男「……ゾンビ……?」(908)
女「そう……、ゾンビ」
男「君がゾンビだってのか?」
女「うん、そうよ……。それでね、肉が欲しくてたまらないの」
男「いやちょっと待ってくれ、俺は見ず知らずの一般人だろう」
女「うん。だからこそよ。後腐れなく食べられるでしょ……」
男「いやいやいやいや、確かに君は美人さんだ。美人さんに襲われるシチュというのは大変魅力的ではあるがだがしかし」
女「……いい? 覚悟は出来た?」
男「できてねーよ」
女「でも、私に食べられたら君もゾンビになれるの。一緒にゾンビになれるのよ」
男「意味がわからん。そりゃ噛まれたらゾンビになるだろうけど……」
女「正直に言うとね、一目惚れなの。……食べたい」
男「性的な意味なら大歓迎なんだがな……」
女「ごめんね、もう私には食欲しか残ってないから」
男「せめて童貞を捨ててからじゃないと成仏できん」
女「ゾンビになるから成仏は無理よ……」
男「……しかしゾンビという割に肉体は新鮮そうだな」
女「だってゾンビになって日が経ってないもの」
男「日が経ってないって……、ん? まさかゾンビって蔓延してるのか?」
女「知らないの……?」
男「ニュース見ないし、外もあんまり出ないからな」
女「そう。じゃあ教えてあげる……」
男「ありがたい」
女「君を食べたらね……」
男「意味ないじゃねえか!」
女「ゾンビウィルスなるものが世界中にばらまかれたのよ」
男「うはwwwテラ世紀末wwww」
女「それでね……世界人口の半分は既にゾンビ化しているわ」
男「なんて壮大なストーリー」
女「もう人類が助かる術なんて残されちゃいないの。生きている意味なんてないでしょ? 早く私に食べられて……」
男「だからー! 俺は童貞捨てるまでは死ねないんだよ! 死んでも死にきれん!」
女「死ぬ訳じゃないって言ってるじゃない……」
男「ゾンビになったら死んでるも同然じゃないか!」
女「そんなに童貞が捨てたいの?」
男「男として、むなしいでしょ」
女「私……は、ダメか……。組織の崩壊が始まってるから、膣圧がないわ」
男「美人さんが躊躇いなく膣圧とか言うから不覚にもおっきした。どうしてくれる」
女「私に食べられるしかないわね」
男「くっ! このままじゃ走っても逃げられない! 何故ならエレクトマイサンが邪魔だからな」
女「うふ、逃げちゃいやよ……?」
男「くそう!」
女「あ、良いこと考えた」
男「なんだよ……」
女「私が、君の童貞を捨てる手伝いをするわ」
男「は? 君はゾンビだから……」
女「違うわ。生きている人間と性交渉できるように導いてあげるって事。それで、童貞を捨てたら、君の事食べさせて?」
男「う、魅力的な提案だが食べられることに変わりはないのか……」
女「ダメ?」
男「……まあ、童貞が捨てられるならそれで良いか」
女「契約成立ね。私は女。君の名前は?」
男「男だ。よろしく」
女「ええ」
食欲しかないのに一目惚れとはこれいかに
男「それで、具体的にはどうするつもりだ?」
女「そうね、名付けて『美少女救出大作戦』よ」
男「わかりやすい」
女「でしょ? ゾンビに囲まれている美少女を助けて、感謝されて、深い仲になって、そして性交渉の流れね……」
男「おお、それは今の世界の現状を考えると上手く行きそうな気がする!」
女「ふふん、私に任せなさい」
男「よし、それじゃあ早速ゾンビに襲われてる美少女を探しに行こう!」
女「ちなみに幼女だったらどうするの?」
男「助けて『お兄ちゃんありがとう』って言って貰う!」
>>11
女「美味しそうな人……」
男「街に来たけど……、予想以上にグロいな」
女「そうね……。死体ばっかり」
男「でもこれ、またゾンビになるんだろ?」
女「うん、ゾンビになるまでには死んでから数時間のラグがあるわ」
男「じゃあ早いこと退散しとくべきか」
女「それが得策ね」
男「……ところで、ゾンビと戦ってる人たちはいないのかな?」
女「ショッピングモールに行けば良いんじゃない?」
男「やだよ、死亡フラグビンビンじゃないか」
女「私と並んで歩いてる時点で死亡フラグが立ってるけどね」
男「まあ……それはそれさ」
幼「いやあああ! こないで!」
男「あ、幼馴染みの幼だ」
女「……可愛い娘じゃない。おあつらえ向きにゾンビに襲われてるわ」
男「よし、助けに行くぞ!」
女「頑張ってね。武器は持った?」
男「店から金属バットを拝借してきた」
女「ゾンビの弱点は頭よ。ゾンビは小脳メインで動くの」
男「ああ、わかった……」
男(ん? そのわりに女さんはやけに賢いような……)
女「どうしたの? 早く行かないと、あの娘食べられちゃうわよ……」
男「うおっといけない! 俺の童貞喪失のためにいざ出陣!」
幼「いやだ……いやだよぉ……こないで……」
ゾンビ「あうー」
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あうあうあー」
男「幼!」
幼「え、男君……?」
男「今助けに来たぞ! 待ってろ!」
幼「男君……!」
男「俺の童貞喪失のため、お前らには死んで貰うぞゾンビ! ……いや、もう死んでるのか」
ゾンビ「あうあー」
男「ふっ、動きがとろいぜ!」ドチャ
幼「ひっ……!」
男「さぁ来たまえ諸君!」
ゾンビ「うぅあー」
男「どりゃっしゃああ!」ズガッ
男「行くぜぇ!」ズチャッ
女「それにしてもこの男ノリノリである」
男「ゆあっしょっーく!」ガンッ
ゾンビ「あ、う……」
男「完・全・勝・利!」
幼「男君……」
男「もう大丈夫だ幼。怖かったろ」
幼「う、うん……。ありがとね……」
男「何気にすることはない。もし君が俺に恩義を感じているのであれば、どうか君の純血を僕に捧げて欲しいとは思うが」
DQN「お、幼! 無事だったのか!」
幼「あ、DQN君! うん、なんとかね……」
DQN「いやあ、よかったなあ……。お前が無事で何よりだぜ」
男「何この展開」
>>18
純血→純潔
ちょっと犬の散歩行ってくる
今日も日本は平和だな
うちの犬も散歩・・・・はめんどいからいいや
ぬこ好きだった俺が犬も行けるようになったのはこいつのおかげ
http://momizi.xrea.jp/src/vip19559.jpg
>>23よ、散歩行ってやれよ
DQN「って、男か」
男「ああ……」
DQN「お前が幼を助けてくれたのか。ありがとよ……ほんとに」
男「あ、いや、困ってる人を見かけたら助けるのが善良な市民たる俺の努めだ」
幼「本当にありがとうね、男君」
男「あ、うん……」
DQN「それじゃあ幼、早く避難場所に行こうぜ。男も……そっちの彼女さんと一緒に早く来いよ」
女「あらあら……」
幼「それじゃあね男君!」
男「……ああ」
男「なんてことだ……。俺がヒキしてる間に優しかった幼に彼氏が」
女「残念でしたね」
男「計画失敗……くそっ! 俺がゾンビを倒した意味がない!」
女「良いじゃないですか、少なくとも人の役には立ちましたよ」
男「既にゾンビと化してる君が言うかね……」
女「潔く幼さんのことは諦めて、他の美少女を捜したらどうですか?」
男「幼に会えたのはかなりラッキーだったのになあ……」
女「とにかく街を歩きましょう……」
ピザ「いやぁ、こないでぇ! そ、そこの人、助けてぇ!」
男「……俺は何も見ていない」
女「君って結構鬼畜?」
男「可愛いは正義、ピザブスネクラは絶対悪だ」
女「ひどい人ね」
男「俺は童貞をあんなのでなくしたくない!」
女「そもそも性交渉までこぎ着けられるかが疑問だけど……」
男「ああいうのに限って、自分には魅力があると勘違いしてやがるんだ」
ピザ「いやああああああ、ごないでええええええええええ!」
男「……あーもう!」
女「ふーん、行くの?」ニヤニヤ
男「あの耳障りな悲鳴を上げられるんだったら、助けた方がマシだ!」
ピザ「ありがどおおおおお」
男「ああいや気にしないで良いから」
女「……くすくす」
男「笑うな!」
ピザ「あの、よかったら……メアド……」
男「逃げるぞ女!」
女「きゃっ! いきなり女性の手を握るとはどういう事?」
男「んなこと気にしてる場合かよ! あいつは……あいつからはなんだか近寄っちゃいけないオーラが!」
ピザ「童貞臭い子に逃げられちゃったわぁん……ざぁんねぇん」
ゾンビ「あうー」
ピザ「ひっ……! 来ないで……!」
ムシャムシャ……バキッ、ドチャ……グチャ……
男「さて、これまでに助けたのは酔っぱらいの親父やらガリ勉君やらおばんやら」
女「みんなの役に立ってるじゃない……」
男「それじゃダメだろ! 俺の童貞を捨てるにふさわしい美少女じゃなきゃ!」
女「……でも、さっき幼女を助けたでしょ」
男「まあな……。『お兄ちゃんありがとう』とも言ってもらえたのでそれは良い」
女「じゃあ、食べて良い?」
男「ダメだって! 最終目標は童貞喪失! 幼女にお礼言われたからといってこれは譲れん!」
女「……やれやれ」
男「で、何か案ないの? 『男の童貞喪失キャンペーン』特別顧問の女さんよ」
女「……う~ん、兎にも角にも、人がたくさんいるところに行けば良いんじゃない? 新しい出会いがあるかもよ」
男「お姉さんそして婦警好きの俺からしたら警察署しか選択肢が残されていないのであった」
あちぃ・・・・やっぱ行くんじゃなかった
>>42
犬は喜んでるさ
【警察署】
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あうー」
男「うわ……ゾンビだらけ」
女「あ、見て……」
男「ん? あ、警官が拳銃で撃ってる……」
女「やっぱり拳銃は威力が高いねー」
男「のんきだな……。君も殺されるかも知れないのに」
女「まあね。でも、ゾンビに見える?」
男「……見えない」
女「そういうことよ」
婦警「そこの二人! 早く署内に逃げ込みなさい!」
男「うっはww俺の好みwwwどストライクwww」
女「わかったから早く入ろう」
男「あんなお姉さんにエスコートされたいなあ……」
女「これからどうとでもなるでしょ。早く入って休もうよ。歩き疲れちゃった」
男「ゾンビが歩き疲れるもんなのか?」
女「生前体が弱かったからかもねー」
男「ふーん……。まあいいや、早く入るか! お姉様のために! そしてお姉様の中に! ふひひ!」
女「性欲は人をここまで動かすのね……」
婦警「まだ生存者がいたとは……」
男「俺、男です! よろしくお姉さん!」
女「女です。よろしく」
婦警「ああ、よろしく」
警官「婦警、そろそろ交代の時間だ」
婦警「はい。ありがとうございます」
警官「やれやれ……、まさか拳銃がこんな風に役立つ時が来るとはな……」
婦警「そこの君たち。案内するよ、ついてきなさい」
男「は~い!」
女「ノリノリだね……」
婦警「この署には、数百人の生存者がいるんだ」
女「世界中が混乱しているこの状況で、よくそれだけ助けられましたね」
婦警「当然だろう。市民を守るのが我々の役目だ。……だが、そのために払った犠牲も少なくはない」
男(なんかすっげぇディープ……。俺の童貞喪失サクセスストーリーはどこへ?)
婦警「死して尚歩き出す同僚たちをこの手で撃つのは……なかなか辛いよ」
女「お気持ち、お察しします……」
婦警「なんだかすまないね。君たちにこんな事を言っても、不安を増長させるだけだというのに」
男「い、いえ! あなた様のお話だったらどんなことでも喜んで聞かせて頂きます!」
婦警「そうか。……ありがとう」
男「いえっ!」
女「……元気ね」
婦警「ここが生存者に待機して貰っている道場だ。狭いかも知れないが、我慢してくれ」
男「いえ、そんなことは……。婦警さんはどちらへ?」
婦警「屋上で……風を浴びてくる」
男「あの、お供させて貰っても良いですか?」
婦警「ああ、別に構わないが……」
男「よっしゃー!」
婦警「変な子だな、君は」
男「女さんはどうする?」
女「私は、ここで少し休むわ……。疲れちゃったもの」
男「そっか。じゃ、そういうことでっ!」
女「……本当、元気ねー」
婦警「……風が気持ちいい……が……見える景色は地獄そのものだな」
男「はい……」
婦警「君は……どうしてここまで生き延びてこられた?」
男「え?」
婦警「君たちの逃げてきた方向は、既にゾンビどもで一杯だ。……どうしてなんだ?」
男「さ、さぁ……?」
男(女さんがいたからかな?)
婦警「……守るべきものがあるから、かい?」
男「え?」
婦警「一緒に来た子……、君の彼女だろう?」
男「ちちちち違いますよっ! 俺はあいつより、断ッ然、婦警さんの方が好みですから!」
婦警「くく、そうかい……。嬉しいことを言ってくれる」
婦警「……少し昔話をして良いかな」
男「は、はぁ……」
婦警「まだ私が警官になりたてだった頃……、私には交際していた人がいたんだ」
男(や、やっぱり婦警さんも大人の女性だしなぁ……)
婦警「彼は、元気な人だった。どことなく、君に似ているよ」
男「俺に……。……ん? だっ『た』?」
婦警「ああ……彼は、踏切に入ってしまった子供を助けるために、その命を散らした」
男「……」
婦警「……その場には、私もいた。だが……私には飛び込む勇気がなかった。死んでしまうかも知れなかったからね」
男「婦警さん……」
婦警「私は卑怯だったな……、うん」
男「……」
婦警「彼は……死ぬ間際にこう言った。『お前は望んでこの職に就いたんだろ? その事をよく考えてくれ』ってね」
男「……それで、婦警さんは……」
婦警「うん、たとえ自分が死ぬことになろうと、全力で市民を守ると誓った。私にあるべき姿を見せてくれた彼のためにも」
男「……婦警さん」
婦警「いずれ、この警察署も陥落するだろう。……だが、ここに来た人たち、私たちを信頼してここまで来てくれた人たちはぜったいに守り抜く」
男「……あなたなら、婦警さんなら出来ますよ。ぜったい!」
婦警「ありがとう。彼もきっと同じことを言っただろうね」
男「……はい」
婦警「……会って間もないのに変な話をしてしまったね」
男「いえ、婦警さんのことを知れたようで、なんだか嬉しいです」
婦警「そうか、それはどうも。……君は……」
男「?」
婦警「……君は必ず、彼女を守りきるんだよ。私との約束だ」
男「……あー。はい」
婦警「煮え切らないな?」
男「あ、多分彼女タフなんで……」
婦警「男としてそれではいかんな……。私が男とはなんたるかを教えてやる!」
男「え、ちょ! どうせなら保健体育を教えて欲しかったりなんかしちゃって!」
婦警「ほう、今時良い子だな」
男「マジですか!?」
婦警「薬物は怖いぞ……」
男「そっちか!」
【道場】
女「人が一杯……。うーん、でも……それじゃあ男さんとの契約違反か」
女「お腹減ったなぁ……」
女「……横になったら忘れるかな?」
女「…………ぐぅ」
婦警「つまりだ。麻薬は依存性が高くてだな」
男「はいっ! クロロホルムで誘拐なんて無理って事ですね!」
婦警「そんなことは言っていないぞ男君!」
男「はいっ! つまり六ヶ月経てば落とし物が俺のものに!」
婦警「それも違う!」
男「すいませんっ!」
婦警「……もしかして君、寝ぼけていないか?」
男「すいませんっ! 正直、昨日から一睡もしていません!」
婦警「それであの娘をここまで連れてきて……。大変だったろう、ふむ、講義は中止だ」
男「ありがとうございます!」
婦警「道場は狭い。屋上でのんびりと寝るが良いさ。……夕日も綺麗だ」
男「でも、婦警さんの方が綺麗です!」
婦警「君は……よくそんな台詞が言えるね。お世辞が上手い」
男「偽りなく俺の本心です! 俺は婦警さんに一目惚れしました!」
婦警「……寝ぼけているんだろう? もし起きていたとしたら、趣味が悪いよ」
男「いえっ! 俺は女性には嘘をつかないつもりです!」
婦警「……そうか……」
男「婦警さん……」
婦警「すまない……やはり、私の中にはあの人がいるんだ……」
男「そうです、よね……」
婦警「だけれども……膝枕くらいなら、彼も笑って許してくれるさ」
男「え!」
婦警「筋肉質で堅いかもしれないが、私の膝でよければ……どうぞ」
男「お、お、おおおおお願いしますっ!」
婦警「その……」
男「なんですか? ……あー、婦警さんの膝枕気持ちいいー」
婦警「堅くないかい? 頭は、痛くない?」
男「全ッ然、大丈夫です! どうしてですか?」
婦警「ああ、その……膝枕はしたことがなくて…………」
男「じゃあ俺が、婦警さんの初めてを頂いたって事ですね!」
婦警「君ッ! その言い方はよくないぞ。警官として修正してやる」
男「うはっ、体くすぐるのは無しですってば、うひゃひゃひゃ!」
婦警「君のような変態さんにはこうだっ」
男「うわ、やめて、やめてくださいってば、あひゃひゃ!」
【道場】
女「……目が覚めちゃいました」
女「男さんは……屋上でしたね」
女「……邪魔してあげましょうか」
女「でもそれだと契約違反……。性交渉できていたらどうしようも……」
女「男さんに限ってそれはないですよね」
女「しかしお腹が空きました」
女「思えば昨日今日と何も食べていません」
女「ご飯……いっぱい……」
女「ちょっとくらいならバレませんよね……」
女「馬鹿な男の一人や二人、トイレに連れ込んで首筋をがぶりと……」
女「でも、それで良いの……?」
女「……ま、食欲には勝てませんからね。あははっ」
チンピラ「あー、可愛い娘いねぇかな。こんな時だからこそハメまくれるだろうしな」
女「あのー、そこのお兄さん」
チンピラ「おっ、なになに、俺に何か用?」
女「あの……下が疼いちゃって仕方ないんです……だから……」
チンピラ(きたきたきたあああああああ!)
