穂乃果「すやすや……」

穂乃果「穂乃果ちゃん、起きて起きて」

穂乃果「もうとっくに授業終わってるよ」

穂乃果「んん…っ、ふわぁ……放課後…？」

穂乃果「そうだよ！ さっきから何回も言ってるでしょ！」

穂乃果「放課後…放課後……、よし！ 練習だ！」

穂乃果「うんっ！」

穂乃果「あ、穂乃果ちゃん！」

穂乃果「ほぇ？」

穂乃果「今日は弓道部はいいの？」

穂乃果「うん！ 今日は踊りたくて踊りたくてムズムズしてるから！」

穂乃果「おぉ！ そう言われると穂乃果も無性に踊りたくてなってきたよ！」

穂乃果「行こうっ！」



ガチャ……


穂乃果「あれ？ まだ穂乃果ちゃんだけ？」

穂乃果「うん！ 穂乃果ちゃんと穂乃果ちゃんは生徒会の仕事があるとかで」

穂乃果「そっかー、残念ー」

穂乃果「皆来るまで暇だなー」

穂乃果「この伝伝伝とかいうDVDでも食べてよっかー」

穂乃果「だ、だめだよ！！ それは穂乃果の大切な宝物なんだから！！」

穂乃果「穂乃果ちゃんのけちんぼー！」

穂乃果「穂乃果ちゃんが悪いんでしょー！！」

穂乃果「えー！ だって穂乃果ちゃんがー！」

穂乃果「ふ、二人ともケンカはダメだよっ！！」

穂乃果「そ、そうだよ！！」

穂乃果「でも穂乃果、お腹空いたお腹空いたーっ！！」


ガチャ……


穂乃果「どうしたの？ 廊下まで声が聴こえてたけど」

穂乃果「あ、穂乃果ちゃん！」

穂乃果「そ、その手に持ってるのは…！？」

穂乃果「うん！ 皆、お腹空かしてるかなって思って…、炊きたてだよ！！」

穂乃果「わぁーいっ！！ 穂乃果ちゃん大好きー！！」

穂乃果「な、何で炊飯器なんか持ち歩いてるの…？ 意味わかんないよ！！」

穂乃果「だ、だって…いつでも美味しいご飯が食べられるようにって…」

穂乃果「何言ってるかよくわかんないや…」

穂乃果「穂乃果はこっちの穂乃果ちゃんも好きだよっ！」

穂乃果「それよりっ！！ ご飯だけあってもオカズがないとお箸が進まないよーっ！！」

穂乃果「あ、そういえば穂乃果ちゃん！」

穂乃果「？」

穂乃果「穂乃果ちゃん、クッキー作ってきたって言ってたよね？」

穂乃果「うん！ チーズケーキもあるよ！」

穂乃果「で、でもご飯にケーキって…」

穂乃果「穂乃果はカップラーメンなら持ってるよ！」

穂乃果「おぉー！ ケーキよりそっちの方がいいかも！」

穂乃果「穂乃果ちゃん……穂乃果のケーキとクッキー食べてくれないのー！？」

穂乃果「食べる！ 食べるよ！ ね？ 穂乃果ちゃん！！」

穂乃果「もちろん！ 穂乃果はアイドルだからご飯とかラーメンより、可愛いケーキの方がイメージに合ってると思うしね！」

ガチャ……


穂乃果「皆、楽しそうだね！」

穂乃果「穂乃果達も仲間に入れてよー！！」

穂乃果「あ、穂乃果ちゃんに穂乃果ちゃん！」

穂乃果「生徒会の仕事はもういいの？」

穂乃果「うんっ！ それよりこの状況って…」

穂乃果「ご飯にラーメンにクッキーにケーキ……、すっごくスピリチュアルだねっ！」

穂乃果「何かのパーティー？」

穂乃果「えーっと……そう…、だよ！ うん！ 今日は練習は中止してパーティーにしようっ！！」

穂乃果「えー！？ ラブライブまでもう時間が無いんだから練習しなきゃダメだよー！！」

穂乃果「たまには息抜きも必要だよ！ ね？ 穂乃果ちゃん」

穂乃果「だよねっ！」

穂乃果「もー、仕方ないなー」

穂乃果「ねぇ、気になる事があるんだけど」

穂乃果「穂乃果ちゃん？」

穂乃果「これって何のパーティーなの？」

穂乃果「さぁ？」

穂乃果「さぁって…」

穂乃果「とにかくパーティーなの！ パーティーったらパーティー！！」

穂乃果「げふっ……もう食べられないよー…」

穂乃果「穂乃果ちゃんは欲張りすぎだよ！」

穂乃果「そういう穂乃果ちゃんだって」

穂乃果「皆ー！ ご飯が炊けたよー！！」

穂乃果「えぇー！？ もうお腹いっぱいだよー！！」

穂乃果「さすがの穂乃果も、もうこれ以上は…」

穂乃果「そんなぁー！ すっごく美味しそうに炊けたのに…」

穂乃果「そうだー！！」

穂乃果「わわっ！？」

穂乃果「どうしたの！？ 穂乃果ちゃん」

穂乃果「この残ったご飯をおにぎりにして持って帰るってのはどう？」

穂乃果「おぉー！ 穂乃果ちゃん、天才！」

