穂乃果「今、全てを終わらす!」 (51)

穂乃果「夢の中でなら」
穂乃果「夢の中でなら」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411408528/)
のリメイク、平行世界版のお話
多少明るいですがまた暗いです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1412860500

穂乃果(……海未ちゃん)ジーッ

海未「? どうかしましたか?」

穂乃果「なんでもないよっ!」

海未ちゃんが私を気にかけてくれる
それだけで私の心が弾む

海未「せっかく勉強を教えてあげてるんですから、集中してください!」

穂乃果「いいじゃん、どうせ今日は暇だったでしょ?」

海未「う……それはそうですが……」

穂乃果「それよりこっちはどうやって解くの?」

海未「ここですか、ここはこうやってですね……」

海未ちゃんが私に近づく
それだけで胸がドキドキする

前のはつまらなかったが果たして

穂乃果「つまり……こうかな?」

海未「ふふっ、正解です。やればできるじゃないですか」

穂乃果「えへへ~」

海未ちゃんが笑いかけてくれる
それだけで私はとても幸せな気分になる

海未「あっ、すみません。ちょっと電話が……」

穂乃果「はいはい、どうせことりちゃんでしょう?行ってきていいよ」

海未「ありがとうございます……ちゃんと問題を進めといてくださいね?」

穂乃果「は~い……」

私が自分の気持ちに気が付けたのはすべてが終わった後だった
全てが手遅れで、もうどうしようもなくて

穂乃果が救われるのか

海未「お待たせしました、って全然やってないじゃないですかっ!」

穂乃果「うー……、だってわかんないんだもん」

海未「さっき教えたところなんですが……しょうがないですね」

穂乃果「ねえねえ、それよりことりちゃんとの電話どうったの!?」

海未「ど、どうだったとは……」

穂乃果「用事で遊べないからって言ってたのに電話かけてくるなんて
よほど愛されてるんだね~」ウププ

海未「ち、違いますっ!やめてください///」

穂乃果「はぁ……、いいな。海未ちゃんにはことりちゃんがいてくれてさ……」

海未「穂乃果にもすぐにいい相手が現れますよ?
それに私とことりは変わらずあなたの友達ですから」

穂乃果「うん、そうだよね。ありがとう!」

私の恋は始まりすらしなかった

~~~~~
次の日

穂乃果「んっ……んー……、朝ぁ?」

穂乃果「うーん、のびのびー!」

穂乃果「……昨日は海未ちゃんと二人で楽しかったな」

また二人で出かけられたら……
って駄目だよねこんなこと考えちゃ、だってもう……

穂乃果「あっ、もうこんな時間だ……。準備して学校いかないと……」

穂乃果「はぁ……、行きたくないな……」

~~~~~

穂乃果「また遅れちゃった。海未ちゃん、怒ってくれるかな」

最近は遅刻がすごく多い、でもしょうがないよね?
行きたくもない場所に急いで行けるほど大人じゃないし
それに遅刻すれば海未ちゃんは私を見てくれるんだもん

穂乃果「おっくれてごめーん!揚げ饅頭が!揚げ饅頭がさ!」

海未「まったく!最近いつも遅いですよ!気を抜きすぎですっ!」

ああ、今日も海未ちゃんが私を怒ってくれてる。
この時だけは、私のことだけを考えてくれて、私のことだけを見てくれる
そう思うだけでお説教はご褒美になり、私の胸はどんどん高鳴ってくる

ことり「まあまあ、海未ちゃん。穂乃果ちゃんだって遅刻したくてしてるわけじゃないなんだから、ねっ?」

あーあ、ことりちゃんの助け舟がでちゃったか。じゃあもうこの時間も終わりなんだね
この後、私がことりちゃんに擦り寄る、それに対して海未ちゃんが何かを言って学校に行く
それがいつもの流れだもんね

