エレン・アルミン「逝ってきます!」(612)
※ミカサ・エレン・アルミンは同棲しているという設定です。
ミカサ「いってらっしゃ……え?」
その日、エレンとアルミンは自殺した。
理由は知らない。だがミカサは相当ショックだったみたいで一人で家に引きこもってる。
俺か?俺はな…
マルコ「ジャン!いくよ!!」ドピュルルルルルルル
ジャン「来い!マルコォォォ!!」
こういうことだ。
終わり
わけがわからないよ
エレンにザオリク
アルミンにニフラム
頼む続けてくれ!
YFgXyhfc「ザオリク!ニフラム!」
ダズ「何言ってだこいつ」
YFgXyhfc「エレンを生き返らせてついでに僕のスレがアルミンレイプで荒らされてるからアルミンを消し去りたいんです!」
ダズ「あのなあ…お前にザオリクみたいな呪文が使いこなせるわけないしニフラムは自分より弱い奴にしか効かないんだぞ?あいつは確かに体力はなかったが一応兵士の端くれだし慢心しすぎだろ」
YFgXyhfc「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れニフラムニフラム!」
ダズ「無様だな…メラ」
YFgXyhfc「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ熱い熱い熱い熱い熱い熱い!」
ID:YFgXyhfcはしんでしまった
ダズ「今のはメラゾーマではない…メラだ。雑魚が」
完
エレンにアレイズ
アルミンは死んだままでいいよ
続けて
>>8
もうお前が書けばいいんじゃない?
自分のスレでアルミン殺害でもすればいいじゃん
雄っぱい丸出しのライナー
雄っぱい丸出しのライナー - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1392386815/)
エロトルトはいくらスレがアルミンレイプで荒らされても意に介さないんだからエロトルトもどきも見習えよ
マルコ「わーい」ビュー
ジャン「おいおい、どこ狙ってんだよマルコ……?」
エレン「待てよアルミ……ん?うわあああ!!!」ビチャビチャ
ジャン「」
エレン「」ポタポタ
マルコ「わーい」ビュー
エレン「え、なにこれ?」ビチャビチャ
ジャン「マルコ、俺疲れてるみたいだわ」
マルコ「大丈夫だよジャン。僕にも見えてる」ビュー
エレン「」ビチャビチャ
ジャン「ははは、冗談だろ?死んだんじゃなかったのかよ!」
ジャン「何で……お前が……!」
マルコ「なんかさっきピカッてしたよね」ビュー
エレン「とりあえずマルコ、それ止めてくれ」ビチャビチャ
ジャン「……で、死んだはずのお前がなんでここに居るんだよ?」
エレン「俺が知りたいよそんなこと」フキフキ
エレン「なんかピカッって光ったと思ったらマルコに水かけられてるし……」ゴシゴシ
ジャン「あぁ、クジで水鉄砲当たってはしゃいでるだけだ」
マルコ「わーい」ビュー
>>9
え、無理
エレンとミカサのイチャイチャさせたくなるし…
ジャン「お前は死んだんだよな?」
エレン「あぁ、ちゃんと死んだよ」
エレン「そしてアルミンと死後の世界を旅してたはずなのに……」ググッ
エレン「蘇生早すぎるんだよ!!」バンバン!!
ジャン「はあああああああああ!!?」
エレン「というかアルミン居ないし!」
エレン「アルミン置いてきちゃったし!」
エレン「何やってんだよジャン!この馬面!!」
ジャン「なんだとこの死に急ぎ野郎が!」
ジャン「死に急ぐどころか自殺だぁ?お前ほんっとに馬鹿か!この死に急ぎバカ野郎!」
マルコ「怒らないで聞いて欲しいんだけど、二人ともうるさい」
ジャン「止めんなマルコ!コイツらのせいでミカサは……ミカサはなぁ……!」
エレン「待てよ!ちゃんと還ってくるつもりだったんだよ!」
ジャン「意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇ!」
エレン「そのままの意味だよ!!」
ジャン「それがわかんねぇって言ってんだろうが!!」
エレン「なんだと!!?」
マルコ「落ち着け二人供ー!!!!」ビュルルルルルル
二人「あああああああ!!」ビチャビチャ
ジャン「静かだと思ったら水補充してただけかよ!」ビチャビチャ
エレン「止めろよ服が濡れちゃっただろうが!」ビチャビチャ
ジャン「お前は元々濡れてただろうが!!」ビチャビチャ
マルコ「いやだって二人供うるさいし……」ビュー
ジャン「分かったからそれ止めろよ!!」
つかれた
>>20
面白い
ジャン「くそっ、今までずっと避けられてたってのに……」ポタポタ
エレン「うわっ、絞れるぞこれ……」ジャバー
マルコ「そろそろ話を進めようか」
マルコ「エレン、君とアルミンはどうして自殺なんかしたんだ?」
エレン「それは……言えない……」
ジャン「はぁ?お前自分がしたこと分かってんのかよ!」
エレン「ミカサには悪いことしたと思ってるよ!皆にも!」
エレン「でも、危険だし……話したらミカサは絶対ついてくるから……」
エレン「だから、"逝ってきます!"って……」
ジャン「おまっ……」
マルコ「危険っていうか死んでるよね」ビュー
エレン「挨拶は大切だって母さんに言われてたから!」
ジャン「いやそこは別に問題じゃねぇよ」
エレン「とにかく、理由はまだ話せない」
マルコ「エレン……」ビュー
ジャン「で、お前これからどうすんだよ?そもそもアルミン置いてきたって……」
エレン「もう一度死ぬしかないだろ」
エレン「まだ死後の世界でしなきゃいけないことが終わってない」
ジャン「しなきゃいけないこと、ねぇ……」
マルコ「そこも秘密なのかい?」
エレン「あぁ」
ジャン「はっ!全部秘密だって?付き合ってらんねぇな!」
ジャン「どうせアルミンとドッキリでも仕掛けてんだろ」
ジャン「いい加減にしろよ!!」
エレン「ドッキリなんかじゃない!」
ジャン「チッ、行くぞマルコ……こんな奴に付き合ってやる必要ねぇだろ」ザッ
マルコ「ちょっと待つんだジャーン!」ビュルルルル
ジャン「」ビチャビチャ
ジャン「……とりあえず毎回水掛けんの止めろよな」ポタポタ
マルコ「怒らないで聞いて欲しいんだけど、エレンが生き返った理由を知りたい」ビュー
ジャン「んなこと言ってもな……」チラッ
エレン「こっちに来る直前、白い光に囲まれて……気付いたらマルコ水が顔に……」
マルコ「ははは、マルコ水だってジャン!これはただの水だよ!!」ビューッ!!
ジャン「頼むから元に戻ってくれマルコ」
ジャン「そもそも死後の世界ってヤツからどうやって戻ってくる気だったんだよ」
エレン「それは……アルミンが『僕に着いてくればなんとかなるよ!』って」
ジャン「何者だよ」
エレン「アルミンには正解を導く力があるからな」
ジャン「もうだめだついていけねぇ……」
エレン「とにかく俺はもう一度死なないといけないんだ!」
エレン「あーやだなー意識途切れるまでが痛いんだよなー」
エレン「ってことでサクッと殺してくれ、痛みも感じないくらいに」
ジャン「お前頭どっか打ったんじゃねぇの」
エレン「打ってない!」
マルコ「はいどーん!」ガツンッ
エレン「ぐはっ」バタッ
ジャン「マルコォォォォ!!」ビュルルルルル
マルコ「ちょっとジャン、勝手に使わないでくれよ」ビチャビチャ
ジャン「あ、わり」
ジャン「じゃねぇよ!何やってんだよ!何やってんだよ!!」
ジャン「おい起きろ死に急ぎ野郎!」ゲシゲシ
エレン「」
マルコ「ジャン、死体を蹴るなんて最低だよ」
ジャン「死体を作ったお前だけには言われたくねぇ」
ジャン「あぁ、親友が人を殺めちまった……俺はどうするべきだ?」
ジャン「いや、はじめから分かっていたはずだ……自首しよう」
ジャン「親友を止められなかった俺も同罪だよな……」
ジャン「ほら、行こうぜマル……」ビチャビチャ
マルコ「まぁちょっと待ってよ」ビュルルルルルル
マルコ「思ったんだけどさ、アルミンが正解を導く力があるというのなら」ビュルルルルルル
マルコ「僕達にも何か力があるんじゃないかなって」ビュルン
ジャン「げほっ……例えば?」バシャ
マルコ「死体を蘇生する力……とか?」ビュッ
マルコのって水鉄砲?
というか、エレン お前はミカサを守らにゃカルラさんにいい加減怒られるぞ
>>28
水鉄砲です
中身も水です、マルコのじゃありません
水です
ジャン「死体を蘇生する力……?」バチャ
マルコ「あぁ、さっきエレンが生き返ったのもその力じゃないかって思ってね」ビュー
ジャン「とりあえずそろそろしつこいから止めろよな」
ジャン「で、俺達のどちらかにそんな力があるってのか?」
マルコ「だってこの場には僕とジャン、エレンの所にはアルミンが居たんだろうけど生き返らせる意味がない」
ジャン「つまり俺らがってことか?勘弁してくれよそんな……」
マルコ「試してみなきゃ分からないよ」
ジャン「試すったってどうすんだよ」
マルコ「エレンが生き返る前と同じ行動、同じ台詞」
マルコ「はじめはこれでいってみよう!」
ジャン「はぁ……分かったよ……」
マルコ「ジャン!いくよ!!」ドピュルルルルルルル
ジャン「来い!マルコォォォ!!」
「アレイズ!」
ジャン「……誰だ今の?」
エレン「」ビチャビチャ
マルコ「エレン?」
エレン「だあああああああもう!何なんだよ!逝って戻って逝ったと思ったらまた戻ってきたし!」ポタポタ
エレン「邪魔すんなよなジャン!」
ジャン「なんで俺なんだよ!」
マルコ「やったよジャン!僕達には死者を蘇生する力がある!」
ジャン「エレン限定の間違いじゃないのか?」ゲシゲシ
エレン「痛っ!やめっ、止めろ!!」
ジャン「うわ本当に生きてる……」
マルコ「決まりだね」
エレン「何がなんなんだよ」
マルコ「どうやら僕達にはエレンを蘇生する力があるらしい」
ジャン「おいマルコ、さっきなんか聞こえなかったか?」
マルコ「なんでエレンだけなのかは分からないんだけど」
ジャン「マルコ、お前には聞こえなかったのか?」
エレン「俺限定なのか……なんか気持ち悪いな……」
ジャン「おい話聞けよ」
マルコ「ジャンちょっと黙ってて」
ジャン(俺の幻聴だったのか……?)
始めたからには完結させる、完結させる!
sageのまま少し進めます
エレン「はぁ……また死なないといけないのか……」
マルコ「それなんだけどさ、僕も一緒に逝きたいんだ」
マルコ「秘密は守る、だからつれていってほしい!」
ジャン「おい待てよマルコ!お前それって……」
エレン「あー、マルコだけなら大丈夫だろ」
エレン「じゃ、一緒に逝くか」ニコッ
マルコ「やったぜ」
ジャン「待てって!」
ジャン「大体、蘇生する力っていうのはどうするんだよ!二人じゃないとできないんじゃないのか?」
マルコ「ジャンならできる。例えば、一人でも」キリッ
ジャン「その言い方やめろ」イラッ
エレン「さっきからうるさいぞジャン」
ジャン「お前のせいだぞエレン!」
マルコ「まぁ、ちょっと逝ってくるからさ、じゃあね」ヒラヒラ
エレン「じゃ、逝ってきます!」
ジャン「はぁ!?おい待っ……!」
ガッ!!
エレン「」
ジャン「まじかよ……」
エレン「アルミーン、戻ってきたぞー」ヒラヒラ
アルミン「あ、エレン!」
エレン「あとお土産」
マルコ「HEY!」バーン
アルミン「え、えええええ!?マルコ!どうして君まで!!」
マルコ「なんだか面白そうだったからつい……」テヘッ
エレン「マルコなら別に良いだろ?」
アルミン「あ、そっか……うん、オッケーだよ!」
マルコ「それで、二人はここで何をしていたんだ?周りは真っ白だし……あ、でもそこちょっと青くなってるね」
アルミン「僕達は、ここにいる人達の願いを叶えているんだよ」
エレン「できればマルコも手伝ってほしい」
マルコ「へー、いいよ!」
エレン「やったぜ」
アルミン「肝心の願い事だけど……人が居ないなぁ……」キョロキョロ
エレン「あっ!あっちに誰か……女の子?がいるぞ!」
アルミン「さっそく願いを叶えにいこう!」
アルミン「ねぇ、突然で悪いんだけど、君って願い事あるよね?僕達に教えてくれないかな?」
女の子「お水……お水がほしいの……この瓶が一杯になるくらい……」
アルミン「オッケー水だね、ちょっと待ってて」
エレン「マルコ、さっきの水鉄砲は?」
マルコ「ごめん、持ってきてないな。でもあれじゃ一杯にはならないよ」
エレン「そっか……」
アルミン「どうしよう?ここに水を汲める場所があるのかさえ分からないし……」
期待
マルコ「あっ!」
エレン「何か思い付いたのか?」
マルコ「エレン、もう一度生き返ればいいんだよ」
エレン「え、でもそれって……」
マルコ「ジャンがいるから大丈夫」
エレン「その手があったか!流石マルコ!」
エレン「あ、でもジャンにどうやって頼もう!?」
マルコ「それだよねー」
エレン「あぁどうしよう!届け!ジャンに届け!」ググッ
アルミン「落ち着いてよエレン、本当に運次第だけど、一つ方法がある」
エレン「どんな方法なんだ?」
アルミン「僕とエレンは、今まで知り合った人達の中から、青い花を持っている人に声を届けることができるんだ」
アルミン「ただ、今その花を持っている人が居るかどうか……加えてジャンを知っている人でないと頼むに頼めないよ」
エレン「うわぁ……」
アルミン「やるだけやってみるしかない」
エレン「というかなんでそんなことできんの?」
アルミン「細かいこと気にしてるとハゲるよ」
アルミン「さぁ、さっそく始めよう」
マルコ「ファイト!」バッサバッサ
エレン「誰か!誰かいないのかー!!」ビビビ
ジャン「あぁ……どうすんだよコレ……完全に俺がやっちまったようにしか見えねぇだろ……」
ジャン「あーくそ、なんか腹立ってきた」イライラ
ジャン「鼻の中に花詰め込んでやる」ズボッ
ジャン「ダジャレじゃねーぞ、って何を一人で俺は……」
ジャン「はぁ……どうしよ……」
アルミン「」ピクッ
マルコ「どうしたのアルミン?誰か見つかった?」
エレン「アルミンだけの知り合いってことか、興味あるな」
アルミン「いや、でもなんだか様子が……」
エレン「うっ、なんか鼻がむずむずする……」スンスン
アルミン「僕はアルミン!返事をしてくれると嬉しいな!」
『………………』
アルミン「おかしいなぁ、もしもーし!」
エレン「」ピクッ
マルコ「次はエレンか、ってエレン?」
エレン「ふぇっ、はっ……」
『もう片方にも入れてや……ん?』
エレン「は、はっくしょーい!!」
『キャァァァシャベッタァァァァァァ』
エレン「あ、ジャンだ」ズビッ
マルコ「ビンゴ!」パチン
アルミン「驚いて心臓発作でも起こしそうな勢いだけど大丈夫?」
アルミン「死なれちゃ困るんだけど」
エレン「おいジャン聞こえるか?」
ジャン『はっ?はぁ!?なんでこいつの声が……!あぁ、花詰め込んだせいか?そうなのか?』
ジャン『悪かったよ!だから成仏しろ!!』
エレン「あっ、なんかむずむずすると思ったらお前のせいかこの野郎!」
アルミン「エレン、話が進まないよ……」
エレン「そう急かすなよアルミン……」
エレン「おいジャン、俺のこと生き返らせてくれ」
ジャン『いや無理に決まってんだろ』
エレン「いけるってほら早く、マルコも旗振って応援してるしさ」
マルコ「がんばれー」バッサバッサ
アルミン「頼むよジャン、僕達の蘇生は一度しか使えないんだ」
エレン「まじかよ!?」
アルミン「言ってなかったっけ?」
エレン「初耳だよ!」
ジャン『つってもよ、生き返らせるにもマルコが水出さなきゃどうしようもねぇだろ……』
マルコ「わっしょい!わっしょい!」バッサバッサ
エレン「マルコなんか唱えてるし大丈夫だろ、なんか唱えりゃいけるって」
ジャン『いや、お前とアルミンの声しか聞こえてねぇよ』パシッ
エレン「いてっ!おい今俺の死体叩いたろ!」
アルミン「よくわからないけど……とりあえずジャンのできることだけやってみてほしい」
ジャン『チッ、期待すんなよ?』
ジャン「一人でやるにしても叫ぶくらいしかしてねぇしな」
ジャン「あ、マルコこれ置いていったのか?これで死体に水かければまだ……」カチャ
エレン『おい止めろよジャン!風邪引いちゃうだろうが!!』
ジャン「うっせぇ!お前今死んでるだろうが!……あれ?なんで俺は死人と話しているんだ?」
アルミン『ジャン、とりあえずはじめてよ』
ジャン「お、おう」
ジャン「来い!マルコォォォ!!」ドピュルルルルルルル
エレン『……ふざけんな!』
アルミン『失敗かぁ』
ジャン「アレイズ…」ボソッ
エレン『あっ』
エレン「何これ?時間差?えっ?何これ?」ポタポタ
エレン「うっ、はっくしょーい!」スポーン
エレン「おいこらジャンてめぇ!!」ズビッ
ジャン「うわなんだこの脱力感……」
ジャン「というかマルコ!関係なかったじゃねぇか!!」
アルミン『本当にエレンが生き返るなんて……』
エレン「寒い!もうやだエレンお家帰る!!」ダッ
ジャン「ちょっと待てよ!おい!」ダッ
アルミン『ジャン、持ってる花捨てないでね』
ジャン「あ?これか?了解!」
アルミン『さてマルコ休憩にしよっ…』ブツッ
ジャン「お前ら自由すぎるだろ」
ミカサ「エレン、アルミン……せめてもう一度だけでも……」グスッ
エレン「ただいまー!」バターン
エレン「おっ、ミカサ!久し振りだな、髪伸びた?」
ミカサ「」
エレン「着替えどこだ?あ、ミカサ持ってんじゃん、丁度良かった」スルスル
ミカサ「」
エレン「あれ?なんか湿ってる?気のせいか」ポイッ
ミカサ「」
エレン「ミカサ、この入れ物と水貰ってくぞー」ガサゴソ
ジャン「ミカサ!大丈夫か!」バターン
ミカサ「」
ジャン「エレンおまっ……」
エレン「これでよし!ジャン、またなんかあったら頼むわ!」
エレン「またなミカサ!逝ってきます!」ガッ
エレン「」ドサッ
ジャン「」
ミカサ「」
ジャン「」
ミカサ「えっ?」
ミカサ「エ、エレッ……?えっ?」
ジャン「まじかよ……」
エレン「ただいまー」
アルミン「あ、おかえりエレン」バサッバサッ
マルコ「おかえり、思ったよりも早かったね」バッサバッサ
エレン「お前ら何やってんだ?」
アルミン「暇だから旗を振ってどっちが良い音出せるか競ってたんだ」バサッバサッ
マルコ「エレンはどっちが良いと思う?」バッサバッサ
エレン「どっちが良いとか言う前にうるさい」
マルコ「だよねー」バッサバッサ
エレン「とにかく水持ってきたぞー」チャプ
アルミン「お疲れ様、じゃあ女の子の所へ戻ろうか」
今回はここまで!
バカってすげえな!
ジャン頑張れ…
あぁ……あぁ……
少し進めます
ID変わりましたがお気になさらずー
アルミン「おまたせ、お水持ってきたよ」
エレン「その瓶貸してくれ」
女の子「はい」
エレン「ん」ジャー
エレン「ほい」
女の子「わぁ!ありがとう!」
マルコ「どういたしまして」ニコッ
エレン「あれ……それ俺のセリフ……」
女の子「お礼に色をあげるね!」ポワァ
アルミン「ありがとう、助かるよ」
マルコ「おぉ、青色が広がったね」
女の子「またね、お兄ちゃん達!ばいばい!」タタッ
アルミン「またねー」フリフリ
エレン「俺のセリフ……」シュン
エレン「まぁいいや」
マルコ「なるほど、願いを叶えると色が貰えるんだね」シャッシャッ
アルミン「そう、そして僕達はここを色で一杯にしなきゃいけないんだ」
マルコ「それでそれで?」シャッシャッ
アルミン「後はお楽しみだよ」
マルコ「そっか、残念だなぁ」シャッシャッ
エレン「ところでさっきから何削ってんだ?」
マルコ「えっ?コレ?」
マルコ「竹とんぼ」シャッ
エレン「」
アルミン「さぁ、次にいこうか」
マルコ「あっちに訓練兵の女の子が居るよ」シュッ
アルミン「あ、本当だ」
エレン「早く行こうぜ」
アルミン「ねぇ、ちょっと良いかな?」
訓練兵「ん?」クルッ
マルコ「あっ!」シャッ
アルミン「ミーナ!」
ミーナ「アルミン!エレン!マルコ!?」
ミーナ「久し振りだね!元気してた?まぁここ死人しかいないんだけどね」テヘッ
ミーナ「って、死んじゃったの!??」ガーン
アルミン「いや、うん、まぁ……そこら辺は長いから省略させてね」
マルコ「元気な死人って一言で矛盾してるよね」シャッシャッ
マルコ「できた」ブーン
エレン「お前ミーナだったのか、髪結んでないから分かんなかったよ」
ミーナ「あ、そうそうそれそれ!ゴム切れちゃって困ってたんだ」
アルミン「それなら僕達にお任せあれ!」
ミーナ「ゴム持ってるの?」
アルミン「今はないかな……エレン!」
エレン「あ、これまた行かなきゃいけないパターンか」
エレン「ゴムのために?」
アルミン「ゴムのために」コクッ
マルコ「行ってらっしゃい」
ジャン「なぁ、ミカ……」
ミカサ「エレン?エレンエレンエレン?エレン!?」ガタガタ
ジャン「落ち着け」
ミカサ「ごめんなさい、私は冷静じゃなかった」スッ
ミカサ「エレンの幻覚が見えるなん……!?」ゴシゴシ
ミカサ「エレンの遺体が!?」ガタッ
ジャン「幻覚じゃねぇんだわ、それ」
ミカサ「……どうなっているの?」
ジャン「簡潔に言えば……生き返って死んだな」キリッ
ミカサ「ふざけているなら削ぐ……」チャキ
ジャン「いや本当だって!嘘じゃない!だからその包丁しまってくれ!」
ミカサ「エレンは生きてるの?生きていないの?どっち?」
ジャン「今は死んでるが……たしか死後の世界でやることがあるとかなんとか言ってたな……」
ミカサ「それでは分からない、どういうことかちゃんと説明して」
ジャン「俺にも分かんねぇよ、何もかも秘密って言われて聞き出せなかった」
ジャン「とりあえずアルミンとは一緒に居るみたいだぜ?あと、マルコも一緒のはずだ」
ミカサ「マルコ?どうしてマルコが……」
ジャン「なんか着いてった」
ミカサ(どういうことなの……)
ジャン「あ、花……」ガサゴソ
ミカサ「花?」
ジャン「あぁ、アルミンにこの花を持っておけって言われてんだけど……このままじゃな……」
ミカサ「アルミンが?アルミンがそう言ったの?どうやって?」
ジャン「上手く説明できねぇが、なんかこう、頭の中に直接話し掛けられているような……」
ミカサ(この人の頭は大丈夫だろうか)
ミカサ「もういい、今だけは貴方の言葉を信じよう」
ミカサ「押し花でも良いだろうか?」
ジャン「大丈夫だとは思うが、それって時間かかるんじゃ……?」
ミカサ「かからない」
ジャン「えっ」
ミカサ「かからない」
ジャン「」
ミカサ「エレンとアルミンの為なら速攻で終わらせる」テキパキ
ジャン「流石に無理があると思うが…」
ミカサ「できる!」パサッ
ミカサ「私は強い、とても強い」パサッ
ミカサ「ので」スッ
ミカサ「押し花を作ることができる」サッ
ミカサ「例えば」スゥ
ミカサ「一瞬でも!」バチーン
ミカサ「できた」ピラピラ
ジャン(どうなってんだ……)
ミカサ「栞にしてみた」ジャーン
ミカサ「これなら持ち運びやすい」
ミカサ「違わない?」
ジャン「」
ミカサ「……ジャン?」
ジャン「あ、あぁ、助かる」
ミカサ「そう、ところで……」
エレン『おい、ジャン!』
ミカサ「エ、エレン!?エレンの声がする!?エレン!」
ジャン「嫌な予感がする」
エレン『あれ?ミカサ?まぁいいや、ジャンに蘇生頼んでくれ』
ミカサ「エレン待って!聞きたいことが沢山ある!」
エレン『お前にも話せないんだよ!とにかくジャンに頼んでくれ!』
ミカサ「エレン……」
アルミン『エレン、それじゃあミカサが可哀想だよ!』
エレン『なんだよアルミン、話せないんだからしょうがないだろ!』
ミカサ「アルミン!?アルミンもいるの?」
アルミン『あ、うん、その……ごめんねミカサ……』
ミカサ「二人供早く帰ってきて、もう一人は嫌……」グスッ
アルミン『ごめん、僕はしばらく帰れないんだ……』
ミカサ「そんな…」
エレン『あ、でも俺今からそっち行くわ』
ミカサ「えっ?」
エレン『だから早くジャンに頼んでくれよ』
ミカサ「わ、分かった……ジャン、エレンが蘇生?を頼むと……」
ジャン「やっぱりか……よくわかんねぇが疲れるんだよなぁ……」
ミカサ「ジャン、お願い」
ジャン「任せろ」
ジャン「じゃ、いくぞ」
ジャン「アレイズ!」
ミカサ「…………何も起こらない」
エレン「いや、俺が生き返る」ムクッ
ジャン「うっ……なんか気持ち悪くなってきた……」
ミカサ「嘘……エレンが……動いてる?」
エレン「ただいま!本体が家の中だとなんか複雑だな……それよりミカサ、ゴムあるか?」
ミカサ「えっ?ゴム?輪ゴムならそこに……」
エレン「いや髪結ぶ方な」
ミカサ「ごめんなさい、私は持っていない」
ミカサ「それよりエレン、聞きたいことが……」
エレン「しょうがない、そこら辺で買ってくるかー」ガチャ バタン
ミカサ「」
アルミン『ごめんねミカサ……まったくエレンったら……』
ミカサ「いえ、いい……それでこそいつものエレン」
ミカサ「ところでアルミン、いくつか教えてほしい事が」
アルミン『ごめん、きっとほとんど答えられないと思う』
ミカサ「……アルミンは謝ってばかりいる」
アルミン『うん…』
ミカサ「昔からエレンとアルミンは私に内緒で危ないことばかりする」
ミカサ「お前には危険だって」
ミカサ「でも、自殺なんて……!」
アルミン『ごめんね』
ミカサ「……アルミン、エレンは帰ってくることができた」
ミカサ「アルミンは?」
アルミン『まだ、帰れない』
ミカサ「いつか帰ってくるということ?」
アルミン『勿論、それは約束するよ!』
ミカサ「なら良い、待ってる、ずっと……」
エレン「ただいまー」バターン
ジャン「空気読め」
エレン「うしっ、じゃあまた逝くか」
ミカサ「エレン、もういってしまうの?」
エレン「あぁ、早い方がいいし」
ミカサ「もう少しゆっくりしていっても……」
エレン「皆待ってんだよ」
ミカサ「でも、エレン……」
エレン「しつこいところは全く変わってねぇな」
ミカサ「エレン……」
エレン「これやるよ、ついでだったし」ポイッ
エレン「逝ってきます!」ガッ
エレン「」バタッ
ミカサ「エレン!」
ミカサ「しっ、死んでる……!?」
アルミン「おかえりエレン!」
エレン「おう、皆で何してたんだ?」
マルコ「トランプだよ、ババ抜き」
ミーナ「もう全然勝てないの!二人供強すぎるよー」
エレン「いや、何やってんだよ!!」
アルミン「うん、ごめんね……ミカサとあんな真剣な話をしている裏でババ抜きなんて……」
マルコ「僕とミーナの声は聞こえないからね」
ミーナ「ちょっと暇潰ししちゃった……ごめんね?」
エレン「俺もやりたかった……」シュン
アルミン「あれ?」
マルコ「それなら皆でまたやろう!」
ミーナ「負けないわよー!」
エレン「やったぜ」
アルミン「あれ?」
ミカサ「あぁ…」
ミカサ「エレンが逝ってしまった……」
ミカサ「また、私を置いて……」グスッ
ミカサ「いえ、アルミンは戻ってくると言った」ゴシッ
ミカサ「なら、私はこの家を守る!」
ミカサ「……!そうだ、さっき何か…!」バッ
ミカサ「ゴム?エレン、私の髪は結べるほど長く……あっ」サラッ
ミカサ「伸びてる……」
ミカサ「………………」シュッ スッ スッ
ミカサ「ポニーテール……」エヘヘ
ジャン「」ゴファッ
ジャン(女神)
エレン「くっそー勝てねぇ!」バシーン
ミーナ「二人供強すぎるよー」
アルミン「こういうのは得意だからね」
マルコ「良い勝負だった」
エレン「あ、ミーナ、これ渡すの忘れてたわ」スッ
ミーナ「そうだった!私もトランプに夢中で忘れてたよ、ありがとうエレン」
エレン「おう」
ミーナ「じゃあお礼に……ゴムと一緒の赤色あげちゃいまーす!」パンパカパーン
アルミン「ありがとうミーナ!」
ミーナ「お互い様ってヤツだよ!」
エレン「よし、じゃあそろそろ次いくか」
アルミン「そうだね」
エレン「じゃあな、ミーナ!」
ミーナ「頑張ってねー」フリフリ
1レス分消えてびっくりしたよ!
今回はここまで!
なにこれ凄い展開が読めなくて気になるんだけど
ID変わりまして少し進めます
アルミン「次は誰だろうねー」
エレン「見つけるまでが大変なんだよなー」
マルコ「あっちに調査兵団の人がいるよ」
アルミン「うわマルコすごい」
エレン「あれ?あれは!!」
エレン「ペトラさーん!」
ペトラ「エレン!?どうしてここに!」
オルオ「俺も居るんだが!?俺も居るんだが!!?」
オルオ「全くなっちゃいねぇなガキンチョが、俺が新兵の時はもっとしっ」ガチッ
オルオ「」ブシャー
マルコ「うわ痛そう」
アルミン「うわぁ」
ペトラ「オルオ、さっさとその血止めなさいよ!みんなひいてるじゃない」
オルオ「心配するならもっと素直に言っても良いんだぞペトラ……」フキフキ
オルオ「もう少し可愛げを覚えたら嫁に迎えてやらなくもない」
ペトラ「舌噛みきってもう一回死ねば良かったのに」
エレン「変わらないですね……」
ペトラ「本当、オルオったらずっとこんなんで……」
エレン「お二人供ですよ」
エルド「よぉエレン、久し振りだな」
グンタ「少しは成長したか?」
エレン「エルドさん!グンタさんも!!」
エレン「皆さん一緒に居たんですね……」
エルド「まぁこいつらと居ればまず退屈はしないからな」
グンタ「まったくだ」
ペトラ「オルオと一緒にしないで」
オルオ「どうしたペトラ、エレン達の前だからって照れなくても良いんだぜ?」
ペトラ「オルオ、お願いだからそれ以上口を開かないで」
エレン「……確かに退屈はしませんね」
グンタ「だろ?」
ペトラ「ちょっとエレン!!」
エルド「はっはっはっ、良いぞもっと言ってやれエレン!」
オルオ「で、エレン……どうしてお前がここに居る?」
ペトラ「今はどうなっているの?リヴァイ兵長は!?」
エレン「あ、えっと……」
エルド「おいよせ、質問は一つずつにしろ」
エレン「えっと、まず……俺がここに居るのはちょっとやりたいことがあって……」
アルミン「エレン、また謎を増やしてどうするのさ」
エレン「間違ってはいないだろ」
アルミン「うーん、合ってはいるけど……」
グンタ「話せないことなのか?」
エレン「いえ、そういう訳じゃ……」
オルオ「ならさっさと話せよ」
アルミン「あの!後で分かることですから、お楽しみでは駄目でしょうか?」
ペトラ「お楽しみ、かぁ……」
エルド「俺はそれで構わんぞ」
グンタ「その分期待しても良いんだろう?えーっと、名前は?」
アルミン「アルミン・アルレルトです!」
オルオ「はっ!アルミンだかナシミンだか知らねぇが、今はそう言うことにしてやるよ」
アルミン「ありがとうございます!」
ペトラ「そっちのおっきい子は?エレンのお友達?」
マルコ「マルコ・ボットです!」
エレン「104期生ですよ」
ペトラ「そっか、宜しくね」
ペトラ「それで、今はどうなってるの?エレンがここに居るってことは……巨人との戦いは……」
エレン「あ、勝ちましたよ」
アルミン「勝ちって言えるかは分かりませんが……」
ペトラ「えっ?」
エレン「巨人駆逐して戦い終わりました」
ペトラ「なーんだ終わったんだー」
ペトラ「ってんなわけあるかー!!」
オルオ「おいエレン、冗談も大概にしねぇと……」
エレン「本当ですって!」
ペトラ「じゃあどうしてエレンが居るのよ?」
エレン「あ、俺は自殺です」
ペトラ「」
エレン「えっと、次はリヴァイ兵長のことですが……」
ペトラ「待って待って!自殺?自殺って言った!?」
オルオ「おいガキンチョ、それはどういうことだ?」
エレン「ここでやりたいことがあるから自殺しました」
ペトラ「あーうん、なんか色々ツッコミたいけどもういいわ……」
ペトラ「で、兵長はどうなったの?」
エレン「兵長は元気……というよりいつも通りですかね?」
エレン「俺が最後の巨人だったんで、兵長とはよく……というかほぼ毎日お会いしてましたけど、あまり変わらないですね」
ペトラ「進みすぎて頭がついていかない……」
エレン「ちなみに俺はアルミンともう一人ミカサっていう家族と一緒に暮らしてるんですけど、兵長が用事ある場合はミカサが俺担当です」
アルミン「なんかそこら辺緩いよね」
エレン「まぁもう巨人化する必要ないしな」
マルコ「怒らないで聞いてほしいんだけど、緩すぎると思う」
オルオ「とりあえずリヴァイ兵長は無事ってことだろ?流石はリヴァイ兵長!」
オルオ「人類の希望って名はダテじゃねぇってこった」
オルオ「そのお姿……もっとこの目に焼き付けておきたかったぜ」
ペトラ「ちょっとオルオ黙れ」
エルド「じゃあ何か?兵長一人置いてきちまったのか俺達は……」
エレン「あ、大丈夫ですよ?俺帰れますし」
エルド「」
アルミン「エレン……あんまり爆弾投下するの止めようね?」
エレン「なんだよ爆弾って……」
ペトラ「あーもう何がなんだか分からない!!」
オルオ「つまり、エレンはこっちでやることがあって自殺して」
オルオ「元の世界は戦いが終わり」
オルオ「兵長はご健在、ってことだな」
グンタ「まぁ簡単に言えばそうなるな」
オルオ「分かったかペトラ?ここだけおさえときゃいいんだよ」
ペトラ「なんかすっごい腹立つ」
エレン「そこで皆さんにお聞きしたいことがありまして」
オルオ「あ?なんだ?俺のカッコいい訓練兵時代のことか?しょうがねぇな、耳の穴かっぽじって良く聞けよ」
ペトラ「オルオ、黙れ」
エレン「あ、えっと……皆さんの願い事です」
アルミン「僕達はそれを叶えなくてはいけないんです」
エルド「それがやりたいこと、って訳じゃねぇんだな」
アルミン「そうですね、準備段階という所でしょうか」
ペトラ「願い事かぁ……」
エレン「やっぱりリヴァイ兵長絡みですか?」
ペトラ「うーん……」
オルオ「あ、スカーフ……」
オルオ「兵長に何度かスカーフ借りたんだが、全く返せてねぇ」
ペトラ「あぁ、アンタ良く舌噛んでるから、たまに自分のじゃ足りなくなっていたわね」
エレン「なるほど、スカーフですね」
オルオ「お前それ渡せるのか?」
エレン「渡せますよ」
アルミン「エレン、君が生き返れることを知っているのってミカサとジャンくらいだよ?」
マルコ「エレンがそこら辺歩いていたら大混乱になるね」
エレン(やべぇさっきちょっと走っちまった……)
アルミン「まぁ、ちょっと可哀想だけどジャンに頼めば良いかな……」
エレン「また文句言われるぞ」
マルコ「きっと仕事はしてくれるから大丈夫だよ」
オルオ「つまり、スカーフの借りは返せるってことで良いんだな?」
エレン「あ、はい」
ペトラ「じゃあ私もおつかい頼もうかな」
ペトラ「言葉には出さなかったんだけど、兵長が気に入ってくれた紅茶があってね、それを届けてほしいの」
エルド「なら俺は掃除用具だな……はたきとかどうだ?」
グンタ「酒でも良いかもな、エルヴィン団長やハンジ分隊長達と飲める」
エレン「では、スカーフと紅茶とはたきと酒ですね」
マルコ「リヴァイ兵長のキャラが分からないよ……」
アルミン「うん、本当にそう思うよ」
オルオ「しっかしよぉ、どうやってその、ジャンとか言う奴に頼むんだ?」
エレン「あ、普通に話し掛けるだけですよ」
エレン「おい、ジャン!!」
ミカサ『エレン、私はジャンではなくミカサ』
エレン「まぁこんな感じで」
ペトラ「今違う人だったよね?ミカサって言ってなかった?エレンの家族の方が出ちゃったけど……」
エレン「問題ありませんよ」
ペトラ「大丈夫なんだ…」
少ないですが今回はここまで!
>>83
一番下に追加お願いします
エレン「あれ?……って、さっきのはお前らが行かせたんだろうが!」
進めます
ミカサ「ジャン、一つ聞きたいことがある」
ジャン「なんだ?」
ミカサ「この花を持っていればエレンやアルミンと話せるの?」
ジャン「まぁ、そういうことらしいな」
ミカサ「そう……」ジー
ジャン「……………」
ミカサ「……………」ジー
ジャン(やべぇミカサ可愛い)ドキドキ
ジャン(じゃなかった)
ジャン「分かった、花採ってきてやるよ」
ミカサ「ありがとう、私は家を守らなければいけない」
ミカサ「ので、とても助かる」
ジャン「はぁ、あのままミカサと二人きりじゃ身が持たねぇ」
ジャン「いや、二人きりは嬉しい、滅茶苦茶嬉しい」
ジャン「だが、ただでさえこの疲労してるこの身体じゃ持ちそうにねぇ」
ジャン「あ、栞ミカサが持ったままだ」
ジャン「…………まぁいいか」
ジャン「つーかなんでこんな訳分からんことに付き合わされてんだ俺は……」
オーイ ジャン
ジャン「そもそもなんで俺が死に急ぎ野郎のパシリまがいみたいなことしなきゃいけねぇんだよ!」
ジャーン アレ?
ジャン「くっそ、タダ働きはごめんだぜ?エレンさんよぉ…」
コニー「おいジャンってば!」
ジャン「おわっ!?コニー!おまっ、どっから沸いて出た!?」
コニー「はぁ?人間が湧いて出るわけないだろ、なに言ってんだよジャン?」
ジャン「疲れてる時にとてつもなく疲れる奴が来やがった……」
コニー「で、ジャン!お前エレン見なかったか?」
ジャン「はぁ?」
コニー「噂になってるぞ、エレンの幽霊がここら辺走ってたって」
コニー「さっき俺もサシャから聞いてさ、手分けして探してるところだ!」
ジャン「ははっ……まじかよ、何やってんだアイツは……」フラ
コニー「おい大丈夫かよジャン!?」
ジャン「どんだけ問題起こせば気が済むんだよ……」
ジャン「そろそろ過労死するぞ……はっはっはっ、簡単に戻って来れないだろざまーみろ」フラフラ
コニー「ジャンが壊れた……」
ジャン「……ああくそ!なんで俺がこんな目にあわなきゃいけねぇんだよ!」ダンッ
コニー「さっきからおかしいぞ?どうしたんだよジャン?」
ジャン「どうしたもこうしたもねぇ!あの死に急ぎ野郎に一泡吹かせてやる!」
コニー「……!」
コニー「ジャン、お前ひょっとして……」
コニー「エレンが居なくなって寂しいのか?だからそんな、まるで生きてるみたいなこと……」
ジャン「えっ」
コニー「ごめんなジャン…俺馬鹿だから今までそんなこと気付けなくて……」
ジャン「待てコニー」
コニー「そうだ!今度皆で遊びに行こうぜ!美味いモン食って楽しもうぜ?なっ?」
ジャン「俺の周りは話を聞けない馬鹿しかいないのか」
コニー「だから元気だせよジャン!」
ジャン「もう放っておいてくれ……」
サシャ「コニー!あ、ジャン、一緒だったんですね!」ムシャ
コニー「サシャ!見つけたのか?」
サシャ「いえ、まったく」モグモグ
サシャ「ただ、雑貨屋のおばちゃんが髪ゴム買ってったって言ってましたよ」ゴックン
コニー「アイツ結ぶ必要ないだろ?なんでそんなもの買ったんだ?というか幽霊って物に触れるのか?」
ジャン「あぁ、それは……」
コニー「それは?」
ジャン(いや、コイツら相手じゃ説明に一日単位で消費しちまう!)
