芸術。ただ舐めてるだけの私たちとは違う」

淡「ま、咲さまに勝てるはずないから今年は清澄優勝だよねー」

菫「あの原村の舐めプもなかなか芸術的だったな。薄墨相手に何度東と北を切ったことか」

照「竹井さんの『マナー悪い舐めプ』も舐めプの新しい形。咲様が見込んだだけはある」

尭深「次鋒の『出番消去舐めプ』も真似できませんね。咲様が選んだ精鋭だけはあります」

菫「片岡の『南場やる気なし舐めプ』は東場版で南甫プロがやり尽くしたものだが、完成度が高いしな」

尭深「東場版と違って、まくって確実に勝つという保険を捨てている分、舐めプ度は高いです」

照「同じに見えても、難度で言うならC難度とE難度ぐらいの差がある。片岡さんも間違いなく逸材」

誠子(この人達、舐めプしてたのか…)

菫「しかし、亦野は私たち相手にすら本気を出さないな。たまには本気で打っても良いんだぞ?」

照「仲間や家族相手でも常に舐めプ。まるで咲様を見ているよう。誠子は大物になる」

淡「だからこそ、この虎姫のメンバーなんだよね!」

尭深「私は、宮永先輩相手に舐めプをするほどの力はないから、羨ましい」

誠子(いや、常に全力なんですけど)


ーー

久「さあ、ここまで来たわね。舐めプ王決定戦…じゃなくてインハイ決勝」

咲「姫松の末原さん、二回戦の舐めプは見事でした。プラマイゼロで矜持は保ちましたけど、あれ以上の舐めプがあるなら次は勝てないかもしれない」

和「その言葉どおり、準決勝でも恐ろしいまでの舐めプを晒してくれました。まさか見た目から入るとは…」

優希「あたしの舐めプコスチュームが完全に霞んで見えたじぇ…」

まこ「普通に可愛く着飾っただけじゃったからのう…刀とか厚着とか、そういう能力っぽい要素一切なしじゃ。あれは完全になめとる」

久「洋榎の口プ、妹のエトペン蹴り、不発弾、蔑称呼び…姫松は舐めプ界の怪物ばかりね。見本市が開けるわよ」

優希「でも、勝つのは私たちだじぇ!」

ーー

穏乃「よーし!明日は勝つぞー!」

晴絵(みんなにはばれてないが、こいつの舐めプは天然なんだよな…)

憧「シズが居れば大丈夫よ。なんたって、大将戦の南三局で差し込みで逆転喰らうような奴だもん!」

灼「あれは私の『スタイル無視舐めプ』が霞んで見え…」

宥「うう…『赤くない牌引かない舐めプ』ぐらいじゃ足引っ張ってないかな?」

玄「おねーちゃんは舐めプ部分じゃなくて麻雀部分のエースだから、麻雀で勝ってくれれば万事オーケーなのです」

憧「『先鋒でエースが毟られ続ける舐めプ』…そろそろ白糸台も気付くはず。どう出るかしら?」

穏乃(相変わらず何言ってるかわかんないけど、あたしは普通に打って勝つだけだ!やるぞー)

ーー

由子「何とか勝てたのよー」

恭子「代行!あのかっこは何の意味があったんですか!?練習の成果はともかく、あれだけは意味が分かりません!」

郁乃「まあまあ~、勝ったんだから~、それでええやん~」

洋榎「ま、恭子はあれでええんちゃうか?にあっとったで?」

恭子「しゅ、主将まで…」///

漫「また不発でしたわ…」

絹恵「爆発されても困るからな…」ボソ

漫「ん?」

絹恵「いやいや、なんでもあらへん」

絹恵(お姉ちゃんは天然口撃、末原先輩は天然の最強舐めプリスト、不発弾の漫ちゃんに、代行の仕込みによって天然で蔑称を連呼する真瀬先輩)

絹恵(うちは唯一の養殖舐めプリストや、このチームの舐めプの出来はうちにかかっとる)

郁乃(さあ~、明日は決勝や~、みんな頑張るんやで~)

郁乃「あ、そういえば由子ちゃん、なんで教えたとおりに言わんかったんや?」

由子「wikiで調べたら、代行が教えてくれた呼び方が蔑称だって書いてあったのよー…だから、記事にあった別の呼び方を…」

郁乃「は?ああ、変な奴が記事いじったんか…そうやな、由子ちゃんがあんな酷い言葉使うはずないと思ったで~」

郁乃「これ見てみ~、由子ちゃんが見たときは~、なんて書いてあった~?」

由子「こ、これ…そんな…私、こんな酷いこと言うつもりじゃ…なかったのよ~…」マッサオ

郁乃「大丈夫やで~、うちが向こうの監督さんに謝って来るからな~」

絹恵(まあ、先輩が今見てんのはさっき代行がwikiに似せて作ったページやけどな)

郁乃「ついでに教えとくけどな~、長野の人のことは……、で、奈良県民には……、って呼ぶと好感度上がるんやで~」

由子「代行、ありがとうなのよ~。そっか、変な人が記事をいじってることもあるのね~、ネットの情報をうのみにしちゃいけないのよ~」

絹恵(まあ、先輩が今覚えたそれ、蔑称やけどな)

ーー

怜「ん~、私のリー棒立てるのとか、一発ツモ予告リーチとかいい線行ってたと思うんやけどなー」

セーラ「いや、リー棒立てるのは意味わからんけど、今年は優勝狙えると俺も思っとったで」

竜華「怜なんか倒れるまで頑張ったやん」

泉「船久保先輩…もしかしてこの二人…」

浩子「ああ、舐めプの素晴らしさがわからんゴミや。こいつら出さんとアカンぐらい人材不足だったんや」

泉「園城寺先輩の温情枠やないんですか?」

浩子「上手いこと言うたつもりか?」

怜「二年間三軍で遊んでいきなりエース取るとかなかなかの舐めプやろー?」

浩子「ええ、園城寺先輩だけは、うち尊敬してますよ」

怜「セーラと竜華も悪い奴やないねん。ただちょっと麻雀が分かってないだけなんや」

泉「乙女モードも舐めプの一貫やと思ってたんに、裏切られた気分ですわ」

怜「ちゅーか、泉は高度な舐めプ出来るほど強くないからな?舐めプへの理解を買って一年レギュラーに抜擢したけど、実力で言うたらセーラとかのが上やで」

浩子「弘瀬に狙われて舐めプする余裕なくしとったからな。話にならんわ」

泉「せやかて、あれ人殺しの目してましたよ…」ガクガク

ーー

白望「ダルイ舐めプも長考舐めプも通じなかった…『居眠り舐めプ』恐るべし…」

豊音「『サインちょうだい舐めプ』も、普通に強い人にサインもらっただけになっちゃったし」

塞「原村和、あれは化け物だわ…私の『能力封じるから楽勝舐めプ』を逆手にとって対局相手ガン無視で『デジタル舐めプ』するなんて…」

トシ「しかし、封じないとほんとに負けちまうからねえ…恐ろしい子だよ」

エイスリン「そして、宮永咲…あれは別格だった…」

胡桃「エイスリン、キャラ、キャラ忘れてる」

エイスリン「」カキカキ

白望「角の生えた女の子…宮永さんか」

トシ「エイスリンの『片言しか話せない舐めプ』とか完全無視だったからねえ…豊音なんか最後本気出してたって言うのに」

豊音「私が本気出したら笑ったんだよあの人…ちょーこわいよー…」

白望「希望を摘みとるのが楽しいんだろうね、あれは悪魔…いや、魔王だ」

塞「姫松の人も完全に舐めプしてたわね。『もう一回や』って何回やるのよ。わざとらしくカタカタして煽ってたし」

トシ「もしかしたら、舐めプという点では姫松のあれが一番の怪物かもしれないねえ」

ーー

透華「舐めプしてなんぼ!舐めプしてなんぼですわー!」

衣「しかし、舐めプでガチ負けしたら意味がない…見えていたのだろう?透華」

透華「『ステルスだからアタリ牌切れるよ舐めプ』…しかし、『見えてるけどあえて付き合うよ舐めプ』してしまえば舐められてるのはむしろ向こう!舐めプしてなんぼですわー!」

