マミ「中3にもなって恋愛経験なしなんてヤバいわよね…」(278)

 

マミ「どうしようどうしようどうしよう…」

QB「なにをどうしようなんだい?マミ」

マミ「キュゥべえ~…うう、彼氏ほじいよぉぉ~」ぐすぐす

QB「友達さえいないのにいきなり彼氏はハードルが高すぎるよ」

マミ「ひ、ひどいわキュゥべえ…」

QB「ホントのことだろ?だいたい学校が終わるとすぐ家に帰ってきて人付き合いなんてほとんどないじゃないか」

マミ「うう…」

QB「他人と恋愛感情を交えた信頼関係を築くなんてまだマミには早すぎるね。きっと無理さ」

マミ「キュゥべえ~…」ぐすぐす

進んでる後輩に相談する感じでお願いします!

QB「だいたいマミは学校ではどうやって過ごしてるんだい?休み時間は誰かとおしゃべりしてる?もしかして机に突っ伏して時が過ぎるのを待っているんじゃないのかい?」

マミ「うっ…!」ずきっ

QB「お昼ご飯は?教室に居場所がないから屋上とか校舎の裏でこそこそ食べてるとか?」

マミ「ううっ…!」ずきっ

QB「もしかして体育の授業でペアを作るときマミ一人あぶれて先生と組まされてるんじゃないのかい?」

マミ「う、うう…」うるうる

QB「はぁ…まったく…君は実にバカだなぁ。まともな人付き合いすらできないのにいきなり彼氏がほしいだなんて」

マミ「う…う…」うるうる

QB「まずは女友達の1人でも作ってごらんよ?まぁ、マミにはそれすら難しいかもしれないけどね」

マミ「ううっ…」うるうる

QB「それじゃ僕はちょっと出かけてくるよ。くだらない幻想はさっさと捨てることだね。それじゃ」ピョンッ

マミ「…う、うわぁぁぁん!」ぽろぽろ

――ファーストフード店

まどか「それでねー!…」

さやか「へぇー!…」

仁美「素敵ですわー!…」

わいわい! きゃっきゃ!

「君たちが、鹿目まどか、美樹さやか、志筑仁美だね…?」

さやか「!?…だ、誰!?」

ちょこん

QB「くっくっく…僕の名前はキュゥべえ…実は君たちにたのみがあるんだ…!」ごごごご…

まどか「ひ、ひいっ!」

仁美「な、なんですの一体!?」

――次の日の学校、屋上

マミ(はぁ…今日も一人でお弁当…)もぐもぐ

マミ(さみしい…)もぐもぐ

マミ(……たまごやきおいし…上手に作れてよかった)もぐもぐ

すっ

さやか「あのーすみません?」

マミ「…うっ!?」びくっ

仁美「あの…わたくしたちもここにお弁当食べに来たのですが…」

まどか「一人ですか…?あの、もしよかったら一緒に食べませんか?」にこっ

マミ「え?…えっと…あ、はい…」

もぐもぐ わいわい

さやか「へぇー!ケーキ作れるんですかマミさん!」

マミ「うん!紅茶が好きだからそれに合うお菓子も自分で作れればいいなって思って…」

仁美「手作りケーキだなんて素敵ですわね!」

まどか「いいなぁ!マミさんの作ったケーキ食べてみたいなぁ!」

マミ「ふふふ!よかったら今度食べにこない?ごちそうするわ!」

さやか「やったー!行く行く行きたい!マミさんケーキ食べたい!」

わいわい! きゃっきゃ!

―――
――

さやか「あ、そろそろ教室に戻らなきゃ!」

仁美「そろそろ行きますか…それでは巴さん、また!」

まどか「またね!マミさん!」

マミ「うん、またね!」

タッタッタ…

マミ「…行っちゃった」

マミ(いい子たちだったなぁ!…楽しかった)

マミ(…連絡先の交換までしちゃったし…今度遊びに来てくれるって言ってたし…)ドキドキ

マミ(こ、これはもうお友達になったってことでいいのよね…!?)

マミ(うん!そうよ!きっとそう!…やった!やった!やった…!)パアァ!