穂乃果「ことりちゃんありがとー!」ギュッ

ことり「ふふっ、でも気を付けないとダメだよ~?」ナデナデ

海未「……まったく、ことりは穂乃果に本当に甘いですね」

海未ちゃん、目が笑ってないよ……
恋人が他人に抱き着かれてるんだもんね、幼馴染とはいえ嫉妬しちゃうよね
……最近知ったけど、海未ちゃんって結構嫉妬深いね

穂乃果「よーし!学校にいこうかっ」

海未「最後に来ておいて調子がいいんですから……」

ことり「それでこそ穂乃果ちゃんだよね!じゃあいこ?」

私が先頭を歩き、二人が私の後ろを並んで歩く、それが最近のいつものポジションだ
なんとなく後ろを振り返ると二人が手をつないでいた、はぁ……わかってはいたけどつらいね
まったく人の気も知らないで……

穂乃果「もう!三人でいるときはイチャイチャするの禁止だよっ!」

海未「ほ、穂乃果!こ、これは違うんです///」

ことり「ごめんね……、海未ちゃんが指絡めてきちゃって……」

海未「ことり!?」

ことり「さっき穂乃果ちゃんに抱き着かれちゃったことに嫉妬でもしたのかなぁ?」クスクス

海未「そ、そんなわけでは……ないです……が……///」

その光景は私には辛すぎて……。見たくない、聞きたくもない
ここから抜け出して二人の居ない場所まで走りたくなる

穂乃果「海未ちゃんも真っ赤にならない!まったくもう、ほらほら行くよ!」

だからってそんなことができるわけもなく……、だから今日も私は『仮面』を被る
みんなが笑えるように、幸せを壊さないように、何も考えなくて済むように
みんなのイメージ通りの明るく能天気な高坂穂乃果の仮面を被る

~~~~~

穂乃果「今日はどこに行くんだっけ?」

海未「何を言っているんですか?二人きりで遊園地行こうって言ったのは穂乃果じゃないですか」

穂乃果「あっ!そうだった、二人で遊園地デートだったね♪」

海未「ほら早く行きますよ」

穂乃果「うんっ!えへへ、穂乃果ずっと夢だったんだぁ」

海未「何がですか?」

穂乃果「海未ちゃんと遊園地でデートするのだよ!」

海未「な、何を言っているですか!///」ボンッ

穂乃果「本当のことだもん!……それとも海未ちゃんは穂乃果とデートしたくなかったの……?」

海未「そ、そんなわけないです……、私だって穂乃果と……」

穂乃果「可愛いなぁ!大好きだよ!大好き!大好きっ!」

海未「や、やめてください///○○○だっているんですよ?ちょっ、穂乃果ぁ」

穂乃果「えへへ!―――あれなんで○○○ちゃんが……二人でって……あれれ?」

海未「え?当然じゃないですか、だって私は○○○と―――」

~~~~~

海未「果―――穂乃果!起きなさい穂乃果!」

穂乃果「う……あ。海未ちゃん?」

海未「何寝ぼけているですか!もうお昼ですよ?」

穂乃果「ええっ!?もうそんな時間なの?」

ことり「授業全部寝てたもんね♪」

そっか、寝てたんだっけ
……いい夢すら見れないなんてね
はぁ、夢も現実も厳しいね

海未「本当、ありえませんね……。これで最近のテストの点数が上がりつつあるのが
不思議でなりませんよ……」

穂乃果「うぅ……、穂乃果も最近悩み事があって夜も眠れなくて……
授業中に寝るしかなんだよぉ!」

海未「馬鹿なこと言ってないで食べますよ、時間が無くなってしまいます」

ことり「でも何か本当に悩み事あるならいつでも相談にのるからね?」

あながち冗談でもないんだけどね。それにしてもことりちゃんは優しいね
本当に相談したらどうするのかな?怒る?悲しむ?困惑する?
まあ、そんなことはしないけどね……

穂乃果「いや~、今日もパンが美味い!」モグモグ

海未「また今日もパンですか?」

穂乃果「ふーんだ!穂乃果には誰かさんみたいに毎日お弁当用意してくれる
人なんていないからね!」

ことり「それなら二個も三個も作るの変わらないから、穂乃果ちゃんの分も作ってあげようか?」

海未「こ、ことり!それは……」

穂乃果「えへへ、冗談だよ!嫉妬深い誰かさんがうるさいし、私はパンが好きだから食べてるんだしねっ!」

ことり「ふふっ。ありがとう穂乃果ちゃん!」

海未「誰が嫉妬深いですか!誰が!」

穂乃果「別に誰とは言ってないんだけどな~」ニヤニヤ

海未「うぅ……///」

ことり「私はそんな海未ちゃんも大好きだよっ!」

海未「ことり……」ウルウル

穂乃果「こら!いちゃつくの禁止!ご飯が食べれなくなっちゃうよ!」

本当にいろんな意味でね
それにしても手作りのお弁当か~
私もよく恋人ができたら作ってあげようとか思ってたな
頑張って肉じゃがくらいまでなら作れるよう練習したのに無駄になっちゃったかな?



