男「誰もいない」 (39)
男「……」カチャカチャ
男「……ふぁ」
男「……朝か」
男「……学校、か」
男「……やだな」
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男「……」
親父「ほら、朝だぞおきろ」
男「……」モゾ
親父「……」スタスタ
男「……おい、弟、起きろってよ」
弟「……」スクッスタスタ
男「……」モゾモゾ
男「……風邪っぽい、な」
男「……」
母親「おい男ー!起きろー!」
男「起きてるっつの」
男「……」
男「……やっぱ風邪っぽい」
男「……学校、休みたいな」
男「……」
母親「遅いじゃない、早くご飯食べな」
男「かーちゃん、俺ちょい風邪っぽいんだけど」
母親「薬飲んでさっさと行け」
男「いや、無理すっとキツイんだけ」
母親「うっさい、早く行け」
男「……はい」
男「……」
男「……行ってきます」
「……」
男「……音楽聞こ……」
男「……」
男「……」
男「……あ、ついた」
男「……」
男「……寒い」
男「……」ガラッ
ガヤガヤ
男「……」
男「席つこ……」
男「……」
キーンコーンカーンコーン
男「……本読も」
男「……」
キーンコーンカーンコーン
男「……世界史……」
男「……寝よ」
男「……」スヤァ
キーンコーンカーンコーン
男「……おわった」
男「……次移動か」
男「……だるい」
男「……」
女「……」すっ
男「……」ぱし
女「……」ぷいっ
男「……はぁ」
女友「そいや女さー」
女「あーそれほんと」
きゃっきゃっ
男「……」
構図
女
男女友
男「……」ぽてっ
男「……」スヤァ
キーンコーンカーンコーン
男「……長い」
男「……次も移動」
男「……」
男「寝よ……」
男「やっと帰れる……」
がやがや
男「……」スタスタ
男「……」ガラッ
がやがや
男「……」
男「……音楽」
女「……」シャーチャリンチャリン
男「……」ちらっぷいっ
男「……くっそ」
男「……」
女『えと、付き合ってほしい、ってこと?』
女『ちょ、ちょっと待っててもらえる、かな?』
男「……」
女『うん、考えてきた』
女『……その、よくわからないけど、よろしくお願いします』
男「……」ズキッ
女友『まさか転校生と女が付き合うなんてね』
女友『あの子と席近くてさ。お互い知り合いもいなかったからすぐ仲良くなったよ』
男「……」
女友『喋ってみると案外いいやつだね』
女友『うん、信じていいよ』
男「……」ギリッ
裏切った
女『好き、とかはわからないけど、努力してみるよ』
裏切った
女友『なーに、私を信じられないっての?』
裏切った
女『……ごめん』
裏切った
女友『……』ぷいっ
裏切ったんだ
俺を裏切ったんだ
信じたのがバカだったんだ
信じちゃダメなんだ
他人なんか信じちゃダメなんだ
あいつは裏切ったんだ
憎んで当然なんだ
男「……でも、なんでまだ好きなんだろう」
……全部俺の所為
誰もいなくなったのは、俺の所為。
俺から人が離れたのは、俺の所為。
彼女が俺から離れたのは、俺の所為。
全部俺の所為なんだ。
男「……どうしろってんだ」ギリッ
朝起こしてくれる幼馴染なんていない
学校で助けてくれる委員長なんていない
そもそも絡んでくる不良すらいない
……俺はそこに存在しているのか?
男「誰もいない」
違う
男「俺がいない」
男「……ついた」
男「……」
男「……もう涼しいな」
男「……」
男「こんなに季節って変わるの早かったかな」
男「……思い出しちゃうなぁ」
男「……」
男「いっそ死んでしまえれば楽なのに」
なんでできない?
怖い。
なにが?
