絵里「3年生ショッピング」 (31)
絵里「……暇ね」
希「確かに、なんも仕事がないと、暇なことは暇やな」
絵里「はあ……本でも読もうかしら……希、そのへんにあるの適当にとって」
希「はい、どうぞ」
絵里「ありがとう……って、これ怪談ものじゃない。絶対読まないわよ」
希「えー……いける思ったんやけど」
絵里「確信犯じゃない……はあ、もういいわ」
希「で、自分で取るのはアンデルセン童話なんや」
絵里「う、うるさいわね…」
希「かわいい思っただけよ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401084660
―しばらくして―
絵里「……やっと2年の集会が終わったわね……」
希「ほんま暇やったなあ……」
「うわーん!!」
絵里「……?」
穂乃果「もうひどいよー!! 先生のばかあ!! うんこたれぇ!」
希「穂乃果? アイドルがそんなこと言うたら、あかんで」
海末「……希、これはそういわれても仕方のない事態です」
希「というか、何の断りもなく生徒会室に入ってくるようになったね、皆」
ことり「あははは……」
絵里「それで? なんで穂乃果は泣いちゃってるの?」
穂乃果「先生が……今日の部活は2年生は無しだって……ぐすっ」
希「ええ? なんで?」
海末「学年の中で、高熱で休んだ人がたまたま何人も出たみたいで……とりあえず2年は中止らしいです」
ことり「穂乃果ちゃん、次のライブはセンターだから、皆で練習したいって言ってたしね」
希「うーん、残念、としか言えへんね。とりあえず、今回メインの3人がおらんのやったら、ウチらも今日はやめとこうか?」
絵里「……そうね。μ'sは9人そろってこそだし」
希「じゃあ、1年生にもそう連絡しとこうかね」
絵里「ええ、お願い」
穂乃果「こんなのってないよ! あんまりだよ! 海末ちゃん! ことりちゃん!!」
海末「?」
ことり「は、はい!?」
穂乃果「ちょっと近くの公園で練習するから、穂乃果のダンス見て!!」
ことり「え? えーっと……テストが近いし、勉強も大事だと思うんだけd」
穂乃果「穂乃果はそんなに大事じゃないもん!」
ことり「ええー……」
海末「言い切りましたね。まあ、こういう風に言う時の穂乃果は、他人の話を聞きませんからね。協力しましょう」
ことり「うん……まあ、ことりは平気だけど……」
海末「では、すぐにでも向かいましょう!」
穂乃果「おー!!」
ことり(あ、これ海末ちゃんも体動かしたいんだなあ……)
ことり「ふふっ」
海末「な、なんですか?」
ことり「なんでもないですよー♪」
絵里「……嵐のようにやってきて、嵐のように去って行ったわね……」
希「本当ね」
絵里「まあ、なんだかんだでみんな楽しそうじゃない」
希「さて……仕事がなんもない休日、どうしようかね」
絵里「……帰って、少しだけ寝たい……」
ダダダダッ、バンッ!