ジャン「なんでもない、忘れてくれ」
コニー「なんだよジャン!」
サシャ「ジャン、嘘は良くないですよ?」モグモグ
ジャン「気のせいだ」
コニー「ジャン…お前疲れてんだよ……」
ジャン「その通りだよ!!!」
サシャ「いえ、コニー!これは嘘をついてますね!」ムシャア!!
ジャン「」ビクッ
コニー「どういうことだよサシャ!」
サシャ「ジャンは何か知ってます!私の勘がそう告げてます!」モグッ
コニー「なんだと!?」
サシャ「さぁ白状しなさいジャン・キルシュタイン!私の目は誤魔化せませんよ!」
ジャン「い、いや、何でもねぇって」
ジャン(嫌だ!コイツらに説明はじめたら本当に死んじまう!)
ジャン(誰か助けてアッカーマン!)
コニー「サシャがここまで確信してるんだから逃げられるわけないだろ!」ガシッ
サシャ「素直になったほうが身のためですよ」ベチャ ガシッ
ジャン「おい止めろ離せ!サシャてめぇその手でさわんじゃねぇよ!」
サシャ「ほらはっやっく!吐け!」グイッ
コニー「そうだぞはやく吐けよ!」グイッ
ジャン「止めろ揺らすな違うもん吐くぞ」ウエッ
コニー「吐けば楽になれるんだぞジャン!?」グイッ
サシャ「今日のジャンはしぶといですね」グイッ
ジャン「おい……やめっ……」クラッ
ジャン(あぁ、最後はミカサの姿が見たかった……)
ジャン「」ドサッ
コニー「あ」
サシャ「あ」
ジャン「」
コニー「やべぇジャン逝くな!いくらエレンに会いたいからってそれはないだろ!?」
サシャ「ジャン!冗談止めてくださいよ!」
コニー「お、おいどうすんだよサシャ……」
サシャ「わ、私に聞かれてもそんな……」
コニー「はっ、医者!お医者は居ませんかー!!」
サシャ「助けてくださーい!」
コニー「そうだ!ミカサ!ミカサが来ればジャンも起きるだろ!」
サシャ「でもコニー!ミカサはずっと家に引きこもってしまって……」ガシッ
ジャン「うるせぇよ……」
サシャ「死体が喋ったあああああ!」
コニー「ジャン!頼むから成仏してくれよ!俺たちが悪かったから!」
サシャ「ごめんなさいごめんなさいだからどうか祟らないでください!!」
ジャン「勝手に殺すな馬鹿コンビ……」
ジャン「チクショウ……なんで俺はこんなことしてんだ……」
ジャン「いや、俺はミカサの為に花を……」ハッ
ジャン「そうだ花!馬鹿に構っている暇はねぇ!」
ジャン「コニー!サシャ!お前らは帰れ!エレンの幽霊になんか会えはしねぇよ!じゃあな!」ダッ
コニー「お、おい!ジャン!?」
サシャ「どこ行くんですか?ちょっと待ってくださいよ!」
コニー「逃げられたな」
サシャ「そうですね」
コニー「つーか何食ってたんだ?」
サシャ「蒸かした芋です!」バッ
コニー「帰るか」
サシャ「そうですね」
ミカサ「さて、一人になってしまった」
ミカサ「ジャンが栞を置いていってしまったけれど、私が預かっておこう」
ミカサ「………………」チラッ
ミカサ「エレン達からの連絡はない」
ミカサ「………………」
ミカサ「………………」
ミカサ「栞を作る準備でもしておこう」ガサゴソ
ミカサ「終わってしまった……」
ミカサ「さっきまでエレンとアルミンの死を嘆いていたと言うのに、今ではこんなにも退屈」
ミカサ「でも」
ミカサ「アルミンは帰ってくると言った」
ミカサ「アルミンは約束を守る」
ミカサ「なら、待たなければ、二人の帰りを」
ミカサ「………………」チラッ
ミカサ「エレン達からの連絡はない」
ミカサ「………………」
ミカサ「この世界は退屈だ」
ミカサ「……!今、誰かが私を呼んだ気がする」
ミカサ「ごめんなさい、私は家を守らなければならない」
ミカサ「……?何か落ちてる?」チョイ
ミカサ「これは、水鉄砲?」カチャ
ミカサ「ジャンの物だろうか?」
ミカサ「………………」スタスタ
ミカサ「ぱーん」ビュルルルル
ミカサ「」
ミカサ「家の中だった」フキフキ
ジャン「はぁ、はぁ……ついた……」
ジャン「そんなに時間も経っていないはずなのに、どうしてこんなに長く感じるんだよ」
ジャン「くそっ」
ジャン「花、花…これか」ブチッ
ジャン「………………」チラッ
ジャン「なんだこの罪悪感…」
ジャン「いや、しょうがない、しょうがないんだこれは」
ジャン「ミカサを待たせてんだ、さっさと戻らねぇと!」
今回はここまで!
>>104
オツカレ!楽しみにしてる
ありがたや、ありがたや……
10レス程度ですが進めます
ミカサ「外でやる水鉄砲は、一直線かつ全く飛んでいなさそうに見えるというのに…」フキフキ
ミカサ「室内でやるとこんなにも散らばるとは」キュッキュッ
ミカサ「壁で跳ね返ってさらに広がっている」フキフキ
ミカサ「思わぬところにまで飛んでいるのが困りもの」キュッ
ミカサ「何よりも、水鉄砲の威力が予想よりも強かった」フゥ
ミカサ「"ジー"と"ビー"という音が合わさった何とも言えない曖昧な効果音と共に飛んでいくと思ったのに…」ゴシゴシ
ミカサ「"ビュルルルル"はないと思う」
ミカサ「そういえば、はじめ家に帰ってきた時エレンは濡れていた」
ミカサ「混乱して聞きそびれていたけれど、ひったひたのべちょべちょだった」
ミカサ「ジャン、エレンが濡れていたのは貴方のせいなの?」
ミカサ「正直、貴方達二人が水鉄砲で遊ぶような仲には見えない」
ミカサ「むしろこういったものはコニーの方が似合っている、と思う…」
ミカサ「……ではなく、エレンをいじめたのならば、私は貴方にしかるべき報いを与えなければならない」
ミカサ「しかし、エレンの蘇生の件もある」
ミカサ「ので、内容次第では特別に許そう」
ミカサ「………………」
ミカサ「考え事をしている場合ではなかった」フキフキ
ミカサ「…大体拭き終わっただろうか?」フゥ
ミカサ「皮肉にもだいぶ退屈しのぎになった」
ミカサ「あとは待つだけ」
ミカサ「………………」
ミカサ「エレンもアルミンも私を待たせてばかりいる」
ミカサ「男というのはそういうものなのだろうか…」
コンコンガッ イテッ
ミカサ「誰?」
ジャン「はぁ…はぁ……俺だ…入っても、大丈夫か…?」
ミカサ「どうぞ」
ミカサ(どうやら違うらしい)
ジャン「悪いなミカサ…はぁ……少し、遅くなっ…げほっ…」ガチャ
ミカサ「気にしなくていい、思っていたよりも全然早い」
ミカサ「だから落ち着いて」
ジャン「……あぁ、もう大丈夫だ」
ジャン「花はこれな」スッ
ミカサ「ありがとう」
ミカサ「ジャン、戻ってすぐで申し訳ないけれど、貴方に聞かなくてはならないことがある」
ミカサ「この水鉄砲は貴方の物だろうか?」
ジャン「いや、それはマルコのだ」
ミカサ「そう、ならあと二つだけ…」
ミカサ「エレンを濡らしたのはジャンなの?もしそうなら理由を、違うのならばやった人を教えて」
ジャン「あぁ、それは…」
ジャン(正直に言ったら、やっぱり怒られるよな)
ジャン(だが、嘘をついたらバレた後が怖そうだ…エレンに確認されたらすべて終わりだ)
ミカサ「ジャン?」
ジャン(となると、正直に話すのが一番マシか)
ジャン「そうだ、俺がやった」
ミカサ「それは何故?」
ジャン「そん時はまだ、蘇生の方法が曖昧だったんだ」
ジャン「だから試しにやった」
ジャン「別にアイツで遊ぶためにやった訳じゃねぇよ」
ミカサ「なるほど…」
ジャン(この反応はどうなんだ?分かんねぇ…)ビクビク
ミカサ「ジャン」
ジャン「はい!」ビクッ
ミカサ「特別に許そう」
ジャン(助かった…)
ミカサ「それと、これも貴方に」カチャ
ミカサ「マルコの物なら貴方が持っているべき」スタスタ
ミカサ「どうっ……ぞっ!?」ツルッ
ミカサ(しまった!)グッ
ミカサ(よし)キュッ
ミカサ(はっ、水鉄砲が…!)スポーン
ミカサ「くっ」ガシッ
ミカサ(着地)スチャ
ミカサ(…!手がすべっ…!?)ツルッ ギュッ
ミカサ「あっ」ビュルルルルル
ジャン「」ビチャビチャ
ミカサ「」
ジャン「」ポタポタ
ミカサ「」
ジャン「」ポタポタ
ジャン(それは、一瞬の出来事だった)
ジャン(珍しくミカサがバランスを崩した)
ジャン(だが、流石はミカサ、一瞬で体勢を立て直す)
ジャン(しかし、足を滑らせた瞬間に手から離れた水鉄砲…ヤツの存在がミカサを狂わせた)
ジャン(だが、流石はミカサ、無理な体勢にも関わらず、見事水鉄砲を空中で捕まえ一瞬で立て直す)
ジャン(ただ一つの欠点、それは…水鉄砲を手に取る力加減を間違えたことだ)
ジャン(その間俺は何をしていたって?)
ジャン(俺か?俺はな…)
ジャン(ミカサの動きに見とれてました)
ミカサ「あ、あのっ…」
ミカサ「ごめんなさい、こんなつもりでは…」
ジャン「いや、良いんだ…気にすんな……」ポタポタ
ミカサ「でも…」
ジャン(ミカサが水鉄砲を手に取った瞬間から分かってたはずだ)ポタポタ
ジャン(顔へ誤射されることくらい)ポタポタ
ジャン「とりあえず、拭くもの借りれるか?」
ミカサ「分かった…」
ミカサ(気まずい)
短くてスイマセン
今回はここまで!
乙!
ジャンはびしょ濡れになる運命なのか…哀れwww
続き期待
ひそやかに…こってりと…
少し進めます
ミカサ「本当に申し訳ないことをした」
ミカサ「他に必要なものがあれば遠慮せずに言ってほしい」
ジャン「いや、タオルだけで充分だ」フキフキ
ジャン「こう言っちゃなんだが、お陰で目が覚めたというか、さっきより体調が良くなったというか…」ハッ
ジャン(って、これじゃあ変態じゃねぇか!俺ってそんな趣味…いや、ない、ないはずだ…!)
ジャン「悪い、今の発言は忘れてくれ」
ミカサ「断る」
ジャン「なっ!?」
ミカサ「体調が良くなった?それは、今まで調子が悪かったということ?」
ジャン「いや、その…」
ミカサ「正直に答えて」
ミカサ「貴方は体調が悪かった、違わない?」
ジャン「その通りです」
ミカサ「なら、ちゃんと休まなきゃだめでしょ?」
ジャン「いや、でもマシになって…」
ミカサ「だめでしょ?」ズイ
ジャン「はい」
ミカサ「ソファーで申し訳ないけれど、自由にくつろいでもらって構わない」
ジャン「お、おう」
ジャン(これは、一応心配してくれているってことでいいのか?)
ジャン(ミカサが俺を心配…)ニヤ
ジャン(あ、やばい、元気になった分頭も回って色々やばい)ニヤニヤ
ミカサ「ジャン、顔がにやけている…」
ミカサ「妄想がどんな内容かは聞かないけれど、そういうのは一人の時にやるべきではないだろうか」
ジャン「」
ジャン(見られた、ひかれた…やっちまった……)
ジャン「悪かった、できれば見なかったとこにしてくれ…」
ミカサ「分かった」
ミカサ(さて、少し放置してしまっていたけれど、もう一つの栞を作ってしまおう)サッサッ
ミカサ(準備をしておいたお陰ですぐにできる)スゥ
ミカサ「ふっ!」バチーン
ジャン「」ビクッ
ミカサ(よし)ペラペラ
ミカサ(あとは簡単)サッサッ
ミカサ(できた)ジャーン
ミカサ(エレン、これでいつでも話すことができる)
ミカサ(私はいつでも準備はできている)
ミカサ(ので、いつでも話し掛けてくるといい)
ミカサ「………………」
ミカサ(来ない…)シュン
エレン『おい、ジャン!!』
ミカサ(来た!)ガタッ
ミカサ「エレン、私はジャンではなくミカサ」
ミカサ(エレンの声はやはり落ち着く)
エレン『ミカサ、ジャンは?』
ミカサ「休憩中」
エレン『休憩?何かしてたのかお前ら?』
ミカサ「いえ、実は体調が悪かったらしい」
ジャン「ミカサ、もう別に悪い訳じゃ…」
ミカサ「休むべき」
ジャン「はい」
ミカサ「そうだ、貴方の栞を返しておく」スッ
ジャン「そういやそうだった、ありがとな」
ジャン(これってミカサの手作りした物をプレゼントされたって考えでも間違いじゃないよな…!)ドキドキ
ジャン(生きててよかった…)ドキドキ
エレン『おっ、すげぇ、二人同時とか行けるのかこれ』
ジャン(おい邪魔すんな)
アルミン『近くにいる場合ならできるみたいだね』
アルミン『花は必要だけど』
ジャン「で、今度は何だよ」
アルミン『あれ?ジャン、思ったよりも乗り気なんだね』
ジャン「流石にここまでやっておいて投げ出すなんざしねぇよ」
ジャン「ただし、それなりの報酬は用意しろよ?死に急ぎ野郎」
エレン『俺、お前が貰って喜びそうなものとか何も持ってないぞ?』
ジャン「報酬は物だけじゃないだろ」
エレン『…………俺そんな趣味ない……』ガタガタ
ジャン「ちげぇよ!気持ち悪い勘違いしてんじゃねぇ!!」
ミカサ「ジャン…」
ジャン「ミカサ…頼むからお前が勘違いするのだけは本当に止めてくれ……」
ミカサ「冗談」
アルミン『二人供少し仲良くなった?』
エレン『そうか?』
ミカサ「よく分からない…」
アルミン『良かったねジャン、ってマルコが言ってるよ』
ジャン「おう」
エレン『で、ジャン、ちょっとリヴァイ兵長のところまでおつかい頼む』
ジャン「はぁ!?」
ジャン「蘇生じゃねぇのかよ!いやあれ疲れるからやりたくねぇけど!」
アルミン『へぇー、疲れるんだ』
ミカサ「体調崩していたのはそれのせい?」
ジャン「かもな」
アルミン『つまり、体力みたいなものを消費して蘇生してるってことかな』
ジャン「俺もそう考えてたところだ」
エレン『じゃあ体調悪くなったのって俺のせいか…俺のせいなのかそれ……』
ジャン「まぁそうなるわな」
エレン『ごめん…』シュン
ミカサ「ジャン、私からも謝る」
ミカサ「ごめんなさい」
ジャン「べ、別に責めるために言った訳じゃねぇよ!」
ジャン「俺はただ思ったことを正直に言っただけで…!」
アルミン『うん、分かるよマルコ、完全にツンデレってヤツだよね』
エレン『えっ、気持ち悪っ!』
ジャン「ふざけんな、お前はマジでふざけんな」
ミカサ「季語がない」
アルミン『ところでジャン、今動けそうなの?』
アルミン『さっきエレンが言った通りおつかいを頼みたいんだけど…』
ジャン「今は全然マシになったし、行けないこともな…」
ミカサ「だめ」
ミカサ「休むときはきちんと休むべき」
ミカサ「そうでしょアルミン?」
アルミン『そうだね、ミカサの意見は正しい』
エレン『じゃあどうすんだよ?』
ミカサ「私が行こう」
エレン『ミカサが!?』
ミカサ「ジャン、私が行っている間、この家を守っておいてほしい」
ジャン「待てよ、本当に俺はもう大丈夫なんだって!」
ミカサ「だめ、貴方は休むべき」
ミカサ「休め」
ジャン「」
ジャン「待ってくれ、とりあえず少し話を聞いてくれ」
ジャン「特にアルミン、お前の意見がほしい」
アルミン『うん、僕でいいなら喜んで
』
ジャン「ミカサ、さっき俺は水を掛けられただろう?」
ミカサ「申し訳ない…」
ジャン「いや、あれは事故だからいい」
ジャン「だが、その後からなんだか体調が良くなった」
ジャン「自分の性癖が異常なのかとも疑ったが…」
ジャン「これは違う、絶対違う」
ジャン「アルミン…何か分からないか?」
アルミン『水か…』
エレン『何で水なんか掛けたんだよミカサ?』
ミカサ「マルコの水鉄砲を渡そうとしたら事故が起きた」
アルミン『水鉄砲ね…』
ジャン「どうだ?」
アルミン『ちょっと考える時間がほしいかな』
アルミン『マルコにも少し聞きたいことがある』
ジャン「了解、頼んだぜ」
今回はここまで!
微ホラー注意
進めます
アルミン「マルコ、そもそも水鉄砲ってどこで手にいれたものなの?」
マルコ「小さなおもちゃ屋だよ、ヨボヨボのお爺さんが一人でやってるところの」
マルコ「そこのクジで当たったんだ」
アルミン「なるほど」
アルミン「ごめんマルコ、話は少しずれるけど聞きたいことがある」
マルコ「なんなりと」
アルミン「君ってさ…
どうしてこっちではなく向こうの世界にいたの?」
マルコ「そこかー、うん、簡単に言えばジャンに憑いてただけだよ」
エレン(うわなにそれこわい)ガタガタ
アルミン「じゃあ次、どうして物に触れるの?」
アルミン「水鉄砲は君の物…ということは、君は物を持つことができる」
アルミン「エレンをこっちに戻すために石を使ったりしてたよね?」
マルコ「それは、僕が触りたいと思ったものは触れるようになるんだよ」
マルコ「ちなみに僕が見えてほしいと思った人にも見えるようになる」
マルコ「ジャン以外から見たらポルターガイストってヤツになるかもね」
エレン(なにそれ色々怖い)ガタガタ
アルミン「おもちゃ屋のお爺さんはどうやって?見えるようにしたの?」
マルコ「してないよ、顔を見たことがある人じゃないと事前に相手を指定できないんだ」
マルコ「お店の前で急に人が湧いたらお爺さんがビックリしてしまう」
マルコ「だからクジは僕が選んでジャンがひいた」
アルミン「なるほどね…」
マルコ「あれ?そういえばエレンが見えるようにはしてないけど見えてたよね?」
アルミン「既に一同死んでるから、とか?」
マルコ「じゃあそれで」
エレン(えっ?それでいいの?えっ?やだこの人たち怖い)ガタガタ
アルミン「うーん、何か特別な水鉄砲だと思ったんだけど…」
アルミン「ジャンの体力を回復させる力がある、水鉄砲…」
ジャン『水鉄砲当てた店の中は特に怪しい雰囲気なんて無かったぞ』
ジャン『まったくマルコの奴……無理矢理つれていきやがって……』
マルコ「あぁ、俺はおもちゃ屋なんてガキ臭いところ行きたくねーって騒いでたなぁ」
マルコ「祟るぞって言ったら黙ったけど」
エレン「」
エレン「ペトラさーん!俺もトランプタワー作って遊びます!」
ペトラ「分かった!分かったから静かに!今いいところなの!」
アルミン「うーん…」
マルコ「まぁ本気で祟るつもりなんか無かったけどさ」
ジャン『マルコって変なとこガキっぽいよな』
マルコ「祟るぞ」
アルミン「ジャン、言動には注意することをおすすめするよ」
ジャン『えっ』
アルミン「さて、次は水鉄砲の中身だ」
ジャン『おい待てよアルミン!マルコは何て言ったんだ!?おい!』
マルコ「そこら辺の水使っているから関係ないと思うよ」
アルミン「そっか…」
マルコ「あ、エレンの血が混ざちゃってたりして」
エレン「」ビクッ
ペトラ「あー、エレン、崩れちゃったよ?」
エレン「ちょっと休憩で…」スクッ
オルオ「言葉に動揺するようじゃ、まだまだだなエレン」
アルミン「エレンの血?」
ジャン『は?いきなり何だよアルミン、血って…』
マルコ「はじめやっちゃった時に少し返り血が手にね…」
マルコ「固まると嫌だし洗ったけど、ついでに水も補充したんだよ」
マルコ「ひょっとしたら…」
アルミン「えっ、じゃあ水鉄砲の中身はエレンの血液入り?」
エレン「」
ジャン『おい……今なんか……アルミン、笑えない冗談はよせよ…!』ガタッ
アルミン「僕じゃなくてマルコだよ」
エレン「いやっ…いや……えっ…あ……」ガクガク
マルコ「回復もそれのせいで、エレンだけしか蘇生できないのもそれのせ…」
エレン「やめろぉぉぉぉぉ!!!」
オルオ「」ビクッ
ペトラ「動揺するようじゃ、まだまだね」
エレン「やだ!やだやだ!嘘だろマルコ!そんなん嫌だ!」グスッ
ジャン『は?この反応ってことはマジなのか…?冗談だろ…』
ミカサ『エレンの血…』
エレン「なんで?マルコ嘘だよな!嘘なんだよな?」グスッ
エレン「嘘だと言ってくれよ…」ポロッ
マルコ「嘘だよ、ごめんね」
エレン「嘘かよ馬鹿!!何だよもう!!」ポロポロ
エレン「うっ…良かった……良かったぁ……」ゴシゴシ
マルコ(ごめん、わりと本気で言ったんだけど…)
ジャン『おいアルミン…嘘なのか……?こっちにゃマルコの声が聞こえねぇんだよ……』
アルミン「あー、うん、嘘だったよ」
アルミン「安心して?ねっ?」
ジャン『ははっ…だよな、勘弁してくれよそんな冗談……』フラ
アルミン(マルコ…)チラッ
マルコ(ごめんねアルミン…)
アルミン(だよね、本当だとは言えないよね…)
アルミン(相手がミカサならまだ喜んでくれる可能性もあったのに…)
ミカサ『私はそんなに病んでない』
アルミン「えっ!?」
ミカサ『なんとなくそう思っただけ』
アルミン「う、うん」
アルミン(ミカサ怖い)
ミカサ『エレン、大丈夫?』
エレン「ん……」ゴシゴシ
ミカサ『そう、なら良かった』
ミカサ『マルコ、エレンをあまりからかわないであげてほしい』
マルコ「ごめんね、もうしないって伝えてもらえるかな」
アルミン「うん…ミカサ、ごめん、もうしないってさ」
ミカサ『ちゃんとエレンに謝るならいい』
マルコ「そうだね、本当にごめんよエレン…」
エレン「うん……大丈夫だ…」
マルコ「アルミン、ジャンにもお願い
」
アルミン「ジャン、マルコがごめんねって」
ジャン『あぁ…』
アルミン「さ、さて、水鉄砲の秘密はもういいかな」
アルミン「偶然おもちゃ屋さんに紛れこんだ摩訶不思議アイテムかもしれないし」
アルミン「むしろ全く関係ないただのおもちゃかもしれないし、ね?」
マルコ「うん…そうだね」
アルミン「」
アルミン「なんでマルコまで暗くなってるのさ!」
アルミン「僕だけ浮いてるじゃないか!」プンプン
マルコ「ははっ、アルミンは元気だなぁ」
アルミン「一応死んでるけどね」
マルコ「そうだった」
マルコ(ありがとうアルミン)
マルコ(まぁ、さっきのもあくまで仮定だし、間違っていたってことにしよう)
マルコ(最初に生き返った理由もないし)
今回はここまで!
乙!
押し花の栞って乙女チックなものだと思ってた頃もありました
ミカサさん、さすがです
ありがとうございます
少し進めます
アルミン『ジャン、この話はもういいよね?』
ジャン「あぁ」
アルミン『うん、じゃあおつかいの話に戻ろうか』
ジャン(悪いなアルミン…)
ジャン(そんなバレバレの嘘に騙されんのはエレンみたいな奴だけだぜ…)
ミカサ「マルコのセンスもなかなかのもの」
ミカサ「今度是非怖い話を聞かせてほしい」
ジャン「」
アルミン『おつかいに出てくれるのはジャンとミカサ、どっちかな?』
ジャン「俺が行く、こういう時は男が働くもんだろ」
ジャン(気分転換もできるしな)
アルミン『ミカサ、いいよね?』
ミカサ「そこまで言うなら……ただ、無理はしないと約束してほしい」
ミカサ「貴方が倒れてしまっては困る」
ミカサ(エレンが)
ジャン(ミカサが俺を必要としている…!)
ジャン「おう、約束する」
アルミン『うん、それならジャン、よろしくね』
ジャン『で、おつかいの内容は?』
アルミン「今から言うものを届けてほしいんだ、ね?エレン」
エレン「あ、あぁ…そうだな…」
アルミン(エレンは信じてくれているみたいだけど、やっぱり少し元気がないな)
アルミン(ミカサはボクの言葉を完全に信じてくれているみたいだ)
アルミン(ジャンはおそらく気付いてる、かな…)
アルミン(君なら気付いてもおかしくはないだろう)
ジャン『はぁ…お前はいつまでくだらねぇ嘘引きずってんだよ』
エレン「ほっとけよ…」
ジャン『こっちの気分も考えろって言ってんだよこの泣き虫』
エレン「なっ!?泣いてなんかねぇよ!」
ジャン『いくらなんでもそれは無理があるだろ』
アルミン(わざと煽って元気を出そうとしているのか、ジャン)
アルミン(確かにエレンには効果的かもしれない)
アルミン(君って人は…)
ジャン『あー情けねぇー』
エレン「なんだとこの野郎!」
ジャン『悔しかったら泣いてなかったって証明してみろよ』
ジャン『エ・レ・ンちゃん』ベー
エレン「ジャン、てめぇ…!!」ギリッ
アルミン(流石ジャン、エレンが噛みつきそうな台詞をすらすらと…)
アルミン(だてに何度もエレンと喧嘩していた訳じゃないんだね!)
ミカサ『やめなさい』ビュルルルルル
ジャン『』ビチャビチャ
アルミン「」
アルミン(ミカサ…!?このタイミングでそれをやってしまうのか!)
アルミン(いや、ミカサは完全に冗談だと信じた上で、この場を和ませるためにやってくれている!)
アルミン(でも、ジャンが気付いているとしたら…)
アルミン(その行動は地雷どころじゃ済まないぞ…!!)
アルミン「ジャン…?」
ジャン『』ポタポタ
アルミン「ジャン!」
エレン「おいアルミン、そんなに慌ててどうしたんだよ…」
アルミン(あぁ、この反応…完全にジャン気付いてるよね)
アルミン(変に取り乱さないのは彼の認識力のお陰か)
アルミン(……エレンが不安がっている、僕は…!)
アルミン「何でもないよ、予想外過ぎて驚いただけだ」
エレン「アルミンから予想外って言葉が出るのはなんだか珍しいな…」
アルミン「あはは、そんなことないよ」
アルミン(よし、エレンはかわせる!)
アルミン(後はジャンをどうにかしないと)
アルミン「ジャン、大丈夫?鼻にでも入ったのかい?」
アルミン(頼む!返事をしてくれ!)
ジャン『はっ…まさかミカサにやられるなんてな……』
アルミン(喋ったけどこれ僕に対する返事じゃないや)
ミカサ『物理的な何かができないとしても、喧嘩はダメ』
ミカサ『水をかけたのは申し訳ないけど、他に方法が思い付かなくて無理矢理止めさせてもらった』
アルミン(無理矢理で済めば良かったんだけどね、でもミカサは僕を信じた結果だ…)
アルミン「とりあえずタオルでも貸してあげてよ」
ミカサ『すぐに持ってくる』
エレン「なんだこの煮え切らない感じは…」
アルミン「もういいでしょエレン、君の簡単な挑発に乗ってしまうところはどうにかしないと」
エレン「挑発してくる奴が悪い」ムスッ
アルミン「昔からそこは子供のままなんだね」
エレン「なんだよアルミン…!」
アルミン「ほら、今乗ったでしょ?」
エレン「うっ……なんかアルミン辛口だな…」
アルミン「ははっ、そんな時もあるよ」
アルミン(よし、いつものエレンだ)
ミカサ『ジャン、使って』
ジャン『……おう…』
アルミン(ジャン…)
ミカサ『なんだか元気がない』
ミカサ『ジャン、私だって水を掛けられるのは嫌、簡単に分かることなのに…』
ミカサ『他の方法が思い付くまで考えるべきだった』
ミカサ『本当にごめんなさい』
ジャン『そんなに謝るこたねぇよ…』
ジャン『エレン、悪かったな』
エレン「は?えっ?…お、俺も、その、ごめん……?」
エレン(嘘だろジャンが謝った……)
アルミン(ジャン…相当キてるよね……)
アルミン(ごめん、どうにかしてあげたいけど、どうにもできそうにない…)
アルミン(僕はなんて無力なんだ!)
ジャン『おい、アルミン』
アルミン「えっ?あ、何!?」ビクッ
ジャン『大丈夫だ』
アルミン「うん…」
アルミン(ジャン、今の君は最高に格好いいよ!)
アルミン(顔びしょ濡れだけど)
ジャン「はぁ…」フキフキ
ジャン「さてと、回復までしちまったし、そろそろ行くか…」
エレン『回復したわりには元気そうに見えねぇよ』
ジャン「うるせぇ、テンションが上がるわけじゃねぇんだよ」
ジャン(むしろどん底まで落ちてるわ)
ジャン「ミカサ、タオルありがとな」
ミカサ「いえ、私のせいなので礼は要らない」
ジャン「ははっ、そうかよ…」
ジャン「じゃ、行くとしますか…」
ミカサ「ジャン、行ってらっしゃい」フリフリ
ジャン「」
ジャン「行ってきます!」
ジャン(よっしゃ!もうそれだけで充分だぜミカサ!)
今回はここまで!
サブタイはジャンと愉快な仲間達
進めます
アルミン『僕達はジャンの方へ繋いでしまうけど、ミカサは何してるの?』
ミカサ「洗濯と掃除、後は食事を作ろうと思う」
アルミン『ミカサのご飯…久しぶりに食べたいな…』
ミカサ「早く帰ってくるといい、その時は喜んで沢山作ろう」
エレン『俺食う時だけ帰っちゃダメか?』
アルミン『ジャンに怒られるよ』
ミカサ「エレン、帰ってきてほしいけれど、アルミン一人を残してはダメ」
エレン『ちぇっ、分かったよ…またな、ミカサ!』ブツッ
アルミン『じゃあミカサ、僕もそろそろ…』
ミカサ「うん、いってらっしゃい」
アルミン『ふふ…行ってきます』ブツッ
ミカサ「さて、掃除から始めよう…」
ジャン(ミカサが行ってらっしゃいって!ミカサだぞ?これが舞い上がらずにいられるか!)スタスタ
ジャン「っしゃ!」グッ
エレン『何だよジャン』ビクッ
ジャン「うっさいお前は黙ってろ」
エレン『はぁ!?』
アルミン『まぁまぁ、落ち着いてよ二人供』
アルミン『ジャン、周りからは独り言にしかみえないから気を付けてね』
エレン『完全に不審者だな』
ジャン「くっ…どうにかならないのかアルミン…?」ボソボソ
アルミン『頭の中で僕達に語りかけるようにして』
ジャン(んな無茶苦茶な…)
ジャン[こうか…?]
アルミン『そうそう、いい感じ』
ジャン[あー、これ結構難しいのな…]
ジャン[口に出そうだ]
エレン『俺だったら使えなさそうだな…』
アルミン『うん、実際かなり難しいと思う』
ジャン[というかこんなことできるならもっと早く教えてくれよ]
アルミン『そうだね、はじめに言っておけば良かった』
ジャン[まぁ良いけどよ]
ジャン[で、俺はどこへ向かえばいいんだ?]
ジャン[とりあえず調査兵団の本部へ向かって歩いているが]
エレン『最終的にはリヴァイ兵長の所へ行ってほしいからそれでいいぞ』
エレン『でも途中で買っていってほしい物があって…』
ジャン[待てよ?これ俺が全額負担か?お前後で返せよ!?]
エレン『………………』
ジャン[せめてなんか喋れ]
アルミン『貸したお金は返ってこないと思えってよく言うよね…』
ジャン[ふざけんな]
エレン『は、ははっ、冗談だって…たぶん…』
ジャン[多分ってなんだよおい]
アルミン『ジャン、独り言はどうにかできてるけど百面相になってないかい?』
ジャン[……あぁ…おっさんに変な目でみられた…]
エレン『何やってんだよ』
ジャン[大体お前のせいだよ!]
アルミン『エレン、そろそろ買っていくもの言わなきゃ』
エレン『あぁ、そうだった』
エレン『えっと、紅茶とスカーフと…はたきとお酒だったな』
ジャン[どんなチョイスだ]
エレン『俺に言うなよ』
アルミン『お酒って大丈夫なのかな?』
ジャン[まぁ、なんとかなるだろ]
ジャン[俺はお前と違ってチビじゃねぇし]
アルミン『チビって酷いな…』
エレン『おいアルミンバカにすんなよ!』
エレン『結構気にしてるんだぞ!?』
アルミン『エレン、ありがとう…でもフォローになってないよ…』
ジャン[はいはい、悪かったよ]
ジャン[だがエレン、お前絶対金返せよ?酒とか高いだろうが!]
エレン『わ、分かったって…たぶん』
ジャン[多分って付けるの止めろ、いらっとくる]
エレン『お前いつもイライラしてんじゃねぇか』
ジャン[お前の時だけな]
エレン『なんでだよ…』
ジャン[なんかいらっとする]
ジャン(主にミカサ関連で)
エレン『なんだよそれ!?俺なにもしてないだろ!』
アルミン『エレン、たまに君から仕掛けてるからね』
エレン『うっ…』
ジャン[おい、そっちに雑貨屋あるけど、紅茶とはたきはそこでいいか?]
ジャン[つーかスカーフってどこに売ってんだよ、ここに無いのか?]
エレン『紅茶は専門店があるってさ』
エレン『スカーフは服屋とかにあるんじゃね?』
アルミン『専門店も探せばあると思うよ、エレン、聞いてみた方がいい』
エレン『オルオさーん!スカーフってどこに売ってるんですかー?』
エレン『……なんか本部の近くに専門店があるらしい』
ジャン[さっきから専門店ばっかじゃねぇか!]
ジャン[つーかあの白いの結構良い生地なんじゃ…]
アルミン『あぁ、そうかも…』
ジャン[金大丈夫かこれ…]
エレン『とりあえずはたきだな』
ジャン[はたきだけ買っていくって何気に嫌だよな]カランカラン
イラッシャイマセー
エレン『じゃあ俺から箒追加で』
ジャン[お前マジで一回殴らせろ]クルッ スタスタ
エレン『え、やだよ痛いし』
ジャン[やっぱいらっとするわこいつ]
ジャン[あ、こっちか]クルッ
エレン『お前俺のこと嫌いだろ…』
ジャン[今更気付いたのかよ!遅いわ]
エレン『傷付いた』シュン
アルミン『あれ?エレンもそういうの気にするんだ』
エレン『こんな奴に貸し作んないといけないなんて…』
ジャン[一瞬でも罪悪感覚えた俺に謝れ]
アルミン『ジャンって意外と優しいよね』
ジャン[何だよいきなり…]スッ
エレン『どこが優しいんだよこんな奴』
ジャン[やっぱ箒買うのやめるわ]カタン
エレン『ほら、優しくない』
アルミン『今のはエレンが悪いよ』
エレン『えっ、ごめん…』シュン
ジャン[しょうがねぇな…]スッ
アルミン『あ、ジャンって結構ちょろい』
ジャン[その一言でお前の好感度相当下がったぞ]
アルミン『ごめん』
ジャン[言えば良いと思うなよ?]
アルミン『あ、ジャンちょろくない』
エレン『アルミンがおかしい』
アルミン『いやだなぁ、僕は普通だよ?』
エレン『なんか違う』
アルミン『そうかな…』
ジャン[そもそも人で実験すんじゃねぇよ]
ジャン[あれ?はたきどこだこれ?掃除用具くらい一纏めにしておけよ…]ウロウロ
アルミン『ジャン、心の声まで漏れてるよ』
ジャン[良いだろ別に…あ、あった]
アルミン『まぁ確かに調節は難しいけど…』
エレン『えー、俺コイツの妄想とか聞きたくない』
ジャン[ちょっと箒戻してくるわ]クルッ スタスタ
エレン『あっ!?悪かったって!待ってくれよ!』
ジャン[おいアルミン、ちょろいのこっちだろ]
アルミン『そうかもしれない』
エレン『アルミンまでそんなこと言うなよ…』
アルミン『エレン、君は純粋なままでいるべきだ』
エレン『意味わかんねぇ…』
ジャン[そんくらい単純じゃないと、謝罪も伝わらないってこった]
アルミン『ジャン、それは僕に言ってるのかな?』
ジャン[さーてどうだか]
アリガトウゴザイマシター
ジャン[あ、これ持ちながら他の店いかないと行けないのか]カランカラン
エレン『家に戻るか?』
ジャン[いい、往復なんて面倒なことしていられるか]
アルミン『仕方ないね』
ジャン[さて、酒は荷物になるし紅茶からにするか]
ジャン[店はどこにあるんだ?]
エレン『ペトラさーん!紅茶のお店どこですかー?』
エレン『……あ!あの店ですね!なんだあそこかぁ…』
エレン『えっ?あぁ、ごめんなさい、そのゲーム知らないです』
エレン『いえ!今ちょっとあれなんでまた今度教えてください』
アルミン『あ、僕?知ってますけど……はい!今度是非!』
エレン『あ、マルコ!静かだと思ってたら遊んでたのか…』
アルミン『……あー、それもそうだね、喋らないのが正解かもしれない』
エレン『どういう意味だよアルミン?』
アルミン『気にしなくて良いよ』
エレン『なんだよ気になる言い方しやがって…』
エレン『あ、ジャン、もっと先』
ジャン[あぁ、こっちの用件も先にしろ…]
エレン『悪かったって…』
ジャン[もういいっつの]
アルミン『ごめんね』
ジャン[お前の謝罪は信じないことにした]
アルミン『今のは本気だよ!信じてよ!』
ジャン[どうだかな]
エレン『アルミンって演技も上手いよな』
アルミン『エレン、ここでその言葉は逆効果だよ』
ジャン[真っ黒じゃねぇか]
ア、ジャンデスヨ ア、ホントダ ジャーン!!
ジャン[ん?今呼んだか?]
アルミン『いや?何も?』
ジャン[空耳か…?]
コニー「ジャン!」
サシャ「ふぁんふぇふひふふんふぇふふぁ!?」モグモグ
ジャン[またお前らか]
アルミン『どうしたの?』
ジャン[バカコンビが来た]
コニー「おいジャン、喋れなくなっちまったのか?」
サシャ「ふぁんふぇふふぉぉ!?」モッサモッサ
ジャン[んな訳あるか]
アルミン『ジャン!口!口を動かして!』
ジャン[そうだった]
ジャン「サシャ、飲み込んでから喋れ」
サシャ「」ゴクン
サシャ「開口一番それですか!?」
コニー「なんだ、喋れるじゃんか」
ジャン「やばいこれきついわ」
ジャン「あ」
コニー「ジャン、まだ調子悪いのか?」
サシャ「さっきはすいませんでした…つい…」
コニー「俺も悪かったよ」
ジャン「いや、もう大丈夫なんだが…」
サシャ「なら何がきついんです…?」
ジャン「お前らにはわかんねぇよ…」
アルミン『僕達ちょっと黙っていようか?』
ジャン[あぁ、頼む]
アルミン『了解、エレン、静かにね』
エレン『分かったぜアルミン!これで良いか?』ボソボソ
アルミン『それ意味ないよ』
ジャン「いやなにしてんだよお前ら!」
コニー「」ビクッ
サシャ「」ビクッ
コニー「な、何ってその…ジャンがどっか行った後…帰ろうと思ったんだけど…」
サシャ「お腹が空いたのでちょっと食べてました…」
コニー(あれ?ちょっとの量ってどのくらいなんだ?)