マミ「やったぁーーー!!」バンザーイ

―――
――

さやか「これでいいのキュゥべえ…?」

QB「うん、ありがとう君たち。今ごろマミは喜んでいるよ…ねぇ、マミのことどう思った…?」

まどか「うん!すごく優しくて素敵な人だった!」

さやか「そうだね。いい人だったし楽しかったね!」

仁美「はい!それにしてもあんな素敵な方が今まで友達がいなかったなんて信じられませんわ…」

恋はどうしたインキュベータ

QB「うん…マミは本当は明るい性格の子なんだ」

QB「だけど事故で両親を亡くしたショックでふさぎ込んでいた時期があってね…それ以来人と打ち解けることが苦手になってしまった」

仁美「そうなんですの…」

QB「ねぇ君たち、本当にマミと友達になってくれるかな…?」

まどか「もちろん!」

さやか「当たり前じゃん!あんな素敵な人をひとりぼっちになんてさせないわ!」

仁美「はい!」

QB「…君たちにたのんで正解だった…ありがとう!マミをよろしくたのむよ…!」

まどか「うん!」

――マミさん家

QB「ただいまー」

マミ「キュゥべえ!できた!できたよ!お友達!」

QB「お、本当かい?やるじゃないかマミ!よかったね!」

マミ「うん!ありがとう!お祝いに今日はステーキ焼くわよ!」

QB「お、いいねぇ!」

QB(…さて、マミに友達ができたのは喜ばしいけど、問題は彼氏だな)

QB(彼氏ねぇ…はぁ…)

QB(マミには幸せになってほしいけど、なんだか複雑だなぁ…マミが見知らぬ男と引っ付くなんて…)

マミ「キュゥべえ、はい、ステーキよ!おまたせ!」ごとっ

ジュージュー

QB(…まあいいや。とりあえず肉食おう、肉)

QB「いただきます!」

マミ「…あ、そうだった。ねえキュゥべえ」

QB「んぐ…はふ…なんだいマミ?」がつがつ

マミ「明日、鹿目さんたちと一緒にカフェに寄って来るから帰るのが遅くなるわ」

QB「ごぐ、うぐ…うん、わかったよ…肉うまー」がつがつ

マミ「お留守番よろしくね!」

―――
――

――次の日の放課後、カフェ

わいわい! きゃっきゃ!