にこ「ちょっと!!希ちゃんなんでにこにメールくれなかったの!?」
希「ああ、完全に忘れとった」
にこ「忘れとったあ!? いい加減にしなさいよね本当!!」
絵里「はあ、またうるさいのが来たわね」
にこ「そこ、失礼なこと言わない」
絵里「もう聞いたでしょ? 今日は部活は休みだから、帰ってもいいのよ?」
にこ「ふっふっふー、甘いわね……二人はこれから予定ある?」
絵里「帰って寝たい」
希「星占いでもしようかなって」
にこ「ないわね!」
にこ「じゃあ、これ! ちょっと見て!」
希「なんやそれ……福引券?」
絵里(ないことにされた)
にこ「これ、1000円分の買い物で1枚たまるってやつで、10枚で1回ひける福引なんだけど……あと3枚たりないのよね~?」
にこ「そ・こ・で~」
にこ「二人に協力してもらって、福引を引くにこー!!」
絵里「……」
希「……」
にこ「二人してシーンとしない! どう? にこのアイデア!」
希「ええんちゃう?」
絵里「福引って何が当たるの?」
にこ「はずれなしで、1~3等、それから特賞があるわね」
にこ「2等と3等は微妙なぬいぐるみとかだけど、1等と特賞がすごくてね……特に特賞は、有名なアイドルのライブチケットがあたるのよ!!」
希「それはええ話やね」
にこ「でしょ!? だから協力してね!!」
絵里(……3等のぬいぐるみ、かわいい……欲しい)
―ショップ―
にこ「さてと……とりあえず着いたわね」
絵里「普通のお店ね」
希「普通やね」
にこ「じゃあ、とりあえず洋服からチェックするわよ! 絵里ちゃんと希ちゃんに似合いそうなやつ、この前見つけたしね! るんるるーん♪」
絵里「はいはい、ふふっ、楽しそうね」
希「本当にね」
―服屋―
にこ「これよこれ!! どう!?」
希「おお~、ええやん!! ……あー、でも、胸の辺りとかちょっときつそうかも……」
にこ「腹立つわね」
希「合いそうなサイズもないなあ。残念やわ」
にこ「うーん……サイズがないなら仕方ないか……絵里ちゃんはね、これ!!」
絵里「ええ!? さすがにそれは……ちょっと派手すぎない? 普段着というか、ドレスじゃないの……」
にこ「いいのいいの!! 着てみて!!」
絵里「あっ、ちょっ、お、押さないでったら!!」
にこ「どう? まだ?」
絵里「き、着てるから待って…………」
希「ふ~ん、ここ、いい店ね」
にこ「でしょでしょ!? 扱ってる洋服の幅が広いのよ」
希「で、いっつも皆に似合いそうなのとか、選んどるんやろ?」
にこ「な、ちょっ……違うから!」
希「素直やないなあ」
にこ「え、絵里ちゃん!! 終わった!?」
希(うまいこと逃げられてしもた)
絵里「お、終わったわよ……ど、どうかしら?」
にこ「お、おお……」
希「ふわぁ……すごいなあ、おとぎ話の世界から飛び出してきた、お姫様みたいやん」
絵里「そ、それは言い過ぎよ! あと、あんまり見ないでよ……その、恥ずかしいし……」
にこ「ちょっとー! 店員さん! この服いくら!? 買いまーす!」
絵里「か、勝手に買わないの!!」
にこ「いいのいいの。にこと希ちゃんで出すから!」
絵里「それはそれで悪いし……」
希「平気やて。別のところで、絵里ちにはいろいろ頑張ってもらっとるし。な? 生徒会長?」
絵里「ちょっと……そういうこと言われると涙出そうになるからやめてよね…」
にこ「じゃあ、このまま着ていっちゃいますね!」
絵里「……にこちゃん、店員にすごい事言った気がするんだけど」
希「このまま着る、言うとったで?」
絵里「このまま……着る? この格好でお店歩くの!?」
希「仕方ないやん」
絵里「うそでしょ……」
にこ「はーい、ここでのお買い物終了! 安売りしてたおかげで簡単に買えたし、福引券もあと1枚ね」
希「そういえばそれ、期限は平気なん?」
にこ「うーんと、日付は……今日の閉店時刻まで……ね。まあ平気よ!」
