マジこれはツライ、職場のバイト連中とのカラオケで酒も入ってちょっと気に入っていたバイト女ちゃんを、デュエットに
誘ったんだが「ゴメンなさい恥ずかしいので」とやんわり断られた。ココまではいい想定内だ、俺だって無理に付き合わせるほど
野暮じゃない、しかしその10分後くらいに遅れてきたイケメン後輩がバイト女ちゃんに話しかけると、すぐにデュエットが成立し
二人楽しげな歌声を披露した
男(うっわー、俺ミジメーでもまあシャーないか)ゴクゴク
その直後のことだ、席に戻ったバイト女ちゃんの周りのバイト女子等がなにやら彼女に耳うちしている。俺をチラッと見つつ、俺は
いやーな予感がしたんだ、すると耳うちをされたバイト女ちゃんが席を立ってこちらに歩いてくるではないか
男(オイオイまさかウソだろ、冗談じゃないぞ、)
で、最初のセリフだ。
バイト女「男さんデュエットしましょうよ」
男「え?」(死亡フラグキター)
バイト女「あの、さっきは緊張してて、でももう平気ですから」
男「いや、そんな無理なくてもいいんだよ?」
ぃゃぁ
バイト女「いいえ、無理じゃないです、ぜひ男さんと歌いたくて」
男「でも俺さ、少し酔っぱらってきたから」
バイト女「大丈夫ですよ、みんなお酒入ってますから」グイグイ
男「そんな腕引っ張んなくてもまいったな」
イケメン後輩「先輩さすがー」
バイト男「男さんモテるっすねー」
バイト女2「男さーんステキー」
バイト女3「二人ともお似合いよー」
男(晒し者だな)ハア
バイト女「お願いします男さん」コマリガオ
男「わ、分かったから」(断れないよなあ)
俺はどうも女性から見ると「わかりやすいタイプ」らしい、だから少なくともバイト女子の大半に
は、俺がバイト女ちゃんを好きだということはバレバレだったようだ。
つまり俺の誘いを断った直後、まるで見せつけるかのようにイケメン後輩の誘いに乗った彼女の
行動が他の女子らの反感をかってしまい、慌てて俺のところに来たというわけだ。
男(要するに君は俺に助けてほしいだけなんだよな、バイト女ちゃん)
バイト女「さっ何にしますか」ニコニコニコ
男「あ、ああそうだな」(素晴らしい営業スマイルだな)
男「じゃ、かなり古いけどコレでもいい?」
バイト女「あ、はいわかります、お父さんと歌ってました」
男(『銀座の恋の物語』は俺等の職場じゃ笑いを取るデュエットソングとして定着してる)
俺はおどけて替え歌を混ぜつつ、バイト女ちゃんそっちのけでマイクを振り回し、後輩等の
合いの手にも応えまくって、しまいには頭からカクテルをひっ被って皆を爆笑させた。
そう、笑われてやった
彼女を焚きつけたバイト女子らに悪意はないだろう、基本いい子たちだからただ単に俺が
可哀想に見えて「無神経だよバイト女ちゃん、お詫びに男さんに付き合ってあげて」
くらいのことを彼女に言ったのかもしれない。
彼女も周りからのプレッシャーと、申し訳ないという気持ちからなのか歌い終わってからも
まるで専属コンパニオンのように俺の横にいて、濡れてシャツの張り付いた俺の顔や頭を
拭いている。
正直惨めだと思った。
男(これじゃ皆の哀れみとお情けで、無理やりバイト女ちゃんをつき合わせているようなもんだよな)
男「バイト女ちゃんほんと無理しないで、イケメンのとなり空いてるからさ」ヒソヒソ
バイト女「いえ、あのお願いですからとなりにいさせてください」ヒソヒソ
男(俺は防波堤かよ)ハア
期待
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