女「あの、誰もいないトイレで……ね?」
チンピラ「そうだね! 早く行こう!」
女「……ご飯ゲット」
婦警「……夜だね」
男「夜ですね」
婦警「そろそろ交代の時間かな……」
男「ああ、なんと名残惜しい……」
婦警「喜んでくれたようで、何よりだよ」
男「いやあ、もう、俺の思い出アルバムの頂点です、これは」
婦警「ありがとう……。君のおかげで、もっとがんばれる気がするよ」
男「本当ですか!? それじゃあじゃんじゃん俺のために膝枕してください!」
婦警「君はすぐ調子に乗って……」
男「あははっ」
チンピラ「ああ、君……早く……」
女「もう、そんなにがっつかないでくださいよ……。お楽しみはこれからなんですから」
チンピラ「そうは言っても……もう、我慢の限界を越えて……」
女「行けませんよ、そんなんじゃ……。だから女性にモテないって、早めに気づくべきでしたね」
チンピラ「へ、何を……?」
女「良いこと教えてあげます。今からあなたは――」
チンピラ「え……?」
女「――私のご飯になれるんですよ」グチャッ
チンピラ「あ、がっ……」
女「やだ、まずっ……。でも、食べなきゃ辛いですし……我慢我慢♪」
グチャ、バリッ、ベリッ……ギュチャグチャ、ムギュ、ブスッ、ジュチャズチャ……
女「……ま、適当に放置しときましょ」
チンピラ「……」
女「う~ん、味のランクはDマイナス。もっと美味しくなる努力をしなさい」
女「なんて、言っても無駄ですけどね」
女「……血で汚れちゃってるなぁ……。顔洗いましょうっと」
【屋上】
男「……婦警さん……、あの、さっき、ここにいる人みんなを守るって言ってましたよね」
婦警「言ったね」
男「その中に、あなた自身は含まれてますか?」
婦警「……」
男「自己犠牲って、格好良いかもしれないけど、その実……最低なことだと思います。俺は、ですけど」
婦警「……」
男「それだけです……。ごめんなさい」
婦警「……何かを犠牲にしてでも、守らなくてはならないものがあるんだよ。私はそう信じている」
男「婦警さん……」
おばさん「やだわ、こんな時に尿意が……って、きゃああああ!?」
チンピラ「……」
おばさん「ひ、人が死んでる……人が死んでるわああああああ!」
チンピラ「……ぅ」
おばさん「う、動いた? 息があるの、あなた、ちょっとしっかり!」
チンピラ「……う、うおああー」バッ
おばさん「え……」
グチャ
婦警「……なんだか下が騒がしいな……? なにが……」
警官「婦警! まずいぞ、署内に奴らが入り込んで……!」
婦警「なんだと……!? すぐに行く!」
男「え、署内にゾンビ……女っ!?」
婦警「男君、君は逃げろ! 彼女と一緒にだ!」
男「は、はい……って、婦警さんは……!」
婦警「生きている人はいる。その人たちを逃がしきるまで、私はここで戦う!」
男「でも、それじゃあ!」
婦警「……死ぬかもな。それでは、またいつか――いつか会おう、男君!」
男「婦警さん、婦警さぁぁぁぁぁんっ!」
【道場】
女「阿鼻叫喚の地獄絵図とはこのことですか……」
男「女さんっ!」
女「あ、助けに来てくれたんですか?」
男「いやそれはない。……逃げるぞ!」
女「あれ、聞かないんですか?」
男「聞くまでもないだろ、くそっ!」
女「……そうですか。怒ってます?」
男「わりとな……! あらかた食欲に負けたんだろ……!」
女「大正解、賢いですね、男さん」
男「んなこと言ってる場合かよ!」
女「まあまあ、多分男さんは死にませんよ」
男「んなことじゃない……、婦警さんが死んじまうかもしれないだろ!」
警官1「くそっ、撃っても撃ってもきりがない!」
婦警「生きている方は、焦らずに、一列に並んで、この扉を出て市の体育館まで逃げてください!」
警官1「弾切れかよ、くそっ! 婦警、予備の弾薬は!?」
婦警「残りわずかだ……。署長たちも外で戦っているが……」
警官2「婦警さん! 生存者の列からゾンビが!」
婦警「なんだと!? 死体を抱えて並んでいたというのか……愚かな!」
警官3「ダメだ、列がぐちゃぐちゃになってる! 俺たちも逃げないとまずい!」
婦警「だが……、生きている市民がいるんだ! その人たちを助けない限り!」
警官3「馬鹿! 確かに俺たちの役目は市民を守ることだ! けど、生きてなかったらその役目すら全うできないんだぞ!」
婦警「…………くっ」
男「おいおい、俺たち完璧に逃げ遅れてないか」
女「どどんまい」
男「ふざけてんのかあんた」
女「私……男さんとなら……」
男「こんな時だけラブロマンスモード入るなよ……。つーかあんた死なないだろ」
女「じゃあ、死なないことを生かして戦います!」
男「どうやってだよ……武器なんて……」
女「このさすまたで」
男「……頑張ってください」
女「私に任せなさい! ほあたああ!」
男(あれ、こいつが元凶だよな……? でも、今は生きることが重要だ!)
【廊下】
婦警「くそっ、墜ちろカトンボ!」バンッバンッ
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あうー」
婦警「きりがないっ!」
ゾンビ「あー」
婦警「後ろっ!?」
男「飛んでけぇっ!」ズガンッ
婦警「男君!」
男「婦警さん、助けに来ました!」
女「正確には助けられに来ました、ですね」
婦警「まだ逃げていなかったのか!?」
男「女さんと合流するのが遅れて……。とにかく、今は逃げるのが先決です、逃げましょう」
婦警「だが……」
男「まだ渋っているんですか! 何かを犠牲にした上で得た結果に価値なんてないんですよ!」
婦警「!」
男「今は逃げましょう! ……命がある限り、挽回するチャンスはあります!」
婦警「……わかった……」
女「格好良いですね、男さん」
男「そりゃどうも」
女「ふふっ、恋する男の子は強いですね」
男「うるさいっ」
婦警「仲が良くて羨ましいことだ」
【出入り口】
ゾンビ「あうー」
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あー」
ゾンビ「うおー」
男「ゾンビだらけ……! どうすりゃいい……!」
婦警「向こうの部屋に行こう! 扉は頑丈だから、少しの間立てこもって考える時間はある!」
女「それしかないみたいですね」
男「くっ、何が何でもみんな生きて脱出するぞ!」
【小部屋】
男「って取調室かよ!」
婦警「くく、なかなか頑丈だとは思うよ」
女「出口は……外へ続く窓……ただし鉄格子付き」
男「ぶっ壊せば何とかなるか……! 早く壊そう!」
婦警「だが生憎と私に武器はない……。拳銃はあるが、弾も残りわずかだ」
男「貴重な武器を使うわけにも行かないですし……。金属バットじゃ力不足だ……」
女「このさすまた、使えませんかね」
男「……いや、使えるかもしれないな……。てこの原理で無理矢理……」
女「力技なら任せてください」
男「……流石ゾンビ」
婦警「?」
女「くっ、とっ、はああっ」
男「頑張れ、女さん!」
女「堅いですねこれっ! 腹立たしいッ!」
男「いやまあそりゃ堅いだろうよ」
ゾンビ『うあー』バンバンバン
婦警「まずいな……奴らはこっちに気づいているようだ……。いくら頑丈とは言え、大質量で扉にのし掛かられれば終わりだ」
男「くそっ、女手伝うからいっせーの、でいくぞ!」
女「了解っ」
女「いっせー!」
男「のーっ!」
ガキンッ ドバッ
ゾンビ「うああああー」
ゾンビ「あうあうあうー」
ゾンビ「うおおおおおー」
婦警「くそっ! 男君、女さん、早く外へ!」
男「わかりました! 婦警さんもなるべく急いで……」
婦警「いや、私は死に場所を見つけたよ……男君」
男「何をっ!?」
婦警「悪いけど、このさすまた、お借りするよ!」
女「あ、はいどうぞ……」
男「最後の最後で何してんですか! みんなで逃げるから意味が――」
婦警「ここで私が逃げても、このゾンビどもは必ず追ってくる。……ここで、足止めしておいた方が君たちが助かる可能性は高い」
男「だけど!」
婦警「受け取れ男君ッ!」
男「えっ? ……拳銃……」パシッ
婦警「私が私であったことの証だ! 最後に君を守って死ねるのならば、それも悪くない!」
男「婦警さん!」
婦警「……君からの告白、嬉しかった」
男「婦警さん、ダメですってば、そんな……!」
婦警「……さようなら……! 必ず、必ず生き残ってくれよ……!」
男「婦警さん!」
婦警「婦警巡査、突貫します!」ダッ!
