幼「ボクの事好きって言ってみて」 (145)
男「……は?」
幼「ん?」
男「……」
幼「よく聞こえなかった?もう一度言おうか」
男「いや、いい。しっかり聞こえてる」
幼「そう?ならよかった。でも、無視は感心しないなぁ」
男「感心しないと、言われましてもね……」
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男「……」
幼「……じー」
男「なんだ、その眼差しは」
幼「こういう時は期待半分、不安半分の表情をするものらしい」
男「らしい……?どこの情報だよ」
幼「【もう幼馴染じゃいられない】三巻の120ページ参照」
男「なんだそりゃ」
幼「今一番売れてる少女漫画なんだって」
男「ほー……」
男「お前そんなの読むんだな」
幼「心外だね。こう見えてボクもお年頃なんだよ」
男「……」
幼「きゃぴっ」
男「それも漫画知識か?」
幼「うん」
男「……こんな入れ知恵する奴は、一人しかいないな」
幼「なんの事やら?ボクには皆目検討付かないな」
男「相変わらず、嘘つくのだけは下手だな」
幼「嘘だなんて……酷い。ボクの言葉を疑うの?」
男「上目遣いしても無駄だ」
幼「……無念」
「おや、ご両人。今日も仲がよろしいこって」
まったり書いていきます
ボクっ娘だよやったね
男「……」
「おや、これは……」
幼「面目ない。バレてしまったよ」
「ありゃ、残念」
男「お前の花畑でこいつの頭を侵食するな」
「え、なに?俺の女に手を出すな的なやつ?」
男「なんでそうなる」
幼「大丈夫だよ。ボクは絶対屈しないから」
「おー」
幼「キッ」
男「いや、もう十分影響受けてるっつーか……」
男「とにかく、これ以上妙なことを吹き込むつもりなら……」
「なら?」
男「そのつるつるのデコの形を変えてやるぞ」
「ひゃー、そりゃ怖い」
男「なんだ、随分と余裕だな」
「だってこれ以上やったら、でしょ?イゴキヲツケマース」
男「うらっ!」
「ぴゃぅっ!?」
男「っつあ……石頭が」
「お、おぼえてろーっ」
幼「あ、漫画明日返すねー」
男「あいつ、次やったらただじゃおかん」
幼「そんなに怒らなくてもいいのに」
男「お前も乗るんじゃない」
幼「ボクは楽しいと思うことをするだけ」
男「……」
幼「おっと、ガードガード」
男「……ったく」
幼「でもさ」
男「ん」
幼「キミから好きって言われた事、ない気がするんだ」
男「どうした急に」
幼「急にもなにも。言葉通りさ」
男「……」
幼「ボクはこんなに好きなのになぁ。一人相撲な気分になるよ」
男「……そういう言葉は、言い過ぎると軽くなっちゃうだろ」
幼「あんまり重くし過ぎても困ると思うけどなぁ」
男「……むむ」
幼「もう、難しく考えすぎさ」
男「え?」
幼「……ぎゅ」
男「っ!!」
幼「じぃ……」
男「な、ななっ……」
幼「ボクがお手本、見せてあげる」
男「……っ」
幼「じぃー……」
男「……し、信号が赤になっちまうぞっ」
幼「あ、もうっ。ちょっと待ってよっ」
もしかしてこれって需要ないやつか……
安価無しで書くのは久しぶりなもので
少し不安があったのですね
幼「ボクの幼馴染が素直じゃなくて辛い」
男「なに言ってんだ?」
幼「不安で胸が押しつぶされそうだ」
男「……」
幼『やっぱり、ボクの体が目当てだったんだ』
男「なっ……」
幼?『でも、しょうがないよね……男子高校生なんて、性欲の塊みたいなもんだよね……』
男「……」
幼?『しょうがないにゃあ……いい』
男「おいこら」
幼?『ん?』
男「うらっ!」
「ぴゃっ!?」
男「うらうらっ!!」
「ぴああっ!?!?」
男「さらにもう一発……!」
「ひいい、おたすけぇ」
男「こら、逃げるなっ」
「い、いつから気付いてたんだ……」
男「アホか。最初からに決まってんだろ」
幼「にしちゃ、一瞬驚いてたよね」
男「……うるさい」
幼?『酷いよ!ボク信じてたのに!』