……わからない。
わかりたくない。
わかってしまったらそれこそ……
幼「なーに書いてるの?」
男「ん?いや、今度の小説のラフ的な。今度こそ受賞したいし」
幼「どんなの書いてるの?」
男「んー、周りに理解されない男が追い詰められて……」
幼「て?」
男「その先まだ考えてないんだよ。まだ途中だし」
幼「ふーん……結構バラバラだね」
男「ま、ラフだし。でも大体の構想はできてる。あとはラストまで作ってディティール盛り込むだけだよ」
幼「で、でてーる?」
男「そうか、お前英語苦手だったな」
幼「うっさい、帰国子女。海外経験者と一緒にすんな」
男「つっても海外にいたのはずいぶん昔と、つい最近、一年だけだぜ?」
幼「じゅーぶんだ!親のコネで海外行きやがって~」ウリウリ
男「結構きつかったんだぞ?」
幼「ま、体育は勝てるけどね!」
男「体力面じゃ勝負にならねぇな」ハハッ
幼「んじゃ、帰るね」
男「おう、俺も作業に戻るよ」
男「……」カチャカチャ
男「……もうこんな時間か」
男「……寝よ」
男「……」
男「……」
男「……」
男「……ゲームしよ」
唯一の趣味
最後の趣味
認められない趣味
否定される趣味
否定される人生観
否定される俺自身
否定されてまで生きてる意味ってなんだ
……なんでこんな目にあってるんだ
転校したのだって俺の望みじゃない
こんなに落ち潰れたのも俺の望んだことじゃない
望んでないからと言って俺の所為にならないわけではないだろう。
うるさい
お前も人生をもっとプラスに生きてこれるチャンスはあっただろう。
うるさいうるさい
そんな考え方だからここまで落ち潰れるんだよ。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
全部親父の所為だ、全部母親の所為だ、全部環境の所為だ、全部周りの所為だ、全部社会の所為だ、全部世界の所為だ
責任転換乙w。
全部お前の所為だよ。
違う
全部、お前の、所為だよ。
違う
……。
……
……うん、本当はわかってるんだよね。
……
でも説教は聞き飽きてる。
……
君は他人に甘えたいだけだ。
……
……。
……ダメか?
……。
……
……だ、め。
……
男「書いてて応えるなぁこりゃ」
男「……もし幼馴染がいなかったら、俺もこんなんだったんだろな」
幼「ん?よんだ?」
男「どうして窓から入ってくるの?忍者なの?」
幼「アイエエ!?」
男「そういうのいいから」
幼「ウイッス」
男「で、なんで来たのさ」
幼「……男、怖いようなさみしいような顔してた」
男「……んーま、書いてる作品が、ね」
幼「……無理しないでね?」
男「だーいじょうぶだっての」
幼「……男が倒れたら看病するのはあたしなんだからねっ!」
男「いや、それぐらいかーちゃんが」
幼「お、おかーさんはほら、家事で忙しいし!」
男「……ま、いっか」
幼「……本当に、無理しないでね?」
男「わーったよ」
母親「おい男!洗濯干せよ!あと弟の弁当洗っとけ」
男「……あいよ」
母親「さて、写真写真~」
男「……」
弟「……」おぅっおぅっ
男「……いなけりゃいいのに」
男「……」ジャー
男「……」
ナイフ
男「……」
男「……」フルフル
男「……」ジャー
男「……朝か」
男「……」
男「……学校、いこう」
男「……飯」
男「……まずい」
男「……手抜き……」
男「……」ぼちゃぼちゃぼちゃ
男「腹減った……」
男「うーむ、寝不足である」
幼「ちゃんと寝ないからだよ」
男「いやぁ、作業が調子良くて」
幼「部屋で一人でいるからだよー。私も住もうか?」
男「狭いんで勘弁」
幼「むしろそっちのが……」モジモジ
男「あざとい」
幼「ですよねー」
男「あーねみっ」
幼「仕方ないなぁ、ほら、お弁当。屋上で食べよっ」
男「またか。風強くね?」
幼「今日は天気もいいから大丈夫だよ」