絵里「そんなことより、早く終わらせちゃいましょ? か、帰りたい……制服の二人とドレスの一人って、明らかにおかしいじゃない……」
にこ「おかしくないわよ? ね、希?」
希「そうよ、別におかしくなんて、ぶふっ、おかしくなんてないよ」
絵里「二人とも覚えてなさいよ。特に希」
男A「……なあ」
男B「ああ、超きれいだなあの人」
絵里(ああ、もう皆から視線が来てるのがわかるよ……この視線にも慣れてきたと思ってたけど、やっぱりスポットが当たると違うのね……)
男C「あ、あの!」
絵里「ひゃっ! ど、どうしたんですか?」
男C「え、えーっと、その……握手お願いできませんか?」
男D「あ、お、俺も!」
男A「俺もお願いします!」
男B「俺も!!」
絵里「え、ちょ、ちょっと……二人とも」
にこ「そう! 今回のチケットで見れるアイドルなんだけど……」
希「ふふっ、なにそれ! めちゃくちゃ面白いやん!」
絵里(だめね……2人とも全く気付いてないわ……)
絵里「ご、ごめんなさい!」ダッ
男たち「あ、待って!!」
うんこたれワロタ
にこ「あ、あれ? 絵里ちゃん?」
希「ほんまや、どこに行ったんやろうか?」
にこ「……さあ」
希「……まあ、目立つ格好やし、どっかにおったらわかるやろ」
にこ「そうよね」
希「次はどこいくん?」
にこ「んー、そうねぇ……適当にぶらつきましょうか」
希「ふふ、そうね。……それにしても絵里ち、どこ行ったんやろうなあ……」
―おもちゃ売り場―
絵里「はぁ……なんとか逃げ切れたわ…それにしてもこのドレス、走りづらいというかなんというか……」
絵里「……ん?」
少年「うぅ……ぐすっ、えぐっ」
絵里「……ボク、どうしたの?」
少年「うぇ、ぐすっ、お母さんとはぐれちゃったの……」
絵里「あら……それはこまったわね……どんな人?」
少年「お母さん」
絵里(だめだ。ラチあかねぇ。とりあえず迷子センターに連れて行きましょうか)
絵里「……よければ、お母さんを一緒に探してくれる人のところまで、連れて行ってあげるわよ?」
少年「本当に?」
絵里「ええ」
少年「えへへ……ありがとう! きれいなお姉ちゃん!」
絵里「ふふ、そういってくれてうれしいわ」
―フードコート―
にこ「はもっ」
希「にこはおいしそうに食べるん上手よね」
にこ「まあねえ、これで福引券もたまったし、あとは……はもっ、絵里ちゃん見つけて……むぐっ」
にこ「福引を引くだけよ!」
希「なんで食べながら言うたん」
にこ「そう! 引くだけなのよ!」
希「どうして2回いうたん。あと、ハンバーガー片手にやと、何か格好つかんよ」
にこ「……それもそうね。にことしたことが、うかつだったわ」
希「まあええやん。さて、やろか」
にこ「ん? なんでこんなところでババ抜きするのよ」
希「カード見たら全部ババ抜きや思うのなんでなんよ。これで絵里の居場所を占うねん」
にこ「ふーん……どこにいすなのよ?」
希「……ここより東、いうとるね」
にこ「ひ、東?」
希「こっちや」
にこ「あ、ちょっ! まだハンバーガー食べれてない! はぐっ、はむっ。待って!!」
―迷子センター―
少年「ここにお母さん来てくれるの?」
絵里「ええ、そうよ。すみませーん」
店員「はい」
絵里「迷子の子を、ここで預かってもらってもいいですか?」
店員「はい、構いませんよー! はいボク、お名前は?」
少年「……○○って言います」
店員「そう、じゃあすぐにお母さん呼ぶから、待っててね」
少年「うん……」
ぴんぽんぱんぽーん
希「まさか絵里ちか!?」
にこ「迷子のエリチカ!?」
『迷子のお知らせです。白いTシャツに、白の短パンを履いて、白の帽子をかぶった男の子が』
希「違った、全然絵里ちやないわ」
にこ「白大好きねこの子」
『……以上、ショッピングセンターでした』