まどか「……それでね、マミさん。仁美ちゃんったらモテモテで今月になって2通目のラブレターもらったんだよ!」

マミ「え!?ええっ!?ラ、ラブレター!?」ドキドキ

仁美「まったく、まいってしまいますわ…どうやってお断りすればいいものやら…」

さやか「贅沢な悩みだなぁー!あ、マミさんもけっこう告白とかされてるんじゃないですか?」

まどか「あ、そうだね!マミさんモテそうだもん!」

マミ「わ、わわわわ私ッ!?」あわあわ

さやか「…ん?マミさん?」

マミ「え…えっとね…わ、私…正直に言うと…れ、恋愛経験……ないの…」ぼそぼそ

マミ(は、恥ずかしい…!)かぁぁ

さやか「ええーマミさん可愛いのに意外だなぁ!」

まどか「でも普通はそんなもんだよね。私も告白されたことなんてないし…恋愛うんぬんは高校入ってからが本番ってママが言ってたよ!」

マミ「…え?」

さやか「あー!たしかにそうかもね。そんな急ぐことないよね!それにマミさんは今年受験だし…まぁあたしはちょっと急ぎたい気持ちもあるけど…」

まどか「あ、上条くん?てぃひひ!」

さやか「ああ、もうやめろまどかぁー!」

マミ「…」

さやか「あとさぁー…」

マミ「?」

さやか「なんかクラスの男子見てて思うんだけど…あの時期の男子って女子に比べて段違いにバカで下品だよね…」

仁美「あ…たしかにそうですわね…」

まどか「うん…そういえばこの前、うちのクラスで誰が持ってきたのか知らないけどエッチな本が大量に棚に置いてあったよね?」

さやか「ああ、あったね…男子たち、ニヤニヤしながら1日中読みまわしてたね…凄絶に気持ち悪い光景だった…」

仁美「品性を疑いますわ…」

まどか「あとね、ほむらちゃんに聞いたんだけど…」

マミ「…?」

まどか「クラスメイトの中沢くんがね、河原でHな本を拾った後、ニヤニヤしながら全速力で自転車を漕いで帰って行ったらしいの…」

さやか「うわぁ…中沢ァ…なにがおまえをそこまで駆り立てるんだ…」

まどか「性欲のモンスターだね…」

仁美「ひどいですわね…」

まどか「ほかにもいきなり眼帯やら包帯巻いて登校してきたり、謎の呪文をノートに書いてたり…」

仁美「わけがわかりませんわ…」

さやか「…うん、やっぱりあの時期の男子はダメだね…マミさんも気をほうがいいですよ?あいつらほんとバカだから」

マミ「う、うん…」

まどか「うーん、そろそろ出ようか?」

仁美「そうですわね」

さやか「あ、あのさ…このあと恭介のお見舞いに寄って行こうと思うんだけど…みんなも来る?」

仁美「行きますっ!」しゅびっ

まどか「あ、それじゃ私も行く!」

さやか「マミさんは?」

マミ「うん、それじゃ私も…」

さやか「よかった!恭介喜ぶよ、きっと!」

―――
――

――病院、上条恭介の病室

恭介「はぁ…退屈だなぁ…」

恭介「外に出たいなー…こんな狭い場所でじっとしていなくちゃいけないなんて…」

恭介「それに……」むらむら

恭介「僕のティロティロがドビュッシー寸前だ…」むらむら

恭介「なにかネタは無いのか…!なにか…!」きょろきょろ

がらっ

さやか「恭介ーお見舞いにきたよー」

恭介「うおっと!?」びくっ

恭介「…あ、さやか。…いつもありがとう。学校はどうだい?勉強はちゃんとしてる?」

さやか「う、うん!大丈夫よ!」あせあせ

さやか「あ!あのね、恭介。今日は友達もついてきてくれたんだけど…入ってもらってもいいかな?」

恭介「うん、かまわないよ」

さやか「ありがとう!…あ、みんな~入って!」

がらっ

まどか「久しぶり、上条くん」

仁美「お久しぶりです」

マミ「あ、あの…初めまして…3年の巴マミです…」

恭介「…!」ドッキリーン

恭介(おいおいおいおい!なんだこの女の子!)

恭介(すごいおっぱいだ…!これで中学3年生!?なんて世の中だ…!)

恭介(ああやばい!触りたい!あのおっぱいに触りたい!)