婦警「うおおおおおおおおおおおっ!」
ゾンビ「あうー」
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あうあうあうああー」
ゾンビ「うおおおおあー」
男「婦警さん……!」
婦警「……逃げ、て…………!」
ドチャッ……ブシャア……グチャ、グチャ……
男「うわああああああああああああああ!」
女さんの小ネタ講座
女「婦警さんは、ガンダムが好きだったようだね」
女「台詞の端々に、色々あるよ」
女「じゃねー」
晩飯食べてくる
婦警さんのイメージ
・黒髪パッツンショートヘア
・ツリ目
・ひんぬー
・ガンダムが好き。ロボアニメ全般が好き
男「……」
女「男さん……」
男「……どうして……婦警さんは……」
女「……」
男「……どうして、君は……」
女「……」
男「…………くそっ」
女「……ごめんなさい」
男「謝るなよ……謝らないでくれよ……」
女「でも……」
男「君が謝ってしまえば、君を責めて責めて責めるしかなくなるだろ……」
女「男さん……」
男「君はゾンビだ。……それはもう、どうしようもない事だから……仕方、なかったんだよな……」
女「……」
男「……生きよう。俺は生きるよ、女さん……」
女「……そう」
男「まあ……その前に、童貞喪失しなきゃね……」
女「お手伝い、します……」
男「……そうと決まれば……行こうか……」
女「……うん」
女「どこに行くの……?」
男「ショッピングモールかな」
女「え?」
男「中に立てこもれば、数日間は生活できるよ」
女「ついでに童貞喪失?」
男「出来ればいいけどね……」
女「うん、まあ頑張ってね」
男「おうよ」
女(……男さんには、悪いことしちゃったよね……。それでもこうして笑ってくれる……。ごめんなさい……)
男「どうした女さん。早く行こうぜ」
女「あ、うんっ」
【ショッピングモール】
男「おー、人が一杯いる」
女「バリケード……これはすごいね」
男「すんませーん、中に入れてもらえませんかー」
おっさん「おぉー、まだ生きてる奴がいるとは。入れ入れ」
男「どうもっ!」
女「ありがとうございます!」
おっさん「いいってことよ! 中でゆっくり休みな!」
男「はい! 女さん、行こう」
女「うん」
女「…………」
男「なんか、元気ないぞ、女さん」
女「そうかな」
男「……婦警さんのことは」
女「!」
男「もう、大丈夫だから。……食欲には勝てないもんな」
女「……」
男「ったく……、君ってそんなにうじうじする奴だったっけ?」
女「……でも」
男「あー、イライラする! 女さん、デートだ、デートしようぜ!」
女「デート……?」
男「デートだ」
女「でも私……ゾンビだし……」
男「いーんだよ、俺が君とデートしたいんだからさ! ……ここまで一緒に生きてきた仲だろ?」
女「……はい」
男「まあまずは順当に……ショッピングだな」
女「……ショッピングモールだもんね」
男「何が見たい? 服? ブランドものがいっぱいあるけど……」
女「服はあまり興味がないなあ」
男「元が良いのにそれじゃあもったいないだろ……。なんか新しいのにしようぜ。……俺たちどっちも、服汚れてるし」
女「うん……」
男「ほら、元気だせってば!」
女「……」
男「……うーん、これは難度が高いミッションだ……。俺の童貞喪失より難しいんじゃ」
男「よし、女さんはこれが良いな!」
女「……」
男「……おーい……」
女「ごめんね……」
男「あのなー、女さん……。謝るんだったら、どうして俺についてきたんだ?」
女「……それは……」
男「いやまあ無理に言わなくても良いけどさ。……俺は童貞喪失のため、女さんにまだまだ協力して貰わなきゃならないんだ」
女「うん……」
男「だから、そう落ち込まれてると調子が狂う。俺を食べるぞーって意気込んでた頃の女さんに戻って欲しいな」
女「……男さんは、それで良いの」
男「なにが」
女「私が、婦警さんを殺しちゃったのに……」
男「あのさ……怒るよいい加減」
男「あれは仕方のないことだし、婦警さんが結局ああする事を望んだんだ」
女「……」
男「それに、遅かれ早かれ警察署は陥落するって婦警さんも言ってた。……ただ、それが少し早まっただけのことだ」
女「……」
男「つーか、君はゾンビだろ? いちいち死んでしまった人のことを考えてどうするんだよ」
女「そう、だけど……、でも……。男さんは、空元気を出してるみたいで……。それが、私のせいだから、見ていられなくて……」
男「空元気ねぇ……。確かにそうかもしれんよ。けどね……、俺は今生きてる。過去を振り返るよりも、前を見て歩いた方がよっぽど良いだろ?」
女「……」
男「前を見るためだったら、空元気でも何でも出してりゃいいのさ。……いつか必ず、心の底から元気になるよ」
女「……男さん……」
男「そして元気になるためには童貞喪失が一番だ。だろ?」
女「うん……」
男「童貞喪失のために、君は俺に協力してくれると言った」
女「うん……」
男「俺が空元気出してるって思うんだったら……君は何をしてくれればいいのか、わかるね?」
女「うん……!」
男「良い子だ。……今日は、休もう。……デートはまた明日だ」
女「うん……」
男「……家具販売店にベッドがあったから、そこで少し休もう」
女「うん……。男さん……」
男「何?」
女「……一緒に寝ても良い?」
男「……あ、うん……」
男「……何故こんな事に……。童貞喪失前に女性とベッドインとは……」
男「むしろベッドインするから童貞喪失? ……いやわけわからん」
女「何言ってるの?」
男「今のこの状況を理解できないんですよ」
女「うん、私も。……何で一緒に寝たいなんていったんだろ」
男「それこそわからんわ」
女「……なんだか、落ち着く」
男「俺は全然落ち着かないけどな」
女「……暖かいね、男さん」
男「女さんは冷たいな……ゾンビだし」
女「そこは……優しく抱きしめるところじゃないの?」
男「無理です。童貞にそんな度胸ございません」
女「じゃあ私から抱きつく」
男「おい……、女さん、なんかおかしいぞ?」
女「さっきも言ってたじゃない」
男「いやさっきとは別ベクトルで」
女「……そう? 嫌? 嫌ならやめるけど」
男「嫌じゃないけど……。女さん美人だし……」
女「ふふ、ありがと」
男「……それにしても百八十度性格が違うがな」
男(結局朝まで悶々として眠れなかった……。童貞は辛いぜ)
女「ん……んぅ、おはよう……男さん」
男「あ、ああ、おはよう……」
女「顔赤いよ?」
男「服がはだけてる……」
女「あ、ほんとだ……。見る?」
男「いらんっ! ……それにしても、女さん……、細胞が崩壊を始めてるって言う割には、まだ綺麗な体だね」
女「……え? あ、うん……それもそうだね」
男「それに、ゾンビのくせに知能も高い……」
女「へ!?」
男「……無理に聞く気はないけど、何か隠してるだろ」
女「……ごめん」
男「そっか。……ま、いいや。女さんは女さんだし。……さぁてどうする?」
女「何が?」
男「デートだよ、デート」
女「デート……」
男「デート」
女「……昨日は見れなかった洋服とか……、映画とかも良いかも」
男「……映画ってやってんのか?」
女「あ」
男「……うーん、ま、考えるより行動した方が良いか。このショッピングモール、全長2kmらしいしな」
女「そんなに?」
男「全部の店回れば、時間なんてあっという間に潰れるよ」
女「楽しみだなぁ……」
男「そうと決まれば早く行こうぜ」
女「ねぇねぇ、この服、どうかな?」
男「似合ってるけど……こっちの方が良いな」
女「……センスないね……」
男「うるさい。童貞を舐めるな」
女「それ自慢する事じゃないでしょ」
男「うるさいっ! 童貞で何が悪いか!」
坊や「ままー、どうていって、なにー?」
ママ「だめよ坊や、見ちゃいけませんっ」
坊や「はーい。ばいばい、どうていのおにいちゃん」
男「あの子供童貞の意味わかってんじゃねえだろうな……!」
女「考えすぎだよ、あははっ」
今北産業
>>158
童貞喪失
目指して
女と男の珍道中
男「おぉー……綺麗だな……」
女「そ、そうかな……」
男「似合ってると思う、凄く!」
女「お、お世辞が上手いね、あはは」
男「俺は……女性には嘘をつかないつもりだ!」
女「そ、そうなんだ」
男「そうだ。だから、今の女さんは本当に綺麗だよ」
女「……ありがと」
男「じゃあ、次は何にしようか?」
女「小物とか見てみたいかな……」
男「よし、行こう!」
女「それにしても……いいのかなぁ」
男「なにが?」
女「洋服、無断で持ち出して来ちゃったよ?」
男「こんな状況で金儲けしたがる奴なんていないってことだね。……どうなるのかな、俺たち」
女「いつか必ず、死んじゃうだろうね……。そしてゾンビになる」
男「ま、それなら生前に楽しい思い出を作っておくに越したことはないな」
女「うん……っ!」
男「アクセサリーショップか」
女「可愛い……。ね、見ても良いかな?」
男「良いに決まってるだろ。そのために来たんだから」
女「えへ、そうでした……。うわぁ…………」
男(熱心に選んでるな。……さて、俺は……おっ)
女「男さん、ねぇ、このネックレス、どう思う?」
男「ん、ああ、可愛いんじゃないかな。……でも、女さんには少し子供っぽく見えるよ」
女「そうかなぁ……? 可愛いと思ったんだけど」
男「俺はこっちをオススメするね」
女「……男さん、やっぱりセンスないよ」
男「う、そうか……」
女「でも……男さんが選んでくれたんだったらこれでもいいかなー、なんてね」ニコッ
男(その笑顔は……反則です……)
男「……結局、それにするのか?」
女「うん、男さんは、これが似合ってると思うんでしょ?」
男「まあな」
女「じゃあ、これで決まりだよ。……はい、これ」
男「……ネックレス?」
女「おそろいのなんだけど……ダメかな」
男「いや、ダメじゃない。……喜んでつけさせて貰うよ」
女「ありがとう、男さん」
男「いやいや、むしろ美人とペアルック出来る俺の方からお礼を言うべきだ」
女「ふふ、私、男さんに会えてよかった」
男「おいおいいきなり不吉な事言うなよ。そいつは死亡フラグだぜ」
女「そうかな? ごめんごめん。ただ、一応言っておきたいと思って」
男「そいつはどういたしまして、だな」
風呂入ってくる……そして眠い
【女さんのワンポイント講座】
女「幼さんの彼氏はDQNって名前だったけど、実際は違ったよね」
女「これは、作者が書きだめ投下していないことの表れだね」
女「初めは糞野郎を書くつもりだったらしいよ」
男「飯にするか?」
女「うん、お腹減っちゃった」
男「……って、それはいかんいかん……」
女「あ、大丈夫だよ……?」
男「なにがだ。人を食べたらだめだぞ」
女「蛋白質をたくさん摂れればいいから……、お肉十五人前くらいかな」
男「……食い過ぎだろそれ」
男「……あ、なあ……」
女「なに?」
男「精子って蛋白質が――」
女「――フルスイング!」ズバンッ!
男「ぶほっ!」
女「そ、そういうのはまだ早いっ!」
男(……昨日ベッドで寝なかったっけ……)
男「よし、こんなもんかな……。これくらいでいい?」
女「うん。山形牛、飛騨牛、松阪牛、オージービーフ……って、一つだけ見劣りするね」
男「いいじゃん、量が多いし」
女「まあ、そうだけど……。それにしても、このモール、まだ電気が通ってるんだね」
男「そういやそうだな。……まだ発電所は死んでないって事か……?」
女「だとすると、ここが潰れたら行くところは決まりだね」
男「あんまりそういうことは考えたくないもんだけどな……」
女「そうだね、私も同じ」
男「今、こうしてのんびり流れてる時間は……かけがえのないものだよ」
女「……うん」
男「いただきまーす」
女「いただきます」
男「しかし女さん、生肉で良いのか?」
女「うん。問題ないよ」
男「まあゾンビだしな」
女「うん、ゾンビだもん」
男「……あー、このサラダ美味い! やっぱトマトは野菜で一番だぜ」
女「わかんないなー」
男「なにが?」
女「肉ほど美味しくて肉ほど素晴らしい食べ物はないのに。……もぐもぐ」
男「まあ、そりゃ君からしたらそうだろうけどさ」
男「ごちそうさま」
女「ごちそうさまでした」
男「あー、食べた」
女「食べたね」
男「今度は……アミューズメント系のとこに行こうか」
女「ゲームセンターとか?」
男「いいね。久しぶりにガンシューやりたいな」
女「ゾンビ撃つ奴? 私もやりたいな」
男「よく考えると、なんかそれおかしい図だよな」
女「ふふ、そうだね」
男「ま、いっか。よし、次の目的地はゲーセンだ」
女「おー」
【ゲームセンター】
男「あれま、なかなか盛況だね」
女「仕方ないよ……。閉鎖された状況で、娯楽はこれくらいしかないんだから」
男「全くだ。……その分、クレジットなしで稼働するようになってんのか」
女「そうでもしなきゃやってられないよ、きっと」
男「だな。……どうする? 音ゲーでもやるか?」
女「ガンシューティングじゃないの?」
男「いやでも……、ほら、あの人だかり」
女「……うーん、凄腕の人なんじゃない? 見に行こっ」
男「うわっ、引っ張るなって……!」
【ガンシューティングゲーム筐体前】
周り「うお、すげえ!」
周り「なんだこいつ……、ほとんど神業じゃねえか」
周り「こいつにモノホンの銃持たせたらゾンビ殺せるだろww」
キモオタ(ふひっ、ついに僕が脚光を浴びる時が来た……!)
キモオタ(今までは周囲の罵倒に耐えながら、一人寂しくガンシューの腕を磨く毎日)
キモオタ(だけど今の僕は違う! 僕はヒーローだ! 今の僕は……何でも出来るんだ!)
男「うっひゃー、すげぇなあの人」
女「ほんと。全部クリティカルヒットじゃない?」
男「やっぱり得意な人はとことん得意なんだな」
キモオタ(ふひひ、もっと僕を褒めろよ、崇めろ、称えろよ! ふひひ!)
キモオタ(これでっ……! クリアだ!)
周り「おおおおっ! 文句なしのパーフェクトクリアだ!」
周り「すげぇ、すげぇぞこの人!」
周り「俺は今神を見た! 神 降 臨 !」
キモオタ「いやいや、それほどでもないですよ」
男「さて、と、じゃあ次は俺たちの番だな」
女「あんな凄い人の後だと、恥ずかしいなあ……」
男「何言ってんだよ。楽しめればそれで良いんだよ、ゲームなんて」
女「それもそうだね」
キモオタ(こいつらか、次のプレイヤーは……)
キモオタ「君たちにクリアできるかはわからないけど、せいぜい頑張ってね」
男「そのつもりだよ」
【ステージ1】
男「女さん、君は俺のフォローに回って。仕留め損ねた奴を頼む」バンバンッ
女「任せてっ。えいえいっ、墜ちろカトンボ!」バンバンバンッ
男「おらおらおらっ」バンバンバンバンッ
女「えーい!」バンッ
周り「おー、このカップル、凄い連携の良さだ!」
周り「さっきの神よりも少し頼りないけど、それでも良い感じだぞ!」
周り「行け行け兄ちゃんと姉ちゃん!」
女「あはは、カップルだってよ」バンバンッ
男「そう見えるのかねぇ……?」バンバンバンッ
【ステージ1・ボス】
キモオタ(ここがビギナー最初の難関……。みんなに褒められて舞い上がってるようだけど、どうなるかな?)
女「うわっ、ボス気持ち悪い……」
男「グレネードを口にぶち込むんだと。女さん、頼むね」
女「りょーかいっ」
男「くらいな化け物!」バババンッ
女「グレネード!」バシュッ
周り「おお、やっぱり息が合っている!」
周り「兄ちゃんに隙が出来たら姉ちゃんがカバー、姉ちゃんに隙が出来たら兄ちゃんがカバー!」
周り「凄いぞこの二人! 妬けるぜ!」
男「後一発だ。ノーダメクリアってとこか?」
女「くらえっ! ふん……他愛もない。鎧袖一触とはこのことか……なんてねっ」
周り「いけいけアベックッ!」
周り「古いぜおっさん!」
周り「黙れ! この二人を応援するぞ!」
周り「頑張れ~!」
女「なんだか凄い熱気だね」
男「いつの間にか最終ステージだ……まあ、仕方ないな」
女「しかも何気なくノーダメージだよね」
男「女さんがパートナーだからかな」
女「ありがとっ。さ、始まるよ!」
キモオタ(な、なんてことだ……。既に愚民どもの関心は僕からこの二人に移っている……!)
キモオタ(これはいけない……! どうすればいい……、考えるんだ僕!)
【最終ステージ】
女「さぁ、最終ステージ、生本番行くよっ!」
男「下品な表現はやめろよ……」
女「何考えてるの……」
男「なんでもないですっ。……さぁ、やるぞ!」
女「了解ッ!」
男「ちっ、流石に最終ステージともなるとなかなかきつい、な……!」
女「そうだね、ダメージ受けちゃったね男さん……」
男「だけど、ダメージ受けてても死んでるわけじゃない!」
女「そうだ、その意気だよ!」
キモオタ(ふふ、残念だったね……。序盤でダメージをうけているようじゃ、中盤を乗り越えられない)
キモオタ(そうすると、男が死んで、残るのは可愛いこの娘一人……)
キモオタ(そこに僕が颯爽と登場すれば……、みんなの関心とこの娘のハートも僕のものだ……)
キモオタ(我ながら、笑いが止まらないよ、ふひ、ふひひひひ)
男「くそっ! 死ぬのかっ!」
女「男さんっ!」
男「死んだっ、悪い……!」
キモオタ「僕に任せてっ!」ガチャッ……バンバンバンッ
女「え?」
キモオタ(決まった! これでみんなの関心が僕の……もの……)
周り「なんだあいつ」
周り「空気が読めてないというか何というか」
キモオタ(な、なんだよこの評価!)
男「……あー、そのなんだ……。どうぞ続けて」
キモオタ「あ…………うん……」
女「あの、あなただったら一人でも大丈夫ですよね……? それじゃあ」
キモオタ「え、君……あ……」
周り「こいつなんだよ」
周り「頭おかしいんじゃねえのか」
周り「増長しすぎって事だな」
周り「目立ちたがり屋って事か」
周り「でも結果として目立ててるわけだし、成功じゃね?」
周り「違いねぇ、あはははは!」
キモオタ(くそっ、くそっ、くそっ! なんでだよ、このゲームは僕が一番上手いんだ! 僕が一番上手く扱えるんだ! くそっ!)バンバンバンッ
キモオタ(死ね、死ね、ここにいる奴らはみんな死ねッ!)バンバンバンバンバンバンッ
男「ふー、なんだったんだ? あの人」
女「わかんない。けど……面白かったね」
男「そうだな。次はどうする?」
女「音ゲーしようよ」
男「音ゲーは俺の得意分野だぜ」
女「そうなのっ?」
男「マイバチあるからな」
女「……無駄に用意が良いね」
男「マニアとはこういうものさ。童貞舐めるな」
女「童貞関係ないじゃない」
キモオタ(くそっ、くそっくそっ……! 僕は、僕はただ……)
キモオタ(みんなに評価して貰いたかった、褒めて貰いたかっただけなのに……!)
キモオタ(それなのに……! あいつが、あいつらが! 憎い……! 憎いよ……!)