一「ボクの手錠舐めプとか、久のマナ悪ツモ一発で消し飛んだからね。清澄は化け物ぞろいだよ」

純「『片目瞑るよ舐めプ』を開眼させて、『南場やる気なし舐めプ』に南場で本気出させた俺は一矢報いたな」

智紀「…『素人のフリ舐めプ』…『リーチツモトイトイ』」

純「ありゃご愁傷様だな。清澄も『振り込んだ方が安いけど役満ツモらせてやる舐めプ』とかしてたし、次鋒は地獄だったな」

衣「咲様は別格だから、衣は勝ちを捨てて舐めプに徹することしか出来なかった」

純「『海底舐めプ』…他家のツモを操れるんだからアタリ牌つかませればいいのに、それを海底までもつれさせるために使う舐めプ奥義…」

衣「あれは咲様も面白いと言って褒めて下さった力だ。衣の誇りだな」

ーー

小蒔「あの…私、思うのですが…」

霞「何かしら小蒔ちゃん?」

小蒔「インハイ出場校のみなさん、舐めプしてませんか?」

初美「姫様が変なこと言い出したですよー。はるる、どうにかするですー」

春「あり得ない。全国のみんなが必死に戦ってる舞台で舐めプなんて…」

巴「…」

霞「どうしてそう思うのかしら?」

小蒔「えっと…その…ある方に、『居眠り舐めプ凄いね、いろんな舐めプを見て来たし、私自身も色々やったけど、こんな斬新な舐めプは初めてだよ』と言われまして…」

初美「冗談じゃねーですよ。よりにもよって人一倍頑張りやな姫様が舐めプとかありえねーです」

小蒔「それで、他の皆さんは、もしかしたら舐めプをしているのではないかと思って色々な試合を見たら、そうとしか思えなくなってしまって…」

霞「『疑心暗鬼を生ず』。考えすぎよ、少し休みなさい小蒔ちゃん」

小蒔「そ、そうですよね。変なことを言ってしまって申し訳ありません」

初美「当たり前ですー。姫様は頑張り過ぎて疲れたのですよー。少し休まなきゃダメですー。ほら、はるる、そっち持つですよー」

春「姫様は一人で歩ける。手を引くぐらいでいい」ギュッ

小蒔「ありがとう、春。では、少しお休みしますね」

巴「…」

テクテク

初美「姫様とはるるにはバレなかったですね?」

巴「多分…」

霞「小蒔ちゃんに教えたのはどこのバカかしら、一回地獄見せないといけないみたいね」

ーー

哩「…すまん、私がもっと和了れていれば…」

煌「そんな、部長は区間一位で抜けた上に全体でもチームで二番目の収支、姫子は部長の倍の翻数で和了る事を考えれば間違いなくチームをけん引してくださいました」

姫子「私が部長がリザベーションばせんかった局で一つも和了れんかったのが悪かと…大将失格ばい」

煌「いえ、私が先鋒で失点しすぎたんです」

姫子「煌は相手が悪かばってん、しかたないとよ」

煌「姫子の相手だって宮永照の後継者と言われる大星淡です。それを言うなら姫子だって仕方ないんですよ」

仁美「なんもかんも政治が悪い」

哩「いや、お前のせいやろ」

煌「あははは、しかし、江崎先輩だって渋谷さんに江口さん、阿知賀の新子さんだって江口さんと競り合うほどの打ち手です。これも仕方ないんですよ」

姫子「ばってん、煌だって悪くなか!」

煌「それなら、もうどうやっても仕方なかったんじゃないでしょうか?白糸台はもちろんのこと、我々だけでなく全国二位の千里山をも退けて決勝に行った阿知賀もすばらだった」

哩「そうやな…そう思うことにすっとよ」

煌「では、これで反省会は終わりですね。失礼します」

姫子「どこばいくと?」

煌「清澄高校に、中学時代の後輩が二人ほどいまして、激励に」

哩「そうか、行って来い。お前が来てくれたら誰だってうれしかろ」

煌「はは、そうだと良いんですが…では、行ってまいります」

バタン

哩「やっぱり、先鋒に花田を起用したのが舐めプすぎたんかね?」

仁美「言うても、宮永相手なら花田は悪か選択肢やなか。むしろここにきてネタオーダーが当たったぐらいやけん」

姫子「『リザベーション失敗したら私も和了らない舐めプ』をやめないと勝てんかったと思いますよ」

哩「やっぱそうか…そうなると実力不足やったちゅーんが結論やね」

姫子「そうなりますよねー。てゆうか部長卒業しますけど、来年どうしましょう?」

哩「うむ、私抜きでも高火力で和了れる設定でいこう」

仁美「そうするしかなかね」

哩「そうすっと、私も『姫子が私の手を離れたのを見てスランプに陥る舐めプ』をできっとね」

次から問題の闘牌シーンに入ります。
キリがいいところなので、ちょっと休憩してハウスと田んぼの様子見てきます。

昼過ぎぐらいに戻ってくる予定です。

また咲ちゃん悪役にされるんかと思って(´・ω・`)になってたらみんな悪かった
これくらい突き抜けてると逆に面白い

絹ちゃんと代行以外は天然な姫松が一番ましか
煌ちゃんと姫様とはるるは天使やった

つまり京太郎は「主人公に愛称呼びされるくらい親しくて麻雀を再開くするキッカケにもなったイケメンなのに空気 舐めプ」をしてるって事か。

麻雀部に誘ったのはカモにするのが目的だったし
そんなのをを出した事実が原作者のナメプ

あと咲の愛称呼びは普通
衣までちゃん付けにする人だからな

確かに咲は愛称呼びに対するハードルが滅茶苦茶低いな。

>>21
マタンゴ・・・

ただ今戻りました。よく考えたら田んぼは稲刈り終わってました。

では再開します。

照・優希・漫・玄「「「「よろしくお願いします」」」」



照(ふむ、これはなかなか…舐めてるな)

優希「」タン

照(言わずと知れた『南場やる気なし舐めプ』の創始者、片岡。時には東場すら焼き鳥で終わる完全舐めプまでしてくる)

玄「」タン

照(『私がドラ独占するからどうせ安手でしょ舐めプ』の松実妹。さらに、チーム全体としては『エースが毟られても余裕舐めプ』までやっている。手ごわい)

漫「」タン

照(『不発弾』…しかし、戦力不足か?今回は諦めて爆発するようだ)

照「」タン

照(まあ、一巡で分析終わったけど、いつも通り東1は様子見。今回は私がラス親。舐めプし放題)

ーー

漫「ツモ!ジュンチャン三色平和!3000、6000!」

789p789s1237899m ツモ:9m

照(はっ、みっともない。全力か。たった12000の点棒でプライドを売るカスめ)

優希(いきなり跳ね満の親かぶり…流石に不味いか?)

玄(照さん以外がドラなしで跳満作るとは思ってなかったのです。これだと流石に焼き鳥はやばいかなあ…)

ーー

玄「ツモ。リーヅモドラ8、裏4。16000オール」

111123赤5p34赤5s4赤56m ツモ:赤5p ドラ・裏ドラ:1p

優希(はあ!?それは聞いてないじょ!)

照(ふん、不発弾の跳満を見て焦ったか。48000の点棒でお前のプライドが買えるんだな?安い安い。安すぎるぞ松実玄)

漫(そんなん反則やろ…ただのリーヅモが役満てなんやそれ…)

玄(ま、48000和了っておけば10万毟られてもマイナス52000。何とかなる範囲なのです。あとはいつも通り『ドラ置き場舐めプ』なのです)

ーー

照「九種九牌」

9p199s19m東南西北白発中 ツモ:中

玄(なっ!?国士聴牌を流した…私の役満に対するあてつけ!?)

優希(舐めプの格が違うじぇ…流石咲ちゃんのお姉さん…)

漫(流されなかったら一巡目で振っとった…助かった…しかし、なんで…?)

ーー

『これはどういうことでしょうか三尋木プロ?』

『役満和了ったら次は点数あげられないから、一回目に役満和了するのは避けたってことかねえ。知らんけど』

『最初が役満だと連続で和了れないということですか?収支としては次を他家に譲っても十分に思えますが…』

『本気でわかんねーけど、『連続』にこだわりがあるのかもしれないねー。ま、とにかく流れたもんは流れたんだ。こっちも次に集中しようぜ』

ーー

優希(次は咲ちゃんのおねーさんの親番…このままじゃ見せ場なしで東場が終わってしまうじぇ…)

照(さあ、お前はどうするんだ片岡?お前のプライドはいくらで買える?教えてくれ…)

玄(要注意人物二人の動きがないのです…ということは…)

漫(チャンピオンは連続和了の一回目は大体5巡以内には和了るはずやけど…調子でも悪いんか?なら…)

1778899p7889s99m ツモ:9s 

照(む?…興醒めだな。そこまで点棒が欲しいか、虫けらめ)

漫「親やし、リーチや!高いで!」

打:1p

照「ロン」

パタ

12233p123s123m東東 ロン:1p

照「チャンタ三色イーペーコー。8000」

漫(は?チャンピオンが最初から満貫!?どうなっとる!?)

玄(これは…『お前ら相手なら跳満ぐらい軽く作れる舐めプ』とでも呼ぶべき…舐めプの新境地…)

優希(さっきの国士流し…あれで、『宮永照は必ず連続で和了する』と宣言した…あれ自体が最高クラスの舐めプだけど、それすら伏線だったんだじぇ…)

玄(ただの舐めプじゃない…半荘全体を使って舐めプをプロデュースする、これが、一万人の頂ーーー宮永照ーーー!!)

ーー

照(どうやらもう気付いたか、流石と言っておこう、松実、片岡)

照(これが、咲様のそばで幼少より舐めプの頂点を見続けた私の麻雀だ。貴様らは抗うすべを持つか?)