穂乃果「ごちそうさまっ!」

海未「ごちそうさまでした」

ことり「ごちそうさま♪今日のはどうだったかな……」

海未「とても美味しかったですよ、ありがとうございます」ニッコリ

ことり「はうっ!///」

穂乃果「はぁ……、もう勝手にやっててよ!穂乃果は寝るからねっ」

海未「こら!授業があるんですから寝ては駄目です!」

穂乃果「知らないよー……ぐぅ……ぐぅ」スヤァ

ことり「もう寝ちゃった……」

海未「なんて人なんでしょうか……」

ことりちゃんは羨ましいなぁ、私の一番欲しい物を手に入れてて
私がしたいことを全部できるんだもん。妬けるなぁ……本当にね

~~~~~

穂乃果「海未ちゃんあーん♪」

海未「穂乃果ぁ///」

穂乃果「うふふ、海未ちゃんのために徹夜で作った揚げ饅頭の肉じゃが弁当だよ!」

海未「嬉しいです!」

穂乃果「ずっと海未ちゃんに食べてもらおうと思って練習してたんだっ!いっぱい食べてね?」

海未「はい!でも……」

穂乃果「どうしたの!?不味かった……?」

海未「いえ、とても美味しいのですが……」

海未「私にはその……、穂乃果にお弁当のお返しにあげれるものがなくて……」

穂乃果「もう!何言ってるの?穂乃果は海未ちゃんが居てくれるだけでいいの!」

穂乃果「だからこれからも穂乃果の傍にいてくれなきゃいやだよ?」

海未「もちろんです!」

穂乃果「ふふっ、約束だからね!」

海未「ええ!やくそ―――「ちゃん!―――果ちゃん!」

~~~~~

ことり「穂乃果ちゃん起きて!練習に遅れちゃうよっ」

穂乃果「うぅ……ことりちゃぁん……?」

ことり「もう放課後だし練習にいかないとっ」

うぅ……今度はいい夢見れていたのに……
ことりちゃんは現実でも夢でも私から……恨むよ?

穂乃果「んーっ!練習かー!」

海未「ほら、目が覚めたのでしたら早く行きますよ」

学校生活の中で練習は好きな時間だった
だって練習に夢中になれば二人の関係も忘れられる
それにみんながいるから三人じゃない、それだけでずいぶんと楽になれるんだもん

穂乃果「練習だー!ファイトだよ!」

真姫「最後に来たくせによく言うわよ……」

花陽「ほ、穂乃果ちゃん達も用事があったのかもしれないし!」

凛「また寝てて怒られてたんじゃないのかにゃー?」

穂乃果「むう!毎回寝てるかのように……!そんなこと言う子はこうしてやる!」コチョコチョ

凛「ひゃっ!だって穂乃果ちゃんは昔から授業中に寝ててよく廊下に立たされてたの凛知ってるよ!」

穂乃果「あー!先輩の悪事をばらすような子にはさらにマシマシだよっ!」コチョコチョコチョ

凛「あははは、はははは!ごめんね穂乃果ちゃん!キブ!ギブにゃー!」

穂乃果「ダメダメ!まだまだいくよーっ」

ことり「あはは、本当に寝てたんだけどね……」

海未「まったく穂乃果ったら……」

希「まあまあ、賑やかでええやん」

真姫「本当に穂乃果ったら元気よね」

にこ「あの能天気さは羨ましいわよ……、悩みがなさそうで」

希「言うてにこっちも大した悩みなんてないんちゃうかな~?」

いつも元気か、良かった。私はちゃんをいつも通りの明るい高坂穂乃果でいられてるんだね
でもねにこちゃん、私にだって悩みくらいあるんだよ?
まあ秘密だけどねっ!