男「その若干似てなくもないモノマネやめろ」
幼?『やーん、ひっどーい』
男「……どうやら、まだ足りないらしいな」
「さささっ」
男「そこをどけ」
幼「もう、すぐに暴力はよくないぞ?」
「そーだそーだー」
男「これは暴力じゃない、教育だ」
「こんな暴力亭主で平気?」
幼「優しい所もちゃんとあるからね。へーき」
「ま、ノロケられた」
幼「今のノロケになるのかなぁ?」
「無自覚とは恐れ入った」
男「……俺を放っておいて何を盛り上がってる」
「なんだぁ?男のジェラシーはみっともないぞキミぃ」
男「まるで意味が分からんぞ」
幼「キミが優しいって話してたんだよ」
男「……聞こえてなかったわけじゃないから。改めて言わなくてよろしい」
幼「あ、そう?」
「……じとー」
男「なんだ、その目は」
「なんて熱量だ。私は逃げるぜ」
幼「また、後でねー」
「んむー」
男「ほんと、あいつは何がしたいんだ……」
幼「同じクラスなら、いちいち教室戻らなくていいのにね」
男「話が噛み合ってない気がするのだが」
幼「その方が楽しそうじゃない?」
男「勘弁してくれ」
幼「素直じゃないね」
男「さて、今日は何食おうかなぁ」
幼「今日も学食?」
男「ん、あぁ。最近忙しいらしくてな」
幼「そうなんだ」
男「そっちは弁当だろ?確か」
幼「……じぃ」
男「弁当箱二つって……随分と食べるな」
幼「……キミならそう言うと思ってたよ。思ってたけどね」
男「な、なんだその目は」
「なにやらいい匂いがするねぇ」
幼「あ、丁度よかった」
「んー?」
幼「お弁当、一緒に食べない?」
「……」
男「……?」
「なるほどね」
幼「うん、そゆこと」
男「??」
「いただけるものはなんでもありがたく貰う主義だよ」
幼「口に合うといいんだけど」
「好き嫌いは基本的にないよ」
幼「それを聞いて一安心かも」
男「……また俺をノケものにしよって」
「あれ、まだいたの?早く学食行きなよ」
幼「……」
男「そこまで言われちゃ、素直に学食へ行きたくなくなるな」
「うわ、なんだこいつ」
男「俺も貰っていいか?」
幼「へ?あ……うん、もちろん」
幼『そのつもりだったし、元から……』
男「なんか言ったか?」
「べっつにー」
男「お前じゃねーよ」
「タコさんウィンナーいただきっ」
男「おい、なんでお前が先に取るんだ」
「貰ったものをどう食べるかは私の自由じゃない」
男「お前なぁ……」
幼「あはは、いいんだよ。ほら、キミも遠慮しないで」
男「ん、おう」
「もぐもぐ……料理上手だね」
幼「んー、冷凍食品の方が多いけどね」
男「これもそうか?……あぐ」
幼「うん。レンジで一分」
「ネタばらししなきゃ簡単に騙せるのに」
男「騙すとかそういう話じゃないだろ、バカ」
幼「キミもやってみたら?一食辺りで見れば安く済むと思うし……ぱく」
男「あー……うん、考えとくわ」
「それやらないやつな」
男「……ぐぐっ」
「退避ぃっ」
幼「こらこら、食事の時くらいゆっくりしようよ」
男「それもそうだな……よっと」
「ああっ、私のタコさんっ」
男「名前は書かれて無かったぞ」
「ばくばくっ」
男「あ、こら。俺の好きなものばかり取るなよ」
幼「ふふ、そんなに慌てなくてもまだまだあるよ」
「ふー、食った食った」
男「旨かったよ、ありがとう」
「ごちそうさまー」
幼「はい、お粗末様」
幼「と言っても、感謝されるべきは冷食のメーカーかな?くすくす」
男「そんな事ないんじゃないか?あのウィンナーはお前がやったんだろ?」
幼「あれも包丁入れて焼いただけだし」
「私でも出来そうだ」
男「そういうのはやってから言うもんだろ」
幼「でも、ほんとに誰でも出来るよ」
幼「だから、また作ってきても……」
キーンコーンカーンコーン
「おっと、もうこんな時間か」
男「何か言ったか?」
幼「……何でもない」
男「……?」
「……ばーか」
男「な、なんだぁ?」
ここまで反応ないとちょっと落ち込んでくるね……
幼「……ぺら」