キモオタ(殺したい、殺してやりたい……! でも、そんなこと出来るわけがない)
キモオタ(僕は所詮、ピザでキモいオタクだ……。もう、死のうかな……)
キモオタ(どうせ……、生きている意味なんてないんだ……)
キモオタ(死んだらどうなるのかな? ゾンビになって……)
キモオタ(どうでも良いか、そんなこと……)
【モール・出入り口】
キモオタ(……ここから出れば、一歩踏み出せば死の世界だ)
キモオタ(……あはは、死のう、早く死んで、楽になろうっと……)
ゾンビ「うあー」
キモオタ(でも待てよ……? 僕だけ死ぬのは不公平じゃないか)
キモオタ(……みんな平等に……。最後くらい……僕のわがままが通っても良いじゃないか)
ドガッ、ドガッ、ドガッ
おっさん「ちょ、兄ちゃん! なにやってんだ! 奴らが入って来ちまうぞ!」
キモオタ「構いやしませんよ! 僕は死ぬ! でも、僕だけじゃ不公平なんだ!」
おっさん「な、何言って……!」
キモオタ「ミッション・コンプリート……」
おっさん「ぞ、ゾンビどもが……」
キモオタ「――地獄のショッピングモールへようこそ」ニヤリ
男「なんか外が騒がしいな」
女「ほんとだね。どうしてかな?」
男「嫌な予感がするぞ……」
女「うん……。でも、大丈夫。必ず男さんは生き残るよ」
男「……そうだと良いな」
女「私が保証します」
男「ありがとう。……さて、何が……っ!?」
女「え……ゾンビ……!」
男「ここも陥落したのか!」
キモオタ「あははっ、踊れ踊れー! 今さっき、僕はモールにいる人たちの命を左右できた」
キモオタ「それって神にも等しいじゃないか! あははっ、僕は神になったんだ!」
ゾンビ「……うあー」
キモオタ「ひっ!」
ゾンビ「あうあー」
ゾンビ「うあー」
キモオタ「く、来るなよっ! 来るんじゃないっ!」
ゾンビ「うあー」
キモオタ「う、うわあああああ!」スタコラサッサ
ゾンビ「あうー」
ゾンビ「うーあー」
男「くそっ、金属バットだけじゃ心許ない! 何か武器は……」
女「隊長! チェーンソーがありました!」
男「マジで?」
女「マジです!」
男「とりあえず、女さんはそれで第一種戦闘配備につけ!」
女「了解!」
男「確かここには……射撃場があったはず! 俺はそこに行く!」
女「待って! 私も行く!」
男「けど……」
女「……男さんと一緒にいたい」
男「……わかった」
【射撃場】
男「婦警さんの形見……。弾薬は四つだけだから、これに合う奴を探さなきゃ」
女「でも、わかるの? 種類……」
男「わからん!」
女「だめじゃない……」
キモオタ「ひっ、ひっ、ひぃ……っ」
男「あ、さっきの人!」
キモオタ「え、お、お前ら…………!」
女「あのっ、あなた、銃について詳しくないですか!?」
キモオタ「じゅ、銃……? 人並み以上には……」
男「じゃあこれ、これは、なんていう銃かわかりますか」
キモオタ「……にゅ、ニューナンブ式38口径……」
男「ありがとう! 女さん、探すよ!」
女「うんっ」
女「あったよ!」
男「よし、それを出来るだけポケットに……!」
キモオタ「き、君たち……」
男「何?」
キモオタ「ま、まさか奴らと戦う気か……?」
女「うん。……生き残るためには、戦うしかないでしょ?」
男「そういうことさ。……よし、弾薬補充はすんだ」
キモオタ「あ、ま、待って……」
女「……?」
キモオタ「もし行くなら、この防弾チョッキを着けていった方が……」
男「それもそうだな、ありがとう! 俺は男、君は?」
キモオタ「き、キモオタ……」
女「ありがとう、キモオタさん。私は女です。生きてたら、また会いましょうね」
キモオタ「あ、いっちゃった……」
キモオタ「ぼ、僕は……あいつらを殺したかった……」
キモオタ「けど、あいつらは……」
キモオタ「僕に笑ってくれた……。僕は、最低なことをしてしまったんだ……」
キモオタ「これで良いのか……?」
キモオタ「僕は、最低なことをやるだけやって、そのまま震えているだけなのか……?」
キモオタ「違う、違うはずだ……」
キモオタ「僕だって、死ぬ前に出来ることの一つや二つがある……!」
キモオタ「幸いここには……銃がある……」
キモオタ「……僕は……やる……! 死ぬまで戦わなくちゃ……僕は一生、ダメな男のままだ!」
女「さぁ~、地獄のショウタイムの始まりよ~!」グィン、ガガガガガガガガ
ゾンビ「あうー」
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あうあうー」
女「天翔龍閃!」ズバババババババババ
男「なんて破壊力だ……。俺も負けてらんねえ! くく……選取り見取り!」バンバンバンッ
女「あぁん、もぅ! 血で切れ味が悪い……!」
男「無理しないで捨てろ!」
女「りょーかいっ! でも他に武器あったかなぁ」
男「そこに、鉄パイプが落ちてる!」
女「これで頭だけフルスイングしろってこと?」
男「イグザクトリィ」
女「危なくなったら助けてよっ」
男「ああっ! ……って君はゾンビだろうに」
女「今は……君と一緒に生き残ることだけを考えてる人間だよっ!」
男「そうかい! じゃあ、しっかりと護衛させて貰うぜ!」
トリはこれで良いかな?
いやはや、自分で書くのが面白いSSは久しぶりだ
女「当たってっ!」ズガンッ
ゾンビ「う、あー」ブチャッ
男「頭だけを狙って……撃つ!」バンッ
ゾンビ「あー……」ビチャッ
男「上手いこと倒せてはいるけど……っ、埒があかない!」
女「なにか、一気に倒せる方法があればいいけどね……!」
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あうあー」
男「くそっ!」バンバンバンッ
女「えーいっ!」ドガッ
『二人とも! 伏せてッ!』
男&女「!」
キモオタ「お前ら纏めて、光になれえええええええええ!」ババババババババ
女「き、キモオタさん!」
男「助けに来てくれたのか!」
キモオタ「……僕は最低な野郎だ! だから、贖罪のためにここに来た!」
男「……キモオタ君……」
キモオタ「別に君たちを助けに来た訳じゃない! ここにゾンビがたくさんいそうだったからだ!」
女「それでも……嬉しいよ!」
キモオタ「……。……ここに来たゾンビは、僕が責任を持ってみんな屠る! カラシニコフがあってよかったよ!」
日本のショッピングモールにakとか…
どうでしょう
>>298
「SSは雰囲気で楽しむもんだ」が俺の持論な
キモオタ「うわあああああああああああ!」
男「だ、大丈夫なのか?」
女「大丈夫じゃないかな……。一応頭に当たってるし」
男「……俺たちに飛んでこないよな」
女「だ、大丈夫じゃないかな」
男「……心配だ」
女「大丈夫だよ! ……多分」
キモオタ「うっひょー! これが人を撃つって事か! なんて……カ・イ・カ・ン……!」
男「……うぜぇー」
【数分後・モール広場】
男「何はともあれ、助かったよ……キモオタ君」
女「ありがとう、助かったわ」
キモオタ「だから、別に君たちを助けに来た訳じゃないんだ。僕が来たところに、たまたま君たちがいただけのことだ」
男「まあ、君がそういうのならそうなんだろうけどね。でも、おかげで助かったのは事実だ」
女「一緒に戦ってくれるの?」
キモオタ「……君たちが、どうしても、というんだったら一緒に戦ってもいいけど……」チラッ
男「頼む。……仲間は多い方が良いからね」
女「私からもお願い。……どう?」
キモオタ「そういうことなら仕方がないな、はは。僕に任せておきなよ」
男「ああ、よろしく」
やった! 俺もこれで勇者王だ!
男「……それで、君のいってた贖罪って……?」
キモオタ「いきなりそれかい……」
男「あ、嫌なら良いよ。話せる時に話してくれれば」
キモオタ「じゃあ、そうしてもらえるかな……」
女「……」
男「さてと、何はともあれ生存者救出だな」
キモオタ「え?」
男「え?」
キモオタ「生存者救出? なにそれこわい」
男「いや、普通やるだろう」
キモオタ「ここから生きて出るのが先決だろう!」
男「昔の俺だったらそう考えただろうけどね」
女「男さん……」
男「今の俺には、とある人の想いが流れてる。……生きているかもしれない人を、見捨てるわけにはいかないよ」
キモオタ「まあ……僕自身のことを考えると、文句も何も言えない奴だから……君に付き合うよ」
男「ありがとう。……さて、女さん、どこら辺に生存者がいるかな」
女「たぶん……食べ物がたくさんある食料品店当たりは全滅だと思う。……無機質なものばかりの区画なら……」
男「じゃあ、家具量販店当たりをメインにしようか」
女「それが良いと思うよ」
キモオタ「あの、質問……」
男「何?」
キモオタ「君たちは……恋人同士なのかい?」
女「え……」
男「あ……」
女「えっと、その、なんていうのかな……」
男「恋人だ」
女「ええっ!?」
男「だから、変な気はおこさないでくれよ」
キモオタ「ちぇっ、それは残念……。童貞には辛いよ、君たちの甘いムード」
男「俺も童貞だ」
キモオタ「ええっ!? 恋人って、出来たらすぐにヤるもんじゃないの!?」
男「そいつは間違いだ。なかなかガードが堅いんだよ、女さんは」
キモオタ「そ、そうなのか……。エロゲってやっぱり違うんだな……」
男「俺も彼女と付き合ってそれを知ったよ」
女(え、私が……男さんの恋人……? で、でも……そんなの、え、嬉しいけど、でも……)
男「つーか……」
キモオタ「?」
男「女さんに手を出したら即座に眉間ぶち抜くからそのつもりで」チャキッ
キモオタ「い、いえす、さー」
女「お、男さん」
男「ま、冗談だけどね。結構彼女シャイだから、あまりからからかわないであげてよ」
キモオタ「……」コクッコクッ
男「さ、家具量販店に行こう」
キモオタ「さ、三次元こわいよ……」
男「……おー、なるほど……簡易バリケード……」
キモオタ「な、中に入れないのか?」
男「無理っぽいなあ……。おーい、すいませーん」
モブ「悪いな兄ちゃん、今開けたら奴らが入って来ちまう! 他を当たってくれ!」
女「ふかふかのベッドは、望むべくもありませんか……」
男「参ったねぇ、どうも。ま、生きてる人がいるってだけめっけもんかな」
キモオタ「こ、この後はどうするんだ?」
男「無機質だらけの電機量販店だな」
キモオタ「あ。この前出た新型機のゲーム、プレイしていい?」
男「あ、俺もやる!」
【電機量販店】
男「ここにもバリケード」
キモオタ「くそっ」
女「……男さん、ここの人たち、このままじゃ死んじゃうよ」
男「どうして?」
女「食料を得る区画が全滅しているこの状況で、外界からの接触を断ってるんだよ。外には出ないつもりだろうから、飢えちゃうよ」
男「……。何とかして外に出せないかな」
女「無理だろうね……。飢えに耐えきれず、外に出てもゾンビたちが待ち構えているだけ……。何にせよ、閉じこもってしまった人々は……」
キモオタ「死ぬ、のか……?」
女「うん……。悲しいけど、これが彼らの選択だから」
キモオタ(死ななくてよかったはずの人まで巻き込んで……僕は……!)
男「キモオタ君?」
悪い、そろそろ寝る。
キモオタ君が大活躍のショッピングモール編はまた明日
スレが残っているととっても嬉しい
書き足りないからな。それじゃ、おやすみ
キモオタ「……もう、隠していても仕方ない……。僕のしてしまったことを、話すよ」
男「……」
女「……」
キモオタ「僕が……、このモールにゾンビを引き入れたのは、僕だ」
キモオタ「ゲーセンで……みんなに馬鹿にされたのが悔しくて悔しくて」
キモオタ「昔からそうだった。僕はとろいし頭も悪いから……、馬鹿にされてばかりだ」
キモオタ「でもあの時だけは違った……。僕はヒーローだったんだ」
キモオタ「けど……君たちが来て……」
キモオタ「みんなの関心が君たちに移って、結局ゲーセンにもいられなくなって。……死のうと思った」
キモオタ「どうせ僕に生きている意味なんてない。……それで、バリケードを壊して……!」
保守サンクス
早起き眠いです
キモオタ「僕の贖罪は……こう言うことだ」
男「……そっか」
女「……」
キモオタ「責めないのかい? 怒らないのか? 殴らないのか……?」
男「薄々……気がついてたしね」
女「隠し事が下手だよ、キモオタさん」
キモオタ「……、じゃあ、君たちは、そんな僕だとわかっていながら一緒に行動してくれてたのか……?」
男「……たとえ何かまずいことをしでかしても、生きている限り挽回するチャンスはあるんだ」
キモオタ「……」
男「だから君は死んじゃいけないし、死なせはしない。……生きて、その罪を背負うんだ」
キモオタ「う、うん……」
女「良い子だね……。君の気持ちもわかるよ……。全てを壊したくなったんでしょ?」
キモオタ「うん……」
女「……今は少し……お休み?」ナデナデ
男「……女さん、保母さんみたいな役が似合いそうだね」
女「なんで?」
男「キモオタ君を寝かしつけてた時の顔……優しかったから」
女「保母さんじゃなくて……、お母さんが良いなあ」
男「お母さん……?」
女「うん。……お父さんは当然男さんで……、子供はふたりっ」
男「ダメだな。……女の子の双子に、その下に男の子で決まりだ」
女「よこしまな考え持ってるの?」
男「持ってないよ! 双子って、なんか可愛いじゃん」
女「わかるけどさ……」
男「……」
女「……」
女「……黙ってないで、何か喋ろうよ」
男「と、言ってもだね……。なかなかどうして言葉が見つからないんだ」
女「ふ~ん、じゃあ、態度で示して?」ササッ
男「うわっ、み、密着しすぎじゃないか……?」
女「……一緒のベッドで寝た仲でしょ」
男「それにしたって……!」
女「……男さん……たくましくなったね」
男「何が……」
女「最初は童貞喪失ばっか叫んでたのに……。今はこんなに、頼もしい」
男「……そういう女さんだって、俺を食べる気持ちはもうなくなったんじゃないの?」
女「……うん。食欲以外の感情が湧いてくるなんて……不思議」
男「…………」
男「……しかし、キモオタ君をベンチで寝かせてるのは良いのかな」
女「大丈夫だよ。……逃げたいオーラが出てるよ、男さん」
男「ははは何を言っているんだ……」
女「…………ねぇねぇ、ここから生きて出るでしょ?」
男「何を今更……。当然だよ」
女「じゃあ……、ぜったい成功するおまじないかけてあげようか」
男「絶対に成功する?」
女「……キス、っていうんだけど……。……どうする?」
男「う……それは……」
キモオタ(……ああああああもう! 童貞にこんなシーン見せないでくれよおおおおおお!)
女「……ん……」
男(えっと……マジですか……? いやいやそりゃ嬉しいけどね? でも、色々重要な課程をすっ飛ばして……るわけじゃないのか)
女「……男さん……?」
男「…………今更キャンセルは無しだぜ」
女「するわけないじゃない……」
男「…………」
女「……ぁ……」
キモオタ「ふおおぉぉぉぉぉぉぉ!」
女「っ!?」
男「き、キモオタ君?」
キモオタ「童貞にそんな甘いシーンを見せないでくれよ! 死にたくなるじゃないか!」
女「……うー。キス失敗……」ジロッ
キモオタ「あ、なんかすいません……」
【モール三階】
女「不完全燃焼……」
男「あ、あはは……ま、まあ良いじゃない……」
女「うー……」
男(食欲がなんか違うベクトルの欲求に入れ替わってるのか?)