照「ツモ」

パタ

223344s2334455m ツモ:2m

照「ツモ・タンヤオ・ピンフ・二盃口。6000オール」

漫(な…つまり、そういうことか?満貫から始めても、跳満・倍満・三倍満と作っていける…だから満貫スタートでも問題ない…)

玄(これは…役満で止まるとしても、24300、36600、48900…ここまでの二つの和了りも合わせれば134900を稼げるということ…そりゃ舐めプも出来るってもんなのです)

優希(うう…流石にヤバい気がするじょ…)

ーー

照「ツモ」

1122337788999s ツモ:9s

照「面前ツモ、純チャン清一色二盃口。16100オール」

優希(さりげなくピンフを申告し忘れるとは、完全に舐めてるじぇ…)

玄(くっ!?倍満と三倍満の84000点は要らないってこと!?舐めプにもほどがあるのです!)

漫(こ、これで終わるんやろか?なんで東1で跳満和了ったのに南場に入るまでにマイナスになるんや…)

照(くくく…いい顔だ松実玄…演技の涙目じゃなく、そういう本気で悔しがる顔が見たいんだよ…)

照(…しかし、役満でもプライドを売らないか。阻止できたはずだろう?片岡優希)

優希(ふん、倍満と三倍満も和了るなら止めたかもしれないけど、たった8万ぽっちの点棒で売るほど、私のプライドは安くないじょ)

ーー

優希「ツモ」

パタ

123456789m北北南南 ツモ:南

優希「リーチ、ツモ、混一色、一気通貫、南。4200、8200だじぇ」

漫(嘘やろ…東1で跳ね満和了ってるのに、南場入る時点で三位に一万以上離されたダンラス…い、いや、まだ親がある!)

玄(照さんの連続和了が終わるまで待っての和了…『南場やる気なし舐めプ』も継続する気みたい)

照(こうなると不発弾の見苦しさが際立つな。舐めプを捨てて点棒を稼ぎに行ったにも関わらずダンラス)

優希(決勝で興を削いだ罰だじぇ。咲ちゃんでもきっとこうするじょ)

漫(まだや…手は入っとる…爆発しとる。今のうちは主将とも五分に打てるモンスターなんや…まだやれる…)

ーー

漫「リーチや!」

4789p778899s899m ツモ:9m

打:4p

照「…」

打:6m

漫(よし、通った!あとはめくりあいや!7萬はまだ見えてないから山に居るはず)

玄(あーあ、照さん本気で萎えてるよ。私も興醒めなのです)

優希(南場だけど潰してやろうか?いや、私がやらなくても…)

漫「一発は…なしか」

打:1p

照「ロン」

漫(くっ…さっき張ったんか…流石に早い…)

パタ

2344p234s234789m

照「ピンフのみ。1000点」

漫(は?いやいや、一巡前、手出しの6萬やったやん?で、手牌に入れたの、確か右端の…)

漫「タンピン三色を見逃して、手を…下げた?」

照「…」

優希(露骨、無意味…だが、これこそ舐めプだじぇ)

玄(奇抜な舐めプに走りがちな私たちとは格が違う…基本に忠実な、お手本通りの舐めプ…いや、お手本通りなんじゃない…このひとの麻雀が『舐めプのお手本』なんだ)

漫「…ふざけんなや…」ゴゴゴ

優希(そうだじぇ…舐めプは何のためにするのか…相手を舐めるだけじゃ意味がないんだじょ)

玄(このひとの麻雀は、舐めプの完成型…連続和了や東1の様子見なんて、枝葉に過ぎない…)

優希(相手を舐めきる…何をすれば相手が切れるか、それを把握して実行する…)

玄・優希((これが、高校生一万人の頂点ーーー宮永照ーーーー))



照「(舐めてはいるけど)ふざけてはいない。連続和了のために手を下げただけ」

漫「満貫からでも連続和了出来るってのはさっき自分でやって見せたやろ!いい加減にしろや!」

玄「…暴れるなら、この場で失格なのです」

優希「卓上で売られた喧嘩なら卓上で買うべきだじぇ、デコのおねーさん」

漫「…上等や、ハコにしたる」ゴゴゴゴゴ



照(…どうだ、雑魚ども。これが咲様の片腕、宮永照の麻雀だ)

優希(咲ちゃんは、人間をゴミとしか思っていない。けどこのひとは違う。プライドのある一人の人間として相手をとらえ、その逆鱗に触れるんだじぇ)

玄(ダメだ…この人に私の舐めプは通用しない…こうなったら、穏乃ちゃんに任せるしか…)


『先鋒戦終了ー!!!王者白糸台高校が他校から10万点以上の点棒を奪って次鋒に繋ぎます!』

『対局者の心理的なダメージと実際の形勢の差は点棒以上だろうね。白糸台はもう危なくなったら降りればいい』

『インターハイの頂、宮永照!他校の先鋒を一蹴ーー!これが王者!これが頂!あまりにも強すぎるー!』

まこ「キンクリじゃ、弘瀬が狙いを外して点棒を放出しとったわい」

菫「狙いが外れたとわかって安堵する松実の顔が反則的でな。何度もやってしまったよ」

由子「おこぼれで点棒が増えたのよー」

宥「こわかったよお…でも、プラスで終われて良かった…」

ーー

中堅戦開始時

白糸台 184700

清澄   48900

姫松   58200

阿知賀 118200

久「よろしくね」

尭深「よろしく」

洋榎「ま、勝つのはうちやけどな」

憧「よろしくお願いします」

ーー

久(さて、洋榎の口プは不調みたいね。チームがへこんでるから仕方ないかしら?天然みたいだし)タン

尭深(口プが鳴りをひそめてる。となると、この場で警戒すべきは清澄…)タン

洋榎(竹井に、セーラの奴と張り合っとった新子、それに加えて渋谷尭深か…流石のうちでもここで稼ぐのは限度があるで…)タン

憧(…渋谷尭深、準決勝ではかっこ悪いとこ見せたけど、オーラスでの役満和了だって確実じゃない。周りもそこそこの面子だし、飛ぶまで毟ってやるわ)タン

久(ん~?阿知賀の子がやる気みたいね。席順が逆なら『最下位なのに他校のサポートする舐めプ』でサポートしてあげたんだけど)タン

尭深「ポン」

洋榎(は?おい竹井、何ヌルイ牌打っとんねん!絞れや!)タン

憧(な…まさか、竹井久、こいつ…)タン

久(あらあら、もう気付いた?なかなかやるわね新子さん)タン

尭深「(…この人まさか…いや、いくらなんでもそんなはず…)チー」タン

洋榎(マジで何やっとんねん!?緊張したとかなしやで!)タン

憧(本気なの?本気で、断トツの白糸台をサポートする気なの?)

ーー

尭深「…ツモ、1000、2000」

久「はい」

洋榎(あんだけ鳴かせたんやから勝負手やったんやろな、竹井?)

憧(マジか…どんだけ舐めてんのよ…あのマナ悪ツモに目を奪われてたけど、もしかしてこの人…)


久「ロン」

尭深「え?」

パタ

133345556789999p ロン:1p ドラ:1p

久「面前清一色ドラドラ。16000」

尭深(聴牌気配がなかった…それに、多面張を捨てて1p単騎…舐めてる)

憧(どういうこと?舐めプじゃなかったの?)

洋榎(流石やな、トップの白糸台から直撃…ありがたいわ)

ーー

尭深「チー」

尭深「チー」

尭深「…ツモ。三色のみ。300、500」

洋榎(親を流されたけど、安手で済んだか…)

憧(やっぱりサポートしてる?なんなの一体!?)

ーー

尭深「…チー」

尭深「…チー」

尭深「…チー」

尭深「ロン、タンヤオのみ…」

久「はい、1000点」

洋榎(おいおい、何やっとんのや自分。差し込みとか…こいつはオーラスで役満和了るんやで?)

憧(つーかあたしの親…どうすんの?役満親かぶり確定なのにまだ焼き鳥…)

憧(ん?あれ…?ちょっと待って?ここまでの渋谷尭深の第一打…初巡で鳴いて和了りに向かったせいでバラバラじゃない?まさか、それまで見越して…?)チラッ

久(あー、気付いたか。もうちょっと慌てる顔が見たかったんだけど…結構やるわねこの子)


ーー

尭深「…チー」

尭深「ポン」

尭深「ロン…ダブ南のみ、2000」

久「はい」

ーー

久「ロン」

尭深(また…なんなの、このひと…)

パタ

1778899p112233s ロン:1p ドラ1s

久「ジュンチャン二盃口ドラドラ。16000」

尭深「…」

憧(やっぱり…このひと…)

洋榎(なんや?鳴かせた分直撃で返す能力でも目覚めたんか?まあ、白糸台削ってくれるなら何でもええわ)


久「」タン

洋榎「ポンや!」

憧(…ここにきて親の姫松のサポート…とことん舐めてるのね、渋谷さんを)

尭深(…サポートして、親番で直撃して…またサポートして…挙句、オーラス前に親のサポートで私に有利に…私、遊ばれてる?)