ジャン「あ、いや…お前らじゃねぇ!」
コニー「……?なんで怒ってんだよ」
サシャ「やっぱりさっきのこと怒ってるんじゃ…」
ジャン「いや、違う…その、お前らがやったことはもうどうでもいい」
コニー「なんだ、そうか」
サシャ「じゃあ一体どうしたって言うんです?」
ジャン「それはエレ……じゃなくて、うん、何も聞くな」
コニー「お、おう」
コニー「おいサシャ、やっぱりジャンはエレンのことで寂しがってるぞ!」ヒソヒソ
サシャ「喧嘩相手が急にいなくなったんですもんね…」ヒソヒソ
コニー「おうよ、だから俺達がなんとかしてやろうぜ!」
サシャ「勿論です!」
コニー「サシャ!声が大きいぞ!」
サシャ「コニーもですよ!」
ジャン「はじめから全部聞こえてるからな?距離を考えろ距離を」
コニー「ジャン、元気出せよ!」
サシャ「これからお掃除ですか?それなら私達暇ですし手伝いますよ!」
コニー「そうだぜ!俺達に任せとけ!!」
ジャン「変な気を使うな、誤解だ」
サシャ「ジャン!辛いときは一人で抱え込んじゃダメですよ!」
コニー「俺達仲間だろ?なっ?」
ジャン「だーかーらー!エレンのことは誤解だって言ってんだろうが!」
エレン『呼んだか?』
ジャン「うるさいお前は黙ってろ!この死に急ぎ野郎!!」ハッ
コニー「」
サシャ「」
ジャン「」
エレン『うわなにそれひどい』
コニー「ジャン…」
サシャ「ジャン…」
ジャン「やめろそんな目で見るな」
コニー「医者に見てもらった方がいいって」
サシャ「かうんせりんぐ?っていうの聞いたことありますよ、お悩み相談もできますし」
コニー「俺達いつでもお前の味方だからな!」
ジャン「あぁ…」
ジャン[おいアルミンどうにかしてくれ]
アルミン『無理だよ』
エレン『二人に花渡せば良いんじゃねぇの?』
アルミン『説明に何日かかると思ってるのさ』
ジャン[だよな…]
コニー「そんな悲しそうな顔するなよ…」
サシャ「二人が亡くなった時も凄い落ち込んでたの知ってますよ?」
コニー「お前が涙目になるなんて相当だもんな…」
ジャン「いや、そりゃあまぁ…本当に死んだと思ってたしな…」
ジャン「俺が何かやらかしたのかと思ったし…」ボソボソ
ジャン「って、泣いてねぇよ!」
アルミン『へぇ、そんなに思ってくれてたんだ…』ニヤニヤ
エレン『あ?いつの話だ?』
アルミン『多分僕達が死んだ時だよ』
エレン『へぇー』ニヤニヤ
ジャン[泣いてないからな!違うからな!]
エレン『へぇー』ニヤニヤ
ジャン[お前次生き返らせた時絶対殴る]
コニー「ジャン、本当に死んだと思ったって…」
サシャ「本当に亡くなってるんですよ…?」
ジャン[たまに生き返るんだがな]
エレン『まぁな』ニヤニヤ
ジャン「とにかく、俺のことは気にしなくていい」
サシャ「でも…」
ジャン「大丈夫なんだよ」
コニー「サシャ、ジャンがここまで言ってんだから大丈夫だ」
サシャ「分かりました」
コニー「でも、いつでも頼ってくれよな!」
ジャン「あぁ」
ジャン[純粋な優しさってこういう時辛いな]
アルミン『世界中で君しかこんな体験してないだろうけどね』
ジャン[それもそうか]
ジャン[さーてどうしたもんか…]
エレン『なぁなぁ話しもっと聞かせろよ』ニヤニヤ
ジャン[いつまでニヤニヤしてんだバカ]
エレン『バカって言うなよ』
ジャン[バカはバカだろこの死に急ぎバカ]
エレン『なんだよ、意外と優しいってアルミンが言ってたの本当かと思ったのに!』
ジャン[はっ、なんとでも言いやがれ]
アルミン『仲良いのか悪いのかはっきりしてよ』
エレン『良くない!!』
ジャン「あ、お前ら暇なんだろ?コニー、お前ちょっと本部の近くまで荷物持ちしてくれよ」
コニー「別に良いけどよ、本部の掃除でも始まるのか?」
ジャン「ちょっと届け物だ」
サシャ「私は何をすればいいんです?」
ジャン「お前は食ってろ、歩いているだけでいい」
ジャン「その手で物を触るな、以上だ」
サシャ「了解しました」ムシャ
ジャン[よっしゃ、荷物持ちができたぜ]
アルミン『人の好意につけこむなんて…ジャン…』
ジャン[良いだろコイツらが頼れって言うんだから]
エレン『やなやつ!やなやつ!』
ジャン[お前は黙ってろ]
エレン『………………』
アルミン『ちょっと、エレンを洗脳しないでよ』
ジャン[逆になんで洗脳されてんだよ]
アルミン『分からないよ…』
エレン『………………』
アルミン『エレン、喋って良いからね?』
エレン『おう』
今回はここまで!
読み辛い場合、助言を頂ければ幸いです
進めます!
コニー「なぁジャン、なんではたきと箒なんだ?」
ジャン「あん?そんなもん俺が知るかよ」
コニー「あぁ、それもそうだな!」
ジャン「まぁ、届け先はリヴァイ…兵長、で……」
コニー「どうしたんだよ?」
ジャン[あ、これ本人に直接会わないと駄目なのか?]
エレン『そうなるな、誰からの物か分かんないと』
ジャン[まじかよ…]
コニー「おい、ジャン?」
ジャン「いや、なんでもねぇ」
コニー「お前今日そればっかだな」
エレン『あ、そろそろ紅茶の店見えないか?』
ジャン[せめてどんな外見してるか言えよ]
エレン『あー…茶色い店』
ジャン[ほとんど茶色い建物だろふざけんな]
エレン『わりと民家っぽい感じの…』
ジャン[もっとマシな情報よこせよ]
アルミン『あ、サシャが居るなら紅茶の香りでたどり着けるんじゃない?』
ジャン[そんな馬鹿な…]
ジャン(まぁ試してみるか)
ジャン「サシャ」
サシャ「んぐっ…!ふぁい!」モゴモゴ
ジャン「とりあえず飲み込め」
サシャ「」ゴックン
サシャ「はい!何でしょう!?」
ジャン「この辺で紅茶の香りがする所ってあるか?」
サシャ「紅茶ですか?」
サシャ「」スンスン
サシャ「何件かありますけど」
ジャン[おいなんだコイツ]
アルミン『あ、やっぱり分かるんだ』
サシャ「ジャンは何を探しているんです?」
ジャン「とりあえず店だな、紅茶専門の」
サシャ「でしたらおそらくこっちですね、色んな紅茶の香りがします」
ジャン「分かるのか?」
サシャ「へへん!私の嗅覚をなめないでくださいよ!」
ジャン[こいつ恐ろしいな]
エレン『サシャなら納得できるけど…?』
アルミン『サシャならね、ただ普通の人間には結構難しいよ』
ジャン[まぁいい、とにかく店はなんとかなりそうだ]
サシャ「ジャン、ここですよ」
ジャン「おう、助かったぜ」
ジャン[まぁ、確かに民家っぽくて茶色いが…]
エレン『あんまり特徴ないんだよ…』
ジャン[まぁな]
ジャン「コニー、お前はここで少し待ってろ」
コニー「おう」
ジャン「サシャは一緒に来い」
サシャ「はい!」
ジャン「その前に手と顔拭け」
サシャ「…………すいません、ハンカチあります?」
ジャン「お前仮にも女なんだから持ってろよ、ほれ」
サシャ「今日はたまたまですよ!そして仮ってなんですか仮って!」フキフキ
ジャン「食にしか興味ない奴を乙女と言えるのか?」
サシャ「失礼ですね!食以外にも興味くらい…」
サシャ「……食に恋する乙女はありでしょうか?」
ジャン「聞いたことねぇよ」
サシャ「ジャン、あの、ハンカチは洗って返しますね」
ジャン「おう、ハンカチは食うなよ」
サシャ「失礼な!食べ物とそうでないものの区別くらいはついてますよ!」
ジャン「どうだか」
ジャン[おい、中入るぞ]
エレン『おう』
ジャン「行くぞサシャ」
サシャ「はい!」
ジャン「さーてと…おぉ、流石に良い香りがするな」ガチャ
サシャ「一つ一つ違いますよ」バタン
サシャ「ジャンは何を探しているんです?」
ジャン「あぁ、ちょっと待て」
ジャン[どの紅茶だ?]
エレン『うーんと、で、て、てんぷら?』
ジャン[聞いたことねぇよ]
エレン『右奥の棚のヤツだよ』
ジャン[右奥か…]スタスタ
サシャ「ん?そっちですか?」ヒョコヒョコ
ジャン[名前はもういい、香りの特徴とかは無いのか?サシャに嗅がせる]
エレン『花の香りがしたのは覚えてるな』
ジャン「サシャ、この辺りで花の香りがするヤツはあるか?」
サシャ「えーっと…………五つほど」
ジャン[結構あるな、他の特徴は?]
エレン『いや、もうペトラさんに名前聞こう』
エレン『ペトラさん!紅茶の名前って何ですか?』
エレン『…………えっ?るーら?』
エレン『……ペトラさんもダメらしい』
ジャン「」
ジャン[他に情報は?その人からなんか無いのか?]
エレン[お、おう、ちょっと待ってろ]
サシャ(どうしましょう?ジャンが紅茶にメンチきってます…)
エレン『ペトラさん、名前の他に何かないですか?』
エレン『バラの香り?ありがとうございますオルオさん!』
エレン『バラの香りがしたって!』
ジャン「サシャ、バラの香りだ」
サシャ「えっ!?あっはい!急に喋らないでくださいよ」
サシャ「…………こっちと、こっち……これもですね」
ジャン[三択か…]
エレン『もうそこまで絞れたらどれも大して違わないんじゃねぇのか?』
ジャン[そうだな…そろそろ動かねぇとサシャにも怪しまれる]
ジャン[選んで良いぞ、上か右か下だ]
エレン『変な三択だな、じゃあ上』
ジャン[はいよ]スッ
サシャ「決まりました?」
ジャン「あぁ、助かった」
ジャン「後は買うだけだし先に外出てていいぞ」
サシャ「了解です」スタスタ
エレン『俺その紅茶苦手なんだよな、花の香り強くてさ』
エレン『あ、ペトラさん俺別にそういう意味で言った訳じゃ…』
エレン『冗談に聞こえませんよ…』
イラッシャイマセ
ジャン[お前みたいな奴はやっすいミルクティーがお似合いだ]
エレン『正直そっちのが良い、なんか苦いし』
ジャン[ガキか]
エレン『良いだろ別に…』
アリガトウゴザイマシタ
ジャン[まぁ俺も無糖はあんまり好きじゃねぇがな]
エレン『なんだよ俺だけ馬鹿にしやがって』
ジャン[良いだろ別に]ガチャ バタン
エレン『うわ、それすっげぇムカつく』
コニー「結構遅かったな」
サシャ「ジャンは紅茶とにらめっこしてましたからね」
ジャン「してねぇよ、考えてただけだ」
ジャン[サシャも馬鹿で良かったぜ]
アルミン『でも、勘は鋭いし気を付けないと』
ジャン[分かってるよ]
コニー「紅茶の圧勝だな!」
ジャン「お前紅茶見てるだけで笑えると思ってんのか?」
コニー「あ、それもそうか」
サシャ「コニーは馬鹿ですねー」
コニー「お前が言うなよ!」
ジャン「どっちも馬鹿だろ」
アルミン『ジャン、こっちとコニー達との会話の使い分け、できるようになってきたね』
ジャン[慣れって恐ろしいな]
ジャン「さてと、次は酒か…」
コニー「まだあんのか?」
サシャ「お酒って…」
ジャン「買って届けるだけだ、俺は飲まねぇよ」
ジャン「まぁ買えるかが問題だが…」
サシャ「ジャンならいけそうですね」
コニー「だな、なんか悪そうな顔してるし」
サシャ「お店の人怖がらせないでくださいよ?可哀想です」
コニー「怖がらせれば、お店の人も関わってこないんじゃねーのか?」
サシャ「それもそうですね!ジャン!怖がらせてください!」
ジャン「貶したいのか応援したいのかはっきりしやがれ」
ジャン[聞き忘れていたが、酒ならなんでも良いのか?]
エレン『……グンタさん、お酒に指定ってありますか?』
エレン『あ、はい、あまり分からないと思いますけど…』
エレン『ジン?エルドさん?』
エレン『へぇ、そんな酒が…』
エレン『ジャン、ジン……さんっていう酒で』
エレン『……いやなんか、呼び捨てにしてるみたいで…』
ジャン[お前のところに一体何人居るんだ…?]
エレン『…ん?いちにい……七人かな』
ジャン[七人か…結構いるな…]
サシャ「ジャン、お酒のお店そこですけど、良いんですか?」
ジャン「あ、ならそこでいいか」
コニー「またぼーっとしてんのか」
サシャ「ジャン、ぼーっとしてると危ないですよ」
ジャン「悪かったな、気を付ける」
コニー「」
サシャ「」
コニー(ジャンが謝った…)
サシャ(ジャンが謝りました…)
コニー「熱でもあんのかな?」ヒソヒソ
サシャ「私もそう思います」ヒソヒソ
ジャン「だから距離を考えろっつの!丸聞こえだバカ!ねぇよ!」バシッバシッ
コニー「いだっ!」
サシャ「いたっ!」
コニー「なんだよ心配しただけなのに…」スリスリ
サシャ「やっぱりいつものジャンです…」サスサス
ジャン「これでいつもの俺ってなんなんだよ」
エレン『怒ってる感じ』
ジャン[それはお前だけ……いや、こいつらも追加か]
ジャン「まぁいい…ここは一人で入った方が良さそうだな」
ジャン「お前らはここで頭でも擦ってろ、少しはマシになるかもしれないぜ」
コニー「マジで!?よっしゃやるぞー!うおおおおおおおお」ジョリジョリジョリジョリ
サシャ「負けませんよコニー!」ワッシャワッシャワッシャワッシャ
ジャン[あ、ダメだコイツら…]
エレン『俺も座学苦手なんだよなぁ』ワッシャワッシャ
アルミン『エレン、意味ないんだよそれ…』
エレン『だよな…』
ジャン[それで頭良くなったら苦労しないだろ]ガチャ カランッ
エレン『アルミンの脳みそ分けてほしい』
アルミン『あはは…いくらエレンでもそれはちょっと困るかな…』
エレン『ならジャンがくれよ、お前座学の成績悪くなかったろ?』
ジャン[断る]
ジャン[あー流石に酒臭いな…]
アルミン『へぇ、もしかしてジャンって結構お酒苦手なのかな』
ジャン[実はな、訓練兵の時にこっそりと、野郎だけで飲んだことあるんだが…全然ダメだった]
エレン『えっ、なにそれ俺知らない』
ジャン[お前暇さえあれば筋トレに行ってたろ]
アルミン『僕は誘われたけど断ったかな、そういえばその時マルコと一緒に居たような気がする』
エレン『というか、あんなのどこが良いんだよ』
ジャン[お前飲んだことあったのか?]
エレン『おっさんから飲み物の差し入れされた時は気を付けろよ…』
アルミン『そういえばハンネスさんも、からかって渡してたなぁ…』
エレン『あぁ、そっちもあったな』
アルミン『どうみてもお酒なのに飲んじゃうんだもん、びっくりしたよ』
エレン『一番驚いたのは俺だよ』
ジャン[やべぇ、ジンって言うヤツにも結構種類があるんじゃねぇかこれ?]カチャカチャ
ジャン[どうすっかな、あまり長居はしたくないんだが…]
アルミン『お酒の瓶って綺麗だよね…』
エレン『アルミンって変なとこ気にするよな』
ジャン[おっ、なんか俺の名前みたいなヤツがある]
エレン『じゃあそれで良いだろ』
アルミン『そうだね、確かに長居はよした方がいい』
ジャン[店のおっさんと目合っちまった]
エレン『メンチきっとけ』
アルミン『なんで喧嘩売るようなマネするのさ、普通でいいよ普通で』
ジャン[はぁ、行くしかないか]
イラッシャイ
エレン『あ、なんかこっちまでドキドキしてきた』ソワソワ
ジャン[そういうこと言うのやめろ]
ジャン[あ、やべっ、金落とした!]チャリン
エレン『何やってんだよ!』
ジャン[お前はちょっと黙ってろ!]
アルミン『落ち着いてよ二人供…』
ジャン[思ってたより高くないな、いや出費的には痛いが]
ドウモ
ジャン[あ、買えたわ]
エレン『はぁ…』ヘナ
アルミン『エレンは強気な時とそうでない時の差が激しすぎるよ』
ジャン[後はスカーフか…]ガチャ カランッ
エレン『とりあえず本部へ近付けば良さそうだな』
ジャン[今のうち店の位置とか特徴とか聞いとけ]
エレン『了解、オルオさーん!』
エレン『あ、お酒?はい、買えたみたいです』
エレン『オルオさんが言ってたお店なんですけど…』
ジャン[一回切れよ!]
エレン『分かったよ』ブツッ
サシャ「あ、ジャンお帰りなさい」ジョリジョリ
コニー「すげぇな、買えたのか」ワッシャワッシャ
ジャン「別に凄くはないだろ」
ジャン[コイツら店の前でずっと頭撫でてたのか…]
ジャン「…というか何で互いの頭を撫で合ってるんだ?」
コニー「へっへーん、俺が思い付いたんだぜ!」
サシャ「お互いの頭の方が楽なんですよ」
コニー「サシャにはちょっと頭下げてもらってるけどな!」
ジャン[ダメだコイツら]
アルミン『あんまり言わないであげて』
アルミン『……エレン?誰と話してるの?ミカサ?何してるのさ』
アルミン『洗濯って…ミカサのことじゃなくて…』
ジャン[何してんだよ]
アルミン『エレンが間違えたみたい』
コニー「ジャン、まだ買い物あるのか?」
ジャン「あぁ、後はスカーフで最後だ」
サシャ「見れば見るほど変なチョイスですね」
コニー「紅茶と酒ならまだ分かるんだけどな」
ジャン「そればかりは同意する」
エレン『ジャン、聞いてきたぞ』
エレン『間違ってミカサに話し掛けちまったけど』
ジャン[それはアルミンから聞いた]
ジャン[で、場所は?]
エレン『本部の手前に路地がいくつかあんだけど、二つ手前の右側の路地の突き当たり』
ジャン[じゃあもうしばらく先か…]
コニー「ジャン、本部見えてきたけどまだなのか?」
ジャン「あー、二つ手前の路地だから…そっちだな」
サシャ「なんだか怪しい雰囲気ですけど」
ジャン「大丈夫だろ」
ジャン「着いたな」
サシャ「思ってたよりこじんまりしてますね」
コニー「今やってんのか?」
ジャン「オープンにはなってるな」
サシャ「私こういう人を選ぶ感じの雰囲気苦手です」
コニー「俺も合わねぇな」
ジャン「……どっちか着いてこいよ」
サシャ「嫌です」
コニー「嫌だ」
ジャン「くそっ、また一人で行くしかないのか…!」
ジャン[恨むぞエレン!]
エレン『なんで俺なんだよ!』
アルミン『とりあえず入ってみようよ』ワクワク
エレン『アルミンは楽しそうだな』
アルミン『特別な雰囲気のお店って行ったことないからね』
アルミン『自分の目で確かめられないのは残念だけど、参考にはなるよ』
アルミン『ジャン、実況よろしく!』
エレン『アルミンは物好きだなぁ…』
ジャン[入るぞ…]ガチャ
ジャン[おっさんがめっちゃ見てる!めっちゃ見てる!]ビクッ
……ラッシャイ
ジャン「どうも…」
アルミン『雰囲気は?どうなってるの?ねぇねぇ!』キラキラ
ジャン[中は普通の建物と変わんねぇ]
ジャン[壁に色んなスカーフが掛けてある…ん?なんかスカーフにしてはでかいのもあるな]
アルミン『それストールってヤツじゃない?』
ジャン[よく分かるな…]
アルミン『まぁね、他には?』
ジャン[台の上にスカーフやらストールやら…後は特になにもないぞ]
アルミン『うーん…流石専門店って感じだね』
エレン『ジャン、白いスカーフだ』
ジャン[白いっつっても結構あるぞ]
エレン『無地のヤツ』
ジャン[無地も結構あるんだがな…]
ジャン[あ、おっさんがこっち来た!?]
エレン『お前何したんだよ』
ジャン[見てただけだろ!]
ジャン「その、リヴァイ兵…士長と同じのを…」
ジャン「あ、はい、ありがとうございます…」
ガチャ バタン
ジャン[はぁ…なんとかなった…]
アルミン『お疲れ様』
ジャン[どうなるかと思ったぜ…]
エレン『名前だせばどうにかなるのか』
アルミン『調査兵団の者だって分かれば、ある程度予測も付いてたんだと思うよ』
ジャン[じっと見られてたのはそのせいか]
ジャン[ちなみにプレゼント用に包装までしてくれた]
エレン『良い人だな』
アルミン『商売だよ、まぁ優しい人そうだけど』
ジャン[顔は結構強面だった]
エレン『お前が言うなよ』
ジャン[その言葉そっくりそのままお前にプレゼントしてやるよ]
エレン『いらねぇ』
アルミン『あはは、二人は強面ではなく悪人面だよ』
ジャン[うるせぇよ]
サシャ「あ、ジャン!無事だったんですね!」
ジャン「無事って…戦いに行った訳じゃねぇよ」
コニー「どうなるかと思ったぜ!」
ジャン「別になんともねぇって」
エレン『ビビってたくせに』
ジャン「うっせぇ……あ…」
ジャン[やらかした]
アルミン『ちょっと久しぶりだね』
ジャン[微妙に楽しんでないか?]
コニー「お、おう、すまん」
ジャン「今のは気にすんな」
サシャ「なんだか今日のジャンは、私たちに見えない誰かと喋ってるみたいですね」
コニー「まさか、エレンとか?」
ジャン「」ビクッ
サシャ「あっ、コニー!」
コニー「そうだった!すまん!」
ジャン「い、いや、別にいい…」
ジャン[コイツらやばい]
エレン『どうした?』
ジャン[幽霊のお前と話してるみたいだってよ]
エレン『えっ、なにそれ怖い』
アルミン『幽霊ではないかな』
ジャン[もう本部もすぐそこだし、コイツらとは別れるか]
アルミン『うん、変に勘繰られる前にそうした方がいいかもね』
ジャン[勘ってのは恐ろしいな]
アルミン『そうだね、ここまで言い当てられると恐ろしい』
ジャン「お前ら後は帰るなりどこか行くなりしていいぞ」
コニー「もう良いのか?」
ジャン「おう、助かった」
サシャ「ジャン、今日はよくお礼を言いますね」
コニー「なんか良い事でもあったんだろ」
サシャ「そういえば、さっき会った時にミカサの名前がでたような…」
ジャン「」ビクッ
ジャン「……もう俺のことは放っておいてくれ」
ジャン[やばいってレベルじゃないぞこれ]
ジャン「じゃ、じゃあまたな!」スタスタ
コニー「逃げたな」
サシャ「逃げましたね」
ジャン[あぁ、長かった、ここまで来るのにこんな疲れるとは思わなかった]
アルミン『いよいよだね』
エレン『変なことすると蹴られるぞ』
ジャン[お前はさっきから俺にプレッシャー掛けて何がしたいんだよ]
エレン『そんなつもりはない』
ジャン[……だろうな]
ジャン[はぁ、前で突っ立ってんのもな……そろそろ行くか]
アルミン『頑張って!』
今回はここまで!
いよいよリヴァイ登場か~
面白い 期待
ありがとうございます
シュールギャグを目指していたはずなのに、マルコ以外ほとんどシリアルになりました
今更ですがキャラ崩壊捏造注意
進めます
ジャン[中に入ったのは良いが、視線が痛い]
アルミン『そんな持ち物じゃね…』
ジャン[せめてちゃんと居てくれるといいんだが]
エレン『居なかったらどこかで掃除してるんじゃないか?』
ジャン[それが怖いんだよ]
アッハッハッハッハッ
ジャン[あ、なんかめっちゃ笑われてる]イラッ
チョットマッテヨ ソコノキミ!!
ジャン「何ですか?」クルッ
ジャン「あ…」
ハンジ「やぁ!面白い装備してるね!」
ジャン「ハンジ…分隊長……?」
エレン『うわっ、出た…!』
ハンジ「なになに?箒なんか持っちゃって、リヴァイに呼ばれた?」
ハンジ「ついてないねー、ホント人使い荒いんだからー」
ハンジ「あ、はたきまで持ってる!あっはっはっ、あーごめんごめん、馬鹿にしてる訳じゃないんだ」
ハンジ「他になに持ってるの?あれ?それお酒じゃないか!子供に何てものを…」
ハンジ「いや、彼がそういうのを買わせようとするかな…」
ハンジ「ねぇ、誰に用事?」
ジャン「リ、リヴァイ兵長ですが…」
ジャン[良く喋るなこの人…]
エレン『ハンジさんは本当に危険だからな!気を付けろよ!?』
エレン『スイッチが入ったら一晩じゃ帰れない』
エレン『まぁほとんど巨人関係で、だけど…』
ハンジ「あれれ?やっぱりリヴァイなの?」
ハンジ「彼はそこら辺結構厳しいはずなんだけどなぁ…」
ジャン「いえ、ただの……知り合いからの届け物なんで、命令された訳では…」
ハンジ「なーんだ、通りでおかしいと思ったんだよねー」
ハンジ「よし!念のため一緒に行ってあげよう!」
ハンジ「多分部屋にいると思うよ!着いておいで!」スタスタ
ジャン「は、はい!」ダッ
エレン『お前が言葉だけで押されてるってなかなか珍しいよな』
ジャン[あぁ……エレン、あんまり話し掛けんな、この人相手じゃ余裕がねぇ]
エレン『了解』
ハンジ「リヴァイ!お届け物でーす!」バーン
リヴァイ「…………チッ、お前か…」
ハンジ「そんな顔しないでおくれよ!」バンバン
ハンジ「さぁ!えっと…確か、ジャン…だったよね?入っていいよ!」
リヴァイ「おい、ここは俺の部屋の筈だが?」
ハンジ「まぁ良いでしょ!どうぞどうぞ!」
ジャン「し、失礼します」
リヴァイ「……!…ほう…お前が来たのか…」
ハンジ「なになに?どういうこと?」
リヴァイ「テメェには関係ねぇ、出ていけ…」
ハンジ「酷いじゃないか!教えてくれても良いだろう?ねっ?君も何か言ってやってよ!」
ジャン「いや、その…」
リヴァイ「うるせぇ、邪魔だ、出ていけ」
ハンジ「まったく酷いなぁ…」
ハンジ「リヴァイと二人きりじゃこの子が可哀想じゃないか!」
リヴァイ「おい、それはどういう意味だ…?」
ハンジ「そのままの意味だよ!」
ハンジ「でもまぁ、仕方ない……」
ハンジ「私は隣の部屋に居るから、何かあったらいつでも助けを呼んでくれて構わないよ!」スタスタ
ハンジ「じゃ、また後で!」バタン
リヴァイ「やっと行ったか、騒がしい奴だ」
リヴァイ「どこでも良い、とりあえず座れ」
ジャン「は、はい」
リヴァイ「その荷物はなんだ?」
ジャン「お届け物です」
リヴァイ「誰からだ?」
ジャン「それは…」
ジャン(打ち合わせしておくんだった)
ジャン[おい、誰からのって言えばいいんだ?]
エレン『リヴァイ班から…かな』
エレン『そこにいるのは兵長だけなんだろ?』
エレン『なら、お前が知ってること、他の質問も全部答えて良い』
エレン『兵長相手に変な小細工は必要ないからな』
エレン『……アルミン?』
アルミン『いいよ、エレン』
エレン『ありがとな』
エレン『ジャン、あとは任せた』
ジャン[…へぇ……了解]ニヤッ
リヴァイ「おい、何を笑ってやがる…?」
ジャン「……これは、リヴァイ班の皆さんからです」
リヴァイ「……続けろ…」
ジャン「俺は、エレン・イェーガーに頼まれてここまで来ました」ガタッ
ジャン「エレン、あとは自分で説明しろ」スッ
エレン『はぁ!?待てよ!俺はそういうつもりでお前に任せた訳じゃ…!』
ジャン「俺はこんな時までテメェの代わりなんざ御免だね」
ジャン「そこまで信じている相手なら自分の言葉で伝えやがれ!」
ジャン「兵長、この栞を持っている間はエレンと話ができます!」スタスタ
エレン『おい!ジャン!』
ジャン「どうぞ」スッ
リヴァイ「………………」スッ
エレン『兵…長……?あの…』
リヴァイ「どうした?」
エレン『……あまり、驚かないんですね…』
リヴァイ「馬鹿言え、これでも驚いている」
エレン『そう、ですか…』
リヴァイ「言いたいことがあるならさっさと言え、こっちは死人と違って暇じゃねぇ」
エレン『俺だって、やることがあって、ここに居ます!』
リヴァイ「ほう…」
エレン『その、理由とか、言えないことばかりなんですけど…』
リヴァイ「テメェが馴染みと一緒に死んだことも、俺に物を届けさせたことも、全て理由があるんだな?」
エレン『はい』
リヴァイ「その選択で、後悔しているか?」
エレン『いいえ』
リヴァイ「ならいい」
エレン『えっ!?』
リヴァイ「どうした、怒鳴られるとでも思ったのか?」
エレン『はい…正直、少し……』
リヴァイ「…おい、ジャン、お前が持ってきたのは俺宛だろう?こっちに持ってこい」
ジャン「はい」
エレン『兵長?他には何も聞かないんですか?』
リヴァイ「何言ってやがる、ここで終わったら届け物を選んだ相手が分からねぇだろうが」
エレン『そうでしたね…』
ジャン「これで全部です」
リヴァイ「ハンジのクソみてぇな笑いが下から聞こえていたが、確かに変な集まりだな」
リヴァイ「エレン、どれが誰からだ」
エレン『はい!えっと、エルドさんがはたき、グンタさんがお酒、ペトラさんが紅茶、オルオさんがスカーフです』
リヴァイ「この箒はどうした?」カタッ
エレン『それは…俺からです、ジャンが選びました』
リヴァイ「…………」ススッ
リヴァイ「ほう、悪くない…」
リヴァイ「エルドははたきか、丁度使っていたヤツが壊れたところだ」
リヴァイ「早速使うことにしよう」
エレン『はたきって壊れる物なんですか?』
リヴァイ「当たり前だ、形あるものはいつか壊れる」
エレン『は、はぁ…』
リヴァイ「おい、今度の掃除はテメェも手伝え」
ジャン「俺ですか!?」
リヴァイ「命令だ、やれ」
ジャン「は、はい…」
リヴァイ「グンタは酒か、ガキに酒なんざ買わせるとは…真面目なアイツにしては珍しい」
エレン『エルヴィン団長方と飲めるのでは、と…』
リヴァイ「そうか…」
リヴァイ「……おい、この酒を選んだのは誰だ?」
エレン『エルドさんとグンタさんが…最終的にはジャンが選びました』
リヴァイ「ほう…人の届け物で遊ぶとは、良い神経してやがるな……」
リヴァイ「なぁ、"シュタイン"?」
ジャン「キ、キルシュタインです…」ビクッ
ジャン(止めときゃよかった…)ドキドキ
リヴァイ「この紅茶は…オルオではなくペトラなのか?」
エレン『え?はい、ペトラさんです』
リヴァイ「ペトラが買うのは、これと味も香りも似ているが別物だ」
リヴァイ「こっちのヤツは、前にオルオが間違えて買ってきた奴だが…」
エレン『違ったんですか…すいません』
ジャン(違ったのか…)
リヴァイ「まぁいい」
ジャン(よっしゃ、助かった)
リヴァイ「その代わりテメェの掃除追加だ」
ジャン「」
リヴァイ「この包みがオルオだな」
エレン『はい』
リヴァイ「……わざわざこのスカーフを買いに行ったか」
エレン『はい、何度も借りたのに返せなかったと…』
リヴァイ「…………」スルスル
リヴァイ「…………」サッ キュッ
エレン『兵長?兵長は買った物は一度洗って使うんじゃ…』
リヴァイ「オルオに伝えろ、ちゃんと返してもらったと」
エレン『は、はい!』
リヴァイ「エレン、そいつらは今、近くにいるのか?」
エレン『はい、直接声を届けることはできませんが…兵長の声は聞こえていますよ』
リヴァイ「そうか」
リヴァイ「届け物は確かに受け取った、後は休め、以上だ」
エレン『えっ!?それだけで良いんですか?』
リヴァイ「文句でもあるのか?」
エレン『いえ、そんなことは…』
エレン『……兵長、皆さんからです』
リヴァイ「なんだ」
エレン『了解致しました、と…』
リヴァイ「そうか」
リヴァイ「エレン」
エレン『は、はい!』
リヴァイ「お前が何を望んでいるのかなんざ知らねぇ」
リヴァイ「だが」
リヴァイ「それは一度きりだ」
リヴァイ「…必ず、後悔しないモノを選べ」
エレン『なっ!?兵長…それって…!』
リヴァイ「これは返す」スッ
ジャン「もう、良いんですか?」
リヴァイ「あぁ、後はアイツの選択に任せる」
ジャン「そうですか」スッ
ジャン「あの、お聞きしたいことが」
リヴァイ「……それを聞くなら、一旦栞を置け」
ジャン「は、はい」スッ
ジャン「単刀直入に言いますが、アイツらが何をしているのか、知っているんですか?」
ジャン「俺が来た時も、まるで誰かが来るのを知っていたかのような…」
リヴァイ「俺が知っているのは半分だけだ」
リヴァイ「そして、内容を俺の口から話すことはできない」
ジャン「それって…!」
リヴァイ「そうだ、エレンと同じだ」
リヴァイ「だが、お前が勝手に気付く分には問題ねぇ」ガタッ
ジャン「気付く…?」
リヴァイ「俺が見た限り、お前は頭の回りも悪くはない」スタスタ
リヴァイ「いいか?俺はこれからお前に本を貸す」スルッ
リヴァイ「中身は読んでも読まなくても良い」スタスタ
リヴァイ「知りたいなら考えろ、探せ」
リヴァイ「どうする?受け取るも取らないも、お前の自由だ」スッ
ジャン「俺は……」
ジャン(そういえば、俺はなんでこんなことしてんだろうな…)
ジャン(……でもまぁ、ここまで乗り掛かった船だ、最後までやってやる!)
ジャン「借ります…!」
リヴァイ「悪くない…」
リヴァイ「話は終わりだ、さっさとその紙きれ持って帰れ」
リヴァイ「ハンジには俺から言っておく」
リヴァイ「あのクソ眼鏡に捕まると色々面倒だ」
ジャン「ありがとうございます」
リヴァイ「礼はいい」
リヴァイ「……一つ、聞き忘れていた…」
ジャン「何ですか?」
リヴァイ「エレンのもう一人の馴染みはこれを知っているのか?」
ジャン「ここに来る前の俺と同じくらいなら…」
リヴァイ「そうか…もう行っていい」
リヴァイ「掃除の件、忘れるなよ」
ジャン「は、はい……失礼します!」
エレン「兵長!?兵長!!」
アルミン「エレン、諦めなよ」
エレン「だって…!」
アルミン「きっと栞を置かれているんだ、僕達が話し掛けることはできないよ」
アルミン「分かっていたことだろう?」
エレン「……兵長は、知っていた…」
アルミン「うん、どうして知っているのか聞きたい気持ちは分かるよ」
エレン「大丈夫、なのか…?これは…」
アルミン「うん、僕達に変化はないし、大丈夫だよ」
エレン「そっか…」
ペトラ「エレン、どうしてそんなに浮かない顔しているの?」
エレン「ペトラさん…」
オルオ「ガキ、お前は分かってねぇようだな」
オルオ「仕方ねぇ、説明してやる…」
ペトラ「オルオ、その喋り方いい加減止めてくれない?」イラッ
オルオ「兵長はな、お前に期待してんだぜ?」
エレン「期待、ですか?」
ペトラ「選べって、貴方に言ったでしょう?」
オルオ「お前の選択に期待してるってことだ」
エレン「そうなんですか…?」
オルオ「ま、これはテメェみたいなガキじゃあ理解できないだろうな」
エレン「……そっか、兵長に期待、されてんのか、俺は…」
エルド「勿論、俺達も期待しているぞ」
グンタ「お楽しみ、なんだろう?」
エレン「皆さん…」
ペトラ「それじゃ、そろそろお礼をしなくちゃね」
オルオ「仕方ねぇな、くれてやるか」
ペトラ「私はオレンジ色ね」
オルオ「俺からは青色だ」
グンタ「なら俺は紫色だな」
エルド「俺は藍色ってとこか」
エレン「凄ぇ、一気に色が…!」
ペトラ「エレン、頑張ってね」
エレン「はい!」
オルオ「そっちのチビも、手抜くんじゃねぇぞ」
アルミン「はい!」
ペトラ「マルコ、勝負楽しかった」
ペトラ「また、よろしくね!」
オルオ「今回は勝たせてやっただけだからな!」
マルコ「ははっ、またよろしくお願いします」
アルミン「…そろそろ行かなくちゃね」
エレン「そうだな」
グンタ「しっかりやれよ」
エレン「はい!」
エルド「それじゃ、またな」
エレン「はい、また!」
アルミン「それでは、これで」
アルミン「行こう、二人供」
エレン「あぁ」
マルコ「ありがとうございました」
オルオ「行ったか…」
ペトラ「あら?さっきまでの威勢はどこにいったのかしらね?」
グンタ「なんだ、寂しいのか?」
オルオ「べ、別に寂しがってる訳じゃ無いんだが!?無いんだが!?」
ペトラ「はいはい、うるさいからちょっと黙ってなさいよ」
オルオ「俺を束縛する気かペトラ…?」
オルオ「そうだな、アイツらが全てを終わらせたら、結婚してやらんこともない」
ペトラ「死亡フラグ立てたんだからちゃんとまた死になさいよ?」
エルド「はっはっはっ!お前達は本当に飽きないな!」
エルド「さて、もうひと勝負、いっとくか?」
グンタ「休めって命令だしな」
オルオ「次は勝ってやる」
ペトラ「良いから最下位うろついてなさいよ」
アルミン「元気な人達だったね…」
エレン「特にペトラさんとオルオさんがな」
マルコ「ジャンとはまた違った形で面白かったよ」
エレン「……なんかマルコと久しぶりに話した気がする」
マルコ「まぁ、あえて離れていたから…」
エレン「えっ?」
マルコ「気にしないでくれ」
アルミン「次に行こうエレン!」
エレン「えっ?えっ?」
マルコ「次はこっちだよ」シュッ
エレン「マルコ…何で指してんだ、それ……」
マルコ「これ?鉄パイプ」
エレン「なにそれこわい」
アルミン(マルコ……しばらくまともだったのに…)
マルコ「なにもしないよ」ブンブン
エレン「いや危ないって」
マルコ「大丈夫だいじょ…あっ」スポーン
エレン「だから言ったのに!言ったのに!」
アルミン「オルオさんの少し移ってない?」
エレン「マルコが指した方向に真っ直ぐ飛んでいったけど…」
イデッ!! ナンジャコリャ!?
テ、テツパイプ…?
アルミン「普通、痛いで済むわけ無いんだけどなぁ…」
マルコ「やっちゃった」テヘッ
エレン「良いから早く行くぞ!」ダッ
アルミン「う、うん!」
ジャン(無事に届け物は終わった)
ジャン(仕事は増えたけどな…)
ジャン(ハンジ分隊長にも捕まらず、こうして帰路につけているのは救いか……)
ジャン(というか分隊長が覚醒したらどうなるんだ?)
ジャン(死に急ぎ野郎が慌てて、リヴァイ兵長でも接触を避けるべきだと言う程…か…)
ジャン(…………あの人はやばい……)
ジャン(まぁそれはいい…それより…)
ジャン(静か過ぎて落ち着かねぇ!)
ジャン(バカコンビが居た時はうるさ過ぎるくらいだった)
ジャン(二人が別れた後もエレン達との会話はあったし、分隊長が来て、リヴァイ兵長の部屋へ行って)
ジャン(あぁそうだ、誰かしらが話をしていた)
ジャン(アイツらは、リヴァイ兵長との話が終わってからずっと話し掛けてくる様子がねぇ…)
ジャン(………………)
ジャン(……仮にも、皆居なくなっちまったんだよなぁ…)
ジャン(クソッ、やめやめ!ミカサのところにさっさと帰るとすっか!)
ジャン(というか帰るでいいのか?あそこはミカサ…達の、家だ…)
ジャン(戻ろう…)
今回はここまで!
乙!次は誰だろう~
仕事が増えるよ!やったねジャンくん!
進めます
アルミン「すいませーん!」
アルミン「あのっ、僕の友人…が……っ!」
エレン「お前ら…!?」
アルミン「…………ライナー……ベルトルト…」
ライナー「これ…お前ら、のか…?」
ベルトルト「………………」
マルコ「ごめんね、飛ばしたのは僕だ、二人じゃない」
ライナー「マルコ…?」
マルコ「そうだよ、ごめん、手から抜けてしまって」
ライナー「大丈夫、だが…」
ベルトルト「……ライナー、早く行こう…」
マルコ「どうしたんだ?久しぶりだし、少しくらい話をしたいところだけど…」
ライナー「マルコ……」
ベルトルト「ごめん、僕らは……」
ベルトルト「…いや、行こう、ライナー」
ライナー「あぁ…」
エレン「待て!」
エレン「俺達は…人の願いを叶えてまわってる!」
エレン「お前らも例外じゃない!だから…!」
ベルトルト「僕らは人じゃないよ…」
エレン「それは…!」
ライナー「悪いが、他を当たってくれ…」
エレン「そんな…」
アルミン「お願いだ、待ってくれ!」
ライナー「じゃあな…」
エレン「ライナー!!ベルトルト!!」
マルコ「待ちなさーい!!」スペーン!!