キモオタ「それで、どうするの?」
男「家具量販店、電機量販店は話を聞いてくれすらしない……。後は虱潰しに、生存者を捜すしかないな」
キモオタ「でも……生きてる人なんているのかな……。この地獄で、生き残れる人なんて……」
女「希望を持っている人は、きっといるよ。……その人たちだけでも、でしょ?」
男「……ああ」
キモオタ「……わかった。僕も精一杯やるよ」
ゾンビ「うあー」
ゾンビ「あおうあー」
ゾンビ「うーあー」
軽い男「う、うわっ! 逃げるぞ!」
軽い女「ま、待ってよタカシ! 足がもつれて!」
タカシ「こんな時に何してんだよクソアマッ!」
クソアマ「クソアマって何よ!? 彼氏なら助けてよ……!」
キモオタ「……。いたよ、生存者」
男「よし、助けるぞ!」
キモオタ「……助けたくないなぁ、あの二人……」
男「……気持ちはわかる。けど、俺はあの人のためにも彼らを救う! 女さん、キモオタ君!」
女「準備は良いよっ!」
キモオタ「任せてよ!」
男「散れ散れ!」バンバンバンッ
女「鉄パイプアタック!」ガァンッ
キモオタ「逃げないやつはよく訓練されたゾンビどもだ、ほんとショッピングモールは地獄だぜ!」バババババババ
タカシ「な、何だ……? 助かったのか……?」
クソアマ「で、でも何かしらあれ……。鉄砲?」
タカシ「さあな……」
男「そこの人たち、二階は安全ですから、逃げておいて!」バンバンッ
タカシ「あ、ああ……」
女「死にたいの? 死にたくないなら早く」ズガッ、ガンッ、ドゴッ
キモオタ「いやっほぅ~!」バババババババ
【モール二階】
男「何はともあれ、無事なようでよかった」
タカシ「あ、あいつらは……お前らが……?」
女「ええ。頭を壊せば、ゾンビは活動を停止しますから。慣れれば楽です」
キモオタ「ほんと戦場は地獄だぜぇ」
男「あの、向こうから逃げてきたみたいですけど……、他に生きている人たちはいませんか?」
タカシ「な、なんでだよ……?」
男「もしいるのであれば、助けたいんです」
タカシ「ば、馬鹿じゃねえのか……? お前らが逆に死ぬぞ!?」
男「まあ、いつかはそうなるでしょうけど……」
女「何言ってんの。男さんは死なないよ」
男「ありがと、女さん」
タカシ「お、俺は、マユミと逃げるので精一杯だったから……わからねぇ」
マユミ「多分、生きてる人はいなかったんじゃない? きっとそうよ」
男「……そうですか。女さん、どうだろう」
女「リスクは、高いよ。……向こうは食品店区画だから……、ここよりもさらにたくさんいるはず……」
男「……弾薬も持たないか……。くそっ」
タカシ「……な、なあなあ……」
男「へ?」
タカシ「それ本物の銃だろ……? ちょっと貸してくれよ」
男「……嫌です。これはとある人から託された大事なものだ。人に少しでも渡すわけにはいかない」
タカシ「……ちっ」
キモオタ(……もし、男君と女さんに害を為すようであれば……僕はこいつらを殺そう)
男「……とにかく、まだ生きている人がいるかもしれないから……、ここを中心に探そう」
女「うん、わかった」
キモオタ「了解」
タカシ「は、え? お前ら、まだあそこに行くのかよ」
男「生きている人がいるかもしれませんから」
マユミ「馬鹿じゃないの? 普通は自分の命だけで十分でしょ!?」
キモオタ(男君に助けられたお前らが言うか……!)
男「……それでも俺は行きます」
タカシ「ちょ、ちょっと待てよ、手伝えなんていわれても手伝わねぇぞ」
女「別に良いですけど。……一カ所にとどまっているのは割と危険ですよ。あなたたち、武器もないみたいですし」
タカシ「……くそったれが!」
キモオタ(…………それはお前だろう)
男「……みんなで固まって動いた方が良いな」
女「うん。ここでグループ分けしても、返って危ないだけだよ」
キモオタ「……ねぇ、二人とも。……あいつら、大丈夫かな」
男「…………あまり、人は疑いたくないけど」
女「十中八九私たちの邪魔になるよ」
男「ズバッと言うね……」
女「見てたらわかるよ。……まあ、その時はその時だよ、ね?」
キモオタ「う、うん……」
タカシ「お、この時計いいじゃん」
マユミ「えー? こっちのバッグはどう?」
タカシ「いーんじゃね? いやぁ、ゾンビどもが来てくれて品物取り放題、いいねぇ」
男「……」
女「ブランド街に、ゾンビたちはいないね。……生存者も……」
男「次を当たろう」
男「……本屋か……。でかいな」
女「それに本棚が死角になって……もしかしたらゾンビたちが潜んでるかも」
キモオタ「注意して進まないと……」
タカシ「おい、これってコミック読み放題じゃね!」
マユミ「そうかもそうかも!」
タカシ「早く行こうぜ!」
男「あ、おい……! そっちにゾンビがいるかもしれない!」
タカシ「いるわけねぇだろバーカ!」
ゾンビ「うあー」
タカシ「ひっ……!」
女「言わんこっちゃない」
男「くそっ、助けるぞ!」
キモオタ(どさまぎにあいつらも撃てないかな……。いや、ダメだ。それじゃあ僕が生きてる意味がなくなる)
男「くそったれが!」バンバンババンッ
ゾンビ「うあー」バシッ
キモオタ「広辞苑で防御した!?」
女「……知能が上がっている……?」
男「くそっ! 頭を隠してやがる……!」
ぞんび「うおあー」バシッ バシッ
キモオタ「投げつけてきた!」
女「効かないよ、そんなのっ!」
男「うお、痛い! いてっいていてっ!」
女「……男さん」
タカシ「は、早く殺せよ!」
男「出来たらやってる!」
タカシ「え、偉そうに俺たちを連れてきたわりに、てんでダメじゃねえか!」
キモオタ「!」
タカシ「ガキのくせに偉そうにしてくれてよ……!」
男「こんな時に何言ってんだ!」
タカシ「るせぇ!」バキッ!
マユミ「タカシかっこいいー!」
男「ぶっ!」バタッ
女「男さんっ!」
タカシ「へ、へへ……マウント取られたらどうしようもないだろ……?」
男「……ゾンビがいるのに、こんなことしてどうするんだ」
タカシ「うっせぇ! お前らだけ食われて俺たちは逃げるんだよ馬鹿が!」
キモオタ「……! ゾンビの意識が二人に流れた。今がチャンス!」バババババババ
ゾンビ「う、うあー……」ドテッ
男「ナイスだキモオタ君……」
タカシ「あん? てめえが気にするのはこっちの方だろうよ!」バキッ
男「ぐっ……!」
女「男さん……!」
キモオタ「なぁ。いい加減にしろよ、あんた……」
タカシ「んだと!? デブ眼鏡、てめえも同じ目に……」
キモオタ「今すぐ彼の上から退け。……さもなくばお前を殺す」チャキンッ
タカシ「は、はっ……出来るのかよ、お前に……」
キモオタ「…………」ババンッ
タカシ「ひ、ひいっ!」
キモオタ「威嚇射撃だよ。……僕は本気だ。早く退け」
タカシ「く、糞野郎が……!」
男「……助かったよ、キモオタ君」
キモオタ「……無事で何よりだね」
女「男さん!」ダキッ
男「うおっ!」
女「ごめんね、助けに行けなくて……」
男「い、いや、良いよ……、キモオタ君が助けてくれたし……。あの時は本気で撃とうと思ったし」
キモオタ「……汚れ役は僕が全部引き受けるからさ」
男「キモオタ君」
キモオタ「こんなんで贖罪になるとは思ってない。僕の自己満足だけど……それでも、良いさ」
女「……辛いでしょ……?」
キモオタ「でも、今は……君たちがいるじゃないか。……僕たちって、仲間だろう?」
男「当然! 何を今更!」
女「たとえキモオタさんが過去に何をしたとしても……、今のあなたは立派だと思う。自分の罪をしっかり背負おうとしてるもの」
キモオタ「……ありがとう、二人とも」
男「……しかしまあ、これで彼らとの対立は避けられなくなったな」
女「仕方ないよ……。どうせこうなるってわかってたし」
キモオタ「……夜だ……。そろそろ休むかい?」
女「……それが良いね」
男「わかった。……そこの二人」
タカシ「んだよ」
男「もう夜になったから、探索は打ち切って休もう」
マユミ「休む場所なんてあんのー?」
男「……探せばあるよ、多分」
タカシ「随分と適当だな、俺たちを助けてくれたヒーロー様はよ」
男「……」
女「……まだ懲りてないの?」
タカシ「おー、怖い怖い……。そしてウゼェな……!」
キモオタ「捨て台詞だけ残して言っちゃったよ。負け犬ってああ言うことかな」
男「いやあ、キャンプ用品店があってよかったよかった。寝袋ゲット」
キモオタ「屋上で寝る?」
男「そうしようか。……ゾンビ来たら終わりだけど」
女「こないよ。階段上るだけの脚力ないから。……たぶん」
キモオタ「でも、知性が上がってたゾンビもいたし……」
男「エレベーターで上がってくるかもな」
キモオタ「随分とシュールな光景だね」
男「全くだ」
女「あ……」
男「どうした?」
女「ちょっと、席外すね」
男「え、何で?」
女「……えっち」
男「はい?」
キモオタ「……トイレだよ。君って案外図太いんだね」
タカシ「……畜生……あんなガキに舐められてばかりで終われるかよ……!」
マユミ「確かに、むかつくけど……。あいつらのおかげであたしたち助かったわけだしー」
タカシ「うるせぇ! こんなんで良いのか!? 良いわけないだろ……!」
マユミ「知らないよー。変なことするんだったら勝手にしてね」
タカシ「お前それでも俺の彼女か!?」
マユミ「……なーんか、この一見でタカシの人間の小ささがわかったって言うか……幻滅?」
タカシ「な……なんだとこのクソアマ……」
マユミ「ほら、そうやってすぐ威圧的になるじゃん。なんか、小物臭いよ」
タカシ「……あいつらをギャフンと言わせた後、お前もヒイヒイ啼かせてやる……!」
マユミ「ギャフンだって、ギャフン! 古っ、古すぎ! タカシ頭おかしいんじゃない!?」
タカシ「……くそったれが!」
マユミ「あれ、どこ行くの?」
タカシ「トイレだよくそが!」
【トイレ前】
女「あ」
タカシ「あ」
女「こんばんは」
タカシ「……へっへ……良いところであったなクソガキ」
女「……なにか」
タカシ「……いやな、ムシャクシャしてんだよ……。てめえらのせいでな」
女「……だから、なんですか?」
タカシ「あの男が泣いて喚くような、そんなことがしたいんだよ……」
女「……」
タカシ「てめえをグチャグチャに犯してやれば……奴も泣いて俺に跪くかもなぁ、くく、くははははっ」
女「……強姦ですか」
タカシ「……まあ、お前を人質に奴の拳銃を奪うのも良いな……。くく、夢が広がるぜ」
女(……ダメだこいつ)
タカシ「まあいいよ、ちょっとこっちに来い!」
女「そういわれて、ほんとに行くと思ってるんですか……」
タカシ「まあ、こねえだろうよ。だが、追いつけば問題はねえ!」ダッ
女「……!」タタタタタッ
タカシ「ひゃははは! 待てよ待てよ待てよ!」
女(屋上まで、十五メートル……! 階段を上ると……ぎりぎりってところ……)
タカシ「おらおらおらおら!」
女(……こんな人でも、男さんは助けたいって言ってた……。食べるわけにはいかない……! でも、どうすれば?)
タカシ「へへへ、あと少しだぜぇ!」
女(階段……! 最後まで、頑張って……私の体!)
タカシ「そっちには愛しの彼か!? だが、そうは問屋が卸さないぜぇ! ひゃはははぁっ!」
女(間に合え、間に合え、間に合えぇぇぇ!)
【屋上】
女「男さんっ!」
タカシ「捕まえたぜっ!」ガシッ
男「お帰り女さ――お前は……!」
タカシ「ひゃっはー、捕まえたぜ……ひゃひゃひゃ……!」
キモオタ「……まだ懲りてないのか、あんた」チャキッ
タカシ「へっ、へへへっ……! この女を人質に取ったら、お前ら何にも出来ないだろう……? あぁん?」
男「くっ……。性根まで腐ってやがったか……!」
タカシ「へ、へへへ……この女、よく見るとマユミより可愛いじゃねえか、なぁ……?」ペロッ
女「い、いやぁ……! 気持ち悪い……!」
男「お前ぇぇぇ! 女さんに何して……!」
タカシ「これからお前らの前で公開プレイだよ……けへへ」
男「やめろ! やめてくれ!」
タカシ「……人にものを頼む時は……土下座だろ、クソガキ?」
男「土下座でも何でもしてやる……! だから……!」
男「頼む……女さんには手を出さないでくれ……!」
タカシ「ひゃひゃひゃ、ほんとに土下座しやがったぜコイツゥ! こっち来いよ、お前よぉ」
男「……」
キモオタ「男君!」
男「いいんだ。あれで彼が満足して、女さんが解放されるならそれで……」
タカシ「……へっへっへ、来たか……。じゃあ跪けよ、俺様の前に」
男「……」
タカシ「ひょー、良い眺めだぜ。ヒーロー様が俺にかしずいてやがる!」
男「くっ……」
タカシ「……なぁ、お前……、俺の靴舐めてくれよ」
男「……!」
タカシ「さもなくば……」ムニュ
女「やぁっ……!」
男「クソ、外道が……!」
タカシ「勝てば官軍って言うだろぉ?」
タカシ「ちなみに、銃は捨てろよ。そこのデブ眼鏡もだ」
キモオタ「ちっ……」ガシャン
男(婦警さん……すいません、あなたの形見、いったん……)
タカシ「てめえの銃は俺が頂くがな」
男「な……」
タカシ「へへへ……変な動きを見せれば、この女の頭が吹っ飛ぶぜぇ?」チャキ
女「男さん……私に……構わず、コイツを……」
タカシ「黙れクソアマッ!」
男「やめろ! お前が望むなら、靴だろうと何だろうと舐めてやる!」
タカシ「ほれ」
男「……くっ……!」
タカシ「本気で舐める気かよこいつ! ひゃはは、傑作だぜ!」
男(……女さんのためだ。ここで彼女がゾンビだと知れたらそれこそ……!)ペロッ……
男「う、うぅ……」
タカシ「あー、なんかキメェ。蹴り入れてやんよ!」ドガッ!
男「もがっ!」
女「男さん!」
キモオタ「男君!」
男「ぐ……が、……はぁ、ぐっ……!」
タカシ「ひゃはは、傑作傑作! あのヒーロー様が地面に這いつくばってるたぁな!」
男「…………クソ、野郎……」
タカシ「へっ! ここで今すぐ、お前の頭をぶち抜いても面白いな? デブ眼鏡はすぐ殺せるし、後はこの女とじっくり楽しめる」
男「……」
キモオタ(くそっ! あいつ……! 今すぐカラシニコフで……!)
タカシ「おっとデブ眼鏡。その銃、こっちに投げておけよ」
キモオタ「……!」
タカシ「さっきから挙動不審なんだよなあ? お前の狙いはわかりやすいぜ、ひゃはは!」
キモオタ(くそっ……! もう、武器もない。男君と女さんを……救える方法は……!)
キモオタ(奴に突っ込めば、まず間違いなく撃たれる)
キモオタ(怖いだろうし、痛いだろうな……)
キモオタ(でも、何もしていない僕より女さんの方が怖いはずだし……、男君の方が痛かったはずだ)
キモオタ(……。彼らは僕を仲間だと言ってくれた)
キモオタ(こんな僕でも、仲間になれた。仲間にしてくれた。短い間だったけど、凄く楽しかった)
キモオタ(僕は、そんな時間を守りたい)
キモオタ(男君と女さんが一緒に笑っていられるような時間を……!)
