男「妹ひとつください」店員「少々お待ちください」(191)

店員「温めますか?」

男「冷たいままでいいです。あと肉まんふたつ」

店員「三点で五千二百円になります。ありがとうございましたー」

男(ほんとコンビニってなんでも売ってるよな)

「っざっましたーっ」

……

てくてく

男「今日からよろしくな」

妹「……」

男「ほい、肉まん」

妹「……」

ぱしっ!

男「!?」

妹「……はむっ」

男「お、おいおい……」

妹「はふはふ……」

男「……」

男「はふっ……」

てくてく

支援

てくてく

妹「……」

男「な、なぁ」

男「名前、何て言うんだ?」

妹「……」

男「……」

男「お、俺は、男って言います」

妹「……」

男「……」

男「何か喋ってくれよ……」

妹「!」

男「……とか言ってみますよね……」

てくてく

てくてく

男「……」

妹「……」

妹「……お兄ちゃんさん」

男「え?」

妹「お兄ちゃんさんは、何で私を買ったんですか?」

男「え、いや……」

男「そりゃ、妹が売ってたら買うでしょう」

妹「なぜですか?」

男「……」

妹「何が目的なんですか?」

男「っ……」

妹「……」ジーッ

男(なんだ、なんだこれ……)

男(イメージと違いすぎる……)

男(俺の頭の中では)

……

男「ほい、肉まん」

妹「わぁ、お兄ちゃん、ありがとうっ」ニコニコ

男「はは、いいぞ」
なでなで

妹「ふぁ……」トロン

妹「お兄ちゃんっ」

男「ん?」

妹「もっと……」ギュ

男「うわっ、抱きつくなって」

妹「お兄ちゃん……」

妹「あったかい」ギュ

男「……」

男「よしよし」

なでなで

妹「ふぁぁ……」ピクッ

妹「お兄ちゃん、私、幸せっ……」

……

男(みたいな……)

男(そして、イチャイチャしてたら、妹のやわらかいカラダの、)

男(色んなとこに触れちゃって、そこから二人は変に意識し始めて、)

男(みたいな……)

妹「お兄ちゃんさん?」

妹「……」ジーッ

男(ここは、一つ……)

男「人が売り物にされてるなんて、可哀想だな、と思って」

妹「……?」

男「そ、そうだ、うん」

男「人が人を売るなんて、そんなの、許せなかった」

男「……だから、俺が引き取り手になって、そして妹の分までしっかり働いて」

男「幸せに生きてもらいたいな、と思って……」

妹「……」

妹「……」キュン

妹「そ、そうですか」

妹「分かりました」

妹「……」

男「……」

男(流石に、バレバレか……)

てくてく

……

てくてく

男「これからは、俺の家で住む感じでいいのか?」

妹「……」

妹「他に行くあてもありません」

男「……そうだよな、悪い」

妹「……」

妹「……」

てくてく

ガチャッ

妹「……」

男「ここだ」

男「割と片付いてるし、意外に狭くもないだろ?」

妹「……」

妹「体が冷えているので、あったかいシャワー浴びてもいいですか?」

男「あ、そうか」

男「風呂沸かすわ、待ってろ」

妹「え……」

男「悪いな、もうちょっとだけ我慢してくれ」

妹「あ、ありがとう……」

「ふぅっ……」

ゴシゴシ ゴシゴシ

妹「……」

妹「お兄、ちゃん……」

ガチャッ

男「ふぅ」

妹「!」

男「浴槽洗って、湯ためてるから、もうちょっとだけ待ってな」

妹「う、うんっ……」

ジャボジャボ……

……

男「本当に冷たいのか?」

妹「……」

ぺた

妹「っ」ピクッ

男「うわ……、マジでか」

男「こりゃ、可哀想だわ、コタツ出すわ」

妹「べ、別にっ……」

男「まぁ、俺も入りたいし、外寒かったからな」

妹「……」

ゴソゴソ

男「けほ、けほ……上に物乗せすぎてた」

男「よし、置くぞ」

どんっ

……カチッ

男「オーケー、しばし待て」

妹「うむ」

男「お?」

妹「……」

ほわーっ

男「お」

男「暖かくなってきた」

男「……」チラッ

妹「あったかいっ……」

妹「……」トロン

男「……」

男「みかん食うか?」

妹「……」

男「……」

スッ

……

……

ぽむっ

男「ほい」

妹「……」

男「いただきます」スッ

妹「……」スッ

男「もぐもぐ」

妹「あむ、あむ」

男「やっぱ、コタツで食べるみかんは美味いなぁ」

妹「……」コクッ

男「お?」

妹「……」

男「……」

男「喋るのは嫌いか?」

妹「……」

妹「話すこと自体、慣れていないです」

男「……」

男(この子、今まで、一体どんな生活を……)