絵里「……」

~~~~~

海未「では今日の練習はこのくらいで」

穂乃果「うはー、今日も疲れたー……」

こうして今日も練習が終わった、やっぱり練習がいいね。何も考えずに済むもん
見たくもない現実を見なくてすむもん

ことり「お疲れ様、穂乃果ちゃん♪」

海未「お疲れ様です」

穂乃果「うん、お疲れ様~……、今日も疲れたね……」

ことり「最近の穂乃果ちゃんはすごい真剣に練習してるよね!」

海未「ええ、良い傾向ですよ」

穂乃果「そうかなぁ?二人のおかげかもねっ」

本当に二人のおかげだよ

海未「私たちの?」

穂乃果「んー、二人がいるから頑張れるって言うか……とりあえずそんな感じなの!」

ことり「ふふっ、ことりも穂乃果ちゃんがいるから頑張れるんだよ!」

良いのかなぁ?そんなこと言ってると隣の恋人が拗ねちゃうんじゃない?
……ほらね

海未「……」ジトーッ

穂乃果「こらこらことりちゃん!海未ちゃんが拗ねちゃってるよっ」

ことり「あーん!ごめんね海未ちゃん!海未ちゃんは何というか……特別なの!」

海未「本当ですか……?」ウルル

ことり「うん!うん!」

あーあ、またイチャイチャし始めちゃったよ……、早く帰ろう……

海未「そうだ穂乃果、帰りに寄り道しませんか?」

ことり「うん!とっても美味しいケーキ屋さんがあるんだ!」

穂乃果「あー!それってこの前デートで行ったって言ってたあそこ?」

ことり「うん!三人で行こうって約束したっきりまだだったから、どうかな?」

海未「最近はあまり寄り道もしてませんし……どうですか?」

穂乃果「うーん……、悪いけど今日はやめとこうかなぁ」

ことり「えっ……また?」

海未「あの……もしかして気を使ってるんですか?別にそんなことしないでも……」

穂乃果「ち、違うよ!練習がハードすぎて寄り道する体力も残ってないんだよぉ……」

むしろ二人こそ私に変な気なんて使わないでいいのに
私のことなんて石ころみたいに思ってくれていいのにね

海未「そうですか……?」

穂乃果「うん!気にしないで二人で行ってきなよ~」

ことり「ねえ、穂乃果ちゃん」

うっ……、耳元でことりちゃんの声を囁かされると脳が解けちゃいそう……
そうやって海未ちゃんのことも落としたのかな?羨ましい……
私もこんなにかわいい声だったら良かったのかな?

ことり「最近の穂乃果ちゃんはやっぱりちょっとおかしいよ?
海未ちゃんは気づいてないみたいだけど……本当に何かあるなら相談してね?」

胸がどきっとした、誰も気づかない変化にことりちゃんは気づいてくれてるんだ
それだけで少し嬉しくなった

穂乃果「本当に何でもないから大丈夫だよ?それにあまり内緒話すると嫉妬しちゃうよ?」チラッ

海未「……」ソワソワ

穂乃果「ほらほら!」

ことり「うん……、でもなにかあるなら本当に……」

穂乃果「もうー!心配性だなぁ……まあ帰るから楽しんできてねっ!じゃあね!」

だけどね、それと同時にとても悲しくなったんだ
だってことりちゃんは気づいてくれたのに、海未ちゃんは気づいてくれてないんでしょう?
私のことなんて見てくれてないって、改めてわからされちゃったみたい……

~~~~~

穂乃果「……」トボトボ

一人の帰り道も、最近はもう馴れた
二人が私を拒んでいるわけでもなく……むしろその逆だってわかってるけど

穂乃果「だけど……無理だよ」

二人を見ていると心がざわつく
外面はどんなに取り繕えても自分の心まで騙せないんだね

穂乃果「何が、いけなかったのかな」

海未ちゃんを好きになったこと?
恋心を自覚するのが遅かった?
何がダメで私はこうなったの?