幼「んー……んっ」
「オッス、お勤めご苦労」
幼「あれ、珍しいね。図書室に来るなんて」
「私だって、時には読書してみたくなるのさ」
幼「それはいい傾向だ」
「さて、漫画コーナーは……」
幼「ふふ、漫画コーナーはあっちだよ」
「お、せんきゅー」
幼「……ぺらり」
「メガネ」
幼「ん?」
「本読む時だけ?かけるの」
幼「そうだな……あとは映画を見る時とか、かな」
「ふーん」
幼「なんで?」
「似合ってる。凄く頭良さそう」
幼「褒めてるの?それ」
「そりゃベタ褒めよ」
幼「くすくす、ありがと」
「しかしヒマだね」
幼「ボクは暇な方が好ましいな。ゆっくり本読めるし」
「なるほどねぇ」
幼「っと、もうこんな時間か」
「閉館時間?」
幼「そそ」
「手伝える事ある?」
幼「ありがと。それじゃ、向こうから窓閉めてもらえるかな」
「あいよ、合点」
幼「すっごく助かったよ。ありがと」
「そう言っても貰えると、手伝った甲斐があるね」
幼「向こうももうそろそろかな?」
「連絡とかは?」
幼「んー、特に」
「なら校門で待ってりゃくるんじゃない?」
幼「それもそっか」
「それとも、直接体育館行く?」
幼「……流石にそれは、ちょっとね」
「いじらしい乙女め」
幼「たはは」
つづく
男「……ん」
幼「やぁ、お疲れ様」
「だいぶ待ったぞ」
男「待つように行った覚えはないが……」
幼「ま、つれないお方」
男「お前も乗るなっての」
幼「くすくす、それじゃ帰ろっか」
男「今日も委員の仕事だったのか?」
幼「ん、そうだね」
男「お前の方こそお疲れ様だ」
幼「今日は協力者がいたからそうでもなかったよ」
「どうも、協力者です」
男「なんでこんな時間まで残ってたんだ?帰宅部だろ、お前」
「そんなに私が邪魔かぁ?それなら素直に言えばいいのに」
男「そんな事は言ってないし、思ってもない」
「ぶーぶー」
幼「そんな言い方しなくていいのに」
男「なんだ、お前はどっちの味方だ?」
幼「ボクはその時味方したい方の味方」
「心の友よぉ」
幼「おー、よしよし」
「……ぱふ、ぱふ」
男「……」
「羨ましかったらそう言っていいんだぞ」
幼「え、そうなの?」
男「んなわけ……」
幼「……?」
「……むぎゅ」
男「……あるか、アホ」
幼「間があったね」
「うん、確実にあった」
幼「もしかして、悩んでたのかな?」
「そりゃまぁ、悩む気持ちも……」
男「どりゃあっ!」
「いっだぁ!?」
男「……ぺし」
幼「いて」
男「思春期男子をあまり舐めるんじゃないぞ、思春期ガールズ」
「……明らかな差別を感じたんだけど」
幼「ぼーりょくはんたーい」
男「シャラップ!」
幼「それじゃ、またね」
男「おう、また明日」
「ばいばーい」
男「……」
「……」
男(そういや、帰宅部のこいつと一緒に帰るって珍しいな)
「……ねぇ」
男(家の場所とかも、そういや知らねぇし)
「……おいってば」
男(しかし、そんな質問しようもんならまた面倒な……)
「うりゃあっ!」
男「ぐおわっ」
「い、いつもの仕返しだ……いちち」
男「は、反動が結構痛いのも分かったか」
「ならやらんきゃいいのいん」
男「じゃあやらなくて済むように心がけてくれ」
「カンガエトキマース」
男「……」
「……」
男「なぜ無言で離れる」
「必殺の間合いだ」
「あ、私こっち右だから」
男「ん、そうか」
「んじゃ、またね」
男「おう、また明日な」
男(さて、今日こそはあそこのボスを突破せねば)
(……また、か)
男「……くぁ」
男(やっぱりゲームで夜更かしはいかんな、眠気が……)
幼「おはよーっ」
男「……」
幼「っととと?」
男「うおっ」
幼「わあ」
男「すまん、大丈夫か」
幼「ボクは平気だけど、キミの方こそ大丈夫?フラフラしてたように見えたけど」
男「今ので大分目が覚めた。感謝する」
幼「ふふ、そりゃよかった」
男?『今ので下の方も目が覚めちまったよ。ぐへへ』
幼「おや、そりゃ大変だ」