穂乃果「だよねっ！」

穂乃果「よーし！ 今から皆でおにぎり作りだー！」

穂乃果「あ、穂乃果はいいや」

穂乃果「へ？」

穂乃果「だって穂乃果、そういうのじゃないし」

穂乃果「ダメだよー！ 皆で作るって決めたのー！」

穂乃果「おにぎりおにぎりー♪」

穂乃果「穂乃果ちゃん、上手だねー」

穂乃果「ホントだ！ 綺麗な正方形になってる！」

穂乃果「えへへー」

穂乃果「だ、だめだよっ！！」

穂乃果「？」

穂乃果「どうしたの？」

穂乃果「穂乃果ちゃんがおにぎりの中にチョコレート入れようとしてるんだよ！！」

穂乃果「えぇー！！」

穂乃果「だって美味しいかなって」

穂乃果「だめだめだめーっ！！ 絶対だめーっ！！」

穂乃果「えー！ じゃあ穂乃果ちゃんがラーメンを入れようとしてるのはいいのー？」

穂乃果「え？」

穂乃果「うわーんっ！ 上手く握れないよー！！」

穂乃果「わわっ！ おにぎりがビシャビシャになってる！」

穂乃果「スピリチュアルだね！」

穂乃果「だよね！」

穂乃果「穂乃果はこっちの穂乃果ちゃんも好きだよ！」

ガチャ……


穂乃果「皆、何してるの！？ もう下校時刻はとっくに過ぎてるよ！！」

穂乃果「あ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「穂乃果ちゃん、理事長だよ」

穂乃果「とにかく早く帰らないとだめーっ！！」

穂乃果「う、うんっ！」

穂乃果「ラブライブに向けてパーティーをしたい気持ちはわかるけど、法律はちゃんと守らなきゃ！」

穂乃果「え？ 校則って法律だったの！？」

穂乃果「知ってた？ 穂乃果ちゃん」

穂乃果「そんなの穂乃果に聞かれてもわかんないよー」

穂乃果「だ、だよね……」

穂乃果「難しい事考えたからお腹減ってきちゃったよー」

穂乃果「おにぎりならいっぱいあるよ！」

穂乃果「おぉー！ いっただっきまーす！」

穂乃果「まだまだいっぱいあるからね！」

穂乃果「はむっ、もぐもぐ……んっ！？
んんーっ！！ ぶふぉーっ！！」

穂乃果「ど、どうしたの！？」

穂乃果「まさか毒が！？」

穂乃果「うぅ……」

穂乃果「な、何で…っ、何で…おにぎりの中にミカンが入ってるのー！？ ぐにゅってなっちゃったよ！！」

穂乃果「スピリチュアルだね！」

穂乃果「だよね！」

穂乃果「穂乃果はこっちの穂乃果ちゃんも好きだよ！」

穂乃果「もー！ 穂乃果ちゃんの仕業でしょー！？」

穂乃果「え、えっと……にっこにっこにー！」

穂乃果「そんなので誤魔化される穂乃果じゃないんだからねー！ ぷんぷんっ」

穂乃果「皆、穂乃果の話聞いてるのー！？」

穂乃果「えっとー、何だっけ？」

穂乃果「穂乃果ちゃ…じゃなかった、理事長」

穂乃果「穂乃果ちゃんも一緒に遊ぼうよー！」

穂乃果「ほ、穂乃果ちゃん！ 理事長に向かって穂乃果ちゃんはダメだよ！」

穂乃果「むぅー！ 穂乃果、怒っちゃうよー！」

穂乃果「ご、ごめんなさいっ！」

穂乃果「穂乃果を怒らせた穂乃果ちゃん達が悪いんだからねっ！！」

穂乃果「ど、どうしよう……穂乃…理事長がカンカンだよ…」

穂乃果「皆で謝るしかないよね…」

穂乃果「う、うん…」

穂乃果「だよね！」

穂乃果「皆ー！ またご飯が炊けたよー！！」

穂乃果「ほ、穂乃果ちゃん！」

穂乃果「あれ？ どうしたの？」

穂乃果「……っ」

穂乃果「り、理事長…！ これは、その…手違いというか、タイミングが悪かったというか、ご飯が炊けたというか…」

穂乃果「そっちがそういうつもりなら穂乃果にだって考えがあるよ！」

穂乃果「穂乃果ちゃん！？」

穂乃果「次の定期テストで一人でも赤点取ったらラブライブ参加は認められないよっ！！」

穂乃果「え…」

穂乃果「えぇっ！？」

穂乃果、穂乃果、穂乃果「「「えぇーーーーー！？」」」


穂乃果「で、でもまぁテストまでまだ時間はあるわけだから…」

穂乃果「う、うん…誰かに教えてもらえば…」

穂乃果「誰かって……誰に……？」

穂乃果「お願い！ 穂乃果ちゃん！ 勉強教えて！！」

穂乃果「えぇー！！ む、無理だよー！！」

穂乃果「じゃあ穂乃果ちゃん、お願いっ！」

穂乃果「ほ、穂乃果も無理……かな……」

穂乃果「そ、そんなぁー……」