キモオタ(なら、僕に出来ることは何だ! 一つしかない……、そうさ……)
キモオタ(……奴へ突撃する……。死ぬかも知れないけど……、彼らの笑顔を守れるなら、僕の仲間を助けられるなら悔いなんてあるものか!)
タカシ「それじゃあ、さようならだぜ……ヒーロー様よぉ!」
キモオタ「させるかクソ外道があああああああああああああああ!」
タカシ「な、なにっ!? デブのくせに早い……!」
キモオタ「デブはなッ! 短距離は得意なんだよッ! 必殺・キモオタックル!」ドガッ!
タカシ「ぐおおっ!?」ドタンッ
男「キモオタ君……!」
タカシ「ちっ、話せ糞野郎がッ!」
キモオタ「糞はお前だ! お前を見てる腹が立つんだよ! 昔の僕を見てるみたいで!」
タカシ「てめえと一緒にすんじゃねえよ!」
キモオタ「いいや、一緒だ! お前も僕も……社会のゴミ屑だよ!」
タカシ「んだとてめええええええええ!」
キモオタ(来るか……!)
タカシ「死ね、死ね、死ねえええええええ!」バンッ、バンッバンッ!
キモオタ「ぐ……っ!」
キモオタ「……」
タカシ「ひゃ、ひゃはははあっ! 死んだか、死んだのか……? けけけっ!」
男「てめえ、てめええええええええ!」
タカシ「う、うわっ!」
男「よくも、よくも、よくも……俺の仲間を! 死んで償え! 殺してやる、殺してやるぞ糞野郎が!」
タカシ「や、やめろっ! 撃つぞ!」
男「うるせぇ!」バキッ
タカシ「ぐおっ……!」
男「婦警さんの形見でお前を殺すのは忍びない……。殴り殺してやる!」
女「男さん……!」
男「なんで、どうして……こんな事をしやがるんだ! ちっぽけなプライドより、命の方が大事だって、何でわからないんだよ!」
タカシ「ぐ、あ、ぐぅ……!」
男「お前は……! お前はああああああ!」
キモオタ『待つんだ男君!』
男「……キモオタ君……?」
キモオタ『今ここで激情のままコイツを殴ったら、君はこの屑と同じになってしまう』
男「……だが、コイツは君を」
キモオタ『撃った、撃ったね……』
男「なら、コイツも同じ目に……!」
キモオタ「……でも、誰が死んだなんて言ったんだい?」
男「キモオタ君……!」
女「キモオタさん、無事で……!」
キモオタ「防弾チョッキを着ておいたのは大正解だったな」
男「生きてたのか……! キモオタ君!」
キモオタ「……ああ。そう簡単には死ねないよ。君たちには笑っていて貰いたいからね」
タカシ「…………」
男「……コイツには悪いことしたかな」
キモオタ「いいんじゃない? それ相応の罰を与えて然るべきだよ」
女「……」
男「女さん、ごめんね、助けられなくて」
女「ううん、いいの……。男さんこそ、大丈夫?」
男「ああ、ここ数日間でかなりタフになったよ」
女「……よかった」
キモオタ「とりあえずコイツを、あのビッチの元に送り届けようか」
男「そうだな」
【モール・出口】
男「……結局、量販店の人たちは出てこなかったね」
女「……うん、でも、それが彼らの選んだ答えだから」
キモオタ「……」
男「どうしたんだ、キモオタ君。早く行こう」
キモオタ「いや、僕は一緒には行けないよ」
男「え?」
キモオタ「ここにいた人たちを死なせてしまったのは僕の責任だ」
キモオタ「僕はその罪を償わなくちゃいけない。ゾンビになった彼らを殺すことが償いだとは思わない、けど」
キモオタ「それでも僕にはこれしかできない。……それに、僕たちがいなくなったら、量販店の人たちが死んじゃうよ」
女「それはそうかもしれないけど……」
キモオタ「僕の軽率な行動が、彼らをああさせたんだ。僕にはその責任がある。……大丈夫、簡単には死なないよ」
男「キモオタ君……」
キモオタ「君たちに会えてよかったよ。本当に」
キモオタ「僕はモールの守護者になる。いつかまた、暇が出来たら……会いに来てよ」
男「ああ……。必ず、会いに来るよ」
キモオタ「その時は、精一杯もてなすよ。お土産話も聞きたいし、君たちの仲睦まじい姿も……妬けるけど、見たいからね」
女「……うん」
キモオタ「それじゃあ、これでお別れだ。元気で」
男「君こそ、どうか元気で」
女「……死なないでね、キモオタさん」
キモオタ「勿論。……さぁ、早く行ってくれ。僕みたいなキモいデブの泣き顔なんて、見たくないだろ?」
男「……違うな。君は確かにデブかも知れないけど……。確実に、世界で一番格好いいよ」
キモオタ「……男君」
男「女さん、行こう。別れが辛くなる」
女「さよーならー!」
キモオタ「さようなら! またいつか必ず会おう!」
男「じゃあな、キモオタ君!」
キモオタ「……うん、さようなら! さようなら……僕の……友達……ぐずっ」
キモオタ「…………」
キモオタ「…………」
キモオタ「…………」
キモオタ「……やろう。彼らに、堂々と胸を張って会えるように。僕は変わる」
キモオタ「……僕はやるよ。必ず――責任は果たす!」
【第二部 ショッピングモール編・完】
はい、以上キモオタが真の主人公だったショッピングモール編でした。
第一部は婦警さんやらが出てくる警察署編です。
初めは童貞喪失物語の筈がどこをどう踏み外したか少年漫画的なノリに
だがまあこう言うのも悪くはない
第三部は第一部で婦警さんもちらっと言っていた、避難所でもある体育館、および運動公園編です
【第三部 運動公園編】
女「男さん、次はどこに行くの?」
男「弾薬は補充したし、女さんの新しい武器……薙刀も手に入れた」
女「チェーンソーがよかったな……」
男「怖いよ。……というか、俺たちって特に当てのない旅をしてるんだよな」
女「あれ、童貞喪失は?」
男「……女さんと一緒にいられるなら、どうでもよくなったよ」
女「…………うれしい」
男「……。さて、本格的にどうする?」
女「……来る日も来る日もゾンビ狩りじゃあ、疲れちゃうから……、人がたくさんで安全そうなところが良いな」
男「と、すると……市民避難場所の運動公園かな」
女「うん、じゃあそこに行こっ」
【運動公園入り口】
男「うわ、厳重……。ていうかガードマン?」
女「嫌な予感がするなぁ」
ガード「……お前たち、市民か」
男「ええ、まあ」
ガード「よくもまあ、こんな貧弱な奴らが生き残っていたものだ」
女「……コツさえ掴めば簡単ですよ」
ガード「ふん……。とりあえず、そこの机に、身につけているもの全てを出して貰おうか」
男「え? なんでですか?」
ガード「我々市民は、ゾンビどもと戦っている。そのためには、お前たちから提供される物資も重要な意味を持ってくるのだ」
男「……」
ガード「女、お前は薙刀をおけ。私たちが有効活用してやる」
女「えー。キモオタ君からのプレゼントなのに……」
男「……ここは逆らうのは得策じゃないよ」
女「は~い」
男(とは言っても、婦警さんの形見を差し出すのも忍びないよなぁ……)
ガード「ちなみに、ボディチェックもある。ボディチェック時に怪しいものを身につけていた場合、今後の入場を禁ずる」
男「マジかよ……。くそっ」ガタッ
ガード「ほう、拳銃とはな。ガキのくせに大層なものを持っている」
男「汚い手で触るなよ。それは俺の大事な人の形見なんだからな」
ガード「ふん、せいぜい私たちがゾンビ狩りに利用させてもらうさ。入れ」
男(……選択肢を間違ったかな)
女(……男さんの中では、やっぱり婦警さんは大きいんだよね……。でも、負けない)
女「うわぁ……、広いんだね」
男「そうだな……。この運動公園は……市のシンボルだし」
女「あ、屋台とか出てるよっ。すごいねっ」
男「久しぶりに……ゆっくり休めそうだな」
女「うんっ! でも、お肉食べたい……」
男「……どっかにあるよ。肉屋。……でも、食べ物とかってどこで仕入れてるんだ?」
女「お肉屋あったー!」
男「うわっ! 走らないでくれよっ!」
女「ついておいでよーっ!」
男「まったく、女さんは無邪気なんだからな」
【肉屋ミート】
女「こんにちはっ!」
幼「はい、こんにちは……」
男「すいません、連れがご迷惑を……」
幼「おとこ、くん……」
男「幼か……、久しぶりだな」
幼「うん。元気だった?」
男「……色々経験したよ。お前は、ここで働いてたのか」
幼「うん……。毎日ダラダラ過ごすよりは、体を動かしてた方が良いと思って」
男「違いない」
幼「それで、何にしますか、お客様?」
女「お肉十五人前!」
男「少し控えめにしとけって」
ちょっと抜ける
朝飯食べてないがな
女「はむはむ……。美味しいですね、はむはむ……」
男「まさかまたお前に会えるとは思ってなかったよ」
幼「私も……」
男「あの後彼氏と無事に逃げたんだな」
幼「……うん」
男「……? 何かあったのか?」
幼「別れたの」
男「……あ、そうか……。それは……」
幼「ううん、私が切り出したんだ。……元はといえば、私も、彼も、本気の付き合いじゃなかったから」
男「……そっか。でも、まあ、幼ならすぐ恋人の一人や二人出来るだろ」
幼「……励ましてくれるんだ」
男「そりゃな。……長いこと付き合いのある幼馴染みだし」
幼「そう、ありがとね」
女「完食! 美味しかったです!」
幼「それはよかった。また食べて下さいね」
女「はいっ! それと……男さん!」
男「ん?」
女「……浮気しちゃ嫌だよ?」
男「ばっ! 幼とはそんな関係じゃないっ!」
女「でもー、鼻の下伸ばしてたし」
男「伸ばしてない!」
女「それなら良いけど……えいっ」ダキッ
男「うおっ、いきなり腕に抱きつくな!」
女「いいじゃん、ね?」
男「やれやれ……。俺は女さんのお守りがあるから、これで。じゃな、幼」
幼「……あ、うん、ばいばい」
男「やれやれ……。女さん、何がしたいんだ」
女「ただなんとなくっ」
男「……それで幼と気まずくなったらどうするんだよ」
女「その時はその時!」
男「刹那的な生き方はやめようぜ」
女「もうこの世界では、刹那的な生き方でしか人生楽しめないよ」
男「ゾンビの君が言うかね」
女「まあね。……ねぇ、他に何があるのかな?」
男「さて……。探してみようか」
女「うんっ、デートだデート!」
男「……少し休みたい気も」
女「えー」
男「わかりました、行きます行きます」
女「ゲームセンターないのかな」
男「ないだろう……」
女「残念。じゃあ何があるのかな……?」
男「……なぁ、あれ、遊園地っぽくないか?」
女「え、遊園地? ここに遊園地ってあるの?」
男「……確か運動公園は遊園地があったな……。小さいけど、ジェットコースターもある」
女「そうなのっ!? 行こう、今すぐ行こうよ!」
男「待てって……。人が多いし、はぐれたら事だ。だから」ギュッ
女「あ……」
男「これで完璧。行こう」
女「あ、はい……」
男「自分から近づくのは大丈夫なのに、何を照れる必要があるんだ」
女「……男さんから歩み寄ってくれるのが、なんだか嬉しいから……」
男「……そ、そう……」
男「……ふ~ん、本格的だな」
女「……」
男「どうしたの?」
女「う、うん……」
男「いつもの女さんらしくなくて、随分としおらしいな?」
女「……緊張、してるかも」
男「人は苦手なのか?」
女「……私の正体がバレるかも知れないって思うと……、怖い」
男「大丈夫だろ。何を今更」
女「……それで、そんなゾンビと一緒に歩いていた君が……どんな扱いを受けるのか……」
男「心配ないよ。たとえ何があっても、俺は女さんと共にあり続ける……つもりだ」
女「……そ、それって……本当……?」
男「前も言ったけど、俺は女性には嘘をつかない……つもり」
女「……し、信じます……。あなたのことを……」
男「うじうじ悩んでてもどうしようもない。楽しもうぜ」
女「……はい」
男「じゃあ、お化け屋敷からな」
女「えっ……」
男「え?」
女「メリーゴーランドにしない……?」
男「それは後で。……怖いの?」
女「そ、そんなことないよっ。私ゾンビだし、怖い事なんてないもんっ」
男「じゃ、行こうか」
女「……は、はいぃ……」
男「出た後のメリーゴーラウンドで、女さんのこと抱えて馬に乗ろうかなって思ってるんだけど」
女「へ……」
男「……なんか、今日はいつもよりずっと近くにいたい気分だからね」
女「……楽しみにしてる……。うん、お化け屋敷、頑張る」
男「……怖いんじゃないか」
【お化け屋敷】
女「……っ」ガシッ
男「随分と力強いですね」
女「こ、怖くはないよっ。ただ、ちょっと、寒気がねっ」
男「それ怖いんじゃない? ま、俺としては女さんの新たな一面を見れて嬉しいけど」
女「……く、来るなら来い!」
お化け「うおあああああああああああ」
女「きゃああああっ!?」
男「おいおい、ゾンビの方が怖いだろ……」
女「そ、それはそうだけどっ!」
男「女さん、お化け行っちゃったよ」
女「……は、はぃ……」
男「どうしたの?」
女「腰、抜けちゃった……」
男「……」
女「いやっ、そんな可哀想な娘を見るような目で私を見ないでっ」
男「いや、可愛いなあって思ったんだよ」
女「へ」
男「こんなお化け屋敷でも怖がるなんて、女さんって可愛いな」
女「嬉しいけど……嬉しくないよっ」
女「……おんぶして」
男「元からそのつもりだよ。よいしょ、っと」
女「男さんの背中……大きいね」
男「……そうかな」
女「そうだよ。絶対そう」
男「自分では考えたこともなかったな」
女「安心する」
男「そいつはよかった」
女「……こうしていれば、お化けも怖くないや」
男「そっか。うおっとと」ムニュ
女「ひゃんっ」
男「ご、ごめん、躓いて……」
女「悪気はないと思うけど……。……えっち」
男「それ言う必要ないじゃないか」
女「男さんはわかってないなぁ」
女「出口だ……」
男「出口だね」
女「……ありがと、男さん」
男「いやいや……、気にしないで。俺が好きでやってることだ」
女「……うん。でも、ありがとう」
男「どういたしまして」
女「ふふっ」
男「ははっ」
男「さ、次はメリーゴーランドだ」
女「あ、膝の上に乗せてくれるんだったよね?」
男「乗りたい?」
女「乗りたいっ」
男「よし、じゃあ二人で乗ろう」
女「楽しみだなぁ……、男さんの膝」
男「堅いよ、多分」
女「男さんの近くにいられるんだもん……それ以上のことはないよ」
男「女さん……」
女「……あ、ダメ。ここでこういうムードは……。だから、その……夜、に」
男「楽しみにしておくよ」
女「……えへへ」
【メリーゴーランド・回転中】
男「う~ん、回ってる」
女「ひゃ、んっ、んんっ、あ、んっ……」
男「女さん……?」
女「馬が、上下に動くから……っ! んっ!」
男「……まあ、それはそうだけど、その声はちょっと危ない……」
女「だ、だって、んんっ、男、さんの、膝がぁ……!」
男「ひざ? うお、すいません!」
女「べ、別に……良いけど…………」
男「……しかし、エロいな女さん」
女「……でもゾンビだよ」
男「関係ないかなーって、近頃思えてきた」
女「見境ないの、男さん……」
男「女さんだからだよ……っ」
女「え、こんなところで……んんっ」
すまない、家事があるので少し抜ける
俺も女さんみたいなゾンビ娘と仲良くなりたい
仮にも人類滅亡の危機になにやってんだか
男「満喫満喫」
女「……恥ずかしい」
男「ま、これも滅多に出来る体験じゃないし」
女「そうだけど……」
男「さて、次は……」
女「ジェットコースターは?」
男「良いよ」
女「あ、怖くないんだ」
男「別に……。面白いじゃない」
女「ふーん、残念。男さんが怖がるかと思ったのに」
男「むしろ女さんじゃないの?」
女「コースターに関しては大丈夫だよっ」
>>566
逆に考えるんだ
こんな世界滅亡の危機だからこそ、これくらいしかできないんだ
【コースター・レール上】
女「た、た、高いよ男さんっ」
男「ジェットコースターだし」
女「ここから降りるの? 死んじゃうよ、死んじゃう死んじゃう!」
男「もう死んでるだろ……」
女「そ、それはそうだけど、精神的に死んじゃうよぉ!」
男「……とりあえず、俺の手を握って……、それで落ち着かなかったら、まあその時はその時で」
女「うん……」ギュッ
男「どう?」
女「落ち着いた……かも……ってきゃああああああああ!」
男「うおおおおおおおおっ、気持ちいいぃぃぃ!」
女「死んじゃうよぉ、千切れちゃうぅぅぅ!」
女「もう、ダメだよぉ……」
男「女さんは、結構苦手なものが多いんだね」
女「……馬鹿にしてるー」
男「いやいやそんなことはございません」
女「……」
男「そうすねるなよ。気持ち悪いならそこのベンチで休もう? 膝枕してやるよ」
女「ほんと?」
男「うん」
女「わ~い、男君の膝枕~」
男「元気じゃないか……」
痛いニュースにこんなのがあったな
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1294894.html
>>577
終わったら言おうと思ってたんだけど
その記事見てこれ書き始めた
男「……気持ちいいか?」
女「うん……、男さんの膝、ちょうど良い感じ」
男「そうか……」
女「眠くなっちゃったよ……」
男「俺もだ。でも、デート中に寝るのは頂けないよな」
女「うん……、そうだけど…………すぅ」
男「この娘、寝おった……」
幼「……あれ、男君」
男「……え? あ、幼、か……どうも……」
幼「デート中?」
男「……ごらんの通りで」
幼「隣、良い?」
男「ああ……」ナデナデ
女「……すぅ、すぅ……」
幼「可愛い娘だね」
男「……そうだな」
幼「……彼女さん、だよね」
男「……ああ。俺の大事な人だ」
幼「……そう。……なーんか、男君が遠くに行っちゃった感じがするな」
男「……?」
幼「昔は、私が世話してたけど……、今はなんだか、大人になった感じ。自分で考えて、自分で動いてる」
男「……うん。……色々、経験したから」
幼「……そっか。でも、ついに男君にも恋人か……。二人とも本気の恋してるみたい。羨ましいな」
男「……でも、幼だってまだまだ……」
幼「ううん、ダメだよ。私は、本気で相手にぶつかれない。……抱いてる気持ちは、嘘偽りだもの」
男「……?」
幼「……当てつけ、っていうのかな。……ほんと、子供みたいだよね」
男「あて、つけ……? 誰に……?」
幼「男君のそういうところ、私は好きだな。ニブチンさんめっ」ピンッ
男「いてっ、デコピンとか、小学生以来だな……」
幼「ふふ……、そうね、昔は……よかったなぁ。あの時は、毎日が輝いてた」
男「いまは?」
幼「ゾンビの襲来とか、いろいろグチャグチャでわからない。私が、何をしたいのか、何をしているのかも」
男「……いつか、答えが出ると良いな」
幼「うん」
幼「デートの邪魔したみたいで……ごめんね」
男「いや。幼と話せてよかったよ。知り合いに全然会わないしな」
幼「もしよかったら、今度、お話しできないかな? 良い喫茶店があるの……」
男「構わんよ。昔から世話になってる幼馴染みの願いとあれば、断るわけにも行きますまい」
幼「ふふっ、ありがとう。男君は、変わったけど……、やっぱり昔のままだね」
男「?」
幼「優しいって事。……じゃあねっ」
男「ああ……じゃあな……」
女「……んぅ……」
男「起きたの?」
女「……他の女の人の匂いがします。うー……」
男「あー、素晴らしい嗅覚ですね」
男「……」
女「どうしたんですか?」
男「いや……」
男(幼……の言動に、何となく引っかかりを覚えたんだが……気のせいか?)