ぴんぽんぱんぽーん
店員「さて、もうすぐお母さん来るから、いい子にしてるんだよ?」
少年「はーい…」
絵里「よかったね、じゃあ私はこれで」
店員「あ、わざわざありがとうございました」
絵里「いえいえ」
少年「えー! お姉さん行っちゃうの!?」
絵里「ええ……私もお友達のところに行かないと……」
少年「うう……お姉さんと一緒がいい……」
絵里(も、もう……この子、なんでこんなかわいい泣き顔してくるのかしら……)
絵里「わ、わかったわ……一緒にいてあげる」
少年「わーい!! やったー!!」
少年「ねえねえ、お姉さんお歌好き?」
絵里「ええ、好きよ」
少年「じゃあ、何かお歌うたって!!」
絵里「ふふ、いいわよ。ボクは、どんなお歌がすき?」
少年「僕はねー、かっこいい歌!」
絵里「かっこいい歌かあ、例えば?」
少年「マスクライダーの歌とか!!」
絵里「ふふ、確かにかっこいい歌ね」
絵里(確か、曲のさびは……)
絵里「~♪」
少年「わあ……お姉ちゃん、お歌上手なんだね!」
絵里「あら、そんなことないわよ」
少年「何か他にも歌ってよ!」
絵里「ええ、私のでよければ。じゃあ、他にはね……?」
「ボクー!! どこにいるの!?」
少年「あ! お母さんだ!」
母「ああ! よかったわ……あなたが、ここに連れてきてくれたんですの?」
絵里「あ、はい」
母「ああ……ありがとう、助かったわ」
絵里「いえ、当然のことをしたまでですから」
母「ふふふ、頼もしいわね。ほら、あんたもお礼を言いなさい」
少年「お姉ちゃん、ありがとう!」
絵里「どういたしまして、ふふっ」
少年「またお歌聞かせてね!!」
絵里「ええ、もちろんよ」
少年「じゃあまたねー!!」
絵里「ばいばーい♪ ふふふっ♪」
「エリチカー!!」
絵里「あ、私のお迎えも来たみたい」
希「え、なんで迷子センターおるん?」
にこ「そんな大きな友達を、迷子センターで扱ってくれるわけないでしょ?」
絵里「ち、違うわよ! これは……男の子が」
希「というか勝手にどこか行ったらあかんやん。ハンバーガー食べた後ずいぶん探したんやで?」
絵里「ハンバーガー食べてるじゃない…それに迷子になったのは、男の人が」
にこ「まあなんでもいいわよ! それにしても、絵里ちゃん本当にきれいね……にこの目はやっぱりくるってない♪」
絵里(きれいなお姉ちゃん、か……)
絵里「ふふ、そうみたいね♪」
希「なんかええことあったん?」
絵里「なんでもないわ♪」
―翌日―
にこ「~~~~~~っ!!」
花陽「で、あたったのがこれなの?」
絵里「ええ、そうよ!」
真姫「尋常じゃなく目がキラキラしてるわね……」
絵里「私は一番欲しかったんだもの」
希「ま、昨日は絵里ちが得する日やったってことやな」
穂乃果「そのぬいぐるみ、何か知ってるよ!」
海末「ことり、あれ好きでキーホルダー持ってましたよね」
ことり「はい! ぴにゃこら太っていうんですよ♪」
凛「何だかかわいいにゃ~♪」
にこ「もー! 納得いかないわよー!」
にこ「というか、にこが福引券持ってたんだし、それはにこのものなんじゃないの!? なんでもいいから貸しなさいよ!」
絵里「ふふっ♪ 認められないわっ!」
にこ「もーなんでよー!!」
希「今日も平和やねぇ……」
希「……あ、茶柱」
END
ラブライブの3年生の雰囲気が素敵すぎて作ってみたけど、勢いだからあれかもしれない。
見てくださった方、ありがとうございました
おつ
最高だったわ
こういうSS増えて欲しい
ぴにゃこら太…ぐさーっ!
乙乙
こういうほのぼのしたの素晴らしい
少年、◯タローがちらついてイライラした
ぴにゃこら太…?
綾瀬穂乃香…?
何の事だろう(すっとぼけ)
よく見たら海未じゃなくて海末で笑ってしまった
うみちゃんじゃなくてうまちゃんだな
このSSまとめへのコメント
えりちはかわええな〜