恭介(うおおおおおお!)むらむら

さやか「恭介、大丈夫?なんだか具合が悪そうだよ?」

恭介「あ!?え、えっと…い、いや大丈夫さ。ちょっとのどが渇いたかな、って…」

さやか「あ、じゃあ水を…」

恭介「自分でできるから大丈夫だよ!」すたっ

恭介「えっとコップは…」とこ…とこ…

ふらっ がくっ

恭介「うわっ!」がばっ

マミ「きゃっ!」

ぷにゅっ

さやか「あ」

まどか「あ」

仁美「あ」

まどか「上条くんの手が…」ごくり

仁美「巴さんの胸に…」ごくり

恭介「うわわわわ!?ごめんなさい巴さん!!足がふらついちゃって!」

マミ「え、えっと大丈夫です。それよりけがはないですか…?」

恭介「だ、大丈夫です…すみません」

さやか「ちょっと恭介ー!」

恭介「事故だよ!ホントだよ!」

マミ「美樹さん、気にしてないわ、私。上条さんも事故だって言ってるし…」

さやか「まったくもう…」

―――
――

――数十分後

さやか「それじゃそろそろ行くね、恭介」

恭介「うん…」

仁美「また来ますわ上条くん」

まどか「またね」

マミ「上条さんお大事に」

恭介「あ、ありがとうございます!」

がらっ ばたんっ

恭介「……行ったか」

恭介「…」

恭介「……オラオラオラオラオラオラオラァ!!」

恭介「……!」

恭介「ふう…」

恭介「ふふふ…やっと僕のティロティロもうずきもおさまったぜ…」

恭介「それにしても、さやかのやつ、ホントいいタイミングでいいネタを持ってきてくれたなぁ」

恭介「マミさんのおっぱい…最高だったよ…!」

恭介「すべては計画通り…事故を装ってうまいことあのおっぱいを触ることができたぜ…!」

恭介「ははははははは!」

「なんだと…!」

恭介「!?…だ、誰だ!?」

しゅたっ

QB「事故を装ってマミの胸に触れただって…!?」

恭介「な、なんだ君は!?」

QB「僕はキュゥべえ…それより上条恭介…さっき言っていたことは本当かい…?」

恭介「…故意に巴さんのおっぱいを触ったことかい?」

QB「ああ…」

恭介「ふふふ…!ははははは!本当さ!近くにあんなデカパイがあったんだよ?男子なら触りたいと思うのが普通だろう!?」

QB「…!」

恭介「僕は長い入院生活でいらいらしているんだ!少しくらい良い思いさせてもらってもバチは当たらないはずさ!」

QB「…君はマミのことをどう思っている?」

恭介「いい体しているよね!ホントもう、毎日でも僕のティロティロのお世話をしてもらいたいくらいさっ!」

QB「…それだけかい?」

恭介「ああ!それだけさっ!彼女には性欲のはけ口になってほしいくらいとしか思わないね!ははははは!」

QB「!!…てめえっ!」

QB「許さない…!おまえだけは許さないぞ上条恭介ッ!!」

恭介「へぇ…許さないって…僕をどうするつもりだい?」

QB「殺す…」

恭介「ふぅん…やれるもんなら…やってみなッ!!!」どかあっ!!

QB「ぐふぅ!?」ぐらっ!

QB「なんだ、今のは…!?松葉づえが急に伸びて…?」

恭介「ははははは!教えてやるよ!僕の長い入院生活を送るうちにこの松葉づえを変幻自在に操る能力を手に入れたっ!!」

QB「な、なんだと…!?」

恭介「はははは!こんなこともできるぜ!」ばっ!

ぐぐぐぐ!

QB「松葉づえの先端が巨大なハンマーの形に…!まずいっ!」

恭介「死ねッ!!!」ばっ

どおおおおおんっ!

しゅううううう…
 
シーン…

恭介「………ちっ…逃がしたか」

恭介「だが、この僕から逃れられると思うなよ…キュゥべえさんよッ!」

―――
――

タッタッタッ 

QB(はぁはぁ!…まずいな…まさかヤツが能力者だったとは…!)

QB(だが、上条恭介はまともに歩くことができないはず!大丈夫、逃げ切れるはずだ!)

「待て待てキュゥべえさーん!」

QB「…な!?」くるっ タッタッタッ


恭介「逃がさないぞぉぉ~!」ぶいーーーんっ


QB「なにぃ!?松葉づえが上条恭介を…!」タッタッタッ


恭介「そうさ!『松葉づえで僕が歩く』のではなく『松葉づえが僕を運ぶ』というわけさ!」ぶおーーーん


QB「くっ!」ダッ! タッタッタッ

ピタッ!

QB「…はっ!しまった!行き止まりだ…!」

恭介「はははははっ!追いつめたぞキュゥべえさぁ~ん!!」

QB「くそっ!!」

恭介「残念だけどここで君は死ぬよ…それっ」ばっ

ぐぐぐぐぐ…

恭介「あら不思議!松葉づえが巨大な斧に変身しました!」しゃきーん

QB「く…!」

恭介「それじゃ…そろそろ…」

恭介「さよならだああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」ぶんっ!

QB「う、うわあああああっ!!!」

こんな性欲の塊がマミさんを狙ってるって

カチッ…

QB「…!」

恭介「」ぴたっ

QB「あ…れ…?上条恭介の動きが止まった…?」

ほむら「私から離れないでキュゥべえ…私から離れればあなたの時間も止まってしまう」にぎっ

QB「暁美ほむら…!?ど、どうしてここに!?」

ほむら「細かいことはあとにしましょう。ひとまず逃げるわよ。早くしないと時間が動き出してしまう」

QB「う、うん…!」

ほむら「行くわよっ!」ダッ

タッタッタッ…

カチッ…

ずしゃああああっ!