男「ちょっとこっち来てみ」

妹「……?」

男「……俺はお兄ちゃんだからな?」

男「別に変な意味じゃないからな」

妹「え、何を……?」

ぎゅ

妹「ぁ」キュン

男「……」

妹「へ、へんたいっ」パタパタ

男「……」

妹「っ、っ……!」モゾ

男「……」

妹「っ……」

妹「は、離してっ……」

男「わ、悪い悪い」パッ

妹「……」テテテッ

妹「……」モゾモゾ

男「……いきなり悪かった」

妹「……」

妹(……すごく、あったかかった)ドキドキ

男「……」

妹「……」ドキドキ

男「そろそろ風呂入れるかな」

……

男「大丈夫だぞ」

妹「……はい」

妹「お先にどうぞ」

男「いや、お前が先行け」

妹(『お前』……)

男「体冷えてるだろ」

男「さっさと行ってこい」

妹「……う、うんっ」

……

ちゃぽん

妹「ふぃー……」

妹「気持ちいいー……」

妹「……」

妹「お兄ちゃん」

妹「えへへ……」

妹「……」

妹「ふはぁ……」

妹「何だか……」

妹「心もあったかいよ……」

妹「お兄ちゃん……」

妹「ふぃー、気持ち良かった……」

ふきふき

妹「……」

妹「あ……」

妹「あーっ!!」

男「!?!?!?」

ガチャッ

男「どうした!?」

妹「あ」

男「あ」

……

……

男「おー、痛」

男「何から何まで投げつけやがって……」

男(しかし、意外とけしからんカラダしてやがったな……)

男「っと、何考えてんだ」

男「……で、どうしたんだ?」

「着替えがないっ」

男「え……?」

男「あ」

妹「……」タユタユ

男「ほう……」

男「悪くない」

妹「へんたいっ」

男「だってこの時間だぞ、近所、もうどこも開いてないんだよ」

妹「むーっ……」

男「でも、それはそれで、かわいいぞ?」

妹「……ほんと?」

男「うむ」

妹「……えへへ」

男「……」

男(笑った)

男「……」

なでなで

妹「ぁ……」ピク

男「……」ナデナデ

男「……あ!」

男「すまん、つい……」

妹「……」

男「わ、悪いな、俺も風呂入ってくるわ」

妹「……」

妹「お兄ちゃん」

男「!?」

妹「早く出てね」

男「……」

男「おー」

ガチャッ

妹「……」

妹「……!!」カァァァ

妹「あれ、私、今、何を……」

妹「うわぁぁぁ……!」ボッ

妹「あ、あ、あ……」

妹「えーっと、えーっと……」

妹「とりあえず、コタツ、コタツっ……」モゾモゾ

妹「……」

妹「……」カァァァ

ちゃぽん

男「……」

男「……」

男「……」

男「ふぅ……」

ガチャッ

妹「!」

男「ふぃー、いい湯だったー」

妹「……」チョコン

男「いい湯だったー」

妹「何で2回言うんですかっ」

男「お前が、反応にぶにぶオジサンだからだよ」

妹「っ……!?」

妹「オジサンじゃないよぅっ」

妹「女の子だよっ」

男「オバサン?」

妹「違うぅっ」

妹「ぴちぴちぷりぷりの、女の子だよぉっ!!」

男「……はは、元気だな」

妹「っ……」カァァァ

男「テレビでも見るか」ポチッ

妹「……」

『んははは、何でやねんっ!』

『んな訳あるかいっ!!』

男「……」

妹「……」

『どないやねん!!』バシッ

男「ははは」

妹「くすっ」

妹「……」

妹「……」モゾモゾ

……ぴとっ

『それは絶対間違ってる!!』バシッ

男「ははは」

妹「……」ギュ

……

……

『次回はーー……』

男「……」

妹「すぅ、すぅ……」ギュ

男(今まで、色々あったんだろうな……)

妹「すぅ……」

男「……」

ぎゅ

……

……

妹「すぅ、すぅ……」

男「くー、くー……」

ちゅん ちゅん

妹「……」

妹「ふぁ、ぁ……」グググ

妹「?」

妹「あれ……?」

妹「……あ」

ぴらっ

『出掛けてきます、夕方には帰ると思う』

『朝、昼、メシ作って冷蔵庫に入れてあるから、チンして食ってください』

妹「……」

妹「……」

妹「これかぁ」

妹「……」

……

……

妹「もぐもぐ……」

妹「ずずっ……」

妹「……」

妹「美味しい……」

妹「……」

妹(お兄ちゃん)

妹「……」

妹「……」

妹(暇だなぁ……)