久(気付いたのね。そうよ、『あんたら』みたいな雑魚、怒らせて遊ぶ以外に楽しみ方ないじゃない?せっかくの決勝なんだから楽しまないとね)

洋榎「それもポン!」

憧(渋谷さんで遊ぶってことは、私と姫松は眼中にないってこと?…舐めすぎじゃない?)ゴゴゴゴゴゴ

尭深(私の役満に怯えるだけのはずの獲物が…私で遊ぶ?ちょっと、ふざけすぎですよ?)ゴゴゴゴゴゴ

洋榎「ロンや!」

尭深「え?(しまった…獲物に意識が向きすぎた…)」

パタ

1199p111s ポン 999s 999m ロン:1p

洋榎「48000…なんや?よそ見でもしとったんか?」

憧(口プの愛宕、本領発揮ね…てゆうか、私だけ焼き鳥じゃない…でも、これで…)

尭深(な…まさか…これ…)



点棒状況

白糸台 112800

清澄   75600

姫松  104700

阿知賀 116900



尭深(トップ…陥落…)ギリッ

久(ふふふ、そう、その顔よ。あなたは余裕の表情よりそっちの方が似合うわ…分相応、というべきかしらね?)

尭深(竹井久…こいつっ!)ギリギリ

憧(あー、これ無理ね。あの表情…渋谷さんが完全に遊ばれてるとか、とんでもない化けもんじゃない)

洋榎「なんや、半荘一回で手が届くとこまで来てもうたなー。意外と大したことないんやな、自分」

尭深(このカスが…清澄に使われただけなのに調子に乗って!絶対に許さない、泣くまで毟ってやる…!)

尭深(配牌でこの手…これで直撃して泣かす)

46p123356789s白白 

洋榎「お?ええ手が入ったって顔しとるな。表情を顔に出すようになったんは余裕なくなったからか?」

尭深「」ピキピキ

憧(いや、ホント絶好調ね。竹井さん、ここまで狙ってこいつのサポートしたの?)

久(サイコーよ洋榎。尭深ったらあんなに怒って…そんなに怒ると見落としが増えちゃうわよ?ただでさえザルなのに)クスクス

憧(計算通りって顔ね。逆らわない方がいいわ)

ーー

尭深(足踏みさせられたけどようやく張った)

6p123356789s白白白 ツモ:4s

尭深「リーチ」

打:6p

洋榎「ロンや、タンピンドラ1、5800は6100。この巡目で随分ヌルイ牌切っとるけど、親が毎回リーチしてくれるとでも思っとったんか自分?」

久(あらあら、あんな見え見えのソバテンに振り込んで)クスクス

尭深(は?獲物の分際で、私から出和了り?身の程を知らないの?)ブチッ

憧(ダマとはいえ、あんな見え見えの手に振り込むようじゃ終わってるわねー。和了りに行ってたから第一打もバラバラじゃない。オーラスも怖くないわ)

ーー

久「ツモ。500、700」

憧(ま、壊れたおもちゃを見ててもつまんないからね)

尭深(ゴミ手?私のオーラスが怖くないの?どこまで舐めてるの竹井久!)

洋榎(いやー、また安手の親かぶりで流れたわ。ホンマええ仕事しとるわ竹井のやつ)


尭深(ほらほら、怯えなさいよ!オーラスよ?役満の親かぶりが怖いんでしょ、新子憧!)

憧「親だし、高めでも狙いますかねー」

打:南

尭深(は?舐めてんの?)

久「そうね、のびのび打ちなさい」

打:南

尭深(…二枚切れ。四喜和はほぼなくなった、私も使えないし、切ってもいいか)

打:南

洋榎「おまえら随分余裕やな。怖がってやれや。うちは親の役満直撃させたから子の役満ぐらい別にええけど」

打:南

憧「ビビる要素がないじゃん。ま、焼き鳥なのにトップ浮上したからチームとしては満足よ」

尭深「しゃべってないで、ツモって」

憧「へ?なんで?」

尭深「…あなたのツモ番」イラッ

洋榎「なんや、ホンマによそ見しとるんか自分?もう終わったやん」

久「頭冷やしてきなさい。名門白糸台のレギュラーが恥晒しちゃだめよ?」クスクス

尭深「さっきから何言って…」

憧「ルール知らないの?四風連打だよ。んじゃ、前半戦お疲れ様でしたー!」

洋榎「おう、後半はお前も引きずり下ろしたるでー!」

久「じゃ、またあとでね。あんたの調子がいいから対策でも練って来るわ」

尭深(…は?)

尭深(なにこれ?私がコケにされて、そのまま終わり?)

尭深(お仕置きは?怯える獲物はどこ?なんで私が満足してないのにオーラスが終わってるの?)

バタン

照「尭深、休憩」

尭深「…宮永、先輩…」

菫「相手が悪いな。あれは清澄とうち以外ならどこに行ってもエースを務める化け物だ」

淡「あれに勝てるのは咲さまと私とテルぐらいじゃないかな?タカミには荷が重いよー」

尭深「淡ちゃん…」

照「あれは咲様が見込んだ器。私を相手にしているつもりで打たないと、飛ばされる」

淡「ま、飛ばさないで0点ピッタリとかにするとは思うけどね。そしたらセーコが遊べないから冷静になってねタカミ」

誠子「尭深、らしくない顔してるぞ。お前はお茶飲んでるのが似合ってる」

尭深「お茶…か…誠子ちゃんはホントにすごいね」クスクス

照「ここでそれを言う誠子は本当に大物…」

誠子(え?なんか変なこと言った?)

淡「『お茶のみ舐めプ』…やってる余裕ないでしょ流石に」

誠子(あれも舐めプだったの!?)

菫「しかし、そうだな、後にはこいつと大星が居るんだ。気楽に打て」

尭深「…そうですね、誠子ちゃんがいるんだから、私が『毟られ舐めプ』しても大丈夫ですよね」

照「麻雀の実力はともかく、愛宕さんの口撃力は本物。それをあの竹井さんがサポートする、強力なコンビ」

淡「余裕もって打たないと舐められちゃうよー、落ち着いて打ってねタカミ」

菫「ま、もう大丈夫だろう。全く、亦野が余裕をなくしてお前を励ましに来るほど追いつめられていたんだぞ?反省しろ渋谷」

誠子「いや、私は仲間として尭深が心配だっただけで…」

照「あの誠子が仲間の心配とか言い出すほど見苦しかった。あとでお仕置き」

淡「最初はセーコが頭でも打ったのかと思ったけど、『ツモって』とか言い出すんだもん。これはヤバいっておもったね」

尭深「すみませんでした…もう大丈夫です」

バタン

久「あら?白糸台の皆さんが勢ぞろい?余裕ないのかしら?」

照「おいしいお菓子を見つけたから品評会をしてただけ」

久「対局場でお菓子の品評会を始めるぐらい余裕ってわけね。それでこそ白糸台よ」

憧「対局場に食べかす落とさないでよね」

バタン

洋榎「おーし、後半始めるでー!って、白糸台はみんなで集まって作戦会議か?王者がそんなんでええんかー?」

久(さて、立ち直ったみたいね。まあ、勝てないのは理解したみたいで分相応な顔してるけど)タン

尭深(このひとは、宮永先輩並みのモンスター。なら、それに合わせた打ち方をしないと…舐めプする余裕はない)タン

憧(ふーん、格付けが済んだってこと?この半荘、どうなるのかしら)タン

洋榎(流石に役満がもう一回なんてことは起こらんやろな。渋谷も落ちつてもうたし)タン

久(ん~?楽しめそうなのは洋榎ぐらいかしら。でも、この子天然だから舐めプしても反応がつまらないのよね)

ーー

久(あ、ツモっちゃった。仕方ない、和了っとくか?)

久「ツモ、2000オール」

ーー

久(諦められると舐めプのし甲斐がないのよね。前半戦で格の違いを教え過ぎたわ)

久「ツモ、4100オール」

ーー

久(あ、これ面白そうね)

久「ツモ、6200オール」

憧(全力でやってるけど、親を流すことすら出来ない…)

尭深(不味い…下手するとここで試合が…)

久「リーチ」

打:白

憧(ん?和了りだと思ったけど…なにか狙ってるの?)

尭深(…この人がただ勝つはずがない。なにかとんでもない舐めプをしているはず)

洋榎(くそっ、竹井のバカヅキが止まらん…)

ーー

久「ツモ」

パタ

78999p白白発発発中中中 ツモ:6p

久「リーチ、ツモ、小三元、混一色、三暗刻。8300オール」

憧(…これ、もしかしなくてもそういうことだよね?)