男?『今ならだれも見てねぇ。その胸で……みぎゃっ!?』
男「全く、懲りん奴だな……」
「今の声真似どうだった?」
幼「んー……55点?」
「改善の余地ありあり、というわけか」
男「よそでやったりするなよ、絶対」
「やるなよ、絶対やるなよって事?」
男「破ぁ!」
「ぎゃいんっ!?」
幼「あー、今日もいい天気だなぁ」
幼「あ」
男「ん、どうした」
幼「お弁当、忘れてきちゃったみたいだ」
男「珍しいな、お前が忘れ物なんて」
幼「カバンに入れた記憶がないから、相当だね」
男「その弁当達には悪いが、丁度よかった」
幼「?」
男「昨日の例だ。今度は俺に奢らせてくれ」
幼「そんな、悪」
男「いよ。って言うのは分かってる」
幼「むぅ」
男「だから、これはお願いって事で」
幼「お願い、か」
男「うむ」
幼「ずるいなぁ。そんな風に言われたら断れないや」
男「それなら最初から断らなきゃいいだろうに」
幼「それとこれは……」
「そいじゃ大将。ゴチになるッス」
男「……」
「……」
男「急がないと混むからな。ここは多目に見てやる」
「やりぃ」
つづく
まだ見てくださってる方、ありがとうございます
ガンバリマス
幼「そういえば、学食来るの初めてだなぁ」
「オススメ教えてあげるよ、にしし」
幼「ほんと?ありがとー」
男「……結構混んでるな」
幼「いつもはこんなに人いないの?」
男「日によってまちまちだが、こんなに混んでは……」
「ほらほら、まずは席を確保しなきゃ」
男「ん、あぁ。確かにそうだ」
「こっち、こっち空いてるよー」
男「でかした、行こうぜ」
幼「ちょ、ちょっと待って……あぅ」
男「……がしっ」
幼「!」
男「はぐれたら合流は骨が折れるぞ」
幼「うん……ありがと」
幼「……」
幼「……ぎぅ」
男「それじゃ、俺は席確保しとくから。二人で選んできてくれ」
幼「キミはもう決まってるって事?」
男「んや、適当でいいよ。いつもそうだし」
「……きらりん」
「この調子だとオススメ売り切れちゃうかも。早くいこいこ」
幼「それじゃ、行ってきまーす」
男「おう、よろしくな」
「塩サバ定食、塩サバ定食……よし、まだある」
「ピッ、ピッと」
幼「あれ、二枚?」
「全部同じじゃ芸がないからね」
幼「確かにそれもそうかな」
「何でもいいって言ってたし……」
「ピッと」
「それ持って向こうねー」
幼「りょーかいです、隊長」
「おばちゃん、私の分大盛りで!」
幼「そういうのもあるんだねー」
「そっちのもする?」
幼「んー……っと、後ろが詰まっちゃうね。今回は見送る事にするよ」
幼「お待たせー」
男「おう、お帰り。目当てのもんはあったか?」
「うん、ばっちし」
男「そりゃよかった」
「ただ……ね」
男「ん?」
「……」
男「……」
「じゃ、じゃーん」
男「……よりにもよって激辛カレーか」
「な、なんでもいいって言ったじゃん!」
男「何も言ってないだろうが」
幼「そっちも美味しそうだねー」
「……え゛?」
男「そういや、お前辛党だったな」
幼「うん。とっかえよっか?ボクのと」
男「いや、なんでもいいと言ったのは事実だしな」
「そーだそーだ」
男「……それじゃ、とりあえず」
男「いただきます」
幼「いただきまーす」
「いただきマンモスー」
とりあえず、書き溜めてる分は投下してみて
それから考えることにします
それまでよろしくお願いします
幼「んー、おいしいね」
「でしょでしょー?」
男「……く、ぁ」
幼「すごい汗だよ、ほんとに大丈夫?」
「また、大げさな」
男「……そういうならお前、食ってみろ」
「……さっき辛いの平気って言ってたよね?」
幼「うん、平気だよ」
男「いや、そうじゃなくて……まぁいい。頼む」
幼「あー……むっ」
男「……どうだ?」
「……じー」
幼「……ぺろ」
幼「ボクはもう少し辛くてもいいかなぁ?」
男「ま、マジで言ってんのか……?」
「そんなこと言って、本当は大したことないんじゃないの?」
