これは森久保誕生日記念SSです。もうすぐ次の日になりますが森久保誕生日記念SSです。どうかお付き合いお願い致します。
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【事務所前】
タッタッタ……
ふぅ……なんとか察されずに事務所を抜け出せました……
まさか森久保がバースデーイベントから命からがら帰還したら扉の向こうで輝子さんたちがサプライズパーティーの準備をしていようとは……あの子さんが悪寒で教えてくれなければ即死でした……
というか、なんで森久保のお誕生日にお仕事をプレゼントしてきたのでしょうかうちのプロデューサーは…普通プレゼントするとしたらお休みでしょう…
…いえ、おかげで事務所に寄れました。申し訳なくもありますが幸運でしょうか…本当のサプライズなんてされたら森久保は嬉しさのあまり飛び散ります…今だって……
…ほら、鏡の中の女の子が見たこともないような頬のゆるみ方をしてるんですけど……これでは森久保ただの変質者……もどれー…よしよし
でも見た所お祝いまではまだ結構時間がかかるみたいですし…
きゅるる~…
……お腹も、減ってしまったんですけど……
当然です、お仕事の後ご飯も食べずにゾンビのごとく戻ったんですから
……どうしましょう、勿論事務所には戻れません。手っ取り早く喫茶店でお茶とケーキでも…いえ、ケーキは駄目です。恐らくバースデーケーキがこの後出るので被ります。かと言ってお茶でこの飢えが満たされようか…!
ぽすっ
「わぷっ」
「あ、申し訳ございません……って森久保!先に事務所に戻ってたんじゃないのか?」
我ながらすこぶる謎なテーマで悩んでいたら全ての元凶……もといプロデューサーさんにぶつかってしまいました。今日のスケジュールはもう終わりなことが救いです。でなければ森久保は辞世の句を用意しなければいけないところでした
「戻りはしたんですが……その……えへへ」
「かわいい」
「ふぇ!?」
「っと間違えた、いや間違ってないけど。大体わかった。ったく、あいつらそれなら俺にも言って欲しかったもんだ。森久保にバレないように一計案じてやったものを」
そうして思ったことを口に出してしまうからではないでしょうか……拙い説明でも大方察してくれたのは有り難いですけど
「まぁあいつらならちひろさんの許可くらい取ってるだろ……となれば、何処かしらで時間潰しでもするか?」
「はい…準備が終わるまでにまだ時間がかかるらしいので…」
ピロンッ♪
『乃々ちゃん、時間が空いてたら今日の5時半から仲良く机の下でたわむれないか……?』
建前。
「…5時半だそうです」ポチポチ
「了解。そんじゃ、昼飯まだだろ?うちの可愛い担当の年に一回の記念日だ。何だって奢ってやら」
「……言いましたね?」
「……千円前後がいいなぁ」
「……何でも、とは」
「仕方ないだろ今月末何が起こるかわかったもんじゃねーんだから!」
「森久保にキレないで欲しいんですけど!?」
……なんでこんな二言しかない人に森久保はついて行ってるのでしょうか……
千円前後で美味しいお店……あ
「新宿でラーメンを食べましょう」
「はぇ?」
「鳩が鉄砲喰らったような顔しないでください」
「鳩の顔が跳ぶわそれ……じゃなくて、いいのか?肉じゃなくて。正直いきな○ステーキ位は覚悟してたぞ」
「パーティ前に重いものは取りたくないので……命拾いしましたね」
「ヒェッ」
「というわけで早速行きましょう。人通り?そんなの気にしてても美味しいご飯は来てくれないんですけど。さぁ」
「……今日の森久保はテンション高いなぁ」
偉い人は言いました。人のお金で食べるご飯は蜜の味、と
【所変わって新宿駅近辺】
「……ここですね。南口から歩いて五分もしませんでしたけど……」
「なんだ、ノリノリで目指してた割には行ったこと無かったのか?」
「……前の撮影の時に共演した銀髪のお姉さんが仕事終わりにここのことを話していたのを小耳に挟みまして……」
『さて、今日は全て滞りなく終わったので二十郎……は1時間後に響と行く予定でした。ではそれまでに軽く~~の塩らぁめんでも……』
「そしてそこを調べたところとても森久保好みだったのでずっと興味がありました……」
「俺はその銀髪のお姉さんの方に興味が尽きないよ?」
「ということで早く入りましょう、森久保が飯くぼ状態になっているうちに……!」
「新たに気になるワードが出た気がするけどまぁいいや。眼鏡は外すなよ?」
「当然ですけど……!」
【店内】
運よくすぐお店に入れましたがお客さんはほぼいっぱいです……新宿怖い……