わからない、わからない、わからない

穂乃果「……わからないよ」ボソッ


??「ほ~のかっ!」トントン

穂乃果「へっ、うわぁ!」ビクッ

絵里「何よ……そこまで驚くことないんじゃないかしら」シュン

穂乃果「ご、ごめんね!ちょっと考え事してたからさ」

絵里「ふーん……、まあいいわ。それよりちょっと行きたいところがあるの」ガシッ

穂乃果というか「絵里ちゃんたらいつの間に現れて…って、えっ!?」

絵里「というわけで一緒に行きましょう♪」

穂乃果「ちょ、ちょっと絵里ちゃん!穂乃果に拒否権は!?」

絵里「お弁当のおかずをあげてるんだから、こういう時くらい付き合ってもらわなきゃね」

穂乃果「うっ……それを言われますと……」

絵里「ふふっ、じゃあ行くわよ」

絵里ちゃんって時々凄い強引だよね
でも……一人よりも誰かといた方が気が晴れるかな?

あれ、この道って絵里ちゃんの家と正反対だよね?
なんで絵里ちゃんはわざわざこんなところに……

~~~~~

穂乃果「行きたいところって……公園?」

絵里「ええ、懐かしいでしょう?」

穂乃果「そうだね」

本当に懐かしいなぁ。ここでよくみんなと遊んだっけ
あの頃は恋心なんて知らなくて、無邪気に笑いあえてた
それに比べて今の私は……

穂乃果「……でもなんで公園に行きたかったの?」

絵里「ん、それはね。穂乃果に話があったからよ」

穂乃果「話?それなら学校とかでもいいんじゃ……」

嫌な予感がする

絵里「たまには二人きりでゆっくり話したかったのよ」

とても嫌な予感がする

絵里「それにあまり他の人には聞かれたくない話なの」

穂乃果「ちょ、ちょっと待っ――「ねえ穂乃果。貴方、最近おかしいわよね」

心臓がドキリとした

穂乃果「えっ……な、なんのこと?」

絵里「……嘘ね、私にはわかるわよ?」

なんで?ことりちゃんや海未ちゃんが相手ですら隠せてるのに……

穂乃果「ご、ごめんね。絵里ちゃんが何を言ってるかわからないや……」

認めるわけには行かない、認めたらいつも通りの私じゃあいられなくなる

絵里「……私にも話してくれないので。でもいいわ」

穂乃果「一体何を言ってるの……?」

絵里「私はね、そんな穂乃果を見ているのはとても辛いの、だから言わせてもらうわね」

絵里ちゃんが何を言いたいのかは、私にもなんとなくわかる
だけどそれを言われたら、もう私は高坂穂乃果でいられなくなる

穂乃果「やめてよ……そんなことより早く帰ろうよ……」

絵里「穂乃果、あなた……」

やめて!やめて!やめて!
私の心を暴かないで!そっとしといて欲しいのに……!

絵里「海未のことが好きなんでしょう……?」

穂乃果「やめてっ!」

絵里「やっぱりね……」

穂乃果「違う!違うの!海未ちゃんのことなんて好きじゃないよ!
好きじゃないの……っ」

絵里「……そんな顔して言われても説得力なんてないわよ」

穂乃果「なんで……隠してたのに……どうして……」

絵里「隠し通せるわけないじゃない。私はずっと穂乃果を近くで見てたんだから」

穂乃果「でも絵里ちゃん以外には隠せてた!……こんな気持ちは隠すのが一番なの
だから……ほっといてよ」

絵里「確かに気持ちを隠し通せば、周りはそれで済むのかもしれないわね……」

そうでしょう?私だっていろいろ悩んで悩んで悩みぬいて
そしてたどり着いた結論だもん、それが誰も不幸にならない解決策だよ

絵里「でも、それはただ自分の気持ちから逃げているだけよ」

は?絵里ちゃんは何を言ってるの?
逃げてるだけ……?

穂乃果「違うよ!私は逃げてなんかっ!」

