佐々木「女らしくと言ったのは君じゃないか」(181)

キョン「おう佐々木。こんなとこで何をしてるんだ」

佐々木「キョンじゃないか。君の方こそ」

キョン「随分と久しぶりだな。俺は急に団活が休みになったせいで暇を持て余してるところだ」

佐々木「なるほど。君の休日は涼宮さんあってこそということだね」

キョン「別にそういう訳でもないが、今回は急だったからな。で、佐々木は何をしてるんだ?」

佐々木「僕かい? 僕は服を買いにきたところだよ」

キョン「服? これまたどうして」

佐々木「中々おかしな質問をするね、キョン。服を買う理由にそんなに特殊なものはないはずだよ」

キョン「いや、誰かと遊びに行くのかと思ってな」

佐々木「それはつまり……キョン。僕が異性と遊びに行くと、そう思ったということかい?」

キョン「あ、あー……まあな。そんなとこだ」

佐々木「くつくつ。さあ、どうだろうね」

キョン「お前がよければだが、買い物に付き合ってもいいか?」

佐々木「断る理由なんてないよ、キョン」

キョン「そりゃありがたい」

佐々木「一応君も異性だからね」

キョン「どういうことだ?」

佐々木「たまには異性からの客観的な意見も聞いてみたいということさ」

キョン「自信はこれっぽっちもないが、任せておけ」

佐々木「くつくつ、期待せずに楽しみにしておくよ」

キョン「店はここから近いのか?」

佐々木「もうすぐそこだよ」

キョン「そうか、じゃあ早速行くとするか」

佐々木「ああ」

キョン「……たくさんあるんだな」

佐々木「女性の服は需要が多いからね。選ぶ自信はあるかい?」

キョン「うっ……任せろ」

佐々木「僕はどうしておけばいい?」

キョン「そこで待っててくれ。良さそうなの持ってくるから」

佐々木「分かった。楽しみにしておくよ」

キョン「ああ、じゃあ行ってくる」

佐々木「……キョンが一体どんな服を持ってくるのか、すごく楽しみだね」

佐々木「というか、女性の服ばかりの店を一人で歩き回るなんてキョンらしくないような……。
    ……少し、無理をさせてしまったかもしれないね」

佐々木「……」

キョン「『任せとけ』なんて大口叩いてしまった手前、恥ずかしいなんて言っていられないな」

キョン「こうなったら納得のいくまで選び通してやる」

キョン「店員の手も借りず、自らの好みで選ばせていただこうじゃないか」

キョン「ふーむ……」

キョン「……」カチャカチャ

キョン「……ん?」チラッ

佐々木「」ヒラヒラ

キョン「」ヒラヒラ

キョン「……って、何をしてるんだ俺は。というか何故手を振ってくるのだ佐々木よ」

キョン「……」

キョン「……なんか、デートみたいだな」

キョン「いやいや、佐々木に限ってそれはないな」

佐々木「キョン、納得のいく服を見つけられたかい?」

キョン「ああ、これなら必ず似合うというものがあった」

佐々木「ほう……どれ、見せてくれないか」

キョン「これだ!」バンッ

佐々木「ワンピース……」

キョン「女の子らしい服装の方がいいと思ってな。ほら、佐々木は普段しゃべり方も男っぽいし」

佐々木「女の子らしい僕の方がいいのかい?」

キョン「いや、佐々木は佐々木だ。だがな、ギャップ萌えという言葉を知っているか?」

佐々木「……キョン、君という人は」

キョン「待て、何も言うな。気持ち悪いことくらい分かっている」

佐々木「……まあ、聞かなかったことにしておくよ」

キョン「……ダメだったか?」

佐々木「……し、試着くらい、してみようかな。念のため」

キョン「よしきた」

佐々木「ど、どうだい、キョン」

キョン「おお、やはりよく似合うじゃないか。俺の目は節穴じゃなかったな」

佐々木「ほ、本当にそう思っているのかい?」

キョン「ああ、本当だ。100人中100人が似合うと言うぞ」

佐々木「それはあまりにも大袈裟すぎるよ、キョン」

キョン「俺はそう思うってだけだ」

佐々木「……」

キョン「どうする? 嫌ならまた別のやつを」

佐々木「ま、待ってくれ。こ、これを買うことにするよ」

キョン「いいのか?」

佐々木「せっかく君が選んでくれたんだ。これにする」

キョン「そうか。よく似合ってるし、良いと思うぞ」

佐々木「あ、ああ。感謝するよ、キョン」

キョン「お目当ての服も買えたし、どうする? これから」

佐々木「そうだね。実は、僕はもう帰らないといけないんだ。
    宿題がたくさん出ていてね。夕方のうちから取り組まないと間に合いそうにないんだ」

キョン「そうか、そりゃ残念だ」

佐々木「今日一日ありがとう、キョン」

キョン「気にするな。暇だったから付き合っただけだ」

佐々木「くつくつ、君という人は、本当に期待を裏切るのが上手いね」

キョン「ん?」

佐々木「なんでもない、さあ、僕はこれで帰るとするよ」

キョン「ああ、またな」

佐々木「また」


ん次ぃぃぃぃの日ぃぃぃぃ(cv:若本則夫)

