【モバマス】惣菜と自炊と二宮飛鳥 (16)
ガチャッ…
飛鳥「…うわ、この唐揚げ賞味期限切れてる…」
飛鳥「えっと、食べられるのは…卵、牛乳、3日前に炊いた米…さっき買ってきたカキフライ…」
飛鳥「カキフライだけで食べるのもな…もっと色々買ってくればよかった…」
飛鳥「仕方ない、何か軽く料理でもするかな」
飛鳥「………フライパン、一昨日使ってから洗ってなかった…」
飛鳥「……コンビニ行こ」
…パタン
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505839832
ガチャッ…
飛鳥「今日はたくさん買ってきちゃったな」
飛鳥「フランスパン、シリアル、ジュース、それから大量の惣菜」
飛鳥「しばらくはこれだけで生活できそうだな」
飛鳥「特にこの2Lコーラ…150円とは随分と安かったな」
飛鳥「知らなかったよ、スーパーマーケットというものがこんなに偉大だったなんて」
飛鳥「ふふ、今日は惣菜の宴だ」
飛鳥「取り敢えずコーラは冷蔵庫に入れておくか、これから少しずつ飲んで行こう」
飛鳥「…今日で1週間か、案外早いな」
…バタン
ガチャッ…
飛鳥「…こんなに惣菜多かったっけ?」
飛鳥「いや、確かに買いすぎて食べ切れなかった時もあるけど…」
飛鳥「…まぁいいか、今日はこの中から適当に…と」
飛鳥「…これ…賞味期限、昨日だ」
飛鳥「惣菜…短命だな…」
飛鳥「…あ、牛乳も明後日か」
飛鳥「まだ開けてもないのに…」
飛鳥「…………」
飛鳥「…今日はフランスパンでいいか」
…バタン
ガチャッ…
飛鳥「…まさか一番の頼りだったフランスパンにまでカビの闇の手が襲い掛かるとは…」
飛鳥「ふふ、しかしここにはボクの秘密兵器たちが…」
飛鳥「…………………」
飛鳥「…………」
飛鳥「……えーと…」
飛鳥「………秘密兵器…」
飛鳥「…これは…一昨日…これ…3日前…!?」
飛鳥「……何か…何かまだ食べられるもの…」
飛鳥「……………」
飛鳥「………昨日ならまだセーフだよな…?」
…バタン
ガチャッ!
飛鳥「昨日は酷い目に遭った!」
飛鳥「賞味期限は最終防衛ラインだったんだ!!」
飛鳥「もう2度と賞味期限切れの惣菜なんて食べないからな!」
飛鳥「ボクのお腹のために!!」
飛鳥「と、いうわけで今日は冷蔵庫の中身を一新するべく買い物をしてきた!!」
飛鳥「まずはレンジでチンするお米!」
飛鳥「そしてレンジでチンするピザ!!」
飛鳥「さらにレンジでチンするナポリタン!!!」
飛鳥「完璧だ…冷凍食品こそ人類の叡智だったんだ!」
飛鳥「さらにコーラとフランスパンも補充してきた!これで残りの1週間半をやり過ごせる!!」
飛鳥「ふふふ…」
飛鳥「…………」
飛鳥「…お腹空いたな」
飛鳥「レンジ………」
飛鳥「…面倒だし今日は外食にするか…」
…バタン
ガチャッ…
飛鳥「ふふ、今日は週末だから豪華に肉を買ってきたぞ!」
飛鳥「スーパーで30%オフだったから砂ズリとレバーをまとめて買ってきてしまった…」
飛鳥「ふふ…これなら焼くだけでもいい、今晩は宴だな…」
飛鳥「さて、早速…………」
飛鳥「……………」
飛鳥「…………………………」
飛鳥「…これ、砂ズリじゃなくてレバーだ」
飛鳥「………レバー&レバーだ…」
飛鳥「…レバー2パックはキツいな…」
飛鳥「…今日は1パックだけにしておくか……」
…バタン
ガチャッ…
飛鳥「…コーラ、コーラ…っと…」
飛鳥「しかし袋麺がここまで万能だとは思わなかった」
飛鳥「湯を沸かすだけで出来るし、鍋のまま食べれば洗い物も最小限だ」
飛鳥「値段的にコスパもかなりいい、最高だ」
飛鳥「ふふ、最近はもうかなり一人暮らしも身についてきたな」
飛鳥「……あと5日か」
…バタン
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
ピ-ンポ-ン
飛鳥「…ん?来客とは珍しいな…番組スタッフの人かな」
ガチャッ
P「…よ、元気か」
バタン!!!
飛鳥「!?!?!?」
P『おーい久々に会えたのにそれは酷くないかー」
飛鳥「ちょ、ちょっと部屋の掃除するから待っててくれ!!」
P『あいよー』
P「ふぅ…外はもうだいぶ涼しいな」
飛鳥「あ、ああ…うん…」ソワソワ
P「…………」
飛鳥「…で、その、何しに来たんだい?」
P「…んー…いや、お前が地方の長期ロケってことでマンスリーマンション借りて
3週間だけ一人暮らしってことになって2週間ちょい経って…」
飛鳥「ああ、うん…なんだかんだで上手くやれてるよ」
P「…ふーむ…」
飛鳥「…その、何食わぬ顔で部屋を漁ろうとするのはやめて欲しいんだが…」
P「下着はどこ?」
飛鳥「言うわけないだろ!」
P「とまぁ、ただで上り込むのも悪いしな、晩飯くらい作ってやるよ」
飛鳥「え…まさか料理できるのかい?」
P「ん?ああ、当然だろ、俺も一人暮らししてるんだから」
飛鳥「あ、そ、そう…なのか」
P「一応俺も食材買って来てはいるけど、ちょっと冷蔵庫の中身貰うぞー…」
飛鳥「え!?あ、ちょっ、待っ……!?」
ガチャッ
カビたパン、カピカピの米、賞味期限が1週間以上過ぎた惣菜。
冷蔵庫を開いた瞬間、中からはただならぬ異臭が広がった。
フローリングに正座させられPに説教されながら、ボクは忘れかけていた食への感謝を思い出した。
そして辿り着いた。
その日に必要な分だけを買い、買った分はその日のうちに消費し切る。
それこそが惣菜生活の真髄なのだと。
ボクは無駄にしてしまった数多の食品への申し訳なさで涙が止まらなかった。
罰として下着を一枚Pに押収された。
後日、Pは逮捕された。
これからは、料理を勉強しようと思う。
そしていつか、Pに食べさせて見返してやろうと思う。
ありがとうございました、冷蔵庫の中身はちゃんと整理しましょう
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません