シンジ「僕がエヴァのパイロットを辞める事が出来たら」
カヲル「…………ごめん」
シンジ「……何で謝るのさ」
カヲル「……すまない」
シンジ「謝らないでよ、カヲル君のせいじゃないのに」
シンジ「そりゃ……ブラックジョークすぎたかなとは思ってるよ」
カヲル「……うん」
シンジ「でもさ、カヲル君が謝る必要性はどこにもないわけで」
カヲル「……うん、そうだよね」
シンジ「苦笑いすら出来ずに、ブラックジョークについて行けないなら。それなら、黙っていてほしかったよ」
カヲル「……そうだね。確かに……ごめ―
シンジ「謝らないで!」
カヲル「…………」
シンジ「どっちかと言うと……謝った方がいいのは僕の方だと思うし」
シンジ「……このライターもうガス切れだな」
カヲル「……はい。予備のライター」
シンジ「あ……うん、ありがとう……一本吸う?」
カヲル「いや、僕はやめておくよ」
シンジ「そう……」
シンジ「あー……両切りだから、濃い煙がダイレクトに来る感じ。最ッ高!」
カヲル「……」
シンジ「あ、そうだ。カヲル君、フィルター付きの奴にする?」
カヲル「……いい」
シンジ「メンソール系は好きじゃないから持ってないけど……チョコレートの香りがする変わり種もあるよ?」
カヲル「僕は……シンジ君に、タバコを止めろって言ってるのに、吸うわけにはいかないだろう」
シンジ「さっき予備のライター取ってくれたけどね」
カヲル「……そうだね」
シンジ「いや……別に、責めてる訳じゃないから……そんな深刻な顔しないでよ」
カヲル「……うん」
シンジ「……ジャンプ読む?」
カヲル「……ありがとう」
シンジ「……」シュボ
カヲル「……」
シンジ「……ケホっ」
カヲル「…………」チラ
シンジ「……ウンッ……ンッ……」
カヲル「お水、飲むかい?」
シンジ「ありが……ゲフッ!」
シンジ「ウェッフ!?ゲホ!」
カヲル「シンジ君!?」
シンジ「大丈夫……アスカよりはマシだから」
カヲル「せめてフィルター付きの物を……ああ、そういう問題でもないか」
シンジ「アスカって何本吸ってるんだろ……フィルター付きの銘柄で、僕より酷いむせ方、ウォエ!」
アスカ「ただいまー」
マリ「おじゃましまぁす……」
シンジ「あ゛、アズガ、おがゲホォ!?」
マリ「ちょ!?わんこ君!?」
アスカ「あー、大丈夫よコネメガネ。私よりましだから」
アスカ「所で、あんたまたむせてるの?煙を肺に入れてないくせに」
シンジ「両切りだから、箱に書いてる数字よりずっとキツイから仕方が、エフン!?」
マリ「そ、そういう問題!?」
カヲル「そういう問題じゃないと思うけどね……」
シンジ「アスカは、煙を肺に入れるのやめなよ。銘柄次第では口で転がすだけでも良い感じだし」
アスカ「そもそも、葉巻は肺喫煙しないし。歴史的には肺喫煙は新しい吸い方だから」
アスカ「と続けるんでしょ?もういい加減、暗記したからそらんじれるわよ」
シンジ「味覚を感じない肺に入れるって感覚がよくわからないんだけだよ」
カヲル「シンジ君、大丈夫かい?」
シンジ「……何とか。ああ、くそ。火付けたばっかりなのに、床に落としちゃった。もったいない……」
アスカ「相変わらず安いタバコ吸ってるわねぇ……このコウモリ柄のタバコ、ふつう見ないわよ」
シンジ「でもコンビニにも置いてるし、一番安いし、古典的なタバコって感じがして好きなんだ。しかも安いし」
アスカ「安いって、二回言ったわよ」
シンジ「でも、大事な事でしょ?」
アスカ「そりゃね。私が一番好きなのは五百円もするからねぇ……」
シンジ「僕が吸ってるやつなら、二百円だからね。まぁそれでも、昔から吸ってる人からしたら、高くなったみたいだけど」
アスカ「タバコ税とか、ナンセンスよね。文化に税金をかけるなんて!」
シンジ「でも、真昼間からやってても。飲酒より白い目で見られないのは、まだ救いかな」
シンジ「あ、アスカ。一本吸う?」
アスカ「良いわよ。両切りは吸いにくいから、咥えながら作業しにくいし」
カヲル「シンジ君……さっき思いっきりむせたのに。すぐに吸う気なのかい……?」
シンジ「もう、カヲルくんったら。僕と何年過ごしてるんだよ。ははは」
アスカ「あ、そうだ。変わり種見つけてきたわよ」
シンジ「え、どんなの?」
カヲル「……」
マリ「……大変だね」
カヲル「君もね」
アスカ「えーっと、何だっけ。ウィスキー樽に寝かせた葉っぱですって」
シンジ「アスカが好きな銘柄だね。無添加タバコだっけ?」
