響「ココアとカレーまん」 (17)

・響誕生日おめでとう!
・書き溜めなしです
・ゆっくり短めの予定です

よろしくお願いします!



夜の散歩。
たまにだけれど、夜に散歩をしたくなる。
自分のイメージは太陽とか元気。もちろん自分に合ってるイメージだって思う。
けれどこうして、ゆっくりしてるのも好きなんだ。

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歩くのは住宅街の明るい夜道。
使ったこともない防犯ブザーの金具がチャリチャリと鳴ってる。

この後は何時もの通りに、次の交差点を右に曲がってから赤い点滅を繰り返す信号機を二つ渡る。
千早の家の前を通って、公園の前で左へ。すると川原の土手に着く。


「へぶしっ」


川原の近くは寒かった。

階段に座ってウィンドブレーカーを首もとに寄せる。


頭がスッと落ち着く。

最近は正直忙しい。
朝のロケは俳優さんの調子が悪くて長引いた。代わりって訳じゃ無いけど、その後のインタビューはさっくり終わって、昼頃に仮眠をした。その後はバラエティの撮影で---


学校のこともある。楽しいけれど、疲れもある。

階段に座ってウィンドブレーカーを首もとに寄せる。


頭がスッと落ち着く。

最近は正直忙しい。
朝のロケは俳優さんの調子が悪くて長引いた。代わりって訳じゃ無いけど、その後のインタビューはさっくり終わって、昼頃に仮眠をした。その後はバラエティの撮影で---


学校のこともある。楽しいけれど、疲れもある。

Wi-Fi引っ掛かって二重投稿になったりIDかわったりしてますが>>1です!

そうそう、今日は小説を持ってきたんだ。街灯も明るいし、少しは読めるかな。
暖かめのさんぴん茶とグミを摘まみながら、自分は文字を追いかけた。

「響」


「えっ?」


完全に予想外だった。思わず振り返っても、防犯ブザーは握らないまま。どんな時でも道具は使う人によるって、本当だな。


「貴音? なんだっ……ふぅ。びっくりしたぞー」

「ふふっ。その姿が見れただけでも赴いた甲斐があったというものです。お隣、宜しいですか?」

「全く。心臓が飛び出るかと思ったぞ……隣、どうぞ」

「寒いです。響はどうしてここに?」

「それは自分が聞きたい。びっくりさせたんだから、先に聞いてもいいよね」


正直、今の自分はあまり見られたくなかった。
頑張って普段通りに取り繕ってるけれど、特に貴音はその事を簡単に見破ってくるだろう。
言葉の端々が攻撃的だって自分でもわかる。


「手痛いですね……トップシークレット、と言いたい所ですが仕方ありません。千早から聞いたことがあるのです。響が夜中、川原に向かう事があると」

「なるほど……それで、どうして今日ここに?」

「もちろん、誕生日を祝いに。私は運が良かった様です。響に直接、この言葉を言えるのですから」

「……もう日付変わってるぞ」

「その程度、些末事だと思いませんか?」

「むぅ……」

「こちらは誕生日プレゼントです。開けてください」

「ん、ありがとう」


貴音から紙袋を受けとった。わざわざこれを言いに、居るかもわからない川原に来てくれたのに……ちょっとぶっきらぼう過ぎるかな。
中身はちょっと温かい。なんだろう?


「おい、なんだよこれ。コンビニのココアと肉まんじゃないか!」

「寒い中で温かい物を摂ることは、何よりも素晴らしい事だと思いませんか?」

「顔を反らさず言えたなら一人前だと思う」

「手厳しいですね」

「ふんだ!」



なんだよ! 最近忙しいのはわかるけどさ! もうちょっと、こう、なんとかならなかったの!?
うー……涙が出そう。

「ふむ……なるほど。夜中の川原というのも良いものですね。先程もランニングをなさってる方がいらしたのですが、その気持ちもわかると言うものです」


無視して肉まんにかじりつく。
湯気と一緒に香ばしい匂いが口いっぱいに広がって、少し熱い中身の具が……


「むぐっ!? これカレーまん……?」

「はいっ! そちらの方が黄色く暖かそうで良いかと思いましたので!」

「夜中じゃ色まで見れないぞ! もう、一瞬何を食べたかと思ったさー」


なんでそんなに嬉しそうなんだよ……
でも、なんだか笑えてきた。きっと呆れ果てるってこのことだろう。

そこからは他愛もない話が続いた。765プロの皆や、ファッションの話もあったけれど、やっぱり多くは仕事の話になる。
貴音は18歳だから、自分以上に忙しい。会話からはそんなことが読み取れた。

でも貴音は貴音らしく、楽しそうに話してくれる。生き生きとしてる。

今はあまり見られたくないとか考えてた自分が酔ってるみたいだって思えた。
なんだか体が熱いのは、きっとココアのせいだろう。いや、そうに決まってる。

「さて。このままこの場でお喋りというのも良いのですが……」


急な話題の切り替え。自分はプレゼントのおかげで暖まってるけれど、貴音は寒かったのかな。
まだ少し残ってるココアを差し出した。でも、貴音はプレゼントだからと受け取ってくれなかった。


「じゃあ移動する? 自分は大丈夫だよ」

「それでは千早の家へ行きませんか? 少々居着き過ぎたかもしれませんね。寝ていなければ良いのですが」

「え? 千早の家にいたの?」

「はい。響の家に近いと聞いたので」


どうして?
自分を祝うつもりなら、最初から自分の家にくれば間違いないじゃないか。
そうだよ。なんで、なんで!

「なんだよ! それなら自分に電話すればよかったじゃないか! 今日は忙しかったけれど、別に昨日にでも声をかけてくれれば約束くらい---」

「いいえ、それはなりません」

「なんでさ!」

「響の誕生日ですから」

「なおさらなんでだよ! お祝いしてくれるなら嬉しいぞ? なのにどうして---」

「響の誕生日ですから!……私は朝から仕事の響を、誕生日が過ぎるまで起こして待たせるなどさせたくなかったのです。例え千早の家で待たせたとしても、同じ事…………いいえ、違いました。全ては私のワガママです……申し訳ありません」

「う……ぐぅ……なんでそこで謝るのさぁ……ヒック……卑怯だぞ、何も言えなくなるじゃないかぁ……グスッ」

「申し訳ありません」

「全く、貴音は気を遣いすぎだぞ……グスッ……あー、もう! ちょっとは素直に相談してくれてもいいじゃないか! その方が気持ち良かった!」

「それでは……ええと、その、サプライズにならないではありませんか」

「貴音のサプライズは心臓に悪すぎる!」

「それでは行きましょうか」

「全く。貴音のせいで近所迷惑しちゃった」


自分達じゃわからないけれども結構騒いじゃったかもしれない。しばらくは川原に来るの、控えておこう。
それにしても誕生日だったハズなのに、踏んだり蹴ったりだ。


「……少なくとも千早が寝ている心配はありませんね」

「それ酷いぞ」

「それと、途中コンビニに寄ってもいいですか?」

「おもむろに話をそらされた……いいけれど何か買うの?」

「ココアとカレーまんを。小腹が空きました」


あのプレゼント、やっぱり貴音が食べたかっただけじゃないかー!
なんだよ、まったく……やっぱり今日は踏んだり蹴ったりだ!

以上で終了です! ここまでお読みくださりありがとうございました!

即興って難しい。即興書ける人って凄いと思う。
本当に、響の誕生日なのにどうしてこうなったorz

さて、改めて。
響誕生日おめでとう!

おつ

貴音なら中華まんを選びそうな気がする

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