キョン「そういえば今日も休みなんだな……。こんなことなら昨日の内に予定を埋めておけばよかった」

キョン「こんな日に限って朝早くから目が覚めるし……」

キョン「よし、もうひと眠りするか。ああ、なんて幸せな休日なんだ」

キョン「ということで、おやすみ、俺」

キョン「ああ、おやすみ、俺」

キョン「…………本当に暇だな」

キョン「……」

キョン「……」zZZ


prrrrrrrrr prrrrrrrrrr

キョン「……んがっ」

prrrrrrrrr prrrrrrrrrr

キョン「ごっ……電話……か……」

キョン「もしもし」

キョン「おう、なんだ佐々木か。どうした?」

キョン「……えっ? 大変なこと? 何があった!?」

キョン「と、とにかく早く行けばいいのか!? 場所は!?」

キョン「駅前の喫茶店か、よし、分かった!! すぐ行くから待ってろ!!」ガチャ

キョン「何があったんだ……と、とにかく急ぐか」

自動ドア「ウィーン」

キョン「佐々木っ!!」

佐々木「やあ、キョン」

キョン「何があった!!」

佐々木「とりあえず、座ったらどうだい? 君は今やこの喫茶店の有名人だ」

キョン「えっ……あ、すみません」

佐々木「飲み物はどうする?」

キョン「いや、その……大丈夫なのか?」

佐々木「飲み物を飲むくらいの余裕はあるさ」

キョン「そ、そうか……ならいいんだが」

佐々木「アイスティー一つと、キョンはどうする?」

キョン「じゃあ俺はコーヒー一つ」

佐々木「……ふう」

キョン「な、なあ佐々木」

佐々木「本題が気になって仕方がないという顔だね」

キョン「そ、そりゃああんな言い方されちまうとな」

佐々木「くつくつ、どんな感じだったかな?」

キョン「なんというかこう……か弱い、しかし切羽詰まっているというか」

佐々木「言い得て妙、だね。同時に、僕の新たな一面を発見することができたよ」

キョン「どういうことだ」

佐々木「本題に入ろうと思う」

キョン「あ、ああ」

佐々木「すぅー……はぁー……」

キョン「どうしたんだ?」

佐々木「い、いや、少しね」

キョン「息苦しいか?」

佐々木「いや、そういう訳ではないのだよ、キョン。この件に関しては、君は気にしなくてもいい。
    それより……」

キョン「ああ、本題だな。どうした、一体何があった、佐々木」

佐々木「実は、どうしても君に会いたいとだだをこねる人物がいてね」

キョン「なんだって? 何故俺に?」

佐々木「理由はとりあえず置いておいてくれないか、キョン」

キョン「あ、ああ……それで、その俺に会いたいという物珍しい人物は一体どこにいるんだ」

佐々木「くつくつ、物珍しい……か。確かに、そうかもしれない。僕は、普通とは言えないかもしれないからね」

キョン「……さ、佐々木?」

佐々木「実は、紹介せずとも既に君の目の前にいるんだ」

キョン「……と、いうことは、その俺に会いたいってのは……」

佐々木「僕だよ、キョン」

キョン「こ、これまたどうして……」

佐々木「久しぶりに再会した旧友に会いたいという感情を持つのは、普通のことだと思うけどね」

キョン「あ、ああ……まあ、そうだが。昨日もなんだか物足りなかったのは事実だし」

佐々木「くつくつ……まさか君の方もそう思っていてくれていたとはね。僕は嬉しいよ、キョン」

佐々木「突然呼び出したことに関しては謝るよ。ごめんなさい」

キョン「いや、俺はかなり暇だったから大丈夫だが……しかし、何故突然呼び出したんだ?
    昨日の別れ際とかいろいろあったと思うが」

佐々木「『会いたい』という感情のままに突然連絡をよこすなんて、実に女の子らしいとは思わないか、キョン」

キョン「なんだって?」

佐々木「君のいう……そうだね、これしか当てはまる言葉がないね。
    所謂、ギャ、ギャップ萌えというものを実践してみたつもりなんだけど」

キョン「な、何故?」

佐々木「女らしくと言ったのは君じゃないか……なんてセリフは、少し自分勝手すぎるかもしれないね。
    しかし、正直に言うこともできないんだ、キョン」

キョン「うーむ……よくわからないが、これはつまり」

佐々木「ん?」

キョン「俺は佐々木にデートに誘われたということじゃないだろうか、と一人で
    あらぬことを思考してみた訳だが……」

佐々木「……」

キョン「間違ってるか……?」

佐々木「そ、そんなことを僕には聞かないでほしいね、キョン」

キョン「ああ、すまん」

佐々木「し、しかし、自らの脳で今回のことをどう捉えるかは個々の自由だ。
    その、つまり、君がデートだと思うなら……そ、それはそれで僕は一向に構わないとだけ言っておくよ、キョン」