アスカ「私がいつも吸ってるのは、無添加な上に無農薬を謳ってる物だけどね」
アスカ「ほら、これよ」
シンジ「わぁ、アズキ色のパッケージが何か怪しい」
マリ「実はさぁ……」
カヲル「うん、何だい?」
マリ「一つ謝らなきゃいけいことあるの」
カヲル「……また、タバコを奢ってあげたのかい?」
マリ「……はい」
アスカ「一本どうぞ」
シンジ「いただきまーす」
アスカ「あ、その言葉マリにも言って。これ、マリの奢りだから」
アスカ「あー……」
シンジ「美味しい……」
カヲル「……」
マリ「……ねぇ、姫」
アスカ「タバコなら止めないわよ」
マリ「……はい」
カヲル「諦めが早すぎるよ……」
マリ「何て言えば良いのさ……そもそも、私、姫にタバコ奢ってる身なのに」
カヲル「まずはタバコを奢るのを止めようよ。君、二人で買い物に行ったら、間違いなく奢ってるよね?」
マリ「アンタだって……外出るとき、ワンコ君にお金渡されて、ついでにタバコのカートン買い頼まれても断らないじゃない」
カヲル「……そうなんだよね」
マリ「お互い、まずは喫煙の手助けを止めないと」
カヲル「止めれるかな」
マリ「自信は無いけどね」
シンジ「久しぶりにいつもの奴以外を吸うと」
アスカ「うん」
シンジ「タバコの固さと燃える遅さに驚く」
アスカ「私が吸ってるのは特別よ。無添加ってことは、燃焼剤も無いし」
アスカ「この銘柄は、タバコ葉をギチギチに詰めてるのも売りの一つだから」
シンジ「へぇ……まぁぼくが吸ってるのが、安いだけあってスカスカだから燃えやすいってのあるだろうけど」
アスカ「そのせいで、私より吸う本数多いわよね」
アスカ「でもそれを差し引いても、むせる症状が私よりマシなのは不公平よ」
シンジ「アスカの場合は、肺に入れるのやめたら劇的に改善すると思うな」
マリ「吸うの止めちゃったらもっと劇的に改善すると思う」
アスカ「……」
シンジ「……」
マリ「ごめん……」
カヲル「謝っちゃだめだろうに……」
こんな事書いてるけど、タバコ美味しいです
シンジ「まぁ、こっちも美味しいけど」
シンジ「やっぱり、いつも吸ってるやつが一番落ち着くなぁ」
アスカ「相変わらず」
シンジ「何?」
アスカ「両切りタバコの吸い口を、トントンと叩く仕草は様になってるのに」
シンジ「……うん」
アスカ「くちびるを突っ張らせて吸うその姿は、相変わらず滑稽よね」
シンジ「ぷはぁー……仕方ないじゃない、こうしないと葉っぱが口に入るから」
アスカ「まぁ、フィルターをコンビニで買ってつけられるよりはマシか」
シンジ「コンビニで売ってるフィルターって、プラスチック製だから……ないよね」
アスカ「口当たりが最悪」
シンジ「それだったら、キセルを買ってきて、分解して吸うかな」
アスカ「キセルタバコかぁ……一回やってみたいけど」
シンジ「こだわりのタバコ屋に行くと、売ってたりするけど。ちょっと二の足踏む値段だよね」
アスカ「同じ理由でジッポーライターも買わずにここまで来ちゃったわ」
シンジ「使い捨てライターよりカッコいいんだけどねぇ……あ、今吸ってたのがラス1だった」
カヲル「……ちょっと、コンビニに行ってくる。小腹が空いた」
アスカ「あ、食べ物なら。さっきマリと買い物に行ったときに買ってきたわよ?」
カヲル「いや、そういう軽食の類じゃなくて」
アスカ「……」ニヤニヤ
カヲル「もっと……お弁当的な」
シンジ「アスカ……意地悪はやめなよ。カヲル君、コンビニに行くなら」
カヲル「うん……」
シンジ「このお金でタバコ買ってきて。カートン買いね」
カヲル「わかったよ……いつもの銘柄だね?」
シンジ「うん、お願いね」
マリ「…………」
マリ「……今なら大丈夫かな」
アスカ「あれ、どうしたのよ」
マリ「姫、ハッピーバースデー」
アスカ「え、これ、もしかして。プレゼント!?」
マリ「うん、サプライズだよ」
アスカ「え、小っちゃいけど、でもこの形は……」
アスカ「やっぱりいい!!」
シンジ「うわ!良いなー!!」
アスカ「ジッポーライターだぁ!!」
マリ「うふふ……お誕生日おめでとう、姫」
アスカ「ありがとう、マリ!絶対に大切にするから!!」
マリ「ふふふ……喜んでくれて何よりだよ」
終わり
見てる人がまだいるなら、即興で何か書く
リクエストはタバコが絡んでいたら嬉しい
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