男「はえぇ……」
女「あ、これからご飯?」
男「ん、あぁ、そだよ」
幼「女ちゃんも一緒にどう?」
女「元カノが一緒でいいのかしら?」
幼「ノープロブレム!過去は過去なのさ」フッ
男「おまえ寛大だよなぁ」
女「太いの間違いじゃない?」
幼「ふふふふとくないわぁ!!」
あはははは
男「……」
男「……周りうるさい」
男「静かなところ……ない」
男「……」
男「……寝よ」
寝る。更新止まる。
不穏
不気味
再開
男「屋上やっぱ風強くね」
幼「これがいいんじゃない」
女「髪の毛が……」
男(はっ、みえっ)
幼「男、アウトー」
男「うえっ、いや、なななにが?」
幼「目がセクハラだったので」
男「なにもしてねーだろ!」
女「男のエッチー」
男「便乗すんなし」
幼「ほら、早くご飯にしよ」
男「おうおう、わーったよ」
男「……」
男「……午後の授業だる……」
男「……帰ろ」
男「……」
男「……帰ってもやることないな……」
男「……」
男「……」
男「……寝よ」
男「んー、ハッ」
幼「あ、やっと起きた」
男「しまったつい寝てしまったか」
女「食べてすぐ寝るって子供かっ」
男「どーせガキンチョですよーだ」
幼「男らしいじゃん」
男「貶されてますね、はい」
女「そろそろ戻ろっか。時間もあれだし」
幼「そだねー」
男「午後だりー帰りてー」
幼「みんな真面目なんだから、ちゃんと受けなさい」
男「うーっす」
男「……んあ……暗い……」
男「……飯」
男「……冷たい」
冷たい
寒い
暗い
寂しい
……全部、俺のせい
助けてほしい
でもきっと迷惑
俺なんて助ける価値はない
……でも
助けてよ
ねぇ
ねぇってば
こんなに苦しんでるんだよ
助けてくれたっていいじゃないか
どうしてそんなに冷たいのさ
あんなに尽くしたのに
なにがダメだったんだよ
……聞けない
……話せない
…………伝えられない…………
正直になれない
弱いから?
きっと、迷惑だから
いや、弱いからだ。
自分勝手に生きて嫌われるのは嫌だ
いまでも十分自分勝手なのに。
なにをしても迷惑なんだからいっそなにもしたくない
そう言って逃げるんだ。
逃げてない
言い訳だよ。
逃げてない
なにもしたくないなんて最高に自分勝手じゃあないか。
……
……。
なんで生きてるんだろう
幼「今日も一日お疲れなんだよ!」
男「なんだそのテンション」
幼「なにとなく」
男「ふーん」
幼「嘘だけど」
男「幼は嘘が苦手だからな」
幼「男がテンション低いので私がアゲアゲしないとかなって」
男「そうか?いつもこんなもんだと思ったが」
幼「いや、最近疲れ気味だよ?」
男「ま、小説がもう少しで完成しそうなんだ」
幼「ほう。それはいいことですな。でも無茶はダメだよ?」
男「やりたいことに時間使えてるんだ、多少の無茶も仕方ないさ」
幼「しかし授業でねすぎもよろしくないかと」
男「それな」
幼「そんな男にこちら」てってれー
男「そっそれは!翼を授けるレッドブル6本入り箱だと!高校生のお財布事情ではとても買えないようなものでしかも俺の好みをズバリと……なぜに!?」
幼「ふふふ……幼馴染補正よ」
男「……ふ、ま、ありがとな」
幼「頭を撫でたら許す」
男「許すて、まぁいいか」なでなで
幼「えへへ」
男「……」
男「……金ないな」
男「……」
男「週千円はきついなぁ」
男「……」
男「……腹減った」
男「……」
男「……」
男「……話して、みるか」
男「……なにもしないよりは、いいだろ」
男「……」
男『なぁ、起きてる?』
男「……」
男「寝てるか」
ぴょこん
女『なに?』
男「……」
男『ちょっと話がしたくて』
……
女『珍しいじゃん』
男『そうか?俺は元来おしゃべりな方だと思うが』
女『最近寝てばかりだけどね』
男『まな』
男『最近どうよ』
女『なにが?』
男『受験とか』
女『ぼちぼち』
男『そか』
女『そっちは?』