ライナー「ふごっ!?」ガクッ
エレン「」
アルミン「」
ベルトルト「」
アルミン「マ、マルコ…?」
エレン「何して……」
ベルトルト「ハリセン…?」
マルコ「何があったのか知らねぇが、待てって言っているんだから待てよ!」
マルコ「人が久しぶりの再会を喜んでる時に、辛気くさい顔並べやがって!」
マルコ「俺だけ蚊帳の外じゃねぇか!お前らが良くても俺は良くねぇんだよ!」
マルコ「もう少し考えてくれてもいいだろうが!」
マルコ「ふざっけんなよ!!」グイッ
エレン「ほあっ!?」ビクッ
マルコ「……ふぅ、ジャンの真似って言いたいことスッキリ言えていいね」キラキラ
マルコ「あ、ごめんエレン、勢いで掴んじゃったよ」パッ
エレン「……お…おう…」ヨロ
エレン(マルコ怖かった…めっちゃ怖かった…)ドキドキ
エレン(身体浮いた!俺の身体浮いたよマルコ……!?)ドキドキ
ライナー「マルコ、説明も無しにすまん…だが、俺達は裏切り者だ」
ライナー「お前らに合わせる顔も、願いを叶えて貰う価値もない」
アルミン「待ってよ!もういいんだ!」
アルミン「せめて話を聞いてよ!」
ライナー「……ベルトルト…」
ベルトルト「分かった…聞こう…」
アルミン「良かった、ありがとう……まずはマルコに何があったか話をするね」
アルミン「……マルコ、僕からの話はこれで終わりだよ」
アルミン「僕の主観も混ざっているから、だいぶ偏りがあると思うけど…」
マルコ「なるほど…大体は分かったよ、ありがとうアルミン」
エレン「ライナー、ベルトルト…!」
エレン「俺達と関わりたくないのは分かってる、勿論恨んでもいるだろう」
エレン「でも、もう少しなんだ!協力してくれ!頼む!!」
ライナー「お前らの方が、恨んでいるんじゃないのか…?」
ベルトルト「ライナー…」
エレン「……俺は、そうだよ、お前らを殺したくて仕方なかった」
エレン「そして、お前らを倒して、巨人を駆逐して…全部終わったと思ったんだ…」
エレン「……俺の夢の話、したことあったよな?」
エレン「俺さ、壁の外を旅して、色んなものが見たかったんだ……アルミンやミカサ達と、笑ってさ」
エレン「……でも、違うんだよ」
エレン「このままじゃ、俺は…俺達は……笑えない……」
エレン「俺とアルミンは、こっちの世界で皆の願いを叶えてるって言っただろ?」
エレン「俺はさ…それで…」
マルコ「ちょっと待った!」スペン!!
エレン「はうっ!?」カクッ
マルコ「そこはお楽しみなんだろう?言わないでくれよ…」
エレン「ご、ごめん、つい勢いで…」
アルミン「……僕からもお願いだ!」
アルミン「こっちの勝手な都合を押し付けているのは分かってる…」
アルミン「でも、どうか…協力してほしいんだ!」
ライナー「本当に、それでいいのか?」
ベルトルト「……!ライナー、乗る気なのか?」
ライナー「俺の罪がこんなもので償えるとは思わん、だが、少しでもできることがあるなら…」
エレン「止めろよそういうの」
エレン「俺はそんなつもりでお前らを呼び止めた訳じゃねぇよ」
アルミン「エレン…」
エレン「俺は今、二人の人間と話をするつもりでいる」
エレン「…………訓練兵の頃みたいには、なれないか?」
ライナー「……難しい注文だな…」
ベルトルト「それは、無理だよ…」
エレン「ならせめて、願いを教えてくれよ!」
エレン「俺を殴りたいなら殴っても良い!」
エレン「既に死んでるから死にはしないけど……それで気が晴れるなら…!」
ベルトルト「違うよ、そんなんじゃない…」
エレン「なんだよ、はっきり言ってくれよ…」
ベルトルト「僕は恨んでなんかいない」
ベルトルト「確かに、前まで君を…君達を本気で恨んでいたかもしれない」
ベルトルト「でも今は違う」
ベルトルト「ここへ来て、時間が経って…思ったんだ……」
ベルトルト「死ねてよかった、って」
ベルトルト「もう、過去を背負う必要はない、誰かを裏切ることも、殺す必要もない」
ベルトルト「逃げたんだよ、僕は…」
ベルトルト「だから、何かを願う必要なんてない」
ベルトルト「何も要らないんだ、もう、何も…」
ライナー「ベルトルト…」
マルコ「それならお任せあれ!」ドンッ
ライナー「マルコ!?」
マルコ「何も要らない?それは違うね、人間は欲望の塊だ!」
マルコ「何もないなら作ればいい!それだけのことだろう?」
マルコ「簡単だよ!」
マルコ「少しばかり僕に付き合ってもらおうか!」キラッ
アルミン「付き合うって言っても…何をする気なんだい、マルコ?」
マルコ「とりあえず、円になるように座ってくれるかな」
マルコ「あ、親友同士隣ではなく、交互で宜しく」
ライナー「…………これで良いのか?」
マルコ「ばっちりだね、僕はここに入るよ」スッ
エレン「それで、何するんだ?」
マルコ「ここにトランプがあるじゃろ?」スッ
エレン「お、おう…」
マルコ「これをこうして…」カシャカシャ
マルコ「こうじゃ」スパパパパパパン!!
アルミン「一瞬で均等に配布!?……マルコ、君は…一体何者なんだ!?」
マルコ「さてと、始めようか」
マルコ「ババ抜きを…!」
エレン「はぁ!?今は遊ぶ流れじゃないだろ!?」
マルコ「皆で遊ぶことに意味があるんだよ」
ベルトルト「マルコ、申し訳ないけど…」スッ
マルコ「良いから座った座った!」
ライナー「ベルトルト、参加しようぜ」
ベルトルト「ライナー!?どうして君はいつもそうなんだ!」
ライナー「あの真面目なマルコがここまで言っているんだ、任せてみたいんだよ」
ベルトルト「……分かったよ…」スッ
エレン(そういやマルコって真面目だったんだよなぁ…どうしちゃったんだろう…)
マルコ「さて、ルールを知らない人はいないよな?」
マルコ「それじゃあ、早速始めようか」
エレン「……チッ、また揃わねぇ」
エレン「ん、次引けよライナー」スッ
ライナー「おう……2が抜けたな……」パサッ
ライナー「…次だ」スッ
マルコ「じゃあ、これで……Qが揃った」パサッ
マルコ「アルミン、どうぞ」スッ
アルミン「うん……揃わなかったね」
アルミン「ベルトルト、どうぞ」スッ
ベルトルト「……揃ったよ…」パサッ
ベルトルト「どうぞ」スッ
エレン「……うっ…まじか…」
アルミン(マルコはこのゲームで、何をしようとしているんだろう?)
アルミン(僕達はまだ、気まずさを拭いきれずに淡々とゲームを進めているだけだ)
アルミン(ライナーとベルトルトはずっと笑顔を見せていない)
アルミン(エレンは笑顔ではないものの、カードの引きで表情が変わる)
アルミン(僕は、笑えているだろうか…)
アルミン(マルコ、君だけはどこか楽しそうだね……)
アルミン(……!楽しい…?そっか、そういうことか!)
アルミン(……負ける訳にはいかなくなったみたいだね、何としてでも勝つ!)
アルミン(ごめんねベルトルト、隣になってしまったことを恨んでくれ)
アルミン(利用させてもらうよ!)
マルコ(アルミンの表情が変わった)
マルコ(流石、気付くのが早いな…)
マルコ(でもこれで、答えに近付きやすくなった)
マルコ(エレン、少し犠牲になって貰うけれど許してくれよ)
マルコ(きっと気付かないと思うけど…)
ベルトルト(……なんだか、引きが悪くなった?)
ベルトルト(何か仕掛けている?……ババ抜きでそんなことが…)
ベルトルト(いや、君なら何かしていてもおかしくはないかな)
ベルトルト(本当に、君の頭脳は恐ろしいよ)
アルミン(ベルトルトは右から二番目のカードを引く確率が高い)
アルミン(君が今持っているカードは、右から9、4、1、次の一枚ははじめからずっと持っているもの、そして最後はKだ)
アルミン(僕の手持ちは3、4、9とJ)
アルミン(3かJを二番目に持っていきたいところだけど、君ならこの周回、もしくは次のどちらかで気付くだろう)
アルミン(そして、次に君が狙うのは…おそらく、左端…)
アルミン(次に確率が高いのは右端だ、無意識だろうけれど、君は間になっているカードに警戒するはず)
アルミン(とすると、並びは……)
アルミン(この方法が持つのは長くて三周までだ、それなら次は…)
エレン(あぁ、揃わない…)
エレン(しかもライナーがジョーカー引いてくれない…)
エレン(アルミンは本気モード入ってるし、マルコは何考えてるのか分からないし…)
エレン(ベルトルトは無表情、ライナーは眉間にシワを寄せて考え事してるし…)
エレン(…………もう運に任せるか)
ライナー(マルコは一体何を考えている…?)
ライナー(今回会ってからずっと様子がおかしい、あの真面目なマルコはどこへ行ったんだ?)
ライナー(それにしても…無いなら作ればいい、か…)
ライナー(正直、この言葉に惹かれて参加したんだがな)
ライナー(俺でも…期待、して良いんだよな…?)
アルミン「よし、揃った、一番だね」
エレン「やっぱりアルミンが一番か…」
マルコ「おめでとうアルミン」
アルミン「ありがとう」
アルミン(地盤はできてるはずだよ、マルコ!)チラッ
マルコ(アルミン、やっぱり君には天才という言葉が良く似合う)
マルコ(本当、恐ろしい人だ)
アルミン(このままいけば、ライナー、マルコ、ベルトルトの順で抜ける)
アルミン(ごめんねエレン、君を勝たせてあげることはできないんだ…)
アルミン(ライナーは勝負で手を抜くのは相手に失礼だと思うタイプだし…)
アルミン(エレン……ジョーカーバレバレだよ……)
ライナー「揃ったみたいだな、二番だ」
マルコ「おめでとう、ライナー」
ライナー「お前に勝てるとはな、なかなか珍しい」
マルコ「ははっ、そんなことはないよ」
マルコ「でも、僕もそろそろ抜けさせてもらうよ」
マルコ「…………揃った、三番だ」
ベルトルト(残りのカードは一枚…スペードの5…)
ベルトルト(彼が持っているのはジョーカーと5の二枚…)
ベルトルト(おそらく、右がジョーカーだ…)
ベルトルト(僕は……右を引こう……)
ベルトルト(君が勝つべきだと、そう…思うから…)スゥ
エレン「ベルトルト、分かってるんだろ?」
ベルトルト「」ピタッ
ベルトルト「何の事、かな…?」
エレン「……とぼけんなよ、俺のカードに決まってるだろ…」
エレン「顔には出さないように気を付けてはいるんだけどなぁ」
エレン「まぁ、バレちまってんなら下手な小細工なんかしねぇよ、ほら、引けよ」
ベルトルト「僕は…」
エレン「良いからさっさと終わらせてくれよ、次はババ抜きじゃなくて違うのやろうぜ!全然勝てる気がしねぇ!」
ベルトルト「……!分かった、左を引くよ」スッ
エレン「やっぱりバレてんのか…」
ベルトルト「四番だ」
マルコ「お疲れ様」
ベルトルト「……君がゲームを通して伝えたいことが分かったよ」
ベルトルト「エレン、君のお陰だ」
エレン「は?俺?」
エレン「……!ベルトルト、今俺の名前言ったか!?」
ベルトルト「言った、けど…」
エレン「やっと名前呼んでくれたんだな…」
マルコ「ここまで呼ばずにいられるなんて、ある意味凄いよね」
アルミン「ライナー、君もだよ」
アルミン「全く呼んでくれなかったね」
ライナー「そうだったか…すまん、アルミン…」
アルミン「ふふっ、それはちょっと無理矢理過ぎじゃないかな?」
マルコ「あ、やっと一人目だ」
アルミン「どういう事?」
マルコ「誰も笑わないんだよ、今やっとアルミンが笑った」
エレン「マルコ、勝負だけじゃなくてそんな事まで見てたのか?」
ライナー「何も考える必要がなかったら、俺が負けていたかもしれんということか」
マルコ「いや、順位は変わらないよ、そうだろう、アルミン?」
アルミン「分からないよ?僕だって完全じゃない」
マルコ「でも、実際君の思惑通りだったんだろう?」
アルミン「……まぁね」
エレン「なんだよ、俺がビリなのって相当前から決まってたってことじゃねぇか」
ライナー「俺達はアルミンの手のひらの上で踊らされてたってことか」
ライナー「フッ……参ったぜアルミン、このゲームじゃお前には勝てん」
マルコ「ベルトルトはもう分かってくれたようだけど、ライナーはまだかな?」
アルミン「気付くまで続けようか?」
ベルトルト「僕は…続けて良いと思う……」
ライナー「ベルトルト!?」
マルコ「君からその言葉が出るとはね、どうするライナー?」
ライナー「…………いや、今ので何となく分かった気がした……」
ライナー「マルコ、こんな理由で、良いと思うか…?」
マルコ「ばっちりだよ!」
エレン「なんだよ…蚊帳の外は俺じゃねぇか…」
アルミン「まぁまぁエレン、そんな顔しないでよ」
エレン「別に良いけどよ」
マルコ「改めて聞こうか…」
マルコ「君たちの望みは?」
ライナー「俺は、お前らと、笑っていたい」
ライナー「裏で、何かの心配も、考えることもなく、ただただ純粋に…」
ベルトルト「僕もだ、今、皆と戦って、アルミンに負けて…」
ベルトルト「……楽しかった、悔しかった」
ベルトルト「また、やりたいと、そう…思ったよ…」
ライナー「これが、俺たちの望みだ」
エレン「そんな、ことで…良いのか?もっと…!」
ライナー「エレン、これ以上の望みはない」
ライナー「心の底から笑って、楽しむ…」
ライナー「ずっとやりたかったのは、こんな些細なことだったんだな…」
マルコ「それなら、勝負を始めようか」
マルコ「次は…ポーカーなんてどうだい?」
エレン「…………マルコ……」
マルコ「そんなに悲しそうな顔しないで?冗談だから…」
アルミン「心理戦のダウトや7並べを止めるとすると…大富豪や神経衰弱ってところだろうね」
エレン「悪いな…」
マルコ「心理戦はアルミンの独壇場になりそうだし、良いんじゃないかな」
アルミン「そんなことはないんだけど…」
ベルトルト「ごめん、大貧民じゃないのかな…?」
ライナー「訓練兵の時にやったが、どうやら中身はほとんど一緒らしいぞ」
ライナー「ルールが少し違っていたがな」
マルコ「それなら大富豪…もとい、大貧民をしてみようか」
アルミン「ルールは話し合って決めれば良いよね」
エレン「よっしゃ!次は勝つからな!」
マルコ「あ、トランプ二つでやろうか、多い方が楽しそうだし幅も広がる」
アルミン「良いね」
ベルトルト「僕は構わないよ」
ライナー「俺も賛成だ」
マルコ「エレンは?」
エレン「あ、あぁ、良いけどよ…」
エレン「……マルコ、そういうのっていつもどっから出してんだ?」
マルコ「秘密かなぁ」
エレン「教えてくれないのか」
マルコ「突然出せば、リアクションが貰えて楽しいからね」
エレン「そういうもんか…?」
マルコ「そうだよ」
アルミン「ふふっ…それじゃあそろそろ、ルールを決めて始めようか」
今回はここまで!
ライナーとベルトルトの願いに泣いた
面白いです
続き楽しみにしてます乙!
ありがとうございます
進みます
ジャン(着いた…)
ジャン(ここまでの距離が、やけに遠く感じた)
ジャン(いつの間にか早足になっていたが…そんなに遠くはなかったんだな)
ジャン(……まぁ、こんな辛気くさい顔をミカサに晒すわけにはいかないか)
ジャン(よし!)バシッ
ジャン(今行くぞ!ミカ…)
ガチャ
ジャン「……へっ?」
ミカサ「ジャン…ドアの前で、何をしているの……?」
ジャン「」
ミカサ「早く入るといい」
ミカサ「どうしたの…?」キョトン
ジャン「いや、何でもない……」
ジャン(間抜け面見られた…)
ミカサ「少し、疲労しているように見える」
ミカサ「具合は大丈夫?」
ジャン「あぁ、大丈夫だ」
ジャン(……エレンは鬱陶しがっていたが…)
ジャン(やっぱりこういうのはいいな)
ジャン(ミカサは絶対に良いお母さんになる、間違いない)
ミカサ「そっちで手を洗ってくると良い、ご飯にしよう」
ジャン「はっ…?俺も食って良いのか?」
ミカサ「……?エレンやアルミンが迷惑をかけているのだから、もてなすのは当然」
ミカサ「さぁ、早く食べよう、温かいうちに」
ジャン(ミカサの手料理…!二人きりで…!)
ジャン(夢じゃねぇんだよな!?)キラキラ
ミカサ(……ジャンはそこまでお腹が空いていたのだろうか?)
ミカサ(どのくらい食べるのか分からなかったけれど、多めに作っておいて良かった)
ミカサ(エレンとアルミンが帰ってきたら、食べきれないほど沢山作ろう)
ミカサ(四人で食べるのも良いかもしれない)
ミカサ(……エレンと喧嘩をしないか不安だけど)
ジャン「戻ったぞ」
ミカサ「うがいもちゃんとした?」
ジャン「ばっちりだ」
ミカサ「そう、なら食べるとしよう」
ミカサ(…………純粋な子供を相手にしている気分…)
ミカサ(エレンもこのくらい素直になってくれれば良いのに…)
ミカサ(いえ、これはジャンに失礼、ごめんなさい)
ミカサ「いただきます」スッ
ジャン(おぉ、なんというか…美しいな…)ジー
ミカサ「……私の顔に何か付いているだろうか?」
ジャン「い、いや違う!」
ミカサ「それなら何故…」
ジャン(見とれてたんだよ!)
ミカサ「ジャン?」
ジャン「そ、それより早く食おうぜ!ミカサがせっかく作ってくれたんだ、
冷めちまったら勿体ない!」
ミカサ「……どうぞ、召し上がれ」
ジャン「おう、えっと…いただきます…こう、だよな」
ミカサ「そう……味はどうだろうか?」
ジャン「美味い!流石ミカサだな!」
ジャン(くそっ、アイツらこんなに美味いものを毎日食ってたのか、羨ましい!)
ミカサ「そんなに急いで食べては駄目」
ミカサ「多めに作ったのでゆっくり食べると良い」
ジャン「あぁ、悪いな」
ジャン(今日一日でミカサに言ってもらいたかった台詞が次々と…)
ジャン(俺…もう死んでもいいわ……)グスッ
ミカサ(ジャンが泣いている…)
ミカサ(私はどうしたら良いのだろうか?)オロオロ
ミカサ(料理に何か変な物でも?)
ミカサ(……しかし、私は食べてもなんともない…)
ミカサ(嫌いな物でもあったのだろうか?)
ミカサ「ジャン、好き嫌いをしないのはとても大切」
ミカサ「でも、泣くほど嫌いな物を無理をしてまで食べなくてもいい…」
ミカサ「気を使わせてしまってごめんなさい」
ジャン「ミ、ミカサ!違う!そういうんじゃねぇんだ!」
ジャン「理由は言えねぇが、嬉し泣きだ!だから心配しないでくれ!」
ミカサ「嬉し泣き…?」
ジャン「あ、あぁ、そうだ」
ミカサ「それなら良かった」クスッ
ジャン「」
ジャン(笑った、ミカサが笑った!)
ジャン(ババァ、今だけ俺を産んでくれたことに感謝するぜ!)グスッ
ミカサ(また泣いている…)
ミカサ(そんなに嬉しいことが?)
ミカサ(何を考えているのだろう?)
ミカサ(悪い人ではない、優しい人だということは分かる)
ミカサ(思い返してみれば、彼は意外と紳士的)
ミカサ(エレンの相手をしている時を除いて)
ミカサ(……!これは、エレンと仲良くなる絶好の機会ではないだろうか?)
ミカサ(家族として、是非とも良い友達を増やしてほしい)
ミカサ(ならば、私も協力しなくちゃ…駄目でしょ?)ゴゴゴゴ
ミカサ(全力でサポートをしよう)キリッ
ジャン(えっ?ミカサから黒いオーラが…)
ジャン(俺が何かしたか?)
ジャン(いや、思い当たる節はねぇ…)
ジャン(はっ!そう言えば前に"エレン…料理は落ち着いて食べるべき"ってアイツを叱っていたな)
ジャン(そうか…泣いたりなんかしてちゃ俺もミカサも落ち着いて食うなんざできやしねぇ!)
ジャン(悪いミカサ!そんなことも考えられないようじゃ、俺は男として半人前だ!)
ジャン(落ち着いて、料理を味わう)
ジャン(簡単なことだ)
ジャン(しかもミカサの手料理!味わって、ゆっくり食べよう)キリッ
ジャン(食い過ぎた…)ウプッ
ミカサ(あの量を完食…余程お腹が空いていたのだろうか)
ミカサ(……しかし、残さず食べてくれるのは、誰が相手でも嬉しい)
ジャン「ありがとな、ミカサ、美味かったぜ!」
ミカサ「いえ、こちらこそ喜んでもらえたみたいで良かった」
ミカサ「今、お茶を淹れよう」ガタッ
ジャン「悪いな…」
ジャン(今までの疲れが全部吹っ飛んだ気がする)
ジャン(邪魔も入らず、ずっと二人きりで食事もできたしな!)
ジャン(そういやアイツら何も掛けて来ないな…まぁいいか)
ジャン「そうだ、あの本……」ゴソゴソ
ジャン「タイトルは…木は森へ?」
ジャン「…どういう事だ?」
ジャン「…………」ペラッ
ジャン(中身は普通のどこにでもありそうな本だが…)
ミカサ「どうぞ」コトッ
ジャン「おぉ、悪いな、何から何まで」
ミカサ「気にしなくていい」
ミカサ「それより、その本は?」
ジャン「あぁ、リヴァイ兵長が貸してくださった」
ジャン「アイツらがやっている事を知るためのヒントになっているらしいが…」
ミカサ「あのチビが何か知っていると言うこと?」
ジャン「チビ!?……あ、あぁ、まぁ……何か知っているらしいが…」
ジャン「だが、直接は言えないらしいな…」
ミカサ「アルミンといいソイツといい…話してはいけない理由が何かあるのだろうか?」
ジャン「そういうことだろうな」
ジャン「だが、どこがヒントになっているんだか…」ペラッ
ミカサ「本を読むならアルミンの部屋で読むといい、とても落ち着く」
ミカサ「貴方なら入ってもアルミンは怒らないはず」
ミカサ「やらないとは思うけれど、散らかしては駄目」
ミカサ「それと、あまり部屋にある本を動かさないであげてほしい」
ジャン「勿論だ、だが、その前に片付けくらいは俺が…」
ミカサ「貴方はお客様、考えなければならないこともある」
ミカサ「エレン達が私を頼ってくれないのは残念だ」
ミカサ「しかし、エレンには貴方が必要」
ミカサ「今回ばかりは、私も貴方にエレンを任せようと思う」
ミカサ「ので、どうかエレンの為に全力を尽くしてほしい…」
ジャン(……途中からエレンエレンと…)
ジャン(まぁ、分かっちゃいるけどよ…)
ジャン(だがミカサ、悪いがそんなのはお断りだぜ)
ジャン(俺は俺の為に動く)
ジャン(今回はたまたまそれがアイツらに繋がるだけだ)
ジャン(それがミカサの望みってんなら、俺は俺のためにいくらでも動いてやる)
ジャン「ミカサ、アルミンの部屋、借りるぞ」
ミカサ「……!ありがとう…」
ジャン(綺麗な部屋だな)
ジャン(いなくなったっていうのに埃さえ積もってねぇ)
ジャン(おそらくミカサが掃除していたんだろうが、元々本以外は特別物がないんだろう)
ジャン(しっかし…ベッドと机、椅子にクローゼットが全て一つずつ……それ以外は全部本棚って…)
ジャン(しかも本棚の空きが一ヶ所しかねぇ…)
ジャン(訓練所の資料室を小さくしたみたいだな)
ジャン(確かに本を読むには最適だ)
ジャン「椅子、借りるぜアルミン」ギシッ
ジャン(さて、この本の続きでも…)
ジャン(……いや、待てよ?)
"中身は読んでも読まなくても良い"
"知りたいなら考えろ、探せ"
ジャン(兵長は読まなくても良いと言った、中身が関係しないとしたら…表紙、もしくは裏表紙…?)
ジャン(表紙は淡い色で真ん中に一本木が描かれている、描いたのは小さいガキかってレベルの絵だな)
ジャン(まぁいつぞやに見たサシャの絵よりは全然分かる)
ジャン(裏は…森の絵だな、木の一本一本がデカ過ぎる、巨大樹じゃあるまいし…)
ジャン(あぁ、真ん中になってる一番デカい木は表紙と同じ木か)
ジャン(木は森の中にある、な)
ジャン(知りたいなら…)
ジャン(考えろ、探せ……探す?)
ジャン(探すとしたら、何を探す…?)
ジャン(物か、人か…)
ジャン(一本の木を森から…)
ジャン(何か隠れているってことか?)
ジャン(一体どこに、何が…?)
ジャン(大量にあるもの…例えば…?)
ジャン(何かのコレクションか?)
ジャン(死に急ぎ野郎は何かを集めてる様子はない、が…)
ジャン(アルミン……本……?)
ジャン(ここの本棚の中に、何か埋まっている?)
ジャン(ははっ、まさか……)
ジャン(……偶然とは思えねぇな…)ガタッ
ジャン(ちゃんと戻せばミカサにも怒られないだろ)
ジャン(端から端まで……何冊あるんだ?これ…)
ジャン(まぁいい、始めるか)
ジャン(……!なんだこの本は…!?)
ジャン(明らかに他と違う)スルッ
ジャン(何か特別なことでも書いてあるのか?)パラパラ
ジャン(……ん?このページ、赤線が引いてあるな……)
ジャン(攻撃呪文?火球??メラ、メラミ、メラゾーマ?)
ジャン(なんだこれは)
ジャン(パスだパス、戦う相手なんざいねぇつの)ペラッ
ジャン(また引いてあるな…)
ジャン(ザオリク?蘇生呪文?)
ジャン(アレイズと何か関係が…!?)
ジャン(は?HPを全回復?)
ジャン(HPってなんだよ!MPってなんだよ!!ふざっけんなよ!)
ジャン「あーくそ…なんでこんなもんに印ついてんだ…」ペラッ
ジャン(また赤線引いてあるし…)
ジャン(ニフラム?)
ジャン(相手を光の彼方に…?)
ジャン(経験値ってなんだよ!)
ジャン(やめだやめだ、これ多分違うだろ)
ジャン(期待して損した気分だ、次行くぞ次!)
ジャン(…………やっと本棚一つ分の確認が終わった)ゲッソリ
ジャン(ミステリーに恋愛にファンタジー、幅広いな…)
ジャン(さてと、次の棚は…なんだこれ?やけに古いのが多いな…)
ジャン(……上は、なんかの設計図か?)
ジャン(こっちは……おい、これ、外の世界についての本じゃ……)
ジャン(確かに本の中に埋もれてるが……)
ジャン(まぁいい、こんなとこ誰も見ないだろ)
ジャン(下は…図鑑か)
ジャン(生き物から植物まで…物好きな奴だ)
ジャン(さて、隣に行くか)
ジャン(……こっちは種類が定まっていないな)
ジャン(……訓練兵の時に使っていたノートまであるのか)
ジャン(意外と勿体なくて物を捨てられないタイプか?)ヒラッ
ジャン(……と、やべぇ、挟まってたの落とした)ゴソゴソ
ジャン(ん?下はケース付き…)
ジャン(……やっぱりカモフラージュか……アルミンも男だもんな、こればかりは仕方ねぇ)ニヤニヤ
ジャン(これだけの本があるとこんな自然に隠せるのか…)
ジャン(どんな趣味してんだか…少しくらい良いよな?)スッ
ジャン「……まじかよ…」
ジャン(まぁ待て、これだけじゃないはずだ)スッ
ジャン「……アルミン…」
ジャン(ラスト、これラストにしよう)スッ
ジャン「……これは!」
ジャン(エロ本ではないな、だが、こんな隠し方をしたとすれば…)
ジャン(タイトルも作者名もねぇ、色合いは水色が多めだが、組み合わせが良くわかんねぇ)
ジャン(ひょっとして…いや待て、さっきみたいな意味わからん呪文だけかもしれない)
ジャン(期待せずに開くのが一番だな)ドキドキ
ジャン(って、結局期待してるじゃねぇか俺は!)
ジャン(チッ、さっさと開こう…)ペラッ
今回はここまで!
少し進めます
エレン「ああもう勝てねぇ!!」バタッ
エレン「なんだよもう!」ゴロゴロ
エレン「結局俺が勝てたの銀行だけじゃねぇか!!」バタバタ
アルミン「エレン、落ち着いてよ」
ライナー「何度か良いところまでいっただろう」
エレン「勝てなきゃ意味ない!」バタバタ
エレン「はぁ……今だけアルミンになりたい……」シュン
アルミン「エレン、それで勝って嬉しいの?」
エレン「」
エレン「うわあああああ!!」バタバタ
マルコ「アルミン、君もなかなか言うね…」
ベルトルト「止め…だったよね…」
アルミン「そんなつもりはなかったんだけど…ごめんね、エレン…」
ライナー「まぁあれだけ敗けが続いたらなぁ」
マルコ「そろそろ落ち着いた?」
エレン「あぁ…」
ライナー「結果的には、やはりアルミンが強いみたいだな」
マルコ「ベルトルトもアルミンとは違った強さがあるね、考えが読みにくい」
ベルトルト「ご、ごめん…」
マルコ「はははっ、誉めてるんだよ」
ベルトルト「えっと、ごめん…」
ライナー「なんでまた謝っとるんだお前は」バシッ
ベルトルト「痛っ…!痛いよライナー」
アルミン「ライナーは力強いからねー」
マルコ「ずっと羨ましいと思ってたんだ」
ライナー「よくコニーに言われたな、それ…」
ライナー「…………コニーか……」
マルコ「自分で言って暗くならないでくれよ」
ライナー「あ、あぁ、すまん」
アルミン「サシャもコニーも元気そうだよ」
マルコ「ずっと変わらないんだね、あの二人」
アルミン「そうだね、一人一人で見ると成長してるとは思うんだけど…」
ライナー「元気ならそれで良い」
ベルトルト「うん、そうだね…」
アルミン「元気すぎるのもたまに傷だけどね」
マルコ「あぁ、そういえばそうだったなぁ」
エレン「…………」
エレン「…………」ソワソワ
エレン「…………」
エレン「……ミ・カ・サー!」
ミカサ『ど、どうしたの?エレン?』
エレン「いや、なんでもねぇけど…」
ミカサ『…………拗ねてる時のエレン』
エレン「ち、ちげぇよ!勘違いすんな!」
ミカサ『やっぱり拗ねてる…』
エレン「違うって言ってんだろ!」
ミカサ『何かあったの?』
エレン「なんでもないって…」
ミカサ『そう…』
エレン「まぁいいや、またな、ミカサ!」ブツッ
アルミン「ふふっ……どうしたのさエレン?まぁ、ミカサは全部お見通しみたいだけど」
エレン「うぐっ…!」
ライナー「今のはどうなっているんだ?」
ベルトルト「ミカサ、だよね?」
アルミン「僕とエレンは、条件が揃っていればあっちの世界の人と会話ができるんだよ」
アルミン「と言っても、いつでもできそうなのはミカサとジャンくらいだけどね」
エレン「あんまり広める必要もないし、二人だけで良いだろ」
ライナー「……ジャンと仲良くなったのか?」
エレン「えっ?別に変わんねぇけど…?」
マルコ「喧嘩するほどなんとやら、だよ」
エレン「なんだよそれ…」
アルミン「さっきだって普通に話してたじゃないか」
エレン「知らねぇよあんな奴」
ライナー「相変わらずだな、お前達は」
アルミン「ジャンもジャンで喧嘩になるの分かってて話し掛けるし」
ライナー「遠回しな愛情表現は健在か」
アルミン「喧嘩が始まるのかと思ったら仲良さそうに話してるし…」
マルコ「あれだけやっているのを身近に見ていたはずなのに、いつ喧嘩が始まるかたまに分からないんだよなぁ」
ベルトルト「不思議だ…」
ライナー「マルコが分からんなら誰も予測できないだろうな」
アルミン「難しいよね、試験みたいに決まった答えじゃないし」
マルコ「決まっているのも嫌だけどね」
アルミン「それもそうかも」
ライナー「まぁ夜の喧嘩はほぼ毎日だったけどな」
ベルトルト「よく飽きないなって思っていたよ」
マルコ「うちのジャンがスイマセン、なんて」
アルミン「あはは、こっちのエレンもスイマセン、なんてね」
エレン「なぁ、俺ここにいるんだけど……」
アルミン「エレン、なんだか静かだったから…つい…」
エレン「俺ってそんなに毎日喧嘩してたか?」
マルコ「うん、酷い時は一日中やってたし」
ライナー「教官に見つかって一緒に走ってた奴か」
ベルトルト「走りながらまた喧嘩してたよね」
アルミン「何が凄いってそれで懲りないことだよ」
エレン「まじかよ……」
マルコ「日常茶飯事で覚えてないのか…」
ライナー「それが普通だからな」
エレン「思い出したらなんかイラッとしてきた」バタバタ
エレン「ジャン!」
ジャン『……なんだよ…?』
エレン「なんでもねぇよ!じゃあな!」
ジャン『はぁ!?おいちょっと待っ…』ブツッ
エレン「あ、これ楽しい…」パァ
アルミン「エレン……ミカサの時はまだ理由があったけど…」
マルコ「人で遊ぶのはダメだよ…?」
ライナー「今のうち謝った方が良いと思うが」
ベルトルト「うん…」
エレン「…………」
エレン「ジャン!」
ジャン『なんだよ死に急ぎ野郎!』
エレン「ごめん!」
ジャン『……は?頭でも打ったか…?』
エレン「打ってねぇよ!じゃあな!」ブツッ
エレン「…………」
エレン「うわぁぁぁ」ゴロゴロ
アルミン「何やってるのさ…」
マルコ「本当面白いなぁ」
エレン「面白くない!」
ライナー「いや、面白いぞ?」
エレン「面白くない!」
ベルトルト「ごめん、面白い…」
エレン「もうやだ…」シュン
アルミン「今のベルトルトの言葉にはどこか重みがあったね」
マルコ「三段重ねも相まって凄い破壊力だ」
ベルトルト「そう、かな?」
エレン「はぁぁぁぁ…」ベチャ
アルミン「エレン、魂抜けてるよー」
マルコ「まぁ、もう死んでるんだけどね」
ライナー「なんか力抜けてるな、エレン」
エレン「お前らの前で言うことじゃねぇけど、戦う必要が無くなったからな…」
ライナー「なかなかに刺さる言葉だな……」
ライナー「でもまぁ、そうか…そうだよな……」
ベルトルト「ライナー…?」
ライナー「あぁ」
ライナー「エレン、アルミン、マルコ……確かに俺達の願い、叶えてもらったぞ」
ライナー「ありがとうな」
ベルトルト「ありがとう」
アルミン「どういたしまして」
マルコ「楽しんでくれたみたいで良かった」
ライナー「礼は…大きくいくか」
ベルトルト「そうだね」
ライナー「いくぞ!」スッ
ベルトルト「ああ!」ゴツッ
エレン「すげぇ!!水色が一気に広がった…!」
アルミン「まるで空みたいだ…!」
ライナー「礼は三倍返しってな!」
ベルトルト「ライナー、それは…」
ライナー「いや、冗談だぞ?」
ベルトルト「そうじゃないと困るよ…」
アルミン「ありがとう!ライナー、ベルトルト!」
ライナー「いい、それだけのことをしてくれたってことだ」
ベルトルト「楽しかったよ」
エレン「そっか……そろそろ行かなきゃいけないんだな…」
ライナー「そんな顔するんじゃない、お前らしくないぞ、エレン?」
エレン「……まだ全然勝ててないし…」
アルミン「そこなの!?」
ライナー「執念深いのも変わらずだな」
エレン「次は絶対勝つからな!」
ライナー「あぁ、楽しみにしてる」
アルミン「それじゃあ、そろそろ行こうか」
マルコ「次はこっちだよ」
ライナー「気をつけてな」
アルミン「ははっ、気を付ける必要なんてないんだよ」
ライナー「…それもそうだったな」
エレン「またな!ライナー、ベルトルト!」
ライナー「おう、またな」
マルコ「僕も楽しかったよ、ありがとう!」
アルミン「またね」
ベルトルト「うん、また…」
ライナー「……久しぶりに、沢山笑ったな…」
ベルトルト「ただのトランプが、こんなに楽しいとは思わなかったよ…」
ライナー「あぁ、ただの……遊びが、な……」
ベルトルト「ライナー…」
ライナー「すまん…」
ベルトルト「大丈夫だよ、もう、隠さなくていいんだ」
ライナー「あぁ…」
ベルトルト「……隠さなくて、いいんだ…」
ライナー「あぁ、良いんだよ…」
ベルトルト「そっか…」
ベルトルト「……嬉しい、のかな…?」
ベルトルト「嬉しいなぁ……」
ライナー「ありがとうな、ベルトルト」
ベルトルト「……ありがとう、ライナー」
アルミン「エレン、上ばかり見て歩くと転ぶよ?」
エレン「ん、あぁ……」
アルミン「って、言っても止めないし…」
マルコ「確かに綺麗な空だ…本物とは違って、まだ終わりが見えるけれど」
エレン「これからだ、全部、見えないくらいまでやってやる!」
マルコ「そうだね、これからだ」
アルミン「そういえばさらっとマルコに着いてきちゃったけれど…」
マルコ「大丈夫だよ、もう少し行けば会えるさ」
エレン「なんでそんなこと分かるんだよ?」
マルコ「うーん、あとで教えるよ」
マルコ「アルミンに」
エレン「えっ?俺は!?」
マルコ「さっきジャンで遊んだから内緒かなー」
エレン「そんな…」
マルコ「という話は置いといて」
エレン「えっ!?」
アルミン「あれ!?」
マルコ「ここに紙飛行機があります」スッ
エレン「お、おう」
マルコ「エレン、これを飛ばしてくれないかい?」
エレン「ん?良いけど…」
マルコ「方向はどこでも良いよ」
エレン「分かった」
エレン「そぉい!」ブンッ
アルミン「あれ、どこまで飛んでいくの?」
マルコ「うーん、結構遠くまで?」
エレン「えっ?拾いにいかなくて良いのか?」
マルコ「うん、大丈夫だよ?ちゃんと消えるし」
エレン「なにそれこわい」
アルミン「マルコ、なんで紙飛行機なんか…」
エレン「あれ?飛行機ってなっ…もがっ!」
アルミン「エレン、僕の質問が終わってからね」
エレン「んー!んっ!」
アルミン「それで、今のにはどんな意味が?」
マルコ「それはすぐに分かるかもしれないな」
アルミン「マルコ、今回は謎持ちキャラなのかい?」
マルコ「さぁ、どうかな……ふふふ……」
アルミン(エンジョイしてるなぁ)
エレン「んん!んんんん!」バタバタ
アルミン「あ、ごめんねエレン」パッ
エレン「はぁ…苦しかった……若干鼻まで塞ぐのやめろよな?息できなくなっちゃうだろ」
マルコ「ほらほら、方向ズレてるよ……こっちこっち!」ピッピッ
エレン「あ、待ってくれよマルコ!」ダッ
アルミン「ええっ!?走るの?待ってよー!」ダッ
今回はここまで!
続きが気になる支援
ありがとうございます
ジャンのターンで説明回
あまり深く考えずにお願いします
どうでもいいけどジャンが過労死しそう
進めます
マルコ「着いたよ」ピーピッ
エレン「マルコ速いなぁ」
マルコ「軽いからね」
エレン「お前たまにとんでもない発言するよな」
アルミン「はぁ…はぁ……二人供…速いよ……」
アルミン「近いって……言ったじゃないか…マルコ…」ペタン
エレン「大丈夫かアルミン?」
アルミン「うん……大丈夫だよ……」ヒラヒラ
マルコ「実は…今回嘘つきキャラを狙ってたんだ…アルミンなら見抜くと思って」
マルコ「正直失敗したけど」
アルミン「それどころじゃなかったよ……」
エレン「それにしてもなんだこの結晶?」
エレン「遠くからからチラチラ見えてたけど」
アルミン「近くに来てみると結構大きいね…」
エレン「そうだな…」
マルコ「二人供!中を見て!?」
アルミン「あれは…!」
エレン「人がいる!?助けないと!」
マルコ「どうやって?」
エレン「そ、それは…」
マルコ「とりあえずもう少し近付こうか」
エレン「……これ、憲兵団の女の子か?」ズルズル
アルミン「うわぁぁぁぁ」ズザー
マルコ「どうしてこんなところに…」
エレン「マルコ、知ってたんじゃねぇのか?」
マルコ「人がいるのは知ってたけど…こんな風になってるのは知らなかった」
エレン「…なぁアルミン、どうすりゃいいんだ?」
アルミン「僕はこんなの見たことないし…」
アルミン「うーん…マルコ、さっきの鉄パイプ貸してよ」
マルコ「どうぞ」スルッ
エレン(駄目だ…どこから出してんだか分かんねぇ…)
アルミン「ありがとう」
アルミン「素手で触って何かあったら困るからね」トコトコ
アルミン「ちょっとごめんよ」ツンッ
ピシッ ピシピシ ガッシャーン!!