尭深(白切りフリテンリーチ。つまり、もともと大三元を和了っていた…)

洋榎「おい、なんやそれ?白で和了っとったんちゃうんか!?」

久「そういう能力なのよ。詳細は秘密」

洋榎「…まあ、能力の内容を教えろとは言えんが…役満見送って倍満とかなめとるとしか思えんで?」

久「役満一回より、倍満・三倍満・役満の三回和了る方が高いでしょ?」

洋榎「…本気で言っとるんか?」

久「さあ?これ、覚えたばっかで制御できないのよねー」ケラケラ

憧(うわ、白々しい…)

尭深(しかし、狙いはやはり、宮永先輩の連続和了もどき…しかも、役満まで行くと言い切った…)

憧(止めなきゃまずいよねー。舐めプは勝たなきゃ意味がない。私一人じゃ止められないなら…)

尭深(うん、分かってる。私はオーラスに向けての種まきがあるからあなたに行ってもらう)

憧(オッケー。んじゃ、全力で止めるわよ)

『清澄高校竹井選手!倍満です!しかしこれは…』

『いやー、わっかんないねこれは。照ちゃんがやったならまだ分かるけど、久ちゃんだろー?わけわかんねー』

『三尋木プロでも分かりませんか?』

『ん~。ここまでのデータだとこういう打ち方はなかったね。決勝まで隠してた奥の手ってことかね?知らんけど』

『竹井選手の奇妙なうち回し!しかし、現実に倍満は和了っています!』

『そう、狙いが何であれ、役満を見送ったからには役満以上のものを狙ってると思った方が良い。全力で止めなきゃヤバいことになるぜ。知らんけど』

『竹井選手の狙いはなんなのか?他校はそれを止められるのか!?中堅戦、試合はさらに白熱してまいりました!』

『(まさか舐めプとかしてるわけじゃねーだろうしなー。まじでなに狙ってんのかね?)』


モモ「流石っすね。あれはただ舐めてるだけじゃないっす。相手のエースの打ち方ぐらい自分にもできるって言ってるんすよ。白糸台すべてを舐めてるっす」

ゆみ「しかも、清澄にはさらに上が居るからな。この私が舐めプを捨てて全力で打っても手も足も出なかった魔王が」

佳織「次鋒で良かった…」

智美「ワハハ。私にも舐めプ出来るぐらいの力があればなー」

モモ「副将はそれほど力を持った人はいないっす。原村は余裕なくして私から和了る程度の器っすから、白糸台の亦野さんが本気出せば楽勝っすね」

ゆみ「姫松の愛宕妹もエトペンを蹴ったほどの器と聞くが?」

モモ「あれは必死に舐めプしてるっすけど、麻雀は並みの全国レベルっす。亦野さんの敵じゃないっすね」

佳織「うん、亦野さんは舐めプの教科書みたいな人だから、咲さま以外にはまず負けない」

モモ「亦野さんが本気出す状況ってのも想像つかないっすけどね」

ゆみ「そうだな。あれは天江と宮永姉妹の卓でも演技の焦り顔を浮かべながら内心余裕で毟られそうだ」

智美「しかし、なんでモモと佳織は咲ちゃんを様付けで呼ぶんだ?」

モモ「ある程度の力があると、咲様の力がわかってしまうんすよ」

佳織「なんていうか、様をつけないといけない気がするんだよね。意識しなくても自然に『様』を付けちゃうし」

ゆみ「そうなのか…」

睦月「買い出し行ってきましたー」

モモ「すみませんっす。私が行くと店員さんに気付かれないっすから…」

睦月「気にするな。で、決勝はどうなってる?」

ゆみ「今、清澄がトップをまくったところだな。久が後半東場の親で大暴れしてるよ」

睦月「二年間待った大会の最後の半荘ですからね。思い入れが違うでしょう」

智美(むっきーはアホだなー。久がそんな理由で真面目に打つわけないだろー。早く舐めプの良さに気付いてもらわないとなー)

モモ(来年は舐めプの良さが分かる人を入れてむっちゃん先輩を追放したいっすね)

佳織(来年はこのひと外してまともな面子集めたいなあ…)

ゆみ(はあ、また常識的な思考での解説をしないといけないか…何かこいつを外に出せる用事は残ってなかったかな…舐めプの良さを理解させるのはもう諦めたよ)

久「ツモ。12400オール」

憧(げっ…なんでリーチかけずに三倍満なんか作れるのよ…玄が居ないからドラが使えるとはいえ、おかしいでしょ!)

尭深(次は役満…)

『…これは止められないね。役満が来るぜ。多分』

『宮永選手の連続和了と同じく、打点を上昇させているということですか?』

『多分ね。それなら、さっきの大三元見送りも一応説明がつく』

『どういうことでしょう?』

『役満一回より、倍満と三倍満の後に役満和了る方が高いだろ?』

『そのために手を下げた…つまり、竹井選手は宮永選手と同じ力を持っているということでしょうか?』

『(舐めプじゃないとすれば)そうとしか考えられないねー。なんでそれが出来るのかはわかんねーけど』

『これは大変なことになりましたー!竹井選手は本当に次に役満を和了るのかー!?』

『…配牌を見る限り、四暗刻は狙えそうだね。言ってるそばから来た…これで暗刻三つ、そして順子を崩したってことは狙ってるね』

『さらに牌を重ねます竹井選手!これでツモり四暗刻!』

『憧ちゃんが張ったけど…待ちが悪い。久ちゃんの待ちは四枚とも山に居る…』

『竹井選手、山に手を伸ばして…牌を天高く弾き飛ばしました!これはーーーー』

『いつものあれだね、これ見に来るファンも出てくるだろうし、プロになってもやってほしいねー。プロになるのかは知らんけど』

『四暗刻ツモーーーー!怒涛の連続和了はここまで来たーーー!役満だーーーー!!!』


照「出たね…マナ悪ツモ」

菫「温存していたマナ悪ツモをここで出すか…舐められたもんだ」

淡「まだ東1なのに決め技出しちゃうのかー」

誠子「決め技を出したってことは…」

照「…!?そうか…そういうことか…流石は誠子、私より早く気付くなんて…」

誠子(いや、何もわかってないんですけど)

菫「奴はここから何をするんだ?」

照「…舐めプに決まってる」

誠子(決まっててほしくなかった…)

淡「それは分かるけど、具体的に何するの?」

照「多分、なにもしない」

菫「…なるほど、お前の逆というわけか」

淡「東1で暴れて、残りを見に回るってこと?」

照「これは、卓についてる三人じゃつまらないから私に喧嘩売ってるんだね。なるほど…こんな舐めプもあるのか」

菫「なるほどな、お前の妹が見込んだ器、本物らしいな」

照「それでこそ、咲様にお仕えするに相応しい。プロか国麻か非公式か…その喧嘩、予約しておこう」

淡「個人戦出てないんだっけ?舐めプしすぎたのかな?」

菫「それで落ちような奴に見えるか?多分、個人に出ないのも大会全体を通した舐めプの一環だろう」

照「卓上での舐めプは私に分がある。しかし、卓外をも巻き込んだ舐めプは彼女の方が上…」

菫「お前らの直接対決を楽しみにしてるよ。お前の切れて取り乱す様を見れるかと思うと楽しみでならん」


『渋谷選手の役満がさく裂して中堅戦決着ーー!竹井選手、ツモで削られたものの、東1でのリードを堅実に守りきりましたーー!』

『和了らない代わりに一回も振り込まなかったねー(見に回ってるようにも見えたけど、決勝の後半戦で見に回るとかありえねーよなー?久ちゃんは個人戦も出てないし、防御系の能力かね?…複数の強力な能力を持った地力の高い打ち手…なんでこれまで無名だったかわかんねー)』

『さあ、清澄高校が大きなリードを保って副将戦に繋ぎます!他校は踏ん張れるかーー!?』

ーー

中堅戦終了時

白糸台  85600

清澄  187200

姫松   62100

阿知賀  65100


誠子・和・絹恵・灼「「「「よろしくお願いします」」」」

ーー

誠子(圧倒的不利…この状況では、面前で手作りしてリーチに期待したいところ…)タン

和(しかし、亦野誠子は常に三副露してから和了る)タン

絹恵(本気を出すんか?亦野誠子)タン

灼(まだ副露の気配がない…)タン


誠子「貴様ら、私が普段舐めプをしていると思っているようだな?」

絹恵(なんや?いきなりどうした?)

灼(口ぷ…でも、亦野誠子の口プなんてきいたこともな…)

和「…違うとでも?」

誠子「ああ、見当違いだ。私は常に麻雀に対して真剣に取り組んでいる。舐めプなどするはずがない」

誠子「その証拠を今から見せよう」

和(何を言っているのでしょう?舐めプをしてない?麻雀に対して真剣…ふざけているのでしょうか?)

絹恵(頭おかしくなったとしか思えん…何を企んどるんや?)

灼(予想ができな…)

誠子「リーチ」

誠子(私のスタイルでは、リーチをかけることはまずない。しかし、この点差では話は別だ)

誠子(だが、能力を使わない状態での私は並みの選手に過ぎない。このリーチだって、空振りに終わるかもしれない)

誠子(けど、チームのために真剣に戦う姿、チームの勝利のために分の悪い勝負に挑む姿、それを示してやる!)

誠子(舐めプでインハイを汚す奴らに、私の麻雀を見せてやるんだ!)