メニューのラーメンは『あら炊き塩ラーメン』と『旨辛あら炊き塩ラーメン』の2つのみ……大盛り無料は嬉しいですね……
店内には今日のあら一覧が貼られています……真鯛、穴子、魴?……見てるだけ涎がでてしまうんですけど……
……へしこ焼きおにぎりが+150円で付いてくるみたいですね……へしこは確か鯖を漬けた福井、石川の郷土料理でしたっけ……ちらっ
「……何ならトッピングもいいぞ?」
「……パパ……」
「それはちょっと怪しくなるからやめなさい」
とはいえケーキも控えているので全部のせ600円はまたの機会に
というわけであら炊き塩大盛り+焼きおにぎりに味玉トッピング、占めて1080円、ごちになります……
「大盛りで大丈夫か?」
「……こういうのは案外入るものなんですけど……」
「まぁ余ったら食ってやるよ」
「……パパ……」
「だからやめなさいそれ」
「お待たせしましたー、あら炊き塩らぁめんです、こちらへしこ焼きおにぎり、麺の食べ終わりにスープに入れてお召し上がりくださーい」
「……おぉ……!」
「目が爛々としてるかわいい」
野次は無視しまして……この透き通ったきれいなスープに、白髪ネギに糸唐辛子、きざみ大葉。チャーシューの代わりにエビのつくねと鶏つくね。風味の乱れを一切予感させない構築。素晴らしいんですけど……!
まずは魚介の香りがたまらないスープを一口……
ずずっ……
……臭みが一切ない上品で優しい味です。それでいてしっかり塩味が効いていてコクのあるスープです
続いて白髪ネギをスープに浸けていただきます。……じゃきっ……
ネギの風味がスープによく合っています……シャキシャキの食感もまた嬉しいですね
ここで味玉もぱくり……嗚呼、この塩加減です、森久保の求めていたものは……
「……ふぅ」
スープのみになったところで焼きおにぎりをスープにつけ込んで食べてみます……ずぞぞ……
おこげの香ばしさに薬味の山椒とスープがお互いに引き立て合ってます……五臓六腑に染み渡るとはまさにこのこと……!
「あー、これ酒飲んだ後にいいかも知れん」
先に食べ終わったプロデューサーさんがそう呟いていました。森久保には当分縁のない世界ですけど……
「……ごちそうさまでした」
ぱん、と手を合わせます。森久保、多幸感というやつを味わってしまいました……。ご飯を食べて幸せ、祝ってもらえて幸せ……
……毎日誕生日でいいです
「それだとあっという間にお婆ちゃんだからあまりお勧め出来んなぁ」
と、けらけらと笑うプロデューサーさん。だからなんで察せちゃうんですか
「ひひひひ、人がいっぱいなんですけど……!!!」
「飯くぼ状態切れたかー」
【所戻って事務所】
「乃々さん……」
「「「「「お誕生日おめでとう(…)(ございます)(ッ)!」」」」」
「……ありがとうございます……!森久保は……幸せ者なんですけど……!」
何故でしょう……知ってたはずなのに泣いてしまうんですけど……!
「私からプレゼント…目玉チョコ…」
「怖いですけど技術への感嘆が先行して逆にあまり怖くないんですけど……」
「フヒ……ハイパーシイタケくんだ……」
「そのうちマスターシイタケくんが誕生日しそうなんですけど……」
「まゆからはラズベリーチョコレートですよぉ♪」
「うーん、目玉とラズベリーでチョコが被ってしまったんですけど……」
「ウチからはベビキャチョコだぞッ!」
「ガチャで一属性ばかりが出た気分なんですけど……」
「カワイイボクからはカワイイボク型ぬいぐるみですよ!」
「チョコとか入ってないですか……?」
「入ってませんよ!?」
「さぁ、ケーキも作りましたからみんなで食べましょう♪」
待ってました……!ケーキは別腹なんですけど……!!
「「「ワイワイ……!」」」
………………
その日、塩とはいえラーメンに加えケーキにチョコをいっぱい食べた森久保のその後は予想に難くないのでありました……
おしまい
終わりです。名前は出しませんでしたが、実在するお店を元ネタにして書かせていただきました。お付き合いありがとうございました。
乙乙
もしかして未央でも同じお店で書いてた?
>>14様
申し訳ございませんが存じ上げません。自分がラーメンSSを書いたのはこれが初めてです。心当たりのある作品はおそらく別の作者様だと思われます。
誤字訂正
「ウチからはベビキャチョコだぞッ!」
↓
「ウチからはデビキャチョコだぞッ!」
でした。重ね重ね申し訳ございません。
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