シンジ「ついに冷蔵庫を買ったぞ!!」 (36)
「あれ? おかしいなー。冷蔵庫に入ってたプリンがない」
「アスカー!」
「なによー」
「冷蔵庫に入ってた僕のプリン知らない?」
「うっ!」ギクッ
「アスカー」ジー
「な、なによ!? 私が食べたってーの!」
「アスカしかいないじゃないか!」ハァ
「ミ、ミサトだっているじゃないのよ!」
「ミサトさんが勝手に食べるわけないだろ。第一、見分けつかなくなるからって名前書くように決めたじゃないか」
「アスカ、食べたんでしょ?」
「そ、そーよ! 悪い?」
「はぁ。何回目だよ。楽しみにしてたのに」
「男のくせにうるっさいわねー! また買ってくればいいじゃない!」
「あのプリン、期間限定だからもう売ってないよ」
「え!?そうなの?」
「うん。もういいや。僕もう部屋に行くね」
「あ、ちょっとシンジ......」
「(なによプリンぐらいで。みみっちい男ね...)」
「(アスカ、ほんとわがままだよなー。僕のことなんだと思ってるんだろー? はぁ。もう寝よう)」
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数日後
「あれ?僕のハーゲンダッツがない」
「アスカー!!」
「なによー?」
「僕のハーゲンダッツ、食べたでしょ?」
「うっ」ギク
「食べたでしょ?」ジー
「あ、あんたがなかなか食べないから仕方なく食べてやったのよ。感謝しなさいよね!」
「なっ!? 今日楽しみにしてた映画が放送されるから、その時に食べようと思ってたのに」イライラ
「そんなの知らないわよ。いつまで冷凍庫に入れておくほうが悪い」
「あっそう。わかったよ。もう決めた。」スッ
「あ、ちょっとどこ行くのよシンジー!」
家電量販店
「へぇー、最近の冷蔵庫ってけっこうオシャレなんだなー。小型のタイプもあるし、機能もいろいろあるなー!」ワクワク
「いらっしゃいませ〜!何かお探しでしょうか?
「あ、はい。小型の冷蔵庫が欲しくて。何かオススメはありますか?」
「それでしたら、こちらの商品なんて〜」ペチャクチャ
「買ってしまった。ついに買ってやったぞ!これで僕のスイーツを奪われる心配はもうない!」ヤッター
葛城邸
「ただいまー、いとしの子供達!」
「あれ? ミサト? 今日は早いわね」
「最近残業ばっかりだったからね、今日は早めにあがったのよん!」♪
「さーて! ビールビール!」♪
「ところでシンちゃんは?」
「知らない。どっか行ったわよ」シュン
「あららーん、喧嘩でもしたのー?」
「してないわよ!だいたいバカシンジとじゃレベルが違いすぎて、喧嘩になりゃーしないってーの!」
「(あ、なんかあったわね)」
「ふんっ!私部屋にいるから!」サッ
「あ、ちょっとアスカー!」ヤレヤレ
「(まあ、いつものことだし、大丈夫よね?)」
「ただいまー」プシュー
「おかえりなさい。シンちゃん!」
「あ、ミサトさん! 今日は早かったんですね!」
「最近残業続きだったから、今日は早くあがれたのよ!」
「それよりシンちゃん、どこ行ってたの?」
「あ、ちょっと家電量販店に行ってました」
「家電量販店? なんか欲しいものあったの?」
「はい、ちょっと冷蔵庫が欲しくて」
「冷蔵庫? 壊れてたかしら?」
「いえいえ、違うんです。僕の部屋に置く小型の冷蔵庫です」
「シンちゃんの部屋に? どうして?」
「えーと、アスカのことのんですけど、僕のアイスとかプリンとか勝手に食べるんですよ」トホホ
「それも一度や二度じゃないんです!名前まで書いて冷蔵庫に入れてるのに、ひどいと思いませんか?」
「あーなるほど。そういうことね。」
「はい、それで今日ついに我慢の限界を迎えてしまって。あ!明日のお昼頃に冷蔵庫が届くので、少し騒がしくなると思います!」