『亦野選手のリーチです!これは今大会初ではないでしょうか!?』

『良く調べてるねー。確かに初めてだよ。リーチかけなきゃいけないような状況が一度もなかったしね』

『普段の亦野選手は鳴きを多用するスタイルですが、このリーチにはどういった意味があるのでしょう?』

『ま、点差が点差だからね。鳴き麻雀で多少収支をプラスにしても仕方ない。面前手役と裏ドラで高火力を期待するしかないんじゃないかねー?多分』

『チームの勝利のために、普段のスタイルを捨てていると?』

『そういうことだね。…あれ?』


誠子(あれ?)

誠子「ツモ」

パタン

345p345s3456m東東東 ツモ:6m

誠子「リーチ一発ツモ、ダブ東三色…裏1。8000オール」

誠子(…一発でツモれちゃったよ…)

ゴゴゴゴゴゴゴ

誠子「」ビクッ

和「なるほど、これが、『普段舐めプをしていない証拠』ですか…」

絹恵「河から拾うだけじゃなく、山からも自在に引けるんやなー。さしずめ、『釣り』じゃなくて『サバイバル』が本来の能力って感じやなー?普段は河からしか拾わんのになー?」

灼「普段は『舐めプすらしていない』ってこと…?」

誠子「こ、これは偶然だ。私には河から牌を釣り上げる能力しかない!」

和「そうですか、偶然ですか…まあ、すぐに分かるでしょう」

誠子(お前普段SOAとか言ってるくせになんでこれを偶然だと思ってくれないんだよ!?)


誠子手牌

2389p123s123m東東東 ツモ:9p

誠子(聴牌。手変わりもない。リーチだな)

誠子「リーチ」

打:8p

和「ポン」

和(一発は消しておきましょう)タン

絹恵(うわ…1筒つかまされた…オリや)タン

灼(1筒…切れない…)タン

誠子ツモ:1p

誠子「ツモ。リーチツモチャンタダブ東三色…裏3。12100オール」

和「…失礼」クルン

次ツモ:1p

和「なるほど…鳴きがなければ全員にアタリ牌をつかませて悠々と一発ツモ…これも偶然ですか?」

誠子(偶然だよちくしょー!)

絹恵「言うこととやることがここまでずれとるのはなんでやろなあ?」

灼「…」

誠子「誤解だ、私は舐めプなどしないし、したこともない」

和「そうですか、たまたま偶然が続いただけですか…」

誠子(本当にそうなんだよ!信じてくれ!)


『三倍満炸裂ー!亦野選手、普段のスタイルを捨ててのプレイングが見事にはまっています!』

『いや、これは、あたしが読み違えたのかもしれねーな…』

『読み違えた…と言いますと?』

『あの子…普段舐めプしてたんじゃねーの?』

『へ?いやまさかそんな…』

『ここまでの打ち方を見るに、面前でのリーチ麻雀が彼女の本来のスタイルだ。今の和了は付け焼刃で出来ることじゃない』

『偶然ということはないでしょうか?』

『ないね。これは断言する。あの子はあたしと五分に渡り合える…いや、それ以上の化けもんかもしれない』

『まさかそんな…』

『おそらく、手を短くして手を下げて、それでも勝てるってのを見せつけて遊んでたんだね』

『それを、この決勝の舞台で知らしめた…?』

『ああ、今まで倒してきた相手に対するなによりの侮辱だよ…これはちょっと許せねーなー』

『私は信じたくありません…白糸台にそんな選手がいるなんて…』

『あたしでも今の今まで気付けなかったんだ。猫かぶってたんなら見抜けなくても仕方ない』


モモ「分かる人には分かるんすね。三尋木プロの言うとおり、亦野さんは舐めプの権化っすよ」

睦月「そんな…そんなことが許されて良いのか!?」

智美「ワハハ、しかし、それが許されるだけの力が彼女にはあるんだなこれが」

佳織「少なくとも三尋木プロと同格…なら、彼女を咎められるプロは小鍛冶プロぐらいかな?」

ゆみ「そうなるな。(もちろん是だが)舐めプの是非はともかく、勝負の場では力あるものが正義だ」

睦月「畜生…なんでこんな奴が…なんで…」

モモ(残念っすよ。咲様のチームにいれば相応しい成果を得られたはずっす)

佳織(この人には優勝してほしかったなー。まあ、咲さまには勝てないだろうけど)

智美(むっきー、これでもわからないかー。なんで舐めプの良さがわからないんだろうなー?)

ゆみ(津山、貴様には失望したよ…)


誠子(連荘を止めたくない。これは鳴いて進めよう…)

誠子「ポン」

和(ふむ、普段の鳴いていくスタイルですか…)

絹恵(舐めプしてないちゅーんが本当なら、これが本気ってことになるけど…)

灼(前半の東場で6万稼いだ…清澄を2万削ってるから、すでに満貫直撃で届く範囲…なら、おそらく…)

誠子「ポン」

打:1p

絹恵「ロンや。12600」

誠子「くっ…はい」

和(なるほど。射程にとらえたから遊び始めた、と…)

灼(力の差は分かってるけど…ここまで舐められるとくやし…)

絹恵(何が「くっ…」や。しらじらしすぎるっちゅーねん)


照「誠子、何したんだろう?」

菫「ああ、真面目に打っていた時から他の三人が目に見えていらだっていた」

淡「口プだろうけど…なに言ったらあの三人が切れるんだろうねー?」

尭深「誠子ちゃんのすることは予想出来ない…」

照「誠子に任せておけば大丈夫」

菫「あいつなら、白糸台の名に恥じぬ完璧な舐めプをしてくれるだろう」

淡「あー、一回セーコとガチで打ってみたいなー」

照「無理だと思う、咲様も一度も本気で打って下さらなかった」

淡「そういうところはマジで咲さま並みなんだよねセーコ」


『中堅戦前半、亦野選手、スタイルを戻した途端に急ブレーキです!失速したままオーラスを迎えました』

『決まりだな、やっぱり舐めプしてたんだよあの子は…』

『…信じたくありませんが、結果を見ればそうとしか思えませんね…』

『また面前で進めてるな…次の和了がどうなるか…』

『亦野選手、清一色聴牌!しかし、リーチをかけません!』

『…一発でも狙ってるのかねえ?一気通貫は遠いし、三暗刻は現状でも2筒でつく』


誠子(ヤバイ…普段は三副露してるから多面張が良くわからない…これ2筒単騎?あ、1-4筒もあるか)

2333456777999p

和「」タン

打:7p

絹「」タン

打:2p

誠子(でた…あ、ちょっと待て、これ3筒と7筒でも和了れるじゃん…フリテンになってるー!?)

灼「」タン

打:2p

誠子(落ち着け…あ、1筒来た。ツモっちゃえ)

誠子「ツモ。3000、6000」

パタ

和(…出和了りでもツモでも同じ…なら、トップの私から和了るのが自然…)

絹(つーか、見逃しかい…舐めすぎやろ)

灼(ただの見逃しなの?他に何か狙いがあるんじゃ…?)

中途半端なとこですみません。ちょっと夜まで出かけます。

この時点で大体8割ぐらい投下終わってます。

全力で叩き潰してもアラフォーみたいに、舐めプしても咲さんみたいに言われるわけだから、こういう考え方のSSは斬新で面白いね

「マタンゴが麻雀」ってだけで相当舐めプなんだよなぁ
格ゲーでいうと必殺技封印で対戦されてるみたいな…

舐めプとか自業自得だろ!怨むなら自分の実力のなさを怨めよ!
とか思ってたらとんでもなくぶっ飛んだ話で納得したごめんなさい

キャラdisともちょっと違う面白さがあるな

舐めプ側は強キャラとして
そうじゃない側はぐう聖として扱ってるからだろうな
片方を貶すような書き方をしない>>1はぐう有能

尽く予想裏切ってくれて笑いが止まらんwwww

全国トップクラスの実力がありながら個人戦にエントリーすらしなかった衣の評価が低いな

>>37
部長多牌ワロタ

はいはい、またつっまんねぇ自己解釈物ね。なんて思ってたのに何だこれは
実力もないのに舐めプしてすんませんでした



『前半戦終了ー!亦野選手、トップの清澄高校の1筒を見逃してツモ和了りです!』

『なに考えてるのかわかんないねー。舐めプする奴の考えることなんか分かりたくもねーけど』

ーー

副将戦前半終了時

白糸台 125300

清澄  146100

姫松   45600

阿知賀  83000

ーー

久「あらあら、和には荷が重いかしら?」

咲「はい、亦野さんの相手となると、部長か私じゃないと無理でしょう」

優希「咲ちゃんのおねーさんだけでも化けもんなのに部長並みの人までいるのかじょ…」

まこ「そらそうじゃ。伊達に二連覇はしとらんわい」

ーー

小蒔「…そんな…やっぱり舐めプ…」

春「このひとだけ。私もこの人は怪しいと思ってた」

初美「他はそういう能力で説明できますけど、こいつだけは舐めプ以外で説明できねーですよー」

霞「小蒔ちゃん、このひとだけよ。他の人はちゃんと打ってるから…(まあ、他の人も能力に見せかけた舐めプだけど)」

ーー

誠子(偶然のせいで、誤解を深めてしまった気がする…しかし、清澄が射程に入ったんだ。普段通り打つしかない)