女「あー、他の女性のこと考えてた!」
男「は!?」
女「……顔に出てるもん」
男「……マジで?」
女「デート中に他の女の人のこと考えるなんて……男さんはマナーがなってないっ」
男「いや、デート中にいきなり寝始める君に言われたくはないかな……」
女「う、言い返せない……」
男「まあ、確かに考えてたのは事実だ。ごめんね」
女「あ、いや、その、真面目に謝られるとこっちが逆に居心地悪いというか……」
男「夜だし、そろそろナイトパレードが始まるらしいよ。女さん、行こう」ギュッ
女「あ……はい……っ」
ずんちゃっずんちゃっずんちゃっちゃ♪
ずんちゃらずんちゃらずんちゃらちゃ♪
男「綺麗だな……」
女「ほんと……」
男「…………」
女「…………」
男「……綺麗だね」
女「うん……」
男「…………」
女「…………」
男(会話に詰まる!)
女(な、何を言えばいいのかな……。困るなぁ……)
?「……」チョイチョイ
男「はい? 女さ――」
ゾンビ「うあー」
女「ゾンビっ!?」
モブ1「な、何でゾンビが!」
モブ2「に、逃げろ逃げろぉっ!」
モブ3「ままー!」
モブ4「坊や、逃げるのよ!」
男「何でゾンビがいやがるっ!」
女「わ、わからないよ! 男さん、武器は!?」
男「任せろ――って、ないんだった!」
女「えええっ!? どうするの!?」
男「逃げる! 走れ女さん!」
女「りょ、了解っ!」
【遊園地・外れ】
男「こ、ここまで来れば大丈夫だろ……」
女「うん……」
ガード1「ゾンビどもを狩るぞ!」
ガード2「ウーッス!」
ガード3「市民から徴収したバールが役に立ちますね!」
男「癪だけど、奴らにゾンビは任せればいい」
女「なんで、ゾンビが現われたのかな……?」
男「……あの中に感染者がいた……とか」
女「でも、ここは外界から閉ざされてるも同然だし……、それに、ゾンビに噛まれた人はガードマンが問答無用で殺すよ」
男「まあな。……となると、誰かが招き入れた……か」
女「なんで……?」
男「さてな……」
男「それより気になるのは」
女「うん」
男「あれだけの至近距離でありながら、あのゾンビは俺をすぐに噛もうとはしなかったことだ」
女「え?」
男「奴は俺の肩を叩いて……注意を自分に向けてから襲いかかってきた。何か意味があるのか?」
女「わ、わからないけど、でもその行動って……、確実に、知性を得てるって事だよね」
男「……そうだな。モールでも、広辞苑でガードした奴がいたんだ。……自身の欲を自制できる奴が出来てもおかしくないか」
女「……手強くなるね」
男「仕方ない。……キモオタ君、無事だと良いけどな」
男「……とにかく、休みに来たここで厄介ごとに巻き込まれるのは面倒だ。寝る場所を探そう」
女「うん」
男「色々考えるのは、明日で良いだろ」
女「そうだね、今日はぐっすり休もう」
男「あー……宿、どこだ?」
女「さぁ……」
男「野宿はいやだなぁ……。いやまあ、寝袋あるけど」
女「……二人寄り添って寝るのも、良いんじゃないかな」
男「……じゃあ、そうしようか」
女「うんっ」
今更だけど
男「仕方ない。……キモオタ君、無事だと良いけどな」
\ 、\ ,.=-‐-、___// _∠.r.ムイ
ヽー‐デ >_ r-、ヽ. \ ̄ ̄ _,. _/
`7´ ,イ /´,ィkム、ヽ.Yニ、、ヽ-‐'´-=ニ、,___,.ィ
//// / \ ヤ‐_ヾ、ト-.、 ,. /
/′//i i / ,.ヘ,ヾy'ri`!ニ二._`く‐''"´ クズが…まだ生きていたのか
{' 〈ヾi、!k∠「 ,r’ノャ=、- 、,_\
_,.、-ヘ.`Z_ン` ト5′ヽ ` _,.>'^ー
 ̄`入´ ‐ ,イ i 〉)'´ ⌒
∠´.ィ/\ _,/丿 |_,rイ/-ー''⌒`ヽ
男「……そういえば、どうしてゾンビウィルスってばらまかれたんだ?」
女「わからないけど……。世界の主要国では、どこもみんな研究してたらしいよ」
男「……なんで?」
女「このウィルスさえあれば、半永久的に兵力の確保が出来る……だったかな」
男「知性がひどいことになってるけどな」
女「うん。だから失敗なんじゃない? 今頃お偉方も焦ってるよ」
男「……最悪だな」
女「ほんと、最悪」
ゾンビがどんどん進化していって知能が人並みになったら
ぞんび1「あうあうあー」
ぞんび2「あう?あああいうあー」
ぞんび1「ああ!あうううん!」
しんかぞんび「日本語でおk」
ってことか
【朝】
女「……ん、朝……?」
男「おお、おはよう」
女「あれ、早いんだね」
男「ああ。ちょっと用事が出来てな」
女「……幼さんなの?」
男「当たりだ。凄いな」
女「……うん、気をつけてね」
男「はい? ああ、まあ気をつけるけど」
女「あの娘と深く関わると、多分……よくないよ」
男「なんだそりゃ。あいつのことは、俺が一番知ってるよ。……あ、もしかして嫉妬?」
女「……それもあるけど、純粋に男さんが心配なの」
男「……その気持ちは、受け取っておくよ。じゃあね」
女「気をつけて……」
>>625
ぞんび1「二次元のキャラを三次元に出来れば俺達食に困らなくね?」
ぞんび2「うはwwwwwをkwwwwwww」
アーカード「………なんだ、ここは」
女「……心配だな……」
女「ついて行こうかな……」
女「でも、それって嫌な女だよね」
女「……私、どうしちゃったのかな」
女「食欲しかなかったはずなのに……、今は男さんのことばかり」
女「……幼さんと男さんが仲良く話してるの見ると、なんだか悲しい」
女「……嫌な女だな……」
女「……お肉、食べに行こう」
女「他のお店で、だけど」
>>622
(^q^)「あうあうあー」
(^q^)「あう?あああいうあー」
(^q^)「ああ!あうううん!」
(´・ω・`)「日本語でおk」
ってことか
【喫茶店・コン=ファイン=メント】
男「それで、話って何だ?」
幼「ちょっと、男君と一緒にお話ししたかっただけ。迷惑だった?」
男「いや。何を話す?」
幼「……女さんのことを知りたいかな」
男「なんで?」
幼「……どうやって、男君と出会ったのか、とかね?」
男「それ聞いて、どうするんだ?」
幼「人の恋愛譚、聞くのは面白いじゃない」
男「恋愛か……恥ずかしいことを言ってくれる」
いや、俺だ。
女「……お肉屋さんって、ここしかないんですね」
女「まあ幼さんはいないでしょうけど……」
女「気が引けるなあ……」
女「……いいや、入りましょう」
店長「らっしゃい」ニコニコ
女「……牛のお肉、十五人前ください」
店長「悪いね姉ちゃん、今は豚肉しかないんだ」ニコニコ
女「……やっぱりそうですか」
店長「……やっぱり、とはどういう意味かな、姉ちゃん?」ニコニコ
女「いえ、前回来た時も、そうでしたから」
店長「そうかい、ちょっと待っててくれよ、新鮮な豚を捌いてくるぜ」ニコニコ
女「……」
店長「お待ちっ」ニコニコ
女「ありがとうございます」
店長「生で行くのかい? 豚は危ないよ?」
女「お気遣いありがとうございます。……それでは」ガチャリ
女「私は生でも大丈夫ですし、何よりこれは……豚じゃないでしょう」モグモグ
女「食べ慣れた味ですよ……はむはむ」
女「……人肉とは……えげつない。……もぐもぐ」
女「男さんが聞いたらショック受けるでしょうから、話さない方向で行きましょう」
女「……って、あれ? ……このままだと、幼さんと密会中の男さんが危ないのでは……」
男「……と、いうわけだ」
幼「それじゃあ、女さんとは、結構長い間一緒にいるんだ」
男「ああ。……といっても二週間かそこらだけどな」
幼「私ね、思うんだ」
男「ん?」
幼「愛情って、一緒に過ごした時間の長さで深さが決まるのよ」
男「……何が言いたい?」
幼「男君と女さんは、まだまだ一緒にいる時間、短いでしょ? 二人の愛情は、まだまだ浅いのよ」
男「……そうかもしれないけど、お前がそれを言ってどうするんだ? 俺たちの問題だろ、それは」
幼「違うわ」
男「……」
幼「男君と、女さんと――私の問題」
男「……何を言ってるんだ…………」
幼「……わからないの? ニブチンさんだよね、相変わらず」
幼「…こっちも、ニブチンさんだね…」
男「悪かったな!!」
>>657
俺の創作意欲を返せwww
笑っちまったじゃねえかwwww
>>659
つ創作意欲
男「……馬鹿なことを言うためだけに俺を呼んだのなら、返らせて貰うぜ」
幼「出来るものならね……?」
男「出来るものならだと……っ……体が、動かない……?」
幼「……ここって、医療施設もあるんだけど、警備がざるなの。筋弛緩剤を少し頂いて来ちゃった。えへへ」
男「よ、幼……お前…………」
幼「ずっと昔から好きだったのにさー、気づいてくれないんだもん。受け身より、自分から攻めるべきだったなって、昨日気づいたの」
男「……よう……」
幼「その点は、あの薄汚い雌豚に感謝だよね? あははっ」
男「く、そっ…………!」
幼「無駄だよ。男君は、逃がさない」
女「どこに……どこに男さんがッ!」
女「……いや、男さんを見つけても……、武器のない私じゃ勝ち目がない」
女「でも、どうすれば……」
女「逆に考えなさい私。……武器がないなら、武器を持てばいい。単純明快の真理だよ」
女「でも武器はどこに? ……ガードマンの詰め所……」
女「危険だよね……。ううん、ダメだよ、ここですくんでちゃ、絶対ダメ」
女「……男さんのためなら……やれるでしょ? ……良い子よ、私」
女「幼さんに、男さんを好きにさせてなるものですか!」
あれ、ゾンビって力強いって設定じゃなかったっけ
【倉庫】
ドタッ
男「っぐ……」
幼「ごめんね、手荒なことはしたくないんだけど……」
男「……」
幼「前の彼氏のせいで、とにかく痛めつけないと興奮しないんだ、私」
男「……おまえ、目的は何だ……」
幼「男君の彼女になること。雌豚を殺すこと」
男「そいつは無理だ……」
幼「無理って、初めから決めつけたら出来るものも出来ないんだよ。まあ、出来る、じゃなくて、『やる』だけどね」
男「……お前……そんな奴だったか…………」
幼「こうなったのは、誰のせい? 私の思いに気づかない……男君のせいでしょ?」
男「…………ちが、ぅ……だろ……」
>>675
頭ぶち抜かれたらおわりや
【ガードマン・詰め所】
女「……来たは、良いけど……」
女「どうすればいいの……?」
女「武器を取り戻しに来たのに、取り戻すために武器が必要って……」
女「あーもう……!」
ガード1「ん……なんだお前。怪しい奴だな」
女「え、あ、どうもこんにちは!」
ガード1「……目障りだ、とっとと失せろ」
女「…………なにあいつ」
女「……いやそんなことはどうでもいいよ……。早く武器を得る術を考えなきゃ、男さんが……!」
【倉庫】
幼「……男君の、指……」
男「はっ、斬る気か……?」
幼「そんなもったいないことしないよ……。舐めるの」
男「……舐める……?」
幼「そう、一つ一つ、丁寧に丁寧に……私の唾液を……んんっ」ペロッ
男「うわっ」
幼「ん、はむっ、ん……ちゅ、ん……」
男「こ、こそばいっ! く、くあああっ……」
幼「根性ないぞ、男君」
男「くそっ……、体が縛られてるから……どうにもこうにも……!」
女「何か……手立ては…………」
女「……ゾンビを引き入れる……」
女「いや、だめ……。男君にも危害が及ぶ可能性が」
女「……ん? あの肉屋って……何で人間を解体してるんでしょう」
女「……斧、とか厚刃の肉切り包丁……? それさえあれば、人並みには戦える……」
女「人肉であることをネタに脅しを賭ければ、包丁の一つや二つ……」
女「やるしか……ない……!」
【肉屋】
店長「おや、いらっしゃい」
女「……あなたに、尋ねたいことがあります」
店長「なにかな?」
女「……どうしてここでは、豚肉しか売ってないんでしょうか」
店長「在庫が切れているんだよ」
女「では、なぜ……、あの豚肉は、豚肉じゃないんですか?」
店長「……何のことかな?」
女「あれは、豚の味じゃありません。……人間の味ですよ」
店長「……おいおい、少し口に合わなかったからと言って、そういうクレームは受け付けていないよ」
女「……厨房、見学させて頂けませんか?」
店長「……なる、ほど。……ああ、残念だね……。前にも、君と同じことを言った若造がいたよ」
女「……」
店長「残念ながら彼は、ミンチになった。……今頃、土に還っているね。……くくくく」
女(く……何故かいきなりバトル物の展開……!)