男『ダメっぽい』
女『だろね』
男『わかる?』
女『雰囲気が受験生じゃないし』
男『まぁ、な。無理矢理やらされてる感じだし』
女『専門行くって言ってたじゃん。どしたん』
男「……お前がそれを聞くか……」
女『ごめん、いまのは忘れて』
男『気にすんな』
男『専門は、将来厳しいところ多そうだったし、周りも反対してたし』
女『ごめんね』
男「……謝るなよ」
男「……お前は悪くねぇだろ……」
男「おれがっ……わるいんだろうが……」ポタポタ
男『……悪かった夜中に』
女『いいよ、友達じゃん』
男『そだな。おやすみ』
女『おやすみ』
男「……」
男「やっぱダメだなぁ」
男「……」
男「寝よ」
男「……」ふぅ
幼「やほい、夜分遅くに以下略」
男「だんだん雑じゃね?」
幼「ま、多少はね?小説は?」
男「うん、もう少し」
幼「……ねぇ、男。なんか、雰囲気変わった?」
男「え?なんで?」
幼「なんか、暗いよ」
男「……疲れてんのかなぁ」
幼「小説に受験もあるもんね」
男「俺は推薦あるからな」
幼「裏山」
男「なにもしなくていいわけじゃないぞ?」
幼「まね。様子見も終わったし私はこれで」
男「……これで?」
幼「男のベッドに飛び込みます」ぴょーん
男「リアルルパンジャンプかよ」
幼「ツッコミじゃなくて解説!?」
男「ツッコミいらんだろ」
幼「悲しみ」
男「書き終わったらどっか行くかー」
幼「シーパラいこ!」
男「でずにーじゃないあたりお前らしいな。てかお前同伴かよ」
幼「いや?」
男「……嫌ではないけれど」
幼「じゃあ決定!約束ね!」
男「……はいはい、」やれやれ
男「……」
男「……」
男「……」
男「……学校休も」
母「ダメよ、行きなさい」
男「辛いんだけど」
母「辛くても行きなさい!受験生だろ!」
男「……なにもわかってねぇくせに」
母「黙れ、行け」
男「……」
男「……」トボトボ
母「ふん」
男「……なんでやったぜって顔してんだよ……」
鬱憤を俺で晴らし
自分の思い通りに行かなければ手を出し
いうことを聞かせて達成感を覚える
糞母
死ねばいいのに
男「ふぁー」
男「ん?メール……女からか」
女『ちょっといい?』
男「……なんだろ」
男『どした?』
女『ちょっと大事な話』
男『なんだい』
男「……」
男「……ん?遅いなぁ」
女『よりを戻したい』
男「……」ピタッ
女『幼ちゃんがいるから一回引いたんだけど』
女『やっぱり私、諦められなくてさ』
女『かんがえといてくれるかな?』
男「……んー」
男「どうしよう困った」
男「というわけで便利屋の友を呼び出そう」
男『おい、起きろ』
友『寝てねぇよ。てかなんだよいちゃこら族よぉ』
男『そのことで問題が。女により戻そうと持ちかけられた』
……
男「うおっ」プルル
男「はい、もしもし」
友「おまえええ!一回死ね!」
男「開口一番にそれとは……挨拶大事だぞ」
友「しるか!アンブッシュで殺すぞ!」
男「真面目に困ってんだよ。どうすりゃいいよ」
友「……お前はさ、幼ちゃんのことどう思ってんだ?」
男「……いいやつ」
友「で、女は?」
男「……同じく」
友「どっちか選ばなきゃだろ。ちゃんとけじめつけて選べ。じゃないと後悔するぞ」
男「ま、そりゃなぁ」
友「どっちを選べなんて俺は言わねぇからな。たっぷり迷え!じゃぁな」ケケケガチャツーツー
男「ま、そうなるな」
男「……」
男「……」ちらっ
女「それでさー」
男「……」ふぅ
女「んでねー」ちらっ
男「……」ふいっ
男「……」
避けてるのは俺の方じゃねぇか……
眠い。止まる。
緊迫
謎の中毒性
もうないの?
ちょっとダークエナジー(何)が足りなくて筆が進まん。構想はだいたいできてるからダークエナジーたまり次第書く。
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