恭介「…!」

しーん…

恭介「なにぃ!?き、消えやがった!?ど、どういうことだ…!」

恭介「!?…さては…別の能力者がここに…?」

恭介「くくく…!いいねえいいねえ!久々に燃えてきたよ!」

恭介「ははははは!どこに逃げても無駄だ!必ず狩ってやるぞぉぉぉ!」

―――
――

QB「はぁはぁ…危なかった…ありがとうほむら…」

ほむら「気にしないで…」

QB「さっきも聞いたけど…どうしてここに?」

ほむら「ええ…病院の近くを通りかかったとき、中からすさまじい殺気を感じたの…それで確信したわ。中で能力者が戦っていると」

ほむら「案の定、病院全体に能力者の結界が張ってあった。入ることはできても結界の外に出ることは能力者を倒さないかぎり不可能」

ほむら「病院内の人間は私たちを除いてみんな殺気にやられて気を失っているわ」

ほむら「そして病院内を探索するうちにあなたがやられそうになっているところに遭遇した…こんなところね」

QB「…そうか」

ほむら「それにしても…なんなのあいつは…?」

QB「やつは上条恭介…松葉づえを操る能力者だ…」

ほむら「上条恭介…?美樹さやかの幼馴染の?」

QB「ああ…だが本性を現したやつは醜い性欲の魔獣だ…反吐が出る…」

ほむら「そう…なにがあったのか知らないけど私の時を止める力さえあればあんなやつ簡単に倒すことができるわ…まかせて」

QB「…ダメだ」

ほむら「え…!?」

QB「あいつだけは絶対に許さない…あいつだけは僕の手で倒すと決めたんだ…!」

ほむら「……そう…わかったわ。今回はあなたのサポートに全力を尽くす…感謝しなさい」

QB「ほむら、ありがとう!」

ほむら「で、なにか作戦はあるの?」

QB「うん…ほむらに病院内から集めてきてもらいたいものがあるんだけど…」

ほむら「なにかしら?」

QB「えっとね…」

ひそひそ ひそひそ

―――
――

恭介「どこだあああぁ!?どこにいやがるキュゥべえさんよぉ!?」ぶいーーーん

恭介「どこに逃げても無駄だぞぉ~?でてきやがれぇ!」ぶおーーーん

恭介「ん?」

しゅたっ

ほむら「…」


恭介「ん~?なんだい君はぁ?」

ほむら「答える必要はないわ…」

恭介「んん~?さては君がキュゥべえのやつを逃がした能力者だなぁ!」

ほむら「…」

恭介「いいねぇいいねぇ!君可愛い顔してるじゃないか!はははは!僕の女にならないかいぃ?」

ほむら「…おことわりよ!」くるっ ダッ!

タッタッタ…

恭介「冷たいなぁ~…でもそういうところが逆に…」

恭介「イイッ!!」ダッ ぶおーーーーんっ!

ほむら(速い…!!)タッタッタッ

恭介「ほらほら!捕まえちゃうぞぉぉぉ!!!」ぶいーーーーんっ

恭介「ふふふ…!そうだな…可愛い君にはこれをプレゼントだ!」ぶいーーーんっ!

ぐぐぐぐぐっ

ほむら(…!松葉づえに…銃口が!?)タッタッタッ

恭介「くらぇッ!!!!」ぶおん

ダダダダダダッ!

ほむら(銃撃…!まずいッ!!)タッタッタッ

カチッ…

カチッ…

ズドズドズドズドォッッ!!! しゅうううう…

恭介「な!?消えた!?」

ほむら「…こっちよ。変態さん」くるっ ダッ

タッタッタッ

恭介「妙な能力を使いやがるな…」

恭介「ふふふ!…はっはっは!面白くなってきたなぁ!」

恭介「必ず追いつめてその可愛い顔に傷をつけてやるよぉぉッ!」ぶおーーーんっ

―――
――

――屋上

ほむら「はぁはぁ…」

恭介「ふふふふ!追いつめられちゃったねぇ!もう逃げられないよ!」

ほむら「…く」

恭介「おとなしく僕の女になれば命だけは助けてあげるよぉ?」

ほむら「ふん、反吐が出るわ…」

恭介「そうかぁ…残念だ…それじゃあもう…死ぬしかないよねぇッ!!」ばっ

ほむら「!」

恭介「つえよ!伸びろッ!!」ぐいいいいんっ!

どかぁっ!

ほむら「うぐッ…!」がくっ

恭介「はははははっ!!おらよッ!」ばっ

げしっ!