「そう、わかったわ。」
「シンちゃん...」
「はい?」キョトン
「あ、いや、なんでもないわ! 明日のお昼頃ね! 明日は私も休みだから、何かあったら手伝うわ!」
「はい、ありがとうございます! それじゃご飯作りますね!」
「いつも悪いわね。お願いするわ。」
「(シンちゃん...アスカは甘えてるだけだと思うんだけど、あの年頃だと難しいわね)」
翌日
ピンポーン♪
「はーい」
「〇〇電気です!お荷物お届けにまいりました!」
「ありがとうございます!こちらにお願いします!」ワクワク
「かしこまりました。」
ガチャガチャ
「ありがとうございました!」
「シンジ?誰か来てたの?」
「あ、アスカ。別になんでもないよ」
「ふーん、まあいいわ。そんなことよりお昼早く作りなさいよ!」プイッ
「はいはい」
「(よし!これで僕のスイーツは大丈夫だ!それにしても部屋に冷蔵庫があるとなんか大人になった気分だなー。これからお風呂上がりが楽しみだ♪)」
夜
冷蔵庫
ガチャ
「(あれ?おかしいわね?いつも入ってるはずのシンジの名前入りスイーツがない。私の分だけ...はっ!冷凍庫は!?......)」
「(変化なしか...)」
「どしたのアスカ?」
「あ、ミサト。 なんでもないわ」
「そう?」
「うん」
「(いつもより元気ないわね)」
風呂
「(ふぅー、お風呂がものすごく気持ちいいや。これもお風呂上がりの楽しみがあるからだよね♪ 買ってよかったな冷蔵庫!)」
「さて、あがるか!」バサー
リビング
「ちょっとバカシンジ!」
「なんだよ、アスカ」イラ
「あんた私に隠し事してないでしょーね?」
「はぁ?なんだよ急に。そんなことしてないよ」
「ふんっ、どーだか。今日も怪しい荷物が届いてたみたいだし。まぁ、あんたのことだから、どーせしょーもないものでしょうけど」
「なんだよそれ!僕がなにを買おうと勝手だろ!」イライラ
「なによ、その態度!シンジのくせに生意気ね!」
「アスカがいつも偉そうなだけじゃないか!」
「なんですってー!! あんたと私じゃ天と地なほどの差があるんだから、当然じゃない!」
「はいはい、わかりましたよーっと。それじゃ劣っている僕は部屋に戻りますよ」イライラ
「はんっ、一生部屋に引きこもってればいいわ!」
「なによ、シンジのくせに...」シュン
リビング
「アースカ♪ 派手にやってたわね」
「ミサト...。別にあんなの喧嘩のうちに入らないわ」
「私もう寝るわ」スッ
「(アスカはシンちゃんのことが気になるのね。少し見守りましょう。あ、私もアイス食べよう)」
ガチャ
「(さーて、何があるのかしらん♪ ん? アスカ...あの子ったら、ほんとに素直じゃないんだから。それにしてもタイミングが悪いわね。)」
シンジ部屋
「部屋に冷蔵庫があるだけで、なんて幸せなんだ」キラキラ
「誰にも邪魔されず、自分の好きなものを食べられる。なんたる幸福!」キラキラ
アスカの部屋
「シンジ、なんか隠してるわね。絶対に暴いてやるわ」メラメラ
「今日は冷凍庫開けなかったのね...」
翌日
「ミサトさーん、買い物行ってきますけど、なんか欲しい物ありますかー?」
「うーん、エビチュとおつまみおねがーい」
「ミサトさん、未成年はお酒買えないんですよ」トホホ
「あ、そうだったわね。ごみーん」テヘヘ
「おつまみだけ買ってきますね。アス...いってきまーす!」
「何よシンジのやつ。昨日から嫌な感じね」シュン
「(シンちゃん、まだ気づいてないみたいね。どうしましょ)」
帰宅後
「ただいまー」キョロキョロ
「(よし!今のうちに部屋に直行して自分のお菓子だけ冷蔵庫に入れよう)」
スッ、サササー
ガチャン
ガサゴソ...