男「……じゃ、お前も食え」
「へ?もごご……んぐ」
男「……どうだ」
幼「美味しいよねぇ?」
「……」
「……み、水ぅ!!」
男「おい、それは俺の……」
「んく……んっく……ぷはぁ」
幼「二人とも大げさじゃない?」
男「いや、その意見は同意しかねるぞ」
「ま、まだ舌がヒリヒリするぅ」
幼「それじゃ、ボクが残りも貰っていい?」
男「すまんな、頼めるか」
幼「それじゃ、こっちの定食はキミに」
「今回ばかりは私も異議なし」
幼「塩さばがちょっと齧っちゃってるけど」
男「いや、そこは気にすんな」
幼「あぐあぐ……」
「み、水なくて兵器?」
幼「ん、ありがとー」
男(え、笑顔で食ってる……)
(み、見てるだけでこっちの胃が痛くなりそう……)
幼「ふー、ごちそうさまでした」
男「塩さば定食、確かに旨いな」
「でしょでしょー?」
幼「学食の日を決めて、たまに食べに来るのも悪くないかなぁ」
男「毎回は出せんぞ」
「えー、甲斐性なしぃ」
男「お前はそもそもおまけだろうが」
幼「あ、チャイム」
男「っと、随分長いしちまったな」
幼「次の授業体育だったよね?」
男「わかってるなら急ぐぞ!」
幼「あいあいさー」
「いてら~」
酉忘れてました
まだ読んでる人がいるかは分かりませんが、一応
男「……ふっ……ふっ」
「……はぁ……はぁ」
「……な、なぁ」
男「ん?」
「なぜ俺達はこのクソ暑い中、工程を走っているんだろうな?」
男「女子が水泳の日だからだろ」
「……そこだ。水泳が男女別って、おかしいと思わんか?」
男「俺は中学の時もそうだったから、別に」
「……」
男「なんで憐れまれなければならん」
「抜け出して見に行かないか?今ならバレねーぞたぶん」
男「……」
「……」
男「いや、行かねーよ」
「間があったよな、今」
男「うるせぇ、黙って走れ」
「おう、頑張れよ」
男「おいこら、待て」
「なんだ、やっぱりお前も行きたかったのか」
男「殴ってでも止めて欲しいか?」
「うわ、こえぇ」
男「あ、待てっ」
「待てと言われて待つやつがいるかっ」
男「くそ、速いっ……」
「伊達に陸上やってねぇぞ!」
男「なら、走ることに文句言うんじゃねぇ!」
「それとこれとは話が別だっ!」
幼「……ふぅ」
幼(あぁ、気持ちいいなぁ……)
幼「おや?どうしたんだろ、みんな」
「うおぉ、女子の視線が釘付けだ!」
男「やっと追いつい……たっ」
「ぐおっ、しまったっ」
幼「おーい、何してるんだい」
男「あぁ、こいつがな……」
幼「……?」
男「……ぁ、と」
「が、眼福っ……!」
男「こ、こいつが授業を抜け出そうとしてたから」
「がああっ」
幼「それ以上いけない」
男「ほら、さっさと行くぞ」
「ち、ちくしょう……」
幼「……残念だなぁ」
「む?」
幼「てっきり、ボクの水着姿を見に来てくれたのかと」
男「なっ……」
幼「……ぽーずっ」
男「っ!」
「お、おおぉっ!!」
「こらーっ、お前らーっ!」
男「げっ」
「やっべ、逃げろっ」
男「おい、逃げてどうなる」
「お前だけ捕まれば、俺は逃げ切れるかもしれない」
男「……なんかアホらしくなってきた」
「ならぜひ、一人で捕まってくれ」
男「それは断る」
「ねぇねぇ」
幼「ん?」
「二人ってさ、付き合ってるの?」
幼「へ?あ、んー……」
幼「……んー?」
今日はここまで
内容についての話とかは、いつでもしていただけると嬉しいです
ではまた次回
「そんな面白いことがあったなんて」
男「面白くもなんともないわ」
幼「あの後いないと思ったら、説教されてたんだね」
男「あぁ。昼休みの半分も使ってみっちりな」
幼「うひゃ、たまらないね」
「まぁ、スケベ野郎の自動自得だな」
男「俺は巻き込まれただけだ」
「でも、見たは見たんでしょ?」
男「……不可抗力でな」
「で、どうだった?」
男「何の質問だ、一体」
幼「どうだった?」
男「食いつくな食いつくな」
「じぃ~」
幼「じー」
男「……」