女(迷走していると言われても……言い返せないっ!)
店長「……さて、君のどの部分を切り取ってあげようかな……? やはりその豊満な胸かな……?」
女「こ、このおっぱいは……、男さんだけの物ですからっ!」
店長「そいつは残念」
女「と、いうか! 私は……身も心も男さんの物です! だから、負けるわけにはいきません!」
店長「……さて、どうする。……勝負と行くかい?」
女「行かせて貰います。あなたに勝って、武器を手に入れますっ!」
【倉庫】
幼「……ふふ、ねぇ、どう? 気持ちいい? 男君」
男「最悪……だ……っ!」
幼「ふーん、そういう事言うんだ。……もっと、もっーと責めてあげる」
男「ぐ、くそ……っ、すまない…………女さん……!」
幼「!」
男「……はぁ、はぁ、はぁ…………」
幼「……私と二人きりなのに」
男「……へ……?」
幼「どうして他の女のこと考えるかな!?」
男「っ、幼、やめろ……!」
幼「どうしてよ、どうして、どうして私を見てくれないの! そんなにあの雌豚が良い!? 私じゃダメなの? 昔から、男君に尽くしてきたじゃない……。男君だって、幼をお嫁さんにするって、言ってくれてたでしょ……? ねぇ、違うのっ!?」
男「確かに、言ったがな……! それは、昔の……、まだ純粋だった頃のお前に対しての言葉だ!」
幼「……なによ、それ……」
男「今のお前は……ただの狂った女だ! ……くそっ……、本当に俺が好きなのかよ、お前は!」
幼「好きだよ! 大好き……大好きじゃなきゃ、こんなことしない!」
男「大好きなら何でこんな事しやがるんだ! ……くそっ、お前とは、良い幼馴染み同士でいたかったのに……」
幼「私はそれじゃ嫌だ! 男君と結ばれるの! そうじゃなきゃ、私は……!」
男「…………」
幼「男君は、昔から優しくて、格好良かったから。でもお間抜けさんで。私がついていないと、ダメなんだもんっ!」
男「それは昔の話だろうが……! 今の俺は……違うんだよっ! お前の知ってる俺じゃないんだ! いい加減、目を覚ませ!」
幼「何で変わっちゃうのよ! 昔の男君のままでよかったのに!」
男「変わったんだから、仕方ないだろ……! 目の前で人の死を体験して、ゾンビ倒して……、守るべき物を見つけて! 変わるんだよ、人は!」
幼「そんなの……嫌だ……! 男君は、男君は私がついていないとダメな男君じゃないとダメなの……!」
男「なにがだ! 話にならない……、早く縄をほどけ、幼!」
幼「絶対にやだよっ! もし、男君が変わってしまったのなら、また元に戻せばいいんだもんっ!」
男「何言ってやがるんだ……?」
幼「……私がいないと、生きていけないような男君に調教するの……。そうすれば、男君は私から離れていかない」
男「アホなこと考えてるんじゃない!」
幼「私は、本気だぁぁっ!」
男「くそっ……!」
【肉屋】
女「……」
店長「いやぁ、驚いた。まさか君みたいな女の子に、腕を切り落とされるとはね」
女「のわりに、平然としていますね……!」
店長「当然さ。未だかつてこれほどの敵に出会ったことがない。……脳内麻薬がビンビンだ」
女(意味がわからない……)
店長「さて、と。そのチェーンソーは私の商売道具だから……返して欲しいんだがね」
女「無理ですね」
店長「ほぅ」
女「私に一番合ってるのは、チェーンソーみたいですから。お返しするわけには参りません」
店長「まあ、それも良い。……力尽くで取り返すまでだがね!」バッ
店長「よくも私の腕をぉぉ!」バッ!
女(コックピット……じゃない、一撃で仕留められる場所……急所だけを狙えるか……!?)
店長「うおおおおおおおお!」
女「そこだあああああああっ!」
ズガッ、ガ、ガガガガガガガガガ……
……ズンッ
女「はぁっ……はぁっ……!」
女「……敵ながら、見事……!」
女「……っ、男さんっ!」
幼「あはは……やっぱり、繋がるのが一番手っ取り早いかな……」
男「!? やめろ、俺は童貞だ!」
幼「いいじゃない……、ちょうど、童貞喪失できるよ?」
男「俺は純潔を守る! 俺がこれを捧げるのは……女さんただ一人だっ!」
幼「……また、あの女」
男「……?」
幼「男君はあいつのことばっかり! 何が違うのよ! 私と、あの女と!」
男「全部だよ! お前は、一生掛かっても女さんには追いつけやしない!」
幼「なんですって……?」
男「彼女は、変わろうと努力をしている! だけどお前はどうなんだ! 変わろうとなんかしてないじゃないか!」
幼「っ!」
男「挙げ句、自分のレベルに俺を合わせようとしている……。そんな奴に、惚れる要素なんかないんだよっ!」
【詰め所】
女「突貫します!」ガガガガガガガガ
ガード1「それは一人前の男の台詞だ!」ガキィン
女「うぬぬぬぬ……! 退いて下さい! 人の命が掛かっているんです!」
ガード1「黙れ! お前のような怪しい奴を、通すわけにはいかん!」
女「あああああっ、退けええええっ!」
ガード1「な、なんだ!」
女「キィーック!」(ぴー)
ガード1「ぬほぁぅ!?」
女「男は辛いですね! さぁ、私に潰されたい人は……来なさい!」
ガード2「ぬ、ぬぅ……」
ガード3「こ、これは……」
女(武器は手に入れたっ!)
女(後は……、男さんのいる場所……!)
女(どこっ……!?)
男「……幼。お前も変わらないと、この現実を受け入れないとダメなんだよ」
男「……お前、今の現実に対処しきれてないんだろ?」
男「ゾンビが襲ってきて、知り合いがみんな死んでって」
男「だから……、昔から知っている俺に助けを求めたんだ」
男「……その表現方法は過激だったけど」
男「……お前も、わかってるんだろ? 変わらないとダメだって」
男「……なぁ、だから、もしお前が変わるって言うのなら、俺は協力する」
幼「……私が、変わるとして」
男「……」
幼「男君は、私を見てくれる?」
男「それは……」
幼「ね、詰まるでしょ? それじゃあ、変わる意味なんてないんだよ」
幼「私にとっては、たとえ世界がどうなったって、男君が一番なの」
幼「その男君から愛されないようじゃ……意味ないわ」
男「馬鹿……、俺に固執する必要がどこにあるってんだ!」
幼「それこそ全部だよ! 声も、顔も、手も足も、目も、全部全部、男君の全部が好きなの!」
男「……っ」
幼「男君が振り向いてくれない世界なら……私はいらないよッ!」
他の男と付き合ってたのに何いってるのかビッックリだな
>>749
あてつけ
キモオタwwきめぇww
バンッ!
女「甘ったれるな!」
男「女さん……!」
幼「出たな……雌豚……」
女「振り向いてもらえないからだって!? ふざけるな!」
女「君は、最初から諦めてるじゃない!」
女「自分を磨いて、真摯に接すれば、人はそれ相応の評価を下してくれるんだよ!」
女「どうしてそれに気づかないの!」
幼「それは……そんなのは、あなたが男君に選ばれた人だから言えることでしょう!?」
女「……わからないの?」
幼「なにが!」
女「……もし、そうだとしたら……、男さんはどうしてあなたにここまで真摯に接したの!」
幼「……」
女「あなたのことを想ってるから……そうでしょ!? まだ、生きている限り挽回するチャンスはあるんだよ!」
ホントは他スレのなんだが婦警はこんな感じだろうか?駄作すまんhttp://imepita.jp/20090823/548380/1866
女「……それだけ」
幼「……」
男「女さん……」
女「何で裸なの」
男「いや、ていうか君も血だらけじゃないか」
女「あ、ああ……これ? ……ちょっとね」
男「……そう」
女「あ、はいこれ。婦警さんの……形見」
男「あ、取り戻してくれたんだ……」
女「うん。大事な物でしょ?」
男「ああ。……俺の信念を支えてくれる、大事な物だ」
>>764
雰囲気そんな感じだけど
お前さんが描いたの?
へぇ、凄いな
やっぱ絵が描けると人生楽しいよな
男「……幼」
幼「……」
男「……お前が変わるのを、待ってる」
幼「……」
男「……いつかまた、今度は笑顔で会えると良いな」
女「……」
男「さあ、出よう」
女「うん……」
幼「……私」
男「ん?」
幼「変われるのかな」
男「その人次第だと思うけど。お前なら、きっと変われる」
幼「……お世辞、上手だよね」
男「俺は、女性には嘘をつかない主義だぜ」
>>775
今お前は全国の絵が描きたいけど描けない諸君を敵に回したな
男「……久しぶりに、新鮮な空気を吸った気分だ……」
女「……大丈夫だった?」
男「ん、ああ……。大丈夫だよ。どってことないって」
女「なら……良いんだけど」
男「でも、女さんは大丈夫なのか?」
女「なにが……?」
男「その、血。……どうしたの?」
女「転んじゃって」
男「見え見えの嘘だな」
女「……殺した」
男「……何を、とは聞かないけど……。辛かったろ」
女「……ううん、男さんを助けるために必死で、何も感じなかった……。私、これで良いのかな」
男「……」
女「ごめんね、変な事言って。……もうそろそろ、ここも、出ようか」
男「……そうだな」
てなわけで不完全燃焼感が否めなさすぎる第三部終了と。
個人的にはキモオタの第二部より第一部が好きなんだけども
あー、これ終わりが見えないぞどうしよう
第四部は空港編の予定。
終わるのかな、これ
前から気になってんだけど
おもしろ黒人って誰?
デッドラは肉屋とデブ婦警しか知らん
なるほどww
MIBのウィル・スミスを想像すれば良いんだな?
空港だったらいろんな人いるし出せるかもwwサンクスw
とりあえず女を書いてる最中
もっかい婦警うpしてみるわ
http://imepita.jp/20090823/558120
ゾンビは何処から浸入してきたんだろう・・・気になる
幼がかかわってるかと思ったんだけど・・・
>>806
そこらへんの謎は第四部で!
すいません回収し忘れました
>>805
マジでかww
女さんどんな風になるのか楽しみすぎるwww
場合によっちゃそれで抜k
さて……このままだとこのスレじゃ第四部終わらないだろうから、
有効活用するために何か短い話でもやるか
やっぱキモオタ?
>>1よ、おもしろ黒人は死んだか?と思わせといて
やっぱ生きてたが王道だからな
>>819
把握した
【ショッピングモール】
キモオタ「やれやれ……。モールのゾンビたちはあらかた倒したかな……」
キモオタ「みんなの協力ももらえて、死体は焼却炉で灰になるまで燃やしたし」
キモオタ「これでこのモールも少しは安全かな……」
キモオタ「ていうか、ずっと戦いっぱなしだったから……もしかして僕、やせた?」
キモオタ「とすると、デブ眼鏡からただの眼鏡にランクアップ……?」
キモオタ「きたああああああああああ!」
女は目を明るくしてみたというか全体的に明るくした訳だが……とりあえずキモヲタは越えられんwwww
http://imepita.jp/20090823/568260
タカシ「うっせーぞ糞デブ!」
キモオタ「な、良いじゃないか、痩せたかも知れないんだから」
タカシ「そりゃ、まあ……確かに少しは痩せたかも知れないけどよ」
キモオタ「本当かい? きたああああああああああ!」
タカシ「だーっ、もうっ! うっせえよ糞デブ!」
キモオタ「君にもこの喜びを分けてあげたいくらいだよ!」
タカシ「いらねー。まじいらねー」
キモオタ「さて、ゾンビのいない今、僕はジムで体を鍛えることにするよ! ひゃっほう!」
タカシ「……アクティブな野郎だぜ」
迷走からgdgdへ…
>>834
まあ、スレが残り少ないから仕方ない
つーか俺明日からあまりこれないだろうし
ま、いーんでね?
>>837
勇者王ネタをちょいちょい入れてたのはIDがガオガイガーだからですか?
タカシとは協力せざるを得ない状況。
キモオタの実力を認めて少し距離が縮まった的な。
>>828
女さんが可愛いぞ
彼女がゾンビだなんて認めたくないですな
>>839
単に俺の趣味。ガンダムとか。
ガオガイガーは偶然。結構嬉しい
キモオタ「……なんだかんだで一週間……」
キモオタ「あの二人、元気にしてるかな……」
キモオタ「いや、元気に決まってるさ。……僕が信じなくてどうするんだ」
キモオタ「よし、今日も巡回だ。行こう、タカシ!」
タカシ「呼び捨てやめろ糞デブ」
キモオタ「いいじゃないか、もう、苦境を乗り越えた仲間だろ?」
タカシ「……けっ、気持ち悪い」
キモオタ「ツンデレさんだな」
タカシ「なんだよそれ……」
>>1
続編ってあるの?
>>846
第一部、第二部、第三部と終わったので、次は第四部
でもこのスレじゃ足りないだろうから、今こう言うことになってる
マユミはどうなったのだろう
>>850
タカシ「マユミ、飯」
マユミ「はいはい~。しかしあんたも、変わったよねえ」
タカシ「何がだよ」
マユミ「丸くなったって言うのかな。前よりはずっと良いと思うよ」
タカシ「……けっ、どいつもこいつも」
キモオタ「よかったじゃないか、正当な評価を貰っている」
タカシ「何でてめえがここにいんだよ!」
犬の散歩行ってくる
タカシがイケメン過ぎるwうぜぇww
じゃあ次スレ立てる
スレタイは、ゾンビが入ると思うから検索してくれ
>>880
すまない。
いきなり話しを変えてすまないが…というか甚だしいだろうがこのスレ1000まで埋めるべき?
>>881
今新しいの立てたけどな
どうしようかね。放置しようぜ
何かの役に立つかも
次スレね
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