絵里「周りとぶつからない為に自分の気持ちを押し殺して隠し通す
そんなのいつもの穂乃果らしくないじゃない……ただの逃げよ!」

いつもの私らしくない?意味が分からない……
私は高坂穂乃果である為に頑張って
高坂穂乃果であり続けてるのに……

穂乃果「……なんなのさっきから逃げって言ったりさ」

穂乃果「穂乃果だって!穂乃果だった色々悩んだんだよ!」

穂乃果「気が付いたのは最近だけど……ずっと海未ちゃんが好きだったんだもん!」

穂乃果「ことりちゃんだって親友なんだよ!どうすることもできないよ!」

穂乃果「穂乃果の恋は始まりすらしなかった!だけどこの気持ちは消せない!
だったら隠すしかなかったんだよっ!」

絵里「穂乃果はそれでいいの……?最近、三人でいて心の底から笑ったことあるの?
それじゃあ貴方が救われないじゃないっ……」

穂乃果「だって、だって!二人が一緒に居るところを見るのはつらいよ!
だけど二人が悲しんでるところを見るのはそれ以上につらいの!」

穂乃果「何もない道なのはわかってた、だけど穂乃果にはもうこれしかなかったの……」

絵里「穂乃果……」

そうだよ、他に道なんてなかった
これ以外の選択肢なんて……
もしあるんだったらさ、絵里ちゃん

穂乃果「ねえ、教えてよ。穂乃果はどうすればよかったの?」

穂乃果「こんな気持ちを抱いちゃダメだったの?これからどうすればいいの?」

穂乃果「どうすれば元の穂乃果に戻れるの!?」

穂乃果「穂乃果のこの気持ちは間違いだったの?」

穂乃果「ねえ教えてよ絵里ちゃん、教えてよ……!」

絵里「つらかったのね、だけどもう大丈夫よ……」

絵里「穂乃果の気持ちは間違いなんかじゃないの」

穂乃果「でもそのせいで……穂乃果は……」

絵里「穂乃果はね、やり方を間違えちゃっただけよ」

穂乃果「やり方……?だって他に……」

絵里「つらいかもしれないけど……その気持ちは我慢しちゃダメ
ちゃんと終わらせないといけないの」

穂乃果「終わらせる?あははっ、穂乃果の恋はね始まりもしなかったんだよ?
だって自覚した時にはもう……」

絵里「それは穂乃果が勝手にそう思ってるだけでしょう?私から見たら穂乃果の恋はきちんと始まってるの」

穂乃果「穂乃果の恋が始まってる……?」

絵里「そうよ。だからこんなにも悩んで、傷ついてるのよ」

絵里「甘かったり切なかったり恋には色々な物があるわ
その中でも穂乃果のは特に苦しくてつらいもの……でもそれもちゃんと恋なの」

絵里「だから、恋を認めて終わらせないとダメ。そうしないと前に進めない、穂乃果が救われないわ……」

穂乃果「穂乃果は恋をちゃんとしてるの……?」

絵里「ええ、それもとびっきりのね、好きな人のために自分を殺せるなんて中々ないわよ」

穂乃果「この気持ちも恋……?そっか……そうなんだ……」

穂乃果「なんで気づけなかったんだろう……」

絵里「穂乃果……」

穂乃果「それにして特に苦しいやつか……、穂乃果は甘いものが好きなんだけどなぁ……」ポロポロ

穂乃果「悔しいなぁ……、なんでなんだろうね……」ポロポロ

穂乃果「あははっ、涙が止まらないや……、おかしいなぁ」ゴシゴシ

絵里「今は泣いていいのよ……」

絵里「ずっと我慢していたんでしょう?見られないように隠してあげるから、今は泣いていいのよ」

絵里「泣き止んだ後に頑張ればいいの、だから今は思う存分泣いていいのよ」

気づけば涙があふれてて、もう止められなくって……
それを絵里ちゃんは優しく隠してくれて……
それがとても嬉しくて、とても暖かくて
私は日が暮れても泣き続けた