アルミン「」
エレン「」
マルコ「」
アルミン「うわあああああああ!」
アルミン「僕はなんてことを!!」ガクッ
アルミン「この役立たず!死んじまえ!」ドンッ
エレン「おい、落ち着けよアルミン」
マルコ「既に死んでるよ」
ジャン(なんだ、この本は…)ペラッ
ジャン(どこまで行っても文字がねぇ…)パラパラ
ジャン(……最後のページまで真っ白だ)パタン
ジャン(そういえば、推理ものでたまにあったな……ある条件で文字が出てくるとか)
ジャン(まさか、炙り出し?そんなわけないよな)
ジャン(なら水に?余計にないな)
ジャン(ここにあるってことは、少なくともアルミンが一度読んでいるはずだ)
ジャン(いや、隠しているって時点で中身を知っているのは確定だな…)
ジャン(外の世界の本よりこっちの方を隠さないといけないってことかよ)
ジャン(確かに…他の本と一緒に並んでいたら目につきやすい)
ジャン(背表紙の方は表紙や裏表紙と違って真っ白だしな)
ジャン(アルミンが一度手に取ったとしたら…文字がどこかにあるはずだ)
ジャン(何か、何か見逃したりしてないか?)ペラッ
ジャン「……なっ!?」ゾクッ
ジャン「嘘…だろ……?なんで、文字が…!」パタン
ジャン(待て、落ち着け、一枚くらい…ただの見逃しかもしれないだろ)パラパラ
ジャン「」
ジャン「ははっ……どうなってんだよこれ……」
ジャン(まさか呪いの類いじゃねぇよな…)
ジャン(…アルミン…恨むぞちくしょう……)
ジャン(……こうなっちまった以上…思いきって読むしかねぇ……)
ジャン(そうだ、俺はこれを探していたかもしれないんだからな)
ジャン「…………」
ジャン(ミカサの所に行って読むか?)
ジャン(いや、それはいくらなんでも…)
ジャン(くそっ、覚悟を決めろ俺!ミカサに頼るなんて馬鹿な考えはよせ!)バッ
"もう一度開いてくれてありがとう"
"私は、貴方達にお願いがあるの"
ジャン(良かった…呪いじゃな……待て待て、二度開くのは前提なのか…?)
ジャン(貴方達って……俺は今一人だよな…?)
ジャン(……とすると、エレンとアルミンに向けられた言葉か?)
ジャン(つまり、これを書い……作った奴は、二人が一緒に読むことを知っていた?)
ジャン(とりあえず次だ)
ジャン(1ページのど真ん中にたったの2行程度…)
ジャン(本の形をした何かか?メッセージを纏めただけ、とか…?)ペラッ
"私は死に、そして死後の世界を任された"
ジャン(……いきなり話が吹っ飛んだ…)
ジャン(隣…)
"私の仕事は、任された世界を見守ること"
ジャン(死んでも仕事させられんのか…俺だったら全力で断るが)ペラッ
"でも、それだけではなかった"
ジャン(あぁ、後から仕事増やされるヤツな)
ジャン(まぁ、見守ってるだけっていうのもアレだが…)
"この世界には、色がない"
"そう、すべてが真っ白、何もないの"
ジャン「ほう…」ペラッ
"でも、私はここから動けない"
ジャン(なんとなく話が読めてきた)
"だから、誰かにそれを頼むしかなかった"
ジャン(まぁそうなるわな)ペラッ
"もう、気付いたとは思うけれど"
"貴方達にこの本を託したのはそれの為"
ジャン(神に選ばれしなんとやらって?)
ジャン(……馬鹿馬鹿しいが、まぁ読んでやるか)
"どうか、力を貸してほしいの"
ジャン「…………」ペラッ
"嘘じゃないよ!"
"本当!本当なの!!"
ジャン(…………何があった……)
"アルミン、エレン!"
"どうしても貴方達じゃないといけないの!"
"ちゃんと理由もあるんだからね?"
ジャン(ついに名指しが来たか)
ジャン(というか一気にフレンドリーになったな神様…)ペラッ
"真っ白な世界に色をつけるには"
"こっちの世界にいる人達の、願いを叶えるの"
ジャン(面倒だな)
"そうすると、お礼に色が貰える"
ジャン(へぇ…)ペラッ
"皆、自分が持てる量の色を持っているはず"
ジャン(なるほどな…)
"何色が貰えるかは人によるけれど"
ジャン(色に偏りが出そうだ)ペラッ
"あ、大丈夫だよエレン"
"既出の色は皆分かるから"
ジャン(考えアイツと被ったのかこれは…?)
"皆はじめは理解してないけど"
"そこら辺は私がこっそりなにかしておくから"
ジャン(こっそり自分も仕事はすると…)ペラッ
"うん、次は私が貴方達を選んだ理由を話すよ"
ジャン(ページをめくる毎に返事が来る仕組みなのか)
"皆の願いを叶えるためには"
"第一に、生きている人じゃないと駄目なの"
ジャン(読んでる時は流石に生きてるよな、そりゃ)ペラッ
"どうやって話すのかは後で説明するね"
ジャン(とりあえず、次か)
"願いを叶えるには、知識や体力"
"友情の力だって必要になるかもしれない"
ジャン(……なんか大袈裟な気が…)ペラッ
"私が知っている人で"
"全てを兼ね備え、かつ生きているのは貴方達"
ジャン(まぁ確かにバランスは良いか)
"本当はミカサも入る予定だったんだけど"
"ごめんね、一緒に本を読むと思い込んでた"
ジャン(ミカサにあんな思いをさせた犯人ははお前か)ペラッ
"だめ!呼びに行かないで!"
"誰かにこの本のことを話しちゃだめなの"
ジャン(あぁ、二人が言えないって言ってたな…)
"開いた時に一緒の人だけじゃないと"
"私の力が働かなくなっちゃうよ"
ジャン(俺もミカサに話せないのか…?)
ジャン(力が働いてんのか知らねぇが……)ペラッ
"ついでに言えばきついお仕置きもあるの"
"アルミンやエレンは勿論、話した人にも"
ジャン(おっかねぇのがきたな…)
"だから、生きてる人に話しちゃだめだよ?"
ジャン(そうか……)ペラッ
"じゃあ、どうやってこっちの人と話をするか"
"そっちの説明に入るよ"
ジャン(まさかそれで死ねって言うんじゃ…)
"とりあえず、一度死んでもらうしかないの"
ジャン(当たっちまった…)ペラッ
"あっ!エレン!"
"頭が追い付かないって…………"
ジャン(まぁ、その気持ちは分からなくもない)
"アルミン、ありがとう…"
"続けるね"
ジャン(流石アルミンだな)ペラッ
"死んでもらうって言ったけど"
"全部終わったらちゃんと戻すつもりだよ?"
ジャン(死んだままじゃな…)
"でも、それは一度だけ"
ジャン(アルミンが言ってたのはこれか)ペラッ
"だから、困った時のために"
"そっちの世界の人と話せる方法を作るね"
ジャン(栞……いや、花だな……)
"青い花を持っている人と話せるようにする"
"二人が知っている人限定になっちゃうけど"
ジャン(これは神様効果だったか)ペラッ
"うーん、青い花の理由は……可愛いからかな"
"それに綺麗だもん!"
ジャン(そこはどうでもいいだろアルミン!)
"色んな所に咲いてるよね"
ジャン(花トークはいいっつーの…)ペラッ
"あ、そっか、それじゃあ花を採ることに…"
ジャン(採っちまったなぁ…)
"……アルミン、あんまり、ね?"
"もう花で決定しちゃったから…ごめんなさい"
ジャン(決まりは変えられなかったか)ペラッ
"あっ、大切な話を忘れてた"
ジャン(しっかりしろよ)
"私の頼みを聞いてくれるにあたっての話"
ジャン(それは忘れちゃいけねぇ気がするが)ペラッ
"貴方達の願いをなんでも一つ、叶えるよ"
ジャン(神様っぽいこと言ってる…)
"二人なら酷いお願いはしないと思うけど"
"叶えられないことはないから…"
ジャン(なるほどな…)ペラッ
"うん、とりあえず私からはこれでおしまい"
"ごめんね、説明大丈夫だったかな?"
ジャン(ある程度は分かったな)
"質問があったら言ってね"
ジャン(一旦ここで止めておくか)
ジャン(とりあえず、今までの話をまとめると…)
ジャン(アイツらは神様に頼まれて死後の世界を旅してる、と)
ジャン(そこで人の願いを叶えて色を集めてる)
ジャン(終わったら自分達の願いを叶えてもらえるし帰ってこれる)
ジャン(ざっくり言えばこうだな)
ジャン(他に分かったことは、俺やミカサに話せない理由、花について…こんくらいか?)
ジャン(微妙に腑に落ちない所もあるが…)
ジャン(さて、続きはどうすっかな、アルミン達の質問がなんなのか知ることはできない)
ジャン(だがまぁ、答えで大体は感じ取れるか?)
ジャン(とりあえず進むか)ペラッ
"死に方はなんでもいいよ"
ジャン(軽いぞ、なんだこれ)
"ちゃんと準備してあるからね"
ジャン(準備ってなんだ)ペラッ
"えっ?アルミン信じてくれたんじゃ…"
"……ううん、確かにそうだよね…"
ジャン(半信半疑くらいではあるが)
"でも、信じてほしいな"
"私はアルミンとエレンにしか頼めない"
ジャン(アルミン達は信じたのか)ペラッ
"えっ?ミカサに言えること…ごめんね"
"ほとんど何も言えないよ"
ジャン(基準はどこだ)
"死後の世界で何かしてる、くらいかな"
"でもそれでは信じてもらえるわけがないもの…"
ジャン(被ったか……まぁ、そんなこと言われても信じられないよな、ミカサも)ペラッ
"アルミン、エレン……やってくれる?"
ジャン(話に乗ったのか)
"ありがとう"
"私の準備はもうできているよ"
ジャン(アルミン…アイツ、意外と度胸あるんだったな)ペラッ
"この本は隠しておいて貰えると嬉しいな"
"ミカサが読んでしまう可能性もあるから"
ジャン(それでこんなところに…)
"それじゃあ、よろしくね!"
"いつでも大丈夫だから"
ジャン(質問もここで終わりか)
ジャン(とりあえず、あの二人はこれで信じたんだな)
ジャン(神様なんてもんは俺も信じたくはなかった……けど…!?)キラキラ
ジャン(裏のページが光っ…)
エレン『ジャン!』
ジャン(邪魔すんな)
ジャン「……なんだよ…?」
エレン『なんでもねぇよ!じゃあな!』
ジャン「はぁ!?おいちょっと待っ…」ブツッ
ジャン「て……」
ジャン「」
ジャン「……なんだアイツ!本当に邪魔するためにやっただけか!?」
ジャン「せめて何か用事ができてからにしろよ!!」
ジャン(…って言っても聞こえてないのが一番腹立つ!)イラッ
ジャン(生き返ったら蹴り追加してやる)
エレン『ジャン!』
ジャン(またかよ!)イラッ
ジャン「なんだよ死に急ぎ野郎!」
エレン『ごめん!』
ジャン「……は?頭でも打ったか…?」
エレン『打ってねぇよ!じゃあな!』ブツッ
ジャン(……いや、絶対に打ったろ)
ジャン(マルコ……まさか頭攻撃したのはお前じゃないよな?)
ジャン(待て、マルコを信じろ俺)
ジャン(ならアルミン…?)
ジャン(いや、アイツが自分で何かしたんだろ、きっとそうだ)
ジャン(……まぁアレのことはどうでもいい)
ジャン(それより次だ)
ジャン(さっき光ったよな…?)ペラッ
"ジャン…見付けちゃったんだね…"
ジャン(あ、この文ちょっと怖い……)
"あの方の所へ行った時から"
"見付かるのは分かっていたけれど…"
ジャン(あの方……リヴァイ兵長か?)
ジャン(おっ、また光ってる)ペラッ
"そうだよ"
ジャン(考え読まれてるし…)
"出されたヒントは罰の対象じゃないから"
"気にしなくて大丈夫だよ"
ジャン(まぁ俺は本借りただけ……!?)ビクッ
ジャン「はっ?えっ?なんだ!?」バサッ
ジャン(本が水色に染まっていく!?)
ジャン(……大丈夫、なんだよな?)ツンツン
"だけど貴方もこの本のことを"
"生きている人に話しては駄目"
ジャン(大丈夫らしいな…というかミカサには黙っておくしか無いのか…)
"エレンとアルミンにもだよ"
"二人は私の力で生者の分類になってるから"
ジャン(知っていても駄目…と…)ペラッ
"ジャン、本を投げるなんて駄目だよ?"
"びっくりしたのは分かるけど…"
ジャン(仕方ないだろ、そこは許してくれ)
"今のは願いを叶えた証拠"
"色が貰えたでしょう?"
ジャン(この本は世界と繋がってるのか)ペラッ
"~準備中だよ~"
"~一度ページを戻してね~"
ジャン(準備って…)ペラッ
ジャン(これでいいのか?)ペラッ
"ジャン…ごめんね"
"もう少しゆっくりめくってね"
ジャン(悪かったな)
"急いでるつもりだけど、あんまり早いと"
"間に合わなくなりそうだから…"
ジャン(了解)
ジャン「…………」
ジャン(タイミングが掴めねぇ)ペラッ
"さっき貴方が考えた通り"
"この世界は本と繋がっているの"
ジャン(へぇ…)
"沢山広がったから"
"沢山持てる人の願いを叶えたってこと"
ジャン(……その願いって俺へのいたずらじゃないよな?流石に違うよな?)
ジャン(そこまで恨まれるようなことして…)
ジャン(…………自信がねぇ…)ペラッ
"大丈夫"
"ジャンは誰にも恨まれてなんかいないよ"
ジャン(良かった)
ジャン(……って、アイツ完全に遊びってことじゃねぇか!)
"エレンは許してあげてね"
ジャン(予知されてた…)
ジャン(まぁ良いけどよ…)ペラッ
"そういえば、最初"
"どうして2回開くんだって思ったでしょう?"
ジャン(そうだったな)
"きっとアルミンが最初に見つけて"
"エレン達の所へ確認に行くと思ったからだよ"
ジャン(一回じゃアルミン一人になる可能性が高いってことか、一応考えてあるんだな)ペラッ
"そうそう、あ、紙飛行機が届いたみたい"
"もう少しなんだね…"
ジャン(いや、そっちの世界のことは知らねぇよ)
"9人目になったら飛ばしてって"
"そう頼んであるから"
ジャン(なんのこっちゃ…)ペラッ
"そっか、分からないよね、ごめんなさい"
ジャン(ちょいちょい抜けてんな、この神様…)
"ジャン、これから大切な記憶を戻すから
"目を閉じて?"
ジャン(いきなり目を閉じてって……)
ジャン(本が読めねぇじゃねぇか…)ギュッ
ジャン「……うっ、なんか眩し…」グラッ
ジャン「…………これは…!」
ジャン(……もう目は開けていいだろ)パチッ
ジャン(というか、なんでこんなことを忘れてんだ俺は…)
ジャン(どういうことなんだよ)ペラッ
"約束で預かってる記憶なの"
"その記憶はこれから必要になるはず"
ジャン(意味がわからん)
"こっちの世界で知っている人が必要なの"
"でも、私を知っているのは二人しかいない"
ジャン(俺とリヴァイ兵長か?)ペラッ
"うん…"
"勝手に巻き込んでごめんなさい"
ジャン(どちらかというと、エレンに巻き込まれた感が強くてなぁ…)
"お願い、もう少し協力してほしいの"
ジャン(こんな中途半端で止める気はねぇよ)ペラッ
"ありがとう"
ジャン(元々そのつもりだったしな)
"もうすぐ、さっきの記憶が必要になる"
ジャン(何か起きるのか?)ペラッ
"願いを叶えるために、少し…"
ジャン(どんな願いだよ…嫌な予感がまた……)
"他の質問は終わってからでお願い"
"誰にも話しちゃ駄目だよ?"
ジャン(了解…)
エレン『おーいジャン、ちょっとミカサの方に来いよ』
ジャン(まぁそうなるよなぁ……)
ジャン「……少し待ってろよ…」
マルコ「アルミン、怪我はない?」
アルミン「うん…」
エレン「よし、じゃああの子ん所へ行こうぜ」
エレン「ほら、手貸すよ」スッ
アルミン「ありがとうエレン」ギュッ
エレン「おーい、大丈夫か?」ユッサユッサ
エレン「……!」
アルミン「どうしたのエレン?」
エレン「なんで…忘れてた……」
アルミン「エレン?」
エレン「アニだよ!アルミン、マルコ!覚えてないのか!?」
アルミン「アニ?聞いたことあるような…ないような…」
マルコ「僕もだ…でも、思い出せない…」
エレン「そんな…!おいアニ!アニだろ!?起きてくれよ!!」ユッサユッサ
アルミン「エレン、そんなに動かしたら可哀想だよ…」
アニ「…んっ……ここは……」モゾッ
エレン「アニ!アニだよな!」ガシッ
アニ「……女の子を起こす時は…もっと優しく起こしなよ…」
アニ「全然進歩してないじゃないか、エレン…」
エレン「やっぱりアニだ!アルミン、マルコ!本当に覚えてないのか?」
マルコ「駄目だ、思い出せない」
アニ「覚えてる訳ないよ、そういう取引をしたんだから」
アニ「逆に、どうしてあんたが覚えているのさ」
エレン「分かんねぇよ、お前を起こそうとしたら思い出したんだ」
アルミン「なるほど…」
アルミン「アニ、だったよね?」
アルミン「良かったら僕と握手してくれないかな?」スッ
アニ「…………思い出さない方がいいよ…」
アルミン「どうして?」
アニ「教えてやる義理はないね…」
エレン「アニ、それじゃあ話が進まねぇよ」
アニ「私と話してどうするのさ?仲良く思い出話でもするつもり?」
アニ「そんな仲になった覚えはないよ…」
アニ「それに、あんたは特に…私が憎くて仕方ないんじゃないのかい?」
エレン「……ライナーとベルトルト…」
アニ「……!……そう…全て知ってるんだね…」
エレン「あぁ、そして、全部終わった…」
エレン「さっき、二人供一緒に遊んできたんだ」
アニ「へぇ…それで?そんな話を私にして、どうするつもり?」
エレン「アニ、俺はお前とも…」
アニ「止めな!……私はもう、誰とも関わりたくない」
アニ「戦士にも人間にもなれなかった、ただの人殺しの化け物さ」
アニ「だから、静かに死ねる換わりに、全ての人から忘れられることを選んだ」
アニ「……父さんや……ライナー、ベルトルトからもね…」
アニ「私はあの世界に居なかったんだよ」
エレン「でも、俺は思い出した!」
アニ「……それで仲良くなろうって言うなら、あんたは本当に馬鹿だね…」
マルコ「じゃあ、僕もその馬鹿に追加して貰おうか」
アルミン「もう一人追加してよ」
アニ「は?何言って…」
マルコ「ちょっと失礼して」ポンッ
アルミン「ごめんよ」ポンッ
マルコ「……あぁ…そうか…」
アルミン「……思い出した…」
アルミン「アニ」
アニ「アルミン…本当に、馬鹿だね…」
アニ「マルコ、あんたもだよ…」
アルミン「そうだよ、僕は馬鹿でいい」
アルミン「君を追い詰めたのは僕だ」
アルミン「でも、君と仲良くなりたい」
マルコ「僕も馬鹿でいいよ……やっと自分が死んだ理由をしっかりと思い出せた…」
アニ「あんたは大馬鹿だよ、人類の敵を助けて死んだんだ……」
アニ「私にはそんな価値なんて無かったのに…」
マルコ「君は、ライナーやベルトルトの仲間…なんだね?」
アニ「そうだよ…直接ではなくても、あんたを殺したのは私ってことさ」
マルコ「そっか…」
アニ「まだ、馬鹿でいるつもり?」
マルコ「勿論、僕がここにいるのは君を恨むためでも、笑うためでもない」
アニ「……だったら、あんた達は何しに来たって言うのさ」
エレン「お前の願いを叶えにきた」
アルミン「アニ、君の願いは何かな?」
アニ「魔法使いにでもなったつもり?」
アニ「それなら私の前から消えて」
アニ「一人になりたい……だから、消えて…」
アルミン「君がそれを本気で望んでいるならね」
アニ「本気だよ、だから…」
アルミン「アニ、君は今…立つことも走ることも、得意の足技だってできるだろう?」
アニ「それが?」
アルミン「本当に僕達と話したくない、一人になりたいというなら…今すぐに僕達を倒していけばいいじゃないか」
アニ「三人の男相手に戦わせるつもり?乙女に向かって言うことじゃないね」
アルミン「でも、君ならできる」
アルミン「残念だけど、僕は対人戦が苦手だ…君ならこの一瞬で僕を倒せるだろう?」
アニ「……そこまで煽るってことは、やってほしいってこと?」スクッ
アルミン「僕は、それでもいいよ」
エレン「おいアルミン…!」
マルコ「エレン、アルミンに任せよう」
アルミン「アニ、僕は抵抗なんかしないよ」
アルミン「いつでもこい…!」
アニ「…………」スゥ
アルミン(大丈夫、だってアニは…)
アニ「…………アルミン……」
アルミン「何、かな?」
アニ「あんたは本当に、意地悪だね…」
アルミン「意地悪だなんて、酷いなぁ…」
アニ「私ができないのを分かってたんだろう?」
アルミン「うん、だってアニは…優しい人だから」
アニ「…………」
アニ「……アルミン…」
アニ「……私は、普通の女の子になりたかった…」
アニ「普通の女の子として生きたかった…」
アニ「皆と、笑って…話して…お洒落してさ…」
アニ「笑いたきゃ笑いなよ、似合わないのは分かってる」
アルミン「笑ったりなんかしないよ、ね?エレン、マルコ!」
エレン「おう!」
マルコ「任せといて!」
アニ「……救いようのない馬鹿だね…」クスッ
エレン「おいアニ、あんまり馬鹿馬鹿言うなよ!」
アニ「駄目だよ、あんたは馬鹿のままでいな」
エレン「なんだよそれ!?」
マルコ「さて、女の子と言ったら……」
アルミン「言ったら?」
マルコ「……なんだろう?」
アルミン「あらら…」ガクッ
エレン「アニと言ったら足技だろ!」シュッシュッ
アニ「喧嘩を売ってるなら買ってあげるよ」
マルコ「うーん、さっきアニが言ったようにお洒落からかな?そして…」
マルコ「そうだ!ガールズトークって言うのがあるね、恋愛の話とか!」
エレン「じゃあまずはお洒落からか?どうすりゃいい?」
アルミン「待ってよ、ガールズトークって言ってもアニ以外皆男だし…」
マルコ「なら逆ハーレムみたいなのじゃ駄目かな、格好いい男子じゃなくて申し訳ないけど」
アニ「普通の女の子がハーレムなんか作るわけないよ」
エレン「なら誰か一人選べばいいだろ」
アニ「選んでどうする気?」
エレン「喋るんじゃないのか?」
アルミン「エレン、それなら皆で話そうよ…」
アニ「そもそもお洒落だってどうするのさ」
エレン「ん?あぁ……ミカサに頼めばいいだろ」
アニ「ミカサ?ミカサもこっちに?」
エレン「居ねぇけどできる」
アニ「どういうこと…?」
エレン「ミカサー」
ミカサ『どうしたの、エレン?』
エレン「ちょっとお洒落について教えてほしいんだけど」
ミカサ『エレンは今のままで充分格好いい』
ミカサ『ので、余計なものなど必要ないと思う』
エレン「いや、女の子のお洒落ってやつ」
ミカサ『……それを知って、どうするの…?』
エレン「え?お洒落するんだろ?」
ミカサ『』
ミカサ『エ、エレンがそういうことをしたいなら…私も応援したい』
ミカサ『でも…その……』
アルミン「エレン、凄い勘違いされてるから僕が話すね」
エレン「え?おう…」
アルミン「ミカサ、エレンが女装に目覚めた訳じゃないからね?安心して」
エレン「はぁ!?なんで俺がそんなこと…!」
アルミン「エレンの言い方じゃそうなってたんだよ」
エレン「ミカサ!違うからな!?」
ミカサ『うん、良かった…』
ミカサ『エレンはそのままでいて…』
アルミン「それで、ミカサ、僕達が頼れる女の子は君だけなんだ!協力してほしい」
ミカサ『任せて』
ミカサ『女の子のお洒落を教えればいいの?』
アルミン「うん、お願い」
ミカサ『……簡単にできるものとしては、服…だろうか?』
ミカサ『髪型や化粧はそれなりに方法を知らないと…』
アルミン「なるほど、それならとりあえずスカートとかでどう?」
アニ「その前に、これはどうなってるの?どうして話なんか…」
マルコ「僕でよければ教えるよ、アルミンとエレンじゃないと会話ができないから」
アルミン「よろしく、マルコ」
アルミン「アニ、スカートでもいいかな?」
アニ「あんまり露出があるものや派手なのはお断りだよ」
アルミン「了解」
アルミン「ミカサ、露出がなくて派手でもない、可愛いスカートってあるかな?」
ミカサ『探せばあると思う、でもサイズはどうするの?そもそも誰が…?』
アルミン「それは…えっと、そっか…そうだよね……」
ミカサ『アルミン?』
エレン「じゃあ俺が行く!」
アルミン「エレン!?」
エレン「俺が向こうに行って、ミカサと一緒に考えればいいだろ?どうせこっちに持ってくるなら行かなきゃいけないし」
アルミン「そうだけど…エレン、君はこれ以上外に出ると面倒なことになりそうだよ」
エレン「そういやそうだった…」
アルミン「とりあえずジャンを呼んでおこうか、説明は一緒の方がいいでしょ?」
エレン「近くにジャン居ねぇのか?」
ミカサ『アルミンの部屋で本を読んでいる』
アルミン「えっ?僕の部屋!?」
ミカサ『勝手にごめんなさい、でも、借りてきた本を読んでいるだけだから…』
アルミン「まぁ、ジャンならいいかな…」
アルミン(流石に見つからないよね?)
エレン「それならとりあえずジャン呼ぼうぜ」ブツッ
エレン「おーいジャン、ちょっとミカサの方に来いよ」
ジャン『……少し待ってろよ…』
エレン「何してんだ?」
ジャン『何って……いや、なんでもねぇ』ゴソゴソ
エレン「アルミンの部屋散らかすなよー」
ジャン『なんでこっちにいるの知って……あぁ、ミカサか』
ジャン『って、散らかしてねぇよ!お前じゃあるまいし』
エレン「なっ!?そんなことしねぇって!な、アルミン!?」
アルミン「……良い思い出かなぁ…」
エレン「おいアルミン…」
ミカサ『思い出?どうしたのアルミン?』
アルミン「あぁ、気にしないで」
ジャン『あー、ずっと本ばっか見てんのは慣れねぇな……』
ジャン『色々ありすぎてついていけねぇ…』
エレン「本って誰から借りてきたんだ?」
ジャン『誰でもいいだろ、お前なんかに教えねぇよ』
エレン「なんだよ…教えてくれたっていいだろ?」
ジャン『お前に逐一報告しなきゃいけねぇのか?』
エレン「……分かったよ、もう聞かねぇ」
ジャン『あぁ、是非そうしてほしいね』
ジャン『さてと、とりあえず移動するか』
エレン「あーあーミカサー」
ミカサ『聞こえてる』
エレン「よし、繋がったな」
今回はここまで!
質問を残していただければ
ひょっとしたら神様が答えてくれるかもしれません
色は何色なんだろ?果てしないよな
むさ苦しくて申し訳ありません
進めます
ジャン「で、集合かけてどうするつもりだ?」
アルミン『うん、実は…女の子のお洒落について話してて……服が必要なんだ』
アルミン『例えば、スカートとか…?上があるならまたそれもよし、だけど』
ジャン「女装でもするつもりか?それだけ聞くとお前らただの変態なんだが……」
アルミン『僕達が着るわけでもないし、何かするわけでもないからね?』
ジャン「分かってるっつーの、どうせまたほとんど言えないんだろ?」
アルミン『うん…』
エレン『とりあえず、俺は取りに行かないといけないんだけど…』
ジャン「あぁ……そうなるのか……いや、どうやって持っていくんだ?」
エレン「えっ?持ったまま死ねばできるだろ?」
ジャン「んなこと俺が知るかよ」
ジャン「服はどうするんだ?ミカサの借りる気か?」
アルミン『ミカサのだとサイズが違うと思う…』
ミカサ「アルミン、サイズはどれくらいなの?」
ミカサ「いえ、サイズだけでは分からない…そもそも服というのは人に合わせて選ぶもの…」
アルミン『えっと…サイズは150センチより少し高めの女の子で合わせてほしい、髪は金の…』
ミカサ「待ってアルミン……サイズを選ぶのに身長だけでは…」
アルミン『ごめん、でもそれ以上はちょっと…』
ジャン(あぁ、そういう…)
ミカサ「エレン?エレンがある程度把握しているなら、一緒に見に行くことでまだマシになるかもしれない」
ジャン「ミカサ、エレンは外に出ない方がいい」
ミカサ「どうして?さっきも一度…いえ、ここに来る時も外へいたはず」
ジャン「それが問題なんだよ」
エレン『俺の姿丸見えだったからなぁ』
ジャン「サシャとコニーがエレンの幽霊探してたくらいだ、それなりの噂になってる」
ミカサ「…………分かった、それなら…何着か買えばエレン達の理想の物があるかもしれない」
ミカサ「アルミン、女の子のイメージで構わない、教えて」
アルミン『えっ!?待ってよミカサ…服って結構高いじゃないか…それを何着もって…』
アルミン『それに、全部合わない可能性もあるんだよ?』
ミカサ「極端な体型でない限り、誰が着ても問題ない服というのも探せばある、それを狙えば…」
エレン『あ、そうだ!』
ミカサ「…どうしたの?」
エレン『俺だとバレなきゃいいんだろ?なら顔隠していけば良いじゃねぇか』
アルミン『エレン……女性服の所にそんな男の人がいたら大騒ぎだよ…』
エレン『……それもそうか…』
ジャン「へっ、だったら本当に女装でもすりゃあ良いじゃねぇか、お前ならミカサの服で良いだろ?」
アルミン『あ…』
ミカサ「あ…」
ジャン「はっ?」
エレン『えっ?』
エレン『……えっ!?』
エレン『嫌だ!俺やらないからな!絶対に嫌だ!』
アルミン『エレン…君って結構美人になれると思うんだ…』
エレン『ア、アルミン…!?』
アルミン『ねぇ、エレン…』
エレン『なんだよ…?』
アルミン『 何も捨てることができない人には、何も変えることはできないだろう』
エレン『……や、でも…』
アルミン『エレン、もうこれしかないんだ!』
エレン『ア、アルミン…』
ミカサ「エレン、白と水色のスカート、どっちがいい?」
エレン『ミカサ!?』
ミカサ「でも、このピンクもすてがたい…」
エレン『はぁ!?待てよミカサ!?おいジャン!お前のせいなんだから何とかしろよ!!』
ジャン「知るか、俺は本気で言った訳じゃねぇ」
ジャン「お前が女装しようが何しようがどうでもいいんだよ、エレンちゃん」
エレン『やめろおおおおおおおお!』
アルミン『ジャン、よろしく』
ジャン「チッ…しょうがねぇな……」
エレン『やらなくていい!やらなくていいって!』
ミカサ「おいで、エレン…」キラキラ
エレン『ミカサこわい……』
ジャン「ほーらいくぞー」
エレン『待てよ!イタズラしたのは謝っただろ!?なぁ本当に…』
ジャン「アレイズ!」
エレン「あああああああ!」ガバッ
ジャン「あー……気持ち悪ぃ…」
エレン「もうやだ…もう終わりだ……」
ミカサ「おかえり、エレン…」ニコ
エレン「」
ジャン(OK、笑顔ゲット)
ミカサ「エレン、可愛い、とても可愛い」
ミカサ「ので、顔を見せるべき」
エレン「死にたい…」グスッ
ミカサ「エレン…涙は女の武器と言うけれど、今は使うべきではない」
エレン「帰りたい…」グスッ
ミカサ「エレン…貴方の家はここ、もう帰ってきてる」
エレン「あの頃に…」グスッ
ミカサ「エレン…確かにそうだけど、人は過去に戻れない」
ジャン「いつまでやってんだよ」
エレン「うるせぇ馬鹿!馬面!お前のせいだ!ばーかばーか!」グスッ
ジャン「あーあー聞こえねぇなぁ!」
ミカサ「エレン、女の子がそんな言葉を使っては駄目」
エレン「男だよ!!」
アルミン『えーっと…準備はできたってことなのかな…?』
ミカサ「ばっちり」
エレン「ばっちりってなんだよ、俺は外に出ないからな!」
ミカサ「エレン、それでは何の意味もない」
エレン「意味があってもやりたくなかった!」
ジャン「ほら早く行ってこいよエレンちゃん、ぎゃーぎゃーうるせぇんだよ」
エレン「…………道連れにしてやる……」
ジャン「……は?何言ってんだ?俺は女装なんか絶対に無理だろ?」
エレン「道連れにしてやる…!」
ジャン「いや、だから俺は…」
エレン「バレたら終わりなんだろ?お前が責任とれよ、なぁ?」ガシッ
ジャン「ははっ、冗談だろ…?それってどういう…」
エレン「うるせぇ来い!」グイッ
ジャン「おいやめろ離せ気持ち悪い!」ゲシゲシ
エレン「ちょっと逝ってくる」ズルズル
ミカサ「エレン?私と行くのでは…?」
エレン「逝ってくる」
ミカサ「でも…」
エレン「逝ってくる」
ミカサ「……いってらっしゃい」フリフリ
ジャン「ミカサ!止めてくれ頼む!」
ミカサ「これは…エレンが友達を増やすチャンス」ボソッ
ジャン「えっ?」
エレン「ほら歩け!馬!」グイッ
ジャン「テメェ…この野郎……!」
ミカサ「エレン、言葉遣いには気をつけて」
エレン「逝って参りますわ!」ニコ
アルミン『ええっ!?大丈夫かなぁ…これ……』
マルコ「なんとかなりそうな流れ?」
アルミン「うーん、不安の方が強いかも…」
マルコ「気になったんだけど、エレンって結構ガッチリしてるだろう?体型でバレない?歩き方とか」
アルミン「ミカサはエレンのことを知り尽くしているから大丈夫、歩きは……まぁ、残念美人かな…」
ミカサ『アルミン、誰と話してるの?』
アルミン「マルコだよ、ごめん、掛けたままだったね」
ミカサ『そう…そのままでも構わない』
ミカサ『私が他にできることはあるだろうか…?』
アルミン「うーん……女の子といったらなんだと思う?」
ミカサ『エレン』
アルミン「そういう意味じゃないよ」
アニ「それしか頭に無いんだね」
マルコ「アルミン、ガールズトークで聞いてみてよ」
アルミン「分かった」
アルミン「ミカサ、ガールズトークといったら何?」
ミカサ『そのままの意味、話をするだけ』
アルミン「どんな感じで?」
ミカサ『私は聞いていただけだけれど、恋愛の話や趣味の話、たまに人に言えないような話をしている』
アルミン「そ、そっか…」
ミカサ『そういえば、いつも誰かがちょっとした差し入れを用意していた』
アルミン「差し入れ?」
ミカサ『女子は皆甘いものが好き、でも甘いものは高い』
ミカサ『ので、余裕がある人が買ってきたり、皆で少しずつ出して買っていた』
アルミン「甘いものか…」
マルコ「アニもそういうの好きなの?」
アニ「好き、でも話にはほとんど混ざらないようにしてたから…あまり口にしたことはないね」
マルコ「なるほど…」
アルミン「ねぇミカサ、どうにかして甘いものを用意できないかな?」
アニ「……!なにもそこまでしてくれなくても…」
ミカサ『即席で良ければ私が作ろう』
アルミン「良いの?」
ミカサ『アルミン、貴方は私の家族同然、家族に遠慮なんてしなくていい』
アルミン「そっか…なんだか嬉しいなぁ…」
ミカサ『ふふっ……では、何を作ろう』
ミカサ『砂糖はそこまで余裕がない…』
アルミン「高いからね…」
ミカサ『蜂蜜がある、これを使おう』
ミカサ『他の材料はこれとすると……』
ミカサ『……決めた…ハニートーストを作る、ホットミルクもつけよう』
ミカサ『簡単で美味しい』
アルミン「ミカサの料理は全部美味しいよ」
ミカサ『アルミン、そんなに誉めても何も出ない』
アルミン「あれ?僕の分はないの?」
ミカサ『……!今のはそういう意味ではなく…!』
アルミン「ふふっ…冗談だよミカサ」
ミカサ『アルミン、私は貴方の分を忘れたりなんかしない』
アルミン「うん、ありがとう」
アルミン(アニ、やったよ!)グー
アニ(……こんな大事になるとは思わなかった…)
マルコ「いやぁ、ジャンが聞いたら嫉妬しそうだ」
アニ「…ミカサもエレンよりアルミンの方が幸せにしてもらえるんじゃない?」
マルコ「それはエレンに失礼だよ」
アニ「あいつは女の子の扱いがなってない」
アニ「あれだけ言ったのに全然勉強もしてないみたいだし」
マルコ「ミカサはそのままのエレンが好きなんだよ」
アニ「顔は良いのにもったいない」
マルコ「アニも可愛いんだからもっと笑えばいいじゃ…痛っ!!」
アニ「変なこと言ってると蹴るよ」
マルコ「もう蹴ってるじゃないか、乙女がそんなことしちゃ駄目だろう?」サスサス
アニ「あんたにも扱い方を教えてあげようか?」スゥ
マルコ「丁重にお断りします」
ジャン「くっそ、ここまでしろなんて聞いてねぇ!つーか離せよ死に急ぎ野郎が!」
エレン「お断りします」ニコニコ
ジャン「キャラ変わってんじゃねぇか!」
エレン「ミカサに注意されましたので」ニコニコ
ジャン「いつもは聞きもしねぇくせに?」
エレン「…………もう終わりなんだよ……」
ジャン「なんだよいきなり」
エレン「もうやだ……あっちのおっさん凄い優しい笑顔でこっち見てるし!そんな優しさいら…むぐっ!?」モゴモゴ
ジャン「馬鹿!大声出すな!見られてんなら余計にだろ!本気で終わらせたいのか!?」
エレン「…………」モゴモゴ
ジャン「変な接触は避けろ、一定の距離を保て、喋るな、俺に触るな、分かったな?」パッ
エレン「分かった…」
ジャン「お前俺の話聞いてなかったろ」
ジャン「まぁ、二人だけの時は小声でなら話してもいい」
ジャン「頼むぞエレン、俺の未来もかかってんだからな…?」
エレン「……お前に名前呼ばれると終わらせたくなる」
ジャン「死に急ぎ野郎」
ジャン「…………いや、死に急ぎ……アマ……?」
ジャン「死に急ぎ女郎」
エレン「…………すぅぅぅ…」
ジャン「待てコラ、じゃあ何て呼べばいいんだよ!」パシッ
エレン「痛っ!……エレンでいいよ仕方ねぇな…」
ジャン「なら最初からそれでいいだろうが!」ビシッ
エレン「痛っ!こんの…何しやがっ…んぐっ!」モゴモゴ
ジャン「注意したばっかりだろ!」
エレン「…………」ゲシッゲシッ
ジャン「止めろっての」ポイッ
エレン「もうお前とは絶対に話さねぇ…!」
ジャン「へっ、そいつはどうも」
エレン「やっぱり殴らせろ」ガシッ
ジャン「触んなっつったろ」グイッ
エレン「お前だってやる気じゃねぇか」
ジャン「俺は元々そういう予定だったのを思い出したんだよ」
エレン「嘘つけ!このっ…」
ジャン「……待て!」サッ
エレン「なんっ……ぐっ!?」モゴモゴ
サシャ「あのぅ、お取り込み中すいません」ヒョコ
ジャン「なんだよまたお前かよ!邪魔すんな!!」
サシャ「だからお取り込み中すいませんって言ったじゃないですか!」
ジャン「……何しに来た…?」
サシャ「その前にそんな目で睨まないでくださいよ、今のジャンの顔凄く怖いですよ?」
サシャ「ついでに言えば…掴んでる女性の方も……」
エレン「…………!」バッ
ジャン(やべぇ……よりにもよって勘が鋭いサシャがきやがった…!)
ジャン(なんでコニーの方じゃねぇんだよ!)
サシャ「…………あれ?失礼ですが、どこかでお会いしませんでした?」
ジャン(まずい!さっそく…!?)チラッ
エレン「…………」ブンブン
サシャ「そうですか…人違いでしたね、すいません」
エレン「…………」コクコク
サシャ「お気に障ったならすいません、もしかして声が出せない方なんですかね?」
サシャ「いえ!その…答えていただかなくてもいいんですけど、さっきジャンと話してるように見えたので…」
エレン「…………」グイグイ
ジャン(くそっ、仕方ねぇな…)
ジャン「そう、こいつ喋れねぇんだわ」
サシャ「やっぱりそうでしたか…余計なことを…すいません……」シュン
ジャン「気にすんな、話してるように見えたのは気のせいだろ……たまたま口が開いてる瞬間に見たとか」
サシャ「……あの、もう一つだけ良いですか?」
ジャン「……なんだよ…」
サシャ「なんで喧嘩してたんです?そもそも、手話も紙もない状態で、ジャンはどうやって彼女の話を……あ、これじゃあ二つでした」
サシャ「で、どうしてですか?」
ジャン(やばい、これはどうする?)
ジャン(喧嘩はちょっとした考えの違いでいいだろ、よくある話だ)
ジャン(二つ目、二つ目は……)
サシャ「……ジャン?なんで黙っているんですか?」
ジャン「お、俺はこいつが考えてることがなんとなく分かるんだよ!」
ジャン(んなわけあるか!何言ってんだ俺は!)
ジャン「だからさっきのもそれで……その、考えの違いで衝突して、だな…」
ジャン(頼む、もういいだろ…!?)