男「……ちらっ」
「む?」
幼「んー?」
男「まぁ、同じ学年とは思えない感じだったな」
「おいこら。誰が比較しろと言った」
男「並んでるとつい、な」
「ぐぬぬ……このっ」
幼「わひっ」
「私だって、好きでっ、こんな乳な、わけじゃっ……!」
幼「お、大きいと困ることもあるよ……?」
「……このタイミングでその発言はなぁっ!」
幼「あんっ」
「火に油だぁ!!」
幼「だ、だめぇ」
男「おいこら。その辺にしとけよ」
「がうがうっ」
男「こら、暴れる……なっ!?」
幼「わひゃんっ」
男「あ、す、すまん」
幼「……キミたち」
「えっ」
男「え?」
幼「二人とも、正座!」
「は、はいっ」
男「お、おう」
幼「嫁入り前の女の子の胸を、もみもみモミモミと……ボクにも限度ってものがあるよ」
「か、返す言葉もございません」
男「な、なんで俺まで……」
幼「じろり」
男「むむ……」
幼「そうだ。一度自分でも味わってみるといい」
「へ……?」
幼「うりゃうりゃ」
「わぁっ!?」
幼「さわさわ……」
「……」
幼「……なんともない?」
「……こく」
幼「……」
「……なんかゴメン」
幼「いや、ボクこそ……」
男(何を見せられてるんだ俺は)
幼「あ、そうだ。忘れないうちに……はい、これ」
「お、もう読んだんだ」
幼「次で最後だっけ」
「んむ」
幼「最後がどうなるか気になって仕方ないよ」
「気に入ってくれてなにより」
男「……なぁ」
「ん?」
男「俺にも貸してくれないか、その漫画」
「【もう幼馴染じゃいられない】を?」
男「わざわざタイトル言わんでいい」
幼「少女漫画だよ、これ」
男「会話の流れで察してる。皆まで言うな」
「別に貸すのはいいけど……今日は一巻持ってきてないから、明日ね」
男「おう、よろしく」
「あ、一つだけ」
男「なんだ」
「読むからにはちゃんと全巻読むこと」
男「それは読んでみないことには……」
「なら貸さない」
男「……わかったよ。ちゃんと全部読む、約束しようじゃないか」
「ならばよし」
幼「楽しみだなー、最終巻」
男(そんなに面白いのか……)
短めですがこのくらいで
エタらせないよう頑張ります
男『風のうわさで聞いたんだが』
幼『ん、何を?』
男『お前って、俺のことが好きなのか?』
幼『なっ……何言ってんだバカッ!』
男『こ、こらっ。叩くな叩くな』
幼『あ、あんたがバカな事言うから……』
男『だよな、そんなことあるわけねぇよな』
幼『……む』
『なに、朝から痴話喧嘩?』
男『違うっ!』幼『違うわっ!』
『あはは、仲良し』
幼『……殴るわよ?』
『きゃー怖い、助けてぇ』
男『お、おい。そんなにくっつくな』
『……?』
男『……ゴクッ』
幼『こんの、スケベっ!』
男『ぐはぁっ』
男「……」
幼「おっはよー」
男「……おう、おはよう」
幼「おや、今日もなんだか眠たそうだね」
男「あぁ……まぁな」
幼「その様子だと、ちゃんと読んできたんだ」
男「一応、約束は約束だし」
幼「くすくす、キミらしいね」
「ちゃんと読んだなら、感想を承ろうか」
男「うおっ、いきなり出てくるなっ」
「さっきからいたぞ、この野郎」
幼「それで、感想は?」
「おお、そうだった。そこが大事だ」
男「そのまま忘れてりゃよかったものを……」
「……ぎろりん」
男「あー、そうだな……身も蓋もない話かもしれんが」
幼「うんうん」
男「主人公の男が鈍感すぎるな。物語に面白みを持たせたいのは分かるが、あまりにも過ぎる」
幼「……」
「……」
男「な、なんだよ。素直な感想を言っただけだぞ。悪いか」
幼「いや、悪いって言うつもりはないけれど……」
「なるほどね、天然だったわけか」
男「……?」
「それで、続きはどうすんの」
男「あー……せっかくだし頼めるか」
男「なんだかんだ続きは気になるしな」
「それじゃ、とりあえず。はい、二巻」
男「借りておいてなんだが、なんで一気に借してくれんのだ」