ほむら「う…!」がくっ

恭介「無様だねぇ!無様だよぉ!僕の性欲のはけ口になってくれれば生かしといてあげるのにさぁ!」

ほむら「はぁはぁ…!馬鹿言ってんじゃないわ…!」

恭介「ふんッ」ばっ

どかっ

ほむら「ぐぅ…!」がくっ

恭介「…まぁいいよ!女なんて外に出ればいくらでもいるしね!君にこだわる必要はない!」

ほむら「はぁはぁ…」ふらふら

恭介「そうだよ…うん、そうだ!こんな病院に引きこもっている必要なんてないよねぇ!」

ほむら「…?」ふらふら

恭介「この能力があれば僕は無敵だ!どんな女でも自分のモンにできるだろうさ!」

ほむら「下衆野郎…!」ふらふら

恭介「ははは!なんとでも言いな!…うーん、まずはそうだな…巴さんを襲ってやろう!うん、そうだね!あの人の体はきっと最高だよ!」

ほむら「…!」

恭介「…そうと決まれば早速支度しなきゃね…君を殺してからッ!」ばっ

ほむら「うっ…!」ぞくっ

「上条恭介ッ!!!」

恭介「んぁ…?」ぴくっ

ちょこんっ

QB「上条恭介…やはり君は万死に値する男だ…生かしてはおけない…」

恭介「おやおや~?キュゥべえさんじゃないですかぁ!なんだーい?そのちっこい体に背負った風呂敷はぁ?夜逃げの準備かーい?」

QB「…答える必要はないね」

恭介「そうかい…それじゃあまず君から…」

恭介「消えろッ!!」ばっ

ぐいいいいんっ!

どかっ

QB「うわぁっ!」がくっ

恭介「ははははは!ちっこい体のくせにでっかい風呂敷包み背負ってるから動きが鈍いよぉッ!」ばっ

ぐいいいいいんっ!

QB「…くっ!…おらぁっ!」バッ! ギュイイーンッ!

恭介「な…!?ジャンプして避けやがった…!しかも高い!なんて跳躍力だ!」

ひゅううううう…

QB「くらえぇッ!上条恭介ぇぇッ!!!」ばっ

しゅるんっ ぱらぱらぱらぱらっ!

恭介「風呂敷の中身をぶちまけたッ!?中身は…!」

ひゅおおーーー! ぱらぱらぱらぱら

恭介「ビーカー、フラスコ、ガラス瓶…ははははは!こんなんで僕を倒そうと思ったのかい!?」

恭介「馬鹿だねぇ!本当に馬鹿だぁ!片腹痛いよ!こんなもん、片っ端から叩き割ってやるよッ!」ばっ

恭介「オラオラオラオラオラオラオラァッ!!!!!」ばばばばばばばばっ!

パリン! ピキン! バリン! ピキーン! パリンッ!

恭介「オラオラオラオラオラオラオラァッ!!!!!」ばばばばばばばばっ!

パリン! ピキン! バリン! ピキーン! パリンッ!

パキッ…どばぁ!ずしゃああああっ!

恭介「!?…な!?なんだぁ!?叩き割ったガラス瓶のひとつから何か液体が出てきて僕の体にかかったぞ…!」べたべた

ぷーん…

恭介「!?…こ、この臭いはまさか…!」くんくん

恭介「ガソリンッ…!」

QB「そうさ…そして最後に君のもとに落ちてくるのは…」

しゅるるるるっ…

恭介「……!火の付いたオイルライター…!ま、まずい早く能力を…!」ばっ

QB「ガソリンに気を取られていたね…もう、遅いよ」

ぼぅっ! めらめらめらめらめらっ!

QB「………燃え尽きな」

恭介「ぐわああああああああっっ!!!!!!」ぼおおおおおおっ!

QB「君の敗因は君自身にあるッ!」

恭介「熱いッ熱いッッッああああああッ!!!!」めらめらめらめら!

QB「僕が風呂敷の中身をぶちまけたとき、普通の人間ならまずガラス瓶を避けようとするだろう…しかし君は躊躇せずそれを割りにいった。それは君が自分の能力に絶対の自信を持っていたからだッ!」

恭介「ぐわああああああッ!!!!」めらめらめらめら!

QB「つまり、君の自分自身への過信を利用させてもらったというわけさ!ざまあないね!」

恭介「ぐわあああああっ!!だ、だすけてぐれぇぇぇぇッ!!!」めらめらめらめら!

QB「ん?…なんだい?聞こえないよ」

恭介「だだ、だすけてぐれぇぇぇぇッ!!!あああああぁ!!」めらめらめらめら!

QB「『助けて』…それが君の願いだね」

恭介「ぐああああああっ!!!」めらめらめらめら!