誠子「ロン、5200」

絹恵「…はい」

ーー

和「ロン、5200」

誠子「くっ…はい」

ーー

灼「ロン、3900」

絹恵「はい」

ーー

和「ロン、7700」

絹「はい…」

ーー

灼「ロン、12000」

誠子「なっ!?…はい…」

ーー

和「ロン、8000」

誠子「うう…はい」

ーー

和「ロン、3900」

灼「はい…」

ーー

誠子(点差が開いてしまった…ここは面前で大きく…)

ーー

和「リーチ」

誠子「通らばリーチだ」

和「くっ…」タン

誠子「ロン」

和「…」

誠子「24000」

絹恵(…なんや?この違和感…)

灼(これ…まさか…)

和「咲さんの真似事ですか…あなたが強いのは分かりましたが、流石に相手は選ぶべきだと思いますよ」

誠子「え?」

絹恵「え、やないわ。プラマイゼロやろ。しかもリー棒たして三万ピッタリ」

灼「舐めプにもほどがある…ゆるせな…」

誠子(不味い…さらに誤解が…)


咲「へえ…ちょっとおイタが過ぎるかもね」

久「咲様に喧嘩売るってなかなかの大物ね。どうするの?」

咲「ん~。まあ、お膳立てはしてるみたいだし、別に良いでしょう。プラマイゼロは私の専売特許っていうわけでもないですし」

優希「お膳立て?」



点数状況

白糸台 130300

清澄  145900

姫松   28800

阿知賀  95000



まこ「役満一発で飛ぶようにしてあるのう。おんしのお気に入りのとこじゃ」

咲「ええ、このために連れて来たんです。多分、前半ラストの見逃しも姫松を削るためでしょうね。空気が読めるのか読めないのかわからない人です、亦野さんは」


咲「よろしくお願いします」

穏乃「あ…」ガクガク

淡「咲さまにお目通りが叶い、光栄の極みにございます」

恭子「大星、何言っとるんや?頭でも打ったんか?」

穏乃「咲…さま…」

咲「ああ、穏乃ちゃんも見込みはあるみたいだね。最初に廊下ですれ違った時はまだまだだと思ったけど、成長したのかな?」

淡「かもねー。準決勝の時よりいい感じだよー」

穏乃「い、今までのご無礼を、どうかお許しください…」ガタガタ

咲「ふふ、怯えなくていいよ、私は、みんなに麻雀を楽しんでほしいだけだから」

淡「咲さま…なんて慈悲深い…」

穏乃「あ、ありがとうございます!」

恭子「…おい、お前ら、正気か?」

咲「ふふふ、この二人は正気ですよ。でも、末原さんはそれでいいです。始めましょう」

恭子「…二回戦や準決と同じように行くと思わんといてや」


恭子(なんや、これ?)

1p東東南南西西北北白白発中 ツモ:発

恭子(配牌でこれは…罠?)

咲「カチャカチャ(理牌中)」

淡「カチャカチャ」

穏乃「カチャカチャ」

咲「あれ、どうしたんですか末原さん?もしかして第一打で悩んでます?」ニコッ



恭子(罠やと思うのが普通や…いや、全自動卓で罠も何もあるかって思うのが普通か?)

恭子(うちは起家や…ダンラスで親を捨てるのは勝負を放棄したも同然…行くべきや)

恭子(一番に浮かぶ選択肢は、1筒切りで大七星狙い。一番自然やな。ゆえに一番危険や)

恭子(聴牌維持で中切りの混一色混老頭チートイ…十分な手やけど、これも危険やな)

恭子(あるいは、白や発を落としての四喜和狙い…いつか中や1筒を切ることになりそうやけど、私が無理しなければ字一色や大三元もほぼないから役満でトバされる危険からはしばらく遠ざかる、当面は安全や)

恭子(さあ、どうする?)



淡(ん~、長考?)

穏乃(なんだろう?何切っても咲様が勝つに決まってるんだから悩んでも無駄なのに…)


咲「…麻雀って、楽しいよね?」



恭子「は?いきなり何言い出すんや?」

咲「私は、子供の頃からプラマイゼロで通してきた」

恭子「…」

咲「プラマイゼロは至高の舐めプ。勝たず、負けず、ただ圧倒的な実力差だけを相手に見せつけることが出来る」

恭子「…あれは、やっぱり狙ってやっとったんやな?」

咲「ええ、気付いて、どう思いました?」

恭子「…最初は、怖かった…けど、それは怒りに変わった」

咲「怒り…ですか?なぜ?」


恭子「うちらはな、三年間必死でやって来たんや。それを舐めプなんかされて、黙ってられるわけないやろ」


咲「…末原さんの三年間の努力が、舐めプの栄光より価値があるって言ってるように聞こえますけど、頭おかしくなりました?」


恭子「…そうか、舐めプが、他人の三年間の努力より価値があると、本気で思っとるんやな」


淡「え?だって事実だし」

穏乃「あ~…私はついさっきまでそっち側だったから何とも…」



恭子「…決めたわ、お前にだけは絶対に負けん。絶対に逃げん」

咲「うんうん、ようやく親の第一打ですね。末原さん悩みすぎですよー」

恭子「いくで、これが私の覚悟や!」

ダン

打:1p

咲「ふふふ…麻雀って、舐めプって、本当に楽しいですよね…」

恭子「舐めプが楽しいとか思ったことはないな」

~~

咲(麻雀を始める前日)「嶺上開花?」

照「麻雀の役の名前だよ。山の上に花が咲くって意味なんだ」

咲「咲く…?おんなじだ!私の名前と!」

照「そう、でもね、それだけじゃないんだ」

咲「え?」

照「嶺上開花は、槓した時にツモる嶺上牌で和了した時に付く役なんだ」

咲「えっと…それがどうしたの?」



照「槓ってのは、素人がするものだと言われている」



咲「えっ?」

照「槓っていうのは、普通の打ち手はしないんだよ。メリットよりリスクが明らかに大きい。たとえ、槓したら1翻つくルールだとしても私は槓はしない」

照「数牌なら順子に組み込む、字牌の刻子が槓子になったなら、とりあえず一枚外しておけば安牌にも使える。いずれにしろ、自分が先制リーチをかけている状態以外では槓しないのが普通だ。槓ドラや槓裏が自分だけに来るわけでもない、特に大明槓なんてのは論外だね」

咲「つまり…槓は舐めプってこと?」

照「そう、そして、その槓の先にある嶺上開花は…」

咲「舐めプの極みにある役、だね?」

照「森林限界を超えた高い山の峰に、花が咲くことももある。咲、お前もそんな花のように、相手を舐めて強く咲けば…」

~~

咲「私、よく槓しますよね?あれ、なんでだと思います?」

恭子「…あれも、舐めプか?」

咲「…私、麻雀の本質は舐めプだと思うんですよ。私みたいに相手の手がほとんど読める人間はもちろん、ずぶの素人でも、やることは全部舐めプ」

恭子「んなわけあるか!お前はどうか知らんけど、私は真剣に…」

咲「じゃあ、なんで1筒切ったんですか?『アタリじゃないだろう』、『切っても大丈夫だろう』、そう思ったんですよね?私なら配牌で聴牌することは十分あり得るのに、根拠もなく大丈夫だと判断した。これは、私を舐めきった舐めプじゃないですか?」

恭子「それは…」

咲「ね、みんな舐めプしてるんです。誰かが高い手を張ってる場合の避難としての差し込みを除いて、相手がリーチかけてない状態でのロン和了りは全てが相手の『どうせ通るだろ舐めプ』か『差し込み舐めプ』の結果なんですよ。私レベルだとリーチかけて振り込むのも相手に1000点サービスする舐めプですけど」

淡「咲さま…」

穏乃「そうか…麻雀を打つ時、人は誰しも舐めプをしてるんだ…『役牌バック舐めプ』、『翻牌鳴けるだろ舐めプ』、『役なしでもリーチかければいいや舐めプ』、『鳴いても役あるから大丈夫舐めプ』…他にもたくさん舐めプしてるんだ…」

咲「そう。そして、舐めプの原点は人それぞれ」

恭子「…」

咲「私の舐めプの原点は、嶺上開花。素人しかしない愚行である槓、その先にある役は四つ…舐めプである槓に絡む役が四つもある。これは、舐めプが麻雀の本質であることの証拠じゃないかな?」