「続きが気になったほうがワクワクできていいでしょ」
男「俺はまとめて読むほうが好きなんだが……」
「あんたの都合なんて知るか」
幼「そうだ、忘れないうちに……はい、ありがと。面白かったよ」
「一巻ずつ読んでよかったでしょ?」
幼「ボクはそのほうが性に合ってたかなぁ」
「ほらな」
男「はいはい。借していただきありがとうございますぅ」
「うむ、苦しゅうない」
男「……」
「ところでさ」
幼「ん?」
「オチはどうだった?」
幼「そうだなぁ……個人的にはアリ、かな」
「アリですか」
幼「賛否両論は大いに受け付ける方のアリだけれど」
「ふーん……」
幼「そちら様的には?」
「こちらさま的には……なし寄りのアリ、くらいかな」
幼「そっかー」
「……あんたも」
幼い「?」
「んや、なんでもない」
幼「なんだよ、気になるなー」
「な、なに?その手は」
幼「いやなに、昨日のじゃ仕返しが物足りなかったなーと思いまして」
「ふん、残念だが私には同じ技は二度も……ひんっ!?」
幼「先端は効果あり、と」
「お、おのれぇっ。後で覚え……んひっ」
男「……」
「あの二人、仲いいよな」
男「あぁ、そうだな」
「なんだよ、ヤキモチか?」
男「どこをどう見たらその質問が浮かぶんだ」
「お前は一度、自分の立場をよく見つめなおしたほうがいいぞ」
男「……?」
男「まるで意味が分からんぞ」
「……貴様ッ!!」
男「うおっ、何すんだこら!」
「お前には分かるまい……!この俺の体を通して出る力が……!!」
男「……いいぞ、相手してやる。その力とやらでかかってこい」
「後でほえ面かくなよ!」
男「それはこっちのセリフだ!」
「じゃん」
「けん」
「「ぽんっ」」
男「……」
「……」
男「……ふっ」
「ぐはあっ」
男「昼飯、お前のおごりな」
「みんな……すまぬ、すまぬ……」
男(みんな……?)
「男子ってアホだねぇ」
幼「くすくす、そうだね」
男「それじゃ行ってくる」
「素うどんだけにしとけよ」
男「敗者に発言権があるとでも……?」
「くっ、殺せっ」
幼「はーい、いってらっしゃい」
「いてらー」
幼「……」
「ほんとに行きやがんの、あのアホ」
幼「おべんと、二人で食べよっか」
「ん、そだね」
幼「交換してもいい?自分のだけだと新鮮味がないし」
「……あんがと」
幼「いえいえ、こちらこそ」
男「さーて、どうしてやろうか……」
「お前さ」
男「ぬ?今更命乞いか?」
「……いや、やっぱいいや」
男「なんだよ、そんな言い方されると気になるだろ」
「これ言ったらなおさらみじめになるだけだと気づいたんだよ」
男「だからなんだってんだよ」
「うっせぇ。さっさと選べ」
男「……ぴっ」
「うえ、お前マジでそれ食うのか?}
男「んにゃ、お前の分」
「……は?」
男「おごりはいらんから、それ食え」
「いや、それとこれとは……」
男「おごりはいらんと言っとるのに。敗者が口答えか?」
「……できらぁっ!」
幼「この卵焼き、おいしいね」
「んー、そう?てけとーにやっただけだけど」
幼「もしかして、料理得意?」
「得意ってほどでも……ないんじゃないかねぇ……もぐもぐ」
幼「あむ……ボクも冷凍食品ばかりじゃなくて練習しないとなぁ」
「んぐ……練習しても食べてもらえないと意味ないけどね」
幼「あはは、確かに」
「次こそはあのアホ引っ張ってきてでも食べさせてやろう」
幼「うん、そうだね」
「……」
幼「あむ……ん。ごめん、ボク食べすぎかな」
「あ、いや。そんなんじゃないんだ」
幼「難しい顔、してたから」
「あー……んと」
「あの漫画の話だけどさ」
幼「うんうん」
「私なら、問い詰めてでも答えを出してもらうと思うんだ」
幼「……ふむふむ」
「だからさ、アリって答える人はどうするんだろうな……って気になって」
幼「そうだな、ボクなら……」
のんびり続く
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