「(これでOK! ミッションコンプリート)」
「そういうことだったのねバカシンジ!!」
「な!? アスカ!?」
「昨日から様子が変だったから、泳がせていたのよっ」
「なるほどね。小型の冷蔵庫とはこしゃくな真似をしてくれるじゃない」フンッ
「アスカには関係ないだろ。迷惑かけてるわけじゃないんだしさ」
「とにかくこれからは僕のお菓子はこの冷蔵庫に入れておくから、勝手に入ったり、触ったりしないでよね」プイッ
「あんたがそこまでやるとはね。飼い犬に手首を噛まれた気分だわ」
「もう勝手にすれば?」ウル
バッ
「アスカ...? 泣いてた?」
リビング
ダッダッダッ、バタン
「(アスカ...? あちゃー、シンちゃんの冷蔵庫みちゃったかー)」
「ミサトさん、ただいま」
「あらーおかえり」
「暑かったでしょ? お買い物ありがとう」
「いえ、大丈夫です」
「あ、そうだシンちゃん! 帰ってきて早々申し訳ないんだけど、アイスコーヒー作ってくれない?」
「アイスコーヒーですか?」
「そ!氷をたっぷりいれたキンキンに冷えたやつね!!」
「ミサトさんがビール以外でキンキンに冷えたっていう表現つかうの珍しいですね」クス
「なによー、私だってビール以外に冷たい飲み物飲むわよ」ムー
「わかりました。すぐ作ります」
「ちょうど新しい豆も買ってきたんで、挽きたてでつくりますね!」
「お、さっすがシンちゃん!!大好きよ♡」ギュッ
「ちょっt、ミサトさーん」デレデレ
「えーと、氷、氷」
ガチャ
「お、あったあった......ん? なんだこれ?」
シンジへ
勝手にお菓子食べてごめんなさい
よかったら食べてください
アスカ
「これハーゲンダッツだ」
「アスカ、買っててくれたんだ」
「どうしたのシンちゃん?」
「あ、いや、アスカがアイス買っててくれたみたいで」
「あらそう。この前勝手にたべちゃったから、そのお詫びかしらね」
「...」
「アスカは、僕のことどう思っているんでしょう?」
「僕のお菓子を食べたりするのは、嫌がらせみたいなもんだと思ってました」
「でも、さっき部屋で冷蔵庫見られたとき、アスカ泣いてたんです」
「僕は泣いてるアスカを見たら、急に嫌な気持ちになってしまって...」オロオロ
「ミサトさん、僕はアスカのことよくわからないです」
「どうしたらいいんですか?」
「シンちゃん...そうね、アスカはシンちゃんに甘えてたんじゃないかな?」
「アスカは恥ずかしがり屋だから、素直になれなかったんだと思うの」
「冷蔵庫に入っているシンちゃんのお菓子を勝手に食べるのも、かまってほしかったんだと思うわ」
「......」
「わかるわ。女の子って難しいわよね」
「でもね、アスカにとってはその冷蔵庫だって、シンちゃんと会話するためのツールだったのよ」
「アスカは今まで一人で頑張ってきたわ。ただひたすら努力して、周囲に自分を認めさせるためにね」
「でも、日本に来て、学校の友だちや私やシンちゃんに出会って、少しづづ変わっていったと思うの」
「特にシンちゃんと生活するようになって、あの子とっても楽しそうよ」
「......」
「だからシンちゃんが新しい冷蔵庫買って、それにちょっと嫉妬しちゃったのかもね」
「可愛いもんじゃない」クス
「シンちゃんはアスカがとっても優しいの知っているでしょ?」
「...はい」
「アスカはシンちゃんに嫌がらせしてたんじゃないわ」
「もっと話したかっただけなのよ。ほんとに素直じゃないわね」クス
「ミ、ミサトさん!!」
「ん?」
「ちょっと買い物いってきます!!」ダッ
「はーい、いってらっしゃい!」
夜 風呂
「私ってば、ほんっとうにバカみたい」
「...」
「もういい、あがろう」スッ
リビング
「あら、アスカお風呂あがったの?」
「うん」
「あ、ちょうどいいわ。アスカ冷凍庫からアイス取ってよ」
「えぇーいやよ、自分で取りなさいよ」
「お願いよーねぇねぇ、アスカってばー」
「わかったわよ、うっさいわね」はぁ
ガチャ
「(ん...?これは?)」
めんどくさい女だな、素直になれよ
アスカへ
僕の方も意地はってごめんね
アイス美味しかったよ
よかったら食べてください
シンジ
「シンジ......./////」
「アスカーどうしたのー? ニヤついて」ニヤニヤ
「う、うっさいわね、別にニヤついてないわよ」
「私部屋にいるから!!」
ダッダッダッ
「手にはしっかりアイス持って...ふふふ、あの二人可愛いわね」ニコ
数日後
「あぁー!! 僕のペコちゃんのほっぺがない」ガーン
「アスカー!!また食べたなー!!」
「朝っぱらから、うっさいわね、何よ?」
「僕のペコちゃんのほっぺ食べたでしょ?」
「そうよ、美味しそうだったから食べちゃったわよ」ヘヘ
「何度言ったらわかるんだよ」はぁ
「あーもう男がいちいち情けないわね!!」
「私の半分あげるから機嫌直しなさいよ!!」
「え?半分だけ?」
「何よ?いらないの」ギロ
「僕全部食べられたんだけど」トホホ
「はんぶんこして、私と一緒にたべられるんだから、それでいいでしょ?」ヤレヤレ
「はぁ、わかったよ」
「シンジ!!一緒に食べよ」ニコ
商店街
「シンちゃんとアスカが家の中でラブラブしてると少し気を遣うわねー」トボトボ
「ん?これって?」
リサイクルショップ前
ほぼ新品!!
小型冷蔵庫!!自室に最適な大きさです!!
「シンちゃん...あの子達、ほんとに可愛いわね」ニコ
おしまい
>>25
私もそう思います
理不尽極まりないですね笑
それがいいんじゃないか
こういうSSでのシンちゃんってお人好しすぎるよね
>>31
アスカだから許されますね
>>32
シンちゃんブチギレSSも面白そうですね
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