キョン「佐々木はどう思ってるんだ?」

佐々木「い、言える訳がないじゃないか、全く。そ、そんなことを言わせて、君は一体僕のどんな顔が見たいんだい?」

キョン「慌てふためく顔は見てみたいな」

佐々木「キョン……君はやはり、分かってやっているようだね」

キョン「分かって? ……なんのことだ?」

佐々木「本当に……恐ろしいよ、君という人は」

キョン「それにしても……やっぱり似合ってるな、その服」

佐々木「あっ……き、気づいていないものと思っていたよ」

キョン「来た時から気づいてたぞ? だがまあ、出会いがしらに『可愛いな』なんて言う柄じゃないからな、俺は」

佐々木「それは存分に理解しているよ、キョン。ただ、一つ質問をしてみたい。
    どうも羞恥心や自尊心より好奇心の方が上回ってしまってね」

キョン「ん、何だ?」

佐々木「その……昨日君が選んだ服を今日着てくるという意味を、君はどう捉えるのか気になってね」

キョン「そんなの……お、俺の口から言ってもいいのか?」

佐々木「……ど、どうやら、君には珍しく、羞恥心の方をついてきたね。
    いや、いいんだ、キョン。君が僕の頬の赤さに触れないでいてくれさえすれば
    この話はいつの間にか流れてまた普通の空気が……」

キョン「お、おい、無理はするなよ」

佐々木「い、いや、いいんだ。まさか君がそんなことを言うとは思っていなくてね……。
    予想していなくて、その、心の準備というものが整っていなかった結果さ」

キョン「な、なんか……すまんな。あー、いや、謝ることじゃないか?」

佐々木「その通りだね、キョン。むしろ、僕としては喜ぶべきことなのかもしれない」

キョン「うーむ……」

佐々木(cv釘宮理恵)

と言いたいところだが、釘宮病の俺でも流石にそれは無いと思う

佐々木(cv伊藤かな恵)たんで!!

佐々木「それにしても……君は以前より、鋭くなったというか。ぼ、僕の在り方というものが少し不安定になってしまうよ」

キョン「なんというか……俺にもお前の気持ちが分かるからかも知れない」

佐々木「……それは一体どういうことだい、キョン」

キョン「今はまだ、言えないな」

佐々木「……あっ」

キョン「はぁ……やはり佐々木相手に隠し事なんて無理だったか。
    それにしても、さすがは佐々木だな。気づくのが早い」

佐々木「あ、あああの、キョ、キョン、僕は一体どうすれば」

キョン「いったん落ち着け、佐々木よ。かくいう俺もさっきから心臓の音が鳴り止まん」

佐々木「え、えーっと……」

キョン「とりあえず、今日という日を思いっきり楽しもうじゃないか」

佐々木「あ、ああ……そうだね、キョン」

キョン「しかし、参ったな……お前から本題を聞いた時、既に決めていたんだが
    まさかこうも早く告白まがいのことをしてしまうとは」

佐々木「話の流れ、というやつだよ、キョン。それに、僕と君の関係があってこその会話だったと思う」

キョン「確かにな……佐々木は頭が良いから、すぐに俺の深層心理に気がついちまう」

佐々木「それを言うなら君の方こそそうだったと思うけどね」

キョン「佐々木は俺にたくさんヒントをくれていたじゃないか」

佐々木「ま、まあ……君に、気がついてほしいという僕の中で無意識と偽った欲求が……」

キョン「ははっ、なんだよそれ」

佐々木「……くつくつ。やはり、恋愛は精神病だと、つくづく思うよ」

キョン「何、こんな精神病があるのなら、俺は自ら罹りに行くね」

佐々木「それも、いいかもしれないね、キョン」

検便してくる

キョン「ところで、今日は何か目的はあるのか?」

佐々木「目的はもう達成してしまったよ」

キョン「あ、ああ……そうだったな。んー、どうするか。デートといえば遊園地、水族館、映画館……」

佐々木「キョン、僕は君と話すことに喜びを覚える。つまり」

キョン「このまま喫茶店で会話を続けるだけでいいってことか?」

佐々木「あの時は隠したけど、正直に言おう。キョン、僕は君とデートというものがしてみたい。
    そして、今日はそのつもりで君を誘ったんだ」

キョン「それなら尚更」

佐々木「しかし、形式に囚われることに意味なんかないと思わないかい?」

キョン「どういうことだ?」

佐々木「無理にデートらしくしなくてもいいんじゃないか、ってことだよ、キョン。
    むしろ、二人がしたいことをするというのが一番良いことだと思うんだけど、どうかな?」