サシャ「そうなんですか!目で会話できるほどの仲良しさんなんですね…なら喧嘩なんかしてないで仲直りしましょうよ?ね?」
ジャン「あ、あぁ、悪かったな…」
エレン「…………」フリフリ
サシャ「…………?」
ジャン(おい今のはセーフだろ!?)
サシャ「あぁ、私も良くやるんですよね、会話と一緒に手も動いてしまうって…」
エレン「…………」コクコクコクコク
ジャン(馬鹿、動揺すんな!なんとか誤魔化せてんだよ!)
ジャン「……も、もういいだろ?ちょっと行くところがあるんだよ」
サシャ「……ひょっとしてジャンの彼女さんでしたか?ということはデート中ですか、それならこれ以上はお邪魔ですよね…」
サシャ「あれ?でもさっきミカ……」ハッ
サシャ(これを言ったら今は亡きアルミンに教わった、修羅場というヤツに!?)
サシャ「いえ、やっぱり何でもありません!」
サシャ「お邪魔してすいません!それではお幸せに!」
エレン「…………はぁ…死ぬかと思った……」
ジャン「あいつ何しに来たんだよ……」
エレン「って言うか誰が彼女さんだ、誰が!」
エレン「俺は女じゃねぇ!」
ジャン「俺だってお前みたいな奴なんか嫌だね!」
ジャン「つーか声のトーンもっと下げろ、人来たらどうすんだよ」
エレン「もう誰も居ねぇじゃねぇか」
ジャン「急に人が湧いてくると思ってんのか?どこかに居たらどうする気だよ」
エレン「心配しすぎだっての…お前はミカサかよ……」
サシャ「やっぱり喋ってるじゃないですか?というかミカサともお知り合い?」ヒョコ
サシャ「……というより、聞いたことあるような声…」
エレン「」
ジャン「」
サシャ「あれ?どうしました?」
ジャン「で、でたな妖怪芋女!?どこから湧いてきやがった!!」
サシャ「妖怪芋女って!あんまりじゃないですか!普通に走ってきましたよ!」
ジャン「うるせぇこっちくんな!」
サシャ「なっ!?さっきはたまたまジャンを見つけたから新しいハンカチとお礼渡しに来ただけですよ!」
サシャ「今はそれを渡し忘れたから戻ってきただけです!そんな言い方しなくてもいいじゃないですか!」
ジャン「食ったのか!?お前やっぱり俺のハンカチ食ったんだな!?」
サシャ「食べてませんよ!!そちらもちゃんとあとでお返しするつもりでした!」
ジャン「嘘つけお前がそこまでできるわけがねぇ!」
サシャ「なんですと!?」
エレン「…………」グイッ
ジャン「なんだよお前は黙ってろ!」
サシャ「喋ってませんよ?」
エレン「…………」グイグイ
ジャン「やめろ引っ張んな」ペシッ
サシャ「……やっぱり分かってないんですね」
サシャ「普通に喋ったらいいじゃないですか?なにか隠し事があっても私誰にも言いませんよ?」
サシャ「その気持ちは良く分かりますから、ね?」ニコ
エレン「…………」グイッ
ジャン「……えっと、こいつはな…自分の声がコンプレックスで最低限でしか喋らねぇんだ」
ジャン「他には話せねぇって嘘ついてるが…騙して悪かったな」
サシャ「なるほど……こういってはなんですが…私が聞いたのも男の人の声でした……そういうことだったんですね…」
サシャ「……あの、エレンに似ていたような気がしてこんな話を…すいませんでした…」
エレン「」
ジャン「」
サシャ「あの、もしよろしければお友達になってください!困ったことがあれば力になりますよ!」
サシャ「私はサシャ・ブラウスといいます!お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ジャン「こいつは、エ……」
サシャ「え…?」
ジャン「……え、えっと、なんだったかなー!なんつってな!」
エレン「」
サシャ「」
ジャン「」
ジャン「……流石に悪かった…」
サシャ「…………これは、その…ジャンは内緒にしておきたいんですかね?」
サシャ「分かりました!残念ですが、大丈夫ですよ、ここであったことは全て誰にも言いません!私は何も見てません!」
ジャン「あ、あぁ…助かる…」
サシャ「ジャン、ハンカチありがとうございました」
サシャ「お節介ですが、女の子に暴力は駄目ですよ?次そんなことしたら私絶対に許しませんからね!」
サシャ「何で喧嘩してるかは分かりませんが、ちゃんと話し合って解決して、仲良くしてください」
サシャ「ほら、ジャンはちゃんと手を引いてあげてくださいよ」ギュッ
サシャ「それじゃ、また」スタスタ
ジャン「…………」
エレン「……ばーか…」
ジャン「あぁ…まったくだ……」
エレン「サシャっていい奴だよな…」
ジャン「そうだな…」
エレン「……何か言い返してこいよ」
ジャン「お前は慰めるのが下手くそだ」
エレン「………………」
エレン「手離せ」ペシッ
ジャン「サシャがやっただけだろ」
エレン「あぁ……なんか罪悪感が凄い……」
ジャン「それを言うな……言った本人が一番キてる……」
エレン「俺、サシャに謝ってきちゃ駄目か?」クルッ
ジャン「我慢しろ」ガシッ
エレン「あんな良い奴騙すなんて我慢できねぇよ!」ググッ
ジャン「お前の立場を考えろ!……行くぞ…」ギリギリ
エレン「あああああサシャァァァァ…!」ズルズル
アルミン(普通の人ならそろそろお店に着いてもおかしくない頃……)
アルミン(この二人じゃ心配だから様子を見に来たけれど……)
マルコ「あれ?喧嘩してない…」
アニ「でも何か騒いでるみたいだけど…」
アルミン「おーい二人供、何してるの?」
ジャン『後悔してる…』
アルミン「いや、そこだけ言われても…」
エレン『さしゃぁぁ……』グスッ
アルミン「なんでエレンが泣いて……あれ?なんで声が聞こえるの?」
マルコ「サシャと何があったのかも気になるな」
アニ「この短時間でいくつ謎を作る気なのさ」
アルミン「とりあえず、エレンはどうして泣いてるの?」
エレン『サシャは良い奴だった…俺はその優しさを……!』
アルミン「サシャにバレたの!?」
ジャン『いや、バレてねぇ』
アルミン「それなら良かったじゃないか、実際サシャって結構強敵だよ?」
ジャン『良かねぇよ…次会った時どんな顔して良いのか分からねぇ……』
アルミン「……君達って案外仲間思いな所あるよね……しかし、悲愴感漂ってるなぁ…」
マルコ「暴言なんかより優しさの方が効くみたいだな、この二人は…」
アニ「結構純粋なんだね…」
マルコ「純粋過ぎるんだよ」
アニ「……なんとなく分かる気がする」
アルミン「えっと、どうしてエレンと会話ができるかなんだけど…また花を……?」
アルミン「……いや待てよ…?僕はジャンにしか掛けてないぞ?」
ジャン『とってない、植物に触れてすらいねぇ』
アルミン「それならどうして…」
ジャン『……可能性があるとすりゃあ、今こいつを引きずってるから?』
アルミン「エレンを?」
ジャン『あぁ、こいつサシャの所に行こうとするからな』
アルミン「なるほどね、そんなことできたんだ…」
マルコ「でもそれって、アルミンが話し掛けるタイミングによっては危険じゃないか?」
アニ「毎回話し掛ける前に様子をうかがった方が良いね」
アルミン「ねぇ、そんなことしてたら周りの注目の的なんじゃ…」
ジャン『あぁそうだな、あのおっさん、頭の反射もプラスされて眩しいくらいの良い笑顔だ』
アルミン「何言ってるのさ、ふて腐れている場合じゃないよ」
ジャン『ならこいつをどうにかしろよ』
エレン『うわぁぁぁぁ…』
アルミン「……せめて手を繋ぐくらいにしてくれないかな…」
ジャン『勘弁してくれ』
アルミン「会話もできるし便利なんだ」
ジャン『お前の目的はそっちだな』
アルミン「まぁね」
アルミン「エレン、早く終わらせないと!ミカサが美味しいもの作ってくれてるみたいだよ!」
エレン『うっ…』
アルミン「出来立ての方が良いでしょう?」
アルミン(まぁ作るタイミングは僕が教えにいくんだけど)
エレン『分かったよ、ちゃんとやる』
アルミン「うん、よろしくね」
マルコ「胃袋だけはがっちり掴まれてるんだね」
アルミン「慣れ親しんだ味でもあるし」
アニ「何度か食べさせてもらったことはあるけど、確かに美味しかったよ」
マルコ「怒らないで聞いてほしいんだけど、エレンのことがなかったら相当女子力高いと思う」
アニ「別に怒らないよ、実際そうだと思うし」
アルミン「否定できないのがなぁ…」
エレン「ジャン、1回手離せよ」
ジャン「ん」パッ
エレン「…………どうしよ…」
ジャン「俺は嫌だからな」
エレン「俺だって嫌だ」
アルミン『ジャン、頑張ってよ…エレンも嫌がるだろうけど』
ジャン「頑張るったって……」
エレン「うわぁ、目の前に一人で喋ってる奴が…」
ジャン「殴るぞ」
エレン「女の子に暴力は駄目だってサシャが言ってた」
ジャン「都合のいいことばっか言ってんじゃねぇ」
アルミン『ジャン、エレンも黒髪だろう?ミカサだと思い込んでさ…』
ジャン「一緒にできると思うなよ、全然違うっつーの」
アルミン『喋らなきゃ美人でしょ?』
ジャン「……一瞬だけな、中身知ってると駄目だ」
エレン「こっち見ながら中身って言うなよ生々しい」
ジャン「黙ってろナマモノ」
エレン「えっ」
アルミン『喧嘩はやめてよね』
ジャン「しねぇよ……絶対サシャの顔がチラつく……」
アルミン『サシャの効果凄いなぁ…』
アルミン『で、とりあえず手繋いでよ』
ジャン「…………チッ、ほら、手貸せ」スッ
エレン「やだ」サッ
ジャン「もうこのままでいいだろ」イラッ
アルミン『良くないよ!どんだけ嫌なのさ!僕はマルコと手繋げるよ!?』
ジャン「俺もマルコならまだ我慢できる」
エレン「お前今だけマルコにならねぇかな」
ジャン「無茶言うな」
アルミン『…………ジャン、手じゃなくていいから一旦話せるようにして?』
ジャン「話があるってよ」ポン
エレン「げっ」
アルミン『二人供聞こえるね?僕は決めたよ……』
エレン「あ、これヤバイ時のトーン…」
アルミン『今すぐ手繋がないとミカサにイチャイチャしてたって報告する!』
エレン「」
ジャン「」
アルミン『……3!……2!』
エレン「待ってください!ほら早く手よこせ!」バタバタ
ジャン「お前そっち右手だろうが!左手よこせ!」バタバタ
エレン「うわお前の手冷たい!キモい!」
ジャン「温い!気持ち悪い!」
アルミン『よろしい、じゃあ、さっさと行こうか』
エレン「アルミンこわい…」
エレン「着いた…やっと着いた……」
ジャン「なんでこんなに遠く感じるんだ…」
アルミン『一応デート中なんだからもっと楽しそうにしてくれないかな』
ジャン[チェンジ]
アルミン『ジャン、僕は君の心と会話する気はないよ』
エレン「帰りたい…しかもなんか足痛くなってきたし……」
アルミン『エレン、君はなんのためにここまで来たのさ』
ジャン「さっさと決めて帰っ…戻ろうぜ、一刻も早く」
エレン「おいジャン引っ張るなよ…」
ジャン「場所くらいなんとなく分かるだろ?ほら行くぞ」
エレン「だから引っ張るなって…」
アルミン『どう?ありそう?』
ジャン「何探しに来たんだったか…」
アルミン『可愛い服だよ、エレン、君の出番だよ?……エレン?』
エレン「…………アルミン、靴擦れ起こした…」
アルミン『』
ジャン「」
エレン「何これめっちゃ痛い、つーか痛々しい」
アルミン『流石に靴は駄目だったのか…』
エレン「こんな靴履いたことねぇもん…」
ジャン「お前トイレ行って治してこいよ」ボソボソ
エレン「女子トイレになんか行けるかよ」ボソボソ
ジャン「サッと行ってサッと治してこい」ボソボソ
エレン「お前は鬼か」
アルミン『なら早く選んで帰ろう?ね?』
エレン「あー、あぁ……」カックカック
ジャン「駄目だこいつ…チッ、目立つからそっち座ってろよ」
アルミン『あ、今のいいね』
ジャン「ちょっと黙ってろ……って、お前が黙ったら困るのか…」
アルミン『そうなるね』
ジャン「流石に手は離すぞ?俺まで動けねぇ」
ジャン[それっぽいのがあったら持ってきて見せれば良いだろ]
アルミン『うん、今回ばかりはね…』
ジャン[で、女子の服って言っても誰に合わせりゃ良いんだ?]
ジャン(どうせアニだろ)
ジャン(……いや、預かってる記憶ってことは、こいつら覚えてなかったりするのか?)
ジャン(演技も面倒だな…)
アルミン『えっと、一番近いのはク……ヒストリア…かな…』
アルミン『そういえばどこ行っちゃったんだろうね……』
ジャン[さぁな、どこかでユミルとよろしくやってるんじゃねーの]
ジャン[とにかく今はこっちだ]
アルミン『そうだね…』
アルミン『まぁ、容姿は大体似てるかな』
アルミン『後は少し身長を伸ばして…痛い!』
ジャン(蹴られたか…)
アルミン『……髪は、少し短く、というか纏めてる』
ジャン[お前だったら何色が似合うと思うよ?]
アルミン『うーん…クールなイメージが強いから……じゃなくて、可愛いのが良いからピンク系かな』
アルミン『えっ、ちょっと待ってよ!そういう意味じゃない!違うよ?』
アルミン『ギャップだよギャップ!そういう服を着たら絶対に可愛いと思ってさ、本当だよ?だから蹴らないで!お願い!』
アルミン『…………あぁ、そういえば脚綺麗だし服もそういう…痛い!!』
ジャン(万能アルミンは何処へ行った…)
ジャン[何遊んでんだよ]
アルミン『遊んでないよ…!』
ジャン[はぁ……ピンクなら結構あるぞ?形はこれでいいだろ、花柄ワンピースとかで]
ジャン[脚だし]
アルミン『まぁそうだね…痛い!今のも僕なの?』
ジャン[……当店のオススメがあった、みかりん衣装だってよ]
ジャン[腹出てるけどピンクだぜ?あれで良いんじゃねぇの?]
ジャン(というかみかりんって誰だ…なんか…惹かれるような……いや、何言ってる俺はミカサだけだ!)
アルミン『あんまり露出多いのはねぇ…』
ジャン[全ての巨人を魅了せよ!!って、もう居ないんだがな…]
アルミン『ジャン、真面目に探してくれよ』
ジャン[お前たまにマルコみたいなこと言うよな]
アルミン『あ、凄い、今のはマルコが言ったヤツだよ』
ジャン[区別つかねぇよ]
ジャン[さて、アレにはどれが合うのか…]ボソッ
ジャン(やべっ)ハッ
アルミン『……アレって?』
ジャン[……俺のなんとなくのイメージだよ、別に良いだろ]
アルミン『あ、うん…』
ジャン(あいつって結構体つきは良い方だよな…)
ジャン[あ、これミカサに着てほしい]
アルミン『ジャン、分かってるだろうけど、ミカサの選びに来た訳じゃないからね?』
ジャン[分かってる]
ジャン[お、これなんかどうだ?後ろにりぼんあるぞ]
ジャン(……あれ?俺、みかりん引きずって…)
アルミン『良いのがあったらエレンの所へ行ってね』
ジャン[了解]
ジャン「おい、生きてるか?」ポン
エレン「遅い…!」
ジャン「彼女かお前は!」
アルミン『一応そうだからね、その状況だと』
ジャン「そうだった…」
ジャン「まぁいい……で、こういうのはどうだ?」
エレン「りぼん邪魔じゃないか?」
ジャン「ひらひらしてんのが良いんだろうが」
エレン「えー、俺ふわふわしてんのがいい」
ジャン「お前の好みじゃねぇか」
エレン「お前もな」
エレン「間をとってアルミンに選ばせようぜ、正解を導いてくれるに違いない」
アルミン『エレン、なんだか投げやりになってない?』
ジャン「アルミン、お前の好みは?」
アルミン『うっ…僕は…………もこもこしてるのが好っ…ぐはぁ!!』
エレン「ジャン」
ジャン「おう」
アルミン『心配くらいしてよ!』
ジャン「うさしっぽ、うさみみフード付き」
エレン「これ当たりじゃないか?」
ジャン「サイズは?」
エレン「多分ちょうどいいと思う」
ジャン(まぁそりゃ大体分かってるしな)
エレン「これだけで良いのか?」
ジャン「脚がいいんだろ?」
エレン「なまあし…?」
ジャン「なまあし」
アルミン『ね、ねぇちょっと…』
ジャン「会計行ってくるわ」
アルミン『ジャン!』
ジャン[……なんだよ?]
アルミン『もこもこブーツも追加でおねがっ……あああああああ!!』
ジャン(……お前、本当に……アルミンか…?)
ジャン「とりあえず買い物は終わったが…」
ジャン「お前歩けんのか?」
エレン「老人レベルで良いなら」ヨッタヨッタ
ジャン「戻る前に日付替わりそうだな」
ジャン「お前なら余裕だろそれくらい、宝石より硬いメンタルどこいった」
エレン「それはそれ、これはこれ」
ジャン「その気になればいける、ほら来い」グイッ
エレン「いっ……たくない?いや痛い!痛い…んんっ!」モゴモゴ
ジャン「うるさい」
アルミン『ジャン、君も鬼だね…』
ジャン「どうすんだよこれ…」
エレン「はい」パー
ジャン「嫌だ」
アルミン『喧嘩しないのは良いけど、そこら辺どうにかならないの?君達は…』
エレン「お前のせいで完全に歩けなくなった」
エレン「ので」
エレン「責任とれ」
ジャン「……残念、普通に頼めばまだ可能性はあったんだがな」
ジャン「殴って良いか?」
エレン「嫌だ」
ジャン「遠慮すんなよ」
アルミン『ジャン、マルコが祟るって』
ジャン「おいなにしてんだ早く乗れ」
エレン「やったぜ」
アルミン『ちょろい』
アルミン『もうそれで帰るだけだし大丈夫だよね?』
アルミン『僕はミカサに買い物終わったって報告してくるよ』
アルミン『じゃあ、くれぐれも問題を起こさないように、ね?』ブツッ
ジャン(俺もミカサと話したい…)
エレン「なぁ、ジャン…」
ジャン「なんだよ」
エレン「アルミンもミカサもマルコも……なんか俺が知ってる人間と性格が少し違う気がするんだけど、気のせいか?」
ジャン「………………」
エレン「おい、なんか言えよ…」
ジャン「お前が言うな」
エレン「えっ…」
アルミン『おまたせミカサ、買い物終わったみたいだよ』
ミカサ「遅くなりそうな予感はなんとなくしていた」
アルミン『うん、なんだか色々あってね…』
ミカサ「エレンが無事ならそれでいい」
ミカサ「本当は私がエレンと行きたかったけど…」
ミカサ「エレンが選んだのだから仕方ない…」
ミカサ「でもやっぱり行きたかった…」シュン
アルミン『釘を指すようで悪いんだけど…エレンちょっと怪我してるよ…』
ミカサ「まさか喧嘩…!?」ジャキ
アルミン『ただの靴擦れだから削がないであげてね?彼に罪はないよ』
ミカサ「」
アルミン『ミカサ?』
ミカサ「エレンに怪我を…」
ミカサ「私は…」
アルミン『いや、ミカサのせいでもないよ』
ミカサ「いいえ、これはエレンの全てを理解できなかった私の罪」スタスタ
ミカサ「あぁ、私はエレンの悲痛な叫びを聞かなければならないのか…」ガサゴソ
アルミン『ミカサ?どういうこと?』
ミカサ「アルミン…」スッ
ミカサ「傷ができたなら……消毒しなくちゃ……駄目でしょ?」ゴゴゴ
アルミン『……止めてよミカサ!僕まで足が気になってくるじゃないか!!』
ミカサ「ちゃんと我慢できたらいっぱい撫でてあげよう」
ミカサ「……と、そろそろ始めなくては」
ミカサ「既にパンは切ってあるから、手を綺麗に洗い直して始めよう」
ミカサ「さて、作り方はいたって簡単」
ミカサ「今回は小さめに切ったパンを使う、これにバターを乗せる」
ミカサ「焼く」
ミカサ「私は両面焼いたものが好き」
ミカサ「もう一度焼く」
ミカサ「焼けたら上から蜂蜜をかける」
ミカサ「完成」
ミカサ「耳はスティックにするのが私流」
ミカサ「バターで焼く」
ミカサ「正直これだけでもいける」
ミカサ「後はお好み、アイスやシナモンでも用意しておくといい」
ミカサ「ね、簡単でしょう?」キリッ
アルミン『………………』
ミカサ「どうしたのアルミン?」
アルミン『うん、ミカサがなんだか楽しそうだったから…』
ミカサ「楽しい」
ミカサ「エレンやアルミンに食べてもらえるならもっと嬉しい」
アルミン『ありがとう』
アルミン『でも、一つだけ言わせて?』
アルミン『最後はキリッではなくドヤッだよ』
ミカサ「アルミンはたまに良くわからないことを言う…」
エレン「ただいまー」
ミカサ「エレン…!おかえりなさい」
エレン「おう……あ、なんかめっちゃ甘いにおいが…」
ジャン(忘れられてる気がする)
ミカサ「エレン、アルミンから聞いた」
ミカサ「ごめんなさい、私の注意不足で怪我をしたみたいで…」
エレン「まぁ確かに女装させたお前が悪いけどな」
エレン「ただ、俺が文句を言いたいのは怪我のことじゃねぇよ」
エレン「どう考えても女装についてだ!」
エレン「俺がそれのせいでどんな思いをしたことか!!」バシバシ
ジャン「人の背中で騒ぐなアホ!」
エレン「なんだよ!今までずっと馬鹿馬鹿言っておいていきなりアホに変えやがって!」
ジャン「そんなに馬鹿がいいなら何度でも言ってやるよ、この馬鹿!」
エレン「この…!馬が生意気なこと言うなよ!」
ジャン「落とされたいのかテメェは!!」
エレン「やめろよ怪我しちゃうだろうが!」
ジャン「うるせぇ知るかそんなこと!!」
アルミン『さっきまで結構仲良さげだったじゃないか!どうして帰ったら喧嘩が始まるのさ!?』
ミカサ「それよりエレン、消毒をしよう」
エレン「え?いいよ、痛いし」
エレン「というか家に着いたなら治せば……」
エレン「………………」
エレン「あれ?」
ジャン「なんだよ」
エレン「治らねぇ…」
ミカサ「……ジャン、こっち」
ジャン「よし」
エレン「待て、おい待てって、すぐ治る、すぐ治るから!」バタバタ
アルミン『ひょっとして巨人の力が消えてる…?』
エレン「喜びたいけど喜べない!」
ジャン「ほら、降りろ」ドサッ
ジャン「あとついでに逃げんなよ?」ガシッ
エレン「えっ…」
ミカサ「思ったより酷い…」
ミカサ「エレン、覚悟!」スチャ
エレン「ミカサそれ違っ……ああああああああああ!!」
エレン「……うぅ…今日こんなんばっか……」グスッ
ミカサ「良く我慢できた」ナデナデ
ジャン「我慢したって言えるのか…?」
エレン「こんなことしても、どうせすぐ死ぬんだけどな…」
ミカサ「それでもしっかりやっておくべき」ナデナデ
エレン「お前いつまで撫でてんだよ」パシッ
ミカサ「エレンが望むならずっとでも構わない」
エレン「撫でろなんて一言も言ってないだろ」
ジャン「くそっ、贅沢言ってんじゃねぇ!」
エレン「はぁ?なんでお前が怒るんだよ?」
ミカサ「やめなさい」
ジャン「」ビクッ
ミカサ「……流石にそこまで怯えられると傷付く」
ジャン「わ、悪い…」
ジャン(そっちじゃないが…)
エレン「ところで、俺どうやって死のう?」
エレン「毎回助走つけて死んでたんだけど、今回走れねぇ」
ジャン「気合いで走れ」
エレン「またそれかよ」
ミカサ「とりあえず荷物は一纏めにしておいた」
エレン「おう」
アルミン『エレン、荷物に血はつけないでね』
エレン「アルミンもなかなかに酷いよな」
エレン「さて…………ミカサ、包丁貸し…」
ジャン「ふざけんな」
アルミン『エレン、それじゃあ血塗れじゃないか』
ジャン「そこじゃねぇだろ!」
エレン「じゃあなんだよ」
ジャン「俺とミカサはお前が苦しんで死ぬのを目の前で見ることになるんだぞ!?」
ジャン「大体そのあとの処理はどうするつもりだよ!」
エレン「苦しむとかやめろよ…」
ジャン「いいからそのやり方はやめろ!」
エレン「じゃあどうすんだよ、いつぞやのマルコみたいにサクッとやってくれんのか?」
ジャン「馬鹿言え、俺がそんなことする訳ねぇだろうが」
エレン「それ兵長っぽいな」
ジャン「どうでもいいだろうがそんなこと!」
エレン「ならミカサ、なんとかしてくれ」
ミカサ「私も…エレンを手にかけるのは……」
エレン「仕方ねぇ…踏ん張って走るか……」
ジャン「できるならはじめからそうしろよ」
エレン「せーのっ…」スッ
エレン「…………」スチャ
エレン「痛い」
ジャン「こっちみんな」
エレン「はぁ……よいしょっと……ってて…」
エレン「ちょっと肩貸せ、そっちそっち」
ジャン「人使い荒いな…」
エレン「よし、ここでいい、ちょっと離れてろ」
エレン「じゃ、逝ってきます!」ガッ
エレン「」
ジャン「お前なんでそういうのに抵抗ねぇんだよ…」
エレン『何度も死にかけてたからな』
ジャン「ほんっ…とうに意味わかんねぇ!!」
アルミン『もうジャンの反応が正しいのかさえ分からなくなってきたよ…』
ジャン「同期の死体が目の前に転がっててもほとんどなにも感じねぇ…」
ジャン「絶対に感覚が狂ってきてやがる…」
エレン『お前手と一緒で冷たい奴だな』
ジャン「大体お前のせいだっつーの!」
アルミン『あれ?エレン、その格好のまま来ちゃったの?』
エレン『あっ…ジャ』
ジャン「知らねぇ」
エレン『まだほとんど言ってないだろうが!』
ジャン「お前の着替えのためだけに軽々しく体力モドキ使っていられるか」
アルミン『体力モドキなんて聞いたことないよ』
エレン『俺このままなのか?』
アルミン『良いんじゃない?可愛いし』
エレン『良くねぇよ、嬉しくないし』
エレン『なぁジャン、一回だけ、一回だけでいいから!』
ジャン「彼氏なんだか彼女なんだか……」
エレン『はぁ?』
ジャン「どちらにしろやらないけどな」
エレン『頼む!そこをなんとか!』
ジャン「じゃあな、死に急ぎ野郎」ガサゴソ ペシッ
ジャン「ミカサ、悪いが少しの間ここに置いておく」
ミカサ「……エレンがずっと頼んでいる、どうにかならないだろうか?」
ジャン「着替えのためだけだろ?勘弁してくれ、こっちは消耗するだけなんだ」
ミカサ「……私は、エレンの望みを叶えてあげたい、けど……この場合はどうすればいいのだろうか?」
ミカサ「……ジャン、話だけでも聞いてほしいと…」
ジャン「話って言っても同じこと繰り返すだけだろ…」
ジャン「まったく…」スッ
エレン『あ、ジャン!栞は置かないでくれよ、頼むから…』
ジャン「着替えは諦めたのか?」
エレン『あぁ、そんなことしてたらお前がもたねぇんだろ?だったらいい』
ジャン「やけに聞き分けが良くなったな……良いのか?本当にやらねぇぞ?」
エレン『別にいい…』
ジャン「………………」
ジャン「……アレイズ!」
アルミン『えっ?ジャン!?』
エレン「…………おい!良いのかよ!?」
ジャン「はぁ……あっちで靴擦れ起こしたら他が迷惑だろ……」
ジャン「マルコに背負わせるなんてなったら今度は本気で殴るぞ?」
エレン「靴脱げば良かったんじゃ…?」
ジャン「足元に何もないって言い切れるならな」
ジャン「お前のそんな不注意だけで周りを巻き込むんなら俺が許さねぇ」
ジャン「いいから着替えてこいよ、お前見てるだけで悪化する」
エレン「……ありがとな…」
ジャン「あ、それ吐くからやめろ…」
エレン「はぁ!?」
ミカサ「ジャン、ありがとう……」
ミカサ「エレン、こっち」
エレン「お、おう…」
アルミン『ジャン、やっぱり君って優しいのかな?』
ジャン「俺に聞くなよ…」
アルミン『それもそっか』
アルミン『僕からもお礼を言うよ、ありがとう』
ジャン「礼なんて要らねぇんだよ、俺は自分がやりたいように動いてるだけだ」
アルミン『僕もそうだよ、親友を何度も助けてくれてるからお礼を言った』
アルミン『まぁ、結果的には僕も助けてもらってるけど…』
ジャン「……あいつは、自分の命を軽く見すぎなんだよ、だから余計に腹が立つ…」
ジャン「確かに良いように使われてんのにも腹は立つが……別にそこは約束だし守ってやるよ」
アルミン『約束?』
ジャン「ちょっとな……」
ジャン「とにかく、死に急ぎ野郎だか死にたがり野郎だか知らねぇが、もう少し考えろ……」
ジャン「俺のやってることがいつまでできるかもまだ分からねぇんだ」
ジャン「戻れなくなっても責任は取らないからな」
ジャン「……まぁ、今回はこれくらいで許してやるよ、エレンちゃん」
エレン「……もう着替えたっつーの…」
ミカサ「ジャン、ごめんなさい……私が……」
ジャン「提案は俺、実行者は全員、止めなかった奴等が悪い」
ジャン「つまり全員悪い、今回のことは全部な」
ジャン「ほら、お前はやることあるんだろ?早くいけよ、お前の面なんざ見飽きたんだ」
エレン「ばーか」ザシュッ
エレン「……いってぇ…」
ジャン「……おまっ、その手……何してんだよ!」
エレン「ごちゃごちゃ説教たれやがって!」スタスタ
エレン「食らえこの野郎!」バシーン
ジャン「がっ!?」
ジャン「……テメェ、それが恩人に向かってやるこ…んぐっ!?」
エレン「うっせぇ」ゴシゴシ
エレン「俺のハンカチくれてやるよ、食うんじゃねぇぞ」ポイッ
エレン「逝ってきます!」ガッ
ジャン「……誰が食うか、こんな小汚ない血着いたハンカチ…」
ジャン「ミカサ、ちゃんと礼くらいできるようにしてやれよ」
ミカサ「エレンは不器用、ごめんなさい」
ジャン「本当にな、そもそも血がハンカチで拭えるわけないだろ」
ミカサ「そうではなく…」
ジャン「ミカサ、俺はあいつと友達なんて真っ平御免だぞ」
ミカサ「そう…残念……でも、そのままでいてくれるなら、それでも構わない」
ジャン「……気が向いたらな…」
ミカサ「これからも、どうかよろしく」ニコ
ジャン「」
ミカサ「……ジャン?」
ジャン「お、おう!…さて!こいつが散らかしたの片付けるか!!ミカサは休んでていいからな!!」
ミカサ(やっぱりよく分からない人だ…)
今回はここまで!
エレンのガキで我が儘なとこがイラつくけど面白いです
続き楽しみにしてる
エレンはマルコと違った自由感を目指してますが…
やり過ぎました
貴重なご意見ありがとうございます
ただ、今回は……
進めます
アルミン「おかえりエレン、お疲れ様」
マルコ「おかえり、エレン」
アニ「お疲れ様…」
エレン「………………」
エレン「……ただいま…」ボソッ
アルミン「……エレン、後悔するくらいならやらなきゃ良かったのに…」
エレン「どうしようアルミン…俺、逃げてきちまった…」
アルミン「エレンが逃げるなんて珍しいね、でも、それは君が考えないと」
エレン「そうだな…」
マルコ「ジャンは怒ってるけど怒ってないよ、大丈夫」
アニ「今のうち、どうにかしておいた方が良いんじゃない…?」
エレン「おう、ありがとな」
エレン「ジャン!」
ジャン『なんだよ!まだなんかあんのか!?』
エレン「あぁ、さっきは何も言えずに逃げちゃったからな…」
ジャン『へぇ…』
エレン「俺はお前に甘えてただけだった……本当に大切なことは、いつかみたいに本気で伝えにくるだろうって思い込んでてさ…」
エレン「だから、何も気にせず思ったこと全部ぶつけて、勝手に巻き込んで…」
エレン「こいつなら別にいいだろなんて馬鹿みたいな勘違いして…」
エレン「お前がアルミンと話してたこと…聞こえてたんだ」
エレン「俺はお前を利用してただけ…そんなこと、自分で気付かなきゃいけないのに、言われてから気付いちまった…」
エレン「ジャン、本当にごめん!ずっと助けてくれてたのに……殴ってごめんな…」
ジャン『あっそ…』
エレン「……いつもみたいに言い返してこないのかよ…」
ジャン『言い返してほしいのか?』
エレン「そう、だと思う…」
エレン「……なぁ、まだ俺の話聞いてくれるか?」
ジャン『勝手に言えよ、栞取り出すのも面倒だ』
エレン「……色々言ってきたけど、最後に一つだけ頼みたいことがあってさ…」
エレン「いつものままでいてほしいんだ、俺のこと嫌いでも何でもいいから、このままでいてくれよ…」
ジャン『はぁ?』
エレン「駄目なら駄目でもいい、だから…」
ジャン『……お前、本当にエレンなのか?』
エレン「あぁ…」
ジャン『そうだよな、こんなこと恥ずかしげもなく言える奴なんてお前くらいしかいねぇ…』
ジャン『…………はぁ……お前、面倒くさい考え方してるうえに全部空回りしてんだよ』
エレン「は…?それってどういう…」
ジャン『そのままの意味に決まってんだろ』
ジャン『お前が言う、俺が本気で伝えにくるって奴な……今回それやったか?』
エレン「……やってない…と思う…」
ジャン『ならこれで話は終わりだ』
エレン「なっ…!俺は……」
ジャン『そんなことよりお前はミカサに感謝しろよ?』
エレン「……ミカサ…?」
ジャン『さっきミカサに頼まれたんだよ、そのままでいてくれってな……だからお前が何をごちゃごちゃと言おうが知ったこっちゃねぇ』
ジャン『もういいだろ?こっちは忙しいんだよ、テメェの片付け誰がしてると思ってんだ』
エレン「……ジャン、ありがとな…」
ジャン『さっきそれ吐くからやめろって言ったろうが!お前人の話もロクに聞けねぇのか?』
エレン「えっ?アルミン、さっき…」
アルミン「エレン、それジャンの照れ隠しだからね?ちゃんと回復はしてるよ?」
ジャン『おいアルミン!テメェわざと聞こえるようにして喋りやがったな…!?つーか嘘言ってんじゃねぇよ!!』
エレン「…………ははっ、なんだよそれ……」
アルミン「……エレン?」
エレン「後悔してた俺が馬鹿みたいじゃねぇか…!」
ジャン『よう馬鹿』
エレン「こんな奴相手に本気で悩むんじゃなかった……」
ジャン『良かったな、あだ名に空回り野郎追加してやるよ』
エレン「いらねぇ!」
エレン「早く忘れてくれよ…」
ジャン『はぁ?嫌に決まってんだろ、こんな面白いネタ』
エレン「ネタ!?俺は縁を切られるんじゃないかって本気で心配して……!」
ジャン『へぇ…』
エレン「ぐっ…!だ、大体!気付いてたんなら言い切る前に指摘してくれれば良かっただろうが!」
ジャン『はぁ?なんで俺がお前のためにそんなことしなくちゃいけねぇんだよ!勝手に一人で盛り上がってたお前が悪い!』
エレン「……そりゃそうだけど…!」
ジャン『おっ、自覚持てるようになったか』
エレン「なんか上から目線で腹立つ!」
ジャン『せいぜい下で騒いでろよ、空回り野郎』
エレン「忘れろって言ってんだろうが!!お前の秘密バラすぞ!?」
ジャン『……は?秘密?』
アルミン「あ、なんか面白そう」ヒョコ
エレン「お前、俺のス…」
ジャン『あああああ!聞こえねぇ!!!』
アルミン「エレン、聞かせてよ!」
エレン「だから俺の…」
ジャン『言うなよ!?お前それだけはやめろ!!』
エレン「じゃあ服の…」
ジャン『それもな!』
エレン「なんなら良いんだよ…」
ジャン『全部駄目に決まってんだろ!つーかそういう話じゃねぇんだよ、このアホ!』
エレン「馬鹿じゃねぇのかよ!」
ジャン『だからそこはどうでもいいだろうが!!』
マルコ「仲直りというか…むしろ喧嘩が始まった……」
アニ「あいつらの仲直りは喧嘩なんでしょ」
アニ「でもまぁ、あっちの方が…見慣れてるからね」
マルコ「ちょっと煩いけどね」
アニ「そう思うなら止めてきなよ」
マルコ「無理に決まってるじゃないか…」
マルコ「それに、僕の声はジャンに聞こえないよ」
アニ「アルミンに言ってもらえばいいんじゃない?」
マルコ「あーそっか…その手もあるな……」
マルコ「でも、なんだかエレンが楽しそうだからもう少しやらせてあげよう」
アニ「……そうだね…」
アルミン「エレン!ジャン!いつまでやってるの?もうその辺でいいでしょ?」
エレン「まだ一個もバラせてない…」
ジャン『バラすな』
アルミン「聞いてみたいところだけど、大変なことになりそうだからやめようね?」
ジャン『あー、付き合ってらんねぇ…さっさと切れよ、テメェなんかと話して損した』
エレン「おう、またな!!」ブツッ
アルミン(あれ?……まぁいっか…)
アルミン「……二人供、よくそんなに話していられるね…」
エレン「そうか…?」
アルミン「いやまぁ、お互いそれで納得してるなら良いけど…」
エレン「……アルミン、ありがとな」
アルミン「えっ?どうしたのいきなり!?」
エレン「言いたかったから言った」
アルミン「そっか…どういたしまして」
エレン「おう」
エレン「マルコ、アニもありがとな」
マルコ「ははっ、本当にいきなりだなぁ…どういたしまして」
アニ「私は何もしてないよ…」
エレン「してくれた、ありがとう」
アニ「……どうも…」
アルミン「よし、じゃあこっちに切り替えようか……僕達のやることはちゃんと覚えてるよね?」
マルコ「なんだったかなぁ?」
アルミン「マルコ、分かってくるくせに遊ばないでよ…」
アルミン「普通の女の子らしく!」
アルミン「そうだろう?アニ!」
アニ「そうだけど…」
アルミン「アニ、君の本当の願いを叶えなくちゃいけないんだ、気にしなくて良いんだよ?」
アニ「だからといって、あんな茶番劇が起こるまでやってくれなくても良かったんだ…」
エレン「おいアニ…茶番劇って…!」
マルコ「はい!一旦そこまで!」
アルミン「マルコ?」
マルコ「とりあえずアニは着替えてみようよ、早く見てみたい」
アニ「あんたって意外とストレートなんだね」
マルコ「可愛い女の子が見たいのは男子にとって当たり前のことさ」
アルミン「確かにそうだね」
アルミン「……あれ?マルコは蹴らないの!?」
アニ「うるさいよ」
アルミン「ところで、どこで着替えるの?流石に僕達が後ろを向いています、っていうのはちょっと可哀想だよ……」
マルコ「お任せあれ」スチャ
アニ「何?それ…」
マルコ「懐かしの竹とんぼ」
エレン「そんなん作ってたな…」
マルコ「これを…」ググッ
マルコ「こうして…」ピタッ
マルコ「こうじゃ!」ブーン
エレン(またなんか始まった…)
アニ(何あれ見たことない…!)
エレン「あれ?」
エレン「って、竹とんぼ飛ばしただけじゃねぇか…!」
マルコ「大丈夫大丈夫、見てて?」
ブーン サクッ ググググッ
エレン「」
アニ「」
アルミン「……そんな!?竹とんぼが巨大樹に!?」
マルコ「入り口はこちらになりまーす」
マルコ「あ、カーテンお付けしますね」ササッ
アニ「マルコ、あんた一体何者なの…?」
マルコ「僕は僕だよ」
アニ「……そういうことにしておいてあげるよ」
マルコ「本物なのになぁ」
アニ「エレン、着替えてあげるから服を貸しなよ」
エレン「えっ?あ、おう…」スッ
アニ「覗いたら蹴るからね」スタスタ
エレン「覗かねぇよ」
アニ「…………」クルッ スタスタ
エレン「えっ?ア、アニ!?入り口はっ……ぐあっ!」ドサッ
アニ「さっきので少しは成長したと思ったけど、女の子の扱いについてはまだまだみたいだね…」
アニ「こっちももう少し考えな」スタスタ
マルコ「大丈夫?エレン…」
エレン「あぁ、蹴りの威力は衰えてないらしい…」
アルミン「そこじゃないよ…」
アニ「ちょっと、短すぎじゃないかい?これ……」ギュッ
エレン「そういうヤツだよ、俺チラシ見てたけど大体そんなんだった」
マルコ「いいね」
アルミン「ストライクだ」キラキラ
アニ「あんたは何か感想くらいないの?」
エレン「蹴ったらパンツ見えっ…いだっ!やめっ!アニ!今のは流石に冗談だって!!」バタバタ
アニ「蹴らなきゃいいんだろう?」グリグリ
エレン「…………それでも見えたっ!し…ぐはっ!!」バタッ
アニ「永遠に眠ってな」
マルコ「白?」ボソボソ
アルミン「しましまかもしれない」ボソボソ
アニ「そっちも蹴られたいみたいだね…」
アルミン「大変」ボロボロ
マルコ「申し訳」ボロッ
エレン「御座いませんでした」ボロボロ
アニ「まったく…傷つくよ、一体…いつから、あんた達は私をそんな目で見るようになったの?」
エレン(はじめからほとんど変わってねぇ…)
アルミン(美女が好みの服を着てたらしょうがないじゃないか!)