きゅぴーんっ… しゅううううう…

恭介「!?…な!炎が消えた…やけどの跡もない…!」

QB「……君の願いはエントロピーを凌駕した…君の願いは遂げられた」

ほむら「えっ!?キュ、キュゥべえ!?」

QB「…」

恭介「……くっくっくっく!」

ほむら「…!」

恭介「ふふふ、ふふ、はははははははッ!馬鹿だねぇ!本当に馬鹿だ!敵に情けをかけるなんてさぁぁッ!」

QB「…」

恭介「甘い!本当に甘いッ!どろっどろに溶けたチョコレートより甘いよキュゥべえちゃーんッ!」

ほむら「やばい…」

恭介「くくく!はははははっ!今、この場でバラッバラの肉片にしてやるよぉぉぉぉッ!!!!」ばっ

QB「…」

QB「…上条恭介、最期に僕の能力について教えてあげよう」

恭介「んあッ?」

QB「…僕の能力は人の持つ願望を叶える力」

恭介「ああ…!?なんだそりゃ!?」

QB「ただし…どんな物事にも対価はつきまとう…僕の能力も例外ではない。願いの代償としてあるものをいただく…」

恭介「対価…だと!?」

QB「ああそうさ…ほら…これが何かわかるかい?」すっ

恭介「これは…!?」

QB「君の生み出したソウルジェム…すなわち君の魂さ」

恭介「な、なんだと…!?」

QB「つまりだよ上条恭介…このソウルジェムをッ…!!!」

恭介「!?」

QB「こうやってッ…!!」ばっ

恭介「おい!おいッ!」

QB「地面にッ…!!!」

恭介「おいいいぃッ!!!」

QB「叩きつければッ!!!」ぶんっ!!!

恭介「やめろおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!」

ドカッ

パキィィィィンッ!!!!

恭介「あああああああッ!」

恭介「ああぁぁッ!」

恭介「あぁ…」

恭介「あ」

恭介「」バタッ

QB「………サヨナラだ。上条恭介」

ほむら「う…キュ、キュゥべえ…!やったわね…!」ふらふら

QB「あ…!ほむら!大丈夫かい!?」

ほむら「ええ、私は大丈夫よ…あなたこそ平気なの?」

QB「はは!僕は大丈夫…」

QB「に、決まっている…」ふらっ

QB「じゃない…か…」ばたっ

ほむら「!?キュゥべえ!…ちょっと!キュゥべえ!しっかりして!」ゆさゆさ

―――
――

QB「……う、ううん…はっ!?」がばっ

QB「こ、ここは…!?」きょろきょろ

マミ「あ!ああ…!キュ、キュゥべえ!目が覚めた!よ、よかった!…う、うわあぁぁん!」だきっ

QB「えっ?マ、マミ?ってことはここはマミの家?」ゆさゆさ

ほむら「やっと目覚めたわねキュゥべえ…」

QB「ほむらっ!」

ほむら「あなたをここに連れてきたのは私よ…上条恭介との戦いで相当疲れが溜まっていたみたいね…でもよかったわ。あなたが勝って…」

QB「いや…やつに勝てたのは君のサポートのおかげさ…本当にありがとう!ほむら!」

ほむら「ふふ…どういたしまして…」

マミ「キュゥべえ…暁美さんに聞いたわ…私のために戦ってくれたんでしょ…?」

QB「あ、マミ……うん…そうだよ…だってマミは僕の大切な友達だからね…」

マミ「キュゥべえ…」

QB「ははは…でも、かっこ悪いよね…疲れてぶっ倒れちゃうヒーローなんてさ…」

マミ「そんなことないわ…」だきっ

QB「あ…マミ?」

マミ「あなたが私のことを大切に思ってくれてることが本当にうれしいの!ありがとうキュゥべえ!」だきしめっ

QB「うぐぐ…!苦しいよマミ~!」ぎゅうぎゅう

QB「…あ、そういえばマミ、彼氏がほしいって言ってたよね?あれは…」ぎゅうぎゅう

マミ「ふふふ…!あれはもういいの!」

QB「え?どうして…?」

マミ「…恋愛はもっと大人になってからの楽しみとして取っておくわ!…だって」すっ

QB「?」

マミ「身近にこんなに素敵な王子様がいてくれるんですもの!…これからもよろしくね!キュゥべえ!」

チュッ!

おわり

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