キョン「……そうだな。なんかデートってことで妙に気張ってしまったが、少し気を抜こうか」

佐々木「そうしてくれると、僕もありがたいね」

佐々木「と、どうも僕が一方的に意見を言ってしまったね。
    キョン、君は何がしたい?」

キョン「俺は、強いて言うなら佐々木がしたいことをしたい、だな」

佐々木「くつくつ……君らしいね」

キョン「つまり喫茶店でのんびりしましょうってことだ」

佐々木「ああ、それがいい」

キョン「佐々木は、なんというか、落ち着くな。一緒にいて」

佐々木「それは嬉しいね。偶然に、僕も同じことを君に対して思っているよ」

キョン「そりゃよかった。古くからの仲だしな」

佐々木「僕は、君と出会った時から君とは上手くやれそうだと思っていたけどね」

キョン「そうなのか?」

佐々木「自分と合う部分を持つ人というのは、少し関わるだけで分かるものだよ、キョン」

キョン「確かに、言われてみればそうだな」

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検便提出ついでに飯食ってくる


キョン「今日話してみて分かった。佐々木は、標識みたいだな」

佐々木「脈絡もなく興味をそそることを言うね、キョン。
    そして、僕がそれをどう捉えればいいのか出来れば教えて欲しいね」

キョン「なんというか、俺に正しいことを教えてくれるというか」

佐々木「随分と自己主張の激しい標識があったものだね。
    君に気づいてもらえるように必死さ」

キョン「気づいてもらえない標識なんて意味がないじゃないか。そのために派手な色がついてる」

佐々木「くつくつ、……中々おもしろいことを言うね、キョン。
    僕は一体何色の標識なんだい?」

キョン「具体的な色は分からないが、あえていうならそれは存在そのものだと思う。
    俺は、標識に気付くことができて本当によかった。
    危うく落石にぶつかるところだったよ」

佐々木「くつくつ……どうも、ありがとう」


佐々木「つまり、君は車ということか」

キョン「まあ、そうなるのか」

佐々木「くつくつ……」

キョン「何がおかしいんだ?」

佐々木「いや、僕に運転されてしまう君を想像してしまってね」

キョン「あながち間違いではないかもな」

佐々木「助手席には誰が乗るんだい?」

キョン「俺は車そのものだ。それを決めるのは運転手である佐々木だろう」

佐々木「そうか……では、席は開けておくことにするよ」

キョン「そりゃ安心だ」

佐々木「しかし君は物で僕は人というのはなんだかさみしいと思わないかい、キョン」

キョン「佐々木は標識だろう」

佐々木「それではいつか通り過ぎてしまう」

キョン「じゃあ、車についてるナビでどうだ」

佐々木「……素晴らしいね」

佐々木「なんというか、随分と久しぶりだね。こういう会話をしたのは」

キョン「そうだな。佐々木以外の人間じゃできないからな。何言ってるんだ、と思われそうだ」

佐々木「もちろん僕もだよ、キョン。そしてそれは、僕の中でとても大切で嬉しいことなんだ」

キョン「もちろん俺もさ」

佐々木「キョン」
キョン「佐々木」

佐々木「……どうしたんだい?」

キョン「いや、佐々木から言ってくれ」

佐々木「……そうだね。なんというか、すごく懐かしい気持ちになったよ。さっきの会話でね。
    それで、一つ提案があるんだけど」

キョン「ちょっと待ってくれ。どうせならクイズ形式にしてくれないか?」

佐々木「……くつくつ。分かった。じゃあ、僕が君に提案しようとしていたことは、何だと思う?」

キョン「『中学校に行ってみないか』」

佐々木「……さすがだね、正解だよ、キョン」

キョン「自転車、とってくる」

佐々木「お願いするよ」

キョン「おー、もう暗いな。星が出てる」

佐々木「結構話し込んでいたからね」

キョン「よし、じゃあ、行くか」

佐々木「そうだね。後ろに乗ってもいいかい、キョン」

キョン「もちろんだ。しゅっぱーつ」キコ

佐々木「こんな感じも、すごく久しぶりだね」

キョン「ああ、そうだな」

佐々木「何故だろう。君の背中が、すごく近くに感じるよ、キョン」

キョン「そいつはいい。容易に抱きつくことができるじゃないか。なんてn」

佐々木「そうさせてもらうよ、キョン」ギュッ

キョン「おわっ、あぶねっ!」グラッ

佐々木「くつくつ」

終わっていい?

キョン「----------」

佐々木「-----------」


ハルヒ「!」

ハルヒ「なにはなしてんだろ・・・」


みたいな?

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