妹「……」

ごそごそ

妹「ん……?」

妹「漫画だぁっ」

妹「ふむふむ……」

『お兄ちゃんのおちんぽみるく、妹まんこでゴクゴクすりゅのぉぉっ!!』

ガチャッ

男「ただいまー……」フラフラ

男「悪い、悪い、遅くなったっ」

男「……ん?」

男「どっか行ったのか?」

男「おーい」

男「……あ」

妹「……」ブルブル

男「ただいま」

妹「……」ブルブル

男「どうした、寒いのk……」

妹「近寄らないでっ」

男「!?」

妹「……」ブルブル

男「おいおい」

妹「へんたいっ」

男「……はぁ?」

妹「へんたい、へんたいっ」

男「な、何だよ急に」

妹「私で、この漫画みたいなこと、したかったんでしょっ」

バサッ

男「……?」

『お兄ちゃんのぶっといちんぽでいっぱい突かれて、妹の子宮きゅんきゅんしてりゅぅぅぅっ!!』

笑ってしまう

男「……」

男「なん……だと……」

妹「……」

妹「へんたい、へんたいっ」

妹「どっか行ってよっ」

妹「カラダ目当ての、ヘンタイお兄ちゃんさんっ」

男「……」

男「おい、バカ」

妹「……!?」

男「これは漫画だ」

男「俺がお前にこんなことすると思ってんのか?」

妹「……!」

妹「そんなの、分かんないじゃんっ」

妹「いつ、そんなことされるかっ……」

妹「怖くて眠れないよっ!」

男「……」

男「そうか」

妹「……?」

男「じゃあ、すまん」

男「あのコンビニに戻ってもらっても、構わない」

男「払った金も、もういい」

妹「え……」

男「俺じゃ、お前を幸せにしてあげられないってことだろ?」

妹「ぇ……、ぅ……?」

男「ごめんな、怖がらせてしまって」

妹「……」

男「とんだクズだったな、俺は」

妹「ぇ……」

男「……それでも、俺が帰ってくるまでは居てくれて、ありがとう」

妹「ぁ……」

男「またどっかであったら、まぁ声はかけなくても、笑顔ぐらいは見せてくれ」

男「……」

妹「……」

男「……またな」

妹「……」

男「……」

男「そうだ、何か、持っていきたいもんあるか?」

男「金でも何でも欲しいものがあったら言っt……」

ててててっ

ぎゅーっ

男「!?」

妹「ばか、ばか、ばかっ、ずるい、ずるいよっ」ギュー

男「お、おい」

妹「ばかお兄ちゃん、ばかお兄ちゃんっ」ポカポカ

男「……」

妹「ごめんなさい、ごめんなさいっ」ギュー

男「……」ナデナデ

妹「大好き、大好きだよ、お兄ちゃんっ……」ポロ ポロ

……

……

妹「ぐすっ、ぐすっ……」モグモグ

男「泣きすぎ」

男「泣きながらメシ食う奴があるか」

妹「だって、だってっ……」

男「……」ナデナデ

妹「……」

妹「もっと」

男「……」ナデナデ

妹「……」

男「……」ナデナデ

妹「……隣で食べていい?」

男「うん」

もぞもぞ

妹「……」ギュ

男「……」モグモグ

妹「……」モグモグ

妹「……」モグモグ

妹「あのね」

男「?」

妹「あの漫画……」

男「っ」ギク

妹「何で持ってるの?」

男「……」

男「ま、漫画の世界だからな、そういうのもありなんだよ……」

妹「……ふーん」

男「お前みたいなガキが読むと、勘違いするから困るんだけどな」

妹「……」

ぐりっ

男「っ!?」

妹「がき、ってゆーなっ」ムスッ

妹「……」モグモグ

男「……」モグモグ

妹「ねぇ」

男「ん?」

妹「やっぱり……」

妹「ちょびっとは、あーいうの、したいって、思うの……?」

男「……」

妹「……」

男「……」

妹「……」ドキドキ

男「……うるせー、メシが冷めるだろ」

妹「ぅぅ……」

……

妹「ふぃー……」

妹「ごちそうさまでしたっ」

男「ふぅ……食った」

ぎゅ

男「?」

妹「すぅ、すぅ……」

男「……またか」

妹「すぅ、すぅ……」

男「しょーがねーな……」

ふぁさっ

妹「……すぅ、すぅ……」

男「……お休み」

妹「……お兄ちゃん……すぅ、すぅ……」

男「……」チラッ

『ぁぁっ、出てる、お腹に、びゅーびゅー熱いのが当たってりゅぅぅぅっ!!』

『お兄ちゃんと、子作りしてりゅぅぅっ、受精して、私たちの、赤ちゃんできちゃうのぉぉぉっ!!!!』

男「……」

男「……」チラッ

妹「……すぅ、すぅ……、むにゃ……」モゾモゾ

男「……」

男「……捨てるか」

ばさっ

……

男「俺も寝よ……」

男「……」

妹「……すぅ、すぅ……」

男「……(失礼……)」

もぞもぞ

妹「すぅ……」

男「……」

ぎゅ

妹「んっ……」ピク

男「……」

男「絶対、幸せにしてやるからな……」

ぎゅ

男「!?」

妹「えへへ……、お兄ちゃん、大好きっ……むにゃ……」ギュー


おわり。

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