~~~~~

絵里「もう、大丈夫みたいね」

穂乃果「うん、ありがと……」

絵里「あのね、終わらせ方は……」

穂乃果「大丈夫だよ、もう答えはちゃんとわかったから」

絵里「そう、じゃあ私が出来るのはここまでね」

穂乃果「うん、ありがとね絵里ちゃん」

絵里「いいのよ?穂乃果は私にとってはかわいい妹分だしね」

穂乃果「穂乃果もね!絵里ちゃんのことお姉ちゃんみたいだって思ってるんだよ」

絵里「ふふっ、本当かしら?」

穂乃果「うん!いつも穂乃果を導いてくれる、穂乃果を助けてくれる、大好きなお姉ちゃんだよ!」

絵里「じゃあ本当の妹にしてあげてもいいわよ?」

穂乃果「それはいいかな、亜里沙ちゃんに悪いし……。ねえ絵里ちゃん」

絵里「どうしたの?」

穂乃果「穂乃果はこれからとても大変なことをしに行かないといけないのです!」

絵里「そ、そうね……」

穂乃果「だから……終わった後慰めてくれる?」

絵里「……もう、可愛い妹分の頼みを断れるわけがないじゃない
じゃあ今日は泊まりに来てもいいわよ」

穂乃果「おぉ!言う前から穂乃果の考えを当てるなんてさっすが!」

絵里「穂乃果のことくらいはなんでも御見通しよ?」

穂乃果「えへへ、そうだったね。じゃあ今夜は寝かせないから!

絵里「栄養ドリンクでも買っといたほうがいいかしらね」

穂乃果「徹夜で愚痴を聞いてもらわないとね!……じゃあ行ってくるね」

絵里「……ええ、行ってらしゃい」

穂乃果「うん、またあとでね!」

ありがとう絵里ちゃん
絵里ちゃんがいてくれなかったら穂乃果はどうなってたのかな?
きっと壊れて穂乃果は穂乃果じゃなくなってたんだと思う

穂乃果を助けてくれて本当にありがとう……
後は自分で頑張らなきゃだよね

さぁ、穂乃果の恋を全て終わらせに行こう

~~~~~

海未「どうしたんですか?こんな時間に」

穂乃果「えへへ、遅くにごめんね。どうしても直接言わなきゃいけないことがあって」

海未「いえ、別にいいのですが……、明日ではダメだったんですか?」

穂乃果「うん、どうしても今日言いたかったんだ」

明日だとまた逃げちゃうかもしれない
また穂乃果じゃなくなっちゃうかもしれないから
今ここで終わらせないとダメなんだ

海未「そうですか?そういえばことりが穂乃果の様子がおかしいと言っていましたが……」

穂乃果「うん、そのこともちょっと関係あるんだ。あのね」

ごめんね、今まで二人を騙してて
そしてこれから穂乃果の気持ちを伝えることを許して
全部終わったらきっとまた三人で笑いあおうね
穂乃果もあのケーキ屋結構気になってたんだ、全部終わったら三人でいこうね

だから、今全てを終わらせよう

穂乃果「あのね穂乃果は、海未ちゃんのことがずっと――――」

~~~~~
数週間後

「到着!」

「待ってよ~、早すぎだよぉ……」

「本当ですよ、そんなに焦らなくてもケーキは逃げませんよ?」

「えー!だって練習終わりでお腹すいてたんだもん……」

「あははっ、確かにそうだね」

「まったくもう……」

「それでオススメはなんだっけ?」

「えっとね、このイチゴを使ったタルトが美味しいんだよ♪」

「本当?じゃあそれにしようっ!」

「待ってください、私のおすすめはこちらのイチゴのショートケーキです!」

「えー、こっちのタルトだよ?」

「うー、二人ともそんなにいろいろ言われたら選べなくなるよ!」

「ご、ごめんね」

「すみません、しかしですね……」

「そうだ!じゃあ二つ頼むことにしよう!」

「ええ!?二つも食べるの?」

「また太っても知りませんんよ?」

「その時はその時だよ!じゃあいこ!海未ちゃん、ことりちゃんっ」

おしまい

一番気になってた所が飛ばされたでござる

以上です、ありがとうございました

40と41の間と43が見えないな(棒)


前作より読後感が良くていいわ
青春って感じやね

乙ー
俺には辛すぎるSSだった…OTL

あのね、か…モヤモヤするなぁ…
何はともあれ、乙でしたが…

想像におまかせエンドかな



胸に来るな… 良いSSだった

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月10日 (金) 10:17:08   ID: Bo2TPoPN

前は
>>1「ことうみに穂乃果なんざいらねえよww俺様正論すぎwwドヤッ」
でことうみ厨と>>1がクソだったのは分かったけど決着はついたか
前はクソだったがこれはありだよ
絵里が慰めで付き合うとかいう安っぽい展開でもなかったし
最後は納得いかないがな

終わらせたんなら空気読ませるべき

2 :  SS好きの774さん   2018年05月29日 (火) 14:52:07   ID: EEgPKiKg

ことりが死ねば全部解決するな

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