淡「…咲さま…おっしゃる通りです…そもそも、役満は普段使いにくい牌の組み合わせが異常に多い」

穏乃「19牌だけで作る清老頭、字牌だけで作る字一色、自風はまだしもオタ風三つを刻子にしなきゃいけない大四喜…」

淡「全部バラバラの国士、十三不塔…九連や大三元なんかはともかく、舐めプ役としか言えない役満の多さは舐めプが麻雀の本質であることの証左たり得るかと…」


咲「…さて、局面を進めようか。その1筒、槓」

穏乃「これが、咲様の槓…凄い…世界が嶺上の頂の下に跪いていく…」

咲「もう一個、槓」

淡「ああ…咲さま…嶺上の峰から下界を見下すそのお姿…まさに麻雀の神そのものです…」

咲「もう一個、槓」

咲「…舐めプの先にある役。一つはチャンカン、そしてこれが…」

淡「三度の舐めプを繰り返してやっとたどり着く2翻役、三槓子…リスクに対して2翻のリターンはあまりに小さい、舐めプ黒帯クラスの役…」

咲「もう一個、槓」

穏乃「そして、舐めプに舐めプを重ねた先にある、唯一の役満…」

咲「うん、字牌の対子だけを集めた大七星とか、パッと見バラバラの国士とかも舐めプ役だとは思うけど、私はこれが舐めプ役の頂点だと思う」

恭子「私は…私は必死に打ったのに…それでも届かんのか…」




咲「ツモ。嶺上開花、四槓子。大明槓の責任払いで32000」




恭子「あ、ああああああ…」ポロポロ

淡「トビで終了だね…」

穏乃「麻雀でも叩き潰し、口プで心も折る…これが咲様…」

恭子「うちの、うちの三年が…監督との約束が…」ポロポロ

咲「ふふふ、いいですよその顔…それが見たくて、あなたを決勝に連れて来たんです」

淡「咲様…」

穏乃「咲様…」


『決着ーーー!最後の決め手は、なんとなんと四槓子!親の第一打を大明槓しての嶺上開花、珍しいものづくしの決着となりましたーーー!』

『純正九連は自分で何回かやったし、天和も喰らったけど、第一打大明槓と四連続槓での四槓子を生で見たのは初めてだねー。これを見れた人は運がいいね』

『三尋木プロでも初めて見たとなると、相当な珍しさですか?』

『和了ったら死ぬとまで言われる九連や天和より珍しいね。そもそも、嶺上開花自体が出やすい部類の役満より珍しいんだぜ?良いもん見せてもらったよ』

『初出場で栄冠に輝きました清澄高校!それを彩る道は、奇跡と呼ぶに値する、神々の祝福を受けたかのような貴重な和了りで締めくくられましたーーー!』

『しかし、これは決して奇跡なんかじゃない。彼女たちの実力も、それに値するものだったよ。初出場の無名校がここまで来たんだ、この和了りでも対価としてはまだ足りないぐらいの苦労があっただろうね』

『大星選手!高鴨選手!清澄高校の宮永選手に惜しみない賞賛を送ります!一方、振り込んだ姫松高校末原選手、卓に臥して起き上がれません!』

『あんな事故みたいなもんで終わっても、惜しみない賞賛を送れる、か。あの子らもこの奇跡の立会人に相応しい精神の持ち主だね。末原ちゃんは…まあ仕方ないだろ。あんなのあたしどころか小鍛冶さんでも切るよ』

ーー

晴絵(宮永咲…力をつけた状態で彼女に会うことで、舐めプの素晴らしさを理解したか…腐りきった良い目になったぞ、穏乃)

ーー

『そこの解説ちょっと待て!私は舐めプなんかしてない!あれは偶然なんだ!』

『ああ、なるほど…これか。原村、鷺森、愛宕の口プ耐性の高い三人をまとめて切れさせた亦野の口プ…』

『誠子は大物。てゆうか、本気出したの初めて見た。もしかして、あれもまだ全力じゃないのかな?』

『すごいなあ、誠子ちゃん…』


咲「末原さん、そろそろ起きて下さいよ。ショック受け過ぎですって」

恭子「うそや…これは夢なんや…目が覚めたらきっと…」

淡「ざーんねーん!現実ですー!ほらほら起きてー!」

穏乃「もうほっといて行きましょうよ」

咲「ダメだよ穏乃ちゃん。ちゃんと負け犬の無様な姿を見ないと。舐めプで切れた相手の激昂した姿、舐めプで心を折られた相手の無様な姿、それをしっかり見届けるのが舐めプをした勝者の務めだよ」

淡「でも、シズノにはまだ早いかなー。今までの舐めプも天然だったみたいだし」

穏乃「お恥ずかしい限りです…」

ーー

『決勝を戦い抜いた三人が、倒れ伏す末原選手に優しく声をかけています』

『末原ちゃんが起き上がれないのも、それだけチームをはじめとしていろいろなものを背負い込んでいたがゆえの反動だろうね。ホントにいい子たちだよ。神様も、この子たちだからあの和了りをくれたのかもねー』

『対局だけでなく、試合後も感動を与えてくれる名試合でした!素晴らしい試合を見せてくれた選手たちに、心からの賞賛を送りたいと思います』

『っと、もう放送終了か…試合は予定よりだいぶ早く終わったんだけど、局で上手いことやったのかな?』

『では、これにて実況を終了します。この試合は、実況の針生えりと』

『解説の三尋木咏でお送りしましたー!』


咲「っていう夢を見ちゃって…」

和「酷い夢ですね…解説が酷すぎます。よりにもよって舐めプ界のトップである三尋木プロが舐めプを否定するなど…あの方は、1000点でいい場面でも数え役満を仕上げてくる舐めプ界の王ですよ?神は咲さんですけど」

優希「永水の舐めプ姫が舐めプを知らないとかも相当酷いじぇ…」

久「てゆうか一番酷いのは津山さんよ。鶴賀に舐めプを浸透させたのあの人でしょ、どうしちゃったの咲様?疲れてる?」

ガチャ

照「竹井さん、あの時売られた喧嘩を買いに来た」ゴゴゴゴ

菫「練習試合の申し出を受けて頂いて感謝する。今日は虎姫以外のチームも連れて来たから、舐めプの素晴らしさを伝えてやってくれ」

淡「咲さまー!お久しぶりですー!」ダキツク

咲「もう、淡ちゃん、和ちゃんが見てるとこで抱きつかないでよー」

和「咲さんから離れなさい、雌犬」ゴゴゴゴゴ

淡「来年は私も咲さまのしもべとしてインハイに出ますからねー!」ギュッ

咲「じゃあ、戦力過剰だね…私は個人戦だけ出ようかな。チャンピオン抜きで優勝するのってなかなかの舐めプだよね?」

和「それは賛成ですが、この雌犬は不要です。亦野さんを呼びましょう。というか、離れなさい雌犬」

淡「やだー!」ギュウウ

久「あらあら、にぎやかねえ…」

まこ「おいおい、大丈夫なんか久。照さん本気じゃけえ」

久「誰にいってんのよ。咲様以外なら何とかなるわ、麻雀で勝てるかどうかは怪しいけど、舐めプなら任しときなさいって」





尭深(お茶は心の癒し…舐めプ以外にも使い道がある…)ズズズ

誠子(私、舐めプなんかしてないのに…)グスン

~槓~

きっと咲様は自分を倒せる逸材を探しているんだよ、舐めプは試練みたいなもん
そんな風にしゃらくさいことを考えてた時期もありました乙です

というわけで、お目汚し失礼しました。良くても叩き6:擁護4、最悪10:0で叩かれるかなと思っていたんですが、概ね皆様に良く言っていただけてほっとしています。

原村さんは真剣に打ってるけど周りから見たらオカルト無視は舐めてるようにしか見えないなあ…とか考えてたら最初の照の妄想部分ができて、どうせなら続き書くかーと、ノリだけで書いたSSです。

>>68さん
それは意識してはいませんでしたが、最初のほうで照さんが言ってるように、このSSにおいては舐めプ側も「舐めプこそ麻雀のすべて、力は舐めプをするためにある」ぐらいの勢いで真剣に舐めプしてるという体で書いています。読んで嫌な舐めプにならないように気を付けてはいます(それが実現できているかはわかりませんが)。舐めプしてない側がぐう聖なのは、おそらく、もともとぐう聖だからでしょう。

>>71
おおう…やっぱりありましたか…見直し前の書き溜めでは一局に一個ペースで何かしらやらかしてたからなんかあると覚悟はしてたんですが。ご指摘ありがとうございます。

明日までにHTML化依頼出してきます。ご意見ご感想あれば次以降に生かしたいと思うのでよろしくお願いします。


面白かった

>>17で美子だけいなかったけど彼女はどっち側か気になった

面白かった乙!
後書きの真剣に舐めプでまた笑った乙乙!!




舐めplayだから舐めプリストじゃなく舐めプレイヤーじゃねと思ったのは内緒

>>87さん
準決勝での「負けてるけど安手で流すよ舐めプ」があるので、私が書いて登場させるなら舐めプ側だとは思います。が、一部キャラはあえて出してませんので、出てないキャラがどっち側かは各自でご判断ください。
また、最初の照さんの妄想世界の後のシーンも咲さんの夢の世界なので、最後のシーンにおける現実世界で誰がどっち側かは、ラストに出ていた方々以外は皆様の想像にお任せします。
夢で亦野さんが酷い誤解を受けているように、三尋木プロや姫様も誤解かもしれません。

>>88さん
そうですね…英語力が足りませんでした。なんもかんも政治が悪い。

久々に質の高い咲SSだった
>>80のバキ理論みたいな謎説得力には感心したよ



ネタの着目点と理論のごり押しに関心せざるえない

おつ
考え方によっては割と正論でワロタ

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