マルコ(これはこれでありかもしれない)
アニ「はぁ……なんとか言ったら?」
エレン「アニは元々美人だろ、変わってねぇよ」
アニ「………………」
エレン「……あれ?」
アルミン「その日、エレン・イェーガーは宙を舞った」
アルミン「彼は虚空に一つの円を描き、そして散ってゆく…」
アルミン「その隙間に見えたもの…それは…」
アルミン「彼女のしまっ…」
マルコ(何故だ、何故アルミンは死に急いだ…?)
マルコ(彼の中の一体何がそうさせたのか……)
マルコ(それは彼以外の誰にも知るすべはない)
アニ「マルコ、あんたはそこまで馬鹿じゃないでしょ?」
アニ「それとも、アルミンと同じ?」
マルコ「……ごめんよアルミン…」
マルコ「怒らないで聞いてほしいんだけど、これ以上何をすべきか分からない…」
アニ「ねぇ、本当に…私の願いを叶える気はあるの?」
アルミン「勿論です!」バッ
マルコ「アニ、お詫びと言ってはなんだけど、サプライズがある」
アニ「へぇ…」
マルコ「さっき使ったカーテン、これを閉じて
…」シャー
マルコ「…1、2、3!」シャッ
ミーナ「出ました!ミーナちゃんでっす!」キラッ
アニ「ミーナ…!」ビクッ
アルミン「なんでそんなところから!?」
ミーナ「気合いで飛んできました!」
マルコ「アニ、ミーナと握手してあげて」
ミーナ「可愛いもふもふな女の子がいる…」
マルコ「記憶を戻してあげないと…」
アニ「……駄目だよ、嫌だ…」
マルコ「仲が良かった相手は怖いんだね」
マルコ「でも、怖がらなくて良いんだよ」
マルコ「君の大切な、友達だろう?」
アニ「違う、私には、友達なんて居ないよ…」
マルコ「僕はそのつもりだったんだけど…」
ミーナ「私も貴方と仲良くなりたいな」
アニ「…………」
ミーナ「……駄目…かな?」
アニ「…………」スッ
アニ「……後悔するよ…嫌なら触らなくていい…」
ミーナ「構わないよ」ギュッ
ミーナ「……!アニ…全部聞かせて…」
アニ「……分かった…」
ミーナ「話は、これで全部なんだね?」
アニ「私のことは全部話したよ」
ミーナ「残りはアルミンのおかげでなんとなく分かった…」
ミーナ「……ねぇアニ、どうしてかなぁ…」
ミーナ「私は…全てを知っても、貴方を嫌いになれないでいる」
ミーナ「これってどういうことなのかな…」
アニ「私には、分からないよ…そんなこと…」
ミーナ「アニ…辛かったよね?ごめんね、私……苦しめちゃったかな……」
アニ「どうしてあんたが謝っているの?謝らないといけないのは私なのに…」
アニ「いや、謝って許してもらおうなんて考え事態おかしいよ…許さなくたっていい……」
ミーナ「……ねぇ、アルミン?もう…全部終わったんだよね…?」
アルミン「うん、終わったよ、全部…」
ミーナ「……アニ、それならまた、1から始めよう?」
アニ「何を言ってるの…?」
ミーナ「1から友達になろうって言ってるの!」
ミーナ「生きてる間に友達になれなかったのは残念だけど、もうアニは何も我慢する必要なんてないんでしょう?」
ミーナ「駄目かな?」
アニ「……今までの話を聞いて、どうしてそんなことが言えるの?」
ミーナ「私は、たった3年だけの時間しか貴方と一緒に居られなかった…」
ミーナ「でも、兵団が分かれたとしても、仲良くしたいって思っていた」
ミーナ「結局…私は卒業もできずに死んじゃたけどさ、なんでかな?ここでアニを一人にしたら、私はそっちの方が後悔するって、そう思うんだ」
ミーナ「それに、私ってサプライズとして呼ばれてきたんだよ?ということは、ここにいるマルコ達とはそれなりに仲良くしてる証拠でしょ?」
ミーナ「そんなのズルいよ!私がずっと仲良くなりたかったアニを独り占め…いや、三人占めするんて!」
ミーナ「私も混ぜてほしい!」
ミーナ「理由は、仲良くなりたいから」
ミーナ「だからアニ、私と友達になってください!」
アニ「………………」
アニ「私の周りは、馬鹿しか居ないんだね……」
アニ「ミーナ…」ギュッ
ミーナ「……!アニ…?」
アニ「ありがとう…!」
ミーナ「……!それって…!」
ミーナ「……もう絶対に離さないんだから!!」ギュッ
ミーナ「アニィ……!」ギュウウウウウウ
アニ「苦しいよ、ミーナ…」
ミーナ「駄目!絶対に離さない!」ギュッ
アニ「…………」
アニ「それでも、良いかな…」ボソッ
ミーナ「本当に!?今の聞き間違いじゃないよね!?」
アニ「さぁね…」プイッ
ミーナ「えへへ…アニ……」
アニ「何…?」
ミーナ「その言葉、忘れないでよね!」
マルコ「良かった…ミーナ……やってくれたんだね……」
アルミン「あのアニの顔、どんなに頑張っても僕達には引き出せない、かな?」
マルコ「そうだね…」
マルコ「どうしても一緒にいさせてあげたかったんだ、本当に良かった…!」
エレン「…………」
エレン(気を失っている間に何があったんだ…!?)
アルミン「あ、エレン…目覚めたんだ、大丈夫?」
エレン「色々だいじょばない…」
ミーナ「あ、そういえば…」
マルコ「どうしたのミーナ?」
ミーナ「う、うん…何かするんじゃなかったの?私って確か…」
マルコ「サプライズゲストだね」
アルミン「それで、アニが普通の女の子として楽しめるように……あっ……!」
ミーナ「どうしたのアルミン?」
アルミン「ミカサのハニートースト……」
エレン「あっ…」
マルコ「あぁ…」
アニ「忘れてた…」
ミーナ「えっ?」
エレン「アニ…」
エレン「大変申し訳ありませんでした…!」
アニ「別にいいよ、面白いものも見れたし」
ミーナ「エレンが何かしたの?」
マルコ「一言で現すなら、空回りしたね」
エレン「マルコ、お前まで……!」
アルミン「ミカサに謝らなくちゃ…」
エレン「……それ俺もやる…」
マルコ「とりあえず、始めるだけ始めようか」
ミーナ「よく分からないけど、盛り上げ役は任せてよね!」
アニ(このままでも楽しいから良い……とは言えないね…)
今回はここまで!
ミーナいい子だなぁ
ミカサは不憫だったけどwww
いつも楽しみに読んでる
更新ありがとう!乙です!
結末が気になる
1の書くエレン結構好きだから、意見に左右されずに貫いてほしいわ
ありがとうございます!
ありがとうございます!!
アニ可愛いよアニ
進めますね
ミーナ「パンパカパーン!アニちゃんと楽しむ会!開催です!!」ドーン
マルコ「わーい」パンッ
ミーナ「さてさて、このもっふもふなアニちゃんを…始めはどうしてあげましょうかねぇ…」ニヤニヤ
アニ「ミ、ミーナ…」
ミーナ「一瞬だけ怯えたその姿!しかしそれに気付いてからのポーカーフェイス!たまりませんね、マルコさん!」
マルコ「うさぎ服とも相まって最高ですね!」
アルミン「」
エレン「」
アニ「ちょっと、呆然としてないで止めてよ…」
ミーナ「もう、ノリノリなのマルコだけじゃない!」
ミーナ「……あれ?というかマルコってそんなキャラだったっけ?」
マルコ「それ皆に言われるんだよなぁ…」
アニ「ミーナ、私は普通にしてほしいだけだから、そんなに頑張らなくても…」
ミーナ「私がアニのために頑張るのは普通だよ」
アニ「……そうだったかもしれないけど…」
アルミン「あ、固まってる場合じゃなかった」
アルミン「ミカサの手作り、皆で食べようよ」ガサゴソ
ミーナ「やったっ!」
アニ(美味しそう…)ドキドキ
ミーナ「アニ、嬉しそうだね」
アニ「な、なんで…!」ドキッ
ミーナ「アニが甘い物大好きなのは知ってるよ、お菓子のことについては断ったことないもん」
ミーナ「話しようって誘うと断るのにね」
アルミン「へぇ、そんなに…」
マルコ「予想以上だったな」
アニ「ミーナ、そういうことバラすんじゃないよ」
ミーナ「あまりに嬉しそうだったから、つい…」
エレン「そんなこと分かるのか…?」
ミーナ「うん、アニの好きなものと嫌いなものの違いなんかは凄く分かりやすいよ」
エレン「ミーナって凄いな…」
アニ(恥ずかしい…)
アルミン「アニ、メインは君だし、一口目は君が食べてみてよ」
ミーナ「あ、私がアニに食べさせてあげたい!」
アニ「自分で食べるよ…」
ミーナ「お願い、アニ…」
アニ「……仕方ないね」
ミーナ「えへへ、ありがと…じゃあいくよ!」
ミーナ「アニ、あーん」スッ
アニ「あ、あーん?」パクッ
ミーナ「美味しい?」
アニ「美味しい…」モグモグ
アニ(甘い物なんて久し振りに食べた……)
アルミン(良い眺めだ…)
マルコ(良いね)
エレン(アニが嬉しそうな顔…してる、のか?)
ミーナ「こらこら男子諸君、君達もやりたまへ」
アニ「えっ?」
アルミン「そ、それは…」
ミーナ「アニ、どうする?誰がいい?」
アニ「わ、私はいいよ…自分で食べれるって……」
ミーナ「こんな機会なかなかないよ?合コンみたいで楽しいじゃん!」
マルコ「ガールズトークみたいなものを目指してたけど…そっちの方が良いかもしれないな…」
ミーナ「でしょう?ほら、アニもぱーっと楽しもう?」
アニ「分かった…でも今度は私が食べさせる番…」
ミーナ「ほほう…誰に誰に?」
アニ「……ミーナ…あ、あーん…」スッ
ミーナ「わ、私!?」
アニ「ほら早く、垂れちゃうよ…」
ミーナ「え、えぇ!?」
アニ「早く」ズイ
ミーナ「あ…あーん!」パクッ
ミーナ「……!これ凄く美味しい!!」モグモグ
アニ「そう、良かったね」
アニ(楽しい…)ドキドキ
アルミン(ミカサ、本当にありがとう…!)
マルコ「……アルミン、君も男だね…」
アルミン「う、うん?」
エレン「アルミンは男だろ?何言ってんだマルコ?」
マルコ「まぁ色々あるさ」
アニ「ねぇ、あんた達は食べないの?」
アルミン「それじゃあ頂こうかな、ミカサの料理は久し振りだし楽しみだ」
アニ「なら私が食べさせてあげる」
アニ「アルミン…」スッ
アルミン「えっ!?いいの…?」
アニ「良いから、早く」
アルミン「いただきます」パクッ
アルミン「この味、なんだか懐かしいなぁ…」モグモグ
アニ「次はマルコだね…」
マルコ「え?僕も!?」
アニ「そうだよ、皆にやる」スッ
マルコ「い、いただきます…」パクッ
マルコ「うん、美味しい…!」モグモグ
アニ「次はあんただよ」
エレン「やっぱり俺もなのか」
アニ「皆にって言ったじゃないか、ほら」スッ
エレン「お、おう」パクッ
エレン「……美味い…」モグモグ
ミーナ「アニ、私にももう一回!もう一回やって!」
アニ「はいはい」スッ
ミーナ「あーん」パクッ
ミーナ「お返しだよ!」スッ
アニ「あ、あーん…」パクッ
アニ(良いね、これ…)モグモグ
アルミン「アニ、流れで受け取っちゃったけど、僕達にあんなことして良かったのかい?」
アニ「私がやりたくてやったんだ、別に良いでしょ?」
アルミン「いや、そういうのは大切な人にとっておいた方がって思ったんだけど…」
アニ「大切な人?」
アニ(友達って大切な人じゃないの?)
ミーナ「アルミン、アニは意外と純粋なんだよ?」
アニ「意外とは余計だよ」
アルミン「う、うーん…」
アニ「もしかして、嫌だった?」
アルミン「そんなことない!むしろ…!」
アニ「むしろ?」
アルミン「エ、エレン!!」
エレン「えっ?なんだよアルミン」
アルミン「アニ、エレンが代わりに言ってくれるよ!」
エレン「はぁ?俺!?いきなりそんな、振られても……」
アニ「エレン…どうなの?」
エレン「えっと…その……」
エレン(何言えば良いんだこれ!?)
アニ「早く言って」ズイ
エレン「な、なんか新鮮で……いいな…?」
アニ「…………」
エレン(失敗した?蹴られるのか!?)ドキドキ
アニ「はぁ……まだまだだけど…」ナデナデ
エレン「えっ?えっ?」
マルコ「良かったね、エレン」
エレン「アルミン、これってどういうこのなんだ?」
アルミン「成功したってことだよ」
エレン「そ、そっか!ありがとな、アニ!」
アニ「ふん、やればできるじゃないか」ナデナデ
ミーナ「なんだか保護者みたいになってるよ?」
アニ「そんなんじゃないよ」ナデナデ
エレン「ところでアニ、いつまで撫でてんだよ…?」
アニ「満足するまで」ナデナデ
エレン(……どうすりゃいいんだ…)
マルコ「ミーナ、次はどうするとか決まっているのかい?」
ミーナ「特にないよ?でも、なんかしたいね…」
アルミン「普通の女の子の会話ってどんな感じなの?」
ミーナ「それならやっぱり恋愛でしょ!」
ミーナ「そうだアニ!ずっとスルーされてきたけど、アニって気になる人はいないの?今度こそ教えてよ!」
アニ「いないよ、そんなつもりもない」ナデナデ
ミーナ「エレンのことずっと撫でてるけど…違うの?」
アニ「誉めてるだけだよ、そんなんじゃないって」ナデナデ
エレン「アニ、もう充分だから放してくれよ…」
アニ「私が満足してないんだよ」ナデナデ
アニ(こいつの髪ふわふわしてて気持ちいい…)ワッシャワッシャ
エレン「やめろよアニ!ぐちゃぐちゃになっちゃうだろ!?」
ミーナ「じゃあ、アルミンやマルコは?」
アニ「だからいないって言ってるでしょ?」
アニ「でもまぁ、嫌いじゃ…ないね…」
ミーナ「可能性は?」
アニ「ないよ」
アルミン「嫌われてはいないんだね、良かった」
マルコ「僕は少し避けられてるのかと思ってたよ…」
アニ「えっ?」ピタッ
マルコ「二人に比べてほんの少し扱いが違う気がしてね」
アニ「……そんなんじゃ、ないよ…」
マルコ「アニ、もう気にしなくて良いんだよ?」
アニ「うん…」
ミーナ「アニ、おいで、私が撫でてあげる」
アニ「ミーナ…」
ミーナ「よしよし、良い子だねー」ナデナデ
アニ「何か違うよ…」
ミーナ「ここか?これがええのんか?」ギュウ
アニ「ちょっとミーナ…」
ミーナ「可愛いなぁもう!」ナデナデ
マルコ「ミーナ!アニのフード被せてよ、それがずっと見たかった!」
ミーナ「任せて!」ガバッ
アニ「ちょ、ちょっと!」
マルコ「可愛い」グッ
アルミン「イエス!」グッ
ミーナ「良いね!」グッ
アニ「人が真面目に考えてる時になんてことを…」
マルコ「だからこそだよ、細かいことは考えないで、楽しくいこう?」
アニ「……分かった、希望通り…変なことしたら容赦なく蹴ってあげるよ」
アニ「手加減なしだよ、覚悟しな」
マルコ「け、蹴られるのは嫌だなぁ」
アニ「余計なマネしなきゃいいのさ」
エレン「それが難しいんだよな」
アニ「だから勉強しなって言ってるんだよ」
エレン「分かったよ」
エレン「…ということでアルミン、勉強教えてくれ!どうすりゃいい!?」
アニ「なんでアルミンなの?」
エレン「えっ?勉強なんだろ?」
アルミン「勉強にも色々あるんだよ、エレン…」
アルミン「先ずは人付き合いからかなぁ」
エレン「うっ、耳がいたい…」
マルコ「それならジャンに相手してもらえば良いじゃないか、スパルタだと思うけど」
エレン「うぇぇ…やだよあいつ、絶対馬鹿にするもん…」
ミーナ「なになに?なんか面白そう!」
アニ「さっき色々あってね、あとで聞かせてあげる」
ミーナ「やったやったー!」
エレン「お、おい!やめてくれよアニ!」
エレン「あぁ、聞こえないとこでやればよかった……」ガクッ
アニ「今さら遅いよ」
マルコ「相当離れないと聞こえると思うけどね」
アルミン「だねー」
エレン「お前ら楽しんでるだろ!」
ミーナ「楽しみにしてる」ワクワク
エレン「あぁもう終わりだ…」
ミーナ「まぁまぁ、元気だしてよ!次いこう次!何しよっか?」
マルコ「アニ、何かある?」
アニ「このまま適当に話してるだけで良いよ」
ミーナ「もう!アニったら無欲なんだからー」
アニ「そんなんじゃないよ」
アルミン「次!ミカサの物真似します!」ビシッ
アルミン「……エレン、嫌いな野菜を残しては駄目、ちゃんと食べて」ズイ
エレン「アルミン、それパン…」
アルミン「食べて」グイグイ
エレン「わ、分かったよ…」パクッ
アルミン「エレン、良い子」ナデナデ
エレン「おい撫でんなよアルミン…」
アルミン「どうかな?」
アニ「上手いもんだね」
ミーナ「うんうん、表情までばっちり」
アルミン「いつも近くで見てるからね」
マルコ「ほんの少し表情に変化がある辺りがまた…」
エレン「じゃあ俺アルミンの物真似するからな!」
エレン「ねぇエレン、あの本どこにあるか知らない?」
エレン「そっか…どこいっちゃったんだろう…?」
エレン「ミカサー、僕の本どこにあるか知らない?」
エレン「あ、そうだった!ありがとうミカサ!」
エレン「えへへ、さっきまで寝てたソファに置きっぱなしだったみたい…」テヘッ
エレン「以上、ちょっと寝ぼけてるアルミン」
アルミン「ちょっと恥ずかしいねこれ…」
ミーナ「うんうん、本読むと眠くなるよねー」
アニ「そこじゃないでしょ、分かるけど」
エレン「アルミンは本に夢中になりすぎて、寝るのも忘れるからこうなるんだよ」
アルミン「うん、何度もミカサに怒られてるよ」
マルコ「二人してミカサに怒られてばかりじゃないか」
アルミン「本当にそうなんだよねぇ…」
エレン「……気を付けるよ…」
アルミン「あら?あいつがいちいちうるさいんだーって言わないんだ?」
エレン「良いんだよ、別に…」
アルミン「へぇー」ニヤニヤ
エレン「だーもう!つ、次いこうぜ次!アニ、なんかやってくれよ!」
アニ「な、なんで私が…!」
マルコ「皆も色々やってるし……ここで一つどうだろう?」
ミーナ「見てみたいな!アニがそういうことしてるの見たことないし…」
アニ「……少ししかやらないからね…」
ミーナ「待ってました!!」
アニ「座学の時のミーナ」
アニ「ねぇ、ここってどういうこと?」コソコソ
アニ「えっ?何それ?」キョトン
アニ「あ、そんなのもあったねー」
アニ「……そうそうこのページ、ここにあるこの落書き、上手く描けたと思わない?」
アニ「……あっ!書いてないとこ消されちゃった!」
アニ「……こんなのでいい?」
ミーナ「アニ!なんでそれなのー!?」
アニ「ふと思い出したんだよ、凄い間抜けな顔してたし」
ミーナ「そんなに!?」
エレン「アニ、お前ミーナの真似上手いな!」
アルミン「ミーナの姿が簡単に想像できる…」
マルコ「アニも上手だったけど……ミーナ、授業中そんなことしてたの?」
ミーナ「すいませんでした…」
アニ「その後毎回ノート貸してってなるんだから、まったく…困ったものだよ…」
ミーナ「お世話になりました…」
アニ「いいよ、許す」
ミーナ「ありがとうアニ!大好き!!」ギュッ
アニ「現金な奴だね、あんたも…」
ミーナ「えぇっ!?損得勘定抜きで大好きだよ?」
アニ「分かったからそういう恥ずかしいこと大声で言わないで」
ミーナ「照れてる…」
アニ「ち、違うって…!」
エレン「照れてるだろ」
アルミン「照れてるね」
アニ「うるさいな、蹴るよ!?」
マルコ「まぁまぁ、落ち着いて…」
マルコ「照れてたけど」ボソッ
アニ「いいよ、そんなに蹴られたいならやってあげる…」スッ
マルコ「あ、ちょっとまっ…」グルンッ
マルコ「」
ミーナ「本当に容赦なくいったね…」
アニ「有言実行ってやつさ」
アニ「じゃ、次はあんた達だよ…」
エレン「え、またかよ!待ってくれよアニ!悪かったって!」
アルミン「もう終わりなんだ…」
エレン「……パンツ見えるぞ?」
アニ「…………」
エレン「」
アルミン「」
アニ「はぁ…」
ミーナ「見事な回転でした」
アニ「どうも」
アニ「じゃ、そろそろ満足したし……お礼をしないとね…」
マルコ「いたたた……いいの?女の子扱いってほどのことはあまりできてないけど…」ムクッ
アニ「満足したんだから充分だよ」
アニ「私からは黄色をあげる」
エレン「まじか!?ありがとう!」ケロッ
アルミン「いてて……助かるよ、アニ」ムクッ
ミーナ「私からは水色あげちゃうよ!」
アルミン「えっ?」
ミーナ「アニとちゃんと友達になれたお礼に!」
エレン「でも、二回目だぞ?」
ミーナ「こっちが本当の願い事だもん、良いでしょ?もう叶えてもらっちゃったし」
アルミン「うーん…」
マルコ「ありがたく貰っておこうよ」
エレン「そうだな、ミーナ、ありがとう」
ミーナ「お互い様だよ」
ミーナ「ねっ、アニ?」
アニ「そうだね…」
アニ「あんた達には感謝してる、ありがとう」
アルミン「そんな、僕達もだよ…」
アニ「さぁ、次に行かなきゃいけないんでしょ?もう私は大丈夫だから、行きなよ」
ミーナ「私が一緒にいるもんね!アニのことは任せといて!」
アニ「逆でしょ?」
ミーナ「そんな!?」
アルミン「ふふっ……さぁ、行こうか」
エレン「おう、また会おうな!」
マルコ「お幸せに」
ミーナ「うん、ありがとう!」
アニ「また、ね…」
アルミン「うん、また…!」
アルミン「かなり色も集まってきたね」
エレン「そうだな、終わりが見えてきた」
マルコ「お疲れ様」
エレン「何言ってんだよ、マルコも色々してくれたろ?」
マルコ「そうかな?」
アルミン「そうだよ、アニの時だけでも沢山してくれたじゃないか」
マルコ「そこまで言われると照れるなぁ」
エレン「ところでマルコ、次はどっちなんだ?」
マルコ「………………」
アルミン「マルコ?どうしたの?」
マルコ「……次は……エレンはそっちへ真っ直ぐ、アルミンは僕についてきて?」
エレン「どうしてだよ?一緒に行こうぜ?」
アルミン「行ったり戻ったりしなきゃいけなくても良いんだよ?一緒に行こうよ」
マルコ「アルミン…」
アルミン「……!……分かった、僕は君についていけば良いんだね」
エレン「…………俺だけ一人なのか?」
マルコ「大丈夫、すぐに会えるから…」
エレン「……分かった…」
マルコ「ありがとう、本当に…」
エレン「なんだよ?別にそれくらい…」
マルコ「ありがとう」
エレン「……?おう…」
エレン「じゃあ俺、行くよ!また後でな!」フリフリ
マルコ「…さぁアルミン、行こっか」
アルミン「う、うん…」
今回はここまで!
おお終盤に入ってきたのか…
続きすごく気になるな
乙です!
ありがとうございます!
次かその次で終わる……予定で!
進めます
エレン「はぁ…なんで俺だけ一人なんだ…」
エレン「なんかマルコの様子もおかしかったし…」
エレン「いや、元々少しおかしかったけど……さっきのは…」
エレン「………………」
エレン「何してんのかな…」
エレン「まぁ、後で二人に聞けばいっか…」
エレン「……そうだよ…後で、な…」
エレン「………………」
エレン「アルミン、マルコ…」
エレン「一人で歩くのなんか、つまんねぇよ…」
エレン「………………」
エレン「少しだけなら、良いよな…?」
エレン「ジャン!」
ジャン『…なんだよ』
エレン「ちょっと相手してくれよ」
ジャン『はぁ?嫌に決まってんだろ、お前の相手なんか…』
ジャン『大体、お前の大好きなアルミン君はどうしたんだよ、マルコも一緒なんだろ?』
エレン「……いない…」
ジャン『いない?どこ行ったんだよ?』
エレン「分かんない……けど、後で会えるって…マルコが……」
ジャン『……あぁそうかい』
ジャン『で、お前は一人で寂しいから俺に相手をしろと?うさぎか!!』
エレン「………………」
ジャン『お前、そんなに一人になるの駄目だったか?訓練兵の時なんか一人で筋トレしてたろ?』
エレン「………………」
ジャン『おい、何か言えよ』
エレン「別に、そっちに居る時は…一人でもまだ、なんともなかった……」
エレン「誰かが近くにいなくても、風の音とかがあるだろ?それに、大体後からミカサが俺の所に来る…」
ジャン『…………で?』イラッ
エレン「こっちの世界ってさ…自分達の周り以外、何も聞こえねぇんだよ…」
エレン「さっきまで話してた奴らの声も、別れたばっかりの二人の足音も、すぐに聞こえなくなった」
エレン「誰も居なくなってやっと気付いたんだ…」
エレン「そしたら…急に不安になってきてさ……」
エレン「皆、消えちゃうんじゃないかって、もう会えないんじゃないかって……」
エレン「ジャン…俺…なんで…こんなこと……」
エレン「……ジャン?」
エレン「おい、返事してくれよ!」
エレン「……嘘だろ…?」
エレン「…………お願いだから…返事してくれよ……」
ジャン『分かったから泣くな』
エレン「なっ…泣いてなんか……!」
ジャン『……お前な、ミカサに同じ思いさせたの…分かってんのか?』
ジャン『いや…お前ら、だが』
ジャン『お前らが居なくなってからのミカサは、見るに耐えなかった…』
ジャン『まぁ、身の回りのことはサシャ辺りがやってくれてたようだがな』
ジャン『で、今似たような体験をしてどう思った?』
ジャン『お前は全然マシだぞ?後で会える可能性のが高い』
エレン「…………ごめんなさい…」
ジャン『俺に言っても意味ないだろ、大体答えにもなってねぇ』
エレン「……ジャン、俺…ミカサになんて謝れば……」
ジャン『そんなもん自分で考えろ』
エレン「……そうだな…」
ジャン『まぁ、しっかり悩めよ?ミカサをこれ以上傷付けたら本気で許さねぇ』
エレン「分かった…」
ジャン『……いつまで落ち込んでんだよ』
エレン「それもあるけど…そうじゃない…」
エレン「なんかさ、マルコの様子がおかしかった…」
ジャン『マルコが?俺と一緒にいた時からはしゃぎまくってたろ?』
エレン「違う!そうじゃないんだよ…」
エレン「さっきの話じゃねぇけどさ…なんか、もう……会えないような気がして…」
ジャン『…………気のせいだ、後で会えるって言ったんだろ?』
エレン「言った、けど……」
ジャン『マルコは約束を守る、そういう奴だ』
ジャン『……大丈夫だろ』
エレン「そうだよな…!それにアルミンも一緒だ、何があっても、頭のいいあの二人ならどうってことはない!」
ジャン『あぁ、まったくだ…』
エレン「ジャン、ありがとな…助かった…」
エレン「……あ、吐くなよ?」
ジャン『吐かねぇよ!』
エレン「今、何してるんだ?」
ジャン『お前のハンカチ洗ってんだよ、血って乾くと全然落ちないの知ってるか?』
エレン「……知ってるけど…それ、使う気なのか?もう捨てようと思ってたヤツなのに…」
ジャン『使わねぇよ!つーかお前、ゴミで人の顔拭いたのか!?』
エレン「ゴミって言うなよ…」
エレン(本当は新品なのに…)
ジャン『捨てようとしてたんならゴミと大して変わんねぇだろうが!ふざけんな!』
エレン「汚くないって…洗ってある……」
ジャン『……ったく、もうここまでやったなら最後まで綺麗にしておいてやるよ』
エレン「いや、やるって言ったろ?」
ジャン『お前のハンカチなんているか!帰ったらテメェで捨てるなり何なりしろよ…』
エレン「……分かったよ…もう少しで帰れそうだし…」
ジャン『はぁ?』
エレン「帰れるんだよ!ここまで頑張ったんだ、きっとすぐに全部終わる!」
ジャン『……そりゃあ、良かったな…』
エレン「あぁ、だから早く誰かの願いを…」
ジャン『……!おい!!』
エレン「叶えな……!?」ハッ
ピカッ
エレン「まぶしっ…!」
ジャン『……くっ!』
エレン「…………」
エレン「…………あれ?眩しい、だけ?」
ジャン『この馬鹿!何してくれてんだよ!!』
エレン「あ、いやその…ごめ、ん……あれ?」
エレン「……!お前、ひょっとして知ってるのか!?」
ジャン『あぁそうだよ!やってくれたなこの馬鹿野郎が!』
エレン「たまに変なこと言ってたり、やけに物わかりがいいと思ってたけど……そっか…そういう…」
ジャン『今はそんなこと考えてる場合じゃねぇだろ!これどうなるんだ?光るだけっておかしいだろ?』
エレン「どうって…」キョロキョロ
エレン「……右足のかかとに赤いバッテンついてる……靴の上からだけど……」ゴソゴソ
エレン「……靴抜いでもついてる…」
エレン「取れねぇし…」ゴシゴシ
ジャン『……バッテン…どっかに…』
ジャン『…………駄目だ見当たらねぇ、後ろか?』
ジャン『鏡ってどこだ?』
エレン「でかいのは…ミカサの部屋だけど……」
ジャン『……それならいっそ、ミカサに見てもらうか…』
ジャン『…………ミカサ、ちょっと良いか…?』
ジャン『えっ、顔に…!?』
ジャン『い、いや!なんでもない!邪魔したな!!』
ジャン『…………お前が真っ赤にしてくれたところにバッテンついてるってよ…』
エレン「ごめん…」
ジャン『ごめんで済むか!どうなるんだよこれ!』
エレン「本当にごめん…!」
ジャン『……今はなんともねぇみたいだし、しばらくは大丈夫だろ』
エレン「でも…」
ジャン『どうしようもねぇだろ、こればっかりは…』
エレン「ごめんな…また巻き込んじまった……」
ジャン『…………後できっちりお説教だな…』
エレン「なっ!?そんなんで良いのかよ!」
ジャン『良くねぇよ!とりあえず今できることさっさとやってこい!』
エレン「わ、分かった…」
ジャン『分かってんならとっとと切ってやることやれよ、泣くんじゃねぇぞ』
エレン「泣いてねぇって言ってんだろ!」
ジャン『へーへー』
ジャン『……おい、エレン…』
エレン「なんだよ」
ジャン『さっき言ったこと、忘れんなよ?傷付けんなよ?ちゃんと言えよ?』
エレン「あぁ、ちゃんとやるよ……またな…!」ブツッ
エレン「…………」
エレン「ふんす!」バシーン
エレン「いい友達をもった…!」ヒリヒリ
エレン「……でも、これ、どうなるんだろうな…」
エレン「さっき怪我したとこだよな、あれは両足だけど…」
エレン「ジャンは…左手で叩いたから右頬か……」
エレン「………………」
エレン「やることしなくちゃな…」
エレン「まずは、ミカサに謝って…お礼して…もう一回、謝…って…………?」
エレン「…………はっ…?嘘、だろ……?」
エレン「あれって…そんな、まさか……」
エレン「……母、さん…?」
エレン「…………母さん!母さんだよな!?」ダッ
カルラ「……エレン!!どうしてこんなところに!?」
エレン「会いたかった!ずっと……!ずっと…」ポロポロ
エレン「母さん…!」ギュッ
カルラ「………………!」ググッ
カルラ「……エレン、どうしてここにいるの?」
エレン「それは…」
カルラ「早く言いなさい!」
エレン「……その、やらなきゃ…いけなことがあって…」
エレン「自殺、したんだ……」
カルラ「……本気で、言ってるの…?」
エレン「ごめんなさい…でも、もう少しで……」
カルラ「…………」バシッ
エレン「うっ…!……ってぇ…」
カルラ「なんてことを…エレン!生きてって言ったのに!どうしてそれさえも守ってくれないの!?」
カルラ「ミカサは!?二人で生き延びなさいって言ったはず…!ミカサはここにいるの!?」ガシッ
エレン「いない…アルミンと、二人で来た……」
エレン「すぐそこまでは、マルコって奴と三人で……!」
カルラ「あの子を一人置いてきたの!?」グイッ
エレン「つ、連れてくことなんかできなかったんだ、本を同時に読んでた人じゃないと駄目なんだよ…!」
エレン「ミカサにはちゃんと謝ろうって、許してもらえなくても、全部終わったら伝えようって思ってる!」
エレン「俺、本当にミカサに辛い思いさせた!なのに、あいつ、文句も言わずに協力までしてくれて…」
エレン「約束、守れなくてごめんなさい!……でも、どうかもう少しだけ…もう少しで、皆と、母さんと一緒にいられるんだ…!」
カルラ「…………エレン、一緒になんか…いられるわけがない…」
カルラ「死んだ人間は、生きてる人には会えないのよ?」
エレン「会える!会えるんだよ!」
エレン「この世界を色で全部埋めたら、願いを叶えてもらえるんだ!」
エレン「だからそれで…!」
カルラ「エレン!いい加減にしなさい!」グイッ
カルラ「そんな話が、あるわけないでしょう…?」
エレン「本当なんだよ!信じてよ!!」
エレン「ずっと、頑張ってきたんだ……!嘘だなんて、そんなことない……!」グスッ
カルラ「エレン…貴方は…」
エレン「母さんは……俺と一緒にいてくれないのか……?」
エレン「俺は、ずっと……言うこときけなくて、悪いこと沢山したのも、謝りたくて……」
エレン「それでも、育ててくれたこと…お礼を言いたくて……」
エレン「あの日のことだって!謝りたかったんだ…!」
エレン「喧嘩して家を飛び出したことも、母さんを助けられなかったことも……!」
エレン「ずっとずっと、謝りたかった」
エレン「……ただ、もう一度……名前を呼んでほしかった…」ギュッ
エレン「…………母さん、俺さ…調査兵団に入って…巨人を全部、倒したんだ…」
エレン「人類最強のリヴァイ兵長や皆と一緒に戦って、全部終わらせたんだ!」
エレン「でも、そんなことをしても……心の底から幸せになんかなれやしなかった…」
エレン「だから、本を見つけた時、アルミンと決めたんだ…!」
エレン「皆と、幸せになろうって…」
エレン「だから、ここまで頑張ってきた!」
エレン「もう少しで、叶えられるんだ!」
エレン「なぁ、母さん……それでも、一緒にいてくれないのか…?」
エレン「それとも…」
エレン「……母さん、母さんは俺が…………」グッ
エレン「嫌い……なの……?」
エレン「俺って、生まれて来ない方が良かったのか…?」
エレン「俺は、いらなっ……!」
カルラ「……エレン」ギュッ
カルラ「違うわ…それ以上言わないで!」
カルラ「エレン、貴方は、私の…大切な子……」
エレン「母さん……母さん!!」ギュッ
エレン「ごめんなさい!ごめんなさい…!」
カルラ「エレン、ごめんね……信じてあげられなくて……」
カルラ「頑張ったのね、ずっとずっと…」
カルラ「寂しい思いをさせて、ごめんなさい…」
エレン「なんで母さんが謝るんだよ!」
エレン「全部全部!俺が……!?」
カルラ「エレン、大きくなったわね…」ナデナデ
エレン「…………うん……」ギュッ
カルラ「エレン、全部聞かせて?今までのことを」
エレン「分かった…でも、その前に…伝えたいことがあるんだ」
エレン「母さん、俺、友達ができたよ……!」
エレン「アルミンだけじゃない!とっても良い奴らが…!」
ジャン「……ったく……落ちねぇし…」ゴシゴシ
ジャン(あいつ、面倒事ばかり残していきやがって…!)
ジャン(本当に何なんだよこのバッテン!)
ジャン(互いに痛みを感じたところについたのは誰にでも分かる…)
ジャン(だが、これは一体どうなるんだ?)
ジャン「………………」
ジャン(大体!説明も読まずに諦めるからそうなるんだっての!)
ジャン(アルミンが覚えてるから大丈夫とでも思ったんだろうが、アルミンと別れちゃ意味ねぇだろうが!)
ジャン(……にしても…マルコ……お前、一体何が…)
ジャン(あいつにはああ言ったが、あの鈍感でも気付くってことは…よっぽど……)
ジャン「……くそっ!」ゴシゴシ
ジャン「はぁ…もうこのくらいで良いだろ…」
ジャン「さて、アルミン部屋…また借りるとするか…」
ジャン「借りるぞ、アルミン」ガチャ
ジャン(どうせ聞こえてねぇだろうけど)
ジャン(さて、神様とやらに問い詰めにいくか)
ジャン(こっちの…)ガサゴソ
ジャン(これだ)
ジャン(色が増えてるな…)バサッ
"ジャン、お疲れ様"
ジャン(本当にお疲れだってーの)
"あの…あんまり気に病まないでね?"
ジャン(気に病むっつったってなぁ…今のところバッテンつけられただけだし…)ペラッ
"ごめんなさい、これからそれがどうなるのか"
"私にも分からないから…"
ジャン(なんでだよ!)
"命には関わらないと思うの"
"そこまで重いものならその場でなると思うし"
ジャン(いきなりとんでもないこと言うのは相変わらずか…)ペラッ
"何とかしてあげたいけれど…"
"それが、決まりだから…"
ジャン(まぁ、あんたを責めても意味がないことは分かった)
"本当にごめんなさい"
ジャン(そんなことより、いくつか聞きたいことがある)
ジャン(まずは、エレンの蘇生…アレイズについてだ)ペラッ
"うん、一から全部話すね"
"まずは一番はじめの蘇生について"
ジャン(そうだ、はじめの二回はマルコと遊んでいただけ)
ジャン(完全に違う奴の声が聞こえてた)
"貴方が聞いた声は、私の…大切な人の声"
"私の仕事が多いからと代わりに、ね…"
ジャン(のろけか…)ペラッ
"のろけじゃないもん!"
ジャン(ツッコミ入れんでいい)
"続けるよ"
"ジャン、貴方は血の契約って知ってる?"
ジャン(簡単にしか知らねぇが)ペラッ
"まぁ、文字通りだから"
"そこら辺は省略するね?"
ジャン(了解)
"ここら辺から、エレンが関わってくるよ"
"水鉄砲については理解してるよね?"
ジャン(あんまり思い出したくは無いんだがな……)ペラッ
"ごめんね"
"でもそれで、貴方とエレンは契約した"
ジャン(不本意過ぎるわ)
"そこでさっきの…Yにしようかな"
"Yが、貴方に目をつけた"
ジャン(…………Y、ね…)ペラッ
"Yは貴方に"
"アレイズを使わせようと考えたの"
ジャン(迷惑な)
"何度も頻繁に使えるものじゃない"
"それは貴方ならよく知っているでしょう?"
ジャン(あぁ、そうだな…一回でも何かが結構持っていかれてる気がする…)ペラッ
"それに、ずっとエレン一人を"
"見続ける訳にはいかないから…"
ジャン(そりゃそうだが……)
ジャン(神……いや、Yにも利用されてんのか俺は……)
"貴方がそれを理解するよう仕向けた"
ジャン(そういうことかよ…)ペラッ
"ごめんなさい、大変だったよね"
ジャン(あんたが謝ることじゃないだろ)
"回復についても"
"なんとなく分かっているでしょう"
ジャン(また不本意だけどな)ペラッ
"エレンだけしか駄目なのも"
"契約のせいだから…"
ジャン(なんてこった…)
"顔じゃなくても良かったんだけどね"
"普通に握手とかで"
ジャン(……そんな手で握手も嫌だが…)
ジャン(顔よりマシだったか…)ペラッ
"普通に考えたらそうだと思う"
ジャン(あぁ、血つけられて喜ぶやつなんて見たことねぇよ)
"この質問についてはこれで大丈夫かな?"
ジャン(充分だ)
ジャン(次はさっき聞き忘れた兵長について教えてくれ)ペラッ
"うん、分かった"
ジャン(あの人は謎が多すぎる…)
"私が、エレン達に目をつけた話はしたよね?"
ジャン(あぁ、覚えてる)ペラッ
"最初から私はエレンの願いを知っていたの"
"でも、この本をどう届けようか悩んでいた"
ジャン(そうか、この本はあいつらの為に…)
"私が動くと"
"そっちの世界への影響が大き過ぎる"
ジャン(もう充分関わってるが)ペラッ
"限度があるの、説明は難しいけど"
"私は目的としてる人に見付かっては駄目なの"
ジャン(さいですか…)
"私がこの本を持ってアルミンの部屋へ行くには"
"少しだけ実体化しなければいけないんだけど"
ジャン(へぇ…)ペラッ
"でも、ミカサの目を掻い潜って"
"部屋に行くのは無理だと思った"
ジャン(まぁ無理だな)
"だから、本の中身を少しだけ話すことを約束に"
"リヴァイ兵士長と取り引きをした"
ジャン(そこでか)ペラッ
"あの人なら、よく家に来るし"
"約束は守ってくれるもの"
ジャン(確かにな)
"それで、本を紛れ込ませてもらったの"
ジャン(そういうことか……大体分かった)ペラッ
"ジャン、ここからは…とても大事な話"
"今までよりも、凄く"
ジャン(……なんだよ…?)
"貴方には、マルコについて"
"今のうちに話しておかなくちゃ…"
ジャン(……!やっぱりマルコになんかあったのか…?)ペラッ
"うん…"
"マルコはね……"
マルコ「さて、ここら辺かな?」
アルミン「………………」
マルコ「アルミン、分かっているとは思うけど、大事な話なんだ…」
アルミン「うん…」
マルコ「まずは、どこから話そうか…」
マルコ「僕が死んでから、しばらく経った頃…」
マルコ「何をしていたのか、あまり思い出せないけれど……」
マルコ「突然、世界が真っ白になったんだ、恐らく、君達が初めて来た時のように」
マルコ「同時に、ここを見守っていた人が……神様とでも例えようか、それが替わったんだって自然と理解していた」
マルコ「ただ……理解していてもどうすることもできないし、何をしようとも思わない」
マルコ「僕は呆然としているだけだった」
マルコ「そんな時だよ、どこからか声が聞こえたのは」
マルコ「"やり残したことはないか?"ってさ」
マルコ「勿論あったよ、沢山」
マルコ「ずっと夢だったことも叶えられず、やりたいことだってまだまだあった」
マルコ「だけど、一番心残りだった……ジャンの所へ行きたいと、そう願ったんだ」
マルコ「特別な条件と交換にね」
アルミン「条件…?」
マルコ「道案内だよ、時が来たら貴方の所へ誰かが来る……そしたらその人の手伝いをしてあげてってね…」
アルミン「もしかして、それって…」
マルコ「そう、エレン……最初は気付かなかったけれど、きっとそうだと思った」
マルコ「だからここまで着いてきたんだ」
マルコ「……話を少し戻そう」
マルコ「僕はジャンの所へ行きたいと願ったって言っただろう?」
アルミン「うん…」
マルコ「その願いは許されたけれど、1つ約束があってね」
マルコ「彼に触れては駄目だったんだ、関わり過ぎてしまうから…」
マルコ「しかし、僕はその約束を破った」
マルコ「……どうしても…見ていられなかったんだ」
マルコ「周りの皆が次々いなくなって、辛いのに…それを隠して、たった一人で全部抱え込んでしまっている彼を…」
マルコ「僕が突然現れて凄く驚いていたよ、とうとう幻覚が、なんて言い出してさ」
マルコ「………僕は、約束を破った罪を償わなくてはならない、本当はその場で償うものだったんだけど…」
マルコ「でも、神様は特別に猶予を与えてくれたんだ」
マルコ「道案内の仕事をしながらだけど、好きなことをしていいと」
マルコ「何人か言ってたよね?僕の性格がおかしいって…」
マルコ「最期だから、全部楽しんでしまおうと思ってさ」
アルミン「待ってよマルコ…!最期って…」
マルコ「エレンに紙飛行機を飛ばさせただろう?あれは、次の人で僕の仕事は終わりっていう合図だよ」
マルコ「9人目のアニと別れて、道を教えて、僕の仕事はもう終わり」
マルコ「さぁ、そろそろお別れの時だ」
マルコ「アルミン、君はあっちへ真っ直ぐ進むんだ、そうすればエレンに会えるはず」
アルミン「…………君は、どうなるんだい?」
マルコ「僕は、君達の記憶から消える」
マルコ「罪は償わなくちゃ、そうでしょう?」
アルミン「そんな…!どうにかならないの!?」
マルコ「アルミン…どうにかなるなら、僕はきっと…君に、どうにかならないかって相談してると思うよ?」
マルコ「それをしないんだから……後は、分かってくれるよね?」
アルミン「……僕は、嫌だよ、そんなの…」
マルコ「もう、どうしようも無いんだ」
アルミン「マルコ…」
マルコ「エレンの約束も破っちゃったなぁ…でも、全部忘れる…」
マルコ「……アルミン、今まで本当に楽しかった、ありがとう」
マルコ「皆と楽しいことができて……本当に良かった…!」
マルコ「僕は…残りの水色を埋めよう、全てのお礼として…」
マルコ「後は、エレンが埋めてくれる…」
アルミン「マルコ!」
アルミン「僕だって!君のお陰で、楽しかった!なのに、そんなのって…!」
マルコ「お別れだ、アルミン……真っ直ぐだよ?間違えないでね?」
アルミン「待ってよ!まだ言いたいことが沢山…!」
マルコ「さようなら」
アルミン「…………あれ?僕は、なんで…?」
アルミン「何か、大切なことを忘れている気がする…」
アルミン「………………」
アルミン「駄目だ、思い出せない…」
アルミン「……それより、エレンの所へ行かなくちゃ…!」
アルミン「考えるくらいなら歩きながらでもできる!」
アルミン「確か、ここを真っ直ぐ……!」
アルミン「……あれ?どうして僕は、そんなことを知ってるんだっけ…?」
エレン「母さん……俺、そろそろ行かなきゃ…」
エレン「アルミンが待ってる」
カルラ「待って、エレン…1つお願いがあるの…」
エレン「なんだよ…?」
カルラ「生まれ変わっても、私の子になってくれる?」
エレン「何言ってんだよ、そんなの当たり前だろ…!何度でもなってやるよ!」
カルラ「ありがとう、エレン…」
エレン「母さんもその約束、忘れんなよな!」
カルラ「ええ…勿論…!」
エレン「すぐに会える、もう少し…」
エレン「もう少しだけ、待っててくれよな!」
カルラ「エレン、受け取って……?貴方の、綺麗な瞳の色…」
エレン「……!どうして…?俺は何も…」
カルラ「約束、してくれたでしょう?」
エレン「そ、そんな…!」
カルラ「それだけで、充分」
カルラ「さぁ、行きなさい……アルミンが待っているんでしょう?」
エレン「あ、あぁ…」
カルラ「気を付けてね、ミカサを…友達を大切にするんだよ」
エレン「それも、約束だ…!」
カルラ「……ここを真っ直ぐ、迷わないようにね」
エレン「真っ直ぐ行くだけなら迷わねぇよ…」
カルラ「あんたはずっと危なっかしいから…」
エレン「大丈夫だって……それじゃ…」
エレン「行ってきます!」
ジャン(……嘘、だろ…?)
ジャン「マルコ…お前……どうして、そんなこと…」
"ジャン、そろそろ…時間よ…"
ジャン「待ってくれ!どうにかできねぇのか!」バサッ
"どうしようもないの…ごめんなさい…"
ジャン「……俺も、忘れちまうのか…?」
ジャン「今までのこと…全部…」
"私は…たとえ、忘れてしまうとしても"
"貴方には伝えておくべきだと思った"
ジャン「ははっ…そうかよ…!」グシャ
ジャン「……くそっ!またかよ!!なんで、どうしてまた……!」
"時間が、来たみたい…"
ジャン「……やめろ!」
ジャン(駄目だ、次を読んだら、俺は……!)
"ごめんね"
ジャン「…………俺は、何を…こんなに、興奮して…」
ジャン「……!なんだ…?」ゴシッ
ジャン「………………」
ジャン「訳わかんねぇ…」ゴシゴシ
アルミン「おーい、エレン!」フリフリ
エレン「あ、アルミン!どこ行ってたんだよ!?」
アルミン「ごめん、僕にもよく分からなくて…」
エレン「……?変なアルミン…」
アルミン「それより、全部の色が揃ったね!」
エレン「あぁ!今、母さんに会ってきたんだ!最後の色を貰ってさ!」
アルミン「そっか…良かったね、エレン…!」
エレン「あぁ、凄い怒られたけどな…」
エレン「そうだ!ミカサに謝んないと!」
アルミン「そうだね、あと、ありがとうって伝えなきゃ…!」
エレン「ミカサ!」
ミカサ『どうしたの、エレン…?』
エレン「言いたいことが、色々あってさ…」
アルミン「僕からもだ、ミカサ」
ミカサ「アルミン…!」
エレン「まず、お前が作ってくれたトースト…俺のせいで冷めちゃったんだ…」
エレン「せっかく時間まで考えて作ってくれたのに…ごめんな…」
アルミン「僕からも謝るよ、本当にごめん…」
ミカサ『ふふっ…そんなこと、気にしなくていい…』
エレン「まだ、謝ることがあるんだ!」
エレン「ミカサ、一人にしてごめん…」
エレン「辛かったよな…本当にごめん…!」
アルミン「一緒にいてあげられなくて、ごめんなさい!ミカサ!」
ミカサ『……二人が、帰ってきてくれるなら、良い…許すに決まっている…』
エレン「ミカサ…」
アルミン「ミカサ、僕達、もうすぐ帰れるんだ!すぐに会いに行く!」
ミカサ『本当!?』
エレン「あぁ、本当だ!」
ミカサ『嬉しい…!』
エレン「後な、お前にお礼を言いたいんだ」
エレン「何も説明できないのに頼み事ばっかで……でも、手伝ってくれたよな…」
エレン「本当にありがとう、お前がいてくれてよかった!」
ミカサ『エレン…!』
ミカサ『私は、エレンの為ならなんだってする…!』
エレン「あぁ、いつもありがとう」
ミカサ『……!なんだか、素直になった…?』
エレン「はぁ?な、なんだよそれ!?」
アルミン「ミカサ、僕からもありがとう!」
ミカサ『アルミン…どういたしまして』
エレン「なぁミカサ、帰ったら…何か、してほしいことってあるか?」
ミカサ『……?一緒にいてほしい…それだけ…』
エレン「そんなの当たり前だろ!」
アルミン「何か、特別にしてほしいことだよ」
ミカサ『急に言われても……あっ…』
エレン「何かあるのか?」
ミカサ『マフラーを…巻いてほしい…』
エレン「……そんなことでいいのか?もっと、こう…」
ミカサ『いい、それがいい』
エレン「……マフラーぐらい、欲しけりゃいくらでも巻いてやる!」
ミカサ『うん…!』
アルミン「僕にも何かさせてよ、考えておいてね!」
エレン「よし、じゃあそろそろ終わらせに行こうぜ、アルミン!」
アルミン「そうだね」
エレン「ミカサ、すぐに会いに行く!待ってろよな!」
ミカサ『分かった、待ってる…!』
今回はここまで!
マルコに救いを…
乙!
乙です!
マルコにこんな感情移入したのは初めてだ
そしてミカサ、良かったなぁ
大切な人を失うって心身共に寿命が縮む思いなんだぜ
続き楽しみにしてます
ありがとうございます!
それでは終わらせます!
エレン「何か見えてきたな…」
アルミン「うん、ここからじゃあんまりよく見えないけど…」
エレン「おい、向こうから誰か来るぞ!?」
アルミン「あれは…!」
エレン「ユミル!?」
ユミル「よう、久し振りだな」
エレン「お前…行方が分からなくなったと思ったら……こんなところに…」
ユミル「私のことはどうでもいいだろ?とりあえずこっちに来いよ」
アルミン「う、うん…」
ユミル「おーい、私の愛しい女神様、客だぞー」
ヒストリア「うん、ちょっと待って…」カリカリ
ヒストリア「………………」カリカリ
ヒストリア「もう、その呼び方は止めてってば!」ガタッ
ユミル「本当に女神なんだから良いだろ?」
ユミル「それより、馬なんて相手してないで早くこっちに来いよ」
アルミン「ヒ、ヒストリア!?」
エレン「女神様って…お前が…?」
アルミン「神様が……本物の神様に……」
エレン「何言ってんだアルミン…?」
ヒストリア「えっと…二人供、久し振り…」
アルミン「は、はい…!」
ヒストリア「そんな…いいよ、普通に話そうよ」
アルミン「でも…」
ユミル「良いって言ってんだから良いんだよ」
アルミン「……分かった」
ヒストリア「既に気付いているとは思うけれど、貴方達を呼んだのは私…」
ヒストリア「まずは、信じてくれて本当にありがとう…!」
アルミン「お、お礼なんかしなくていいよ!顔を上げて?」
ユミル「そうだぞ、神様が軽々しく頭を下げるな」
ヒストリア「でも…」
エレン「つまり、あの本で色々教えてくれたのは…」
ヒストリア「そう、私…」
ヒストリア「ごめんね、あの本にも書いたけど、どうしても二人にお願いしたくて…」
エレン「いや、別にそれはいいんだけどさ」
ユミル「まぁ、お前らは願いを叶えてほしくてここまでやって来たんだしな」
ヒストリア「もう、ユミル!そんな言い方しなくたっていいじゃない!」
アルミン「いや、その通りだ…僕達は願いを叶えて貰いに来た」
エレン「お前らが叶えてくれるのか?」
ユミル「いや、叶えるのはヒストリアだ、私にそこまでの力はない」
ヒストリア「うん、二人供…この姿を覚えてる?」
ピカッ
エレン「うわっ…!眩しっ…」
アルミン「……!君は…!?」
女の子「そう…瓶に水がほしいとお願いしてたのは私」
エレン「あれ、お前だったのか…」
女の子「姿を戻すよ」
ピカッ
ヒストリア「……エレンに汲んできてもらった水はここにあるの」チャプン
エレン「それ…どうするつもりなんだ?」
ヒストリア「あっちに台があるでしょう?そこにある器に入れるよ」
ヒストリア「二人はこれから、願いを強く念じながらその器に飛び込んでもらう」
エレン「そんなことしたら頭ぶつけちゃうだろ?」
ユミル「大丈夫なんだよ、それが元の世界に帰る方法だからな」
アルミン「それで、帰れるの?」
ヒストリア「うん、目が覚めればきっと…貴方達が望んだ世界になっているはず」
エレン「俺達の願いを知っているのか!?」
ユミル「当たり前だろ?誰だと思ってんだ」
エレン「ヒストリア」
アルミン「いや、間違ってはいないけど…」
ヒストリア「いいの、そっちの方がいいもん」
ユミル「またまたこの女神様は…」ギュッ
ヒストリア「きゃっ、ユミル!こぼれちゃうよ!」
ユミル「おっと、悪い悪い」パッ
ヒストリア「もう!ユミルったら…」
ヒストリア「……それじゃ、そろそろはじめよっか」
ヒストリア「強く、念じるんだよ?忘れないでね?」トコトコ
エレン「おい、そっちになんか落ちて…」
グシャ
ヒストリア「きゃっ!?」ツルーン
ユミル「ヒストリア!!」
ガッシャーン ザバー
アルミン「大丈夫!?……あ、水が…」
ドバドバ
エレン「なんか水量増してないか?瓶に入ってた量より遥かに多いんだけど…」
ヒストリア「紙飛行機の回収忘れてた…」
ユミル「あー、お前ら…とりあえず念じること忘れるなよ?」
アルミン「えっ?これどうなるのさ!」
ユミル「んなもん分かりきったことだろ…」
ゴゴゴゴゴゴ
ユミル「……流されるんだよ」
エレン「うわっ!」ザブンッ
アルミン「……!エレ…うわぁ!?」ザブンッ
エレン(くっ…願い事……)ゴポゴポ
エレン(俺は、皆と…)
エレン(世界中の、色んなものが見たい!)
エレン(壁もない、巨人との戦いもない、そんな……皆が笑い合える、平和な世界で…!)
コツコツコツ
マルコ「…………」スッ
マルコ「…………」カサッ
マルコ「…………」カリカリ
マルコ「…………」
マルコ「…………」クシャ
マルコ「…………」ギュッ
マルコ「…………」
"ありがとう"
エレン(……あれ?俺は…どうなったんだ?)
エレン(たしか…流されて…)
ミカサ『エレン!起きて!』
エレン(ミカサ?)
エレン(夢…?)
ミカサ『エレン!』
エレン(ミカサ…)
エレン(そうだ、ミカサの所に帰んないと…)
ミカサ「エレン!」
エレン「うわっ!?」ガバッ
ミカサ「良かった!起きた!…エレン!」ギュウウウウウウ
エレン「うっ…!くるしっ……ミカサ…!」
リヴァイ「おい、今度は永遠に寝ることになるぞ」
ミカサ「はっ!?ごめんなさい、エレン…私は冷静じゃなかった…」パッ
エレン「助かった…」
コニー「おい、大丈夫かよエレン?」
エレン「コニー…!」
サシャ「ミカサ!アルミンも目を覚ましましたよ!」
ヒストリア「ごめんねアルミン…」ボソッ
アルミン「……えっ?ヒス…」
ミカサ「アルミン!」ギュッ
アルミン「わわっ!?ミカサ!?恥ずかしいよ…」
ライナー「お、ジャンも起きたみたいだぞ」
ベルトルト「大丈夫…?」
アニ「しっかりしなよ」
ジャン「……あれ?お前ら、どうして…」
ミーナ「どうしたの?」
ジャン「うおっ!?ミーナまでいる!」
ミーナ「えー!何それどういうこと!?」ガーン
オルオ「兵長、お疲れ様でした!」
ペトラ「タオルどうぞ」スッ
リヴァイ「あぁ…」フキフキ
エレン「……!ペトラさん!!」
ペトラ「大丈夫、エレン?」
オルオ「俺も居るんだが!?居るんだが!?」
ペトラ「海ではしゃいで、波に飲まれてさ…兵長に助けていただいたのよ?」
エレン「そうなんですか、兵長!ありがとうございました!!」
エレン「……って、海!?」
ミカサ「エレン?記憶が混乱しているの?」
ミカサ「今はリヴァイ班と強制合宿中」
ライナー「強化合宿だからな」
コニー「お前とジャンが海の中で喧嘩はじめてさ、アルミンが止めに行ったんだけど飲まれちまったんだ」
サシャ「リヴァイ兵長が居てくれたのでなんとかなりましたが、気を付けてくださいよ?」
エレン「わ、悪い…」
ジャン「悪かったな……アルミン、お前も…」
アルミン「う、うん…」
リヴァイ「礼は良いからさっさと着替えろ、風邪でも引かれた方が迷惑だ」
エレン「は、はい!」ガバッ
エレン「……いっ!?」ズキッ
ミカサ「エレン!?どうしたの?」
エレン「足が…」
ミカサ「……どうして裸足なのに…靴擦れしてるの?」
コニー「エレン!お前靴擦れしてんのに海の中行ったのか!?」
サシャ「うわぁ…想像もしたくありません…」
エレン「いや、えっと…」
ヒストリア「と、とりあえず、着替えさせてあげようよ!本当に風邪引いちゃう!」
ヒストリア「……ごめんねエレン、私の肩でよかったら貸すよ!」
ユミル「お前の身長じゃ合わないから止めろって……ジャン、肩貸してやれよ、お互い濡れてるし丁度良いだろ」
ジャン「はぁ?俺!?」
ユミル「いいだろ?仲良くやってたんだから…」ニヤニヤ
ジャン「おまっ…ひょっとして…」
ヒストリア「はいはい、その話は終わりなの!」
ジャン「……チッ、しょうがねぇな…ほら」スッ
エレン「やだ」
ジャン「この野郎…!?」
ライナー「おいおいまた始めんのか?」
アルミン「エレン、喧嘩は駄目だよ?」
エレン「分かったよ…」
コニー「ジャンもだぞ?」
ジャン「俺は普通に手貸そうとしてたろうが!」
コニー「あ、お前に借りてたこれ、返しとくぞ」ポイッ
ジャン「あ?……水鉄砲…?」パシッ
サシャ「ジャンのものではないんですか?」
ジャン「いや……あんまよく覚えてねぇ……」
サシャ「……変なジャンですねぇ…?」
ミカサ「そろそろ話は止めて着替えないと」
ライナー「そうだな、立てるかアルミン?」スッ
アルミン「うん、ありがとうライナー」スタッ
ジャン「ほれ」スッ
エレン「しょうがねぇな…」パシッ
ジャン「お前は何様だっつーの!」グイッ
エレン「……なぁ、お前は怪我ねぇのか?」ボソボソ
ジャン「……やっぱ覚えてんのか、ねぇみたいだが…」ボソボソ
エレン「なんで俺だけ…」シュン
サシャ「……あれ?エレンって妹なんかいませんよね?」
エレン「はぁ?いねぇよそんなもん…」
サシャ「うーん……なーんか似たような二人を見たことがあるような…」
コニー「何言ってんだサシャ?」
ジャン「き、気のせいだろ!ほら行くぞエレン!!」
エレン「あ、ちょっとまっ…早いって!」ズルズル
ミカサ「仲良くなってる…」
コニー「よく分かんねぇよな、あいつら…」
サシャ「うーん…」
ベルトルト「コニー、着替えの手伝いに行こう?」
コニー「おう、分かった!」
エレン「いっ!……ててて…」バタバタ
ミカサ「動いては駄目、包帯が巻けない」スルスル
エレン「んなこと言われても……うあっ!」ギュッ
ミカサ「できた」
ベルトルト「アルミン、お茶どうぞ」スッ
アルミン「ありがとうベルトルト!」
サシャ「水分もっていかれますからね」
アルミン「へぇ…そっか、そういえばしょっぱかったなぁ」
サシャ「えっ?アルミンが私に教えてくれたじゃないですか!」
アルミン「あ、えっと…そうだったかなー」
サシャ「アルミンも変です…」
ヒストリア「まぁまぁ、疲れてるんだよ」
ベルトルト「ジャンもどうぞ」スッ
ジャン「おっ、ありがとな」
コニー「なぁ、誰か火着けられるやつ持ってねぇか?」
アニ「持ってないよ」
ユミル「ねぇな」
ミーナ「皆も持ってる様子はないね」
ライナー「なら、エルドさん達に借りてくるか…少し待ってろ」
ジャン「………………」
ジャン(メラ…!なんつってな!)
ボゥ
ジャン「えっ?」
ヒュー ドーン メラメラメラ
ジャン「」
コニー「うわぁ!?」ビクッ
ヒストリア「きゃっ!?」ビクッ
ライナー「うおっ!?」ビクッ
アルミン「わぁっ!?」ビクッ
ミカサ「くせ者!?」ジャキ
エレン「………………」
サシャ「ジャ、ジャンの水鉄砲から火の球が!」
コニー「なんで水鉄砲から火なんだよ!水じゃねぇのか!?」
ユミル「おいテメェ、ヒストリアが怪我したらどうしてくれんだ!」
ジャン「ま、まてまて!今のは…そう!新しい手品の練習してて…なっ!?マ…」バシッ
ジャン(マ…?)
エレン「お、おい!ジャン!それ…」
ジャン「あ?」
リヴァイ「ほう…」
リヴァイ「ガキ供がうるせぇと思ったら……手品か……」
ジャン「」
リヴァイ「で、この手はなんだ…?」
ジャン「う、上から…大変……失礼しました……」
リヴァイ「…………」ドカッ
ジャン「ぐはっ!!」ドサッ
リヴァイ「少しはマシな嘘をつけ…」スタスタ
リヴァイ「それと、これはテメェが持っていろ」バサッ
アルミン「……!あの本は!!」
ライナー「それよりジャンを運ぶぞ!道開けてくれ!」
ヒストリア「ごめんね、ジャン…」
サシャ「どうしてヒストリアが謝っているんです?」
ユミル「気にすんな」
ライナー「ジャン、災難だったな」ポンッ
ジャン「あぁ、まったくだ…」ジトー
エレン「わ、悪かったって…」
ミカサ「どうしてエレンが謝るの?」
ユミル「気にすんな」
コニー「お前そればっかだな」
ユミル「うるせぇ馬鹿」ベシッ
コニー「いでっ!何すんだよユミル!」
ヒストリア「こらっ!ユミル!めっ!!」
ライナー(結婚しよ)
ユミル「はいはい分かったって、悪かったな」
サシャ「あっ!見てください!あっちに大きな虹がありますよ!!」
ミーナ「わぁ、凄い!ねぇアニ、もっと近くへ見に行こうよ!」
アニ「近付いたって意味ないよ…それに、こんな服だし……」
ミカサ「うさぎ?どうしてそんな服を…」
アニ「よく分からない…」
ライナー「ベルトルト、お前運んでやれよ」
ベルトルト「えっ?」ビクッ
ミーナ「お願いベルトルト!」
アニ「ちょっと、私は…」
ライナー「ほら、置いていくぞ」
ミーナ「早くー!」
ベルトルト「アニ…」
アニ「落とすんじゃないよ」
サシャ「コニー!私達も行きましょうよ!」
コニー「よっしゃ!向こうのでかい木まで競争すっぞ!」
サシャ「負けませんよ!」
コニー「負けた方が後で相手の言うこときく、でどうだ?」
サシャ「ふっふっふっ…コニーのご飯はいただきです!」
コニー「絶対負けねぇかんな!いくぞ!!」
ユミル「馬鹿はいいな、元気で…」
ヒストリア「私達も行こうよユミル!」ワクワク
ユミル「………………」
ヒストリア「ユミル?」
ユミル「よっしゃ、行くぞヒストリア!」ガバッ
ヒストリア「ユ、ユミル!降ろしてよぉ!」バタバタ
ミカサ「エレン、アルミン、私達も行こう」
アルミン「でも、エレンが…」
エレン「いいよ、お前らで行ってこいって」
ミカサ「私がおぶっていく、姫抱きでも構わない」ワキワキ
エレン「え、いやいいって…」
ミカサ「遠慮はいらない、さぁ…」ゴゴゴ
エレン「いやミカサ怖いって…」
アルミン「……ジャンも誘おうか…」
ジャン(なんで、メラが使えたんだ…俺は……)
ジャン(ありえないだろ…今回死に急ぎ野郎は関係ねぇはずだ…)
ジャン(他も、できるのか…?)
ジャン(ちょっと試してみるか…)
アルミン「……え、えっと…ジャンはどうするの…?」
ジャン「………………」
アルミン「……ジャン?」
ジャン「ニフラム!」
アルミン「えっ?」ズズッ
アルミン「うわああああああああああ!?」ズザー
キャー!! アルミン!? アルミンガトンデキダゾ!! ギャーギャー
ミカサ「アルミン!?」
ミカサ「ど、どうして…!?」
ジャン「できた……」
ジャン「じゃねぇ!アルミン!!」ガタッ
ミカサ「エレン!乗って!早くアルミンを…!」
エレン「待てよ大丈夫だミカサ…おい、ジャン」
ジャン「な、なんだよ…?」ビクッ
エレン「お前人の本勝手に読んだんだから、お前がおぶってくれよ」
ジャン「はぁ!?あれお前のか!?」
エレン「あぁ、俺の本もアルミンの所に置かせてもらってんだよ」
ミカサ「……どういうこと?」
エレン「ちょっとな」
ジャン「……なぁ、後一個だけ試したいんだが…」
エレン「お前…危ないやつじゃないよな、それ…」
ジャン「攻撃のじゃねぇし大丈夫だろ」
エレン「念のため離れてやってくれよ」
ジャン「おう」
ミカサ「ジャンは何を…?」
エレン「まぁ見てろって」
ジャン(何が出るかな♪)ワクワク
ジャン(……やめよ…)ズーン
ジャン「おい、いくぞー」
エレン「おう」
ジャン「ザオリク!」
ポンッ
マルコ「……えっ?」
ジャン「」
エレン「」
ミカサ「」
ジャン「おまっ……マルコ、か……?」ザッ
マルコ「えっ?そ……あれ?」ズズッ
マルコ「うわああああああああああ!?」ズザー
ジャン「俺は……って、マルコォォォ!?」
ウワッ!? コンドハマルコダ!! アレッ?マルコ!!? マルコガッ!?
ジャン「やっべ、追いかけねぇと!」
エレン「おい馬鹿近付くなって!」
ジャン「なんでだよ!」
エレン「ニフラムの効果忘れたのか?アルミンとマルコが駄目なら皆飛んでくぞ!?」
エレン「……というかアルミン達敵だと思ってたんだな…」ジトー
ジャン「誤解だ!」
ジャン「くそっ…これどうすりゃいいんだ!?」
エレン「ほい」パー
ジャン「なんだよその手は…」
エレン「早く」
ジャン「肩だけで良いだろ片足なんだから…」
エレン「勝手に本読んだんだから良いだろ?」
ジャン「それ以上のことを俺はしているはずなんだが?」
エレン「ニフラムどうする気だよ」
ジャン「だぁもう仕方ねぇな!ほら!」スッ
エレン「よっしゃ!馬ゲット!」
ミカサ「エレン…私がやってあげるのに…」
エレン「いや、女にやってもらうの嫌だし……ジャンの背中って乗り心地いいんだぜ?」ペチペチ
ジャン「痛っ!お前蹴られたとこ触んな!」
ミカサ「……やっぱり仲良くなってる…」
ジャン「で、どうすりゃいいんだよ?」
エレン「しばらくここら辺動き回ってろ」
ジャン「………………」
エレン「なんだよ?」
ジャン「お前を今乗せた意味ってあるのか?」
エレン「………………」
ジャン「落とすぞ」
エレン「良いだろ別に!!」
リヴァイ「おい、エレン」
エレン「は、はい!」
リヴァイ「そのままでいい……他の奴等に伝えておけ、遠くまで行ったら…分かってるな?」
エレン「わ、分かりました!」
リヴァイ「テメェは睨むな…」
ミカサ「………………」ギロッ
リヴァイ「おい、シュタイン」
ジャン「キ、キルシュタインです!」ビクッ
リヴァイ「掃除の件、忘れてないだろうな?」
ジャン「は、はい!」
ジャン「……覚えてるのか…」ボソッ
リヴァイ「もう一回蹴られてぇようだな…」
ジャン「い、いえ!なんでもありません!」
リヴァイ「……まぁいい…」
リヴァイ「合宿が終わったら本部の大掃除だ、他の奴等にも伝えろ」
リヴァイ「テメェには人一倍働いてもらう」
リヴァイ「覚悟しておけ…」スタスタ
ジャン「はい…」
ジャン「まじかよ……」
エレン「お前何したんだ?」
ジャン「ほっとけ…」
ミカサ「ジャン、それよりアルミンが心配…」
ジャン「そうだな、マルコのとこにも行かねぇと…歩き回ればいいんだな?」
エレン「おう!」
ミカサ「そんなに楽しいの?」
エレン「それなりに」
ミカサ「………………」ジー
ジャン「ミ、ミカサが乗りたいなら後ででも…」
ミカサ「いえ、いい」
ジャン「」
エレン「ジャン、早くしろよー」
ジャン「うるせぇ!テメェは黙ってろ!!うわあああああ!」ダッ
エレン「わっ!?早い!落ちるって!!」
ミカサ「……少し、勿体ないことをしたかもしれない…」ボソッ
ミカサ『エレン、起きて…?』
エレン(またミカサの声がする…)
ミカサ『エレン…そろそろ起きなくては…』
エレン(もう少し…)
ミカサ「エレン!」グイッ
エレン「のわっ!?」ゴロン
エレン「いてててて…」
ミカサ「エレン、掃除に遅れる」
エレン「もっとマシな起こし方にしてくれ…」
ミカサ「何度呼んでも起きなかったので」
エレン「あー、寝たりねぇ…」ググッ
ミカサ「あれだけ寝たのに?」
エレン「……帰りの馬車に乗ってからの記憶がない…」
ミカサ「エレンははしゃぎ過ぎ」
ミカサ「馬車から降りた後、ジャンが家まで運んできてくれた」
エレン「あいつが!?」
ミカサ「女に背負わせるわけにはいかない、いくらエレンが居るとはいえ、一人で歩かせるのもいけない、と…」
ミカサ「途中までアルミンも一緒だというのに…」
ミカサ「彼は意外と紳士のようだ」
エレン「……なぁ、ミカサ…アルミンって俺達と一緒に住んでないのか?」
ミカサ「何を言っているの?ここはエレンの家、私の家は向こうの方…」スッ
エレン「はぁ!?お前も別の家なのか!?」
ミカサ「今は両親が仕事で遠出しているので、エレンの家に泊まらせてもらっている」
エレン「……生きてるのか…」ボソッ
ミカサ「エレン?」
エレン「なぁ、ミカサ…お前って俺とどうやって知り合ったんだっけ?」
ミカサ「……エレン、忘れてしまうなんて…」
エレン「い、いや!確認したくてさ!!」
ミカサ「私とエレンは…………あれ?」
エレン「どうしたんだよ?」
ミカサ「思い出せない……マフラーを貰ったことは覚えているけれど……」
エレン「お前も覚えてないのかよ」
ミカサ「ごめんなさい……というか、エレン…やっぱり覚えてなかったの?」
エレン「うっ…」
エレン「あっ、そうだミカサ!一回マフラー貸せよ!」
ミカサ「……?……すぐに返してほしい…」スルスル
エレン「返すために借りるんだよ」
ミカサ「どういう……!?」
エレン「……よし、これでどうだ!」マキマキ
ミカサ「………………」
エレン「ミカサ…?」
ミカサ「……エレン!!」ギュウウウウウウ
エレン「ああああああああああ!」バキバキ
カルラ「こら!いつまで寝てるのエレン!」バンッ
エレン「た、たすけっ…」
カルラ「まったく…いつもごめんなさいね、ミカサ…」
ミカサ「エレンのことなら喜んで」パッ
エレン「死ぬかと思った……」
カルラ「何をごちゃごちゃ言ってるの!早くしないとご飯が冷めちゃうでしょう!?」
エレン「…………母さん?」
カルラ「…どうしたの、エレン?」
エレン「母さんだ!母さん!!」ギュッ
カルラ「エレン!?……15にもなってこの子は…」
エレン「……母さん…」ギュウ
ミカサ「……私も混ざる」ギュッ
カルラ「もう、ミカサまで…」クスッ
カルラ「ほらほら、アルミンが迎えに来るわよ!さっさと準備しなさい!」
ミカサ「そうだ!時間!!エレン早く!」ガバッ
ミカサ「服はこれ!荷物はこっち!」テキパキ
エレン「わ、分かったって!」バタバタ
ミカサ「歯磨きはした?まだ寝癖がついてる」ワッシャワッシャ
エレン「や、やめろってミカサ…」
エレン「………………」
エレン「いや、ありがとな…」
ミカサ「」
エレン「ミカサ?」
ミカサ「おばさん、エレンが壊れた…」
エレン「壊れてねぇよ!」
コンコンコン
アルミン「おはよう!エレン!ミカサ!」
ミカサ「アルミンが来た」
カルラ「ごめんなさいね、アルミン……今出るから」ガチャ
アルミン「あっ……い、いえ!」ニコッ
ミカサ「エレン、忘れ物はない?」
エレン「荷物はお前が用意したんだろうが」
ミカサ「そうだった」
アルミン「あははっ、何してるのさ」
アルミン「あ、そうそう、知らない本が僕の部屋に置いてあったんだけど、心当たりはない?」
エレン「……呪文のやつか?」
アルミン「いや、自然のやつ」
エレン「じゃあ知らねぇ」
アルミン「そっか…まぁ後ででいっか…」
ミカサ「それより、早く行かないと」
アルミン「そうだね」
カルラ「気を付けてね」
エレン「おう!」
『行ってきます!』
おしまい
ぴったり600で終われたけれど…
おまけもあるよ!
コニー「はぁ、やっと終わったぜー」
サシャ「お腹すきました…」
ユミル「掃除くらい簡単だろ?」
ヒストリア「ユミルの手際、凄い良かったね!」
ユミル「まぁな」
ライナー「ヒ、ヒストリア…これから……その……食事でも…」
ユミル「悪いな、ヒストリアはこれから私とデートだ」ギュッ
ヒストリア「きゃっ!?ユミルゥ…」ジトー
ユミル「じゃ、そう言うことで!」スタスタ
ライナー「………………」
ベルトルト「ライナー…」ポンッ
ライナー「よせ、余計に悲しくなる…」
アニ「食事なら、招待してやっても…良いけど?」
ベルトルト「アニ!?」
アニ「ベルトルトには借りがあるからね、ついでだし、ライナーもくればいいんじゃないの?」
ミーナ「アニは始めからライナーの分まで用意してたけどね」
アニ「……!余計なこと言うんじゃないよ!」
ライナー「アニ……良いのか…?」
アニ「好きにしな」プイッ スタスタ
ミーナ「ほーら何突っ立ってんの、早くいこーよー!」
ベルトルト「行こう!ライナー!」キラキラ
ライナー「嬉しそうだなベルトルト…」
ライナー「……よし、ここで断ったら男じゃねぇだろ!行くぞ!」
アニ「ちょっと、むさ苦しいのは御免だよ…」
ライナー「あっ、すまん…」
コニー「俺達はどうすっかなー」
サシャ「コニー!この前の勝負負けたんですから奢ってくださいよ!」
コニー「あれはアルミンが飛んできたんだから無しだろ!」
サシャ「じゃあここから競争しましょうよ!」
コニー「よし、負けた方が奢りだな!」
ミカサ「エレン、アルミン…私達も帰ろう」
アルミン「そうだね、ヘトヘトだよ……」
エレン「そうだな…」
アルミン「ジャンは残りだってさ、大丈夫かな?」
エレン「あぁ、前になんかやらかしたみたいで居残りだってな」
ミカサ「そういえば何をしたのか聞いていなかった」
アルミン「きっと可哀想なことだから聞かないでおいてあげよう…」
ミカサ「アルミンがそう言うのなら止めておこう」
アルミン「うん、それじゃあ帰ろっか」
エレン「…………お前ら二人で帰ってくれ」
ミカサ「エレン?」
エレン「借りは返さねぇとな…」ボソッ
エレン「ちょっと行ってくる!」ダッ
ミカサ「……!エレン!?」
アルミン「ミカサ、行かせてあげようよ」
ミカサ「でも…」
アルミン「エレンだって他の友達と交流を深めなきゃ…そうでしょう?」
ミカサ「分かった…」
アルミン「大丈夫だよ、リヴァイ兵長もいるし、喧嘩なんてできない」
ミカサ「……アルミン…!」
アルミン「……うん、分かった…!」
ジャン「あぁ……終わんねぇ……」ゴシゴシ
ジャン「こんなに広い部屋だぞ……」ゴシゴシ
ジャン「普通に考えれば簡単にわかる…一人じゃ終わらねぇってことくらい……」
ジャン「大体細か過ぎるんだよ…」ゴシゴシ
ジャン「普通の部屋でさえあれだけ時間が掛かるってのに…」ゴシゴシ
ジャン「はぁ…」ガクッ
ジャン「あぁ、せめてミカサの笑顔を見てからならなぁ…」ゴシゴシ
マルコ「ジャン!」バンッ
ジャン「マルコ!?お前、帰ったんじゃなかったのか!?」
マルコ「君を一人残して帰れる訳ないじゃないか」
ジャン「マルコ……お前って奴は……」
ドタドタドタドタ
エレン「俺もいるぜ!」バンッ
ジャン「エレン!?おまっ…」
ミカサ「エレンだけに、仕事はさせない!」シュタッ
ジャン・エレン「ミカサ!?」
アルミン「ミ、ミカサ…はぁ……だけじゃ……はぁ……げほっ……ないよ……!」ゼーハー
ジャン「おい大丈夫かこいつ…」
エレン「お前ら…帰ってろって言ったのに…」
ミカサ「マルコ、皆でやれば早く終わる…」
ミカサ「違わない?」
マルコ「あぁ、その通りだ!」
ミカサ「それなら、さっさと終わらせるだけ…」
ジャン「良いのか…?」
エレン「借りは返すぜ!」ビシッ
エレン「……あ、でもちょっと待って本気で走ったから足痛い…」
ジャン「いまいち締まらねぇ奴だな…」
ミカサ「エレンの借りは私の借り、任せて」キリッ
ジャン「おぉ、頼もしい…!」
アルミン「僕、だって……!はぁ……ちょっと、待ってね……」ゼーハー
ジャン「お前は休んでろ」
ガチャ
リヴァイ「なんだ?ガキが増えてるな…」
ジャン「兵長…!これは…!」
マルコ「ジャンの手伝いの為!戻って参りました!」バッ
エレン「俺もやります!」バッ
ミカサ「………………」ギロッ
アルミン「ぼ、僕も…です!」バッ
リヴァイ「ほう……悪くない……」
リヴァイ「やるなら徹底的にやれ」
『はい!』
マルコ「ジャン!いくよ!!」
ジャン「おう!マルコォォォ!!」
本当におしまい
完結作品を乗っ取りしているので、ずっとsageでやってきましたが……意外と読んでくださる方が…!
お付き合いいただきありがとうございました!
質問などありましたら受け付けます
もう乗っ取りなんて二度としねぇ!
>>610
happy endだ~!!
乗っ取りからよくぞここまで!
また何か頼む!
毎日すごく楽しかったぜ!
終わるのが寂しくてたまらないけど爽やかなラストに最後までワクワク感を残してくれた
本当よかったよ
乙でした!!
このSSまとめへのコメント
満足感。